JP5140630B2 - ケーキ及びケーキ用食感改良材 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱凝固してもなおソフトな食感を呈するケーキ及びケーキ用食感改良材に関する。
ケーキとは、一般に、小麦粉、卵、牛乳、砂糖等を混合して製した生地を焼く、蒸す等して製する菓子である。また、近年、小麦粉の代わりに米粉を用いたケーキも人気が高まっている。このようにケーキは、配合や製法により様々な食感のものがあるが、昨今はソフトな口溶けの良い食感のものが好まれている。焼く等の加熱処理により凝固して製するケーキの技術的な問題点として、加熱処理による水分の蒸発や熱凝固のため、ソフトな食感が失われることが挙げられる。特に、米粉を用いたケーキは小麦粉を用いたケーキよりも食感が硬くなる傾向にあるため、よりソフトな食感のものが望まれている。
加熱凝固してもなおソフトな食感のケーキを得る方法として、生地中の水分や脂質の含有量を高め、蛋白質や澱粉の含有量を低くすることで、加熱凝固による食感のざらつきを緩和することが知られているが、水分や脂質の含有量が高い生地や、蛋白質や澱粉の含有量が低い生地は静置時に濃度勾配を生じやすいため、安定してソフトな食感のケーキを製することが難しい。また、特許文献1にはグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル類を含有し、且つ、総ポリグリセリン酸エステル配合量に対するジグリセリン脂肪酸エステル配合量の質量分率が0.15〜0.50である食品用乳化剤を配合したケーキ用乳化油脂組成物を用いる方法が記載されているが、未だ満足できる食感ではなかった。
特開2006−75137号公報
本発明の目的は、加熱凝固してもなおソフトな食感を呈するケーキ及びケーキ用食感改良材を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく使用原料等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、加熱凝固して製するケーキにおいて、乳酸発酵した特定の加工卵白を配合するならば、意外にもソフトな食感のケーキが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)加熱凝固して製するケーキにおいて、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を配合することを特徴とするケーキ、
(2)上記加工液卵白が、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有した卵白混合液をpHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵し、次いで加熱殺菌し、該殺菌発酵液を30〜55℃に冷却した後、均質化処理を施して得られる加工液卵白である(1)記載のケーキ、
(3)上記加工液卵白を固形分換算で0.1〜10%配合する(1)又は(2)記載のケーキ、
(4)米粉を配合した(1)乃至(3)のいずれかに記載のケーキ、
(5)加熱凝固して製するケーキ用の食感改良材であって、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を有効成分とすることを特徴とするケーキ用食感改良材、
である。


本発明によれば、加熱凝固してもなおソフトな食感を呈するケーキを提供することができる。本発明のケーキを製造すれば、従来のケーキでは満足できなかった人々の需要を生み、また、製造の難しさから制限されていたケーキの供給量を拡大できる。
以下、本発明を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明は、特定の加工液卵白を配合したケーキに係る発明である。配合する加工液卵白の製造方法に特徴を有することから、説明上、まず本発明で用いる加工液卵白の代表的な製造方法を中心に詳述する。
本発明のケーキに用いる加工液卵白は、卵白及び食用油脂を主成分とした加工液卵白であって、その製造方法に特徴を有する。つまり、本発明で用いる加工液卵白は、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有する卵白混合液をpHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵し、次いで加熱殺菌し、当該殺菌発酵液を30〜55℃に冷却した後、均質化処理を施すことを特徴とし、ケーキに配合すれば、加熱凝固してもソフトな食感を呈するケーキが得られる。
上記加工液卵白で用いる卵白蛋白質としては、水分を除く卵白成分の9割が卵白蛋白質であることから、例えば、鶏等の鳥類の卵を割卵し卵黄を分離したものであり工業的に得られる生卵白、またこれを殺菌、凍結したもの、濃縮又は希釈したもの、特定の成分(リゾチームやアビジン等)を除去したもの、乾燥させたもの等を用いると良い。また本発明においては、効果に影響を及ぼさない程度に卵黄やその他の卵由来の成分を含んでいても差し支えない。
また、上記加工液卵白で用いる食用油脂としては、食用に供される油脂であればいずれのもので良い。例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂等が挙げられる。
本発明のケーキに用いる加工液卵白は、まず、卵白及び食用油脂を配合した卵白混合液を調製する。卵白混合液に対する卵白の配合量は卵白蛋白質換算で2〜8%、好ましくは3〜8%である。つまり、卵白蛋白質の原料として生卵白やこれを殺菌した殺菌卵白を用いた場合、五訂食品成分表2001(女子栄養大学出版部発行)によると生卵白は水分が88.4%、蛋白質が10.5%であることより、卵白混合液に対し生卵白を19〜76%、好ましくは28.5〜76%配合することとなる。また、卵白混合液に対する食用油脂の配合量は5〜20%、好ましくは5〜15%である。本発明の加工液卵白は、上記卵白混合液を後述する乳酸発酵により発酵させたものである。したがって、卵白混合液中の卵白蛋白質及び食用油脂の配合量は、本発明のケーキに用いる加工液卵白中の配合量となる。
卵白混合液中の卵白蛋白質の含有量が上記範囲より少ない、あるいは食用油脂の配合量が上記範囲より少ないと、得られた加工液卵白をケーキに配合し加熱した際、ソフトな食感を呈さない場合がある。一方、卵白蛋白質の含有量が上記範囲より多いと、乳酸発酵前の殺菌を兼ねた加熱処理において、全体がセットしてしまう場合があり、その後の乳酸発酵が出来ない場合がある。また、食用油脂の配合量が上記範囲より多いと、乳酸発酵が困難となる場合がある。
卵白混合液は、次工程で乳酸発酵処理を施すが、乳酸発酵の効率を改善する目的で一般的に添加されている乳酸菌資化性糖類、発酵促進物質及びpH調整剤を卵白混合液に配合することが好ましい。また、卵白にはリゾチーム等の微生物増殖抑制因子を含有するが、乳酸発酵を円滑に促進する目的で、卵白混合液の加熱殺菌も兼ねて上記因子の失活処理を施すことが好ましい。
乳酸菌資化性糖類としては、例えば、単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、N−アセチルグルコサミン等)、二糖類(ラクトース、マルトース、スクロース、セルビオース、トレハロース等)、オリゴ糖類(特に3〜5個の単糖類が結合しているもの)、ブドウ糖果糖液糖等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて卵白混合液に配合することが出来る。また、卵白混合液に対する乳酸菌資化性糖類の配合量は、1〜15%が好ましく、2〜10%がさらに好ましい。乳酸菌資化性糖類の配合量が上記範囲より少ないと、乳酸菌資化性糖類不足により発酵が十分に進行しない場合があり、一方、上記範囲より多いと浸透圧上昇により発酵が進行しにくくなる傾向がある。
発酵促進物質としては、発酵を促進するための成分、例えば、ビタミン(ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン等)、蛋白質、ペプチド、アミノ酸、又は核酸等を含んだものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、カゼイン加水分解物、卵黄、脱脂粉乳、ビタミン類、補酵素類、ミネラル類等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて卵白混合液に配合することが出来る。また、卵白混合液に対する発酵促進物質の配合量は、1〜20%が好ましく、2〜20%がさらに好ましい。発酵促進物質の配合量が上記範囲より少ないと、発酵促進としての機能を発揮し難く、一方、上記範囲より多くしたとしても配合量に応じた発酵促進機能が期待し難く経済的でない。
pH調整剤としては、卵白混合液中の卵白がアルカリ性を呈すること、及び乳酸発酵の至適pHが5.0〜7.5であることより、酸剤を用いることが好ましい。酸剤としては、具体的には、例えば、乳酸、クエン酸、酢酸、塩酸等が挙げられ、本発明は乳酸発酵処理を施すことから、乳酸が好ましい。なお、pH調整剤の添加量は、卵白混合液が上記至適pHとなるように添加すれば良い。また、乳酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤と組み合わせても良い。
本発明のケーキに用いる加工液卵白は、卵白蛋白質及び食用油脂、並びに乳酸発酵の効率を改善する目的で一般的に添加されている乳酸菌資化性糖類及び発酵促進物質を配合し、pH調整剤により乳酸発酵の至適pHに調整した卵白混合液を、微生物増殖抑制因子の失活と加熱殺菌を兼ねて加熱処理を施すと良い。加熱処理は、卵白蛋白質が加熱変性される程度の条件で行えば良く、具体的には、60〜110℃が好ましく、70〜95℃がより好ましい。上記範囲より加熱温度が低いと卵白蛋白質中に存在する微生物増殖抑制因子の失活や殺菌が不十分で乳酸発酵が不十分となる場合があり、上記範囲より加熱温度が高いと褐変や焦げ付きにより工業的利用が困難になる場合がある。また、処理時間は、加熱温度にもよるが、1〜60分が好ましく、5〜40分がより好ましい。卵白混合液の加熱処理は、加熱による卵白蛋白質の局部的な凝固物の発生を防止するため、流動性を持たせながら行うことが好ましい。例えば、攪拌機で攪拌したり、プレートヒーターで流しながら行う等の方法で行うと良い。
次に、得られた卵白蛋白質及び食用油脂を配合した卵白混合液を乳酸発酵の至適温度、具体的には、15〜50℃に冷却した後、pHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵する。上記食用油脂を配合した卵白混合液を乳酸発酵し、その後の工程を行って得られる本発明で用いる加工液卵白は、粘度が800mPa・s以上となり、ケーキに配合すると加熱凝固してもソフトな食感を呈するケーキが得られる。これに対し、後述の試験例で示しているとおり食用油脂を配合しない卵白混合液を本発明と同様、乳酸発酵させ均質化処理して加工液卵白を製した後、当該加工液卵白に食用油脂を添加して再度、均質化処理した際には、粘度が800mPa・sを下回り、ケーキに配合しても加熱凝固後ソフトな食感を呈したケーキが得られず好ましくない。また、乳酸発酵もpHが4.5以下となるように行わないと、ケーキに配合した際に、加熱凝固後、ソフトな食感を呈したケーキが得られず好ましくない。なお、乳酸発酵が進行するとpHが徐々に低下するが、pHが低くなり過ぎると酸により逆に乳酸菌が死滅し発酵効率が低下し、実質的にpHを3.8より低くすることが出来ない。
乳酸発酵に用いる乳酸菌は、特に限定されるものではなく、一般的にヨーグルトやチーズの製造に利用される例えば、ラクトバチルス属(Lactobacillus bulgaricus等)、ストレプトコッカス属(Streptococcus thermophilus、Streptococcus diacetylactis等)、ラクトコッカス属(Lactococcus lactis等)、ロイコノストック属(Leuconostoc cremoris等)、エンテロコッカス属(Enterococcus faecalis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium Bbifidum等)等が挙げられ、本発明の乳酸発酵は、これらの乳酸菌の1種又は2種以上を含んだ乳酸菌スターターを用いると良い。また、乳酸発酵の条件も一般的な条件で行うと良く、具体的には、例えば、乳酸菌スターターを1mLあたり好ましくは10〜10、さらに好ましくは10〜10になるように卵白混合液に添加し、15〜50℃で8〜72時間発酵すると良い。
次に、得られた乳酸発酵液を乳酸菌を死滅させるために加熱殺菌し殺菌発酵液を調製する。加熱殺菌は、具体的には、70〜140℃で2秒〜30分行うことが好ましく、70〜95℃で30秒〜20分行うことがより好ましい。
本発明のケーキに用いる加工液卵白は、上記で得られた殺菌発酵液を30〜55℃、好ましくは35〜50℃に冷却した後、均質化処理を施す必要がある。殺菌発酵液を冷却せずに、あるいは冷却しても冷却温度が上記範囲より高い状態で均質化処理を施すと、得られる加工液卵白は、平均粒子径が40μmより大きく、ケーキに配合しても加熱凝固後ソフトな食感を呈したケーキが得られず好ましくない。一方、冷却温度が上記範囲より低い状態で均質化処理を施すと、得られる加工液卵白は、粘度が800mPa・sより低く、ケーキに配合しても加熱凝固後ソフトな食感を呈したケーキが得られず好ましくない。
冷却は、工業的規模での生産性を考慮し冷却水を用いて行うと良い。また、均質化処理は、加工液卵白の平均粒子径が40μm以下となるようなせん断力に優れた均質化処理機であればいずれのものでも良い。例えば、高圧ホモゲナイザーを用いる場合は、工業規模での生産性を考慮し、圧力5〜100MPa(ゲージ圧)で処理することが好ましく、8〜70MPaで処理することがより好ましい。
均質化処理を施した上記加工液卵白は、常法に則り、室温(30℃以下)以下に冷却し、細菌面を考慮し10℃以下で冷蔵保管する。
以上の製造方法で得られた加工液卵白は、卵白蛋白質2〜8%(好ましくは3〜8%)及び食用油脂5〜20%(好ましくは5〜15%)を含有し、粘度が800mPa・s以上(好ましくは1,000mPa・s以上)(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下(好ましくは30μm以下)である水中油型乳化物からなる加工液卵白であり、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。これにより、本発明のケーキに配合する加工液卵白は、加熱凝固してもケーキのソフトな食感を呈する。ここで、加工液卵白が乳酸発酵されたものとは、加工液卵白の製造工程の何れかで乳酸発酵工程を含んでいるということである。
これに対し、後述の試験例で示しているとおり卵白蛋白質を2〜8%及び食用油脂を5〜20%配合した卵白混合液を乳酸発酵させることなくpHを3.8〜4.5となるように調整し、その後、均質化処理を施したものは、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白が得られる。しかしながら、上述した加工液卵白は、加工液卵白を乳酸発酵されていないためか、本発明で用いる加工液卵白と同様にケーキに配合した際に、加熱凝固後、ソフトな食感を呈したケーキが得られず好ましくない。
また、本発明で用いる加工液卵白に、例えば、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、グアガム、アラビアガム、サイリュームシードガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、加工澱粉等の増粘剤を安定化剤として添加した場合、本発明で用いる加工液卵白の上記粘度は、当該増粘剤を添加していない時の粘度である。また、粘度は品温10℃の時の粘度であり、BH形粘度計を用いローター:No.5、回転数:20rpmの条件で測定し、2回転後の示度により算出した値である。
また、平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製、商品名「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いて、試料をセットしてから超音波をかけることなく1.5分後に測定開始し、2.5分後に測定終了して得られた値である。
本発明で用いる加工液卵白において、粘度の上限及び平均粒子径の下限については、特に規定していないが、工業的規模での生産性、並びに卵白蛋白質及び食用油脂の配合量より、上述した方法で得られる加工液卵白は、粘度が20,000mPa・s以下(品温10℃)、平均粒子径が1μm以上程度である。
本発明は、長期保管を考慮し、上記本発明で用いる加工液卵白に、必要に応じデキストリン等の賦形材や清水等の水系媒体を添加した後、乾燥処理を施した加工乾燥卵白としても良い。乾燥処理は、例えば、スプレードライ、フリーズドライ、パンドライ等、任意の方法を採用することが出来る。
本発明のケーキは、加熱凝固して製するものであれば、特に限定するものではない。例えば、スポンジケーキ、シフォンケーキ、バターケーキ、ガトーショコラ、チーズケーキ、ホットケーキ、カステラ、ドーナツ、蒸しケーキ、マーラーカオ等が挙げられる。
これらのケーキの中でも、本発明は、特に、米粉を用いたケーキにおいて好適に実施できる。一般的に米粉を用いたケーキは小麦粉を用いたケーキよりも食感が硬くなる傾向にあり、よりソフトな食感のものが望まれていたが、上述した本発明の加工液卵白を配合することで、米粉を用いたケーキであってもソフトな食感を呈したケーキが得られる。ここで、米粉とは、米を原料として製粉したものであり、上新粉、白玉粉、道明寺粉、上南粉等が挙げられる。
本発明のケーキを凝固させる加熱方法は、特に限定されないが、例えば、フライパンやオーブン等による焼き調理や蒸し焼き調理、スチーマー等による蒸し調理、フライヤー等による油調理、電子レンジ等によるマイクロ波調理等が挙げられる。
本発明のケーキに用いる上述した加工液卵白の配合量は、特に限定されないが、配合する原料全体に対して固形分換算量で好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.1〜8%であるとよい。加工液卵白の配合量が上記範囲より少ない又は多いと、ソフトな食感を呈したケーキが得られない場合があるためである。
本発明のケーキには、上述した加工液卵白の他に本発明の効果を損なわない範囲で、ケーキに一般的に使用されている原料を用いることができる。このような原料としては、例えば、スクロース、グルコース、ガラクトース、フルクト
ース、マンノース、ラクトース、マルトース、トレハロース、蜂蜜、水飴、還元水飴、砂糖結合水飴、オリゴ糖、還元オリゴ糖、異性化糖、転化糖、糖アルコール、澱粉を加水分解して製したデキストリン、サイクロデキストリン、還元デキストリン、イヌリン等の糖類、小麦粉、米粉等の穀粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の生澱粉、物理的及び/又は酵素的及び/又は化学的処理を施した澱粉、家禽の全卵、卵黄、卵白、殺菌卵、凍結卵、濃縮卵、乾燥卵等の卵類、大豆油、胡麻油等の油脂類、アーモンド、ナッツペースト、ナッツ粉末等のナッツ類、果実、果汁、果肉ペースト、乾燥果実等の果実類
、野菜、野菜汁、野菜ペースト、乾燥野菜等の野菜類、バター、クリーム、牛乳、濃縮乳、粉乳、乳蛋白質、発酵乳、チーズ等の乳原料、豆乳、大豆多糖類、大豆蛋白質等の大豆類、ゼラチン等の蛋白質原料、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、グアーガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギーナン、寒天、コンニャクマンナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の増粘多糖類、バニラフレーバー、フルーツフレーバー等の香料、クチナシ色素等の着色料、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、酒石酸水素カリウム等のpH調整剤、クエン酸、乳酸等の酸味料、ベーキングパウダー、重曹等の膨脹剤、塩化ナトリウム等の塩類、食物繊維、酒類、コーヒー、紅茶、抹茶、ココア、チョコレート、キャラメル等が挙げられる。
本発明のケーキの製造方法は、上述した加工液卵白を配合する他は、従来の加熱凝固して製するケーキと同様に製造することができる。具体的には、例えば、以下のように製造することができる。
まず、必要に応じてホイッパー、泡だて器、ミキサー等で撹拌した卵、砂糖、小麦粉、米粉、ベーキングパウダー、牛乳、生クリーム、バター、油等の原料及び上述した加工液卵白を撹拌混合し、混合物を調製する。続いて得られた混合物を型に入れる又は成型し、焼成、油ちょう、蒸す等の加熱処理により調製する方法が挙げられる。
ところで、以上述べたように、本発明に用いる加工液卵白はケーキをソフトな食感に改良する性質を有することから、本発明は、加熱凝固して製するケーキ用の食感改良材であって、上記加工液卵白、つまり卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、該加工液卵白が乳酸発酵されてなる加工液卵白を有効成分とすることを特徴とするケーキ用食感改良材である。本発明のケーキ用食感改良材をケーキに配合することにより、ソフトな食感とする食感改良効果を得ることができる。また、本発明のケーキ用食感改良材は、有効成分である上述した加工液卵白を含有したものであればよく、加熱凝固卵の粉末の他に本発明の効果を損なわない範囲で、デキストリン、デキストリンアルコール、澱粉等の賦形材や他の品質改良材等を含有させたものであってもよい。
以下、本発明について、実施例、比較例、並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
[本発明品用加工液卵白の製造例1]
生卵白34部(卵白蛋白質3.6部)、菜種油10部、スクロース6部、生卵黄0.5部、酵母エキス0.05部、50%乳酸0.15部及び清水49.3部からなる卵白混合液100部(pH6.8)を攪拌、調製した。得られた卵白混合液を高速で攪拌させながら85℃で30分間加熱した後、冷水により35℃まで冷却し、次いで乳酸菌スターター0.01部(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、35℃で48時間発酵しpH4.2とした。次に、発酵液を85℃で5分間加熱殺菌した後、冷水により40℃まで冷却し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し本発明品用加工液卵白1を製した。
得られた本発明品用加工液卵白1は、卵白蛋白質を3.6%、食用油脂を10%含有し、固形分20%、粘度2,200mPa・s(品温10℃)、pH4.2、平均粒子径25μmである水中油型乳化物からなり、加工液卵白が乳酸発酵されたものである。
[本発明品用加工液卵白の製造例2]
生卵白50部(卵白蛋白質5.3部)、菜種油12部、スクロース6部、生卵黄0.5部、酵母エキス0.05部、50%乳酸0.15部及び清水31.3部からなる卵白混合液100部(pH7.0)を攪拌、調製した。得られた卵白混合液を高速で攪拌させながら75℃で15分間加熱した後、冷水により35℃まで冷却し、次いで乳酸菌スターター0.01部(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、35℃で24時間発酵しpH4.4とした。次に、発酵液を85℃で5分間加熱殺菌した後、冷水により45℃まで冷却し、次い
で高圧ホモゲナイザーを用いて30MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し本発明品用加工液卵白2を製した。
得られた本発明品用加工液卵白2は、卵白蛋白質を5.3%、食用油脂を12%含有し、固形分24%、粘度7,200mPa・s(品温10℃)、pH4.4、平均粒子径18μmである水中油型乳化物からなり、加工液卵白が乳酸発酵されたものである。
[比較用加工液卵白の製造例1]
本発明品用加工液卵白の製造例1において、菜種油10部を除いた配合で、本発明品用加工液卵白の製造例1の全工程と同様の方法で食用油脂を配合しないで乳酸発酵させた加工液卵白を製した後、当該加工液卵白90部に菜種油10部を添加混合し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し比較用加工液卵白1を製した。
得られた比較用加工液卵白1は、卵白蛋白質を3.6%、食用油脂を10%含有し、固形分20%、粘度700mPa・s(品温10℃)、pH4.2、平均粒子径22μmである水中油型乳化物からなり、加工液卵白が乳酸発酵されたものである。
[比較用加工液卵白の製造例2]
本発明品用加工液卵白の製造例1において、本発明品用加工液卵白の製造例1と同様の配合で、本発明品用加工液卵白の製造例1の乳酸菌を添加する前までの工程を行った後、50%乳酸でpHを4.2に調整し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し比較用加工液卵白2を製した。
得られた比較用加工液卵白2は、卵白蛋白質を3.6%、食用油脂を10%含有し、固形分20%、粘度1,500mPa・s(品温10℃)、pH4.2、平均粒子径21μmである水中油型乳化物からなるものであるが、加工液卵白が乳酸発酵されたものでない。
[試験例1]
本発明品用加工液卵白1及び2、並びに比較用加工液卵白1及び2のそれぞれの加工液卵白を用いてモデルケーキを調製し、各加工液卵白の製造方法の違いによる、加熱凝固後のケーキの食感への影響について調べた。つまり、ミキサーに液全卵56g、サラダ油25g、牛乳15、糖アルコール25g、各加工液卵白25gを投入し撹拌混合後した。続いて、上新粉40g、薄力粉40g、ベーキングパウダー2g、食塩2g、無塩バター10gを投入し、撹拌混合後、80gずつカップに充填し、180℃で12分間焼成しモデルケーキを調製した。得られたモデルケーキを試食し、下記の基準で評価した。
表1より、乳酸発酵した油脂不含有の加工液卵白に食用油脂を添加し均質化処理した比較用加工液卵白1を配合したモデルケーキ、乳酸発酵していない比較用加工液卵白2を配合したモデルケーキは、硬い食感であったのに対し、油脂含有の状態で乳酸発酵した本発明品用加工液卵白1及び2を配合したモデルケーキは、非常にソフトな食感であったことが理解される。
[試験例2]
本発明品用加工液卵白の製造例1において、生卵白および菜種油の含有量を下記表2に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した以外は同様にして卵白蛋白質および食用油脂の含有量の異なる各加工液卵白を調製した。得られた各加工液卵白を配合したモデルケーキを調製し、各加工液卵白の卵白蛋白質及び食用油脂の含有量の違いがケーキの食感へ与える影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれも粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様、モデルケーキを調製後に試食して行った。
表2より、卵白蛋白質の含有量が2%より少ない加工液卵白を配合したモデルケーキ、あるいは食用油脂が5%より少ない加工液卵白を配合したモデルケーキは、硬い食感であった。これに対し、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を配合した加工液卵白を配合したモデルケーキは、ソフトな食感であった。
[試験例3]
本発明品用加工液卵白の製造例1において、乳酸発酵し加熱殺菌した後の冷却温度を下記表の温度まで行った以外は同様にして、冷却温度の異なる各加工液卵白を調製した。得られた各加工液卵白を配合したモデルケーキを調製し、各加工液卵白の冷却温度の違いが、ケーキの食感へ与える影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれもpHが3.8〜4.5である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様、モデルケーキを調製後に試食して行った。
表3より、品温を55℃より高い状態までしか冷却しなかった加工液卵白は、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)であるが、平均粒子径が40μmより大きく、ケーキに配合してもやや硬い食感であった。また、冷却を品温30℃より低い状態まで行った加工液卵白は、平均粒子径が40μm以下であるが、粘度が800mPa・s(品温10℃)より低く、ケーキに配合してもやや硬い食感であった。これに対し、冷却を30〜55℃まで行った加工液卵白は、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、平均粒子径が40μm以下であり、ケーキに配合したときにソフトな食感のケーキが得られた。特に、冷却を35〜50℃まで行った加工液卵白は、粘度が1,000mPa・s以上(品温10℃)、平均粒子径が30μm以下であり、ケーキに配合したときに非常にソフトな食感のケーキが得られた。
[試験例4]
本発明品用加工液卵白の製造例1において、乳酸発酵を下記表のpHとなるように処理時間を変えた以外は同にしてpHの異なる各加工液卵白を調製した。得られた各加工液卵白を配合したモデルケーキを調製し、各加工液卵白のpHの違いがケーキの食感へ与える影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれも粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様、モデルケーキを調製後に試食して行った。
表4より、pHが4.5より高い加工液卵白を配合したモデルケーキは、やや硬い食感であったのに対し、pHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵させた加工液卵白を配合したモデルケーキは、非常にソフトな食感であった。
[実施例1]
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合したパウンドケーキを製した。つまり、ミキサーに液全卵150g、上白糖120gを投入し10分間泡立てた後、薄力粉120g、ベーキングパウダー2.5gを投入し撹拌混合した。続いて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)120gを投入し撹拌混合後、パウンドケーキ型に充填し、170℃で30分間焼成した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約4.7%であった。
[比較例1]
実施例1のパウンドケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)に換えて、無塩バター120gを配合した以外は実施例1と同様にパウンドケーキ製した。
[試験例5]
実施例1及び比較例1で得られたパウンドケーキを試食し、パウンドケーキの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白1を配合した実施例1のパウンドケーキの方が比較例1に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。
[実施例2]
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合したパウンドケーキを製した。ホットケーキを製した。つまり、ボールにホットケーキミックス(森永製菓(株)製)50g、全卵12g、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)28g、清水10gを投入し撹拌混合した。続いて、160℃に温めたホットプレートに、直径7.5cm円形の形を置き、30gずつ流し込んだ。4分間焼成後、型をはずし、ホットケーキを裏返し、さらに2分間焼成した。得られたホットケーキを網にのせて放冷した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約5.6%であった。
[実施例3]
実施例2のホットケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)18gに変え、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は実施例2と同様な方法でホットケーキを製した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約3.6%であった。
[実施例4]
実施例2のホットケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)を38gに変え、その増加分は清水の配合量を減らして補正した以外は実施例2と同様な方法でホットケーキを製した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約7.6%であった。
[比較例2]
実施例2のホットケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)を配合せず、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は実施例2と同様な方法でホットケーキを製した。
[試験例6]
実施例2乃至4、並びに比較例2で得られたホットケーキを試食し、ホットケーキの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白1を配合した実施例2乃至4のホットケーキの方が比較例2に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。
[実施例5]
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合したドーナツを製した。つまり、ボールにホットケーキミックス(森永製菓(株)製)100g、全卵25g、バター10g、本発明品用加工液卵白の製造例2で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白2)15gを投入し撹拌混合した。続いて50gずつリング状に成型し、170℃の油で3分間油ちょうした。得られたドーナツを網にのせて放冷した。なお、発明品用加工液卵白2の配合量は、固形分換算で約2.4%であった。
[比較例3]
実施例5のドーナツにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例2で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白2)に換えて牛乳を15g配合した以外は実施例5と同様な方法でドーナツを製した。
[試験例7]
実施例5及び比較例3で得られたドーナツを試食し、ドーナツの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白2を配合した実施例5のドーナツの方が比較例3に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。
[実施例6]
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合した米粉を用いたパウンドケーキを製した。つまり、ミキサーに液全卵56g、サラダ油25g、牛乳15、糖アルコール25g、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)25gを投入し撹拌混合した。続いて、上新粉40g、薄力粉40g、ベーキングパウダー2g、食塩2g、無塩バター10gを投入し、撹拌混合後、80gずつカップに充填し、180℃で12分間焼成した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約2%であった。
[比較例4]
実施例6の米粉を用いたパウンドケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)を配合せず、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は、実施例6と同様な方法で米粉を用いたパウンドケーキを製した。
[試験例8]
実施例6及び比較例4で得られた米粉を用いたパウンドケーキを試食し、パウンドケーキの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白1を配合した実施例6のパウンドケーキの方が比較例4に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。

Claims (5)

  1. 加熱凝固して製するケーキにおいて、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を配合することを特徴とするケーキ。
  2. 上記加工液卵白が、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有した卵白混合液をpHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵し、次いで加熱殺菌し、該殺菌発酵液を30〜55℃に冷却した後、均質化処理を施して得られる加工液卵白である請求項1記載のケーキ。
  3. 上記加工液卵白を固形分換算で0.1〜10%配合する請求項1又は2記載のケーキ。
  4. 米粉を配合した請求項1乃至3のいずれかに記載のケーキ。
  5. 加熱凝固して製するケーキ用の食感改良材であって、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を有効成分とすることを特徴とするケーキ用食感改良材。
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