JP4527016B2 - 酸性水中油型乳化食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した低蛋白、高カロリーの酸性水中油型乳化食品に拘らず、簡便な製造方法により乳化状態の保存安定性が改善され長期間保存しても乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品を提供できる酸性水中油型乳化食品の製造方法に関する。
例えば、腎臓病者は、腎臓機能の低下により、腎臓病者向けの加工食品としては、低蛋白、低ミネラル、高カロリーとなるように商品設計することが要望されている。腎臓病者向けのマヨネーズや乳化ドレッシング等の酸性水中油型乳化食品を商品設計する場合も同様とする必要があるが、マヨネーズや乳化ドレッシング等の酸性水中油型乳化食品は、商品設計上ミネラル分を少なくすることは比較的容易であることから、低蛋白で高カロリーとなるように蛋白質の含有量を少なくし食用油脂を高濃度とする必要がある。
一方、卵黄は、卵黄リン脂質、卵黄油およびコレステロール等の卵黄脂質と卵黄蛋白との複合体からなる卵黄リポ蛋白質を主成分としており、当該卵黄リポ蛋白質は優れた乳化力を有することから、酸性水中油型乳化食品の乳化材として従来より汎用されている。また、卵黄は、その主成分が脂質と蛋白質の複合体であるリポ蛋白質であることから、酸性水中油型乳化食品においては、乳化材と共にコク味付与材としても用いられている。
しかしながら、腎臓病者向け等、蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した酸性水中油型乳化食品を得るために、単に乳化材として汎用されている卵黄の配合量を減らし、また従来の製造方法、具体的には、食酢等の酸材の全量、卵黄等の乳化材、並びにその他の水相原料を均一に混合して水相を調製し、その後、当該水相を攪拌させながら油相である食用油脂を徐々に注加して乳化させる従来の方法を用いたのでは、長期間にわたり乳化安定性を維持できないとの問題があった。
特開2001−309761号公報
そこで、本発明の目的は、蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した低蛋白、高カロリーの酸性水中油型乳化食品に拘らず、長期間保存しても乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく卵黄と併用する乳化材、並びに乳化処理工程について鋭意研究を重ねた。その結果、乳化材として卵黄とオクテニルコハク酸化処理澱粉を用い、従来法である食酢等の酸材を全量含有した水相と食用油脂を含有した油相を単に乳化して酸性水中油型乳化食品を製造するのではなく、製品のpHより特定以上高い状態で一旦、水中油型乳化物を製した後に、酸材を添加してpH調整するならば、意外にも、蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した低蛋白、高カロリーの酸性水中油型乳化食品に拘らず、簡便な製造方法により乳化状態の保存安定性が改善され長期間にわたり乳化安定性に優れた乳化食品が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 製品に対し蛋白質が0.5%以下、サラダ油が60%以上含有した酸性水中油型乳化食品の製造方法であって、卵黄及びオクテニルコハク酸化処理澱粉を含有した水相とサラダ油を含有した油相とを製品のpHより0.5以上高い状態で乳化処理を施して水中油型乳化物を製した後に、酸材を添加してpHを調整する酸性水中油型乳化食品の製造方法、
(2) 前記卵黄がホスフォリパーゼA処理卵黄である(1)の酸性水中油型乳化食品の製造方法、
(3) 前記酸材が食酢である(1)又は(2)の酸性水中油型乳化食品の製造方法、
(4) 製品に対し前記卵黄の含有量が生卵黄換算で0.5〜3%である(1)乃至(3)のいずれかの酸性水中油型乳化食品の製造方法、
(5) 製品に対し前記オクテニルコハク酸化処理澱粉の含有量が0.1〜5%である(1)乃至(4)のいずれかの酸性水中油型乳化食品の製造方法、
である。
なお、卵黄とオクテニルコハク酸化処理澱粉を含有した酸性水中油型乳化食品については、既に、特開2001−309761号公報(特許文献1)に乳化タイプドレッシングとして開示されている。しかしながら、特許文献1の例えば、実施例記載の各酸性水中油型乳化食品はいずれも、本願発明に比べ卵黄(リゾ化卵黄)の含有量が多く、食用油脂の濃度は少ないものである。また、特許文献1に開示の製造方法は、食酢等の酸材を全量含有した水相と、油相である食用油脂とを単に乳化して製する従来法である。したがって、蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した低蛋白、高カロリーの本願発明の酸性水中油型乳化食品おいて、特許文献1に開示の方法では、結局のところ長期間にわたり乳化安定性を維持できないとの問題があった。
本発明の製造方法によれば、蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した低蛋白、高カロリーの酸性水中油型乳化食品に拘らず、簡便な製造方法により乳化状態の保存安定性が改善され長期間保存しても乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明で得られる酸性水中油型乳化食品は、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散し水中油型に乳化され、常温流通を可能ならしめるためにpHを4.6以下に調整された酸性乳化食品である。また、本発明の酸性水中油型乳化食品は、蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した低蛋白、高カロリーの、具体的には、製品に対し蛋白質が0.5%以下、食用油脂が60%以上含有したものである。このような酸性水中油型乳化食品としては、代表的には、例えば、マヨネーズ、乳化ドレッシング等の酸性水中油型乳化調味料等が挙げられるが、本発明は、これらの乳化食品に限定するものではない。また、上記蛋白質の含有量は、蛋白質の定量として一般的用いられているケルダール分解法によって定量した全窒素量に「窒素−たんぱく質換算係数」である6.25を乗じて算出した値である。したがって、本発明の上記蛋白質には、ペプタイドやアミノ酸も含まれる。
本発明は、上記酸性水中油型乳化食品の製造方法において、卵黄及びオクテニルコハク酸化処理澱粉を含有した水相と食用油脂を含有した油相とを製品のpHより0.5以上高い状態で乳化処理を施して水中油型乳化物を製した後に、酸材を添加してpHを調整することを特徴とする。
ここで、本発明で用いる卵黄としては、マヨネーズ等の酸性水中油型乳化食品において、乳化材として一般的に用いている卵黄であれば特に限定するものではない。例えば、鶏卵を割卵し卵白と分離して得られた生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩若又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。また、本発明では、鶏卵を割卵して得られる全卵、あるいは卵黄と卵白とを任意の割合で混合したもの、あるいはこれらに上記処理を施したもの等を用いても良い。特に、ホスフォリパーゼAまたはホスフォリパーゼAで酵素処理したホスフォリパーゼA処理卵黄が、より長期間保存しても乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品が得られ易いことから好ましい。
上記ホスフォリパーゼA処理卵黄は、卵黄の主成分である卵黄リポ蛋白質(卵黄リン脂質、卵黄油およびコレステロール等の卵黄脂質と卵黄蛋白の複合体)の構成リン脂質にリン脂質分解酵素であるホスフォリパーゼAあるいはホスフォリパーゼAを作用させてリン脂質の1位あるいは2位の脂肪酸残基を加水分解してリゾリン脂質とした卵黄をいう。また、ホスフォリパーゼA処理卵黄の前記酵素処理による加水分解の程度としては、リゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計量に対するリゾホスファチジルコリンの割合がイアトロスキャン法(TLC−FID法)で分析した場合、その値(本発明の「リゾ化率」)が、10〜80%が好ましく、30〜70%がより好ましい。前記範囲のリゾ化率を有するホスフォリパーゼA処理卵黄を用いることで、より長期間保存しても乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品が得られ易いからである。
卵黄の含有量は、本発明の酸性水中油型乳化食品の蛋白質含有量が0.5%以下であること、酸性水中油型乳化食品の食味の調整に使用されるグルタミン酸ソーダや核酸系旨味調味料等の蛋白質系調味料の含有量、並びに本発明の目的とする長期間保存しても乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品を得ることを考慮し、製品に対し生卵黄換算で0.5〜3%が好ましく、1〜2.5%がさらに好ましい。含有量が前記値より少ないと、後述する本発明の製造方法を行なったとしても長期間にわたり乳化安定性が維持されたものが得られ難く、一方、含有量を前記値より多くすると、本発明の蛋白質の含有量が制限されていることから、本発明の酸性水中油型乳化食品が適度な食味を有する程度に蛋白質系調味料を含有させることが難しく好ましくない。なお、生卵黄には蛋白質が16.5%含有している(五訂食品成分表2001、女子栄養大学出版部発行より)。また、卵白を含有した全卵等を用いた場合は、当該卵黄部分が上記卵黄の含有となる。
また、本発明で用いるオクテニルコハク酸化処理澱粉とは、澱粉を加水して懸濁液とし、これに無水オクテニルコハク酸を添加して反応された後乾燥して得られる乳化性を有する化工澱粉である。澱粉は、D−グルコースがα−1,4結合した直鎖状の分子であるアミロースと、D−グルコースのα−1,4結合とα−1,6結合を有する分岐状の分子であるアミロペクチンの2種類の分子から構成されている。オクテニルコハク酸化処理澱粉は、前記アミロース、アミロペクチン又はこれらの混合物を原料澱粉として製せられたものであり、本発明ではいずれの原料澱粉より製せられたものを用いても良い。また、本発明で用いるオクテニルコハク酸化処理澱粉としては、原料澱粉において、澱粉そのものばかりでなく当該澱粉の加水分解物より製せられたものも含まれる。この場合、乳化材として使用する本発明のオクテニルコハク酸化処理澱粉の乳化安定性の点で澱粉の分解程度を示すDE(デキストロースエキュイバレント)が5以下のものが好ましい。
オクテニルコハク酸化処理澱粉の含有量は、本発明の目的とする長期間保存しても乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品を得るために、製品に対し0.1〜5%が好ましく、0.2〜3%がさらに好ましい。含有量が前記値より少ないと、後述する本発明の製造方法を行なったとしても長期間にわたり乳化安定性が維持されたものが得られ難く、一方、含有量を前記値より多くすると、オクテニルコハク酸化処理澱粉由来の食味が感じられる場合があり好ましくない。
また、本発明で用いる食用油脂としては、食品に供される油脂であればいずれのものでも良い。このような食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂、あるいは各種スパイスオイル等調味油等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いると良い。また、本発明において、食用油脂の含有量は、製品に対して60%以上であるが、より高カロリーの酸性水中油型乳化食品とするために好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上である。
また、本発明で用いる酸材としては、食品に供されるものであればいずれのものでも良く、例えば、酢酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸、あるいは前記有機酸を主成分として含有した食酢、柑橘果汁等の天然原料等が挙げられる。特に、食酢は、酢酸を主成分としたもので、安価でpHを効率よく下げることができることから好ましい。
以上、本発明の製造方法で用いる必須の原料について説明したが、本発明は、、更に当該製造方法に特徴を有する。本発明の製造方法は、まず、卵黄及びオクテニルコハク酸化処理澱粉を含有した水相と食用油脂を含有した油相とを製品のpHより0.5以上、好ましくは0.8以上高い状態で乳化処理を施して水中油型乳化物を製する。つまり、本発明は、製品のpHより0.5以上、好ましくは0.8以上高い状態を維持したままで水相と油相を乳化して水中油型乳化物を製する。
従来の酸性水中油型乳化物の製造方法は、一般的に、まず食酢等の酸材の全量、卵黄等の乳化材、並びにその他の水相原料を均一に混合して水相を調製し、その後、当該水相を攪拌させながら油相である食用油脂を徐々に注加して粗乳化物を製する。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミル、高圧ホモゲナイザー等の乳化機で精乳化して酸性水中油型乳化食品を製している。したがって、水相と油相を乳化する際には、既に水相に全量の酸材が含有され製品のpHと略同等のpHを有した水相を用いていることから、製品のpHと略同等の状態で水相と油相が乳化されている。
これに対し、本発明の製造方法は、製品のpHより0.5以上、好ましくは0.8以上高い状態で水相と油相との乳化処理を施す。これにより、後述の試験例に示しているとおり蛋白質の含有量が少なく食用油脂を高濃度含有した低蛋白、高カロリーの酸性水中油型乳化食品に拘らず、乳化状態の保存安定性が改善され長期間にわたり乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品が得られる。具体的な製造方法としては、乳化後の乳化物のpHと乳化前の水相のpHが略一致することから、水相を調製する際に、酸材の全量を含有させないか、あるいは一部しか含有せずに卵黄及びオクテニルコハク酸化処理澱粉を含有した水相のpHを製品である酸性水中油型乳化食品のpHより0.5以上、好ましくは0.8以上高くなるように調節し水相を調製する。そして、このように製品のpHより高い状態の水相を用い、常法に則り、当該水相を攪拌させながら油相である食用油脂を徐々に注加して乳化することにより、水相と油相とを製品のpHより高い状態で乳化処理を施すこととなり、本発明の水中油型乳化物である粗乳化物が得られる。
次に、本発明は、酸材を添加してpHを調整し、酸性水中油型乳化食品を製造する。具体的には、水相と油相とを乳化した上記本発明の水中油型乳化物である粗乳化物に酸材を添加して製品のpHに調整し、当該pH調整後の粗乳化物に精乳化を施して酸性水中油型乳化食品を製造する。あるいは粗乳化物に精乳化を施して精乳化物を製した後、当該精乳化物に酸材を添加して製品のpHに調整し酸性水中油型乳化食品を製造すると良い。
以上、本発明の酸性水中油型乳化食品の製造方法に説明したが、本発明は、本発明の効果を損なわない範囲で酸性水中油型乳化食品に使用される各種原料を適宜選択し含有させることが出来る。例えば、食塩、砂糖、醤油、味噌、核酸系旨味調味料等の各種調味料、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、香辛料、色素等が挙げられる。
以下、本発明の酸性水中油型乳化食品について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
下記に示す配合割合で仕上がり100kgの酸性水中油型乳化食品を製した。つまり、生卵黄、食塩、オクテニルコハク酸化処理澱粉(ワキシコーンスターチを原料澱粉としたもの)、砂糖、グルタミン酸ソーダ、核酸系旨味調味料、濃縮レモン果汁及び清水をミキサーで均一に混合し食酢を除く水相を調製した。得られた水相部のpHは4.4であった。次に前記水相を攪拌させながら油相であるサラダ油を徐々に注加して水中油型乳化物である粗乳化物を製した。次いで、得られた粗乳化物に酸材である食酢を添加混合した後にコロイドミルで精乳化し酸性水中油型乳化食品を得た。そして、得られた酸性水中油型乳化食品を500mL容量の可撓性容器に充填した。なお、粗乳化物、粗乳化物に酸材である食酢を添加混合したもの及び酸性水中油型乳化食品のそれぞれのpHは4.5、3.6及び3.6であった。また、蛋白質含有量は、約0.35%であった。
<配合割合>
油相 サラダ油 75%
水相 生卵黄 1.5%
食塩 1%
砂糖 0.5%
オクテニルコハク酸化処理澱粉 0.4%
グルタミン酸ソーダ 0.1%
濃縮レモン果汁 0.1%
核酸系旨味調味料 0.01%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
小計 95%
食酢(酸度9%) 5%
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた酸性水中油型乳化食品は、長期間にわたり乳化安定性に優れていた。
[実施例2]
実施例1において、生卵黄に換えてホスフォリパーゼA処理卵黄(生卵黄をホスフォリパーゼAで酵素処理したもの、リゾ化率40%)を用いた以外は、実施例1と同様の製造方法で酸性水中油型乳化食品を製した。なお、粗乳化物、粗乳化物に酸材である食酢を添加混合したもの及び酸性水中油型乳化食品のそれぞれのpHは4.4、3.6及び3.6であった。また、蛋白質含有量は、約0.35%であった。
得られた酸性水中油型乳化食品は、長期間にわたり乳化安定性に優れていた。
[比較例1]
実施例1において、生卵黄を含有させず、オクテニルコハク酸化処理澱粉の含有量を1%と増加した以外は、実施例1と同様の製造方法で酸性水中油型乳化食品を製した。なお、粗乳化物、粗乳化物に酸材である食酢を添加混合したもの及び酸性水中油型乳化食品のそれぞれのpHは4.5、3.6及び3.6であった。また、蛋白質含有量は、約0.1%であった。
得られた酸性水中油型乳化食品は、実施例1及び2で得られたものと比較し、明らかに乳化安定性が劣るものであった。
[比較例2]
実施例2において、水相の調製の際に、オクテニルコハク酸化処理澱粉を含有させず、また食酢の全量を配合して水相を調製した。得られた水相部のpHは3.6であった。次に前記水相を攪拌させながら油相であるサラダ油を徐々に注加して水中油型乳化物である粗乳化物を製した。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミルで精乳化し酸性水中油型乳化食品を得た。そして、得られた酸性水中油型乳化食品を500mL容量の可撓性容器に充填した。なお、粗乳化物及び酸性水中油型乳化食品のpHはいずれも3.6であった。また、蛋白質含有量は、約0.35%であった。
得られた酸性水中油型乳化食品は、実施例1及び2で得られたものと比較し、明らかに乳化安定性が劣るものであった。
[比較例3]
実施例1において、水相の調製の際に、食酢の全量を配合して水相を調製した。得られた水相部のpHは3.6であった。次に前記水相を攪拌させながら油相であるサラダ油を徐々に注加して水中油型乳化物である粗乳化物を製した。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミルで精乳化し酸性水中油型乳化食品を得た。そして、得られた酸性水中油型乳化食品を500mL容量の可撓性容器に充填した。なお、粗乳化物及び酸性水中油型乳化食品のpHはいずれも3.6であった。また、蛋白質含有量は、約0.35%であった。
得られた酸性水中油型乳化食品は、実施例1及び2で得られたものと比較し、長期間にわたり乳化安定性に優れたものとは言い難いものであった。
[試験例]
実施例1及び2、並びに比較例1乃至3で得られた各酸性水中油型乳化食品を45℃で保存し、乳化状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
Figure 0004527016
表1より、卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉を用い製品のpHより0.5以上高い状態で乳化処理を施した実施例1及び2の酸性水中油型乳化食品は、卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉を用いなかった、および/または製品のpHより0.5以上高い状態で乳化処理を施さなかった比較例1乃至3の酸性水中油型乳化食品と比較し、長期間保存しても乳化安定性に優れていることが理解される。特に、卵黄としてホスフォリパーゼA処理卵黄を用いた実施例2の酸性水中油型乳化食品は、乳化安定性に優れていた。なお、実施例2で得られた酸性水中油型乳化食品は、常温で10ヶ月程度安定である。

Claims (5)

  1. 製品に対し蛋白質が0.5%以下、サラダ油が60%以上含有した酸性水中油型乳化食品の製造方法であって、卵黄及びオクテニルコハク酸化処理澱粉を含有した水相とサラダ油を含有した油相とを製品のpHより0.5以上高い状態で乳化処理を施して水中油型乳化物を製した後に、酸材を添加してpHを調整することを特徴とする酸性水中油型乳化食品の製造方法。
  2. 前記卵黄がホスフォリパーゼA処理卵黄である請求項1記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
  3. 前記酸材が食酢である請求項1又は2記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
  4. 製品に対し前記卵黄の含有量が生卵黄換算で0.5〜3%である請求項1乃至3のいずれかに記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
  5. 製品に対し前記オクテニルコハク酸化処理澱粉の含有量が0.1〜5%である請求項1乃至4のいずれかに記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
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