JP4536014B2 - 酸性水中油型乳化調味料の製造方法及び酸性水中油型乳化調味料を用いた焼成食品の製造方法 - Google Patents

酸性水中油型乳化調味料の製造方法及び酸性水中油型乳化調味料を用いた焼成食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼成用食品と共に焼成して用いる耐焼成に優れた新規な酸性水中油型乳化調味料及びこれを用いた焼成食品に関する。
酸性水中油型乳化調味料として代表的なマヨネーズやサラダドレッシング等は、卵黄のコク味と適度な酸味を有した優れた調味料であり、サラダの調味料として汎用されている。一方、近年、食生活の多様化に伴いマヨネーズ等の酸性水中油型乳化調味料を用いた様々なメニューが提案されるようになり、その一つとして、食パンやピザ生地等の焼成用食品と共に酸性水中油型乳化調味料が焼成された焼成食品が提案されている。
しかしながら、サラダ等に一般的に使用されているマヨネーズ、サラダクリーミードレッシング、半固体状ドレッシング等の酸性水中油型乳化調味料を単に焼成食品に用いると、油相分離を生じ外観上好ましいものが得られなかった。そこで、焼成食品用の酸性水中油型乳化調味料の開発が望まれている。このような状況下、焼成食品用の乳化調味料として例えば、特許第3443399号公報(特許文献1)には、ホスフォリパーゼA処理卵黄とオクテニルコハク酸化澱粉を含有したものが提案されている。これらの成分を含有した上記酸性水中油型乳化調味料は、優れた耐焼成を示すものであるが、その一方で、別の方法による焼成食品用の乳化調味料の開発が望まれている。
特許第3443399号公報 特開平7−255428号公報 特開平10−72号公報 特開2001−25366号公報
そこで、本発明の目的は、焼成用食品と共に焼成して用いる耐焼成に優れた酸性水中油型乳化調味料及びこれを用いた焼成食品を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、配合原料として卵白に脂肪酸を添加し均一とした脂肪酸添加卵白を用いるならば意外にも焼成しても油相分離を生じ難いものとなることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)焼成用食品と共に焼成して用いる酸性水中油型乳化調味料の製造方法であって、卵白に脂肪酸を添加し均一に混合した脂肪酸添加卵白をそのまま配合する酸性水中油型乳化調味料の製造方法
(2)前記脂肪酸添加卵白の脂肪酸の添加割合が、卵白固形分100部に対し1〜30部である(1)の酸性水中油型乳化調味料の製造方法
(3)前記脂肪酸がリパーゼ分解食用油脂由来である(1)又は(2)の酸性水中油型乳化調味料の製造方法
(4)前記脂肪酸添加卵白の配合量が、製品に対し固形分換算で0.1〜10%である(1)乃至(3)のいずれかの酸性水中油型乳化調味料の製造方法
(5)焼成用食品と共に(1)乃至(4)のいずれかの製造方法で得られた酸性水中油型乳化調味料焼成する焼成食品の製造方法
である。
なお、脂肪酸添加卵白に関しては、既に特開平7−255428号公報(特許文献2)、特開平10−72号公報(特許文献3)及び特開2001−25366号公報(特許文献4)に開示されている。しかしながら、前記特許文献2及び3は、ソフトでしなやかな卵白ゲル化物を得ることを意図とするものである。
また、前記特許文献4には、脂肪酸添加卵白が殺菌等製造で必要な程度の耐熱性を有することが開示されており、脂肪酸添加卵白を配合した乳化組成物の一つとしてマヨネーズが例示されている。しかしながら、特許文献4には、本願発明のような200℃程度と一層過激な条件で加熱され脱水を伴う乾式加熱の一種である焼成に対する耐性ついては何ら記載も示唆されていない。
本発明によれば、焼成用食品と共に焼成して用いる耐焼成に優れた新規な酸性水中油型乳化調味料及びこれを用いた焼成食品を提供できることから、焼成食品の新たな味付け等を可能とならしめ焼成食品の更なる用途拡大が期待できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明の酸性水中油型乳化調味料は、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散し水中油型に乳化され、常温流通を可能ならしめるためにpHを4.6以下に調整された酸性乳化調味料であって、本発明は、焼成用食品と共に焼成して用いるものである。ここで、焼成用食品とは、焼成食品を得るための焼成前の食品あるいは食材であって、本発明の酸性水中油型乳化調味料を除いた部分のことである。このような焼成用食品としては、例えば、食パン等の各種パン又はこれらのパン生地、ピザ生地、温野菜、グラタン用のソース等が挙げられる。
焼成用食品と共に焼成して用いる本発明の酸性水中油型乳化調味料は、脂肪酸添加卵白を配合することを特徴とする。これにより、酸性水中油型乳化調味料として代表的なマヨネーズ、サラダクリーミードレッシング、半固体状ドレッシング等では、焼成により油相分離を生じ外観上好ましくなかったが、脂肪酸添加卵白を配合することにより、油相分離が防止され、耐焼成が付与される。本発明で使用する上記脂肪酸添加卵白とは、予め卵白に脂肪酸を添加し均一に混合したものである。後述の比較例で示しているとおり、本発明の酸性水中油型乳化調味料の製造過程で両原料を別々に添加したものは、焼成により油相分離を生じたことから、本発明の脂肪酸添加卵白は、卵白と脂肪酸とが物理的親和力である例えば、静電気的親和力あるいは疎水的親和力等により結合したと思われる状態であり、当該状態により乳化調味料の耐焼成が付与されたものと推定される。
脂肪酸添加卵白の原料として使用する卵白としては、特に限定するものではないが、例えば、卵を割卵して卵黄と分離した生卵白、濾過した濾過卵白、殺菌した殺菌卵白、冷凍した冷凍卵白、濃縮した濃縮卵白、スプレードライやフリーズドライ等で乾燥した乾燥卵白等が挙げられる。さらに、本発明においては、卵白の一成分、例えば、糖分やリゾチーム等を除去した脱糖卵白、脱リゾ卵白と称されるもの、上述の各種卵白を加水分解したもの、あるいはこれらの処理を組合わせて得られたもの等も使用して良い。
また、脂肪酸添加卵白の原料として使用する脂肪酸としては、食用に供されるものであればいずれのものでも良く、例えば、炭素数10〜24の飽和あるいは不飽和のアルキル基を有する脂肪酸、具体的には、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、EPA、DHAあるいはこれらの1種又は2種以上の脂肪酸混合物等が挙げられる。また、本発明においては、動植物油脂をリパーゼで分解し遊離脂肪酸を含有したリパーゼ分解食用油脂を用いても良く、ナトリウム塩、カリウム塩等の脂肪酸塩を用いても良い。特に、リパーゼ分解食用油脂は、風味の点で好ましい。
リパーゼ分解食用油脂は、先に述べたとおり動植物油脂、例えば、菜種油、パーム油、大豆油、ゴマ油、サフラワー油、米油、ひまわり油、牛脂、豚脂等をリパーゼで分解したものであるが、本発明においては、リパーゼで分解した後、グリセリン、リパーゼ等の水溶性成分だけを分離し、油溶性成分はそのまま残した未精製の食用油脂分解物であり、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドを含むものである。また、リパーゼ分解食用油脂中の脂肪酸含有率としては、好ましくは40〜98%、より好ましくは60〜95%である。脂肪酸含有率が前記範囲より少ないと、脂肪酸以外のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの含有量が多いリパーゼ分解油脂となり、これを原料とした脂肪酸添加卵白を配合した本発明の酸性水中油型乳化調味料において、焼成用食品と共に焼成した場合、耐焼成に優れたものが得られ難く好ましくない。一方、脂肪酸含有率が前記範囲より多いと、油脂の分解に長時間を要する等効率に劣り、コストの面からも好ましくない。
上記リパーゼ分解食用油脂中の脂肪酸含有率の分析方法は、リパーゼ分解食用油脂をクロロホルムで0.1g/mLで希釈し、イアトロスキャン((株)三菱化学ヤトロン製)用シリカ棒に一定量スポットし、展開溶媒(石油エーテル:エーテル:氷酢酸=80:30:0.2(容量比))で展開後、展開された脂質を水素炎イオン化検出器(FID)で検出したクロマトグラムの脂肪酸のピーク面積の占める割合から脂肪酸含有率を算出した。なお、各成分の同定には、オレイン酸、モノオレイン酸グリセリン、ジオレイン酸グリセリン及びトリオレイン酸グリセリンを標品として用いた。
リパーゼ分解食用油脂の代表的な製造方法を説明すると、菜種油等の食用油脂100部に、酵素活性が30000〜180000ユニット/g程度のリパーゼを0.03〜0.1%となるように溶解した清水を50〜100部添加し攪拌して反応させる。食用油脂とリパーゼの反応温度は、リパーゼが熱失活せず、かつ食用油脂が液状である温度域であれば特に限定するものではないが、通常は30〜55℃が適当である。所望の脂肪酸含有率に達したら、80〜100℃で約1時間加熱しリパーゼを失活させる。次に加温静置して油溶性成分(油層)と水溶性成分(水層)に分離させた後、水溶性成分(水層)を除去し、リパーゼ分解食用油脂を得る。なお、本発明においては、上記方法に限定するものではない。
本発明で使用する脂肪酸添加卵白は、上述した卵白と、脂肪酸、好ましくはリパーゼ分解食用油脂を原料とするものであるが、卵白の固形分100部に対し脂肪酸の添加割合が、リパーゼ分解食用油脂の場合は、当該油脂中の脂肪酸換算としての添加割合が好ましくは1〜30部、より好ましくは4〜30部である。脂肪酸の添加割合が前記範囲より少ないと、これを原料とした脂肪酸添加卵白を配合した本発明の酸性水中油型乳化調味料において、焼成用食品と共に焼成した場合、耐焼成に優れたものが得られ難く好ましくない。一方、前記範囲より多いと、多くしたとしてもそれ以上の本発明の効果が得られず経済的でないからである。
脂肪酸添加卵白の代表的な製造方法を説明すると、まず、蛋白質濃度が1〜30%の液状の卵白と、脂肪酸、好ましくはリパーゼ分解食用油脂とを用意する。この液状の卵白を攪拌させながら卵白固形分100部に対し脂肪酸が1〜30部となるように脂肪酸あるいはリパーゼ分解食用油脂を添加する。添加方法は任意であるが、一般的に脂肪酸は水に溶解し難いことから、アルコール、含水アルコール又はアルカリ水溶液に溶解してから添加すると良い。アルコールあるいは含水アルコールを用いる場合は、アルコール濃度50〜100容量%のものを脂肪酸1部に対し4〜5部、アルカリ水溶液を用いる場合は、アルカリ濃度0.1〜3mol/Lのものを脂肪酸1部に対し8〜10部を目安にすると良い。また、脂肪酸あるいはリパーゼ分解食用油脂の添加、その後の均質化処理の際、この液状の卵白を35〜55℃に加温しておくと脂肪酸が分散し易いことから望ましい。次に、脂肪酸あるいはリパーゼ分解食用油脂を添加したものをホモミキサー、超音波発生機、高圧ホモゲナイザー等により処理を施し、液状の脂肪酸添加卵白を得る。さらに、当該液状の脂肪酸添加卵白をスプレードライ、フリーズドライ等で乾燥させたものは、取り扱い、保存性に優れ望ましい。
また、別の代表的な製造方法を説明すると、加熱溶解した脂肪酸あるいはリパーゼ分解食用油脂を、乾燥卵白、必要に応じ例えば、50℃程度に加温した乾燥卵白に徐々に添加あるいは噴霧し、均一に混合して製しても良い。なお、本発明の脂肪酸添加卵白は、脂肪酸が卵白に均一に添加混合されていれば良く、上記方法に限定するものではない。また、本発明の脂肪酸添加卵白には、本発明の効果を損なわない範囲で、固結防止剤、滑沢剤等の賦形剤等を含有しても良い。
以上、本発明で使用する脂肪酸添加卵白について説明したが、本発明の酸性水中油型調味料には、前記脂肪酸添加卵白を製品に対し固形分換算で0.1〜10%配合することが好ましく、0.5〜8%配合することがより好ましい。脂肪酸添加卵白の配合量が前記範囲より少ないと、焼成用食品と共に酸性水中油型乳化調味料を焼成した場合、油相分離を生じ耐焼成に優れたものが得られ難く好ましくない。一方、前記範囲より多いと油相分離は生じ難いものの焼成後の酸性水中油型乳化調味料の食感が硬くなり好ましくない。
本発明の酸性水中油型乳化食品には、脂肪酸添加卵白以外に本発明の効果を損なわない範囲で当該食品に一般的に使用されている各種原料を適宜選択し配合させることが出来る。例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂、あるいは各種スパイスオイル等の食用油脂、卵黄、ホスフォリパーゼA処理卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸処理澱粉等の乳化材、食塩、砂糖、、グルタミン酸ソーダ、醤油、味噌、核酸系旨味調味料等の各種調味料、食酢、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、柑橘果汁等の酸材、香辛料、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉又はこれらの化工澱粉、湿熱処理澱粉等の増粘材等が挙げられる。
本発明の酸性水中油型乳化食品の製造方法は、脂肪酸添加卵白を水相原料と用いる以外は酸性水中油型乳化食品であるマヨネーズ等の一般的な製造方法により調製すれば良い。例えば、本発明で使用する脂肪酸添加卵白とその他の水相原料をミキサー内で均一として水相を調製した後、当該水相を攪拌させながら油相原料である食用油脂を徐々に添加して粗乳化物を製する。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミル、高圧ホモゲナイザー等の乳化機で仕上げ乳化して酸性水中油型乳化食品を調製する。また、必要に応じ得られた酸性水中油型乳化食品に更に殺菌処理を施しても良い。
さらに、本発明は、焼成用食品と共に上記酸性水中油型乳化調味料が焼成されてなる焼成食品である。ここで、焼成用食品とは、先に述べたとおり焼成食品を得るための焼成前の食品あるいは食材であって、本発明の酸性水中油型乳化調味料を除いた部分のことである。このような焼成用食品としては、例えば、食パン等の各種パン又はこれらのパン生地、ピザ生地、温野菜、グラタン用のソース等が挙げられる。また、焼成食品は、前記焼成用食品等に本発明の酸性水中油型乳化調味料をトッピング、塗布、サンド、あるいは包含したものを焼成したものであり、焼成は、通常、オーブンやオーブントースター等の焼成機を用い約180〜250℃で2〜15分間程度行なわれる。
以下、本発明の酸性水中油型乳化食品及びこれを用いた焼成食品について、実施例及び比較例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
まず、本発明で使用する脂肪酸添加卵白の調製例を示す。
[調製例1]
<リパーゼ分解食用油脂の調製>
菜種油40kgと、酵素活性が120000ユニット/gのリパーゼを0.05%となるように溶解した清水32kgを混合し、45℃で攪拌しながら、8時間反応させ、その後90℃に加熱し同温度で1時間静置してリパーゼを失活させると同時に油溶性成分と水溶性成分を分離して水溶性成分を除去し、リパーゼ分解食用油脂(脂肪酸含有率80%)35kgを得た。
<脂肪酸添加卵白の調製>
乾燥卵白10kgを温度調節可能な攪拌機に入れ、約50℃に加温し攪拌させながら、リパーゼ分解食用油脂1kgを加熱溶解後、徐々に添加し、更に10分間攪拌し、脂肪酸添加卵白(卵白固形分100部に対し脂肪酸8部)を得た。
[調製例2]
<脂肪酸添加卵白の調製>
調製例1で得られたリパーゼ分解食用油脂100gを、エタノール濃度70容量%の含水エタノール500gに溶解し、これを45℃に加温した殺菌卵白16kg(卵白固形分2kg)にホモミキサー(高速せん断攪拌機)で攪拌しながら添加した後、更に1.5%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH9に調整した。次いでスプレードライで噴霧乾燥し、脂肪酸添加卵白(卵白固形分100部に対し脂肪酸4部)を得た。
[調製例3]
<脂肪酸添加卵白の調製>
乾燥卵白10kgを温度調節可能な攪拌機に入れ、約50℃に加温し攪拌させながら、オレイン酸500gを加熱溶解後、徐々に添加し、更に10分間攪拌し、脂肪酸添加卵白(卵白固形分100部に対し脂肪酸5部)を得た。
[実施例1〜3:酸性水中油型乳化調味料]
調製例1〜3で得られた各脂肪酸添加卵白を使用し、下記配合割合に準じ各酸性水中油型乳化調味料を調製した。つまり、水相原料である食酢、10%加塩卵黄、砂糖、脂肪酸添加卵白、食塩、水あめ、グルタミン酸ナトリウム、辛子粉及び清水をミキサーで均一に混合して水相を調製した後、当該水相を攪拌させながら油相原料であるサラダ油を徐々に添加して水中油型の粗乳化物を調製した。次に得られた粗乳化物をコロイドミルで精乳化し実施例1〜3の各酸性水中油型乳化調味料を得た。なお、実施例1は調製例1、実施例2は調製例2、実施例3は調製例3で得られた各脂肪酸添加卵白を使用した。
<実施例1〜3の酸性水中油型乳化調味料の配合割合>
油相 サラダ油 65%
水相 食酢(酸度11%) 4%
10%加塩卵黄 4%
砂糖 2%
脂肪酸添加卵白 2%
食塩 1.4%
水あめ 1%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
辛子粉 0.3%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例1:酸性水中油型乳化調味料]
実施例1で使用した脂肪酸添加卵白2%の替わりに、当該脂肪酸添加卵白の原料として使用したリパーゼ分解食用油脂(脂肪酸80%)を油相原料として0.2%配合し、また乾燥卵白を水相原料として1.8%配合した下記配合割合に準じ比較例1の酸性水中油型乳化調味料を調製した。つまり、水相原料である食酢、10%加塩卵黄、砂糖、乾燥卵白、食塩、水あめ、グルタミン酸ナトリウム、辛子粉及び清水をミキサーで均一に混合して水相を調製した。サラダ油を約50℃に加温しリパーゼ分解食用油脂を溶解して油相を調製した。次に前記水相を攪拌させながら油相を徐々に添加して水中油型の粗乳化物を調製した。次に得られた粗乳化物をコロイドミルで精乳化し比較例1の酸性水中油型乳化調味料を得た。
<比較例1の酸性水中油型乳化調味料の配合割合>
油相 サラダ油 65%
リパーゼ分解食用油脂 0.2%
水相 食酢(酸度11%) 4%
10%加塩卵黄 4%
砂糖 2%
乾燥卵白 1.8%
食塩 1.4%
水あめ 1%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
辛子粉 0.3%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例2:酸性水中油型乳化調味料]
実施例1で使用した脂肪酸添加卵白2%の替わりに、当該脂肪酸添加卵白の原料として使用したリパーゼ分解食用油脂0.2%及び乾燥卵白1.8%を水相原料として別々に配合した下記配合割合に準じ比較例2の酸性水中油型乳化調味料を調製した。つまり、水相原料である食酢、10%加塩卵黄、砂糖、乾燥卵白、食塩、水あめ、グルタミン酸ナトリウム、辛子粉及び清水をミキサーで均一に混合した後、リパーゼ分解食油脂を添加混合して水相を調製した。次に前記水相を攪拌させながら油相原料であるサラダ油を徐々に添加して水中油型の粗乳化物を調製した。次に得られた粗乳化物をコロイドミルで精乳化し比較例2の酸性水中油型乳化調味料を得た。
<比較例2の酸性水中油型乳化調味料の配合割合>
油相 サラダ油 65%
水相 食酢(酸度11%) 4%
10%加塩卵黄 4%
砂糖 2%
乾燥卵白 1.8%
リパーゼ分解食用油脂 0.2%
食塩 1.4%
水あめ 1%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
辛子粉 0.3%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[実施例4〜6並びに比較例3〜4:焼成食品]
実施例1〜3並びに比較例1〜2で得られた各酸性水中油型乳化調味料を焼成用食品である食パンと共に焼成し焼成食品を調製した。つまり、実施例1〜3並びに比較例1〜2で得られた各酸性水中油型乳化調味料30gを食パンに塗り、オーブントースターで約220℃で3分間焼成し各焼成食品を調製した。
得られた各焼成食品の酸性水中油型乳化調味料部分の状態を観察したところ、比較例1〜2で得られた各酸性水中油型乳化調味料を使用した比較例3〜4の各焼成食品は、油相分離が多数観察されたのに対し、実施例1〜3で得られた各酸性水中油型乳化調味料を使用した実施例4〜6の各焼成食品は、油相分離が観察されなかった。この結果より、脂肪酸添加卵白を配合した実施例1〜3の各酸性水中油型乳化調味料は、前記脂肪酸添加卵白の原料として使用した脂肪酸及び卵白を別々に配合した比較例1〜2のものに比べ、耐焼成に優れていることが理解される。

Claims (5)

  1. 焼成用食品と共に焼成して用いる酸性水中油型乳化調味料の製造方法であって、卵白に脂肪酸を添加し均一に混合した脂肪酸添加卵白をそのまま配合することを特徴とする酸性水中油型乳化調味料の製造方法
  2. 前記脂肪酸添加卵白の脂肪酸の添加割合が、卵白固形分100部に対し1〜30部である請求項1記載の酸性水中油型乳化調味料の製造方法
  3. 前記脂肪酸がリパーゼ分解食用油脂由来である請求項1又は2記載の酸性水中油型乳化調味料の製造方法
  4. 前記脂肪酸添加卵白の配合量が、製品に対し固形分換算で0.1〜10%である請求項1乃至3のいずれかに記載の酸性水中油型乳化調味料の製造方法
  5. 焼成用食品と共に請求項1乃至4のいずれかの製造方法で得られた酸性水中油型乳化調味料焼成する焼成食品の製造方法
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