JP6761670B2 - 容器詰濃縮乳性飲料 - Google Patents

容器詰濃縮乳性飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP6761670B2
JP6761670B2 JP2016100712A JP2016100712A JP6761670B2 JP 6761670 B2 JP6761670 B2 JP 6761670B2 JP 2016100712 A JP2016100712 A JP 2016100712A JP 2016100712 A JP2016100712 A JP 2016100712A JP 6761670 B2 JP6761670 B2 JP 6761670B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
milk
beverage
concentrated
content
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016100712A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017205074A (ja
Inventor
圭美 山崎
圭美 山崎
美晴 藤森
美晴 藤森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Soft Drinks Co Ltd filed Critical Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority to JP2016100712A priority Critical patent/JP6761670B2/ja
Publication of JP2017205074A publication Critical patent/JP2017205074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6761670B2 publication Critical patent/JP6761670B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Dairy Products (AREA)

Description

本発明は、スムージーのような食感と風味を有するスムージー様飲料とするために、牛乳で希釈して飲用する容器詰濃縮乳性飲料に関する。
スムージー(smoothie)は、元来、細かく切って凍らせた果物や野菜を牛乳やヨーグルトなどの乳製品とともにミキサーにかけて調製したシャーベット状の飲料であるが、近年では生の果物や野菜をそのまま、または水、牛乳やヨーグルトなどの乳製品とともにミキサーにかけて調製したとろみのある飲料をスムージーと呼ぶことが多い。また、ミルクシェイク(milk shake)は、牛乳に、卵、砂糖、アイスクリーム、果物等のシロップ、香料を加えて振り混ぜたり撹拌して調製される乳飲料で、スムージーに似たとろみを有する。また、インドやネパールには、ヨーグルトをベースとして水や牛乳、砂糖などを混ぜて調製されるラッシィ(Lassi)と呼ばれるとろみのある乳飲料が知られている。
これまでスムージーのようなとろみのある食感を有する飲料として、キサンタンガム、グアーガムなどの増粘剤及び加工澱粉を含有し、牛乳等のタンパク質含有飲食品に溶解させて用いる粉末飲料(特許文献1)、発酵セルロース、グアーガムなどの増粘剤と、ジェランガム及び/又はカラギーナンからなるゲル化剤を所定の割合で配合し、飲用時に振とうすることによってスムージー様食感を与える容器詰ゲル化飲料(特許文献2)等が報告されている。また、特許文献3には、後味のすっきりしたラッシィとして、発酵乳及び/又は乳酸菌飲料と、酸味料と、糖類及び/又は甘味料と、増粘剤とを含み、かつ、乳風味酸性飲料全体に対して60〜85質量%となる量の牛乳を添加混合することによって、酸度が0.40〜0.75質量%、10℃における粘度が50〜300mPa・sの乳風味酸性飲料が得られるパウチ素材が開示されている。しかしながら、粉末タイプのものは飲用時に牛乳に溶解させ、スムージー様の粘度を発現させるために十分な撹拌が必要であったり、容器を振とうさせるものは、容器に空隙を設けるために充填量を制限する必要がある。またパウチ容器に代表される袋状の軟包材のものは、いったん開封すると一度に使い切らねばならず、必要な量だけを使用して残りを保存することができない。一方、開閉を繰り返し行うことができる蓋によって開閉可能な容器(例えば、キャップ付きのプラスチックボトル)に充填され、飲用時に希釈する濃縮飲料は、必要な量を使用できる点で便利であるが、例えば乳性飲料の場合、特に酸性下において乳蛋白質は不安定であるため、開封後に完全に消費するまでの保存期間に凝集・沈澱を生じることがある。さらに、例えばプラスチックボトルでは、飲料の粘度が高い場合には飲料が底や壁面に残ってしまい、飲料を使い切れないため、注ぎやすさも重要である。従って、飲用時に必要な量を使用でき、牛乳と混合しやすい濃縮タイプの容器詰飲料の形態で、かつ安定性が良く、注ぎやすいスムージー用の飲料の開発が望まれるところである。
特開2012-115207号公報 特開2015-122966号公報 特許第4412579号公報
本発明は、スムージー特有のとろみのある食感と、酸味と甘味のバランスに優れた風味を有するスムージー用の飲料であって、容器中での安定性に優れた濃縮タイプの容器詰乳性飲料を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、無脂乳固形分(SNF)含量、糖度(Brix)、乳酸酸度、pH、粘度、及びペクチン含量が所定の範囲である濃縮乳性飲料を、牛乳で希釈した際に、スムージー特有のとろみのある食感と、酸味と甘味のバランスに優れた風味を実現し、かつ分散安定性に優れたスムージー用の飲料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)牛乳で希釈することによってスムージー様飲料が得られる、開閉可能な蓋付の容器詰濃縮乳性飲料であって、
該濃縮乳性飲料の(A)無脂乳固形分(SNF)含量が1.0〜5.0重量%、(B)糖度(Brix)が25〜40、(C)乳酸酸度が1.4〜2.2重量%、(D)pHが4未満、(E)25℃における粘度が30〜120 mPa・s、(F)ペクチン含量が0.2〜0.6重量%であり、かつ、(G) 該濃縮乳性飲料に対して2倍量の牛乳で希釈した後の糖度(Brix)が13〜20、乳酸酸度が0.5〜0.8重量%であることを特徴とする、容器詰濃縮乳性飲料。
(2)さらに、フィチン酸を含有することを特徴とする、(1)に記載の容器詰濃縮乳性飲料。
本発明によれば、牛乳で希釈することによってスムージー特有のとろみのある食感と、酸味と甘味のバランスに優れた風味を有する、容器中での安定性に優れた濃縮タイプの容器詰乳性飲料が提供される。本発明の容器詰濃縮乳性飲料は、開閉可能な容器に充填され、飲用時に必要な量を取り出して牛乳を加えて少しの攪拌をするだけでスムージー様飲料を簡単に調製できる。また容器内の飲料液は分散安定性に優れ、保存中の沈殿が抑制される。さらに、本発明の容器詰濃縮飲料は、使い切りの良さにも優れている。
図1は、各試験サンプルの分散安定性試験結果を示す。
本発明の容器詰濃縮乳性飲料(以下、単に本発明の「濃縮乳性飲料」という)は、任意の濃度に牛乳で希釈して飲用する濃縮(コンク)タイプの飲料である。本発明の濃縮乳性飲料は、スムージー特有のとろみのある食感と、酸味と甘味のバランスに優れた風味を有するスムージー様飲料とするために、該濃縮乳性飲料に対し2〜3倍量の牛乳を加えて希釈することが好ましい。
本発明の濃縮乳性飲料は、(A) 無脂乳固形分(SNF)含量が1.0〜5.0重量%、(B)糖度(Brix)が25〜40、(C)乳酸酸度が1.4〜2.2重量%、(D)pHが4未満、(E)25℃における粘度が30〜120mPa・s、(F)ペクチン含量が0.2〜0.6重量%であり、かつ、(G) 該濃縮乳性飲料に対して2倍量の牛乳で希釈した後の糖度(Brix)が13〜20、乳酸酸度が0.5〜0.8重量%であることを特徴とする。
本発明における牛乳とは、厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」にいう「牛乳」のことであり、「直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。)する牛の乳」をいう。
(A) 無脂乳固形分(SNF)含量
本発明の濃縮乳性飲料における無脂乳固形分(SNF)とは、乳を構成する成分のうち、乳から水分と脂肪分を除いた固形分をいい、タンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどを主成分として含む。本発明の濃縮乳性飲料における無脂乳固形分(SNF)含量は、1.0〜5.0重量%、好ましくは、2.0〜4.0重量%の範囲である。無脂乳固形分(SNF)含量が5.0重量%より多いと、飲料中の乳蛋白質の安定性を保ちにくく飲料がゲル化する恐れがあり、また、1.0重量%よりも少ないとスムージーらしさが十分に得られない。
本発明の濃縮乳性飲料には、無脂乳固形分(SNF)含量が上記範囲となるように、乳成分を配合する。本発明の濃縮乳性飲料に配合される乳としては、動物又は植物由来の乳等、いずれの乳をも用いることができる。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳が挙げられるが、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。
乳原料の形態は特に限定されず、全脂乳、脱脂乳、乳清及びこれらの粉乳、乳蛋白濃縮物、濃縮乳からの還元乳等のいずれであってもよい。これらの乳原料は、単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の濃縮乳性飲料は、上記の所定のpHと乳酸酸度の範囲とする上で、配合される乳として酸性乳を用いることが好ましい。酸性乳とは、pHを酸性にした乳をいい、微生物による発酵工程を経て製造される発酵酸性乳及び微生物による発酵工程を経ないで製造される非発酵酸性乳のいずれをも含む。具体的には、予め乳原料を乳酸菌やビフィズス菌等の微生物によって発酵させ、乳酸等の有機酸を生成させる方法により得られる酸性乳、乳原料に乳酸やクエン酸等の有機酸や果汁等の酸成分を添加する方法により得られる酸性乳、又はこれらの混合物が挙げられる。ここで、微生物による発酵を行なう場合、通常の発酵乳製造に使用される発酵方法で行えばよく、静置発酵、攪拌発酵、振とう発酵、通気発酵などが挙げられる。発酵は、通常30〜40℃の温度で、pHが酸性になるまで行なえばよい。
(B) 糖度(Brix)
本発明の濃縮乳性飲料において糖度(Brix)とは、20℃における糖用屈折計の示度であり、デジタル屈折計Rx-5000(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した可溶性固形分量(Bx)をいう。本発明の濃縮乳性飲料のBrix値(Bx)は、25〜40の範囲である。Brix値(Bx)が40より多いと飲用時(希釈時)に甘味が強くなりすぎ、また、25よりも少ないと飲用時(希釈時)に甘味が弱くなって、酸味とのバランスが崩れ、美味しく感じられない。
前記Brix値(Bx)の調整は、本発明の濃縮乳性飲料に、例えば、糖類や甘味料を含有させる方法により行うことができる。本発明の濃縮乳性飲料に配合し、かつBxを上記範囲に調整する糖類や甘味料としては、単糖(ブドウ糖、果糖、キシロース、ガラクトース等)、二糖(ショ糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、イソマルツロース等)、オリゴ糖(フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー等)、糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、還元イソマルツロース、還元水飴等)などが使用できる。さらに、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア等の高甘味度甘味料を使用してもよい。これらの糖度(Brix)を調整するための糖類や甘味料の使用量は、所望の糖度(Brix)とすることができ、かつ飲料の風味に影響がない範囲であれば特に限定されない。
(C) 乳酸酸度
本発明の濃縮乳性飲料の乳酸酸度は、1.4〜2.2重量%の範囲である。乳酸酸度が1.4重量%よりも低いと、飲用時(希釈時)に清涼感が感じられず、2.2重量%よりも高いと酸味が強くなりすぎて好ましくない。本発明の濃縮乳性飲料の乳酸酸度を上記の範囲に調整するためには、酸性乳を使用する方法、酸味料を使用する方法、果汁を使用する方法、又はこれらの方法を併用する方法により行うことができる。酸性乳を使用する場合、酸性乳の調製方法は前記のとおりである。例えば、前記の発酵酸性乳を用いて目的とする濃度の飲料とした場合にその乳酸酸度が上記の範囲となれば乳酸酸度の調整は必要としないが、上記の範囲でない場合は、酸味料や果汁により調整する。酸味料としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、コハク酸、フマール酸等の有機酸、リン酸等の無機酸、又はこれらのナトリウム塩、カルシウム塩もしくはカリウム塩等が挙げられる。果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁が挙げられる。これらの乳酸酸度を調整するための酸性乳、酸味料、果汁の使用量は、所望の乳酸酸度とすることができ、かつ飲料の風味に影響がない範囲であれば特に限定されない。乳酸酸度の測定は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」における「乳及び乳製品の酸度の測定法」に従って、フェノールフタレインを指示薬として用いた0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液による滴定により測定できる。
(D) pH
本発明の濃縮乳性飲料のpHは、4.0未満、好ましくは2.7〜3.7の範囲である。pHが上記範囲でないと、飲用時(希釈時)に強い酸味と清涼感が得られない。本発明の濃縮乳性飲料のpHを上記の範囲に調整するためには、酸味料を使用する方法、酸性乳を使用する方法、果汁を使用する方法、又はこれらの方法を併用する方法により行うことができる。酸味料、酸性乳、果汁の種類は前記のとおりである。これらのpHを調整するための酸味料、酸性乳、果汁の使用量は、所望のpHとすることができ、かつ飲料の風味に影響がない範囲であれば特に限定されない。
(E) 粘度
本発明の濃縮乳性飲料の粘度は、25℃においてB型粘度計で測定したものをいう。本発明の濃縮乳性飲料の粘度は、30〜120mPa・s、好ましくは30〜90mPa・s、さらに好ましくは30〜60mPa・sの範囲である。粘度が30mPa・sより低いと、飲用時(希釈時)に適度なとろみとスムージーらしさが得られないことに加えて、保存安定性が悪くなる。また、120mPa・sより高いと、満足のいく食感や風味が得られないことに加えて、飲料が底や壁面に残ってしまい、飲料を使い切れない。粘度の測定は、具体的には、B型粘度計(ビスメトロン粘度計VDA2型)(芝浦セムテック社製)等の市販の粘度計を使用し、粘度が100mPa・s未満の試料についてはローターNo.1を、粘度が100〜500mPa・sの試料についてはローターNo.2を用い、25℃において60rpmで30秒間のタイマー測定により行う。
(F)ペクチン含量
本発明の濃縮乳性飲料においては、上記の粘度調整とともに乳蛋白質の安定化のために、ペクチンを含有させる。ペクチンとしては、ガラクチュロン酸メチルエステルの割合(エステル化度:DE)が50%以上のHMペクチンが好ましい。このようなHMペクチンとしては、市販のHMペクチンを用いることができるが、エステル化度が65〜75%のものが好適である。ペクチンの含有量は、本発明の濃縮乳性飲料に対して、0.2〜0.6重量%、好ましくは0.3〜0.5重量%の範囲である。ペクチンの含有量が0.2重量%未満では、ペクチンによる飲料中の乳蛋白質の安定化効果が得られず、0.6重量%を超えると、飲用時(希釈時)に粘度が高くなり糊感が生じ、清涼感が失われる恐れがある。
また、上記ペクチンに加えて、フィチン酸を添加してもよい。フィチン酸は、本発明の濃縮乳性飲料において、上記ペクチンに関連するゲル化を抑制し、乳蛋白質の安定化をさらに向上させる成分である。フィチン酸は、ミオイノシトールヘキサリン酸であって、ナッツ類やまめ類等に含まれる植物成分として知られ、多価カチオンに対するキレート作用を有し、酸味料又はpH調整剤として表記される食品添加物として使用されている。フィチン酸の含有量は、本発明の濃縮乳性飲料に対して、0.001〜0.25重量%、好ましくは0.01〜0.10重量%の範囲である。フィチン酸の含有量が0.001重量%未満ではフィチン酸の含有効果が発現せず、0.25重量%を超えるとフィチン酸由来の酸味が飲料に強く付与され、風味が低下する恐れがある。
(G) 牛乳希釈後の濃縮乳性飲料の糖度(Brix)及び乳酸酸度
本発明の濃縮乳性飲料は、該飲料に対して2倍量の牛乳で希釈した後の糖度(Brix)が13〜20の範囲であり、乳酸酸度は、0.5〜0.8重量%の範囲である。希釈後の糖度(Brix)及び乳酸酸度が上記範囲でないと、飲用時(希釈時)に酸味と甘味のバランスに優れた風味が得られない。
本発明の濃縮乳性飲料は、無脂乳固形分(SNF)含量、糖度(Brix)、乳酸酸度、pH、粘度、及びペクチン含量がそれぞれ前記の所定範囲となるために、前記の乳、糖類、酸味料、及びペクチンを主たる原料として含有するが、その配合によって所望の効果が失われず、また、前記の所定範囲を逸脱しない限り、一般的な飲料に通常用いられる他の原料を適宜選択して配合することができる。例えば、本発明の濃縮乳性飲料には、果汁や野菜汁を配合することでできる。果汁としては、リンゴ、オレンジ、ミカン、レモン、グレープフルーツ、メロン、ブドウ、バナナ、モモ、イチゴ、ブルーベリー、マンゴーなどの果汁が挙げられる。また、野菜汁としては、例えば、トマト、ニンジン、カボチャ、ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、セロリ、ホウレンソウ、ケール、モロヘイヤなどの野菜汁が挙げられる。果汁や野菜汁は果物や野菜の絞り汁そのままでもよく、濃縮されていてもよい。また、不溶性固形物を含む混濁果汁又は野菜汁であっても、精密濾過や酵素処理、限外濾過等の処理により不溶性固形物を除去した透明果汁又は野菜汁であってもよい。
本発明の濃縮乳性飲料には、飲料に許容される各種添加剤、例えば、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等)、増粘安定剤(大豆多糖類、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム等)、酸化防止剤(トコフェロール、アスコルビン酸、塩酸システイン等)、香料(レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフレーバー、ピーチフレーバー、アップルフレーバー等)、色素(カロチノイド色素、アントシアニン色素、ベニバナ色素、クチナシ色素、カラメル色素、各種合成着色料等)などを添加してもよい。また、健康機能の増強を期待して、ビタミン類(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD等)、ミネラル類(カルシウム、カリウム、マグネシウム等)、食物繊維等の各種機能成分を添加してもよい。
本発明の濃縮乳性飲料の製造方法は、特に限定されず、例えば、主原料である前記の乳、糖類、酸味料、ペクチンを混合する工程に加えて、更に他の原料等を添加する工程を含むことができる。主原料と任意の他の原料の混合順序は特に限定されず、他の原料の混合は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、本発明の濃縮乳性飲料の製造の任意の段階で行うことができる。
上記方法にて製造された濃縮乳性飲料は、容器に充填する前に、通常、所定の条件で均質化を実施することができる。均質化処理は、食品加工用に一般に用いられるホモジナイザーを用いて常法により行えばよく、その圧力は、ホモジナイザーで10〜20MPa程度が好ましい。また、均質化時の温度は任意の温度でよく、一般的な加熱条件下での均質化も可能である。また通常、上記均質化処理の前、均質化処理後容器に充填する前もしくは後に、殺菌処理を行なうことが好ましい。殺菌処理は、特に制限されず、通常のレトルト殺菌、バッチ殺菌、プレート殺菌、オートクレーブ殺菌などの方法を採用することができる。
本発明の濃縮乳性飲料を充填する容器の種類としては、各種飲料において従来から一般的に使用される開閉可能な蓋付きの容器を使用することができ、特に限定されるものではなく、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)ボトル、ガラス瓶、アルミニウム缶、スチール缶、紙パックの容器が挙げられるが、開閉可能な蓋付きのプラスチックボトルが好ましい。また容量についても限定はされず、例えば100〜2000mlが挙げられる。
また、本発明の容器に装着する開閉可能な蓋の種類としては、各種飲料において従来から一般的に使用される密閉可能な蓋を使用することができ、特に限定されるものではないが、スクリューキャップやヒンジキャップが挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。
(実施例1〜2、比較例1〜6)試験サンプルの調製
表1に示す配合量(単位(g))で、以下の手順により実施例1〜2、比較例1〜6の容器詰濃縮乳性飲料の試験サンプルを調製した。発酵乳(SNF:8.5、糖度(Brix):27.2、乳酸酸度(w/w%):1.75)に対し、グラニュ糖を添加して混合溶解した。次いで、この混合液に、3質量%HMペクチン水溶液を添加した後、50質量%クエン酸(無水)水溶液、30質量%クエン酸三ナトリウム水溶液、50質量%フィチン酸水溶液を添加し、さらに、香料を添加した。最後にイオン交換水を用いて全量を1000gとした。全量をホモゲナイザーで、圧力15MPa・常温で均質化処理を行った。その後加熱殺菌し、プラスチック(PET)ボトル(300ml)に充填し、容器詰乳性濃縮飲料を得た。
(試験例)試験サンプルの評価
(1)試験サンプル希釈前後の物性値測定
実施例1〜2、比較例1〜6の容器詰乳性濃縮飲料、及び参考例として市販の容器詰濃縮乳性飲料「カルピス」(アサヒ飲料(株)、登録商標)の物性値(糖度(Brix)、乳酸酸度(w/w%)、pH、SNF、25℃における粘度(mPa・s))、ならびに、上記各飲料に対して2倍量の牛乳を添加混合して希釈した飲料(3倍希釈品)の物性値(糖度(Brix)、乳酸酸度(w/w%)、pH)を測定した。
(2)分散安定性試験
実施例1〜2、比較例1〜6で製造した飲料、及び参考例の飲料を試験サンプルとして用いて沈降速度(velocity(%/s))を測定し、分散安定性試験を行った。測定装置は、独国LUM社製遠心沈降・光透過式多検体分散安定性分析装置LUMiFuge110を用いた。セルに各試験サンプルを各350μlずつ分注し、下記の条件にて沈降速度を測定した。分散安定性の評価は、参考例の飲料との比較において、沈殿の生じにくさを評価した。
(LUMiFuge測定条件)
Temperature:20℃
Profiles:300回
Interval:240秒
Speed:1661rpm
Light Factor:1
分散安定性の測定結果を図1に示す。図1に示すように、実施例1、2の飲料は、参考例の飲料より沈降速度が低く、沈殿が生じにくいことが確認できた。
(3)官能評価試験
実施例1〜2、比較例1〜6で製造した飲料、及び参考例の飲料に対してそれぞれ2倍量の牛乳を添加混合して希釈した飲料(3倍希釈品)を試験サンプルとして用いて官能評価試験を行った。官能評価試験は習熟したパネラー7名により、「甘味の強さ」、「酸味の強さ」、「とろみの好ましさ」、「スムージーらしさ」、「スムージーとしてのおいしさ」について行い、下記の採点基準に従って評価し、その平均点数を算出した。
(a)甘味の強さ(3〜5を丁度良い範囲とした)
0点:弱い
2点:やや弱い
4点:丁度良い
6点:やや強い
8点:強い
(b)酸味の強さ(3〜5を丁度良い範囲とした)
0点:弱い
2点:やや弱い
4点:丁度良い
6点:やや強い
8点:強い
(c)とろみの好ましさ(1以上を好ましい範囲とした)
−4点:好ましくない
−2点:やや好ましくない
0点:どちらともいえない
+2点:やや好ましい
+4点:好ましい
(d)スムージーらしさ(5以上をそう思う範囲とした)
0点:そう思わない
2点:ややそう思わない
4点:どちらともいえない
6点:ややそう思う
8点:そう思う
(e) スムージーとしてのおいしさ(1以上をおいしい範囲とした)
−4点:まずい
−2点:ややまずい
0点:どちらともいえない
+2点:ややおいしい
+4点:おいしい
実施例1〜2、比較例1〜6で製造した飲料、及び参考例の飲料の希釈前後の各物性値、官能評価試験結果を表1に合わせて示す。
Figure 0006761670
表1に示されるように、実施例1、2の飲料は、「甘味の強さ」、「酸味の強さ」、「とろみの好ましさ」、「スムージーらしさ」、「スムージーとしてのおいしさ」について好ましい結果が得られた。実施例1、2の飲料は、表1に示されるように、(A)無脂乳固形分(SNF)含量が1.0〜5.0重量%、(B)糖度(Brix)が25〜40、(C)乳酸酸度が1.4〜2.2重量%、(D)pHが4未満、(E)25℃における粘度が30〜120mPa・s、(F)ペクチン含量が0.2〜0.6重量%であり、かつ、(G) 該濃縮乳性飲料に対して2倍量の牛乳で希釈した後の糖度(Brix)が13〜20、乳酸酸度が0.5〜0.8重量%であるというファクターのすべてを満たすものである。
本発明は、容器詰濃縮乳性飲料の製造分野において利用できる。

Claims (2)

  1. 牛乳で希釈することによってスムージー様飲料が得られる、開閉可能な蓋付の容器詰濃縮乳性飲料であって、
    該濃縮乳性飲料の(A)無脂乳固形分(SNF)含量が1.0〜5.0重量%、(B)糖度(Brix)が25〜40、(C)乳酸酸度が1.4〜2.2重量%、(D)pHが4未満、(E)B型粘度計(ローターNo.1、回転数60rpm)を用いて測定した25℃における粘度が30〜90mPa・s、(F)ペクチン含量が0.2〜0.6重量%であり、かつ、(G) 該濃縮乳性飲料に対して2倍量の牛乳で希釈した後の糖度(Brix)が13〜20、乳酸酸度が0.5〜0.8重量%であることを特徴とする、容器詰濃縮乳性飲料。
  2. さらに、フィチン酸を含有することを特徴とする、請求項1に記載の容器詰濃縮乳性飲料。
JP2016100712A 2016-05-19 2016-05-19 容器詰濃縮乳性飲料 Active JP6761670B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016100712A JP6761670B2 (ja) 2016-05-19 2016-05-19 容器詰濃縮乳性飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016100712A JP6761670B2 (ja) 2016-05-19 2016-05-19 容器詰濃縮乳性飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017205074A JP2017205074A (ja) 2017-11-24
JP6761670B2 true JP6761670B2 (ja) 2020-09-30

Family

ID=60414650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016100712A Active JP6761670B2 (ja) 2016-05-19 2016-05-19 容器詰濃縮乳性飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6761670B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6959851B2 (ja) * 2017-12-12 2021-11-05 株式会社エルビー 乳入り果汁飲料
JP7425543B2 (ja) * 2018-05-14 2024-01-31 アサヒ飲料株式会社 乳性飲料
JP6657462B2 (ja) * 2019-04-05 2020-03-04 サントリーホールディングス株式会社 飲料の提供システム
JP6818170B2 (ja) * 2020-02-04 2021-01-20 サントリーホールディングス株式会社 飲料濃縮液を希釈した飲料を調製する方法及び飲料濃縮液の1回使用分が収容された容器詰飲料

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4412579B2 (ja) * 2003-05-09 2010-02-10 ハウス食品株式会社 乳風味酸性飲料及びこれを得るための素材
JP2014079225A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Calpis Co Ltd 酸性乳性濃縮飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017205074A (ja) 2017-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3400777B2 (ja) 低カロリー乳含有酸性飲料
JP6664221B2 (ja) 酸性乳性飲料及びその製造方法
JP6761670B2 (ja) 容器詰濃縮乳性飲料
JP3313104B2 (ja) 乳含有酸性飲料の製造方法
KR20180030409A (ko) 제어된 단백질 응집물에 의한 개선된 질감을 갖는 즉석 음료
JP6616083B2 (ja) 加温販売用容器詰め飲料および加温販売用容器詰め飲料の自然な甘み改善方法
JP2018139623A (ja) 凍結飲料の解凍時の甘味変化又は色調変化を緩和する方法
JP3903357B2 (ja) 混濁物質入り酸性乳性飲料
TW201538082A (zh) 酸性乳性飲料及其製造方法
TWI765055B (zh) 碳酸飲料、容器裝碳酸飲料及碳酸飲料之酸酪乳風味增強方法
JP6827824B2 (ja) 酸性乳性飲料
JP3902196B2 (ja) 固形物含有飲料
JP6385756B2 (ja) 凍結用酸性乳性飲料
JP6351361B2 (ja) ウリ科果菜汁入り飲料
TWI693897B (zh) 加溫販售用含果汁之容器包裝飲料
SU588964A1 (ru) Способ производства кисломолочных напитков
JP2020080790A (ja) 飲料及び飲料の製造方法
JP7425543B2 (ja) 乳性飲料
JP6592630B1 (ja) 炭酸飲料
JP7010657B2 (ja) 炭酸飲料、容器詰め炭酸飲料および炭酸飲料のヨーグルト風味増強方法
JP7182349B2 (ja) 容器詰ゼリー飲料
JP4017175B2 (ja) 混濁物質入り酸性乳性飲料の製造方法
RU2688477C1 (ru) Способ производства напитка на основе молочной сыворотки
JP6959851B2 (ja) 乳入り果汁飲料
TWI674846B (zh) 加溫販售用含果汁之容器包裝飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200818

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6761670

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250