JP4316339B2 - 水中油型乳化物 - Google Patents

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本発明は、水中油型乳化物に関するものであり、特に、アレルゲンとなる蛋白質及び該蛋白質の分解物を実質的に含有しないため食物アレルギー体質の人も賞味できる水中油型乳化物に関する。
従来のコーヒーホワイトナー、料理用クリーム等の水中油型乳化物であるクリーム状食品は、熱や酸による乳化破壊を生じさせないことを目的として、乳化剤及びpH調整剤の他に蛋白質及びその分解物成分を含んでいるのが一般的であった。
しかし、近年、食物アレルギーについての関心が高まっており、食物アレルギーの原因になるアレルゲンとして代表的な牛乳、卵、大豆等の蛋白質の含有量を低減させた食品の開発が望まれている。
そこで、乳化剤を工夫することにより、蛋白質の含有量を低減させた乳化組成物として、有機酸モノグリセリドと炭酸のアルカリ金属塩とを含有する乳化組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特公平3−67734号公報
しかしながら、特許文献1に係る乳化組成物については、熱や酸に対しての乳化安定性が不充分であり、コーヒーに使用した場合には特に乳化が不安定であるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、アレルゲンとなる蛋白質及び該蛋白質の分解物を実質的に含有しないことでアレルギー体質の人も賞味でき、かつコーヒーや加熱料理に添加した際の熱又は酸に対して乳化安定性に優れており、外観・風味も良好な水中油型乳化物を提供することを目的とする。
本発明は、油脂類と、乳化剤と、クエン酸三ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及びリン酸三カリウムからなる群から選択される1種以上のアルカリ金属塩とを含有し、前記乳化剤がコハク酸モノグリセリドからなり、アレルゲンとなる蛋白質及び該蛋白質の分解物の含有量が1ppm以下であることを特徴とする水中油型乳化物を提供する。
本発明によれば、アレルギー体質の人も賞味できるようにすることを目的としてアレルゲンとなる蛋白質及び該蛋白質の分解物を実質的に含ませないこととしてもコーヒーや加熱料理に添加した際の熱又は酸に対して乳化安定性に優れ、外観・風味も良好な水中油型乳化物とすることができる。
本発明の水中油型乳化物は、油脂類と、乳化剤であるコハク酸モノグリセリドと、アルカリ金属塩(炭酸塩を除く。)とを含む組成物である。
本発明における油脂類は、一般的な食用油が挙げられる。本発明では精製食用油を用いることが好ましい。具体的には、植物性油脂やラウリン系油脂が挙げられる。その中でも、乳化安定性の点からヤシ油等のラウリン系油脂又は菜種油が好ましい。精製食用油脂中の蛋白質濃度は、日本マーガリン工業会により1ppm以下であることが規定されている。したがって、精製食用油を用いれば、蛋白質濃度が1ppm以下である水中油型乳化物を容易に作ることができる。
水中油型乳化物中の油脂含有量は、乳化物に対して10〜40質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。油脂含有量が少ないとコーヒーや加熱料理に添加した際の白濁性や風味に与える効果が低くなり、また多いと安定な水中油型乳化状態を保つことが出来なくなる。
本発明においては、乳化剤としてコハク酸モノグリセリドを用いる。
コハク酸モノグリセリドの含有量は、乳化物の安定性と風味に鑑み、乳化物に対して0.1〜2質量%が好ましい。コハク酸モノグリセリドの含有量が0.1質量%より少ないと乳化が不安定となり、2質量%より多いと風味に影響することとなる。
本発明においては、コハク酸モノグリセリドと併せてアルカリ金属塩を使用する。このアルカリ金属塩としては、クエン酸三ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及びリン酸三カリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上のアルカリ金属塩が用いられる。その中でも、クエン酸三ナトリウム又はリン酸三カリウムが好ましい。
これらのアルカリ金属塩の含有量は、乳化物の安定性と風味に鑑み、乳化物に対して0.01〜1質量%が好ましい。これらのアルカリ金属塩の含有量が0.01質量%より少ないと乳化が不安定となり、1質量%より多いと風味に影響することとなる。
本発明の水中油型乳化物には、用途に応じて他の成分を添加することができる。例えば、練乳のように生苺にかけて食するクリーム状食品としての用途では、糖類又は糖アルコール類を含有させることにより、好ましい食味とボディー感を水中油型乳化物に与えることができる。糖類、糖アルコール類は、アレルゲンとなる蛋白質及びその分解物を実質的に含まないものであることが好ましい。その中でも、糖類としては、砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、デキストリン等が挙げられる。また、糖アルコールとしては、食品に一般に使用される糖アルコールであるソルビトール、キシリトール、エリスリトール等が挙げられる。
本発明においては、上述した成分のほかに添加物として、好ましい風味、外観、保存性を付与する目的で香料、着色料、保存料等の成分を適宜配合することができる。これらの添加物もアレルゲンとなる蛋白質及びその分解物を実質的に含まないものであることが好ましい。
本発明の水中油型乳化物を製造するには、まず溶解水にアルカリ金属塩とその他糖類等の水溶性の添加物を混合し、昇温させて水相部とする。次に、油脂類を昇温融解し、これに乳化剤であるコハク酸モノグリセリドを添加して油相部とする。そして、水相部と油相部とを混合し、ミキサーにて予備乳化させる。次に、この混合液を昇温し、均質機にて均質化させ、その後、急冷させる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、「%」は「質量%」を示す。
[実施例1]
溶解水67.3%に、アルカリ金属塩であるクエン酸三ナトリウム0.2%と上白糖2.0%とを添加し、60〜70℃に昇温させて水相部を得た。油脂類である精製ヤシ油30%を60〜70℃に昇温融解し、これに乳化剤であるコハク酸モノグリセリド0.5%を添加して油相部を得た。水相部と油相部とを混合させ、ミキサーにて予備乳化を行った。次に、この混合液を80℃まで昇温させ、均質機(三丸機械工業製 流量200L/h)を用いて一段目を14.0MPa、二段目を1.0MPaの圧力にして均質化させた。その後、0〜10℃の冷蔵温度帯に急冷させて水中油型乳化物を得た。
水中油型乳化物の成分の配合量(単位 %)を表1に示す。
(評価方法)
得られた水中油型乳化物の外観の評価を行った。試料を目視観察し、凝集物が認められなかった場合を良好とした。
また、耐熱性及び耐酸性を評価するため、市販のインスタントコーヒー及び砂糖をそれぞれ2.5質量%及び3.0質量%の濃度で熱湯に溶解させ、得られたコーヒー液(85℃、pH4.77)100mLに、実施例1で得られた水中油型乳化物を2g添加し、コーヒー中の外観を目視で観察して評価した。白濁性が良く、油分が分離して表面に浮上(オイルオフ)しなかった場合を良好とした。以下、この評価方法を「コーヒーテスト」という。
結果を表1に示す。
Figure 0004316339
[実施例2−8、比較例1−4]
油脂、乳化剤、及びアルカリ金属塩の種類及び配合量並びに溶解水の配合量を種々変更した他は実施例1と同様にして、水中油型乳化物を製造した。具体的配合量を表1又は表2に示す。得られた各水中油型乳化物について実施例1と同様の評価方法を用いて、外観及びコーヒーテストについて評価した。結果を表1又は表2に示す。
Figure 0004316339
実施例1−8と比較例1の結果とを比較すると、乳化剤としてコハク酸モノグリセリドと共に、炭酸塩を除くアルカリ金属塩を添加した実施例1−8の方が、コハク酸モノグリセリドのみを添加した比較例1よりも外観・風味及びコーヒーテストの結果は良好であった。この結果から、コハク酸モノグリセリドの他にアルカリ金属塩の存在が乳化に効果的であることが確認された。
次に、実施例1−8と比較例2、3の結果とを比較すると、乳化剤にコハク酸モノグリセリドを使用した実施例1−8の方が、他の乳化剤を用いた比較例2、3よりも外観・風味及びコーヒーテストの結果は良好であった。この結果から、乳化剤として蔗糖脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルを使用した場合には乳化は安定せず、コハク酸モノグリセリドを使用すると乳化安定効果が大きくなることが確認された。
また、実施例5、8と比較例4の結果とを比較すると、炭酸塩でないアルカリ金属塩を添加した実施例5、8の方が、アルカリ金属の炭酸塩を添加した比較例4よりもコーヒーテストの結果は良好であった。この結果から、アルカリ金属の炭酸塩を使用した場合に比べて、炭酸塩でないアルカリ金属塩を使用した場合の方が乳化に優れていることが確認された。
以上述べたように実施例1−8で得られた水中油型乳化物は、アレルゲンとなる蛋白質及びその分解物の含有量を実質的に含有していないにも関わらず乳化安定性に優れ、かつ外観・風味が良好なものであった。


Claims (1)

  1. 油脂類と、乳化剤と、クエン酸三ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及びリン酸三カリウムからなる群から選択される1種以上のアルカリ金属塩とを含有し、前記乳化剤がコハク酸モノグリセリドからなり、アレルゲンとなる蛋白質及び該蛋白質の分解物の含有量が1ppm以下であることを特徴とする水中油型乳化物。
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