JP2004105180A - 卵加工食品 - Google Patents

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Abstract

 【目的】 (1)食感がソフトで、軽く、口溶けがよく、風味がまろやかで良好な卵加工食品を提供する。(2)また、冷凍処理による組織破壊ならびにその後の保存や解凍時の離水発生が有意に抑制されてなる卵加工食品を提供する。
 【解決手段】(1)の目的に対しては、ナトリウム含量が0.15重量%以下、カルシウム含量が2.5重量%以上、及び脂肪含量が1重量以下の乳清タンパク質を配合して含気処理して卵加工食品を調製する。(2)のの目的に対しては、ナトリウム含量が0.15重量%以下でカルシウム含量が2.5重量%以上の乳清タンパク質を原料として卵加工食品を調製する。
 【選択図】 なし

Description

 本発明は、卵加工食品に関する。より詳細には、本発明は冷凍解凍による組織のスポンジ状化並びに離水が有意に防止されてなる卵加工食品に関する。また本発明は、ソフトでなめらかな食感が付与された卵加工食品、特に冷凍解凍処理した場合でもソフトでなめらかな食感が維持されてなる卵加工食品に関する。
 従来より、各種食品について食感のソフト化が求められるようになってきているが、近年、オムレツや出し巻きといった卵加工食品についてもこうした傾向と違わず、ソフトな食感が求められている。
 一方で、こうした卵加工食品は、保存性を確保するために、通常、調理加工後、殺菌処理または冷凍処理等の処理が施されるが、かかる処理によって卵白が凝集したり、また組織の荒れが生じ、このため卵加工食品本来の食感が著しく低下してしまうという問題がある。またこのような組織の荒れは、保存時や解凍時に離水をもたらし、このため食感のみならず味も著しく低下し、これが卵加工食品の品質劣化の原因となっていた。
 こうした問題を解消し、卵加工食品が本来有する食感を維持し、またソフト感を付与する方法として、卵加工食品中に気泡を含有させる方法が種々提案されている。例えば、特許文献1等には、卵液に増粘剤、または増粘剤と精製大豆蛋白を添加攪拌して気泡を含ませて、これを焼成して卵焼成品を調製する方法が提案されており、当該卵焼成品は加熱殺菌した場合でも卵焼成品本来の歯切れと弾力のある食感が失われることがなく、しかも離水も生じないと記載されている。また、冷凍卵加工食品については、例えば、特許文献2等に、食用油及びリン脂質またはこれらに加えてキサンタンガムを配合することによって、冷凍後、再加熱調理しても食感低下や離水が少なく、ソフト感を有する卵加工食品が得られること、また特許文献3には、水溶性蛋白質(ホエー蛋白質、大豆蛋白質、ゼラチンまたは卵白)を泡立てた後、加熱糖液を配合し、これをさらに泡立てた泡状物を卵液と混合して、加熱調理することによって、凍結解凍による組織破壊及び離水が防止できるとともに、解凍後もソフトでしっとりした食感を有する卵加工食品が得られることが記載されている。
 しかしながら、上記先行技術のうち、起泡剤として大豆蛋白質(加水分解物を含む)等の植物蛋白質や卵白を用いた場合は、卵液に安定して十分量の気泡を封入し保持させることが難しく、また形成された気泡の経時的安定性も悪く、成形や加熱などの加工処理の段階で気泡が抜けてしまって、所望するソフトな食感を得ることができないという問題がある。
特開昭59−98664号公報 特開平9−140353号公報 特開平7−265014号公報
 本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、冷凍処理による組織破壊(スポンジ化)が有意に抑制されて、保存時並びに解凍時に生じる離水が有意に防止されてなる卵加工食品を提供することを目的にする。更に本発明は、ソフトでなめらかな食感が付与された卵加工食品であって、さらにそれを冷凍解凍処理した場合であっても、ソフトでなめらかな食感が維持されてなる卵加工食品を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、卵を含む原料組成物に特定の塩含量(ナトリウム含量及びカルシウム含量)を有する乳清タンパク質を配合して調理することによって、冷凍処理のように過酷条件での処理によって生じる組織破壊(スポンジ化)が有意に抑制されて、保存時並びに解凍時における離水が有意に防止されることを見いだした。
 更にまた本発明者らは、上記特定の塩含量を有する乳清タンパク質を、卵を含む原料組成物にホイッピング物として配合するか、あるいは卵を含む原料組成物に配合して一緒に含気処理することによって、組織がなめらかでソフトな食感を有する卵加工食品が得られること、そして当該卵加工食品を更に冷凍処理等の過酷条件下で処理した場合でも、組織破壊による品質劣化が抑制されてそのソフトでなめらかな食感が維持されており、さらに離水も有意に抑制されることを見いだした。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
 即ち、本発明は下記の態様を包含するものである;
項1. ナトリウム含量が0.15重量%以下で、且つカルシウム含量が2.5重量%以上である乳清タンパク質を含有することを特徴とする卵加工食品。
項2. 乳清タンパク質が、脂肪含量1重量%以下のものである項1に記載の卵加工食品。
項3. 乳清タンパク質を含有し、含気処理を行うことによって調製される項1または2に記載の卵加工食品。
項4. (1)乳清タンパク質、卵及び他の原材料を混合し、該混合物に気泡を含ませる工程、または(2)乳清タンパク質を含む水溶液に気泡を含ませて調製されるホイッピング物を、卵及び他の原材料と混合する工程を経て製造される、項3に記載の卵加工食品。
項4−1.(1)または(2)の工程後、加熱調理し、殺菌処理して製造される項4に記載の卵加工食品。
項4−2.(1)または(2)の工程後、加熱調理し、必要に応じて殺菌処理後、冷凍処理して製造される項4に卵加工食品。
 項5. 上記(1)で使用する他の原材料、並びに(2)で使用する乳清タンパク質を含む水溶液または他の原材料が、増粘多糖類を含むものである、項4、項4−1または項4−2に記載する卵加工食品。
項6. 卵加工食品が、冷凍食品である項1乃至5のいずれかに記載の卵加工食品。
項7. 上記冷凍食品が、オムレツ、芙蓉蟹、出し巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵、錦糸卵、う巻き、サンドイッチ用卵具材、ラーメン用卵具材、親子丼の素、玉子丼の素、茶碗蒸し及びプディングより選択されるいずれかの冷凍卵加工食品である項6に記載の卵加工食品。
項8. (1)乳清タンパク質、卵及び他の原材料を混合し、該混合物に気泡を含ませる工程、または(2)乳清タンパク質を含む水溶液に気泡を含ませて調製されるホイッピング物を、卵及び他の原材料と混合する工程を有する項3乃至7のいずれかに記載する卵加工食品の製造方法。
項8−1.(1)または(2)の工程後、加熱調理し、殺菌処理する工程を有する項8に記載する卵加工食品の製造方法。
項8−2.(1)または(2)の工程後、加熱調理し、必要に応じて殺菌処理後、冷凍処理する工程を有する項8に記載する卵加工食品の製造方法。
項9. 上記(1)で使用する他の原材料、並びに(2)で使用する乳清タンパク質を含む水溶液または他の原材料が、増粘多糖類を含むものである、項8、項8−1または項8−2に記載する卵加工食品の製造方法。
項10. ホイッピング物の調製を、乳清タンパク質と水からなる水溶液に気泡を含ませて、その重量/体積(g/ml)が0.1〜0.4となるようにして行うことを特徴とする、項8、項8−1、項8−2、または項9のいずれかに記載する製造方法。
 以下に、本発明を詳細に説明する。
 本発明は、ナトリウム含量が0.15重量%以下で、且つカルシウム含量が2.5重量%以上である乳清タンパク質を含有することを特徴とする卵加工食品である。
 ここで本発明が対象とする卵加工食品は、卵を主成分とする食品である。
 具体的には、オムレツ、芙蓉蟹、出し巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵、錦糸卵、う巻き、サンドイッチ用卵具材、ラーメン用卵具材、親子丼の素、玉子丼の素、茶碗蒸し及びプディングなどである。中でも好ましくは、オムレツ、芙蓉蟹、出し巻き卵である。
 なお、ここで卵は、全卵若しくはその一部(卵黄、卵白またはこれらを任意に配合した混合物)であっても、また凍結卵(凍結卵白、凍結卵黄、凍結全卵)若しくは乾燥卵(卵白粉、卵黄粉、全卵粉)のいずれであってもよく、これらのいずれを用いて調製される卵加工食品も本発明の卵加工食品に含まれる。なお、卵としては好適には鶏卵を使用することができる。
 本発明において用いられる乳清タンパク質は、乳から調製される乳清(ホエー)を濃縮し精製し、特定割合のナトリウム含量及びカルシウム含量)に調整されてなるものである。原料として使用する乳清は特に制限されず、例えばチーズ製造時の副産物であるスウィートホエー、酸カゼイン製造時の副産物であるアシッドホエー、またはレンネットカゼイン製造時の副産物であるレンネットホエーなどを制限なく挙げることができる。乳の由来も特に制限されず、牛、山羊または羊等の哺乳類の乳を例示することができるが、好ましくは牛由来のもの、すなわち牛乳を用いることが好ましい。
 乳清(ホエー)の濃縮・精製方法は、特に制限されず、通常タンパク質の精製において慣用的に使用される操作を1種、または2種以上組み合わせて行うことができる。例えば、かかる操作としては、抽出法、塩析法、遠心分離法、限外濾過法、ウルトラフィルトレーション法、逆浸透膜法、透析法、電気透析法、吸着分離法、電気泳動法、及び各種の分離原理を利用したクロマトグラフ法(イオン交換法、ゲル濾過法、吸着分離法(疎水性クロマト、親水性クロマト)、アフィニティー法等)などを挙げることができる。
 本発明において用いられる乳清タンパク質は、上記操作を1種、または2種以上組み合わせることによって、ナトリウム含量及びカルシウム含量がナトリウム含量0.15重量%以下、カルシウム含量2.5重量%以上になるように調整されてなるものである。ここで、ナトリウムは少なければ少ないほど好ましく、その理想値として0重量%を挙げることができるが、通常は、0.0001重量%(1ppm)〜0.15重量%、好ましくは0.0001〜0.1重量%の範囲から選択することができる。
 また本発明で用いられる乳清タンパク質の好ましいカルシウム含量としては、2.5〜10重量%、より好ましくは3〜4重量%を挙げることができる。さらに本発明において用いられる乳清たん白質は、カリウムを含んでいてもよく、その上限値として0.5重量%を挙げることができる。但し、カリウムはナトリウムと同様に少なければ少ないほど好ましく、その下限値として0重量%を挙げることができる。通常、カリウム含量として0.0001重量%(1ppm)〜0.5重量%の範囲から選択することができる。
 製法により異なるが、一般的な乳清タンパクのナトリウム含量は0.5〜1.5重量%であり、またカルシウム含量は0.5重量%以下である。これからわかるように、上記本発明で用いる乳清タンパク質は、ナトリウム含量(またはナトリウムとカリウムとの総量)とカルシウム含量において、通常の乳清タンパク質とは、ナトリウム及びカルシウムの含有量が異なる。かかる乳清タンパク質の特徴〔ナトリウム含量またはナトリウムとカリウムとの総量が通常の乳清タンパク質に比して少ないこと、並びにカルシウム含量が通常の乳清タンパク質に比して多いこと〕が、本発明の効果(組織破壊抑制、離水防止、並びに卵加工食品に対するソフト感の付与)に有効に寄与しているものと考えられる。更に、かかる乳清タンパク質は、ナトリウム含量またはナトリウムとカリウムとの総量が少ないことに起因して起泡性がよく、またカルシウム含量が多いことに起因して形成された気泡が経時的安定性に優れるという点で、本発明において起泡剤として好適に用いることができる。
 また本発明において、特に含気処理して調製される卵加工食品には、上記特定の塩含量を備え、さらに脂肪含量が1重量%以下の乳清タンパク質を用いることが好ましい。一般的な乳清タンパク質の脂肪含有量は3〜10重量%であることから、かかる乳清タンパク質は、塩含量に加えて脂肪含有量において通常の乳清タンパク質と異なるものである。脂肪含有量は少なければ少ないほど好ましく、その理想値として0重量%を挙げることができる。より好ましい脂肪含有量としては0.0001重量%(1ppm)〜1重量%を挙げることができる。なお、当該乳清タンパク質は、上記特定の塩含量に加えてかかる脂肪含量の少なさに起因して、起泡性及び気泡安定性を発揮するものと思われる。
 本発明において用いられる乳清タンパク質は、本発明の効果に点からは、そのタンパク質含量を特に問うものではないが、タンパク質を80重量%以上の割合で含んでいることが好ましい。より好ましくは乳清タンパク質100重量%中にタンパク質を80〜95.85重量%の割合でタンパク質を含むものである。
 また乳清タンパク質のpHは特に制限されないが、pH6〜12、特にpH9〜11の範囲にあるものを好適に用いることができる。
 本発明で用いられる乳清タンパク質は、乳から調製される乳清(ホエー)を、上記塩含量を備えるように、好ましくは上記塩含量に加えてさらに脂肪含量を備えるように、より好ましくは上記塩含量及び脂肪含量に加えて更にタンパク質含量及びpHのうち少なくとも1つを備えるように、乳から調製される乳清(ホエー)を前述する慣用方法を利用して濃縮し精製することによって調製することができる。また濃縮精製後に、上記特定の塩含量を備えるように、好ましくは上記塩含量に加えてさらに脂肪含量を備えるように、より好ましくは上記塩含量及び脂肪含量に加えて更にタンパク質含量及びpHのうち少なくとも1つを備えるように、各種塩、脂肪、またはタンパク質を添加若しくは除去したり、またpH調整を行うことによっても調製することができる。
 本発明の卵加工食品は、原材料として上記特定の塩含量を有する乳清タンパク質を用いることに基づいて、冷凍解凍といった過酷条件下での処理が施された場合であっても組織破壊による組織の荒れが抑制され、且つ保存時や解凍時での離水が有意に防止されるという効果を有している。なお、ここで過酷条件下での処理には、上記するように冷凍解凍処理を好適に例示することができるが、他にレトルト殺菌等の加熱処理を挙げることができる(本明細書において、以下同じ)。
 かかる本発明の卵加工食品は、原材料として対象の卵加工食品の調製に通常使用される原材料に加えて上記の乳清タンパク質を用いて、当該卵加工食品の調製に通常用いられる方法に従って調製することができる。ここで乳清タンパク質の配合割合としては、卵加工食品中に乳清タンパク質が少なくとも0.5重量%含まれるような割合を挙げることができる。好ましくは1重量%以上の割合である。なお、乳清タンパク質の配合割合の上限は、組織の荒れ抑制効果や離水防止効果の観点からは特に制限されない。但し、風味の点からは、最終的に調製される卵加工食品に、乳清タンパク質が30重量%以下、好ましくは20重量%以下の割合で含まれるように調整することが好ましい。
 上記卵加工食品には、乳清タンパク質に加えてさらに増粘多糖類を配合することができる。増粘多糖類の配合により、上記乳清タンパク質の配合による卵加工食品の組織の荒れ抑制効果や離水防止効果をより高めることができる。
 ここで増粘多糖類としては、グァーガム、ゼラチン、ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、タマリンドシードガム、タラガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、プルラン、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはそのナトリウム塩、微結晶セルロース、ファーセレラン等が挙げられる。これらは1種単独で使用されてもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。好ましい増粘多糖類は、加温せず水に溶解するものである。かかるものとしては、例えばグァーガム、キサンタンガム、及び水可溶性カラギナンを挙げることができる。
 増粘多糖類の配合割合としては、使用する増粘多糖類の種類、または最終的な卵加工食品に求められる食感の違いによって種々異なり一概に規定することはできないが、最終卵加工食品100重量%中に増粘多糖類が通常0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜5重量%、より好ましくは0.03〜3重量%の範囲で含まれるような割合を例示することができる。
 また本発明の卵加工食品には、原材料として前記乳清タンパク質を含有するものであって、気泡を有するように含気させて調製されるものが含まれる(気泡含有卵加工食品)。こうして調製される気泡含有卵加工食品は、ソフトでなめらかな食感を有している。また、当該卵加工食品は、冷凍解凍等といった過酷条件下での処理が施された場合でも、組織破壊による組織の荒れ、並びに保存時や解凍時の離水が有意に防止できるという効果を有している。その結果、当該卵加工食品は、上記冷凍解凍等の過酷条件下での処理による品質劣化を有意に抑制することができ、かかる処理が施された場合であっても、処理前のソフトでなめらかな卵加工食品特有の食感並びに味を保持することができる。
 かかる気泡含有卵加工食品として、前述の卵加工食品の中でもオムレツ、芙蓉蟹、出し巻き卵、厚焼き卵、う巻き、スクランブルエッグ、親子丼の素及び玉子丼の素などを好適に挙げることができる。より好ましくは、オムレツ、芙蓉蟹、出し巻き卵である。
 かかる卵加工食品は、(1)上記乳清タンパク質を、卵加工食品を構成する卵を始めとする各種の原材料の一部または全てと混合して起泡化させる工程(本明細書において、かかる気泡を含ませる操作を単に「含気操作」または「含気処理」ともいう)、または(2)上記乳清タンパク質を含む水溶液を起泡化することによって所謂ホイッピング物(以下、本明細書において、乳清タンパク質含有水溶液を起泡化したものを「ホイッピング物」という)を調製し、これを、卵加工食品を構成する卵を始めとする各種の原材料と混合する工程を経て調製することができる。
 上記(1)の方法の場合、卵加工食品を構成する卵を始めとする各種原材料に配合する乳清タンパク質の割合は、通常、卵加工食品中に乳清タンパク質が少なくとも0.5重量%含まれるような割合を挙げることができる。乳清タンパク質の配合量が0.5重量%より極端に少なくなると起泡性が低下し、充分な気泡が得られなくなる。好ましくは1重量%以上の割合である。なお、乳清タンパク質の配合割合の上限は、起泡性並びに気泡安定性の観点からは特に制限されない。但し、風味の点からは、最終的に調製される卵加工食品に、乳清タンパク質が30重量%以下、好ましくは20重量%以下の割合で含まれるように調整することが好ましい。乳清タンパク質の配合割合が30重量%を極度に超えると乳の風味が強くなりすぎる傾向にあり、食品の種類によっては好ましくない場合がある。
 上記(2)の方法においてホイッピング物の調製は、具体的には乳清タンパク質(乳清タンパク質に加えて他の成分を含んでいてもよい)に冷水または水に加えて(或いは冷水または水に乳清タンパク質を加えて)、乳清タンパク質含有水溶液を調製し、これに攪拌等のホイッピング操作などにより気泡を含ませることによって実施することができる。この場合に使用する乳清タンパク質含有水溶液中に含まれる乳清タンパク質の割合は、通常少なくとも3重量%を挙げることができる。乳清タンパク質の配合割合が3重量%よりも極度に少なくなるとホイッピング物の起泡性が低下する傾向にある。好ましくは5重量%以上の割合である。なお、上記乳清タンパク質含有水溶液中に含まれる乳清タンパク質の割合の上限は、起泡性並びに気泡安定性の観点からは特に制限されない。但し、(1)の方法の場合と同様に、風味の点からは、最終的に調製される卵加工食品中に含まれる乳清タンパク質の割合が30重量%以下、好ましくは20重量%以下となるように調整することが好ましい。
 卵加工食品を構成する卵を始めとする各種原材料に配合する上記ホイッピング物の割合は、(1)の方法の場合と同様に、最終卵加工食品中に、乳清タンパク質が少なくとも0.5重量%、好ましくは1重量%以上含まれるような割合を挙げることができる。
 また、(2)の場合に調製されるホイッピング物は、例えば、それが乳清タンパク質と水のみで構成される場合(乳清タンパク質水溶液でホイッピング物を調製する場合)、その1ml中の重量(g){重量(g)/体積(ml)}が0.1〜0.4(g/ml)の範囲になるように含気操作を制御・調整することが好ましい。その値が0.1(g/ml)より小さくなるに従ってホイッピング物の気泡の安定性が低下する傾向にあり、また0.4より大きくなると、ホイッピング物に充分に気泡を含むことができなくなるので、最終的な卵加工食品の食感のソフト感が低くなる傾向がある。なお、ホイッピング物の調製に用いられる乳清タンパク質含有水溶液が、乳清タンパク質と水に加えて他成分から構成される場合は、必ずしも上記の範囲に当てはまる必要はないが、他成分配合による水溶液1ml中の重量(g)変化を考慮して、上記範囲を目安として含気操作を制御・調整することが好ましい。
 上記卵加工食品を構成する原材料または上記ホイッピング物は、乳清タンパク質及び卵以外の成分として、前述する増粘多糖類を配合することができる。更に、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、澱粉、乳化剤、調味料、着香料、着色料、甘味料、酸味料、ベーキングパウダー、脱脂粉乳、日持ち向上剤、保存料、酸化防止剤、または他の起泡剤(例えば、卵白、大豆蛋白質、グルテン分解物等の小麦由来の蛋白質、サポニン、乳ペプチドなど)等、任意の成分を含んでいてもよい。特に増粘多糖類の配合は、乳清タンパク質の起泡化効果並びに気泡安定化効果を向上させることによって、よりソフトな食感を有する卵加工食品を調製する上で有用である。また、上記乳清タンパク質が有するスポンジ化(組織の荒れ)抑制効果や離水防止効果をより高めることができる点で有用である。
 増粘多糖類は、前述する増粘多糖類を1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。好ましい増粘多糖類は、乳清タンパク質と併用することによって得られる気泡安定効果に特に優れた好適な増粘多糖類であって、加温せず水に溶解するものである。かかるものとしては、例えばグァーガム、キサンタンガム、及び水可溶性カラギナンを挙げることができる。
 乳清タンパク質と増粘多糖類を併用する場合、本発明の卵加工食品は、(a)上記乳清タンパク質と増粘多糖類を、卵を始め、卵加工食品を構成するその他の原材料の一部または全てと混合して含気処理し、更に前者の場合(各種材料の一部を混合する場合)は、次いで残りの材料を混合する方法、(b)上記乳清タンパク質と増粘多糖類を含有する水溶液を含気処理してホイッピング物を調製し、これを、卵を始め、卵加工食品を構成する各種原材料と混合する方法、(c)上記乳清タンパク質を含む水溶液を含気処理してホイッピング物を調製し、これを卵、並びに増粘多糖類を含む卵加工食品の各種原材料と混合する方法等によって調製することができる。
 この場合、増粘多糖類の配合割合としては、使用する増粘多糖類の種類、または最終的な卵加工食品に求められる食感の違いによって種々異なり一概に規定することはできないが、最終卵加工食品100重量%中に、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜3重量%、より好ましくは0.03〜1重量%の範囲で増粘多糖類が含まれるような割合を例示することができる。なお、この限りにおいて、上記(b)の方法の場合に用いられるホイッピング物中の増粘多糖類の含有割合は特に制限されないが、乳清タンパク質と増粘多糖類を含有する水溶液に含まれる増粘多糖類の割合として、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜3重量%、より好ましくは0.03〜1重量%を挙げることができる。
 本発明において対象物に気泡を含ませる操作(含気操作、含気処理)は、結果として卵加工食品またはホイッピング物の内部に気泡が入る方法であれば特に制限されず、例えば各種の慣用の攪拌機(ホイッパー、ビーダー、ミキサー、カッティングマシーン等)を用いて気泡を抱き込むように対象物を攪拌するか、または気泡を吹き込みながら対象物を攪拌する方法、各種の泡立て器を用いて対象物を泡立てる方法等を任意に用いることができる。
 上記の気泡含有卵加工食品は、上記含気処理を含む工程に加えて、対象とする卵加工食品の種類や用途に応じて、これらの食品の製造に使用される慣用の加工方法(例えば、焼成並びに冷却等)で処理することによって調製することができる。
 上記で説明する本発明の卵加工食品(気泡含有卵加工食品を含む)は、加熱調理後、容器に充填包装した後、殺菌処理を施すことができる。ここで容器にはレトルトパウチ、真空パック、アルミ容器、ビニル容器、瓶、缶などを区別することなく用いることができる。また、殺菌処理としては、一般に食品加工食品に適用される殺菌方法(例えば、加熱殺菌、紫外線殺菌及び放射線殺菌等)のいずれをも採用することができる。例えば、加熱殺菌としては、110〜140℃の高温で行う高温殺菌(高圧殺菌)及び62〜95℃の温度で行う低温殺菌を挙げることができる。このように殺菌処理された本発明の卵加工食品は、その後、常温、冷蔵または冷凍条件下で保存された場合でも、離水が有意に抑制されて卵加工食品本来の食感や風味の低下が防止できるという効果を有している。中でも気泡含有卵加工食品は、殺菌処理後、常温、冷蔵または冷凍条件下で保存された場合でも、良好なソフトで滑らかな食感を備えているという効果を備えている。
 また、本発明の卵加工食品(気泡含有卵加工食品を含む)は、加熱調理後、必要に応じて容器に充填包装されてまた殺菌処理を施した後に、冷凍処理を施すことができる。ここで冷凍処理としては、一般に食品加工食品に適用される冷凍方法(例えば、送風凍結法、接触凍結法、流動式凍結法、浸漬凍結法、浸漬ブライン凍結法、及び液体窒素凍結法等の急速凍結法)のいずれをも採用することができる。このように冷凍処理された本発明の卵加工食品は、零下(例えば-15℃以下)で保存された後、自然解凍または加熱解凍された場合でも、離水が抑制されて卵加工食品本来の食感の低下が抑制されるという効果を有している。特に気泡含有卵加工食品は、凍結後冷凍条件下で保存された場合でも、解凍後は良好なソフトで滑らかな食感を備えているという効果を備えている。
 よって本発明の卵加工食品、特に気泡含有卵加工食品は、好ましくは冷凍食品として提
供することができ、これによって本発明の効果を最大限発揮することができる。
 本発明によれば、ナトリウム含量が0.15重量%以下で、且つカルシウム含量が2.5重量%以上である乳清タンパク質を原材料の一つとして用いることにより、凍結解凍処理などの過酷条件での処理に供しても、組織破壊並びに保存や解凍時の離水による品質劣化が有意に抑制されてなる、耐処理卵加工食品(具体的には、耐冷凍卵加工食品など)を調製し提供することができる。また、本発明によれば、好適にはナトリウム含量が0.15重量%以下、カルシウム含量が2.5重量%以上、且つ脂肪含量が1重量%以下の乳清タンパク質を原材料の一つとして用いて、かつ含気処理を施すことにより、食感がソフトで口溶けがよく、また風味がまろやかな卵加工食品を調製し提供することができる。加えて、当該気泡含有卵加工食品は、冷凍解凍処理などの過酷条件での処理に供した場合でも、組織破壊や離水による品質劣化が有意に抑制され、しかも処理前のソフトな食感を保持しているため、冷凍食品として好適に調製し提供することができる。
 以下、本発明の内容を以下の実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り「部」は「重量部」を、また「%」は「重量%」意味するものとする。また、文中*印を付した商品は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の商品であることを示し、文中※印は、それが三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
 なお、各実施例で使用する乳清タンパク質の組成はそれぞれ下記の通りである:
(1)ミルプロ※WP(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)
 ナトリウム含量:0.06重量%、カルシウム含量:3.5重量%、カリウム含量:0.03重量%、脂肪含量0.9重量%、タンパク質含量:80重量%
(2)ミルプロ※LG(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)
 ナトリウム含量:0.16重量%、カルシウム含量:0.5重量%、カリウム含量:0.49重量%、脂肪含量3.6重量%、タンパク質含量76.7重量%。
 実施例1及び2、比較例1 オムレツ(別立て調製品、共立て調製品)
 表1に記載する材料を用いて(実施処方例1及び2、比較処方例1)、オムレツ(実施例1及び2、比較例1)を調製した。具体的には、実施例1及び比較例1のオムレツは、表1の実施処方例1及び比較処方例1にて記載する全ての材料をミキサーで攪拌混合して起泡させた後、フライパンで焼成して作製した(共立てオムレツ)。また実施例2のオムレツは、まず表2<ホイッピング物処方>に記載される全ての材料をハンドミキサーなどで攪拌混合して十分に角が立つまで起泡させて、乳清タンパク質からホイッピング物を調製し、次いで、得られたホイッピング物を表1の実施処方例2に記載するホイッピング物以外の全材料と均一に混合し、これをフライパンで焼成して作製した(別立てオムレツ)。
Figure 2004105180
Figure 2004105180
 上記各材料(実施処方例1及び2、比較処方例1)を用いて調製したオムレツ(実施例1及び2、比較例1)の形態を観察評価するとともに、これらのオムレツをパネラー10名に食べてもらい風味と食感についてアンケートに答えてもらった。その結果を総合して評価した結果を表3に示す。形態の観察は、焼成したオムレツを3つ折にして形を整え、その断面を見た。
Figure 2004105180
 表3の結果よりわかるように、乳清タンパク質(ナトリウム含量0.15%以下、カルシウム含量2.5%以上、脂肪含量1重量%以下)を用いて、起泡することによって、共立てまたは別立てといった起泡の別を問わず、いずれの場合も、ふわふわとソフトで非常に食感並びに風味の優れたオムレツを作ることができた。
 実施例3及び4,比較例2  冷凍オムレツ(共立て調製品)
(1)澱粉液の調製
 下記表4に記載する処方のうち、水以外の成分(粉体物)を混合して粉体混合物を調製し、次いで得られた粉体混合物を水に少しずつ加えて、プロペラ攪拌機高速にて10分間気泡が入るように攪拌し、澱粉液1〜3を製造した。
Figure 2004105180
(2)卵液の調製
 下記表5に掲げる卵液処方のうち、まず全卵以外の成分を粉体混合し、これを全卵に少しずつ加え、更にプロペラ攪拌機低速にて泡が立たないように5分間攪拌して調製した。
Figure 2004105180
(3)冷凍オムレツの調製
 表6に示す割合で、上記で調製した澱粉液と卵液を混合し、これをフライパンにて焼成してオムレツを作成した(1個あたり100g)。次いでこれを急速凍結(−20℃)して、冷凍オムレツ(実施例3及び4、比較例2)とした。
Figure 2004105180
 得られた冷凍オムレツ(実施例3及び4、比較例2)を湯せんにて解凍し、これらのオムレツの離水状況を観察するとともに、パネラー10名に食べてもらい風味と食感についてアンケートに答えてもらった。その結果を総合して評価した結果を表7に示す。
Figure 2004105180
 以上の結果から、乳清タンパク質(ナトリウム含量0.15%以下、カルシウム含量2.5%以上、脂肪含量1重量%以下)を用いて起泡化することによって、解凍による離水が有意に防止でき、しかもソフトで舌触りが滑らかなオムレツが調製できることがわかった。また、乳清タンパク質に加えて増粘多糖類を配合することにより、ソフトな食感に加えてしっとりとした重厚感がある、良好な食感のオムレツが得られた。
 実施例5及び6,比較例3及び4  冷凍出し巻き卵
(1)澱粉液の調製
 下記表8の処方のうち、まずワキシーコーンスターチ、砂糖、食塩、調味料2及び乳清タンパク質を粉体混合し、得られた粉体混合物を魚醤及び調味料1とともに水に少しずつ加え、これをプロペラ攪拌機高速で気泡が入るように10分間攪拌した。次いでこれにフィチン酸を加え、攪拌混合し、澱粉液4及び5を得た。
Figure 2004105180
(2)卵液の調製
 下記表9に掲げる処方のうち、まず全卵以外の原料を粉体混合して粉体混合物を取得し、これを全卵に少しずつ加え、プロペラ攪拌機低速で気泡が入らないように5分間攪拌して卵液を得た。
Figure 2004105180
(3)冷凍出し巻き卵の調製
 下記表10に示す割合で、上記で調製した澱粉液と卵液を混合し、これを卵焼き機にて焼成して出し巻き卵を作成した(1個あたり150g)。なお、これを焼成した出し巻き卵を急速凍結して、冷凍出し巻き卵とした(実施例5及び6、比較例3及び4)。
Figure 2004105180
 得られた冷凍出し巻き卵(実施例6、比較例4)を電子レンジ加熱(500ワット、90秒)したものについて、これらの出し巻き卵の離水状況を観察するとともに、パネラー10名に食べてもらいその食感及びその味を、解凍前の各出し巻き卵(実施例5、比較例3)と対比してもらい、アンケートに答えてもらった。その結果を総合して評価した結果を表11に示す。
Figure 2004105180
 以上の結果から、乳清タンパク質(ナトリウム含量0.15%以下、カルシウム含量2.5%以上)を配合して冷凍出し巻き卵を作成すると、解凍による離水が有意に防止できることがわかった。また、かかる冷凍出し巻き卵は、凍結解凍による組織のスポンジ化並びに離水が防止できる結果、解凍後もその食感及び味は、冷凍前の出し巻き卵と殆ど変わることなく、いずれも良好であった。
 実施例7 レトルト卵スープ
(1)卵部の調製
(1−1)澱粉液の調製
 下記表12の処方のうち、まず水にワキシーコーンスターチ及びトレハロースを加えて80℃10分間加熱攪拌溶解し、砂糖、食塩を加え80℃5分加熱攪拌溶解する。これを60℃以下まで攪拌しながら冷却後、乳清タンパク質を加えて、これをプロペラ攪拌機高速で気泡が入るように10分間攪拌した。次いでこれにフィチン酸を加え、攪拌混合し、澱粉液を得た。
Figure 2004105180
(1−2)卵液の調製
 下記表13に掲げる処方のうち、まず水にワキシーコーンスターチ及びトレハロースを加えて80℃10分間加熱攪拌溶解し、これにメタリン酸ナトリウムを加え、60℃以下まで攪拌しながら冷却後、これに全卵を少しずつ加え、プロペラ攪拌機低速で気泡が入らないように5分間攪拌して卵液を得た。
Figure 2004105180
(1−3)卵部の調製
 上記で調製した澱粉液6と卵液を1:2の割合に混合して卵部を得た。
 (2)スープ部の調製
 下記処方のうち、水に増粘剤を加えて、80℃10分間加熱攪拌した後、残りの原料を加えて、溶解攪拌してスープを調製した。
<スープ処方>
薄口醤油 2.0 部
魚醤(マリナージM−15、エムシ゛ーシー・マリナーシ゛(株)製)1.0
食塩 0.6
スクラロース(サンスイート※SU-100*) 0.008
調味料(サンライク※ブイヨンベース(チキン)*) 0.4
調味料(サンライク※アミノベーススーパー(N)*)     0.4
調味料(ジャンウエイハオジャン*) 0.4
オニオンパウダー 0.4
ホワイトペパーパウダー 0.03
増粘剤(サンエース※*)    0.1
香料(ローストネギオイルSV−1685*) 0.2    
水にて                    計  100.0部とする。
 (3)レトルトスープの調製
 次に下記処方割合で、スープ部を攪拌しながら、卵部を糸の様に流し入れ、150gに小分けしてアルミパウチ充填後、121℃20分レトルト殺菌し、レトルトスープを作成した。得られたスープの卵はフワっとしていて良好な食感であった。
<処方>
上記スープ部 145 部
上記卵部                5  
計                150 部
 本発明によれば、ナトリウム含量が0.15重量%以下、カルシウム含量が2.5重量%以上及び脂肪含量が1重量%以下である乳清タンパク質を起泡性食品素材として用いることにより、食感がソフトで、軽く、口溶けがよく、風味がまろやかで良好な卵加工食品(気泡含有卵加工食品)を提供することができる。また当該気泡含有卵加工食品は、凍結してその後解凍した場合でも、そのソフトでまろやかな食感及び風味を備えている。よって本発明の気泡含有卵加工食品及びその製造方法は、冷凍卵加工食品ならびにその調製法として好適に用いることができる。
 また、ナトリウム含量が0.15重量%以下で、且つカルシウム含量が2.5重量%以上の乳清タンパク質を原材料として含む卵加工食品は、冷凍処理による組織破壊ならびにその後の保存や解凍時の離水発生を有意に抑制されており、品質劣化が抑制された卵加工食品として有用である。

Claims (10)

  1. ナトリウム含量が0.15重量%以下で、且つカルシウム含量が2.5重量%以上である乳清タンパク質を含有することを特徴とする卵加工食品。
  2. 乳清タンパク質が、脂肪含量1重量%以下のものである請求項1に記載の卵加工食品。
  3. 乳清タンパク質を含有し、含気処理を行うことによって調製される請求項1または2に記載の卵加工食品。
  4. (1)乳清タンパク質、卵及び他の原材料を混合し、該混合物に気泡を含ませる工程、または(2)乳清タンパク質を含む水溶液に気泡を含ませて調製されるホイッピング物を、卵及び他の原材料と混合する工程を経て製造される、請求項3に記載の卵加工食品。
  5. 上記(1)で使用する他の原材料、並びに(2)で使用する乳清タンパク質を含む水溶液または他の原材料が、増粘多糖類を含むものである、請求項4に記載する卵加工食品。
  6. 卵加工食品が、冷凍食品である請求項1乃至5のいずれかに記載の卵加工食品。
  7. 上記冷凍食品が、オムレツ、芙蓉蟹、出し巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵、錦糸卵、う巻き、サンドイッチ用卵具材、ラーメン用卵具材、親子丼の素、玉子丼の素、茶碗蒸し及びプディングより選択されるいずれかの冷凍卵加工食品である請求項6に記載の卵加工食品。
  8. (1)乳清タンパク質、卵及び他の原材料を混合し、該混合物に気泡を含ませる工程、または(2)乳清タンパク質を含む水溶液に気泡を含ませて調製されるホイッピング物を、卵及び他の原材料と混合する工程を有する請求項3乃至7のいずれかに記載する卵加工食品の製造方法。
  9. 上記(1)で使用する他の原材料、並びに(2)で使用する乳清タンパク質を含む水溶液または他の原材料が、増粘多糖類を含むものである、請求項8に記載する卵加工食品の製造方法。
  10. ホイッピング物の調製を、乳清タンパク質と水からなる水溶液に気泡を含ませて、その重量/体積(g/ml)が0.1〜0.4となるようにして行うことを特徴とする、請求項8または9に記載する製造方法。
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