JP5149774B2 - 気泡入り加工食品 - Google Patents

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Description

本発明は、気泡を含んで加熱凝固した高水分の気泡入り加工食品に関し、より詳しくは、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えた気泡入り加工食品に関する。
卵白が起泡する性質と加熱により凝固する性質を利用して、ふわふわとした食感に仕上げたテリーヌやフィリング等の高水分の気泡入り加工食品がある。これらの食品は、まず、種々の食材や調味料に卵白を加えて含気処理することにより気泡を含んだ原料混合液を調製し、次いで、この気泡を含んだ原料混合液を加熱凝固させることにより製造される。
近年、デザート等において滑らかな食感が好まれる傾向があるが、上述した卵白を用いた高水分の気泡入り加工食品についても、単にふわふわとした食感であるだけでなく、より滑らかな食感であることが望まれるようになってきている。しかしながら、卵の起泡する性質と加熱凝固する性質の両方を利用している気泡入り加工食品は、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ねそなえることは難しい。例えば、卵白配合量の減少は、製品の硬さをやわらかくして、ある程度滑らかな食感を形成することに寄与するものの、同時に製品の気泡の状態にも影響を与えてふんわりとした食感が得られ難くなる。このように食感に影響を与える卵白の配合量を単に増減しても、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えた製品とすることはできない。
気泡入り加工食品の口溶けの改善については、特開2004−222601号公報(特許文献1)には、ゼラチンを利用したムースなど気泡性食品において、豚由来の原料に酸性の処理を施したゼラチンを用いることにより、オーバーラン、口溶け及び保形性を改質することが提案されているが、卵白を用いて加熱凝固させた気泡入り加工食品の食感改善については、従来、充分な検討はなされていない。
特開2004−222601号公報
そこで本発明の目的は、気泡を含んで加熱凝固した高水分の気泡入り加工食品であって、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えた気泡入り加工食品を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく上述した卵白を用いた気泡入り加工食品において、使用原料等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、卵白に加えて卵白の乳酸発酵物を配合するならば、意外にも、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えた気泡入り加工食品が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固してあり、水分含量が40%以上である気泡入り加工食品であって、
卵白と、卵白乳酸発酵物とを配合しており、
前記卵白及び前記卵白乳酸発酵物の配合割合が、固形分換算で、前記卵白100部に対して前記卵白乳酸発酵物が3〜200部であり、
前記卵白乳酸発酵物が、卵白蛋白質を含む仕込み液を60〜110℃の品温で加熱した後、乳酸発酵することにより得られるもの
である気泡入り加工食品、
(2)前記卵白及び前記卵白乳酸発酵物の合計配合量が製品に対して固形分換算で1〜20%である(1)記載の気泡入り加工食品、
である。
本発明によれば、テリーヌやフィリング等の卵白を用いた高水分の気泡入り加工食品であって、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ねそなえた従来にない気泡入り加工食品を提供できる。したがって、前記テリーヌやフィリング等の気泡入り加工食品の新たな需要拡大が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明の気泡入り加工食品に用いる卵白としては、卵白の調理特性である加熱凝固性能及び起泡性能を有する限り特に制限は無く、具体的には、例えば、鶏卵、家鴨卵、鶉卵等の殻付生卵を割卵して常法により卵黄と分離して溶きほぐして調製した生液卵白、生液卵白に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。
一方、本発明で用いる卵白乳酸発酵物とは、液状の卵白に乳酸菌を添加して発酵させることにより得られるものである。このような乳酸発酵は、一般的に栄養源として乳酸菌資化性糖類を用いて必要に応じ酵母エキス等の発酵促進物質を添加し、乳酸菌を1mLあたり好ましくは10〜10、さらに好ましくは10〜10供し発酵されており、本発明も同様な方法で得られたものを用いるとよい。
本発明の有効成分である卵白乳酸発酵物の形態は、種々の形態(例えば、液状、粉末状、マイクロコロイド状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状)を有することができる。すなわち、配合する食品の性状に応じて、適切な形態に加工し使用することができる。乾燥処理は、上記卵白乳酸発酵物に必要に応じデキストリン等の賦形材や清水等の水系媒体を添加後、スプレードライ、フリーズドライ、パンドライ等、任意の方法を採用し乾燥させることが出来る。
上記卵白乳酸発酵物に用いる卵白としては、上述した卵白を液状として用いればよく、また効果に影響を及ぼさない程度に卵黄やその他の卵由来の成分を含んでいても差し支えない。
上記卵白乳酸発酵物に用いる乳酸菌としては、一般的にヨーグルトやチーズの製造に利用される、例えば、ラクトバチルス属(Lactobacillus bulgaricus等)、ストレプトコッカス属(Streptococcus thermophilus、Streptococcus diacetylactis等)、ラクトコッカス属(Lactococcus lactis等)、ロイコノストック属(Leuconostoc cremoris等)、エンテロコッカス属(Enterococcus faecalis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium Bbifidum等)等が挙げられる。
上記卵白乳酸発酵物に用いる乳酸菌資化性糖類としては、例えば、単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、N−アセチルグルコサミン等)、二糖類(ラクトース、マルトース、スクロース、セルビオース、トレハロース等)、オリゴ糖類(特に3〜5個の単糖類が結合しているもの)、ブドウ糖果糖液糖等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて液状の卵白に添加することができる。
上記卵白乳酸発酵物に用いる発酵促進物質としては、本発明の効果を損なわない範囲で発酵を促進するものであれば、特に限定するものではない。例えば、アミノ酸やペプチド等の蛋白質分解物、酵母エキス、ビタミン類、ミネラル類等が挙げられる。
上記卵白乳酸発酵物の代表的な製造方法を以下に示す。卵白蛋白質2〜8%、乳酸菌資化性糖類1〜15%、及び発酵促進物質0.5〜10%を水に加え、乳酸、塩酸等の酸材を用いてpH5〜7.5にpH調整し仕込み液を調製する。なお、酸材としては風味の面から乳酸を用いるのが好ましい。次に、発酵促進するために得られた仕込み液を60〜110℃、好ましくは70〜100℃の品温で1〜120分間保持して加熱してリゾチーム等の卵白由来の酵素の失活及び殺菌処理した後、乳酸菌スターターを1mLあたり10〜10になるように添加する。続いて、25〜50℃で8〜48時間発酵することにより卵白乳酸発酵物が得られる。また、必要に応じて得られた上記卵白乳酸発酵物を加熱殺菌し、高圧下で均質化処理を施してもよく、あるいは、フリーズドライ、スプレードライ等の乾燥処理を施して粉末状にしてもよい。
本発明は、気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固してあり、水分含量が40%以上である気泡入り加工食品であって、上述した卵白と、卵白乳酸発酵物とを配合してあることを特徴とする気泡入り加工食品である。このような本発明の気泡入り加工食品としては、具体的には、卵白の起泡性能と加熱凝固性能を利用した従来の高水分の種々の加工食品、例えば、ムース、テリーヌ、スフレオムレツ、あるいは、パンや肉料理等に用いるムースタイプのフィリングやスプレッド等の食品が挙げられる。
卵白は、起泡性能を有していることから卵白を配合すると原料混合液に適度に気泡を含有させることができる。更に、卵白は、加熱凝固性能を有していることから気泡を含有させた原料混合液を気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固させることができる。従来の卵白を用いた気泡入り加工食品は、このような性質の卵白を利用した食品であるのに対し、本発明においては、上述のように卵白と卵白乳酸発酵物とを併用して用いることに特徴を有する。卵白乳酸発酵物は、乳酸発酵を促進するために60℃以上に加熱処理された卵白を原料とすることから、卵白蛋白が熱変性して加熱凝固性能が失われているが、後述の比較例に示すように卵白乳酸発酵物のみを撹拌すると起泡するため、卵白乳酸発酵物は起泡性能を有すると言える。本発明においては、このような加熱凝固性能は失われているが、起泡性能は有する卵白乳酸発酵物を卵白と併用して用いることで、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えた気泡入り加工食品を得ることができる。
また、製品の水分含量に関し、本発明においては、卵白の加熱凝固性能と起泡性能を利用した従来のムース、テリーヌ、スフレオムレツ等の気泡入り加工食品と同様に製品の水分含量が40%以上であることにより、ふわふわとした滑らかな食感の製品とすることができる。これに対して、水分含量が40%より低いと、原料混合液の含気や加熱凝固に必要な水分が不足し、ふわふわとした滑らかな食感が得られ難くなる。前記製品の水分含量は、原料の配合量を調整することにより容易に調整できる。なお、前記水分含量は、減圧加熱乾燥法で測定した値である。減圧加熱乾燥法は、測定サンプルが分解しない温度にて減圧下で加熱することにより、減少した質量(水分含量)を測定する方法である。
本発明の気泡入り加工食品における卵白及び卵白乳酸発酵物の配合割合に関し、ふわふわとした滑らかな食感を得る点から、卵白の配合量に対する卵白乳酸発酵物の配合量の割合は、固形分換算で、卵白100部に対して卵白乳酸発酵物が好ましくは3部以上、より好ましくは5部以上である。一方、卵白乳酸発酵物の配合量が多すぎると製品の食感が軟らかくなりすぎてしまう場合があることから、固形分換算で卵白100部に対する卵白乳酸発酵物の配合量は好ましくは200部以下、より好ましくは100部以下である。
また、前記卵白及び前記卵白乳酸発酵物の合計配合量は、その他の配合原料にもよるが、ふわふわとした食感で適度に加熱凝固した気泡入り加工食品を得る点から、製品に対して、固形分換算で好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上である。一方、前記卵白及び前記卵白乳酸発酵物の合計配合量が多すぎても滑らかな口溶けが得られ難くなる傾向があることから、前記卵白及び前記卵白乳酸発酵物の合計配合量は、製品に対して、固形分換算で好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
本発明の気泡入り加工食品においては、上述した卵白及び卵白乳酸発酵物の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、従来の卵白を用いた高水分の気泡入り加工食品と同様、必要に応じて種々の食材や添加剤等を配合することができる。このような原料としては、例えば、生クリーム、牛乳、バター、チーズ等の乳原料、かぼちゃ、人参、玉ネギ、トマト、ホウレンソウ、ジャガイモ等の野菜類、オレンジ、イチゴ、ぶどう、マンゴー、アボカド等果実類、クルミ、アーモンド等のナッツ類、牛肉、豚肉等の蓄肉類、魚、貝、たこ、イカ等の魚介類、ココア、チョコレート等のカカオの加工品、砂糖、グラニュー糖、ぶどう糖等の糖類、菜種油、パーム油等の食用油脂、食塩、醤油、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、キサンタンガム、アラビアガム、加工澱粉、湿熱処理澱粉等の増粘材、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、グリシン、酢酸ナトリウム、卵白リゾチーム、プロタミン、ポリリジン等の静菌剤、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、香料、発色剤等が挙げられる。
本発明の気泡入り加工食品は、卵白乳酸発酵物を配合する他は、従来の卵白を用いた高水分の気泡入り加工食品と同様に、気泡を含有させた原料混合液を加熱凝固することにより製造することができる。具体的には、例えば、以下のように製造することができる。
まず、果実、チーズ、肉類、野菜等の風味原料のペーストや調味料等に、上述した卵白及び卵白乳酸発酵物を加えて気泡含有混合液を調製する。気泡含有混合液を調製する方法としては、常法によればよく、例えば、予め卵白及び卵白乳酸発酵物をホイッパー、泡だて器、ミキサー等で撹拌して、あるいは、卵白及び卵白乳酸発酵物に不活性ガスを吹き込む等して起泡させ、この起泡物に風味原料のペーストや調味料等を加えて混合して調製する方法が挙げられる。その他にも、卵白、卵白乳酸発酵物、風味原料のペーストや調味料等を混合して原料混合液を調製し、この原料混合液をホイッパー、泡だて器、ミキサー等で撹拌して、あるいは、不活性ガスを吹き込む等して気泡を含有させることにより調製する方法等が挙げられる。
気泡含有混合液は、ふわふわとした食感を得る点から、常法により撹拌条件やガス吹き込み条件を調製して、含気率が好ましくは10〜100%、より好ましくは15〜50%となるように調製する。ここで、含気率とは、下記の式により得られた値である。
次に、調製した前記気泡含有混合液を加熱凝固させる。加熱凝固は、常法によればよく、例えば、前記気泡含有混合液を必要により型に入れ、ボイル加熱、スチーム加熱、焼成等により加熱処理して加熱凝固させればよい。前記気泡含有混合液を加熱処理することにより、当該混合液を気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固させることができる。加熱処理条件としては、充分に凝固するように、好ましくは品温が60℃以上、より好ましくは70℃以上になるように加熱処理する。加熱処理温度としては、品温が前記範囲まで上昇するようにすればよいが、あまり加熱処理温度が高すぎると風味が悪くなる場合があることから、加熱処理温度は好ましくは65〜150℃、より好ましくは70〜140℃である。加熱処理時間は、これら加熱処理条件にもよるが、好ましくは5〜60分程度とすればよい。また、加熱処理に用いる前記型としては、例えば、樹脂製等のパウチ、ステンレス製等のリング型、スクエア型、バット、ココット等の容器が挙げられる。以上により本発明の気泡入り加工食品が得られる。
以下、本発明について、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[製造例1]卵白乳酸発酵物の製造
液卵白(固形分11.6%)50%、グラニュー糖4%、酵母エキス0.05%、乳酸0.15%及び清水45.8%からなる卵白水溶液を撹拌、調製した。得られた卵白水溶液を品温75℃で5分間保持して加熱した後、乳酸菌スターター0.02%(Lactococcus lactis subsp. lactis、Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris、Streptococcus diacetylactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris)を添加し、30℃で24時間発酵を行った後、品温80℃で10分間保持して加熱殺菌し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、固形分10%の卵白乳酸発酵物を得た。
[実施例1]
下記配合割合でチーズフィリングを製造した。つまり、まず、ミキサーに液卵白(固形分11.6%)及び卵白乳酸発酵物(製造例1で製造したもの)を投入し撹拌して泡立てた。そこへ、生クリーム、チーズ、レモン果汁、グラニュー糖、α化澱粉及び清水を加えて撹拌混合し、気泡含有混合液を調製した。得られた気泡含有混合液の含気率は17%であった。次に、得られた気泡含有混合液を耐熱性樹脂パウチに充填・密封し70℃の湯中に60分間浸漬して加熱処理した。加熱処理により気泡含有混合液の品温は70℃に達温し、気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固した。続いて、得られた加熱凝固物をパウチごと5℃の冷水に浸漬して冷却することにより、本発明の気泡入り加工食品であるチーズフィリングを製造した。なお、卵白に対する卵白乳酸発酵物の配合割合は、固形分換算で卵白100部に対して卵白乳酸発酵物が43部であり、また、製品の水分含量は40%以上であった。
<チーズフィリングの配合割合>
液卵白 20%
卵白乳酸発酵物 10%
生クリーム 20%
チーズ 15%
レモン果汁 1%
グラニュー糖 15%
α化澱粉 3%
清水 残 余
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
[実施例2]
実施例1のチーズフィリングにおいて液卵白を10%、卵白乳酸発酵物を20%配合した以外は同様な方法でチーズフィリングを製造した。なお、気泡含有混合液の含気率は21%、卵白に対する卵白乳酸発酵物の配合割合は、固形分換算で卵白100部に対して卵白乳酸発酵物が172部であり、また、製品の水分含量は40%以上であった。
[比較例1]
実施例1のチーズフィリングにおいて液卵白を30%配合し、卵白乳酸発酵物を配合しなかった以外は同様な方法でチーズフィリングを製造した。なお、気含有混合液の含気率は52%、また、製品の水分含量は40%以上であった。
[試験例1]
実施例1、2及び比較例1のチーズフィリングにおいて、得られたチーズフィリングのふわふわとした食感及び滑らかな食感について下記評価基準により評価した。結果を表1に示す。
表1より、卵白と卵白乳酸発酵物とを配合している実施例1及び2のチーズフィリングは、卵白乳酸発酵物を配合していない比較例1のチーズフィリングと比較し、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えたものであることが理解される。
[比較例2]
実施例1のチーズフィリングにおいて、卵白乳酸発酵物に変えて殺菌ヨーグルトを配合した以外は同様な方法で製造した。
[試験例2]
実施例1及び比較例2のチーズフィリングにおいて、得られたチーズフィリングのふわふわとした食感及び滑らかな食感について試験例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
表2より、実施例1の卵白乳酸発酵物に変えて殺菌ヨーグルトを配合した比較例2のチーズフィリングは、本発明のチーズフィリングのようなふわふわとした食感が得られないことが理解される。
[実施例3]
下記配合割合でかぼちゃフィリングを製造した。つまり、まず、ミキサーに液卵白(固形分11.6%)及び卵白乳酸発酵物(製造例1で製造したもの)を投入し撹拌して泡立てた。そこへ、α化澱粉、裏ごししたかぼちゃ、生クリーム、グラニュー糖、食塩及び清水を加え撹拌した後、湯煎した無塩バターを加えさらに撹拌混合し、気泡含有混合液を調製した。得られた気泡含有混合液の含気率は15%であった。次に、得られた気泡含有混合液を耐熱性樹脂パウチに充填・密封し70℃の湯中に60分間浸漬して加熱処理した。加熱処理により気泡含有混合液の品温は70℃に達温し、気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固した。続いて、得られた加熱凝固物をパウチごと5℃の冷水に浸漬して冷却することにより、本発明の気泡入り加工食品であるかぼちゃフィリングを製造した。なお、卵白に対する卵白乳酸発酵物の配合割合は、固形分換算で卵白100部に対して卵白乳酸発酵物が45部であり、また、製品の水分含量は40%以上であった。
<かぼちゃフィリングの配合割合>
液卵白 25%
卵白乳酸発酵物 13%
α化澱粉 3%
裏ごししたかぼちゃ 20%
生クリーム 15%
グラニュー糖 6%
食塩 0.5%
無塩バター 10%
清水 残 余
―――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例3]
実施例3のかぼちゃフィリングにおいて液卵白を卵白乳酸発酵物におきかえ、製品に対し卵白乳酸発酵物を38%配合した以外は同様な方法でかぼちゃフィリングを製造した。つまり、まず、ミキサーに卵白乳酸発酵物を投入し撹拌して泡立てた。そこへ、α化澱粉、裏ごししたかぼちゃ、生クリーム、グラニュー糖、食塩及び清水を加え撹拌した後、湯煎した無塩バターを加えさらに撹拌混合し、気泡含有混合液を調製した。得られた気泡含有混合液の含気率は12%であった。次に、得られた気泡含有混合液を耐熱性樹脂パウチに充填・密封し70℃の湯中に60分間浸漬して加熱処理した。加熱処理により気泡含有混合液の品温は70℃に達温したものの、気泡含有混合液は凝固しなかった。
[実施例4]
下記配合割合でテーリーヌを製造した。つまり、ミキサーに、液卵白(固形分11.6%)、卵白乳酸発酵物(製造例1で製造したもの)及び裏ごししたホウレンソウを投入し、撹拌して起泡させた。次に、得られた気泡物にα化澱粉、砂糖及び食塩を投入し、撹拌混合して気泡含有混合液を調製した。得られた気泡含有混合液の含気率は20%であった。次に、得られた気泡含有混合液を耐熱性樹脂容器に充填・密封し100℃のスチーマー中で45分間加熱処理した。加熱処理により気泡含有混合液の品温は95℃に達温し、気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固した。続いて、得られた加熱凝固物を容器ごと5℃の冷蔵庫で冷却することにより、本発明の気泡入り加工食品であるテリーヌを製造した。なお、卵白に対する卵白乳酸発酵物の配合割合は、固形分換算で卵白100部に対して卵白乳酸発酵物が31部であり、また、製品の水分含量は40%以上であった。
<テリーヌの配合割合>
液卵白 56%
卵白乳酸発酵物 20%
裏ごししたホウレンソウ 15%
α化澱粉 5%
砂糖 3%
食塩 1%
―――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
実施例4で得られたテリーヌの食感について評価したところ、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えた好ましいものであった。
[実施例5]
下記配合割合でスフレオムレツを製造した。つまり、ボールに液卵白(固形分11.6%)を投入し、ホイッパーで撹拌して起泡させた。そこへ、卵白乳酸発酵物(製造例1で製造したもの)、液全卵(卵白固形分2.8%)、食塩及び胡椒を加えさらに撹拌混合して気泡含有混合液を調製した。得られた気泡含有混合液の含気率は35%であった。続いて、120℃に加熱したフライパンにバターを入れ、気泡含有混合液を流し入れて5分間加熱した。加熱処理により気泡含有混合液の品温は90℃に達温し、気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固したスフレオムレツを得た。なお、卵白に対する卵白乳酸発酵物の配合割合は、固形分換算で卵白100部に対して卵白乳酸発酵物が16部であり、また、製品の水分含量は40%以上であった。
<スフレオムレツの配合割合>
液卵白 50%
卵白乳酸発酵物 14%
液全卵 35%
食塩 0.5%
胡椒 0.5%
―――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
実施例5のスフレオムレツの食感について評価したところ、ふわふわとした食感と滑らかな食感とを兼ね備えた好ましいものであった。

Claims (2)

  1. 気泡が略均一に分散した状態で加熱凝固してあり、水分含量が40%以上である気泡入り加工食品であって、
    卵白と、卵白乳酸発酵物とを配合しており、
    前記卵白及び前記卵白乳酸発酵物の配合割合が、固形分換算で、前記卵白100部に対して前記卵白乳酸発酵物が3〜200部であり、
    前記卵白乳酸発酵物が、卵白蛋白質を含む仕込み液を60〜110℃の品温で加熱した後、乳酸発酵することにより得られるもの
    であることを特徴とする気泡入り加工食品。
  2. 前記卵白及び前記卵白乳酸発酵物の合計配合量が製品に対して固形分換算で1〜20%である請求項1記載の気泡入り加工食品。
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