JP6861494B2 - 卵加工品及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる、卵加工品及びその製造方法に関する。
中食、外食の普及にともない、調理の手間を省略することができる卵加工品への需要が高まっている。そのため、工業的に大量生産をしながら、美味しい卵加工品を製造するために、様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、均一に加熱され、凝固した卵加工品の製造方法が記載されている。この方法は、完全に凝固された卵加工品を調製する際には有効であるが、卵加工品に半熟感を付与するには不向きである。
そこで、発明者は、凝固卵にペースト部分を混合することにより半熟感を付与する方法をこころみたが、咀嚼時に、凝固卵部分とペースト部分が分離したような食感を生じる点が課題となった。
凝固卵部分とペースト部分のまとまりを演出するために、例えばペースト部分の粘度を高める工夫等をすることは考えられるが、ペースト部分の粘度を高めると口の中でのべたつきが生じ、ペースト部分の粘度を一定以下に保った状態で、凝固卵部分とペースト部分のまとまりを得ることは、想像以上に難しい課題である。
特開第2010−110285号公報
そこで、本発明の目的は、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる、卵加工品及びその製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ペースト部分にセルロースを含有させ、粘度を特定の範囲にすることにより、意外にも食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる卵加工品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)凝固卵部分とペースト部分を有し、前記ペースト部が10%以上70%以下である卵加工品において、
前記ペースト部分がセルロースを含有し、
下記手順により測定したペースト部分の粘度が100mPa・s以上10000mPa・s以下である、
卵加工品、
(手順)
(1)卵加工品全体に対して20%加水し、ペースト部と加水した清水が均一となるように混合する、
(2)(1)で得られた加水した卵加工品を、3mmパンチングのストレーナーに入れてろ過し、加水したペースト部分を分離する、
(3)(2)で分離した、加水したペースト部分の粘度を測定する、
(2)(1)に記載の卵加工品において、
前記ペースト部分が前記セルロースを0.01%以上0.5%以下含有する、
卵加工品、
(3)(1)又は(2)に記載の卵加工品において、
前記ペースト部分が乳化されており、
前記ペースト部分の油脂含有量が1%以上35%未満である、
卵加工品、
(4)(1)ないし(3)のいずれかに記載の卵加工品において、
前記ペースト部分が乳製品を10%以上含有する、
卵加工品、
(5)(1)ないし(4)のいずれかに記載の卵加工品の製造方法であって、
凝固卵物とペースト物をそれぞれ調製する工程と、
凝固卵物とペースト物を混合する混合工程を有する卵加工品の製造方法、
(6)(5)に記載の卵加工品の製造方法であって、
乳製品を、前記混合工程前のペースト物に混合する、または、前記混合工程中に混合する、
卵加工品の製造方法、
である。
本発明によれば、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる、卵加工品及びその製造方法を提供することができる。したがって、卵加工品の更なる需要拡大が期待できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、ペースト部分にセルロースを含有させ、粘度を特定の範囲にすることにより、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる、卵加工品及びその製造方法であることに特徴を有する。
<卵加工品>
本発明の卵加工品は、凝固卵部分とペースト部分を有し、前記ペースト部が10%以上70%以下である。
本発明で得られる卵加工品は、半熟状卵加工品とすることができ、例えば、スクランブルエッグ、オムレツの中具、親子丼の素、料理のトッピングなどの用途に用いることができる。
<凝固卵部分>
本発明の卵加工品に用いる凝固卵部分は、卵液を、加熱等の処理により凝固させたものである。
前記卵液を構成する卵としては、鶏、鶉、アヒルの卵など、一般に食用に供されるものであればいずれのものでもよいが、入手しやすい点から鶏卵を用いるとよい。
また、前記卵液は、卵黄を含有していればいずれのものでもよく、例えば、生全卵液、生卵黄液をはじめ、それらを殺菌処理、冷凍処理、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理、有機溶媒等による抽出処理等の1種又は2種以上の処理、前記各種処理物をスプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理を施した後に水戻ししたもの等が挙げられる。
さらに、前記卵液として、本発明の効果を損なわない範囲で、卵以外の成分を含んだ混合卵液を用いてもよく、例えば、
醤油、塩、胡椒等の調味料類、
牛乳、バター、生クリーム等の乳製品、
小麦粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の生澱粉およびこれらを物理的処理、酵素処理、化学的処理等を行った加工澱粉等の澱粉類、
スクロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、トレハロース、糖アルコール、澱粉を加水分解して製したデキストリン、サイクロデキストリン、還元デキストリン、イヌリン等の糖類、
キサンタンガム、グァーガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム等の増粘多糖類、
β―カロテン、クチナシ色素、アトナー色素などの着色成分等を混合することができる。
<凝固卵部分の形状>
前記凝固卵部分の形状は特に限定されず、例えば、薄膜状、棒状、鱗片状、薄肉偏平状の小片、大豆状等の様々な形状とすることができ、薄膜状であるとよい。
また、本発明の卵加工品に含まれる凝固卵部分は、厚さ3mm以下であるとよく、さらに2mm以下の凝固卵の集合であるとよい。さらに、本発明の卵加工品に含まれる凝固卵部分は、面積が5mm以上であるとよく、さらに10mm以上であるとよく、一方、500mm以下であるとよく、さらに300mm以下の凝固卵の集合であるとよい。
凝固卵部分が上述した形状を有することによって、よりペースト部分とのまとまりを感じられる卵加工品が得られやすい。
なお、凝固卵すべてが上述した厚み又は面積でなくとも、厚み又は面積である凝固卵が、卵加工品に含まれる凝固卵部分の70%以上、さらに、80%以上を占めることにより、ペースト部分とのまとまりが感じられやすくなる。
<凝固卵部分の形状の確認方法>
本発明の卵加工品における凝固卵部分の形状の確認は下記のように行うことができる。
まず、卵加工品200gをフルイ(目開き30メッシュ、18−8ステンレススチール製)にあけた後、凝固卵部分に付着したペースト部分を清水により洗い流す。
続いて、フルイ上に残った凝固卵をバットの上に取り出し、形状を目視にて確認し、また面積や厚さを測定する。凝固卵が丸まっている場合には、広げて面積の測定を行うものとする。
<ペースト部分>
本発明の卵加工品に用いるペースト部分は、卵加工品全体に対して10%以上70%以下、さらに好ましくは20%以上60%以下であり、セルロースを含有し、[0022]段落に記載した所定の手順により測定したときの粘度が100mPa・s以上10000mPa・s以下である。
なお、卵加工品に対するペースト部分の割合は下記計算式を用いて算出する。
ペースト部分の割合(%)=(ペースト部分の重量/卵加工品全体の重量)×100
ここで、ペースト部分の重量は、以下のように求めた値とする。
まず、[0017]段落にて記載した方法にて凝固卵部分を分離し、また、卵加工品が凝固卵部分以外にその他の具材を含む場合は、凝固卵部分と同じ方法で分離する。前記方法にて分離した凝固卵部分、または凝固卵部分とその他の具材の重量を測定し、卵加工品全体の重量から除した値をペースト部分の重量とする。
<セルロース>
セルロースとは、分子式(C10で表される多糖類で、天然には植物細胞の細胞壁及び繊維の主成分として多く存在し、例えば木材パルプ、精製リンター、綿繊維、麻繊維等の脱リグニン後の天然セルロース、又はビスコース溶液や銅アンモニア溶液から凝固再生された再生セルロース、天然セルロースを酸剤等で部分的に解重合した結晶セルロース、天然セルロースを湿式粉砕した微細化セルロース、微生物に産生させることで得られる発酵セルロース等が挙げられる。
本発明においては、セルロースを用いることにより、口の中でべたつくことなく凝固卵部分とペースト部分にまとまりを付与することができ、さらにべたつきを感じ難い観点から、本発明に用いるセルロースは発酵セルロースであるとよい。
<セルロースの含有量>
本発明の卵加工品に用いるペースト部分に含まれるセルロースは、ペースト部分に対して0.01%以上0.5%以下であるとよく、さらに0.05%以上0.3%以下であるとよい。
セルロースの濃度が前記範囲内であることにより、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる卵加工品が得られやすい。また、セルロースが前記上限を超えても、まとまりを感じることはできるが、ややべたつきを感じやすくなり、また、含有量に見合った効果が得られ難くなる。
<ペースト部分の粘度>
本発明の卵加工品に用いるペースト部分は、下記手順により測定した粘度が、100mPa・s以上10000mPa・s以下であり、1000mPa・s以上8000mPa・s以下であるとよい。
ペースト部分の粘度が前記下限を下回ると、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられず、また、ペースト部分の粘度が前記上限を上回ると、まとまりは感じられるものの口の中でべたつきを感じ好ましくない。
<ペースト部分の粘度の測定方法>
本発明の卵加工品におけるペースト部分の粘度は、下記の(1)(2)(3)の手順にしたがって、下記測定条件にて測定した値とする。
(手順)
(1)卵加工品全体に対して20%加水し、ペースト部と加水した清水が均一となるように混合する。
(2)(1)で得られた加水した卵加工品を、3mmパンチングのストレーナーに入れてろ過し、加水したペースト部分を分離する。
(3)(2)で分離した、加水したペースト部分の粘度を測定する。
(測定条件)
測定機器:B型粘度計
測定温度:20℃
ローター:No.6
回転速度:4rpm
<ペースト部分の状態>
本発明の卵加工品に用いるペースト部分は、油脂を含み、乳化されているとよく、さらに水中油型に乳化されているとよい。
ペースト部分が前記状態であることで、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられやすくなる。
なお、ペースト部分に含まれる油脂の種類は特に限定されず、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、べに花油、綿実油、オリーブオイル等が挙げられる。
<ペースト部分の油脂含有量>
本発明の卵加工品に用いるペースト部分の油脂含有量は35%未満であるとよく、さらに25%以下であるとよく、また、1%以上であるとよく、さらに2%以上であるとよく、5%以上であるとよりよい。油脂が前記範囲内であることにより、ペースト部分の粘度を所定の粘度に調整しやすく、また、凝固卵部分とペースト部分が絡みやすくなるため、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる卵加工品が得られやすい。一方、油脂含有量が前記上限を上回ると、まとまりを感じることはできるもの、べたつきを感じやすくなる傾向にある。
<ペースト部分の乳製品含有量>
本発明の卵加工品に用いるペースト部分は、乳製品を含有するとよい。
乳製品としては、特に限定されず、例えば、生乳、加工乳などの牛乳や、牛乳を濃縮、遠心分離などの手法を用いて加工することにより得られる、生クリーム、練乳、粉乳、バターなどを用いるとよい。
本発明の卵加工品に用いるペースト部分の乳製品含有量は10%以上であるとよく、さらに12%以上であるとよい。乳製品が前記範囲内であることにより、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられる卵加工品が得られやすい。
<ペースト部分のその他の成分>
本発明の卵加工品に用いるペースト部分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した以外の成分を含んでもよく、
例えば、
全卵、卵黄、卵白等の卵成分のほか、
醤油、塩、胡椒等の調味料類、
小麦粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の生澱粉およびこれらを物理的処理、酵素処理、化学的処理等を行った加工澱粉等の澱粉類、
スクロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、トレハロース、糖アルコール、澱粉を加水分解して製したデキストリン、サイクロデキストリン、還元デキストリン、イヌリン等の糖類、
キサンタンガム、グァーガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム等の増粘多糖類、
β―カロテン、クチナシ色素、アトナー色素などの着色成分や香料等が挙げられる。
<その他の具材>
本発明の卵加工品は、凝固卵部分とペースト部分以外にも、肉類、野菜類など具材等その他のものを含んでもよい。
<卵加工品の保存方法>
得られた卵加工品は、冷凍品として流通してもよいが、チルド品又はフローズンチルド品とすることにより、より凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられやすい。
冷蔵にて一定期間以上保存することにより、凝固卵部分とペースト部分の間で水分や成分の行き来が生じ、一体感が増しやすいためと推測される。冷蔵での保存期間は、2日以上であるとよく、さらに4日以上であるとよく、1週間以上であるとよりよい。
なお、本発明においてフローズンチルド品とは、冷凍保存後に冷蔵保存されるものをいう。
<卵加工品の製造方法>
本発明の卵加工品の製造方法は、
凝固卵物とペースト物をそれぞれ調製する工程と、
前記凝固卵物と前記ペースト物を混合する混合工程を有する。
本発明において、前記混合工程を経て、凝固卵物およびペースト物は、本発明の卵加工品における凝固卵部分およびペースト部分をそれぞれ構成する。
<凝固卵物の調製工程>
本発明の凝固卵物は、原料を混合して得られる混合卵液を加熱等により凝固させることによって得ることができる。
混合卵液を加熱等により凝固させる方法は特に限定されず、加熱した溶液に混合卵液を注加することにより調製してもよいし、フライパンやスチームコンベクションオーブン等の機器を用いて凝固させ、必要に応じて適切な形状に加工することにより調製してもよいが、本発明の卵加工品に適した形状の凝固卵物を調製しやすいことから、加熱した溶液に卵液を注加して調製することにより凝固卵物を調製するとよい。
また、この場合において、前記溶液がナトリウムを0.04%以上0.5%以下、さらに0.06%以上0.4%以下、さらに0.1%以上0.3%以下含有していることにより、ペースト部分とのまとまりが一層感じられる卵加工品が得られやすくなる。これは、凝固卵物の水分保持力を高め、保存中における凝固卵部分からペースト部分への水分移行を防ぐからであることが推測される。なお、ここで、ナトリウム源としては、例えば食塩を用いることができる。
<ペースト物の調製工程>
本発明のペースト物は、原料を混合することで調製することができ、加熱工程を有するとよい。
また、ペースト物の粘度は、5000mPa・s以上25000mPa・s以下であるとよく、さらに10000mPa・s以上24000mPa・s以下であるとよい。なお、前記粘度は、下記測定条件にて測定した値とする。
(測定条件)
測定機器:B型粘度計
測定温度:60℃
ローター:No.6
回転速度:4rpm
ペースト物の粘度が前記範囲内であることにより、得られた卵加工品を食したときに、べたつかないにも関わらず凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられやすい。
さらに、本発明の卵加工品のペースト部分が、原料として乳製品を含む場合は、乳製品を、前記混合工程前のペースト部分に混合する、または、前記混合工程中に混合するとよい。乳製品を前記順序で混合することにより、得られる卵加工品に微細な起泡が生じ、凝固卵部分とペースト部分がより一体感を有するものと推測される。
<混合工程>
上述した方法により得られた凝固卵物とペースト物は、混合工程により混合する。
凝固卵物とペースト物の混合比率は、食したときに凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられやすいことから、5:1〜1:5であるとよく、3:1〜1:3であるとよりよい。
また、混合することで得られた卵加工品は、必要に応じて殺菌等の処理を施してもよい。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
まず、表1の割合で原料を混合して混合卵液を調製し、得られた混合卵液を90℃に加熱した0.6%食塩水に徐々に注加することにより凝固卵物を調製した。
また、表2の割合で乳製品以外の原料を混合後に徐々に70℃まで加熱し、さらに乳製品を加え混合することでペースト物を調製した。ペースト物の粘度は15000mPa・sであり、乳化状であった。
続いて、上記調製した凝固卵物とペースト物を1:1の割合で混合し、小袋に100gずつ小分けして実施例1の卵加工品を得た。
なお、実施例1の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・sであり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であり、ペースト部分におけるセルロース含有量は0.1%、乳製品含有量は15%であった。
Figure 0006861494
Figure 0006861494
実施例1の卵加工品を食したところ、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられるものであった。
また、実施例1の卵加工品を1週間冷凍保存し、湯煎による加温にて解凍後すぐに食したものについても、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられるものであった。
さらに、実施例1の卵加工品を、一度冷凍して1週間保存後、冷蔵でさらに1週間保存したフローズンチルド品とした。実施例1のフローズンチルド品を湯煎にて加温して食したところ、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが非常に感じられるものであり、解凍後すぐに食したものよりも好ましいものであった。
[比較例1,2]
実施例1のペースト部分から発酵セルロースを除き、清水に置き換えた以外は実施例1と同様に卵加工品を調製し、比較例1とした。また、実施例1のペースト部分の発酵セルロースをキサンタンガムに置き換えた以外は実施例1と同様に卵加工品を調製し、比較例2とした。
なお、比較例1,2において調製したペースト物は乳化状であり、粘度は15000mPa・s以上24000mPa・s以下であった。また、比較例1,2の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・s以上5000mPa・s以下であり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であった。
比較例1,2の卵加工品は、実施例1と同様に一度冷凍して1週間保存後、冷蔵に戻し1週間保存したフローズンチルド品とした。
保存後の比較例1のフローズンチルド品を湯煎にて加温して食したところ、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられなかった。また、保存後の比較例2のフローズンチルド品を湯煎にて加温して食したところ、まとまりは感じられたもののべたつきを感じ好ましくないものであった。
[試験例1]
ペースト部分のセルロースの含有量が本発明に与える効果を検証するため、試験例1をおこなった。
発酵セルロースの含有量を0.03%、0.7%に変更した以外は実施例1と同様に卵加工品を調製し、それぞれ実施例2,3とした。
実施例2,3および比較例において調製したペースト物は乳化状であり、粘度は15000mPa・s以上20000mPa・s以下であった。また、実施例2,3および比較例1の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・s以上5000mPa・s以下であり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であった。
実施例2,3について、実施例1、比較例1と同様に保存したものを食し、下記の評価基準により評価した。
<評価基準>
◎:凝固卵部分とペースト部分のまとまりが非常に感じられた。
○:凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられた。
△:凝固卵部分とペースト部分のまとまりがやや感じられた。
×:凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられなかった。
Figure 0006861494
表3より、ペースト部分がセルロースを0.01%以上含有することによりペースト部分の粘度をあげなくとも凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられ、さらに0.05%以上であることにより、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが非常に感じられることが理解できる。
また、実施例3は、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが非常に感じられたが、ややべたつきを感じるものであった。すなわち、ペースト部分のセルロース含有量は、添加量に見合った効果が得られ難く、かえってべたつきを生じやすくなることから、セルロースの含有量は0.5%以下であるとよいことが理解できる。
[試験例2]
ペースト部分の菜種油の含有量が本発明に与える効果を検証するため、試験例1をおこなった。
ペースト部分の菜種油の含有量を表4にしたがって変更した以外は実施例1と同様に卵加工品を調製し、実施例4,5とした。また、油脂の含有量を35%へ変更した以外は実施例1と同様に調製した卵加工品を実施例6とした。
実施例4ないし6の、ペースト物の粘度は5000mPa・s以上15000mPa・s以下であり、乳化状であった。
また、実施例4ないし6の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・s以上2250mPa・s以下であり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であり、ペースト部分におけるセルロース含有量は0.1%、乳製品含有量は15%であった。
実施例4ないし6について、実施例1、比較例1と同様に保存したフローズンチルド品を食し、評価した結果を表4に示した。
Figure 0006861494
表4より、ペースト部分が油脂を含んだ乳化状であり、さらに油脂含有量が5%以上あることにより、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられやすいことが理解できる。
また、実施例6は、凝固卵部分とペースト部分のまとまりは感じられたものの、ややべたつきを感じ実施例1ほど好ましいものではなかった。すなわち、ペースト部分の油脂含有量は、添加量に見合った効果が得られ難く、かえってべたつきを生じやすくなることから、35%未満であるとよいことが理解できる。
[実施例7]
ペースト部分の牛乳を15g、生クリームを10gに変更した以外は実施例1と同様に卵加工品を調製し、実施例7とした。
なお、実施例7のペースト物の粘度は15000mPa・sであり、乳化状であった。
また、実施例7の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・sであり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であり、ペースト部分におけるセルロース含有量は0.1%、乳製品含有量は5%であった。
実施例7について、実施例1、比較例1と同様に保存したフローズンチルド品を食したところ、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられたが、実施例1ほどではなかった。
[実施例8]
ペースト部分の発酵セルロースを通常のセルロースへ変更した以外は実施例1と同様に卵加工品を調製し、実施例8とした。
なお、実施例8の、ペースト物の粘度は15000mPa・sであり、乳化状であった。
また、実施例8の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・sであり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であり、ペースト部分におけるセルロース含有量は0.1%、乳製品含有量は5%であった。
実施例8について、実施例1、比較例1と同様に保存したフローズンチルド品を食したところ、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられたが、実施例1ほどではなかった。
[実施例9]
凝固卵部調製工程において、混合卵液を注加する食塩水を清水におきかえた以外は、実施例1と同様に卵加工品を調製し、実施例9とした。
なお、実施例9の、ペースト物の粘度は15000mPa・sであり、乳化状であった。
また、実施例9の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・sであり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であり、ペースト部分におけるセルロース含有量は0.1%、乳製品含有量は15%であった。
実施例9について、実施例1、比較例1と同様に保存したフローズンチルド品を食したところ、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられたが、実施例1ほどではなかった。
[実施例10]
ペースト物調製工程において、配合表2の割合で乳製品の原料を含めたすべての原料を混合し、加熱することによりペースト物を調製した以外は実施例1と同様に卵加工品を調製し、実施例10とした。
なお、実施例10の、ペースト物の粘度は15000mPa・sであり、乳化状であった。
また、実施例10の卵加工品における、[0022]段落に記載の所定の方法により測定したペースト部分の粘度は2000mPa・sであり、[0018]段落に記載の方法で測定したペースト部分の割合は40〜50%であり、ペースト部分におけるセルロース含有量は0.1%、乳製品含有量は15%であった。
実施例10について、実施例1、比較例1と同様に保存したフローズンチルド品を食したところ、凝固卵部分とペースト部分のまとまりが感じられたが、実施例1ほどではなかった。

Claims (6)

  1. スクランブルエッグ、オムレツの中具、丼の素のいずれかの卵加工品であって、
    凝固卵部分とペースト部分を有し、前記ペースト部0%以上0%以下である卵加工品において、
    前記ペースト部分がセルロースを0.01%以上0.7%以下含有し、
    下記手順により測定したペースト部分の粘度が100mPa・s以上10000mPa・s以下である、
    卵加工品。
    (手順)
    (1)卵加工品全体に対して20%加水し、ペースト部分と加水した清水が均一となるように混合する。
    (2)(1)で得られた加水した卵加工品を、3mmパンチングのストレーナーに入れてろ過し、加水したペースト部分を分離する。
    (3)(2)で分離した、加水したペースト部分の粘度を測定する。
  2. 請求項1に記載の卵加工品において、
    前記ペースト部分が前記セルロースを0.01%以上0.5%以下含有する、
    卵加工品。
  3. 請求項1又は2に記載の卵加工品において、
    前記ペースト部分が乳化されており、
    前記ペースト部分の油脂含有量が1%以上35%未満である、
    卵加工品。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の卵加工品において、
    前記ペースト部分が乳製品を10%以上含有する、
    卵加工品。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の卵加工品の製造方法であって、
    凝固卵物とペースト物をそれぞれ調製する工程と、
    凝固卵物とペースト物を混合する混合工程を有する卵加工品の製造方法。
  6. 請求項5に記載の卵加工品の製造方法であって、
    乳製品を、前記混合工程前のペースト物に混合する、または、前記混合工程中に混合する、
    卵加工品の製造方法。
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