JP6385756B2 - 凍結用酸性乳性飲料 - Google Patents

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本発明は、凍結させて飲食する凍結用飲料に関し、具体的には、凍結後の飲食時において良好な食感を有すると共に、飲食時における融解速度が遅く冷菓としての食感を長く楽しめ、かつ、飲料として飲用する場合の、風味及び後味の良さも良好な凍結用酸性乳性飲料に関する。
近年、特に夏場の冷菓として、冷凍してシャーベット状または氷塊状に凍結させた後、飲食に供するいわゆる凍結用飲料が知られている。当該凍結用飲料の飲食時における周囲温度は、室温または外気温であるため、当該凍結用飲料は、経時と共に徐々に融解(解凍)し、通常は、液状部と凍結部が混在した状態となる。
このとき、いわゆるかち割り氷のようなものであると、水部と氷部が分離した状態となり、シャーベット状あるいはフロート状の冷菓を飲食するような良好な食感を得ることはできない。すなわち、液体部と凍結部(氷塊部)とが明確に分離し、凍結部は固く、ある程度の柔らかさを有するシャーベットやアイスキャンディーを食するような食感を得ることができない。また、味の濃淡が経時により発生し、最後は、ほとんど味のないものとなってしまうこともある。
また、猛暑の影響もあり、PETボトル飲料のお茶、スポーツドリンク、低果汁飲料、及び紅茶飲料などを凍結させて携帯後、スポーツ時等に飲食するという飲食形態が普通に行われるようになってきている。
しかしながら、当該飲料のような水以外のいわゆる食材部(糖分、脂肪分、蛋白質分、ミネラル分、その他栄養素分等)の濃度が低い場合、凍結させて飲食しようとすると、上記かち割り氷のような状態となり、その凍結後の飲食感覚は決して良好なものではない。
ところで、凍結後の食感が良好なものの代表としてアイスクリームがあり、非特許文献1において、その良好な食感の由来が説明されている。すなわち、アイスクリームに使用される蛋白質や安定剤のような非電解質である高分子化合物が、アイスクリーム組成物中で立体的な網目構造をとり、分子中の極性基が水と水素結合し、遊離の水分を実質的に少なくすることによって、氷の結晶を細かくし、また温度変化による凍結水、未凍結水の変動に伴う氷の結晶の成長を防ぐことにより良好な食感が得られることが記載されている。
非特許文献2は、Vegetable Stabilizerがゼラチンと同様にアイスクリームを安定化させる効果があることを開示している。また、このVegetable Stabilizerの例として、ジェランガムである「Kelco Gel」(CPケルコ社製)などが例示されている。
これらの技術を応用したものとして、特許文献1は、室温又は冷蔵で液体としてそのまま飲食することができ、冷凍することにより微細な氷結晶を均質に含み、ソフトで滑らかな舌触りを持ち合わせたシャーベット状飲料を提案している。このシャーベット状飲料は、冷凍庫から取り出して長時間経過した後でもPET容器の飲み口からそのまま飲食することが可能であり、しかもソフトで滑らかな舌触りを持ち合わせている。このようなPETボトル入り飲料とするために、ぶどう糖、麦芽糖、デキストリンおよび糖アルコールから選ばれる一種以上の糖類と、ペクチンもしくは大豆多糖類または両者を含む多糖類系安定剤とを含有し、これらの配合量が特定の条件を満たす組成が記載されている。
また、特許文献2には、澱粉糖を含む糖類を含有し、糖類のDE値、飲料の可溶性固形分%、飲料の粘度が特定の条件を満たすシャーベット状飲料用組成物が提案されている。
さらに、特許文献3には、常温で流通することができ、従来の常温流通タイプの冷菓より品質のよい冷菓として、凍結による比重差沈殿を防止するための粘性食材および粘性材と、氷結晶を小さな核形成させるための食材とを含む冷菓が提案されている。
特開2007−330216号公報 特開2008−11835号公報 特開平11−155490号公報
アイスクリーム・ハンドブック、光琳書院、昭和47年4月15日、p.256-259 「THE USE OF VEGETABLE STABILIZERS IN ICE CREAM」、Journal of Dairy Science、Volume 16, Issue 3, May 1933, p.265-270
上記、凍結後の食感の良好な凍結用飲料が提案されているものの、無脂乳固形分含有量及び(乳)脂肪分含有量が一定量以下である酸性乳性飲料については、飲料として飲用するときの風味及び後味の良さを維持しつつ、その凍結後の食感が良好で、かつ、融解(解凍)速度が遅くその食感が長時間持続するものは、いまだ得られていない。
すなわち、無脂乳固形分量が0.1〜3質量%、及び脂肪分が0〜0.5質量%と低い、低無脂乳固形分及び低脂肪分の酸性乳性飲料は、飲用するときの風味及び後味の良さを良好に調整すると、凍結状態において氷塊に近い状態の硬さとなり、その食感が不良で、かじったときの歯ごたえが硬く、さらには風味も感じにくい状態であり、上記方法でもこれを改善できないという問題がある。
そこで、本発明の課題は、飲料として飲用するときの風味及び後味の良さ(以後、良飲用性と称する場合がある)を維持しつつ、凍結時の食感が良好かつ融解速度が遅くその食感が長時間持続する、低無脂乳固形分及び低脂肪分の凍結用酸性乳性飲料を提供することにある。なお、以後、特に断らない限り、凍結用飲料と称したときは凍結用酸性乳性飲料を指すものとする。
また、本発明の別の課題は、当該凍結用飲料の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の課題は、凍結用飲料の凍結時の硬さを緩和する方法、及び凍結させた凍結用飲料の融解速度を遅くする方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の多糖類を組み合わせ、かつ特定の糖度範囲及びpH範囲に制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、良飲用性を維持しつつ、凍結時の食感が良好かつ融解速度が遅くその食感が長時間持続する凍結用飲料及びその製造方法を開発し、本発明を完成するに至った。さらに、凍結用飲料の凍結時の硬さを緩和する方法、及び凍結させた凍結用飲料の融解速度を遅くする方法の発明も完成させた。
すなわち、本発明によれば、(A)乳、(B)大豆多糖類、並びに(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、を含有し、飲料中に含まれる、グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つの含有量が0.05〜0.35質量%、無脂乳固形分量が0.1〜3質量%、並びに脂肪分が0〜0.5質量%であり、該飲料の糖度が10〜18、及びpHが3.0〜4.2である、凍結用酸性乳性飲料が提供される。
また、本発明によれば、(A)乳、(B)大豆多糖類、(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、糖及び甘味料の少なくとも一つ、並びに水を混合して混合液を調製する工程と、該混合液中の無脂乳固形分量を0.1〜3質量%、及び脂肪分を0〜0.5質量%、並びに前記混合液の糖度を10〜18、及びpHを3.0〜4.2に調整する工程と、を有する、凍結用酸性乳性飲料の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、(A)乳、(B)大豆多糖類、(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、糖及び甘味料の少なくとも一つ、並びに水を混合して混合液を調製し、該混合液中の無脂乳固形分量を0.1〜3質量%、及び脂肪分を0〜0.5質量%、並びに前記混合液の糖度を10〜18、及びpHを3.0〜4.2に調整することを特徴とする、凍結用酸性乳性飲料の凍結時の硬さを緩和する方法が提供される。
またさらに、(A)乳、(B)大豆多糖類、(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、糖及び甘味料の少なくとも一つ、並びに水を混合して混合液を調製し、該混合液中の無脂乳固形分量を0.1〜3質量%、及び脂肪分を0〜0.5質量%、並びに前記混合液の糖度を10〜18、及びpHを3.0〜4.2に調整することを特徴とする、凍結用酸性乳性飲料の融解速度を遅くする方法が提供される。
本発明の凍結用酸性乳性飲料は、特定の多糖類の組み合わせを含有し、かつ特定の糖度範囲及びpH範囲に制御されているので、良飲用性を維持しつつ、凍結後の食感が良好で、かつ、融解速度が遅くその食感を長時間持続させることができる。
また、本発明の製造方法は、特定の多糖類を組み合わせて混合する工程、及び糖度及びpHを特定の範囲に制御する工程を有するので、良飲用性を維持した、凍結後の食感が良好で、かつ、融解速度が遅くその食感が長時間持続する凍結用酸性乳性飲料を製造することができる。
また、本発明の凍結用酸性乳性飲料の凍結時の硬さを緩和する方法、及び融解速度を遅くする方法は、低無脂乳固形分及び低脂肪分の酸性乳性飲料を、良飲用性を維持した状態で、良好な食感を有し、融解速度が遅くその食感を長時間持続できる凍結用酸性乳性飲料とすることができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の凍結用飲料は、酸性乳性飲料であって、飲料として飲用する以外に、凍結させた後、室温又は外気温中で自然解凍させながらの飲食に供するものであり、飲食による経時により、凍結状態、半融解状態、及び場合によっては全融解した溶液状態と変化するものである。さらに、初期の凍結状態の時点において、いわゆるシャーベット状を呈しており、噛んだときに硬すぎず、良好な食感を有すると共に、経時によりその硬さが低下して柔らかくなるものの、液部と凍結部の分離が少なく、シャーベットの心地よい食感が長時間持続するものである。
また、この飲食による経時によって、風味や味の変化が小さく、飲食開始から終了まで、良好な風味及び味を堪能できるものである。
本発明に用いる乳は、動物又は植物由来のいずれの乳であっても良い。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳を用いることができ、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独又は2種類以上の混合物として用いることができる。また、これらの乳を乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳を用いることもできる。
これらの乳を原料乳として使用する場合、その形態は特に限定されず、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物を用いることができ、また、粉乳、濃縮乳から還元した乳も使用できる。
本発明の凍結用飲料において(A)乳の含有割合は、無脂乳固形分量として0.1〜3.0質量%である。その下限は好ましくは0.3質量%であり、より好ましくは0.5質量%である。またその上限は好ましくは2.0質量%であり、より好ましくは1.5質量%であり、さらに好ましくは1.2である。乳の含有割合が無脂乳固形分量として0.1質量%未満の場合には、乳性飲料としての風味が低下するおそれがあり、3.0質量%を超えるものは、凍結用飲料としての本発明の課題がそれほど問題とはならない可能性がある。
本発明の凍結用飲料は、脂肪分を0〜0.5質量%含有するが、当該脂肪分はその大部分は乳由来である。しかし、その一部は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて含有し得る他の成分に由来するものであってもよい。
本発明で使用する(B)大豆多糖類(以後、B成分と称する場合もある)は、大豆製品の製造工程において副成するオカラから抽出精製された多糖類であり、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものであれば良い。なお、市販のものを用いることができ、例えば、「SM−1200(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)」を使用できる。
大豆多糖類は、乳蛋白質を含めた乳固形分量が比較的少ない、清涼飲料水に分類されるような酸性の乳性飲料に対する安定化剤として使用される。しかし、通常、安定化剤は安定化対象物を凍結させた後、該対象物を再融解した時にはその安定性機能を失うことが多い。すなわち、飲料の凍結復元性が悪いことが多い。凍結用飲料においても、大豆多糖類のみの配合では、自然解凍しながらの飲食時において、食感及び風味が好ましくない。
本発明の凍結用飲料において、大豆多糖類の含有量は、乳の含有割合等に応じて適宜選択することができるが、他配合成分との相乗効果の点で、凍結用飲料全量中0.01〜0.5質量%の範囲で調整することが好ましい。
本発明で使用する(C)グアガムは、グア豆由来の増粘多糖類であり、冷菓や焼き菓子、ドレッシングなど多方面に利用されている。市販のものとしては、ユニテックフーズ(株)製のVIDOCREM Aなどを使用できる。
本発明で使用する(C)タマリンドシードガムは、タマリンドの種子から抽出される増粘多糖類であり、冷菓やドレッシングなどに利用されている。市販のものとしては、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製のビストップD−171などを使用できる。
本発明で使用する(C)HMペクチンは、主に柑橘類から抽出される多糖類である。市販のものとしては、三晶(株)製のYM−115−LJなどを使用できる。
本発明の凍結用飲料は、上記(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ(以後、C成分と称する場合もある)を含有し、その含有量は、乳の含有割合等に応じて適宜選択するが、他配合成分との相乗効果の点で、凍結用飲料全量中0.05〜0.35質量%の範囲で調整する。その下限値は0.1質量%が好ましく、その上限値は0.3質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。
本発明に用いる水は特に限定されず、例えば、精製水、純水、イオン交換水等を用いることができる。
本発明の飲料において水の含有割合は、他の成分の含有割合や、後述する糖度及びpHが所望範囲となるように適宜選択することができる。
本発明の飲料には、上記必須成分の他に、本発明の効果や、規定された物性を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を適宜、その含有割合を決定して含ませることができる。他の成分としては、例えば、pH調整のための酸味料、果汁や、糖度調整剤、大豆多糖類以外の安定化剤、高甘味度甘味料、香料、色素等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマール酸等の有機酸又はその塩、リン酸等の無機酸又はその塩が挙げられる。
果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ等が挙げられる。
糖度調整剤としては、例えば、ショ糖、麦芽糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、オリゴ糖等の糖類や、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコールや、難消化性デキストリン、寒天等の食物繊維が挙げられる。
大豆多糖類以外の安定化剤としては、例えば、HMペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ジェランガム、キサンタンガム、アラビアガムが挙げられる。
高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、ソーマチンが挙げられる。
本発明の凍結用飲料の糖度は10〜18である。糖度の下限値は11以上が好ましく、12以上がより好ましい。また、その上限値は16以下が好ましく、14以下がより好ましい。糖度がこの範囲であることにより、B成分及びC成分が上記含有量範囲であることとの相乗効果によって、噛んだときに硬すぎず、良好なシャーベット様食感を有すると共に、該シャーベットの心地よい食感を長時間持続させることができる。糖度は、凍結用飲料中に上記糖度調整剤や高甘味度甘味料を適宜配合することによって、当該範囲に制御することができる。
なお、本発明において糖度とは、ブリックス値(Bx)とも称され、20℃における糖用屈折計の示度であり、例えば、デジタル屈折計Rx−5000(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した本発明の飲料における可溶性固形分量を意味する。
本発明の飲料のpHは、3.0〜4.2であり、その下限は好ましくは3.3であり、その上限は好ましくは4.0である。上記他の要件を満たし、かつpHが当該範囲であることによって、凍結後の飲食時の経時によって、風味や味の変化が小さく、飲食開始から終了まで、良好な風味及び味を堪能できる。pHは、凍結用飲料中に上記酸味料や果汁を適宜配合することによって、当該範囲に制御することができる。
本発明の凍結用飲料は、上記組成及び各性状を全て満足することにより、良飲用性と上記凍結時の良好な食感等を両立することができる。
本発明の凍結用飲料に使用する飲料容器は密封容器であって、材質は特に限定されるものではないが、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、紙、アルミ、スチール等の単体もしくは複合材料又は積層材料からなる。また、容器形状は特に限定されるものではないが、缶容器、ボトル容器、カップ容器、パウチ容器、袋容器が挙げられる。また、容量についても特に限定はされないが、通常50mL〜500mL程度である。
次に、本発明の凍結用飲料の製造方法について説明する。
本発明の凍結用飲料は、(A)乳、(B)大豆多糖類、(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、糖及び甘味料の少なくとも一つ、並びに水を混合して混合液を調製し、該混合液中の無脂乳固形分量を0.1〜3質量%、及び脂肪分を0〜0.5質量%、並びに前記混合液の糖度を10〜18、及びpHを3.0〜4.2に調整することにより行うことができる。これらの調整は、上述の各原材料の種類や含有割合を調整することにより行うことができる。なお、C成分については、その含有量を凍結用飲料全量中0.05〜0.35質量%の範囲に調整することが好ましい。また、その下限値は0.1質量%がより好ましく、その上限値は0.3質量%がより好ましく、0.2質量%がさらに好ましい。
本発明の凍結用飲料は、例えば、常温下で製造することができる。
本発明の製造方法においては、上記各原料を混合した後、通常、均質化処理や、殺菌処理を行なうことができる。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5〜25℃で圧力10〜50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、例えば、65℃で10分間と同等以上の殺菌価を有する加熱殺菌により行うことができる。殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理後の本発明の凍結用飲料を容器詰め飲料とする方法としては、例えば、容器にホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法により行うことができる。
本発明の凍結用飲料を上記のような操作により製造することにより、凍結用飲料の凍結時の硬さを緩和することができ、さらに、凍結用飲料の融解速度を遅くすることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、実施例及び比較例中、大豆多糖類は、商品名「SM−1200」(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を、グアガムは商品名「VIDOCREM A」(ユニテックフーズ(株)製)を、タマリンドシードガムは商品名「ビストップD−171」(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を、ペクチンは商品名「YM−115−LJ」(三晶(株)製)を用いた。
また、均質化処理は、試験室用ホモゲナイザー(型式15MR、APVゴーリン社製)を用いて、処理温度20℃、処理圧15MPaで行なった。
実施例1
20質量%還元脱脂粉乳500gと、50質量%グラニュ糖水溶液2560gを混合して均一になるよう撹拌し、グラニュ糖含有還元脱脂粉乳液を調製した。次いで、当該脱脂粉乳液に3質量%大豆多糖類水溶液233g、10質量%クエン酸水溶液191g、及び1質量%グアガム水溶液500gを順次添加した。続いて、香料18g、及び10質量%クエン酸三ナトリウム(クエン酸三Na)水溶液20gを添加した後、イオン交換水を用いて調合液の全量を10,000gとした。
このようにして得られた調合液を均質化処理し、加熱殺菌した後に、PETボトルにホットパック充填し、室温まで水冷して実施例1に係る凍結用飲料を得た。該凍結用飲料の配合組成及び各性状を表1に示す。
<凍結用飲料の評価方法>
1.凍結後の硬さ及び噛み砕きやすさの評価
実施例1の凍結用飲料が充填されたPETボトルから25gずつ密封可能なプラスチック製袋に分注して−20℃の冷凍庫に一晩以上静置し、凍結用飲料を凍結させた後、冷凍庫から取り出して5℃の冷蔵庫中で10分間静置した。当該冷蔵庫中での静置後に、凍結した凍結用飲料(以後、凍結試料と称する)について以下のように官能評価を行った。判定員として習熟したパネラー4名により、上記袋から出して食したときの凍結試料の「硬さ」、及び「噛み砕きやすさ」について評価した。
「硬さ」、「噛み砕きやすさ」いずれも下記の採点基準に従って、0〜8点までの9段階で評価し、その平均点数を算出した。評価結果を表2に示す。
(硬さ)
0点:かなり硬い
2点:硬い
4点:やや硬い
6点:わずかに硬い
8点:硬くない
(噛み砕きやすさ)
0点:噛み砕きにくい
2点:やや噛み砕きにくい
4点:どちらとも言えない
6点:やや噛み砕きやすい
8点:噛み砕きやすい
2.凍結後の融解速度の評価
実施例1の凍結試料20gをプラスチックカップに入れ、25℃下に40分間静置した後、融解して液体となった部分のみを回収し、その液体部の重量を測定した。液体部の量が少ないほど融解速度が遅いと判断できる。結果を表3に示す。
3.飲料としての飲用時の評価
実施例1の凍結用飲料について、非凍結時の飲料としての評価を以下のように行った。調製した実施例1の凍結用飲料を10℃にて、習熟したパネラー10名により、「味」、「さわやかさ」、及び「後味」の各項目について官能評価した。
いずれも下記の採点基準に従って、0〜8点までの9段階で評価し、その平均点数を算出した。結果を表5に示す。
(味)
0点:まずい
2点:ややまずい
4点:どちらとも言えない
6点:ややおいしい
8点:おいしい
(さわやかさ)
0点:ない
2点:わずかにある
4点:ややある
6点:ある
8点:かなりある
(後味)
0点:悪い
2点:やや悪い
4点:どちらとも言えない
6点:やや良い
8点:良い
実施例2〜9、比較例1〜3
表1に示した配合(調合)組成とした以外は実施例1と同様にして、各実施例及び比較例の凍結用飲料を得た。該凍結用飲料の配合組成及び各性状を表1に示す。また、その評価結果を表2〜5に示す。
Figure 0006385756
Figure 0006385756
Figure 0006385756
Figure 0006385756
4.凍結後の破断強度および破断変形距離の評価
凍結時の食感に関して、上記1.の官能評価以外の評価として、実施例3及び比較例1の凍結試料を使用して、その破断強度及び破断変形距離を以下のようにして測定した。破断強度は破断荷重(gf)で表し、該荷重が小さい方が柔らかいことを示す。また、破断変形距離(mm)の経時による変化が小さい方が、融解速度が遅くその食感が長時間持続すると判断した。
実施例3と比較例1の凍結試料20gをプラスチック製カップに入れ、測定機器RHEONERII CREEP METER RE2−33005B((株)山電製)を用いて、破断強度および破断変形距離を測定した。上記カップに入れた凍結飲料に対し、真上に直径3mmのプラスチック製円柱状プランジャーを設置し、凍結飲料の液面に対し垂直に速度0.1mm/secで荷重をかけ、試料(厚さ15mm)がプランジャーの力で破断したときの荷重(gf)および破断変形距離(mm)を測定した。気温は25℃(常温下)にて行った。計測は2回行い、平均値を算出した。結果を表5に示す。
Figure 0006385756
表2から明確なように、実施例1〜9の凍結用飲料は、比較例1の飲料と比較して、凍結後の「硬さ」及び「噛み砕きやすさ」が良好であった。さらに、表3から明確なように、実施例1〜4の凍結用飲料は、比較例1の飲料と比較して融解速度が遅く、良好な食感が長く持続することが分かる。また、表5に示した破断荷重及び破断変形距離の評価においても、実施例3は比較例1に比較して破断荷重が小さく、また、破断変形距離の経時による変化が小さくなっており、凍結時の良好な食感が長く持続することを裏付けている。
なお、比較例2は、凍結後の食感及び融解速度とも良好であるが、表4に示すように非凍結時の飲料としての味等が劣った。それに対して、実施例1〜7の凍結用飲料は、非凍結時の飲料としても良好な味等を有していた。

Claims (7)

  1. (A)乳、(B)大豆多糖類、並びに(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、を含有し、
    飲料中に含まれる、グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つの含有量が0.05〜0.35質量%、無脂乳固形分量が0.1〜3質量%、並びに脂肪分が0〜0.5質量%であり、
    該飲料の糖度が10〜18、及びpHが3.0〜4.2である、
    凍結用酸性乳性飲料。
  2. (A)乳、(B)大豆多糖類、(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、糖及び甘味料の少なくとも一つ、並びに水を混合して混合液を調製する工程と、
    該混合液中の無脂乳固形分量を0.1〜3質量%、及び脂肪分を0〜0.5質量%、並びに前記混合液の糖度を10〜18、及びpHを3.0〜4.2に調整する工程と、を有する、
    凍結用酸性乳性飲料の製造方法。
  3. 前記(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つの、飲料中の含有量を0.05〜0.35質量%に調整する、
    請求項2に記載の凍結用酸性乳性飲料の製造方法。
  4. (A)乳、(B)大豆多糖類、(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、糖及び甘味料の少なくとも一つ、並びに水を混合して混合液を調製し、
    該混合液中の無脂乳固形分量を0.1〜3質量%、及び脂肪分を0〜0.5質量%、並びに前記混合液の糖度を10〜18、及びpHを3.0〜4.2に調整することを特徴とする、
    凍結用酸性乳性飲料の凍結時の硬さを緩和する方法。
  5. 前記(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つの、飲料中の含有量を0.05〜0.35質量%に調整する、
    請求項4に記載の凍結用酸性乳性飲料の硬さを緩和する方法。
  6. (A)乳、(B)大豆多糖類、(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つ、糖及び甘味料の少なくとも一つ、並びに水を混合して混合液を調製し、
    該混合液中の無脂乳固形分量を0.1〜3質量%、及び脂肪分を0〜0.5質量%、並びに前記混合液の糖度を10〜18、及びpHを3.0〜4.2に調整することを特徴とする、
    凍結用酸性乳性飲料の融解速度を遅くする方法。
  7. 前記(C)グアガム、タマリンドシードガム及びHMペクチンの少なくとも一つの、飲料中の含有量を0.05〜0.35質量%に調整する、
    請求項6に記載の凍結用酸性乳性飲料の融解速度を遅くする方法。
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