JP5140630B2 - ケーキ及びケーキ用食感改良材 - Google Patents
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(1)加熱凝固して製するケーキにおいて、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を配合することを特徴とするケーキ、
(2)上記加工液卵白が、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有した卵白混合液をpHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵し、次いで加熱殺菌し、該殺菌発酵液を30〜55℃に冷却した後、均質化処理を施して得られる加工液卵白である(1)記載のケーキ、
(3)上記加工液卵白を固形分換算で0.1〜10%配合する(1)又は(2)記載のケーキ、
(4)米粉を配合した(1)乃至(3)のいずれかに記載のケーキ、
(5)加熱凝固して製するケーキ用の食感改良材であって、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を有効成分とすることを特徴とするケーキ用食感改良材、
である。
ース、マンノース、ラクトース、マルトース、トレハロース、蜂蜜、水飴、還元水飴、砂糖結合水飴、オリゴ糖、還元オリゴ糖、異性化糖、転化糖、糖アルコール、澱粉を加水分解して製したデキストリン、サイクロデキストリン、還元デキストリン、イヌリン等の糖類、小麦粉、米粉等の穀粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の生澱粉、物理的及び/又は酵素的及び/又は化学的処理を施した澱粉、家禽の全卵、卵黄、卵白、殺菌卵、凍結卵、濃縮卵、乾燥卵等の卵類、大豆油、胡麻油等の油脂類、アーモンド、ナッツペースト、ナッツ粉末等のナッツ類、果実、果汁、果肉ペースト、乾燥果実等の果実類
、野菜、野菜汁、野菜ペースト、乾燥野菜等の野菜類、バター、クリーム、牛乳、濃縮乳、粉乳、乳蛋白質、発酵乳、チーズ等の乳原料、豆乳、大豆多糖類、大豆蛋白質等の大豆類、ゼラチン等の蛋白質原料、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、グアーガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギーナン、寒天、コンニャクマンナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の増粘多糖類、バニラフレーバー、フルーツフレーバー等の香料、クチナシ色素等の着色料、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、酒石酸水素カリウム等のpH調整剤、クエン酸、乳酸等の酸味料、ベーキングパウダー、重曹等の膨脹剤、塩化ナトリウム等の塩類、食物繊維、酒類、コーヒー、紅茶、抹茶、ココア、チョコレート、キャラメル等が挙げられる。
生卵白34部(卵白蛋白質3.6部)、菜種油10部、スクロース6部、生卵黄0.5部、酵母エキス0.05部、50%乳酸0.15部及び清水49.3部からなる卵白混合液100部(pH6.8)を攪拌、調製した。得られた卵白混合液を高速で攪拌させながら85℃で30分間加熱した後、冷水により35℃まで冷却し、次いで乳酸菌スターター0.01部(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、35℃で48時間発酵しpH4.2とした。次に、発酵液を85℃で5分間加熱殺菌した後、冷水により40℃まで冷却し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し本発明品用加工液卵白1を製した。
生卵白50部(卵白蛋白質5.3部)、菜種油12部、スクロース6部、生卵黄0.5部、酵母エキス0.05部、50%乳酸0.15部及び清水31.3部からなる卵白混合液100部(pH7.0)を攪拌、調製した。得られた卵白混合液を高速で攪拌させながら75℃で15分間加熱した後、冷水により35℃まで冷却し、次いで乳酸菌スターター0.01部(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、35℃で24時間発酵しpH4.4とした。次に、発酵液を85℃で5分間加熱殺菌した後、冷水により45℃まで冷却し、次い
で高圧ホモゲナイザーを用いて30MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し本発明品用加工液卵白2を製した。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、菜種油10部を除いた配合で、本発明品用加工液卵白の製造例1の全工程と同様の方法で食用油脂を配合しないで乳酸発酵させた加工液卵白を製した後、当該加工液卵白90部に菜種油10部を添加混合し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し比較用加工液卵白1を製した。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、本発明品用加工液卵白の製造例1と同様の配合で、本発明品用加工液卵白の製造例1の乳酸菌を添加する前までの工程を行った後、50%乳酸でpHを4.2に調整し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し比較用加工液卵白2を製した。
本発明品用加工液卵白1及び2、並びに比較用加工液卵白1及び2のそれぞれの加工液卵白を用いてモデルケーキを調製し、各加工液卵白の製造方法の違いによる、加熱凝固後のケーキの食感への影響について調べた。つまり、ミキサーに液全卵56g、サラダ油25g、牛乳15、糖アルコール25g、各加工液卵白25gを投入し撹拌混合後した。続いて、上新粉40g、薄力粉40g、ベーキングパウダー2g、食塩2g、無塩バター10gを投入し、撹拌混合後、80gずつカップに充填し、180℃で12分間焼成しモデルケーキを調製した。得られたモデルケーキを試食し、下記の基準で評価した。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、生卵白および菜種油の含有量を下記表2に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した以外は同様にして卵白蛋白質および食用油脂の含有量の異なる各加工液卵白を調製した。得られた各加工液卵白を配合したモデルケーキを調製し、各加工液卵白の卵白蛋白質及び食用油脂の含有量の違いがケーキの食感へ与える影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれも粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様、モデルケーキを調製後に試食して行った。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、乳酸発酵し加熱殺菌した後の冷却温度を下記表の温度まで行った以外は同様にして、冷却温度の異なる各加工液卵白を調製した。得られた各加工液卵白を配合したモデルケーキを調製し、各加工液卵白の冷却温度の違いが、ケーキの食感へ与える影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれもpHが3.8〜4.5である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様、モデルケーキを調製後に試食して行った。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、乳酸発酵を下記表のpHとなるように処理時間を変えた以外は同にしてpHの異なる各加工液卵白を調製した。得られた各加工液卵白を配合したモデルケーキを調製し、各加工液卵白のpHの違いがケーキの食感へ与える影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれも粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様、モデルケーキを調製後に試食して行った。
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合したパウンドケーキを製した。つまり、ミキサーに液全卵150g、上白糖120gを投入し10分間泡立てた後、薄力粉120g、ベーキングパウダー2.5gを投入し撹拌混合した。続いて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)120gを投入し撹拌混合後、パウンドケーキ型に充填し、170℃で30分間焼成した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約4.7%であった。
実施例1のパウンドケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)に換えて、無塩バター120gを配合した以外は実施例1と同様にパウンドケーキ製した。
実施例1及び比較例1で得られたパウンドケーキを試食し、パウンドケーキの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白1を配合した実施例1のパウンドケーキの方が比較例1に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合したパウンドケーキを製した。ホットケーキを製した。つまり、ボールにホットケーキミックス(森永製菓(株)製)50g、全卵12g、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)28g、清水10gを投入し撹拌混合した。続いて、160℃に温めたホットプレートに、直径7.5cm円形の形を置き、30gずつ流し込んだ。4分間焼成後、型をはずし、ホットケーキを裏返し、さらに2分間焼成した。得られたホットケーキを網にのせて放冷した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約5.6%であった。
実施例2のホットケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)18gに変え、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は実施例2と同様な方法でホットケーキを製した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約3.6%であった。
実施例2のホットケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)を38gに変え、その増加分は清水の配合量を減らして補正した以外は実施例2と同様な方法でホットケーキを製した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約7.6%であった。
実施例2のホットケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)を配合せず、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は実施例2と同様な方法でホットケーキを製した。
実施例2乃至4、並びに比較例2で得られたホットケーキを試食し、ホットケーキの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白1を配合した実施例2乃至4のホットケーキの方が比較例2に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合したドーナツを製した。つまり、ボールにホットケーキミックス(森永製菓(株)製)100g、全卵25g、バター10g、本発明品用加工液卵白の製造例2で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白2)15gを投入し撹拌混合した。続いて50gずつリング状に成型し、170℃の油で3分間油ちょうした。得られたドーナツを網にのせて放冷した。なお、発明品用加工液卵白2の配合量は、固形分換算で約2.4%であった。
実施例5のドーナツにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例2で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白2)に換えて牛乳を15g配合した以外は実施例5と同様な方法でドーナツを製した。
実施例5及び比較例3で得られたドーナツを試食し、ドーナツの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白2を配合した実施例5のドーナツの方が比較例3に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。
本発明品用加工液卵白を食感改良材として配合した米粉を用いたパウンドケーキを製した。つまり、ミキサーに液全卵56g、サラダ油25g、牛乳15、糖アルコール25g、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)25gを投入し撹拌混合した。続いて、上新粉40g、薄力粉40g、ベーキングパウダー2g、食塩2g、無塩バター10gを投入し、撹拌混合後、80gずつカップに充填し、180℃で12分間焼成した。なお、発明品用加工液卵白1の配合量は、固形分換算で約2%であった。
実施例6の米粉を用いたパウンドケーキにおいて、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)を配合せず、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は、実施例6と同様な方法で米粉を用いたパウンドケーキを製した。
実施例6及び比較例4で得られた米粉を用いたパウンドケーキを試食し、パウンドケーキの食感について比較したところ、本発明品用加工液卵白1を配合した実施例6のパウンドケーキの方が比較例4に比べてソフトな食感を呈し好ましいものであった。
Claims (5)
- 加熱凝固して製するケーキにおいて、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を配合することを特徴とするケーキ。
- 上記加工液卵白が、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有した卵白混合液をpHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵し、次いで加熱殺菌し、該殺菌発酵液を30〜55℃に冷却した後、均質化処理を施して得られる加工液卵白である請求項1記載のケーキ。
- 上記加工液卵白を固形分換算で0.1〜10%配合する請求項1又は2記載のケーキ。
- 米粉を配合した請求項1乃至3のいずれかに記載のケーキ。
- 加熱凝固して製するケーキ用の食感改良材であって、乳酸発酵されてなり、かつ、卵白蛋白質2〜8%及び食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白を有効成分とすることを特徴とするケーキ用食感改良材。
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