JP2020089316A - 冷凍飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間に亘って冷たさを持続しながら、溶け始めから溶け終わりまでの味の変化が小さい冷凍飲料を提供する。【解決手段】冷凍飲料は、飲料を凍らせてなる冷凍飲料であって、セルロース又はセルロース誘導体を含み、25℃下で前記冷凍飲料を解凍する際に、前記冷凍飲料の総質量のうち0質量%から20質量%までの解凍された飲料を溶け始めの飲料、前記冷凍飲料の総質量のうち20質量%超から80質量%までの解凍された飲料を溶け途中の飲料、及び、前記冷凍飲料の総質量のうち80質量%超から100質量%までの解凍された飲料を溶け終わりの飲料としたときに、前記溶け終わりの飲料の濃度に対する前記溶け始めの飲料の濃度の比が0.5以上3.0以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍飲料に関する。
近年、夏期における気温上昇が激しいことにより、冷たい飲料の需要が増加している。暑さの下でも冷たい飲料を長時間に渡って摂取する方法として、例えば、冷やした飲料を水筒等の保冷容器に入れて冷たさを維持しながら飲用する方法等が挙げられるが、保冷容器を常時持ち歩く必要がある。それ以外の方法としては、パウチ等の容器に充填された飲料を冷凍し、常温で徐々に解凍しながらシャーベット状の飲料として飲用する方法や、ペットボトル等の冷凍用のボトルに入れた飲料を冷凍し、徐々に解凍しながら、溶けた飲料の部分を少しずつ飲用する方法がある。これらの方法は、飲料を容器ごと冷凍して持ち歩くだけで、少しずつ冷たい飲料を摂取することができるため、保冷容器が不要であり、飲用後の容器は容易に廃棄できるメリットがある。
通常、市販されている飲料を冷凍すると、始めに水が凍り、糖等の飲料の成分が未氷結の部分に集まっていき、飲料の成分の濃い部分が最後に凍る。逆に、解凍する場合は、飲料の成分を濃く含む部分が最初に溶け出し、飲料の成分が薄い部分が最後に溶け出す。そのため、市販されている飲料を冷凍して、常温で徐々に解凍しながら飲用する場合、解凍直後の液は味が濃く、次第に飲料の成分の濃度が低下して味が薄くなってしまうという問題がある。
一方、シャーベット飲料のように、一つ一つの氷結晶を小さく凍らせた場合には、氷結晶が比較的均一に形成されているため、飲料の成分の濃度差は生じにくい。さらに、シャーベット飲料の場合は、飲用する際には揉んだり、押し出したりしながら、氷結晶もそのまま口の中まで流動させて飲用できるため、成分の濃度差を感じることは少ない。
例えば、特許文献1には、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム及びアルギン酸アンモニウムのうちいずれかの安定剤を含み、且つカルシウムイオン濃度が10mg/100g以下であるシャーベット状飲料が記載されている。
また、特許文献2には、ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン及び糖アルコールからなる群より選ばれる1種以上の糖類と、ペクチン及び大豆多糖類を含む多糖類系安定剤と、を含有するシャーベット状飲料が記載されている。
また、特許文献3には、ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン及びオリゴ糖からなる群より選ばれる1種以上の澱粉糖を含む糖類を含有し、糖類のDE値(A)、飲料の可溶性固形分(B)及び液温26℃における飲料の粘度飲料の粘度(C)が所定の関係式を満たすシャーベット状飲料が記載されている。
また、特許文献4には、茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)、酸味度及びガレート型カテキン類の合計値に対する果糖の含有量の比(E)、糖酸味度比(F)及び還元糖及び非還元糖の合計値に対する食物繊維の含有量の比(G)が所定の範囲である容器詰緑茶飲料が記載されている。
特開2018−046759号公報 特許第4072178号公報 特許第3930532号公報 特開2014−212760号公報
しかしながら、シャーベット飲料は、一般的には、撹拌させながら凍らせた後に、パウチ等の容器に充填する必要があり、専用の製造ラインが必要となるため、製造に手間とコストがかかる。
また、特許文献1に記載のシャーベット飲料では、メカニズム上、アルギン酸塩の一部がカルシウムイオンと反応してアルギン酸カルシウムとなることが必要であるため、カルシウムの配合が必須であり、カルシウムを含まない飲料には適用できない。一方、カルシウムイオンの濃度が高すぎる場合は、アルギン酸カルシウムが多量にできて飲料がゲル化してしまうため、カルシウムイオン濃度には10mg/100g以下という制限があり、乳飲料のようなカルシウムを多く含む飲料にも適用できない。
また、特許文献2に記載のシャーベット飲料では、上記糖類、ペクチン及び大豆多糖類の配合が必須であり、飲料の味が制限されてしまうことや、ペクチン及び大豆多糖類の添加により糊状感が出てしまう問題がある。
また、特許文献3に記載のシャーベット飲料では、上記澱粉糖の添加が必要であり、且つ、上記A〜Cが所定の関係式を満足するように調整する必要があることから、味がかなり制限されてしまうことや、口の中で溶けて飲み込む際に糊状感があるという問題がある。
また、特許文献1〜3に記載の技術はいずれも、シャーベット状に凍らせることを前提としており、飲料全体を一つの氷塊状に凍らせた場合等、非シャーベット状の冷凍飲料においては、半解凍状態における飲料の濃度差が生じるという問題は解決することができない。
さらに、特許文献4に記載の容器詰緑茶飲料は、上記D90〜Gを所定の範囲とすることで、人が感じる渋み、舌触り、香り等、官能的な差を小さくさせるという効果を奏するが、緑茶の固体粒子を含有する緑茶飲料に限定された技術であり、半解凍状態における飲料の濃度差を小さくしているわけではない。
これらのことから、飲料の種類を問わず、且つ、冷凍時の状態を問わずに、容器詰めされた飲料を冷凍してなる冷凍飲料において、解凍直後の解凍液は味が濃く、次第に解凍液の味が薄くなってしまうという問題を根本的に解決する手段がほとんどないのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、長時間に亘って冷たさを持続しながら、溶け始めから溶け終わりまでの味の変化が小さい冷凍飲料を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、冷凍飲料にセルロース又はセルロース誘導体を配合することで、長時間に亘って冷たさを持続しながら、溶け始めから溶け終わりまでの味の変化が小さい冷凍飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る冷凍飲料は、飲料を凍らせてなる冷凍飲料であって、セルロース又はセルロース誘導体を含み、25℃下で前記冷凍飲料を解凍する際に、前記冷凍飲料の総質量のうち0質量%から20質量%までの解凍された飲料を溶け始めの飲料、前記冷凍飲料の総質量のうち20質量%超から80質量%までの解凍された飲料を溶け途中の飲料、及び、前記冷凍飲料の総質量のうち80質量%超から100質量%までの解凍された飲料を溶け終わりの飲料としたときに、前記溶け終わりの飲料の濃度に対する前記溶け始めの飲料の濃度の比が0.5以上3.0以下である。
前記セルロースが結晶セルロースと親水性高分子とからなる結晶セルロース複合体であってもよい。
前記セルロースの誘導体がカルボキシメチルセルロースナトリウムであってもよい。
前記冷凍飲料が茶系飲料、コーヒー飲料、果実飲料、スポーツ飲料、豆乳飲料、乳性飲料、ココア飲料又は乳飲料であってもよい。
前記冷凍飲料の冷凍時に含まれる氷が1mm以上の氷塊状であってもよい。
上記態様の冷凍飲料によれば、長時間に亘って冷たさを持続しながら、溶け始めから溶け終わりまでの味の変化が小さい冷凍飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と称する場合がある)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
≪冷凍飲料≫
本実施形態の冷凍飲料は、飲料を凍らせてなる冷凍飲料であって、セルロース又はセルロース誘導体を含む。なお、本明細書における「冷凍飲料」とは、常温で経時的に解凍しながら飲用するものを指す。ここでいう「常温」とは、人間が活動を行う標準的な温度範囲であり、概ね0℃以上60℃以下を想定している。
また、「経時的に解凍しながら飲用する」とは、凍った飲料を容器内で解凍し、溶けて液体となった部分を飲用することを意味する。また、溶けて液体となった部分に含まれる、小さい氷の部分を液体とともに飲用する場合も含む。完全に解凍させる時間までの時間は少なくとも15分以上であり、30分以上が好ましく、60分以上がより好ましく、120分以上がさらに好ましい。
また、本明細書における「冷凍飲料」には、食品の分類上、「アイスクリーム類」及び「氷菓」に分類されるものは含まれない。
ここでいう「アイスクリーム類」とは、アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約と公正競争規約施行規則に基づいて分類されるものである。アイスクリーム類として具体的には、乳固形分15.0%以上(うち乳脂肪分8.0%以上)の「アイスクリーム」、乳固形分10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)の「アイスミルク」、乳固形分3.0%以上の「ラクトアイス」にさらに分類される。アイスクリーム類は、一般的には、アイスクリームミックスを0℃以上5℃以下程度で冷却及びエージング後、アイスクリームミックスを高速で撹拌しながら、急速に冷却し凍結して得られるものであり、アイスクリーム類中の氷結晶の大きさは、10μm以上80μm以下程度である。
また、「氷菓」とは、アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約と公正競争規約施行規則に基づいて、糖液若しくはこれに他食品を混和した液体を凍結したもの又は食用氷を粉砕し、これに糖液若しくは他食品を混和し再凍結したもので、凍結状のまま食用に供するものをいう。ただし、「アイスクリーム類」に該当するものを除くものとして分類されるものである。
アイスクリーム類及び氷菓はいずれも「凍結状のまま食用に供する」ことが大きな特徴であり、いずれも容器内で常温で溶かしながら食用(飲用)に供することを目的としたものではない。したがって、当該食品の溶け始め時及び溶け終わり時における溶解成分の濃度差の問題が起こる前に食べ切ることを前提としたものであり、本実施形態の「冷凍飲料」には該当しないものである。
また、25℃下で冷凍飲料を解凍する際に、冷凍飲料の総質量のうち0質量%から20質量%までの解凍された飲料を溶け始めの飲料、冷凍飲料の総質量のうち20質量%超から80質量%までの解凍された飲料を溶け途中の飲料、及び、冷凍飲料の総質量のうち80質量%超から100質量%までの解凍された飲料を溶け終わりの飲料としたときに、溶け終わりの飲料の濃度Yに対する溶け始めの飲料の濃度Xの比(X/Y)が0.5以上3.0以下である。
X/Yの下限値は0.5であり、0.7が好ましく、0.9がより好ましい。一方で、X/Yの上限値は3.0であり、2.7が好ましく、2.5がより好ましく、2.0がさらに好ましい。
すなわち、X/Yは0.5以上3.0以下であり、0.7以上2.7以下が好ましく、0.9以上2.5以下がより好ましく、0.9以上2.0以下がさらに好ましい。
本実施形態の冷凍飲料は、セルロース又はセルロース誘導体を含有するため、X/Yを上記範囲とすることができ、長時間に亘って冷たさを持続しながら、溶け始めから溶け終わりまでの味の変化がより小さい冷凍飲料とすることができる。
X/Yは、例えば、以下の方法を用いて、求めることができる。
予めシャーレを複数準備し、105℃で3時間オーブンに入れ、絶乾させた後に、乾燥剤を入れたデシケーター内で室温に冷却し、シャーレの空質量(W0g)を測定する。一方、得られた溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料とについて、それぞれ測定前に手で振って均質な状態とする。各飲料について、質量測定済みのシャーレに2g程度滴下した後で、飲料滴下後のシャーレの質量(W1g)を測定し、滴下した飲料の質量を正確に測定する。飲料を滴下したシャーレを105℃のオーブンに入れ、3時間静置し、水分を蒸発させる。3時間後に、オーブンからシャーレを取り出し、シャーレの質量(W2g)を測定する。以下の式を用いて、各飲料中の水分の含有量(%)を求める。
水分の含有量(%) = (W1-W2)/(W1-W0)×100
次いで、得られた水分の含有量から、溶け始めの飲料及び溶け終わりの飲料それぞれの濃度を、以下の式を用いて算出する。
飲料の濃度(%) = 100−(水分の含有量)
各飲料について、それぞれn=3で測定し、その平均値を、溶け始めの飲料の濃度X及び溶け終わりの飲料の濃度Yとする。さらに、溶け始めの飲料の濃度Xを溶け終わりの飲料の濃度Yで除することで、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比(X/Y)を算出する。
また、下記濃度の測定方法を用いて、冷凍前の飲料の濃度も測定することができる。
味の変化の指標として、屈折計を用いて、溶け始めの飲料及び溶け終わりの飲料の屈折率からBrix(%)を測定して、溶け終わりの飲料のBrixに対する溶け始めの飲料のBrixの比を算出することも可能である。
「屈折計」とは、砂糖(ショ糖)の水溶液の光の屈折率を測定し、純水の屈折率との差から、砂糖の含有量を測定するものであり、溶液100g中に含まれる砂糖量(g)を表わしたものがBrix(%)となる。例えば、溶液100gに砂糖が10g溶けていれば、屈折計で測定するBrixは10%となる。砂糖以外の溶質成分が溶解している場合においても、それぞれに固有の屈折率の変化があるが、その変化の度合いは、溶質の濃度に比例する。したがって、砂糖を含めて、物質が溶解している飲料においては、溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料とのBrix(%)を、屈折計を用いて測定し、溶け終わりの飲料のBrixに対する溶け始めの飲料のBrixの比を算出することで、溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料との味の変化を知ることができる。
屈折計は、その飲料の成分、濃度(Brix)に応じて適正な測定機器を選ぶことができ、例えば、砂糖が多く入っている清涼飲料水の場合は糖度計(PAL−1、株式会社アタゴ製)、コーヒー飲料の場合はポケットコーヒー濃度計(PAL−COFFEE、株式会社アタゴ製)、お茶飲料の場合はポケットお茶濃度計(PAL−TEA、株式会社アタゴ製)等が使用できる。
次いで、本実施形態の冷凍飲料の各構成成分について、以下に詳細を説明する。
<セルロース>
本実施形態の冷凍飲料に含まれるセルロースの原料としては、天然セルロース系物質が好ましい。天然セルロース系物質としては、例えば、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。原料として、これらのうち1種の天然セルロース系物質を使用してもよく、2種以上を混合したものを使用してもよい。上記原料を酸加水分解、酵素分解、アルカリ加水分解又は爆砕処理等により特定の重合度に加水分解し、必要に応じ、磨砕、湿式粉砕、乾式粉砕等の機械的処理を経て、粉末化したものを用いることが好ましい。
セルロースとして具体的には、例えば、粉末セルロース、結晶セルロース粉末、結晶セルロース複合体、発酵セルロース、発酵セルロース複合体、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース複合体、セルロースナノファイバー、セルロースナノファイバー複合体等を使用することができる。
中でも、結晶セルロース粉末、結晶セルロース複合体又は微細繊維状セルロース複合体が好ましく、結晶セルロース複合体がより好ましい。
[粉末セルロース]
粉末セルロース(粉末形態であるセルロース)とは、セルロース系素材原料を、ヘミセルロース、リグニン等の非晶成分を残し、機械的に粉砕したものである。例えば、第十七改正日本薬局方解説書に記載の、粉末セルロースに該当するものである。
粉末セルロースの平均重合度は、一般に440より大きいと規定されている。粉末セルロースの平均重合度は、第十七改正日本薬局方に記載の銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従い、測定することができる。当該粉末セルロースとしては、例えば、日本製紙(株)製の、KCフロックシリーズ等が挙げられる。
[結晶セルロース粉末]
結晶セルロース粉末(結晶形態であるセルロース)とは、例えば、木材パルプ、精製リンター等のセルロース系素材原料を、酸等により解重合処理して精製した後、乾燥工程を経て得られる粉体状のセルロース製剤をいう。食品添加物として使用される結晶セルロースの場合、平均重合度は、通常、10以上500以下程度である。結晶セルロースの平均重合度も、第十七改正日本薬局方に記載の銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従い、測定することができる。
[結晶セルロース複合体]
本実施形態における「結晶セルロース複合体」とは、主成分である結晶セルロースと水溶性高分子とが複合化されたものである。また、本明細書中における「複合化」とは、結晶セルロース粒子表面の一部と、水溶性高分子とが、水素結合等の化学結合により結合され、容易には分離しなくなった状態になることを意味する。そのため、結晶セルロース複合体を水系媒体中に分散させると、水溶性高分子が結晶セルロース表面から剥離することなく、結晶セルロース表面から放射状に広がった構造を形成し、水中でコロイド状となる。なお、結晶セルロースは水溶性高分子と高度に複合化された状態が好ましい。例えば、結晶セルロースの表面の全体又は一部が水溶性高分子で被覆された状態であることが好ましい。
また、結晶セルロース複合体の場合、セルロースは、乾燥させて一次粒子が凝集した粉体の状態からでも、元のセルロースの一次粒子の大きさに分散させることができる。
(水溶性高分子)
水溶性高分子とは、親水性高分子物質のことである。ここでいう「親水性」とは、常温のイオン交換水に一部が溶解する特性を意味する。定量的に親水性を定義すると、水溶性高分子0.05gを、50mLのイオン交換水に、攪拌下(スターラーチップ等による)で平衡まで溶解させ、目開き1μmのメンブレンフィルターを通過させた際に、水溶性高分子の1質量%以上が通過することであるといえる。
水溶性高分子としては、化学構造の一部に糖又は多糖を含むものや、糖を含まないものが挙げられる。好ましい多糖類としては、例えば、ジェランガム、サイリウムシードガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、ガッティガム、グルコマンナン、トラガントガム、寒天、カラギーナン、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、カードラン、プルラン、デキストラン、セルロース誘導体等が挙げられる。水溶性高分子であるセルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。また、糖を含まない水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン等が挙げられるが、これらに限定されない。水溶性高分子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、結晶セルロースと複合体を形成する水溶性多糖類としては、セルロースと複合化しやすいことから、陰イオン性多糖類がより好ましい。陰イオン性多糖類とは、それを水中で分散又は溶解した際に、陽イオンが遊離し、それ自身が陰イオンとなるものである。
陰イオン性多糖類としては、例えば、キサンタンガム、カラヤガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、HMペクチン、LMペクチン等が挙げられる。これらの陰イオン性多糖類は、1種のみを結晶セルロースと複合化してもよく、2種以上を組み合わせてセルロースと複合化してもよい。
中でも、キサンタンガム、カラヤガム又はカルボキシメチルセルロースナトリウムが特に好ましく、これらの中から1種のみを結晶セルロースと複合化してもよく、2種以上を組み合わせてセルロースと複合化してもよい。
(結晶セルロース複合体における結晶セルロース及び水溶性高分子の配合比率)
結晶セルロース複合体は、複合体の総質量に対して結晶セルロースを50質量%以上99質量%以下、及び、水溶性高分子を1質量%以上50質量%以下含むことが好ましく、結晶セルロースを60質量%以上95質量%以下、及び、水溶性高分子を5質量%以上40質量%以下含むことがより好ましく、結晶セルロースを70質量%以上90質量%以下、及び、水溶性高分子を10質量%以上30質量%以下含むことがさらに好ましい。複合化によって、水溶性高分子が結晶セルロース粒子の表面を水素結合等の化学結合により被覆することで、飲料中に分散した際に、ネットワークを作りやすくなり、セルロース自体の分散安定性を付与することができる。
(親水性物質)
結晶セルロース複合体に、水への分散性を高める目的で、水溶性高分子以外に、さらに親水性物質を含んでいてもよい。ここでいう「親水性物質」とは、冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさない有機物質である。好適な親水性物質として具体的には、例えば、親水性多糖類、オリゴ糖類、単糖類、糖アルコール類等が挙げられる。親水性多糖類としては、例えば、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等が挙げられる。オリゴ糖類としては、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−又はγ−シクロデキストリン等が挙げられる。単糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ソルボース等が挙げられる。糖アルコール類としては、例えば、マルチトール、ソルビット、エリスリトール等が挙げられる。これらの親水性物質は、1種単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、親水性物質としては、分散性の点で、親水性多糖類が好ましい。
結晶セルロース複合体中の親水性物質の含有量は、複合体の総質量に対して60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましく、20質量%以下が最も好ましい。
(その他成分)
結晶セルロース複合体は、上記結晶セルロース及び上記水溶性高分子に加えて、その他成分を更に含んでいてもよい。その他成分としては、例えば、pH調整剤、防腐剤、油脂類、アミノ酸類、塩類、各種リン酸塩類、乳化剤、酸味料、香料、保存料、色素等が挙げられる。結晶セルロース複合体は、上記その他成分を、結晶セルロース複合体の水中での分散及び安定性を阻害しない程度に含有することができる。
(分散液中の結晶セルロース複合体の体積平均粒子径)
分散液中の結晶セルロース複合体の体積平均粒子径の上限値は、20μmが好ましく、15μmがより好ましく、10μmがさらに好ましい。一方で、体積平均粒子径の下限値は体積平均粒子径が小さいほど、結晶セルロース複合体の分散安定性がより容易に向上するため、特に制限されないが、0.01μmが好ましく、0.1μmがより好ましい。
すなわち、分散液中の結晶セルロース複合体の体積平均粒子径は、0.01μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上15μm以下がより好ましく、0.1μm以上10μm以下がさらに好ましい。より好ましい。
セルロース複合体の体積平均粒子径が上記上限値以下であることで、結晶セルロース複合体の分散安定性及び懸濁安定性がより向上する。
なお、ここでいう「体積平均粒子径」とは、結晶セルロース複合体を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」、処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−950」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径のことである。
(分散液中の結晶セルロース複合体のL/D)
分散液中の結晶セルロース複合体のL/Dの上限値は、9が好ましく、7がより好ましく、6がさらに好ましく、5が特に好ましい。一方で、L/Dの下限値は1が好ましく、2がより好ましく、3がさらに好ましい。
すなわち、分散液中の結晶セルロース複合体のL/Dは、1超9以下が好ましく、2以上7以下がより好ましく、3以上6以下がさらに好ましく、3以上5以下が特に好ましい。
ここでいう「L/D」とは、セルロース複合体を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15000rpm×5分間)で分散させ、デジタルマイクロスコープ((株)キーエンス、商品名「VHX−1000」)で形状観察した際に得られる粒子像の短径(D)に対する長径(L)の比(L/D)で表され、少なくとも100個以上のセルロース粒子の平均値として算出される値のことである。
[発酵セルロース]
発酵セルロースとは、酢酸菌Acetobacter acetiの亜種xylinumを適正な培地で通気撹拌培養し、菌体外に産出されたセルロース繊維を分離及び回収した多糖類のことである。発酵セルロースの化学構造は、植物由来のセルロースの化学構造と全く同じであり、D−グルコースがβ−1,4結合した直鎖状の多糖類である。
[微細繊維状セルロース]
植物細胞壁を起源としたセルロース性物質を湿式で粉砕し、短繊維化し、高圧ホモジザイザーでより、幅(短径)が2nm以上600nm以下、長さ(長径)が0.5μm以上30μm以下、幅に対する長さの比(長径/短径)が20以上200以下まで高度に微細化したセルロースのことを指す。
[セルロースナノファイバー]
植物細胞壁を起源としたセルロース性物質を、TEMPO酸化触媒等の化学処理又は酵素処理してから水中で繊維を取り出す(解繊する)方法や、上記微細繊維状セルロースよりもさらに解繊度合いを高めて、幅(短径)が1nm以上100nm以下、長さ(長径)が0.3μm以上30μm以下、幅に対する長さの比(長径/短径)が50以上500以下までさらに微細化(ナノ化)したセルロースのことを指す。
[発酵セルロース複合体、微細繊維状セルロース複合体及びセルロースナノファイバー複合体]
発酵セルロース、微細繊維状セルロース及びセルロースナノファイバーは、結晶セルロースに対して形状(L/Dが大きく、細長い形状)の点で相違するものである。しかしながら、発酵セルロース、微細繊維状セルロース又はセルロースナノファイバーと水溶性高分子とを複合化した、発酵セルロース複合体、微細繊維状セルロース複合体及びセルロースナノファイバー複合体は、本実施形態においては、結晶セルロース複合体と類似の機能を有しており、結晶セルロース複合体と同様に用いることができる。したがって、コロイドセルロース成分量や水溶性高分子との配合比に関する結晶セルロース複合体の説明は、発酵セルロース複合体、微細繊維状セルロース複合体及びセルロースナノファイバー複合体についてもそのまま当てはまる。
[セルロースの含有量]
セルロースの含有量の下限値は、冷凍飲料の総質量に対して、0.004質量%が好ましく、0.01質量%がより好ましく、0.05質量がさらに好ましい。一方で、セルロースの含有量の上限値は、冷凍飲料の総質量に対して、10.0質量%が好ましく、2.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、0.5質量%が特に好ましい。
すなわち、セルロースの含有量は、冷凍飲料の総質量に対して、0.004質量%以上10.0質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.5質量%以下がより好ましく、0.05質量以上1質量%以下がさらに好ましく、0.05質量以上0.5質量%以下が特に好ましい。
セルロースの含有量が上記下限値以上であることで、冷凍用ボトルに入った冷凍飲料を解凍しながら飲む際に、解凍した直後と、解凍終了時の溶解成分の濃度の差、つまり味の濃さの差をより小さくすることができる。一方で、セルロースの含有量が上記上限値以下であることで、飲料の口当たりをより良好に保つことができる。
なお、ここでいうセルロースの含有量は、セルロースを単独で配合する場合は、セルロース自体の質量より算出され、結晶セルロース複合体等、複合体の形態で配合する場合は、該結晶セルロース複合体の質量から算出される(すなわち、該結晶セルロース複合体中の結晶セルロースの質量から算出しない)。
<セルロース誘導体>
セルロース誘導体とは、セルロース骨格の水酸基の一部をエステル基又はエーテル基で化学的に置換し、セルロースを部分的に変性した水溶性高分子のことである。セルロース誘導体として具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース等が挙げられる。中でも、セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルボキシメチルセルロースカルシウムが好ましく、カルボキシメチルセルロースナトリウムがより好ましい。
[セルロース誘導体の含有量]
セルロース誘導体の含有量の下限値は、冷凍飲料の総質量に対して、0.002質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましく、0.01質量%がさらに好ましく、0.05質量%が特に好ましく、0.10質量%が最も好ましい。一方で、セルロース誘導体の含有量の上限値は、冷凍飲料の総質量に対して、5質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましく、0.3質量%が特に好ましい。
すなわち、セルロースの含有量は、冷凍飲料の総質量に対して、0.002質量%以上5質量%以下が好ましく、0.005質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.01質量以上0.5質量%以下がさらに好ましく、0.05質量以上0.5質量%以下が特に好ましく、0.10質量%以上0.5質量%以下が最も好ましい。
セルロース誘導体の含有量が上記下限値以上であることで、冷凍用ボトルに入った冷凍飲料を解凍しながら飲む際に、解凍した直後と、解凍終了時の溶解成分の濃度の差、つまり味の濃さの差をより小さくすることができる。一方で、セルロース誘導体の含有量が上記上限値以下であることで、飲料の口当たりをより良好に保つことができる。
<その他成分>
本実施形態の冷凍飲料は、上記セルロース及び上記セルロース誘導体に加えて、その他成分を含有することができる。
その他成分としては、例えば、乳成分、甘味料、酸味料、無機塩、アミノ酸、ポリペプチド及びタンパク質、核酸、有機酸塩、香料、果汁、栄養強化剤、多糖類、増粘剤、着色料、保存料、抗酸化剤等が挙げられる。
[乳成分]
乳成分としては、例えば、生乳、殺菌乳、加工乳、粉乳、乳脂肪、クリーム等が挙げられる。粉乳としては、例えば、脱脂粉乳、全脂粉乳等が挙げられる。
[甘味料]
甘味料としては、例えば、ショ糖、ブドウ糖、果糖、異性化液糖、D−キシロース、D−リボース、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、キシリトール、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、水飴、エリスリトール、スクラロース、マルチトール、ソルビトール、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物等が挙げられる。
[酸味料]
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸、リン酸、イタコン酸等が挙げられる。
[無機塩]
無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
[アミノ酸]
アミノ酸としては、例えば、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アラニン、L−イソロイシン、L−グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、L−グルタミン酸カリウム、L−テアニン、L−トレオニン、L−バリン、L−フェニルアラニン、L−メチオニン、L−リシン塩酸塩、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、L−シスチン、L−セリン、L−チロシン、L−ヒスチジン、L−プロリン、L−ロイシン等が挙げられる。中でも、栄養強化の観点から、L−バリン、L−ロイシン又はL−イソロイシンが好ましい。
[ポリペプチド及びタンパク質]
ポリペプチド及びタンパク質としては、例えば、魚由来コラーゲン、豚由来コラーゲン、牛由来コラーゲン、鳥由来コラーゲン、すっぽん由来コラーゲン、魚由来ポリペプチド、豚由来ポリペプチド、牛由来ポリペプチド、魚由来ゼラチン、豚由来ゼラチン、牛由来ゼラチン等が挙げられる。
[核酸]
核酸としては、例えば、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−ウリジル酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム、5’−シチジル酸二ナトリウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム等が挙げられる。
[有機酸塩]
有機酸塩としては、例えば、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、L−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。
[香料]
香料としては、例えば、グレープフルーツ香料、レモン香料、マスカット香料、グレープ香料、オレンジ香料、みかん香料、梨香料、アップル香料、ストロベリー香料、メロン香料、パイナップル香料、ピーチ香料、ヨーグルト香料、ミント香料等が挙げられる。
[果汁]
果汁としては、例えば、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、マスカット果汁、グレープ果汁、オレンジ果汁、みかん果汁、梨果汁、アップル果汁、ストロベリー果汁、メロン果汁、パイナップル果汁、ピーチ果汁等が挙げられる。
[栄養強化剤]
栄養強化剤としては、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラル成分、カルニチン、タウリン、ヒアルロン酸、セサミン、ポリフェノール、グルコサミン、コンドロイチン、牡蠣エキス、シジミエキス、すっぽんエキス、大麦若葉エキス、ケールエキス、ブルーベリーエキス、クランベリーエキス、カシスエキス、バラの花エキス、ノコギリ椰子エキス等が挙げられる。
水溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、葉酸、ナイアシン、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、ビタミンC(アスコルビン酸)等が挙げられる。ビタミンB1としては、例えば、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩等が挙げられる。ビタミンB2としては、例えば、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム等が挙げられる。
脂溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE等が挙げられる。ビタミンAとしては、例えば、レチノール、レチナール、レチノイン酸等が挙げられる。ビタミンDとしては、例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等が挙げられる。ビタミンEとしては、例えば、トコフェロール、トコトリエノール等が挙げられる。なお、これら脂溶性ビタミンは、単独で乳化して添加してもよく、本実施形態の冷凍飲料に含まれるその他脂質成分に溶解して添加してもよい。
ミネラル成分としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸鉄、グルコン酸亜鉛、グルコン酸カルシウム、グルコン酸第一鉄、グルコン酸銅、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸鉄、リン酸三カルシウム、リン酸三マグネシウム、骨焼成カルシウム、乳清焼成カルシウム、卵殻カルシウム等が挙げられる。
[多糖類]
多糖類としては、例えば、デンプン、デキストリン、加工デンプン等が挙げられる。
[増粘剤]
増粘剤としては、例えば、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
<冷凍飲料の物性>
[粘度]
本実施形態の冷凍飲料は、経時的に解凍しながら飲用するものであるため、本実施形態の冷凍飲料を完全解凍した後、25℃に調節した飲料の粘度は、飲料としてのど越しに影響しない範囲であることが望ましい。
冷凍飲料の粘度としては、300mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましく、50mPa・s以下がさらに好ましく、30mPa・s以下が最も好ましい。
冷凍飲料の粘度は、後述する実施例に示すように、例えば、冷凍飲料を常温に置いて全て解凍させた後に、25℃まで温度を調節し、B型粘度計(型番:TV−M、ローター回転数60rpm、使用ローター:No.1)を用いて測定することができる。
<冷凍飲料の製品形態>
本実施形態の冷凍飲料の製品形態としては、通常の製品として流通している形状であれば特に制限はないが、例えば、金属缶、ペットボトル、ガラス瓶、紙容器、パウチ容器等が挙げられる。金属缶としては、例えば、アルミ缶、スチール缶等が挙げられる。これらの容器は開閉可能なキャップを備えていてもよい。中でも、冷凍飲料を持ち運びながら時間をかけて溶かしながら飲むことを勘案すると、キャップ付きの金属缶、ペットボトル又はパウチ容器が好ましく、軽量で持ち運びやすく、破損しにくいこと等を勘案すると、ペットボトル又はパウチ容器がより好ましい。
<冷凍飲料の冷凍時に含まれる氷の形状>
本実施形態の冷凍飲料は、飲料を先に述べた、ペットボトル等の容器に詰めた後に、−20℃前後の一般的な冷凍庫又は−35℃未満のいわゆる急速冷凍機で凍らせて得ることができる。中でも、飲料中の溶解成分の移動が制限されることで、冷凍飲料中の濃度差が小さくなることから、−35℃未満で急速に凍らせることが好ましい。しかしながら、本実施形態の冷凍飲料は、−20℃前後で比較的ゆっくり冷凍させる場合においても、冷凍飲料中の濃度差が小さくできるため、一般的な冷凍設備を用いてもよい。本実施形態の冷凍飲料は、冷凍時は冷凍庫内で静置させることが好ましいが、意図的にシャーベット状に凍らせる場合には、撹拌しても構わない。
得られた冷凍飲料の冷凍時に含まれる氷は、1mm以上の塊状に凍る氷塊状、又は、1mm未満の氷晶状である、所謂シャーベット状のいずれかの状態となる。
本実施形態の冷凍飲料は、氷塊状及びシャーベット状のいずれの場合でも、冷凍時の状態を問わず、長時間に亘って冷たさを持続しながら、解凍した直後と、解凍終了時の溶解成分の濃度の差、つまり、味の変化が小さい冷凍飲料を得ることが可能である。
シャーベット状に凍結する場合は、一つ一つの氷が小さく、均一に冷凍が進行していくことから、氷晶間の溶解成分の濃度差は元より小さい。一方、氷塊状に凍結する場合は、上述のとおり、及び、後述する実施例に示すように、セルロース又はセルロース誘導体を含有しない従来の冷凍飲料では、水が先に凍り、糖等の溶解した成分が未氷結の部分に集まっていき、溶解成分の濃い部分が最後に凍ることから、溶解成分の濃度差が出やすい。したがって、長時間に亘って冷たさを持続しながら、解凍した直後と、解凍終了時の溶解成分の濃度の差、つまり、味の変化が小さい冷凍飲料が得られるという本実施形態の冷凍飲料の効果は、氷塊状に凍る冷凍飲料の場合に特に顕著に発揮される。その意味で、本実施形態の冷凍飲料は、冷凍時に含まれる氷が1mm以上の氷塊状であることがより好ましい。
氷塊状である氷の大きさとしては、1mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、10mm以上がさらに好ましく、20mm以上が特に好ましく、50mm以上が最も好ましい。また、氷塊状としては、飲料全体が容器内で一つの氷塊となって氷を形成している状態であってもよく、容器内で複数の氷塊を形成している状態であってもよいが、飲料全体が容器内で一つの氷塊となって氷を形成している状態が好ましい。
冷凍飲料中の氷の大きさは、以下に示す方法で決定することができる。
まず、飲料全体が容器内で一つの氷塊となって氷を形成しているか否かは、目視で判定し、一つの氷塊となっている場合は、その容器内での長径を氷の大きさとする。飲料がペットボトルに充填されて冷凍される場合は、飲料の充填高さを氷の大きさとする。飲料の充填高さが容器の径よりも小さい場合は、円筒状の容器に充填されている場合はその直径、四角の容器に充填されている場合はその長辺の距離を、氷の大きさとする。
一つの氷塊となっていないと判定する場合は、さらに以下の方法で氷の大きさを測定する。ガラス板を予め−20℃の冷凍庫内で冷やしておき、冷やしたガラス板を、デジタルマイクロスコープ(VHX−1000、(株)キーエンス製)にセットする。ガラス板をセットした後、すぐに−20℃で冷凍した状態の冷凍飲料を取り出し、中身をサンプリングしてガラス板の上に置く。その後すぐに適当な倍率のレンズで画像を撮影する。これを繰り返して合計100個程度の氷の画像を撮影する。撮影した画像の氷について、VHX−1000内の計測ソフトの2点間距離の計測機能を使用して、氷の最も長い距離(長辺)を測定し、それを氷の大きさとする。
<冷凍飲料の種類>
本実施形態の冷凍飲料は、香り及び味のうち少なくともいずれかを有する飲料であって、且つ、冷凍に適した飲料である。冷凍飲料として具体的には、例えば、コーヒー飲料、茶系飲料、果実飲料、スポーツ飲料、豆乳飲料、野菜飲料、乳性飲料、ココア飲料、乳飲料、フレーバーミネラルウォーター、その他清涼飲料水等が挙げられる。中でも、本実施形態の冷凍飲料としては、茶系飲料、コーヒー飲料、果実飲料、スポーツ飲料、豆乳飲料、乳性飲料、ココア飲料又は乳飲料が好ましく、茶系飲料、コーヒー飲料、果実飲料又はスポーツ飲料がより好ましい。
[茶系飲料]
本明細書における「茶系飲料」とは、茶の木の葉を加工し煮出して抽出又は浸出して作った飲料、及び、茶の木以外の植物を煮出して抽出又は浸出してお茶のようにして飲む飲料のことである。茶系飲料として具体的には、例えば、緑茶飲料、ウーロン茶飲料、紅茶飲料、麦茶飲料、その他茶系飲料、及び、それらを混合したブレンド茶等が挙げられる。
「緑茶飲料」とは、煎茶等の緑茶を原料として、その抽出液を容器に詰めた飲料のことである。緑茶飲料として具体的には、例えば、煎茶、玉露茶、番茶、ほうじ茶等が挙げられ、必要に応じて、抹茶粉末等の水不溶性の成分を添加したものであってもよい。
「ウーロン茶飲料」とは、お茶の葉を自家酵素発酵させたものを原料に使用したもので、抽出又は浸出して容器に詰めた飲料のことである。
「紅茶飲料」とは、お茶の葉を充分に自家酵素発酵及びこれに香料等を加えたものから、抽出又は浸出して容器に詰めた飲料のことであり、これに糖類、乳製品、果汁、香料等をさらに加えたものも含む。紅茶飲料は、「ストレートティー」、「フレーバーティー」及び「ミルクティー」の3つに大別される。ストレートティーとは、紅茶抽出液又はエキスに糖液、香料等を添加したもので、果汁、乳製品は使用しない。フレーバーティーとは、紅茶抽出液又はエキスに糖液、果汁、酸味料、香料等を添加したものであり、具体的には、例えば、レモンティー、アップルティー、アールグレイティー、ブランデーティー等が挙げられる。ミルクティーとは紅茶抽出液又はエキスに乳製品、糖液、香料等を添加したものであり、乳固形分が3%以上含まれているものを除く。
「麦茶飲料」とは、大麦を殻付きのまま炒って香ばしく仕上げた飲料のことである。
「その他茶系飲料」としては、例えば、どくだみ茶、杜仲茶、ジャスミン茶、ハーブティー、プーアル茶、玄米茶、ハブ茶、ハトムギ茶等が挙げられる。
[コーヒー飲料]
本明細書における「コーヒー飲料」とは、コーヒー豆から抽出及び溶出したコーヒー分を含む飲料のことであり、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」に基づき、内容量100g中のコーヒーの生豆分量によって、4つの分類に分けられる。すなわち、内容量100g中、生豆換算で5g以上のコーヒー豆から抽出及び溶出したコーヒー分を含む「コーヒー」;内容量100g中、生豆換算で2.5g以上5g未満のコーヒー豆から抽出及び溶出したコーヒー分を含む「コーヒー飲料」;内容量100g中、生豆換算で1g以上2.5g未満のコーヒー豆から抽出及び溶出したコーヒー分を含む「コーヒー入り清涼飲料」;カフェインを90%以上除去したコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分のみを使用した「コーヒー入り清涼飲料(カフェインレス)」の4つの分類である。上記のコーヒー飲料には、必要に応じて、コーヒー豆の微粉砕粉等の水不溶性の成分を添加することも可能である。
[果実飲料]
本明細書における「果実飲料」とは、一般的に果物の絞り汁を原料にした飲料のことである。果物としては、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、ぶどう、レモン、パイナップル、りんご、桃等が挙げられる。果実飲料として具体的には、例えば、果実ジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果実及び野菜ミックスジュース、果汁入り飲料等が挙げられる。
「果実ジュース」とは、1種類の果汁(果実の搾り汁又は還元果汁)で果汁100%のものを指す。
「果実ミックスジュース」とは、2種類以上の果汁を混合して果汁100%としたものを指す。
「果粒入り果実ジュース」とは、柑橘類のさのう(房の中にある小さな粒)や柑橘類以外の果肉を細切りにしたものを含む、果汁100%のものを指す。
「果実及び野菜ミックスジュース」とは、果汁と野菜汁とを加えて100%にしたもので、果汁の割合が50%以上のものを指す。
「果汁入り飲料」とは、果汁の割合が10%以上100%未満のものを指す。
[スポーツ飲料]
スポーツ飲料とは、スポーツをした時に汗として失われた水分と、ナトリウムイオン等のミネラル類の電解質とを手軽に補給するための飲料を指し、飲料100mL中にナトリウムを20mg以上150mg以下程度、カリウムを1mg以上100mg以下程度、マグネシウムを0mg以上10mg以下程度が含まれる。また、スポーツ飲料は、必要に応じて、ビタミン、カルシウム、アミノ酸、クエン酸等が含まれる。
[豆乳飲料]
豆乳飲料としては、例えば、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料、大豆飲料等を指す。
「豆乳」とは、大豆(粉末状のもの及び脱脂したものを除く)から、熱水等によりタンパク質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料であって、大豆固形分が8%以上のものを指す。
「調整豆乳」とは、飲みやすくするために、豆乳又は脱脂した大豆に豆乳と同様の処理をして得られた乳状の飲料に、植物油脂及び砂糖類や食塩等の調味料を加えたもので、大豆固形分が6%以上のものを指す。
「豆乳飲料」とは、風味や美味しさを増すために、調製豆乳に果汁、乳製品や、紅茶又はコーヒーのエキス等を加えたものであり、大豆固形分が4%以上(原材料及び添加物に占める果汁の割合が5%以上10%未満のものは、2%以上)のものを指す。
「大豆飲料」とは、「おから」を取り除かずに大豆まるごとを使用して作られた飲料を指す。
[野菜飲料]
野菜飲料としては、例えば、トマトジュース、トマトミックスジュース、トマト果汁飲料、にんじんジュース、にんじんミックスジュース、野菜ジュース、野菜果汁ミックスジュース、その他野菜飲料等を指す。
[乳性飲料]
乳性飲料は、牛乳又は乳製品を主な原料又は副原料として加工した飲料のことであり、乳固形分が3%未満のものを指す。
[ココア飲料]
ココア飲料とは、チョコレート利用食品の表示に関する公正競争規約において、カカオ分が全質量の0.5%以上のものであり、チョコレートドリンクとも称される飲料である。
[乳飲料]
乳飲料とは、牛乳等をベースに甘味料、果汁等を加えたものや、ビタミン、ミネラル等の成分を強化したものを指し、乳固形分が3%以上のものを指す。乳固形分の上限としては、15%未満が好ましく、10%未満がより好ましく、4%未満がさらに好ましい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
<測定方法>
[物性1]冷凍飲料の粘度
冷凍飲料を常温に置いて全て解凍させて、後述のとおり、溶け始めの飲料、溶け途中の飲料及び溶け終わりの飲料の3つにわけたものをひとまとめした後、25℃に調節し、B型粘度計(型番:TV−M、ローター回転数:60rpm、使用ローター:No.1)を用いて、冷凍前の飲料の粘度を測定した。
[物性2]冷凍飲料の氷の大きさ
本実施例では、透明なペットボトルに充填したことから、冷凍飲料が凍結したときの状態を目視で観察し、一つの氷塊状になっていると認める場合は、ペットボトルに充填された飲料の充填高さを測定し、その充填高さを冷凍飲料の氷の大きさとした。
一つの氷塊となっていないと判定した場合は、さらに以下の方法で氷の大きさを測定した。ガラス板を予め−20℃の冷凍庫内で冷やしておき、冷やしたガラス板を、デジタルマイクロスコープ(VHX−1000、(株)キーエンス製)にセットした。ガラス板をセットした後、すぐに−20℃で冷凍した状態の冷凍飲料を取り出し、中身をサンプリングしてガラス板の上に置いた。その後すぐに適当な倍率のレンズで画像を撮影した。これを繰り返して合計100個程度の氷の画像を撮影した。撮影した画像の氷について、VHX−1000内の計測ソフトの2点間距離の計測機能を使用して、氷の最も長い距離(長辺)を測定し、それを氷の大きさとした。
[物性3]溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比
冷凍後の冷凍飲料(450g)を、25℃下で解凍して、徐々に液体となっていく過程で、冷凍飲料の総質量のうち0質量%から20質量%までの解凍された飲料(0gから90gまでの合計90g)を溶け始めの飲料、冷凍飲料の総質量のうち20質量%超から80質量%までの解凍された飲料(90g超から360gまでの合計270g)を溶け途中の飲料、及び、冷凍飲料の総質量のうち80質量%超から100質量%までの解凍された飲料(360g超から450gまでの合計90g)を溶け終わりの飲料としてサンプリングした。次いで、冷凍前の飲料と、溶け始めの飲料と、溶け終わりの飲料とについて、濃度を以下の方法で求めた。
予めシャーレを複数準備し、105℃で3時間オーブンに入れ、絶乾させた後に、乾燥剤を入れたデシケーター内で室温に冷却し、シャーレの空質量(W0g)を測定した。一方、得られた溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料とについて、それぞれ測定前に手で振って均質な状態とした。各飲料サンプルについて、質量測定済みのシャーレに2g程度滴下した後で、飲料滴下後のシャーレの質量(W1g)を測定し、滴下した飲料の質量を正確に測定した。飲料を滴下したシャーレを105℃のオーブンに入れ、3時間静置し、水分を蒸発させた。3時間後に、オーブンからシャーレを取り出し、シャーレの質量(W2g)を測定した。以下の式を用いて、各飲料サンプル中の水分の含有量(%)を求めた。
水分の含有量(%) = (W1-W2)/(W1-W0)×100
次いで、得られた水分の含有量から、冷凍前の飲料、溶け始めの飲料及び溶け終わりの飲料それぞれの濃度を、以下の式を用いて算出した。
飲料の濃度(%) = 100−(水分の含有量)
各飲料サンプルについて、それぞれn=3で測定し、その平均値を、冷凍前の飲料の濃度、溶け始めの飲料の濃度X及び溶け終わりの飲料の濃度Yとした。さらに、溶け始めの飲料の濃度Xを溶け終わりの飲料の濃度Yで除することで、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比(X/Y)を算出した。
[物性4]スポーツ飲料の冷凍前及び解凍後のBrix
糖度計(PAL−1、株式会社アタゴ製)を用いて、冷凍前及び解凍後の各飲料のBrix(糖度)を測定した。
[物性5]コーヒー飲料の冷凍前及び解凍後のBrix
ポケットコーヒー濃度計(PAL−COFFEE、株式会社アタゴ製)を用いて、冷凍前及び解凍後の各飲料のBrixを測定した。
[物性6]緑茶飲料の冷凍前及び解凍後のBrix
ポケットお茶濃度計(PAL−TEA、株式会社アタゴ製)を用いて、冷凍前及び解凍後の各飲料のBrixを測定した。
<冷凍スポーツ飲料の製造>
[実施例1]冷凍スポーツ飲料A−1の製造
(1)スポーツ飲料a−1の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−N30」、結晶セルロース/キサンタンガム/デキストリン=75/5/20、体積平均粒子径=8.8μm、L/D=3.6、旭化成株式会社製):8.0g、砂糖:96g、食塩:2.0g、塩化カリウム:0.61g、及び、水:1493.39gを2Lステンレス缶に投入し、25℃下で、ホモミクサーMARK II 2.5型(プライミクス社製、回転数:8000rpm)を用いて撹拌し、スポーツ飲料a−1を得た。スポーツ飲料a−1の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−1の製造
得られたスポーツ飲料a−1を500mLの角型ペットボトルに450gずつ3本充填し、−20℃の家庭用冷凍庫に立てた状態で12時間静置して完全に冷凍させ、冷凍スポーツ飲料A−1を得た。冷凍スポーツ飲料A−1は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍スポーツ飲料A−1の充填高さを測定した。
冷凍後の冷凍スポーツ飲料A−1を冷凍庫から取り出し、25℃下で解凍して、上述のとおり、溶け始めの飲料、溶け途中の飲料及び溶け終わりの飲料の3つのサンプルを調製し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]冷凍スポーツ飲料A−2の製造
(1)スポーツ飲料a−2の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−591」、結晶セルロース/カルボキシメチルセルロースナトリウム=89/11、体積平均粒子径=7.9μm、L/D=2.9、旭化成株式会社製)を用いた以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−2を得た。スポーツ飲料a−2の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−2の製造
得られたスポーツ飲料a−2を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−2を得た。冷凍スポーツ飲料A−2は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−2を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]冷凍スポーツ飲料A−3の製造
(1)スポーツ飲料a−3の調製
セルロースとして、結晶セルロース粉末(商品名「セオラス FD−F20」、体積平均粒子径=19.6μm、L/D=1.8、旭化成株式会社製)を用いた以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−3を得た。スポーツ飲料a−3の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−3の製造
得られたスポーツ飲料a−3を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−3を得た。冷凍スポーツ飲料A−3は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−3を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]冷凍スポーツ飲料A−4の製造
(1)スポーツ飲料a−4の調製
セルロースとして、粉末セルロース(商品名「KCフロック W400G」、日本製紙株式会社製):7.2gを用いて、水:1494.19gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−4を得た。スポーツ飲料a−4の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−4の製造
得られたスポーツ飲料a−4を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−4を得た。冷凍スポーツ飲料A−4は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−4を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]冷凍スポーツ飲料A−5の製造
(1)スポーツ飲料a−5の調製
セルロースとして、発酵セルロース(商品名「サンアーティスト PG」、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製):7.2gを用いて、水:1494.19gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−5を得た。スポーツ飲料a−5の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−5の製造
得られたスポーツ飲料a−5を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−5を得た。冷凍スポーツ飲料A−5は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−5を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例6]冷凍スポーツ飲料A−6の製造
(1)スポーツ飲料a−6の調製
セルロースとして、微小繊維状セルロース(商品名「セリッシュ FD100G」、株式会社ダイセル製):7.2gを用いて、水:1494.19gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−6を得た。スポーツ飲料a−6の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−6の製造
得られたスポーツ飲料a−6を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−6を得た。冷凍スポーツ飲料A−6は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−6を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例7]冷凍スポーツ飲料A−7の製造
(1)スポーツ飲料a−7の調製
セルロース誘導体として、カルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名「セロゲンHP−SA」、第一工業製薬株式会社製):7.2gを用いて、水:1494.19gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−7を得た。スポーツ飲料a−7の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−7の製造
得られたスポーツ飲料a−7実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−7を得た。冷凍スポーツ飲料A−7は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−7を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例8]冷凍スポーツ飲料A−8の製造
(1)スポーツ飲料a−8の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−591」):0.8gを用いて、水:1500.59gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−8を得た。スポーツ飲料a−8の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−8の製造
得られたスポーツ飲料a−8を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−8を得た。冷凍スポーツ飲料A−8は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−8を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例9]冷凍スポーツ飲料A−9の製造
(1)スポーツ飲料a−9の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−591」):40gを用いて、水:1461.39gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−9を得た。スポーツ飲料a−9の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−9の製造
得られたスポーツ飲料a−9を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−9を得た。冷凍スポーツ飲料A−9は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−9を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例10]冷凍スポーツ飲料A−10の調製
(1)スポーツ飲料a−10の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−591」):1.6gを用いて、水:1499.79gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−10を得た。スポーツ飲料a−10の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−10の製造
得られたスポーツ飲料a−10を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−10を得た。冷凍スポーツ飲料A−10は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−10を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例11]冷凍スポーツ飲料A−11の調製
(1)スポーツ飲料a−11の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−591」):0.064gを用いて、水:1501.326gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−11を得た。スポーツ飲料a−11の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−11の製造
得られたスポーツ飲料a−11を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−11を得た。冷凍スポーツ飲料A−11は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−11を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例12]冷凍スポーツ飲料A−12の調製
(1)スポーツ飲料a−12の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−591」):161.6gを用いて、水:1339.79gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料a−12を得た。スポーツ飲料a−12の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−12の製造
得られたスポーツ飲料a−12を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料A−12を得た。冷凍スポーツ飲料A−12は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−12を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[実施例13]冷凍スポーツ飲料A−13の調製
(1)スポーツ飲料a−13の調製
セルロースとして、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−N30):8.0g、砂糖:96g、食塩:2.0g、塩化カリウム:0.61g、及び、水:1493.39gを2Lステンレス缶に投入し、25℃下で、ホモミクサーMARK II 2.5型(プライミクス社製、回転数:8000rpm)を用いて撹拌し、スポーツ飲料a−13を得た。スポーツ飲料a−13の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料A−13の製造
得られたスポーツ飲料a−13を500mLの角型ペットボトルに450gずつ3本充填し、−20℃の家庭用冷凍庫に立てた状態で入れ、30分ごとに取り出して、ペットボトルを良く振って、中身を撹拌して、再度冷凍庫に戻す作業を12時間まで行って、完全に冷凍させて、冷凍スポーツ飲料A−13を得た。冷凍スポーツ飲料A−13はシャーベット状に凍ったため、冷凍飲料の氷の大きさを上記の方法で測定した。得られた冷凍スポーツ飲料A−13を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]冷凍スポーツ飲料B−1の調製
(1)スポーツ飲料b−1の調製
セルロース及びセルロース誘導体のいずれも使用せず、水:1501.39gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料b−1を得た。スポーツ飲料b−1の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料B−1の製造
得られたスポーツ飲料b−1を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料B−1を得た。冷凍スポーツ飲料B−1は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料B−1を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]冷凍スポーツ飲料B−2の調製
(1)スポーツ飲料b−2の調製
セルロース及びセルロース誘導体のいずれも使用せず、その代わりに、キサンタンガム(型番:D−3500、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製):0.40gを用いて、水:1500.99gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料b−2を得た。スポーツ飲料b−2の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料B−2の製造
得られたスポーツ飲料b−2を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料B−2を得た。冷凍スポーツ飲料B−2は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料B−2を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
[比較例3]冷凍スポーツ飲料B−3の調製
(1)スポーツ飲料b−3の調製
セルロース及びセルロース誘導体のいずれも使用せず、その代わりに、アルギン酸ナトリウム(商品名「スノーアルギンSL」、富士化学工業株式会社製):8.0gを用いて、水:1493.39gに変更した以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、スポーツ飲料b−3を得た。スポーツ飲料b−3の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)冷凍スポーツ飲料B−3の製造
得られたスポーツ飲料b−3を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍スポーツ飲料B−3を得た。冷凍スポーツ飲料B−3は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍スポーツ飲料B−3を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2020089316
表1から、セルロース又はセルロース誘導体を含有する冷凍スポーツ飲料A−1〜A−13(実施例1〜13)では、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比が3.0以下であり、小さかった。また、溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料との味の差も小さかった。
一方で、セルロース及びセルロース誘導体のいずれも含有しない冷凍スポーツ飲料B−1(比較例1)では、冷凍前の飲料の濃度が6.2%であるのに対して、溶け始めの飲料の濃度が11.8%と高いが、溶け終わりの飲料の濃度が2.6質量%と非常に低く、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比が4.54と非常に大きかった。この結果は、従来課題としてきた冷凍飲料の溶け始めの濃度と溶け終わりの濃度とに差が出ることを裏付ける結果であった。また、味についても、溶け始めの飲料は非常に甘さを感じるが、溶け終わりの飲料は甘さが非常に足りないと感じる結果であった。
また、セルロース及びセルロース誘導体のいずれも含有せず、その代わりに、キサンタンガム又はアルギン酸ナトリウムを含有する冷凍スポーツ飲料B−2及びB−3(比較例2及び3)では、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比がそれぞれ3.26及び3.77と、3.0超で非常に大きく、上記従来の課題を解決できない結果であった。
<冷凍コーヒー飲料の製造>
[実施例14]冷凍コーヒー飲料A−14の製造
(1)コーヒー飲料a−14の調製
市販のインスタントコーヒー(商品名「ブレンディ」、AGF製)を水に溶かし、Brix1.4となるように、コーヒー液を調製した。このBrix1.4のコーヒー液:1592gと、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−N30):8gとを、2Lステンレス缶に投入し、25℃下で、ホモミクサーMARK II 2.5型(プライミクス社製、回転数8000rpm)を用いて撹拌し、コーヒー飲料a−14を得た。コーヒー飲料a−14の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表2に示す。
(2)冷凍コーヒー飲料A−14の製造
得られたコーヒー飲料a−14を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍コーヒー飲料A−14を得た。冷凍コーヒー飲料A−14は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍コーヒー飲料A−14を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表2に示す。
[比較例4]冷凍コーヒー飲料B−4の製造
(1)コーヒー飲料b−4の調製
セルロース及びセルロース誘導体のいずれも使用せず、上記実施例11の(1)と同様の方法で調製したBrix1.4のコーヒー液:1600gをコーヒー飲料b−4とした。コーヒー飲料b−4の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表2に示す。
(2)冷凍コーヒー飲料B−4の製造
得られたコーヒー飲料b−4を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍コーヒー飲料B−4を得た。冷凍コーヒー飲料B−4は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍コーヒー飲料B−4を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表2に示す。
Figure 2020089316
表2から、セルロースを含有する冷凍コーヒー飲料A−14(実施例14)では、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比が3.0以下であり、小さく、溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料との味の差も小さくなっていた。一方で、セルロース及びセルロース誘導体のいずれも含有しない冷凍コーヒー飲料B−4(比較例4)では、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比が4.17と3.0超であり、大きく、溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料とでコーヒーとしての味が大きく異なっていた。
<冷凍緑茶飲料の製造>
[実施例15]冷凍緑茶飲料A−15の製造
(1)緑茶飲料a−15の調製
市販の緑茶飲料(不溶成分なし、Brix0.33%):1592g、及び、結晶セルロース複合体(商品名「セオラス RC−N30):8gを2Lステンレス缶に投入し、25℃下で、ホモミクサーMARK II 2.5型(プライミクス社製、回転数8000rpm)を用いて撹拌し、緑茶飲料a−15を得た。緑茶飲料a−15の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表3に示す。
(2)冷凍緑茶飲料A−15の製造
得られた緑茶飲料a−15を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍緑茶飲料A−15を得た。冷凍緑茶飲料A−15は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍緑茶飲料A−15を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表3に示す。
[比較例5]冷凍緑茶飲料B−5の製造
(1)緑茶飲料b−5の調製
市販の緑茶飲料(不溶成分なし、Brix0.33%):1600gを緑茶飲料b−5とした。緑茶飲料b−5の濃度及びBrixについて、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表3に示す。
(2)冷凍緑茶飲料B−5の製造
得られた緑茶飲料b−5を実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて冷凍し、冷凍緑茶飲料B−5を得た。冷凍緑茶飲料B−5は一塊の氷塊状であったため、凍結時の冷凍飲料の充填高さを測定した。得られた冷凍緑茶飲料B−5を、実施例1の(2)に記載の方法と同様の方法を用いて解凍して、3つのサンプルを回収し、それぞれのサンプルの物性について、上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表3に示す。
Figure 2020089316
表3から、セルロースを含有する冷凍緑茶飲料A−15(実施例15)では、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比が3.0以下であり、小さく、溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料との味の差も非常に小さくなっていた。一方で、セルロース及びセルロース誘導体のいずれも含有しない冷凍緑茶飲料B−5(比較例5)では、溶け終わりの飲料の濃度に対する溶け始めの飲料の濃度の比が4.17と3.0超であり、大きく、溶け始めの飲料と溶け終わりの飲料とでお茶としての味が大きく異なっていた。
本実施形態の冷凍飲料によれば、長時間に亘って冷たさを持続しながら、溶け始めから溶け終わりまでの味の変化が小さい冷凍飲料を提供することができる。

Claims (5)

  1. 飲料を凍らせてなる冷凍飲料であって、
    セルロース又はセルロース誘導体を含み、
    25℃下で前記冷凍飲料を解凍する際に、前記冷凍飲料の総質量のうち0質量%から20質量%までの解凍された飲料を溶け始めの飲料、前記冷凍飲料の総質量のうち20質量%超から80質量%までの解凍された飲料を溶け途中の飲料、及び、前記冷凍飲料の総質量のうち80質量%超から100質量%までの解凍された飲料を溶け終わりの飲料としたときに、
    前記溶け終わりの飲料の濃度に対する前記溶け始めの飲料の濃度の比が0.5以上3.0以下である、冷凍飲料。
  2. 前記セルロースが結晶セルロースと親水性高分子とからなる結晶セルロース複合体である、請求項1に記載の冷凍飲料。
  3. 前記セルロースの誘導体がカルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項1に記載の冷凍飲料。
  4. 前記冷凍飲料が茶系飲料、コーヒー飲料、果実飲料、スポーツ飲料、豆乳飲料、乳性飲料、ココア飲料又は乳飲料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍飲料。
  5. 前記冷凍飲料の冷凍時に含まれる氷が1mm以上の氷塊状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷凍飲料。
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