JP2018198568A - 乳性飲料及びその製造方法 - Google Patents

乳性飲料及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018198568A
JP2018198568A JP2017105172A JP2017105172A JP2018198568A JP 2018198568 A JP2018198568 A JP 2018198568A JP 2017105172 A JP2017105172 A JP 2017105172A JP 2017105172 A JP2017105172 A JP 2017105172A JP 2018198568 A JP2018198568 A JP 2018198568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reducing sugar
sugar
content
beverage
rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017105172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7116532B2 (ja
Inventor
敦廣 鷺谷
Atsuhiro Sagiya
敦廣 鷺谷
米谷 竜馬
Tatsuma Yonetani
竜馬 米谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=64666645&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2018198568(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Asahi Soft Drinks Co Ltd filed Critical Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority to JP2017105172A priority Critical patent/JP7116532B2/ja
Publication of JP2018198568A publication Critical patent/JP2018198568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7116532B2 publication Critical patent/JP7116532B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

【課題】高い無脂乳固形分濃度を有しつつも、加熱殺菌工程においても凝集が発生しない、乳性飲料及びその製造方法を提供すること。【解決手段】メッシュ非通過率が30%未満になるように、還元糖率を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、乳性飲料及びその製造方法に関する。
乳成分を含有する乳性飲料は、濃厚な味わいが楽しめるのが特徴である。乳性飲料における課題の一つとして、長期保存時に生じる乳蛋白質の凝集及び沈殿の抑制が挙げられる。
例えば、特許文献1(特許第3313104号)には、乳蛋白質懸濁粒子の凝集及び沈殿を抑制するため、乳及び大豆食物繊維を含む乳含有酸性飲料の製造方法において、ペクチンと酸味料とを特定の順番で添加する点が記載されている。
また、特許文献2(特許第2928729号)には、特定含有量の無脂乳固形分、特定含有量の乳脂肪、特定濃度のエチルアルコール、有機酸、甘味料、特定のpH、及び特定の吸光度を有するアルコール含有酸性乳飲料が、長期間保存しても溶液の褐変や乳蛋白質の凝集・沈殿がなく、清澄であって、清涼感に優れた乳飲料である点が記載されている。
特許第3313104号 特許第2928729号
本願発明者らは、無脂乳固形分濃度が高い(例えば、1.2質量%以上)乳性飲料を大量生産したところ、加熱殺菌工程において凝集が発生してしまい、異物混入防止フィルターが頻繁に目詰まりしてしまう、という問題があることを見出した。
特許文献1及び2には、長期保管時に乳蛋白質の凝集及び沈殿を抑制するための技術が開示されているが、加熱殺菌工程における凝集の発生は認識されておらず、その解決手段も示されてはいない。
そこで、本発明の課題は、高い無脂乳固形分濃度を有しつつも、加熱殺菌工程においても凝集が発生しない、乳性飲料及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者らは、乳性飲料中に含まれる還元糖と非還元糖との含有比率が、加熱殺菌工程における凝集に関連することを見出した。そして、この含有比率を調整することにより、加熱殺菌工程における凝集を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の事項を含んでいる。
〔1〕乳成分を含有する乳性飲料であって、
無脂乳固形分が1.2質量%以上、3.2質量%以下であり、
糖度(°Bx)が8以上であり、
大豆多糖類の含有量が0.1質量%以上であり、
還元糖及び/又は非還元糖を含有し、
糖度(°Bx)が8以上、11未満である場合、還元糖率が、0〜77%であり、
糖度(°Bx)が11以上、13未満である場合、前記還元糖率が、50〜100%であり、
糖度(°Bx)が13以上である場合、前記還元糖率が、0〜70%であり、
前記還元糖率は、還元糖と非還元糖との合計量に対する還元糖の含有率(質量%)を表す、
乳性飲料。
〔2〕還元糖と非還元糖との双方を含有する、
前記〔1〕に記載された乳性飲料
〔3〕前記還元糖が、果糖、ぶどう糖、及び乳糖を含み、
前記非還元糖が、ショ糖を含む、
前記〔2〕に記載された乳性飲料。
〔4〕pHが4.2以下である、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載された乳性飲料。
〔5〕クエン酸換算酸度が0.1〜0.4質量%である、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載された乳性飲料。
〔6〕非炭酸飲料である、
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載された乳性飲料。
〔7〕非アルコール飲料である、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載された乳性飲料。
〔8〕ストレート飲料である、
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載された乳性飲料。
〔9〕乳性飲料を調製する工程と、
前記乳性飲料を熱殺菌する工程と、
前記熱殺菌する工程後に、フィルターに前記乳性飲料を通過させる工程とを有し、
前記乳性飲料を調製する工程が、メッシュ非通過率が30%未満になるように、還元糖率を決定する工程を有し、
前記還元糖率は、還元糖と非還元糖との合計量に対する、還元糖の含有率(質量%)を表す、
乳性飲料の製造方法。
本発明によれば、高い無脂乳固形分濃度を有しつつも、加熱殺菌工程においても凝集が発生しない、乳性飲料及びその製造方法が提供される。
糖度(°Bx)、メッシュ非通過率、及び果糖ぶどう糖由来還元糖率の関係の一例を示したグラフである。
本実施形態に係る飲料は、乳成分を含有する乳性飲料である。この乳性飲料は、1.2質量%以上、3.2質量%以下の無脂乳固形分(SNF;solid−not−fat)、8以上の糖度(°Bx)、および0.1質量%以上の大豆多糖類を有している。
また、本実施形態に係る飲料は、大豆多糖類とは別に、還元糖及び/又は非還元糖を含有している。更に、この飲料は、熱殺菌時における凝集が抑制されるように、還元糖率が調整されている。還元糖率とは、還元糖と非還元糖との合計含有量に対する、還元糖含有量の割合である。
具体的には、糖度(°Bx)が8以上、11未満である場合、還元糖率は、0〜77%である。
糖度(°Bx)が11以上、13未満である場合、還元糖率は、50〜100%である。
糖度(°Bx)が13以上である場合、還元糖率、0〜70%である。
還元糖率が上記のような値に調整されていることにより、1.2質量%以上という高い含有量で無脂乳固形分を含んでいるにもかかわらず、加熱殺菌時における凝集を防ぐことができる。これによって、フィルターの目詰まり等を防止できる。
(乳成分)
乳成分は、無脂乳固形分を含むものであればよく、その由来及び原料の形態は限定されない。乳成分は、獣乳及び植物乳の何れを由来とするものであってもよい。獣乳としては、例えば、牛乳、山羊乳、羊乳及び馬乳等が挙げられ、植物乳としては例えば豆乳等が挙げられる。これらの中でも、風味及び入手のし易さの点で、牛乳が好ましい。
乳成分の原料の形態としては、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物、バターミルク粉、無糖練乳、脱脂加糖練乳、全脂加糖練乳、生クリーム、及び発酵乳が挙げられる。また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。中でも、生乳と脱脂粉乳が好ましく、脱脂粉乳がより好ましい。また、乳原料としては、単一種類の原料を使用しても、複数の種類の原料を使用してもよい。
飲料中の無脂乳固形分の含有量は、1.2質量%以上である。このような含有量で無脂乳固形分が含まれていると、加熱殺菌時における凝集が問題となりやすい。しかし、本実施形態によれば、還元糖率が調整されているため、凝集に関する問題が解決される。飲料中の無脂乳固形分の含有量は、3.2質量%以下、好ましくは2.8質量%以下、より好ましくは2.4質量%以下、最も好ましくは1.8質量%以下である。
飲料における乳脂肪分は、1.0w/w%以下であることが好ましく、より好ましくは0.7w/w%以下であり、さらに好ましくは0.5w/w%以下である。
(糖度)
本実施形態に係る飲料の糖度(°Bx)は、8以上である。糖度(°Bx)は、好ましくは、8以上20以下、より好ましくは8以上16以下、更に好ましくは、8以上13未満、より好ましくは8以上11未満である。
糖度とは、20℃における糖用屈折計の示度であり、例えばデジタル屈折計Rx−5000(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した固形分量とすることができる。
(糖類:還元糖及び非還元糖)
本実施形態に係る飲料は、糖類を含有する。本発明において、糖類とは、単糖類、二糖類、オリゴ糖類または糖アルコールを言う。尚、オリゴ糖とは、3個から10個の単糖が重合した糖類を言う。
また、本実施形態に係る飲料は、糖類として、還元糖及び/又は非還元糖を含有し、好ましくは還元糖と非還元糖の双方を含有する。
本発明において、還元糖とは、開環して鎖状構造となった際に、アルデヒド基を有するアルドース又はケトン基を有するケトースを構成成分とし、還元性を示す糖類をいう。還元糖としては、例えば、果糖やぶどう糖等の単糖類、乳糖、麦芽糖、アラビノース等が挙げられる。
本発明において、非還元糖とは、還元糖以外の糖類を言う。非還元糖としては、ショ糖、トレハロース、及び糖アルコール等が挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、エリスリトール、マルチトール及びキシリトール等が挙げられる。
(還元糖率)
上述のように、本実施形態の飲料においては、熱殺菌時における凝集によってフィルターの目詰まりが起こらないように、還元糖率が調整されている。還元糖率とは、還元糖と非還元糖との合計量に対する、還元糖含有量の比率(質量%)である。
具体的には、糖度(°Bx)が8以上11未満である場合、還元糖率は0〜77(%)であり、5〜77(%)であることが好ましく、30〜77(%)であることがより好ましい。このような範囲内では、熱殺菌時のフィルターの目詰まりをより抑制することができる。
糖度(°Bx)が11以上13未満である場合、熱殺菌時のフィルターの目詰まり防止の観点から、還元糖率は、50〜100(%)であり、60〜90(%)であることがより好ましい。
また、糖度(°Bx)が13以上(好ましくは16以下)である場合、還元糖率は、0〜70(%)であり、5〜50(%)であることがより好ましく、5〜35(%)であることが更に好ましい。
(果糖ぶどう糖由来還元糖率)
本実施形態に係る飲料は、好ましくは、果糖ぶどう糖液糖(果糖含有率50%以上90%未満のもの)(還元糖)と、ショ糖(非還元糖)とを含有する。
糖度(°Bx)が8以上、11未満である場合、「果糖ぶどう糖液糖由来の還元糖」と「ショ糖」の合計含有量に対する、「果糖ぶどう糖液糖由来の還元糖」の含有率(質量%)(以下、果糖ぶどう糖由来還元糖率という)は、熱殺菌時のフィルター目詰まり抑制の観点から、0〜70(%)であることが好ましく、5〜70(%)であることがより好ましく、30〜70(%)であることが更に好ましい。
糖度(°Bx)が11以上、13未満である場合、果糖ぶどう糖由来還元糖率は、熱殺菌時のフィルター目詰まり抑制の観点から、50〜100(%)であることが好ましく、60〜90(%)であることがより好ましい。
また、糖度(°Bx)が13以上(好ましくは16以下)である場合、果糖ぶどう糖由来還元糖率は、熱殺菌時のフィルター目詰まり抑制の観点から、0〜70(%)であることが好ましく、5〜50(%)であることがより好ましく、10〜40(%)であることが更に好ましい。
(大豆多糖類)
本実施態様に係る飲料には、安定剤として大豆多糖類が含まれている。飲料中における大豆多糖類の含有量は0.1質量%以上であり、好ましくは、0.1〜0.3質量%、より好ましくは、0.15〜0.3質量%である。大豆多糖類を含有させることにより、加熱殺菌時における凝集をより確実に防ぐことができる。大豆多糖類とは、大豆製品の製造工程において副成するオカラから抽出精製された多糖類であり、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものであれば良い。
また、本実施態様に係る飲料には、大豆多糖類以外の安定剤が含まれていてもよい。例えば、そのような安定剤として、ペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ジェランガム、グアーガム、タラガム、加工デンプン及びキサンタンガムが挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
(pH)
本実施態様に係る飲料のpHは、好ましくは4.2以下、より好ましくは、3.0以上、4.0以下である。更に好ましくは、3.4以上、4.0以下である。pHをこのような範囲にすることにより、加熱殺菌時における凝集の発生をより効果的に抑制できる。
(酸度)
本発明に係る飲料のクエン酸換算酸度は、0.1〜0.4質量%であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.35質量%である。クエン酸換算酸度は、例えば、果実飲料の日本農林規格(平成25年12月24日農水告第3118号)で定められた酸度の測定方法に基づいて、算出することができる。
飲料のpH及びクエン酸換算酸度は、例えば、酸味料、及び果汁等を添加することにより、調整することができる。酸味料としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマール酸等の有機酸やリン酸等の無機酸、及びそれらの塩が挙げられる。果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁が挙げられる。また、原料として発酵乳を用いる場合、その発酵乳の発酵度を調節することにより、乳性飲料のpHを調整することもできる。これらのpHの調整方法としては、複数の方法が併用されてもよい。
(その他成分)
本発明に係る飲料には、上記各成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を適宜含有することができる。他の成分としては、例えば、デキストリン、食物繊維、高甘味度甘味料、ビタミン、ミネラル、香料、色素が挙げられる。食物繊維としては、難消化性デキストリン等が挙げられる。高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、アドバンテーム、ネオテーム及びソーマチン等が挙げられる。ビタミンとしては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン等が挙げられる。ミネラルとしては、例えば、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムが挙げられる。色素としては、例えば、カロチン、ベニバナ、アントシアニン、クチナシ、マリーゴールド、カラメル、合成着色料が挙げられる。
本発明に係る飲料は、ストレート飲料(希釈することなくそのまま飲む飲料)であることが好ましい。
また、本発明に係る飲料は、アルコール飲料であっても非アルコール飲料であってもよいが、非アルコール飲料であることが好ましい。
本発明に係る飲料は、炭酸飲料であっても非炭酸飲料であってもよいが、非炭酸飲料であることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料によれば、還元糖率が調整されているため、熱殺菌時における凝集が抑制された乳性飲料を得ることができる。具体的には、本発明の飲料によれば、例えば30%未満のメッシュ非通過率を有する乳性飲料を得ることができる。
尚、メッシュ非通過率とは、熱殺菌時に生じる凝集の程度を示すパラメータであり、以下の方法により測定される。
容器に詰めた、熱殺菌前の乳性飲料を、110℃で300分間加熱する。加熱後、水冷して常温にしてから容器を10回転倒させ、均一化させる。その後、内容液全量(約200ml)を、目開き190μmのナイロン製メッシュ(ケニス社製 型番:NB80)をセットした底面の直径が50mmの円筒形の篩に移す。2時間経過後、篩を通過しなかった上部に残った内容液を、内容液全重量で除した値をメッシュ非通過率として求める。
(還元糖率の決定方法)
本発明者らによって見出された、還元糖率が熱殺菌時の凝集に関係している、という知見を利用すれば、ある組成を有する乳性飲料において、還元糖と非還元糖の含有比率を調整することで、熱殺菌時における凝集を抑制することができる。この還元糖率の決定方法を、以下に説明する。
まず、予め、還元糖率とメッシュ非通過率との関係を求める。続いて、求めた関係から、メッシュ非通過率が所定値(例えば30%未満)となるような還元糖率を求める。
尚、果糖ぶどう糖由来還元糖率も、上記と同様に決定することができる。図1は、糖度(°Bx)、メッシュ非通過率、及び果糖ぶどう糖由来還元糖率の関係の一例を示したグラフである。図1に示されるように、メッシュ非通過率は、果糖ぶどう糖由来還元糖率に応じて変化する。しかし、その傾向は一定ではなく、糖度(°Bx)を変えると、メッシュ非通過率と果糖ぶどう糖由来還元糖率との関係も変化する。そこで、図1に記載されるようなメッシュ非通過率と果糖ぶどう糖由来還元糖率との関係を求めることにより、所望の組成において、所望のメッシュ非通過率となるような果糖ぶどう糖由来還元糖率を求めることができる。
(乳性飲料の製造方法)
次に、本発明に係る飲料の製造方法について、一例をあげて説明する。
まず、上述の方法によって、メッシュ非通過率が30%未満となるような還元糖率を求める。
次に、求めた還元糖率で還元糖及び/又は非還元糖を準備し、還元脱脂粉乳溶液、及び大豆多糖類水溶液と混合し、均一になるように攪拌する。さらに、乳酸水溶液及び/又はクエン酸水溶液を添加して十分に攪拌する。次いで、イオン交換水を加えた後、必要に応じてクエン酸三ナトリウム水溶液等を添加してpHを調整する。更に、イオン交換水を用いて所定の液量に調整する。得られた調合液を加熱殺菌し、異物混入防止フィルター(20〜200メッシュ)処理を行う。その後、容器にホットパックして室温まで冷却するか、冷却後に容器にアセプティック充填する。
これにより、本発明に係る乳性飲料を得ることができる。尚、通常の乳性飲料では、例えば、80〜130℃の加熱殺菌条件で、5〜72時間の連続生産した場合に凝集物が徐々に蓄積していくが、本発明によれば凝集物の蓄積を抑制できる。
[実施例]
以下の手順に従って、組成が異なる複数の乳性飲料を調製した。
(実施例1)
果糖ぶどう糖液糖(55%異性化糖)176g、ショ糖532g、25質量%還元脱脂粉乳溶液572g、及び3質量%大豆多糖類水溶液900gを混合し、均一になるように攪拌した。さらに、50質量%乳酸80gを添加して十分に攪拌した。次いで、イオン交換水を用いて全量を9.5kgに調整した。次いで、10質量%クエン酸三ナトリウム水溶液(以下、クエン酸三Na水溶液と略す)を用いて、pHを調整した。続いて、イオン交換水を用いて全量が10kgになるように調合液を調製した。得られた調合液を加熱殺菌した後、190ml容の缶にホットパックし、室温まで水冷して、実施例1に係る容器詰め乳性飲料を得た。
尚、脱脂粉乳を使用したため、飲料中における乳脂肪分は、実質的にゼロであった。
また、果糖ぶどう糖液糖としては、糖分(還元糖)が75.5質量%含まれる材料を使用した。
得られた飲料について、メッシュ非通過率を測定した。表1に、得られた実施例1に係る飲料の組成及びメッシュ非通過率を示す。
尚、表中、「果糖ぶどう糖由来還元糖率」は、「果糖ぶどう糖液糖由来の還元糖」と「ショ糖」の合計量に対する「果糖ぶどう糖液糖由来の還元糖」の含有率(質量%)である。
「ショ糖由来非還元糖率」は、「果糖ぶどう糖液糖由来の還元糖」と「ショ糖」の合計量に対する「ショ糖」の含有率(質量%)である。
「還元糖率」は、還元糖と非還元糖との合計量に対する、還元糖の含有率(質量%)である。得られた飲料中には、果糖ぶどう糖液糖由来の還元糖の他に、脱脂粉乳由来の乳糖も還元糖として含まれている。そのため、「果糖ぶどう糖由来還元糖率」とは異なる値になっていることに留意されたい。
「非還元糖率」は、還元糖と非還元糖との合計量に対する、非還元糖の含有率(質量%)である。
「果糖ぶどう糖液糖(w/w%)」は、飲料中における「果糖ぶどう糖液糖」の添加量である。上述のように、果糖ぶどう糖液糖中における糖分(還元糖)の含有量は、75.5質量%である。そのため、実施例1の飲料において、「果糖ぶどう糖液糖」が1.75(w/w%)であるということは、飲料中における、果糖ぶどう糖液糖由来の還元糖の含有量が、約1.32(w/w%)であることを意味する。
「脱脂粉乳」、「大豆多糖類」及び「無脂乳固形分」は、それぞれ、飲料中における含有量として示されている。
(実施例2〜24、比較例1〜9)
実施例1と同様の方法により、実施例2〜24及び比較例1〜9に係る乳性飲料を調製した。
但し、果糖ぶどう糖液糖及びショ糖の添加量を調整することにより、還元糖率及び糖度を変更した。また、各成分の含有量を調整することにより、大豆多糖類、及び無脂乳固形分の含有量を変化させた。更に、乳酸、クエン酸又はクエン酸三ナトリウム水溶液の添加量を調整することにより、pHを調整した。
得られた飲料について、実施1と同様に、メッシュ非通過率を測定した。結果を表1〜表3に示す。
表1乃至3に示されるように、還元糖率を変化させると、メッシュ非通過率が変化することが判る。
表1に示されるように、糖度(°Bx)が8〜11の範囲にある場合には、還元糖率が高い場合にメッシュ非通過率が高くなる傾向にあった(実施例1、2、3、6、比較例1、及び3の比較)。
また、還元糖率が、0〜77(%)の範囲内にある実施例1乃至8に係る飲料において、30%未満のメッシュ非通過率が得られた。
表2に示されるように、糖度(°Bx)が11〜13の範囲にある場合には、還元糖率が高い場合に、メッシュ非通過率が低くなる傾向にあった(実施例9、11、14、15、比較例4、5、及び7の比較)。
また、還元糖率が50〜100%の範囲にある実施例9乃至15に係る飲料において、30%未満のメッシュ非通過率が得られた。
表3に示されるように、糖度(°Bx)が13以上である場合には、還元糖率が高い場合に、メッシュ非通過率が高くなる傾向にあった(実施例17、19、23及び比較例8の比較)
また、還元糖率が、0〜70%の範囲にある実施例16〜24に係る飲料において、30%未満のメッシュ非通過率が得られた。
Figure 2018198568
Figure 2018198568
Figure 2018198568

Claims (9)

  1. 乳成分を含有する乳性飲料であって、
    無脂乳固形分が1.2質量%以上、3.2質量%以下であり、
    糖度(°Bx)が8以上であり、
    大豆多糖類の含有量が0.1質量%以上であり、
    還元糖及び/又は非還元糖を含有し、
    糖度(°Bx)が8以上、11未満である場合、還元糖率が、0〜77%であり、
    糖度(°Bx)が11以上、13未満である場合、前記還元糖率が、50〜100%であり、
    糖度(°Bx)が13以上である場合、前記還元糖率が、0〜70%であり、
    前記還元糖率は、還元糖と非還元糖との合計量に対する還元糖の含有率(質量%)を表す、
    乳性飲料。
  2. 還元糖と非還元糖との双方を含有する、
    請求項1に記載された乳性飲料
  3. 前記還元糖が、果糖、ぶどう糖、及び乳糖を含み、
    前記非還元糖が、ショ糖を含む、
    請求項2に記載された乳性飲料。
  4. pHが4.2以下である、
    請求項1乃至3のいずれかに記載された乳性飲料。
  5. クエン酸換算酸度が0.1〜0.4質量%である、
    請求項1乃至4のいずれかに記載された乳性飲料。
  6. 非炭酸飲料である、
    請求項1乃至5のいずれかに記載された乳性飲料。
  7. 非アルコール飲料である、
    請求項1乃至6のいずれかに記載された乳性飲料。
  8. ストレート飲料である、
    請求項1乃至7のいずれかに記載された乳性飲料。
  9. 乳性飲料を調製する工程と、
    前記乳性飲料を熱殺菌する工程と、
    前記熱殺菌する工程後に、フィルターに前記乳性飲料を通過させる工程とを有し、
    前記乳性飲料を調製する工程が、メッシュ非通過率が30%未満になるように、還元糖率を決定する工程を有し、
    前記還元糖率は、還元糖と非還元糖との合計量に対する、還元糖の含有率(質量%)を表す、
    乳性飲料の製造方法。
JP2017105172A 2017-05-29 2017-05-29 乳性飲料及びその製造方法 Active JP7116532B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017105172A JP7116532B2 (ja) 2017-05-29 2017-05-29 乳性飲料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017105172A JP7116532B2 (ja) 2017-05-29 2017-05-29 乳性飲料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018198568A true JP2018198568A (ja) 2018-12-20
JP7116532B2 JP7116532B2 (ja) 2022-08-10

Family

ID=64666645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017105172A Active JP7116532B2 (ja) 2017-05-29 2017-05-29 乳性飲料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7116532B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020150863A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 アサヒ飲料株式会社 炭酸飲料

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0994060A (ja) * 1995-09-29 1997-04-08 Yakult Honsha Co Ltd 加温販売用酸性乳飲料
JPH09205990A (ja) * 1995-11-27 1997-08-12 Japan Tobacco Inc 乳入りコーヒー飲料の製造方法
JP2000139342A (ja) * 1998-09-02 2000-05-23 Morinaga Milk Ind Co Ltd 乳成分含有飲料の製造方法
JP2013094154A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Ito En Ltd 乳酸菌含有飲料及びその製造方法
JP2014060935A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Morinaga Milk Ind Co Ltd フレーバー組成物の製造方法およびフレーバー組成物
JP2014079225A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Calpis Co Ltd 酸性乳性濃縮飲料
WO2014199876A1 (ja) * 2013-06-14 2014-12-18 カルピス株式会社 発酵乳含有飲料
JP2015008635A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 株式会社 伊藤園 タンパク質高含有乳飲料及びその製造方法
WO2017030206A1 (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ウェランガム含有組成物
JP2018050619A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 アサヒ飲料株式会社 乳性飲料及びその製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0994060A (ja) * 1995-09-29 1997-04-08 Yakult Honsha Co Ltd 加温販売用酸性乳飲料
JPH09205990A (ja) * 1995-11-27 1997-08-12 Japan Tobacco Inc 乳入りコーヒー飲料の製造方法
JP2000139342A (ja) * 1998-09-02 2000-05-23 Morinaga Milk Ind Co Ltd 乳成分含有飲料の製造方法
JP2013094154A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Ito En Ltd 乳酸菌含有飲料及びその製造方法
JP2014060935A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Morinaga Milk Ind Co Ltd フレーバー組成物の製造方法およびフレーバー組成物
JP2014079225A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Calpis Co Ltd 酸性乳性濃縮飲料
WO2014199876A1 (ja) * 2013-06-14 2014-12-18 カルピス株式会社 発酵乳含有飲料
JP2015008635A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 株式会社 伊藤園 タンパク質高含有乳飲料及びその製造方法
WO2017030206A1 (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ウェランガム含有組成物
JP2018050619A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 アサヒ飲料株式会社 乳性飲料及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020150863A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 アサヒ飲料株式会社 炭酸飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP7116532B2 (ja) 2022-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7190253B2 (ja) 乳性飲料及びその製造方法
JP3607240B2 (ja) ドリンクゼリー
JP3400777B2 (ja) 低カロリー乳含有酸性飲料
JP6424161B2 (ja) 発酵乳含有飲料
KR20090016580A (ko) 산성화된 우유 기재 음료를 제조하기 위한 저장-안정성 우유 농축액
JP6750136B2 (ja) 凍結飲料の解凍時の甘味変化又は色調変化を緩和する方法
JP5792917B1 (ja) 酸性乳性飲料及びその製造方法
JP2001190254A (ja) 乳含有酸性飲料の製造方法
JP6490944B2 (ja) 乳風味付与材
TWI739845B (zh) 含酸性乳之高澄清飲料、容器裝飲料及含酸性乳之飲料的高澄清化方法
KR20200078477A (ko) 개선된 질감 및 안정성을 갖는 즉석 우유 기반 음료
JP2003325147A (ja) ココナッツミルク含有飲食品及びその製造方法
JP6827824B2 (ja) 酸性乳性飲料
JP2013538062A (ja) 高固形物の濃縮乳製品液体
JP2018198568A (ja) 乳性飲料及びその製造方法
JP2014079225A (ja) 酸性乳性濃縮飲料
JP6385756B2 (ja) 凍結用酸性乳性飲料
JP6400940B2 (ja) 乳性飲料
TWI765062B (zh) 飲料
KR20180030411A (ko) 제어된 단백질 응집물에 의한 개선된 질감을 갖는 무지방 즉석 음료
JP7425543B2 (ja) 乳性飲料
JP6831056B2 (ja) 酸性乳性飲料
KR20190137768A (ko) 개선된 질감 및 안정성을 갖는 즉석 우유 기반 음료
JP2004283182A (ja) カルシウム入り乳性酸性飲料及びその製造法
JP2023161292A (ja) 乳性飲料および乳性飲料の沈殿発生抑制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7116532

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150