JP2005328768A - 不溶性素材が均一に分散し、果肉食感を有するゼリーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーを製造する。
【解決手段】脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加えて加熱攪拌溶解し、不溶性素材を添加した後、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加する。又は、当該ゲル化剤を水に加え加熱攪拌溶解し、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加した後、固化前に不溶性素材を添加する。当該ゲル化剤のゼリーに対する添加量が、0.1〜1.5重量%である。不溶性素材が、果実由来の果肉片パルプ、さのう及び乾燥こんにゃく加工品から選ばれる1種以上である。
【選択図】なし
【解決手段】脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加えて加熱攪拌溶解し、不溶性素材を添加した後、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加する。又は、当該ゲル化剤を水に加え加熱攪拌溶解し、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加した後、固化前に不溶性素材を添加する。当該ゲル化剤のゼリーに対する添加量が、0.1〜1.5重量%である。不溶性素材が、果実由来の果肉片パルプ、さのう及び乾燥こんにゃく加工品から選ばれる1種以上である。
【選択図】なし
Description
本発明は、果肉食感を有するゼリーの製造方法に関する。詳細には、果肉状の食感が付与されたゼリーに、大量の果実由来の果肉片、パルプやさのうなどの不溶性素材を添加しても、沈殿や浮遊することがなく、均一に分散した不溶性素材を含有する果肉食感を有するゼリーの製造方法に関する。
従来、果肉食感を有するゼリーの製造方法として、アルギン酸類やLMペクチンをゲル化剤として含むゼリーが種々検討されている。例えば、ペクチン又はアルギン酸の金属イオンを含むフロック状のゼリーを10〜70重量%含有することにより、果実のさのうが入っている様なゼリーができ、その中には果実のピューレなどを含んでいてもよいこと(特許文献1)、アルギン酸塩、アルギン酸、ペクチンを含有させたゲル化性ゾルの中に、このゾルを攪拌しながらMg、Hg以外の2価以上の可食性金属塩を含む溶液を滴下し、ゾル中のアルギン酸、ペクチンの金属塩のゲルを形成せしめた後、このゾルを容器に充填しゲル化させた、果肉状の食感を呈するゼリー(特許文献2)がある。しかし、これらのゼリーにはジェランガムを使用することについては、一切開示されていない。
また、ジェランガムを使用して果肉食感を有するゼリーを製造する方法として、凍結解凍する方法が検討されている。例えば、ゲル化剤としてジェランガムのみを使用し、砂のう風の組織及び食感を有する耐熱性ゼリーの製法として、ジェランガムゼリーを調製後、更に緩慢凍結した後解凍する方法(特許文献3)などが挙げられる。但し、これらの方法は凍結し、更に解凍するという工程が複雑となるという問題があった。
また、ジェランガム及びLMペクチンを使用する果肉食感を有するゼリーの製造方法として、ジェランガムとLMペクチンを含むゲル化剤を水に加え、加熱攪拌溶解し、この溶液にアルカリ土類金属を含む水溶液を攪拌しながら滴下することにより、溶液中にLMペクチンとアルカリ土類金属の反応物であるゲル状物を形成せしめた後、この混合液を冷却し、ゲル化することを特徴とする果肉食感を有するゼリー(特許文献4)、ペクチン、ジェランガム及びクエン酸カルシウムを併用して製造してなる低pH域ゼリー(特許文献5)、酸性下でアルカリ土類金属と反応させて形成したゲルで膨潤不溶性食物繊維が被覆されており、この被覆された食物繊維が、冷却して形成されたゲル中に分散されていることよりなる果肉様組織を有するゼリー状食品について記載されている(特許文献6)。しかし、特許文献4及び5のゼリーには、果実のさのうなどの不溶性素材を均一に分散させることについては一切記載が無く、また、LMペクチンとジェランガムを1:1(3g:3g)(特許文献6〔実施例3〕)としており、不溶性素材の分散性や果肉様食感について、まだ改善の余地があった。
更に、野菜・果実等含有ゼリーとして、別個に調製した2種類の原料液のうち、ゲル化剤を含有する原料液の温度をそのゲル化剤のゲル化温度を超える温度に調整し、両原料液を混合し、この混合液を冷却し、固化し、ゼリーを製造する方法において、(a)カラギナン、ファーセレラン及び寒天からなるゲル化剤の群より選択される少なくとも1種類以上のゲル化剤、並びに低メトキシルペクチンおよびジェランガムからなる増粘多糖類の群より選択される少なくとも1種類以上の増粘多糖類を含有する原料液Aを調製すること、(b)カルシウムを含有する液に、野菜、果物、藻類及びそれらの加工品からなる固形物の群より選択される少なくとも1種類以上の野菜・果実等固形物を分散させて分散液を調製するとともに、この分散液とは別に、低メトキシルペクチンおよびジェランガムからなる増粘多糖類の群より選択される少なくとも1種類以上の増粘多糖類を溶解させた溶解液を調製し、この溶解液と前記分散液とを混合して原料液Bを調製すること、及び(c)原料液Aの温度を、そのゲル化剤のゲル化温度を超える温度に調整し、原料液Aと原料液Bとを混合し、この混合液を冷却し、固化すること、を特徴とする野菜・果実等ゼリーの製造方法(特許文献7)がある。しかし、この方法によると、溶液を2液調製しなければならず、製造工程が煩雑となっていた。
本発明は、果肉を使用しなくても、パルプ、さのうなどが含まれたような、果肉状の食感が付与されたゼリー、或いは、果肉状の食感が付与されたゼリーに、大量の果実由来の果肉片、パルプやさのうなどの不溶性素材を添加しても、沈殿や浮遊することがなく、均一に分散した不溶性素材含有ゼリーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加えて加熱攪拌溶解し、不溶性素材を添加した後、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加することにより、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーが製造できることを見いだした。
更に、当該ゲル化剤を水に加え加熱攪拌溶解し、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加した後、固化前に不溶性素材を添加することによっても、同様に不溶性素材が均一に分散した果肉食感を有するゼリーが製造できることも見いだした。
更には、当該ゲル化剤のゼリーに対する添加量が、0.1〜1.5重量%であり、不溶性素材が、果実由来の果肉片パルプ、さのう及び乾燥こんにゃく加工品から選ばれる1種以上を使用するのが好ましいことを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の態様を有するものである;
項1.脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加えて加熱攪拌溶解し、不溶性素材を添加した後、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加することを特徴とする、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
項2.脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加え加熱攪拌溶解し、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加した後、固化前に不溶性素材を添加することを特徴とする、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
項3.脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤のゼリーに対する添加量が、0.1〜1.5重量%である、項1又は2に記載の、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
項4.不溶性素材が、果実由来の果肉片、パルプ、さのう及び乾燥こんにゃく加工品から選ばれる1種以上である、項1乃至3のいずれかに記載の、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
項1.脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加えて加熱攪拌溶解し、不溶性素材を添加した後、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加することを特徴とする、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
項2.脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加え加熱攪拌溶解し、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加した後、固化前に不溶性素材を添加することを特徴とする、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
項3.脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤のゼリーに対する添加量が、0.1〜1.5重量%である、項1又は2に記載の、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
項4.不溶性素材が、果実由来の果肉片、パルプ、さのう及び乾燥こんにゃく加工品から選ばれる1種以上である、項1乃至3のいずれかに記載の、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
本発明により、果肉を使用しなくても果肉様の食感が付与されたゼリーができること又は、果肉様の食感が付与されたゼリーに、大量の果実由来の果肉片パルプやさのうなどの不溶性素材を添加しても、沈殿や浮遊することがなく、均一に分散した不溶性素材含有ゼリーができるようになった。
本発明に係るゼリーの製造方法は、脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加えて加熱攪拌溶解し、不溶性素材を添加した後、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加するか、または、当該ゲル化剤を水に加え加熱攪拌溶解し、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加した後、固化前に不溶性素材を添加することを特徴とする。
本発明で使用する脱アシル型ジェランガムは、Sphingomonas elodeaが産出する発酵多糖類であり、1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類である。1構成単位辺りカルボキシル基1残基を有する。
脱アシル型ジェランガムの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルアップ[商標]K−S、ケルコ社製のケルコゲル及びケルコゲルLTなどを挙げることができる。
本発明で使用するLMペクチン(ローメトキシルペクチン)は、エステル化度が50%以下、好ましくは、35%以下のものを使用するのが好ましい。一般に、エステル化度が低くなればなるほど、乳成分やカルシウム成分といったLMペクチンと作用する成分との反応性が高くなるため、耐熱性の陽イオンのゲルが早く形成するため好ましい。なお、該LMペクチンは商業的に入手でき、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のビストップ[商標]D−402、ビストップ[商標]D−1382等が挙げられる。
更に、脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンは、脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むことを特徴とする。この配合で調製されたゲル化剤として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルアップ[商標]J−3027等を例示することができる。また、脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤の、ゼリーに対する添加量は、0.1〜1.5重量%、より好ましくは、0.2〜1.0重量%である。なお、LMペクチンとしての添加量は、ゼリー全体に対し、0.05%〜1.0%、好ましくは0.1%〜0.5%であり、脱アシル型ジェランガムは0.03%〜0.5%、好ましくは0.05%〜0.2%を添加するのが適当である。LMペクチンの添加量が多い場合は、繊維感が強くなる。また、ジェランガムの添加量が少ないとすりおろしたりんごを固めた様な組織となり、添加量が多いとさくさくしたりんご様の組織となる。
更に、本発明で使用するアルカリ土類金属塩として、カルシウム塩、マグネシウム塩等を挙げることができ、好ましくはカルシウム塩である。カルシウム塩の例として、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、水酸化カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム等の水可溶性のカルシウム塩の形態で用いられるか、または牛乳や豆乳などの動・植物性乳並びにこれらの乳製品の形態で用いることができる。アルカリ土類金属塩の添加量は、使用するアルカリ土類金属塩の種類やゲル化剤の添加量によって、適宜調整することができるが、例えば、カルシウム塩として乳酸カルシウムを添加する場合、ゼリーに対して0.01〜0.4重量%を例示することができる。アルカリ土類金属塩の添加量を多くすると、ゲルは固くなる傾向になる。
また、脱アシル型ジェランガムの溶解性改善やゲル形成の安定化や金属イオンの反応性がコントロールできるため、クエン酸三ナトリウム等のアルカリ金属塩を添加することもできる。
本発明では、ゼリー中不溶性素材を均一に分散させることが特徴である。不溶性素材として好ましくは、果実由来の果肉片、パルプ、さのうや、乾燥こんにゃく加工品、カット野菜、カットゼリー、抹茶、ゴマ、ハーブ、コショウなどのスパイスから選ばれる1種以上である。中でも、果肉由来の果肉片、パルプ、さのうや乾燥こんにゃく加工品から選ばれる1種以上を使用するのが好ましい。果実由来の果肉片、パルプ、さのうを使用した場合には、果肉様の食感が付与されたゼリーに本物の果実由来のパルプなどを均一に分散させることで、より一層果肉のような食感に近づくゼリーとなる。更には、乾燥こんにゃく加工品を使用した場合は、果肉などの果実由来の不溶性素材を使用することなく、本物の果肉に近い食感となる。
更に、本発明で使用する乾燥こんにゃく加工品は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を含み0.5〜2mmの細粒状に調整した複合組成物であることが好ましい。乾燥こんにゃく加工品に用いられるこんにゃく粉は、通常用いられているこんにゃく粉や、生こんにゃく芋の乾燥粉砕品等を使用することが出来る。糖質は、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、異性化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、ラクチトール、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類などを使用することが出来るが、好ましくは水飴である。澱粉は、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ等のトウモロコシ由来のでんぷん;タピオカでんぷん;サツマイモ由来のでんぷん、ジャガイモ由来のでんぷん、サゴヤシ由来のでんぷん等や小麦や米由来の澱粉、それらの加工・化工澱粉を適宜選択して用いることができる。
乾燥こんにゃく加工品の加工方法は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合物として乾燥加工品とすることができ、水中で膨潤できるようなものに加工できればどのような製法を採ってもよいが、好ましい製造方法として、こんにゃく芋から常法にてグルコマンナンを抽出して乾燥し、澱粉と混合し、水を添加して膨潤し、少量のアルカリを添加することによる脱アセチル化処理を行った後、成型、加熱ゲル化、中和、糖質溶液浸漬、乾燥することで製造する例を挙げることができる。更には、特許第2866609号或いは特許第3159104号に記載の方法で製造することができる。
また、乾燥こんにゃく加工品中のこんにゃく粉、糖質及び澱粉の組成も、特に制限されないが、乾燥こんにゃく加工品中、こんにゃく粉5〜30重量%、水飴30〜90重量%、澱粉5〜30重量%の範囲となるように、任意に調整することができる。
なお、乾燥こんにゃく加工品の粒径の度合いとして、0.5〜2mmの細粒状に加工されたものであるが、60〜12メッシュ篩過のものを使用することが出来る。このような製剤は、商業上入手することができ、例えば、アイレス株式会社製の乾燥こんにゃくや、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート[商標]300等のサンスマート[商標]シリーズを挙げることができる。
果実由来の果肉片パルプ、さのう及び乾燥こんにゃく加工品といった不溶性素材のゼリーに対する添加量は、0.5〜60重量%、好ましくは、1〜50重量%を挙げることができる。本発明ではこれら不溶性素材をゼリーに対して大量に添加しても均一に分散できることが特徴である。
更に、本発明の果肉食感を有するゼリーは、本発明の効果を損なわないことを限度として、その他のゲル化剤、果汁、乳成分、着色料、着香料及び風味調整剤などを含むことができ、これによって対象とする組成物に所望の色、香り並びに味を均一に付与することができる。また、必要に応じて、乳化剤、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等のカルシウム類、鉄、マグネシウム、リン、カリウム等のミネラル類などを添加してもよい。
その他のゲル化剤として、一般的に用いられているものを適宜用いることができ、例えば、カラギナン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、タラガム、ローカストビーンガム、グァーガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、マクロホモプシスガム、プルラン、寒天、ゼラチン、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチン及びカルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。また、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉を添加してもよい。
甘味料としては、特に限定されず、従来甘味料として公知のものがいずれも使用でき、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末等の甘味成分が挙げられる。甘味料の配合割合としては、特に制限されず、甘味度が3〜30度となるように配合するのが好ましく、好ましくは5〜20度、より好ましくは8〜15度となるように配合するのがよい。
本発明の果肉食感を有するゼリーの製造方法について、前記以外に関しては常法により製造することができる。例えば、ゲル化剤、糖類などの原料を水、好ましくは蒸留水に加熱攪拌溶解し(75〜95℃で5〜15分程度)、不溶性素材と必要に応じて、果汁、酸、色素、香料などを添加し、攪拌しながらアルカリ土類金属塩を添加して加熱溶解(75〜95℃で5〜15分程度)を行う方法、又は、ゲル化剤、糖類などの原料を水、好ましくは蒸留水に加熱攪拌溶解し(75〜95℃で5〜15分程度)、必要に応じて、果汁、酸、色素、香料などを添加し、攪拌しながらアルカリ土類金属塩を添加して加熱溶解(75〜95℃で5〜15分程度)した後、ゲル化(固化)する前に不溶性素材を添加して攪拌する方法を挙げることができる。その後は、常法通りに調製することができ、例えば、必要に応じてpH調整、全量補正後、容器充填、殺菌、冷却して容器入りゼリーを製造することが出来る。また、アルカリ土類金属塩は、例えばカルシウム塩を使用する場合など、少量のお湯に溶解してから添加することが好ましい。なお、殺菌工程について、40℃で無菌条件下に容器充填を行っても良いし、全量補正後、90〜95℃で容器充填(ホットパック充填)してもよい。また、容器充填後冷却する工程について、室温冷却や、冷却水槽のような設備、冷蔵庫などを使用して冷却して製造することが出来る。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り、「部」は「重量部」を示すものとし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。
実施例1:グレープフルーツゼリー
水と果糖ブドウ糖液糖を合わせて攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、クエン酸三ナトリウムの粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解し、果汁、さのう、クエン酸(無水)、色素、香料を添加し、攪拌しながら少量のお湯で溶解した乳酸カルシウムを添加する。全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、容器入りグレープフルーツゼリーを調製した。
得られたゼリーは、さのうが50%と大量に含有しているにも拘わらず均一に分散しており、果肉感が感じられた良好なゼリーであった。
水と果糖ブドウ糖液糖を合わせて攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、クエン酸三ナトリウムの粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解し、果汁、さのう、クエン酸(無水)、色素、香料を添加し、攪拌しながら少量のお湯で溶解した乳酸カルシウムを添加する。全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、容器入りグレープフルーツゼリーを調製した。
得られたゼリーは、さのうが50%と大量に含有しているにも拘わらず均一に分散しており、果肉感が感じられた良好なゼリーであった。
ゼリー処方 部
砂糖 5
果糖ブドウ糖液糖 10
グレープフルーツ冷凍果汁(ブリックス45°)2
グレープフルーツさのう 50
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1))0.6
クエン酸(無水)N* 0.18
クエン酸三ナトリウムF* 0.1
乳酸カルシウム 0.1
色素(サンエロー※NO.2AU*) 0.005
香料(フルーツフレーバーTB*) 0.1
香料(マルチハンサー※NO.1*) 0.05
香料(グレープフルーツフレーバーNO.21-B*) 0.1
水にて合計 100
注1)ゲル化剤:ゲルアップ※J−3027*:LMペクチン60%、脱アシル型ジェランガム30%、クエン酸三ナトリウム6.7%含有製剤
砂糖 5
果糖ブドウ糖液糖 10
グレープフルーツ冷凍果汁(ブリックス45°)2
グレープフルーツさのう 50
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1))0.6
クエン酸(無水)N* 0.18
クエン酸三ナトリウムF* 0.1
乳酸カルシウム 0.1
色素(サンエロー※NO.2AU*) 0.005
香料(フルーツフレーバーTB*) 0.1
香料(マルチハンサー※NO.1*) 0.05
香料(グレープフルーツフレーバーNO.21-B*) 0.1
水にて合計 100
注1)ゲル化剤:ゲルアップ※J−3027*:LMペクチン60%、脱アシル型ジェランガム30%、クエン酸三ナトリウム6.7%含有製剤
実施例2:オレンジゼリー(1)
水にグラニュー糖、ゲル化剤の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、乳酸カルシウムを添加し、更に10分間攪拌した後、果汁、香料、クエン酸(結晶)を添加して、全量補正後、オレンジさのうをゼリー全量に対し10%添加し、攪拌し、容器充填し、80℃30分間加熱殺菌し、8℃の冷水にて冷却して、オレンジゼリーを調製した。
このゼリーは、オレンジさのうが均一に分散した良好な果肉食感のゼリーとなった。
水にグラニュー糖、ゲル化剤の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、乳酸カルシウムを添加し、更に10分間攪拌した後、果汁、香料、クエン酸(結晶)を添加して、全量補正後、オレンジさのうをゼリー全量に対し10%添加し、攪拌し、容器充填し、80℃30分間加熱殺菌し、8℃の冷水にて冷却して、オレンジゼリーを調製した。
このゼリーは、オレンジさのうが均一に分散した良好な果肉食感のゼリーとなった。
ゼリー処方 部
グラニュー糖 18
1/5濃縮オレンジ果汁 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1))0.65
香料(オレンジフレーバーNO.93−DJ*)0.18
クエン酸(結晶) 0.15
乳酸カルシウム 0.1
水にて合計 100
グラニュー糖 18
1/5濃縮オレンジ果汁 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1))0.65
香料(オレンジフレーバーNO.93−DJ*)0.18
クエン酸(結晶) 0.15
乳酸カルシウム 0.1
水にて合計 100
実施例3:すりおろしリンゴゼリー
水を攪拌機で攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、乾燥こんにゃく加工品の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、予め少量のお湯に溶解した乳酸カルシウムと、果汁、はちみつ、クエン酸、香料を添加して更に10分程度攪拌し、蒸発水を補正した後、容器充填し、85℃30分間加熱殺菌して、10℃の水に水冷してすりおろしリンゴゼリーを調製した(pH4.0,Brix20)。
このゼリーは、リンゴのすりおろしを固めたような果肉状の食感を有するゼリーとなった。
水を攪拌機で攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、乾燥こんにゃく加工品の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、予め少量のお湯に溶解した乳酸カルシウムと、果汁、はちみつ、クエン酸、香料を添加して更に10分程度攪拌し、蒸発水を補正した後、容器充填し、85℃30分間加熱殺菌して、10℃の水に水冷してすりおろしリンゴゼリーを調製した(pH4.0,Brix20)。
このゼリーは、リンゴのすりおろしを固めたような果肉状の食感を有するゼリーとなった。
処方 部
砂糖 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027−B*注2))0.6
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※300*) 3
乳酸カルシウム 0.1
5倍濃縮りんご透明果汁 10
はちみつ(脱臭脱色タイプ) 15
クエン酸(無水)N 0.12
香料(アップルフレーバーNO.21−B*) 0.1
水にて合計 100
注2)ゲル化剤:ゲルアップ※J−3027−B*:LMペクチン75%、脱アシル型ジェランガム15%、クエン酸三ナトリウム6.7%含有製剤
砂糖 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027−B*注2))0.6
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※300*) 3
乳酸カルシウム 0.1
5倍濃縮りんご透明果汁 10
はちみつ(脱臭脱色タイプ) 15
クエン酸(無水)N 0.12
香料(アップルフレーバーNO.21−B*) 0.1
水にて合計 100
注2)ゲル化剤:ゲルアップ※J−3027−B*:LMペクチン75%、脱アシル型ジェランガム15%、クエン酸三ナトリウム6.7%含有製剤
実施例4:オレンジゼリー(2)
水を攪拌機で攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、乾燥こんにゃく加工品の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、予め少量のお湯に溶解した乳酸カルシウムと、果汁、はちみつ、クエン酸、香料を添加して更に10分程度攪拌し、蒸発水を補正した後、容器充填し、85℃30分間加熱殺菌して、10℃の水に水冷してオレンジゼリーを調製した(pH4.0,Brix20)。
このゼリーは、あたかもオレンジのさのうが分散したような果肉状の食感を有するゼリーとなった。
水を攪拌機で攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、乾燥こんにゃく加工品の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、予め少量のお湯に溶解した乳酸カルシウムと、果汁、はちみつ、クエン酸、香料を添加して更に10分程度攪拌し、蒸発水を補正した後、容器充填し、85℃30分間加熱殺菌して、10℃の水に水冷してオレンジゼリーを調製した(pH4.0,Brix20)。
このゼリーは、あたかもオレンジのさのうが分散したような果肉状の食感を有するゼリーとなった。
処方 部
砂糖 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1)) 0.6
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※200*)3
乳酸カルシウム 0.1
オレンジ5倍濃縮果汁混濁 10
はちみつ(脱臭脱色タイプ) 15
香料(オレンジフレーバーNO.21−B*) 0.1
水にて合計 100
砂糖 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1)) 0.6
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※200*)3
乳酸カルシウム 0.1
オレンジ5倍濃縮果汁混濁 10
はちみつ(脱臭脱色タイプ) 15
香料(オレンジフレーバーNO.21−B*) 0.1
水にて合計 100
実施例5:ピーチゼリー
水を攪拌機で攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、乾燥こんにゃく加工品の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、予め少量のお湯に溶解した乳酸カルシウムと、果汁、はちみつ、クエン酸、香料を添加して更に10分程度攪拌し、蒸発水を補正した後、容器充填し、85℃30分間加熱殺菌して、10℃の水に水冷してピーチゼリーを調製した(pH4.0,Brix20)。
このゼリーは、全体的に果肉の繊維感が感じられるピーチ果肉状の食感を有するゼリーとなった。
水を攪拌機で攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、乾燥こんにゃく加工品の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、予め少量のお湯に溶解した乳酸カルシウムと、果汁、はちみつ、クエン酸、香料を添加して更に10分程度攪拌し、蒸発水を補正した後、容器充填し、85℃30分間加熱殺菌して、10℃の水に水冷してピーチゼリーを調製した(pH4.0,Brix20)。
このゼリーは、全体的に果肉の繊維感が感じられるピーチ果肉状の食感を有するゼリーとなった。
処方 部
砂糖 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1) 0.4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3410*) 0.4
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※300*)3
乳酸カルシウム 0.1
はくとう4倍濃縮果汁混濁 12.5
はちみつ(脱臭脱色タイプ) 15
クエン酸(無水)N 0.17
香料(ピーチフレーバーNO.21−B*) 0.1
水にて合計 100
砂糖 4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3027*注1) 0.4
ゲル化剤(ゲルアップ※J−3410*) 0.4
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※300*)3
乳酸カルシウム 0.1
はくとう4倍濃縮果汁混濁 12.5
はちみつ(脱臭脱色タイプ) 15
クエン酸(無水)N 0.17
香料(ピーチフレーバーNO.21−B*) 0.1
水にて合計 100
本発明により、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーを製造できる。
Claims (4)
- 脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加えて加熱攪拌溶解し、不溶性素材を添加した後、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加することを特徴とする、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
- 脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤を水に加え加熱攪拌溶解し、アルカリ土類金属塩を攪拌しながら添加した後、固化前に不溶性素材を添加することを特徴とする、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
- 脱アシル型ジェランガム及びLMペクチンを2:3〜1:5の割合で含むゲル化剤のゼリーに対する添加量が、0.1〜1.5重量%である、請求項1又は2に記載の、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
- 不溶性素材が、果実由来の果肉片、パルプ、さのう及び乾燥こんにゃく加工品から選ばれる1種以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の、不溶性素材が均一に分散し、しかも果肉食感を有するゼリーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004150641A JP2005328768A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 不溶性素材が均一に分散し、果肉食感を有するゼリーの製造方法 |
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Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2304853A1 (es) * | 2006-07-26 | 2008-10-16 | Salvador Vidal Castaño | Gelatina de frutas y procedimiento para su obtencion. |
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JP2017201923A (ja) * | 2016-05-11 | 2017-11-16 | ユニテックフーズ株式会社 | ゼリー食品 |
-
2004
- 2004-05-20 JP JP2004150641A patent/JP2005328768A/ja active Pending
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