JP2894969B2 - 味噌含有液状調味料の製造方法 - Google Patents
味噌含有液状調味料の製造方法Info
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Description
にふりかけたりして使用することができる味噌を含有す
る液状調味料の製造方法、更に詳しくは、味噌が液状調
味料中に均一に溶解されている味噌含有液状調味料の製
造方法に関するものである。
須成分とし、これに食酢、糖類、香辛料等を攪拌、混合
したもの、あるいはこれに食用植物油脂を加えることに
より製造され、特に生の野菜等にかけて食するドレッシ
ング等の液状調味料は、従来のように西洋風のものに限
らず、種々の風味を有する液状調味料が開発されてい
る。特に、最近では醤油、味噌等をベースとして、これ
に青じそ、梅、ゆず、大根おろし、ねぎ等を添加し、幅
広い味わいを付与した和風の製品をはじめ、中華料理に
使用されている様々な香辛料を液状調味料に加えた中華
風液状調味料製品も各種多様に開発されている。しか
し、液状調味料に味噌を加えた場合、味噌を液状調味料
中に溶解させるのが困難な上、味噌の粒子が溶解しない
まま分散してしまうとの問題がある。
に溶解した液状調味料の効率的な製造方法を提供するこ
とを目的とする。
体とを混合するにあたり、一旦、比較的高粘度の状態で
味噌を糖類の存在下で溶解し、次いで、低粘度の状態で
混合することにより上記課題を効率的に解決できるとの
知見に基づいてなされたのである。すなわち、本発明
は、味噌と調味液体とを混合して味噌含有液状調味料を
製造するにあたり、先ず糖類の存在下で味噌を調味液体
の一部に溶解して粘度が1000〜10000cp(2
5℃)の液状物を調製し、次いで、得られた液状物に残
りの調味液体を加えて攪拌し粘度が100〜1500c
p(25℃)の液状調味料を製造することを特徴とする
味噌含有液状調味料の製造方法を提供する。
柑橘類の果汁又は醤油などの水性液状物を必須成分と
し、これに食塩、糖類、香辛料等を攪拌、混合したもの
にサラダ油、ナタネ油、ゴマ油等の食用植物油脂を加え
て製造されるものを指す。ここで、液状調味料をドレッ
シング、又は、食用植物油脂の含有量の少ない、あるい
は、これを含まないドレッシングタイプの調味料として
使用する場合には、食酢及び/又は柑橘類の果汁を、液
状調味料中に酢酸としての酸度が0.5〜2.0重量%
(以下、%と略称する)となるように含有させるのが好
ましい。これにより野菜や肉等の食品に程よい酸味を付
与し新鮮でさわやかな食味を得ることができる。尚、こ
こでいう酸度とは、試料が中性(pH8.3)になるま
で滴定に要したNaOHの量を基にして計算された酢酸
としての酸度をいう。
油脂を加えて製造され水相と油相が分離された状態の分
離型の液状調味料、及び油相がホモジナイズ、コロイド
ミル、乳化剤などを用いて水相中に均一に乳化分散さた
乳化型の液状調味料、あるいは、食用植物油脂を加える
ことなく製造するノンオイルタイプの液状調味料の全て
を含むものである。そして、本発明で対象とする液状調
味料は、サラダ、肉類、豆腐などの食品に直接振りかけ
たり、該食品を浸漬するなどして食用に供するのに特に
有用である。
味噌含有液状調味料を製造するにあたり、先ず、味噌を
糖類の存在下で調味液体の一部に溶解して粘度が100
0〜10000cp(25℃)、好ましくは1500〜
8000cp(25℃)の液状物を調製するのが重要で
ある。液状物の粘度が前記範囲より低くなると、味噌と
調味液体との摩擦力が小さく味噌を十分に溶解させるこ
とができない。反対に、液状物の粘度が前記範囲より高
くなると、液状物を調製する作業性が著しく低下する。
ここで、味噌の溶解に先立って、又は同時に若しくはそ
の後、食塩、ゴマペースト、オロシガーリックなどの調
味料や香辛料、ごまペーストなどのペースト状物を加え
ることができる。調味液体としては、任意の成分の調味
液体を使用することができ、例えば、みりん、みりん風
調味料、柑橘類の果汁、食酢、酒、醤油、水などを含有
するものがあげられる。このうち、醤油、みりん、みり
ん風調味料を含有するものが味噌をより効果的に溶解さ
せることができるので好ましい。
噌を溶解するいかなる態様も含まれるが、先ず糖類を予
め溶解した液状物を調製しておき、ここに味噌を溶解す
るのがよい。味噌の溶解は、ホモジナイザーやホモミキ
サーを用いて行うのがよい。この溶解は、常温で行うこ
とができるが、加熱下に行うのがよい。
味噌、豆味噌等があげられる。又、味噌の含有量として
は、最終的に液状調味料中に液状調味料全体の10〜3
0重量%(以下、%と略称する)の範囲で含まれるのが
好ましい。これにより、滑らかな舌触りと味噌の発酵熟
成した香りと濃厚な風味とが良好に得られる。味噌の含
有量が前記範囲より多くなり過ぎると、味噌が十分に液
状調味料中に溶解し切れずにざらついた舌触りが感じら
れるようになるとともに、局部的なダマの発生が認めら
れるようになる傾向がある。反対に、味噌の含有量が前
記範囲より少なくなり過ぎると、味噌の発酵熟成した香
りと濃厚な風味とを十分に得ることができなくなる傾向
がある。
糖、中白糖、三温糖、グラニュー糖、白ザラ糖、中ザラ
糖、粉砂糖、角砂糖などをはじめとする砂糖、無水結晶
ぶどう糖、含水結晶ぶどう糖、精製ぶどう糖、普通ぶど
う糖、液状ぶどう糖、水あめ、粉末水あめ、異性化液糖
などをはじめとする澱粉糖、還元水あめ、マルチトー
ル、マンチトール、ソルビトール、キシリトールををは
じめとする糖アルコール等があげられる。このうち、砂
糖を使用するのが良好な甘味が得られるとともに、味噌
が褐変を起こし難いので好ましい。
状物の粘度の調整に当たっては、味噌と糖類を含む調味
液体との比率(重量比)を任意とすることができるが、
例えは味噌/糖類を含む調味液体の重量比が1/0.5
〜1/3である場合には、これをホモジナイザーやホモ
ミキサーを用いて適宜調製することができる。
ても任意とすることができるが、糖類/味噌の重量比を
1/1〜1/4にするのが製造上好ましい。つまりこの
範囲の糖類と味噌を用いると味噌を容易に溶解すること
ができ、かつ滑らかな性状の液状物が得られる。味噌の
比率が前記範囲より大きくなり過ぎると、味噌が効率的
に溶解し難くなるとともに滑らかな性状が得難くなる傾
向がある。反対に、糖類の比率が前記範囲より大きくな
り過ぎると、糖類自体が溶解し難くなり、又、味噌特有
の風味が十分に得られなくなる傾向がある。
りの調味液体を加えて攪拌し、該液状物の粘性を低下さ
せて粘度が100〜1500cp(25℃)、好ましく
は300〜1200cp(25℃)の液状調味料を製造
する。ここで残りの調味液体の添加量は任意とすること
ができるが、例えば重量比で先に得られた液状物3に対
して2〜27の範囲で添加するのが好ましい。これによ
り、味噌及びその他各原料成分が液状調味料中に均一に
溶解、分散した液状調味料が得られるとともに、該液状
調味料を食品にしっかりとからめておくことができ良好
な外観と食味を有する食品を提供することができる。液
状調味料の粘度が前記範囲より高くなると、食品がねっ
とりとしてしまいさっぱりとした新鮮な食味を得ること
ができなくなる。反対に、液状調味料の粘度が前記範囲
より低くなると液状調味料を食品に効果的にからめてお
くことができなくなる。
ば、みりん、みりん風調味料、柑橘類の果汁、食酢、ク
エン酸、酒、醤油、水など及び必要により、キサンタン
ガム、カラギーナン、グアガム等の各種ガム質類、食
塩、液糖、澱粉類、卵黄等を含有するものがあげられ
る。このうち、食酢及び/又は柑橘類の果汁を含有する
ものが好ましく、又、キサンタンガム、カラギーナン、
グアガム等の各種ガム質類を含有するのが好ましい。
汁、クエン酸をはじめとする有機酸等の配合量を調整す
ることにより、液状調味料のpHを調整することができ
る。そして、特に、該pHを3.8〜4.5(さらに好
ましくは4.0〜4.3)に調整するのが好ましく、こ
れにより、液状調味料の程よい酸味が味噌の発酵熟成し
た香り、濃厚な風味と良好にマッチし独特の風味を有す
る液状調味料が得られる。pHが前記範囲より高くなり
過ぎると、野菜に対して甘くなりすぎる傾向がある。反
対に、pHが前記範囲より低くなり過ぎると、特に肉に
対して酸味が強くなり過ぎる傾向がある。
食塩含量が液状調味料全体の3.0〜9.0%(さらに
好ましくは4.0〜7.0%)の範囲にあるのが好まし
い。これにより、味噌を含む液状調味料の風味が引き締
まるとともに、味噌の濃厚な風味と相まって野菜あるい
は肉類のどちらか一方に限られることなく両者に対して
良好な食味を付与することができる。食塩含量が前記範
囲より多くなり過ぎると、特に野菜に対して塩味が強く
感じられるようになる傾向がある。反対に、食塩含量が
前記範囲より少なくなり過ぎると、肉類、野菜ともに味
気のない水っぽい食味となる傾向がある。尚、上記食塩
含量は、液状調味料に加えられる各成分中の塩化物イオ
ンを、電位差滴定法によって予め測定しておき、これを
基にして当該液状調味料に原料として加えられる前記各
成分の添加量に応じて算出するものとする。
類、食塩、澱粉類等の固形成分を食酢、醤油、水等をは
じめとする液体成分に溶解ないし分散させるにあたって
は、ホモジナイザーやホモミキサーを用いて行うのがよ
い。この溶解及び分散は、常温あるいは加熱下で行うこ
とができる。好ましくは10〜50°Cの範囲の温度条
件下で行うのがよい。これにより、効率的に固形成分を
液体成分に溶解、分散させることができる。前記範囲よ
り温度条件が低くなり過ぎると、固形成分の溶解、分散
に時間がかかる傾向があり、又、反対に前記範囲より温
度条件が高くなり過ぎると、増粘剤、澱粉等の原料が溶
解、分散するまでにダマを形成し易くなる傾向がある。
又、加熱下に行うか、又は常温で溶解、分散させた後、
加熱して、例えば80〜90℃に昇温させ、この温度に
1〜30分程度保持することによって殺菌するのが好ま
しい。
溶解した調味液体に、さらに液体油脂を加えることもで
き、これにより種々の風味を有する液状調味料を調製す
ることができる。ここで、本願発明で使用する液体油脂
としては、サラダオイル、ナタネ油、ごま油などドレッ
シングに通常用いられているものがあげられる。
とができるが、調味液/液体油脂を97/3〜50/5
0(重量比)とするのがよく、特に90/10〜70/
30とするのがまろやかでかつさっぱりとした液状調味
料が得られるのでよい。
あるいは、ノンオイルタイプの全てを含むものである
が、乳化型の液状調味料とするのが好ましい。これによ
り、味噌特有の色調が均一に拡がり液体油脂の存在の認
めらない極めて良好な外観を呈し、且つ味噌の風味にま
ろやかさを付与することができる。
本発明では乳化剤を用いずに乳化させることができる
が、好ましくは乳化剤を用いるのがよい。乳化剤として
は、乳化型ドレッシングに用いられる任意の乳化剤を使
用することができるが、レシチン、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、サポニンなどを用いるのが好ましい。又、
乳化剤の使用量も任意であるが、乳化型液状調味料全体
に対して0.01〜1.0%程度使用するのがよい。
又、乳化剤は、乳化開始時に、又は乳化中に加えること
もできるが、得られた液状物に残りの調味液体を加える
際に添加しておくのがよい。又、調味液に加熱殺菌処理
を採用した場合には、温度を60℃以下、好ましくは常
温から〜50℃に冷却した後、液体油脂を加えて乳化す
るのが、特に増粘剤を含む場合に調味液が粘性を増し乳
化が行い易くなるのでよい。
あたっては、通常用いられる任意の方法で行うことがで
きるが、該乳化を解放系あるいは外気と接し易い条件下
で行う場合、減圧乳化を行うのが乳化物の気泡混入を防
止し味噌が良好に溶解した滑らかな性状の液状調味料が
得られので好ましい。又、調味液と液体油脂とを減圧乳
化する場合、260mmHg〜60mmHgの減圧状態
で乳化するのが好ましい。減圧状態が前記範囲より低く
なり過ぎると乳化物の気泡混入を十分に防止することが
できなくなる傾向がある。反対に減圧状態が前記範囲よ
り高くなり過ぎると乳化物が突沸を起こす危険性が出て
くる。
は、ガラス容器やプラスチック容器などの最終容器に充
填することができる。又、上記の方法は、液状調味料が
乳化型である場合について説明したが、液状調味料が分
離型である場合には、水相部を上記方法により製造した
後、これとは別に調製しておいた油相部を、順次最終容
器に充填することができる。
容易に溶解させることができ、滑らかな味噌含有乳化型
液状調味料を製造することができる。従って、本発明の
方法により製造された味噌含有乳化型液状調味料は、各
種サラダ用のドレッシングとして、又野菜、魚類や肉類
などのソースなどとして幅広く利用することができる。
次ぎに実施例により本発明を説明する。
ースト1重量部、おろしガーリック2重量部及び砂糖1
0重量部をホモミキサーに入れて攪拌した後、ここに味
噌18重量部を入れて溶解し、粘度が1906cp(2
5℃)の液状物を室温で調製した。ついで、ここに水1
0.9重量部、食酢12重量部、及びグアーガム0.1
重量部を添加して攪拌混合した後、加熱攪拌し、80℃
で10分間加熱殺菌した。次いで、30℃に冷却した
後、ここにサラダ油5重量部とごま油5重量部を加え
て、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用
いて3500rpm,15分間、110mmHgの条件
下に減圧乳化して、粘度が1000cp(25℃)で、
pHが4.1、食塩含量が5.6の味噌入り乳化型液状
調味料を得た。このようにして得られた味噌入り乳化型
液状調味料では、味噌が良好に溶解しており、味噌のつ
ぶつぶは観察できなかった。
重量部とし液糖を5重量部を使用すること、味噌を調味
液体に溶解して調製した液状物の粘度が2000cp
(25℃)であること以外は、実施例1と同様にして乳
化型の液状調味料を調製した。得られた調味料の粘度は
1000cp(25℃)で、pHは4.0であり、食塩
含量は5.6であり、乳化型液状調味料中に味噌が良好
に溶解しており、味噌のつぶつぶは観察できなかった。
Claims (6)
- 【請求項1】 味噌と調味液体とを混合して味噌含有液
状調味料を製造するにあたり、先ず糖類の存在下で味噌
を醤油を含有する調味液体の一部に溶解して粘度が10
00〜10000cp(25℃)の液状物を調製し、次
いで、得られた液状物に残りの調味液体を加えて攪拌し
粘度が100〜1500cp(25℃)の液状調味料を
製造することを特徴とする味噌含有液状調味料の製造方
法。 - 【請求項2】 最初に使用する調味液体がみりん及び/
又はみりん風調味料を含有するものである請求項1記載
の製造方法。 - 【請求項3】 糖類が砂糖である請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項4】 糖類/味噌の重量比が1/4〜1/1の
範囲にある請求項1記載の製造方法。 - 【請求項5】 味噌を液状調味料全体に対して10〜3
0重量%含有することを特徴とする請求項1記載の製造
方法。 - 【請求項6】 味噌と調味液体とを混合して味噌含有液
状調味料を製造するにあたり、先ず糖類の存在下で味噌
を醤油を含有する調味液体の一部に溶解して粘度が10
00〜10000cp(25℃)の液状物を調製し、次
いで、得られた液状物に残りの調味液体を加えて攪拌し
た後、これに液体油脂を加えて乳化し粘度が100〜1
500cp(25℃)の液状調味料を製造することを特
徴とする味噌含有液状調味料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14437095A JP2894969B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 味噌含有液状調味料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14437095A JP2894969B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 味噌含有液状調味料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08332049A JPH08332049A (ja) | 1996-12-17 |
JP2894969B2 true JP2894969B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=15360544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14437095A Expired - Fee Related JP2894969B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 味噌含有液状調味料の製造方法 |
Country Status (1)
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JP5275894B2 (ja) * | 2009-05-15 | 2013-08-28 | 花王株式会社 | 液体調味料の製造法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS54119067A (en) * | 1978-03-04 | 1979-09-14 | Yasushi Nakamura | Production of *miso* gravy |
JPS5881759A (ja) * | 1981-11-12 | 1983-05-17 | Shiyooman:Kk | みそによる和風ドレツシングの製造法 |
JP3148021B2 (ja) * | 1992-10-23 | 2001-03-19 | 株式会社ミツカングループ本社 | ごま含有低粘度調味料 |
-
1995
- 1995-06-12 JP JP14437095A patent/JP2894969B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08332049A (ja) | 1996-12-17 |
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