JP2002034503A - 濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品、並びにその製造方法 - Google Patents
濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品、並びにその製造方法Info
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Abstract
作業性に富み、大豆特有の青臭さ、えぐみを抑制して、
豊かな風味と強いコク味を具備した乳化物を新規に開発
する。 【解決手段】 豆乳、食酢、調味料、香辛料及び乳化
剤、植物性油脂を混合し、乳化した食用乳化物におい
て、上記豆乳が濃度20〜40の濃縮豆乳であることを
特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品である。
濃縮豆乳を原料とするため、青臭さ、えぐみなどの不快
臭がなく、豊かな風味と強いコク味を備えたマヨネーズ
様食品が得られる。また、豆腐を使用した乳化物に比べ
て、豆乳を凝固する手間が要らず、濃縮豆乳をそのまま
乳化工程に供給するだけで済むため、製造工程を簡略化
して作業効率が向上する。
Description
ヨネーズ様食品、並びにその製造方法に関し、作業性に
富み、大豆特有の青臭さ、えぐみがなく、強いコク味を
備えた低コレステロールの乳化物を提供する。
化物は、通常、卵黄を乳化剤として、食酢、食塩、砂
糖、香辛料などの水相とサラダ油などの油相を混合乳化
して製造されるが、卵黄に含まれるコレステロールや卵
アレルギーが問題になり、また、低脂肪、低カロリー化
などの要請が強いため、卵黄に代えて植物性蛋白質を使
用したマヨネーズやドレッシング類の開発が試みられて
きた。
号公報) 常法で得られた豆腐、豆腐類又はこれを脱水したもの
に、食酢及び/又は果汁を添加し、植物性油脂0.5〜
10%、好ましくは1〜3%の大豆蛋白粉並びに糖類、
調味料、香辛料、安定剤、乳化剤などの少なくとも一種
を添加して、これらを均質、乳化した乳化食品が開示さ
れている。
号公報) 豆乳の乳化安定性は大豆タンパクの等電点付近において
最低となることから、大豆から豆乳を生成するにあた
り、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、
塩化カルシウムなどのような1価又は2価の塩類水溶液
を用いて抽出し、且つ有機酸にて弱酸性として加熱処理
するとともに、上記特定処理で得られた豆乳を水相部と
して油を乳化した乳化組成物が開示されている。
公報) 大豆タンパクを乳化剤とした半固体状ドレッシングであ
って、最初に、調味料、香辛料などを含む中性の大豆タ
ンパク水溶液と食用油を充分に乳化しておき、次いで、
これに食酢を滴下混合する方法により、乳化が良好で安
定なドレッシングが得られることが開示されている。
ず、植物性蛋白質を用いたノンコレステロール、低脂肪
型のマヨネーズ、ドレッシング類は、主に、大豆蛋白質
の乳化機能を利用したものである。上記従来技術1で
は、植物性蛋白質として豆腐類を使用し、さらにキサン
タンガム、グアーガムなどの安定剤、或はレシチンなど
の乳化剤を添加している(実施例1〜3参照)。従来技術
2では、植物性蛋白質として特定処理を行った豆乳を使
用し、さらにレシチンを添加している(実施例1参照)。
また、従来技術3では、大豆タンパクを乳化剤として用
い、さらに好ましくはタマリンドシードガムなどの天然
糊料を乳化助剤として添加している。
乳などの具体例を見ると、従来技術1の実施例1〜3で
は、常法で得られた絹こし豆腐、木綿豆腐を使用し、従
来技術2の実施例1では、食塩熱水溶液で抽出した大豆
固形分14%の豆乳を使用し、従来技術3の実施例1〜
3では分離大豆タンパク、抽出大豆タンパクなどを使用
している。しかしながら、その一方で、豆腐類や豆乳を
使用してマヨネーズ様食品を製造すると、卵黄又は全卵
を使用した場合に比べて、大豆特有の青臭さ、えぐみ、
渋みなどがどうしても混入するため、食感、風味の面で
抵抗感があり、市場に供した場合でも、一時的には売れ
ても長続きしないという実情がある。しかも、豆腐類を
使用する場合には、豆乳を凝固剤で凝固する工程の分だ
け、作業性が低下してしまう。
ズ様食品に適用して、大豆特有の青臭さ、えぐみを抑制
し、豊かな風味とコク味を具備した乳化物を新規に開発
することを技術的課題とする。
えて凝固の手間の要らない豆乳を使用することで作業の
効率化が図れることに鑑み、豆乳を用いた乳化物を鋭意
研究した結果、前記従来技術2で開示されたような14
%程度の豆乳、つまり、通常濃度か、少し濃い目の豆乳
ではなく、例えば、Brix濃度25程度のきわめて高
濃度の濃縮豆乳を用いると、固形分濃度が著しく高いに
も拘わらず、大豆特有の青臭さやえぐみが抑制されるこ
とを見い出し、本発明を完成した。
香辛料及び乳化剤、植物性油脂を混合し、乳化した食用
乳化物において、上記豆乳が、濃度20〜40の濃縮豆
乳であることを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ
様食品である。
粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセ
リド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステルなどであることを特徴とする
濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品である。
化剤を混合して予備乳化し、これに濃度20〜40の濃
縮豆乳を混合し、さらに、植物性油脂を混合し、乳化す
ることを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品
の製造方法である。
酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合し、或はさらに水
を加えて予備乳化し、これに濃度20以上の濃縮豆乳を
混合し、さらに、植物性油脂を加え、乳化して製造され
たもので(本発明3参照)、マヨネーズ、サラダドレッシ
ング、フレンチドレッシング、スプレッド、タルタルソ
ースなどの半固体状ドレッシング、或は乳化液状ドレッ
シングを包含する概念であり、食品衛生法や日本農林規
格などに拘束される概念ではない。
水抽出して得られる豆乳を初め、大豆蛋白粉又は豆乳粉
末から調製した豆乳類似物を濃縮し、得られた高濃度豆
乳ををいう。豆乳の濃縮は、減圧処理又は薄膜処理によ
り豆乳中の水分を除去するなど、公知の方法で行う。例
えば、700mmHg以下の減圧下、蒸気圧力6kg/
cm 2G、蒸気温度45℃の条件で濃縮し、さらに乳化
粒子を均質化するために高圧ホモジナイズ処理を併用す
るのが好ましい。上記豆乳類の濃度(Brix)は、最終
製品としてのマヨネーズ様食品に青臭さ、えぐみなどが
混入するのを回避し、風味豊かな乳化物を製造する見地
から、一般に20〜40、好ましくは22〜30であ
る。
ク凝固を起こすことがあるが、これは凝固剤で固めた豆
腐類とは異なる緩やかでさくい凝固物であるから、この
ままマヨネーズ様食品の乳化工程に供給しても良いが、
ミキサー、フードカッター、ステファンカッターなどで
軽く崩しても差し支えない。
黄、食酢、調味料、香辛料などを配合し、或はさらに水
を加えてよく混合し、これに植物性油脂と酢を交互に入
れ、ミキサーで乳化し、さらにコロイドミルで油脂を水
相部に微細粒子として分散させて、水中油滴型エマルシ
ョンを形成するのが一般的である。本発明のマヨネーズ
様食品の乳化工程は、基本的に上記マヨネーズの製造工
程中の卵黄を濃縮豆乳に代替すれば良く、例えば、酢、
調味料、香辛料、乳化剤などの水相部、或はさらに水を
加えた水相部を連続ミキサーで混合撹拌し、上記濃縮豆
乳を混合し、さらに植物性油脂を3〜4回に分けて混合
した後、コロイドミルなどで撹拌し、加熱殺菌してマヨ
ネーズ様食品を得る。上記植物性油脂としては、大豆
油、綿実油、コーン油、ごま油、サフラワー油、菜種
油、オリーブ油、米油、ブドウ油、落花生油、紅花油、
パーム油、サラダ油などが挙げられる。上記食酢として
は、リンゴ酢などの果実酢、米酢、アルコール酢、粕
酢、黒酢、ワインビネガー、バルサミコなどが挙げられ
る。上記調味料としては、砂糖(グラニュー糖、上白
糖、黒糖、中双、三温等)、ブドウ糖、果糖、或はこれ
らの混合液糖、水あめなどの甘味料、食塩、クエン酸な
どの酸味料、柑橘類の果汁、化学調味料などが挙げられ
る。また、いちご、ブルーベリー、アロエ、ピーチ、オ
レンジ、メロン、アセロラ、キウイフルーツ、グレープ
フルーツなどの果実類、緑茶、ごま、バター、チーズ、
脱脂粉乳、全脂粉乳、練乳、バニラ、或はこれらのフレ
ーバーなどを調味料として添加しても良い。上記香辛料
としては、からし、コショウ、パプリカなどが挙げられ
る。上記濃縮豆乳と食酢と植物性油脂などの混合比率
は、マヨネーズ様食品の食感、風味、食味、或は乳化物
の性状などに応じて適宜調整できるが、上記濃縮豆乳の
マヨネーズ様食品に対する含有量は一般に5〜60重量
%、好ましくは10〜30重量%である。
イドミル、パドルミキサー、ホモジナイザー、アジテー
ター、その他公知の乳化手段で行うことができる。この
乳化に際しては、大豆タンパク質である豆乳は一定の乳
化力があるが、乳化力向上の見地から、乳化剤を補助的
に添加する。上記乳化剤には、本発明2に示すように、
増粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリ
セリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを使用することがで
きる。上記増粘性多糖類としては、カラギーナン(イナ
ゲル;伊那食品社製、カラギニン;三栄源エフ・エフ・
アイ社製)、キサンタンガム(エコーガム、モナードガ
ム;大日本製薬社製)、タラガントガム(同名;三栄薬品
社製)、ジェランガム(ケルコゲル;大日本製薬社製)、
ペクチン(ゲニューペクチン;三晶社製)、ローカストビ
ーンガム(同名;三晶社製)、グアーガム(ビストップ;
三栄源エフ・エフ・アイ社製)、タマリンドシードガム
(グリロイド;大日本製薬社製)、アラビアガム、寒天、
アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ファーセレ
ラン(ネオソフトFR−1;太陽化学社製)、デンプン、
エーテル化デンプン、エステル化デンプンなどの化工デ
ンプン、デキストリン類、グルコマンナン、コンニャク
マンナンなどが挙げられる。上記オリゴ糖類は概ね単位
重合度が2〜10程度の糖類を指し、具体的には、イソ
マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ
糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、
トレハロース、デキストロース、ラクチュロース、ゲン
チオビオース、ラフィノース、スタキオースなどが挙げ
られる。上記レシチンとしては、大豆レシチン、卵黄レ
シチンなどが挙げられる。また、レシチンと同じリン脂
質に属するケファリンなどを使用することもできる。上
記乳化剤としては、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、
ショ糖脂肪酸エステル、キサンタンガム、ローカストビ
ーンガム、グアーガム、タラガントガム、タマリンドシ
ードガム、ペクチン、デンプン、イソマルトオリゴ糖、
フラクトオリゴ糖などが好ましい。尚、本発明の乳化剤
としては、乳化力に優れる見地から、コレステロールな
どの問題は残るが、卵黄、全卵を排除するものではな
い。また、上記オリゴ糖類には甘味の調整作用があり、
前記甘味料の役割を兼備できる。
有量は、乳化物の性状などに応じて適宜調整されるが、
一般に0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0
重量%である。また、本発明のマヨネーズ様食品の製造
では、乳化工程で得られた乳化物は加熱殺菌し、冷却さ
れる。加熱殺菌の条件は65〜85℃、40〜60分程
度である。
の不快臭は、大豆に含有される生物活性物質であるリポ
キシゲナーゼが、大豆油に含まれる多価不飽和脂肪酸或
はそのエステルに触媒的に作用し、これらの酸化によっ
て発生するn−ヘキサノール、n−ヘキサナール、1−
オクテン−3−オール、イソペンタノールなどの揮発性
物質が主な原因であるとされる。本発明では、豆乳をB
rix濃度15以上に濃縮するため、この濃縮工程によ
ってn−ヘキサノール、n−ヘキサナールなどの揮発性
物質を大幅に減少させることができる(後述の試験例参
照)。この結果、濃縮豆乳には大豆特有の青臭さ、えぐ
みなどがほとんどないことから、この濃縮豆乳を原料と
する本発明のマヨネーズ様食品から大豆特有の臭気を排
除して、豊かな風味、強いコク味を付与できる。
さ、えぐみ、渋みなどの不快臭がなく、本発明のマヨネ
ーズ様食品に豊かな風味に優れ、食感、喉ごしなどの点
で抵抗なく食することができる。そのうえ、甘み、酸
味、塩味などの基本的な味とは異なり、濃厚感と伸びを
中心としたコク味を食品に新たに付与できる。また、卵
黄、全卵を使用していないことから、卵アレルギー、コ
レステロール、カロリー性などの点でも問題がなく、消
費者ニーズに適合した豆腐活用の乳化物を新たに市場に
供給できる。 (2)本発明のマヨネーズ様食品は、べとついて裾広がり
に崩れることがなく、ふっくらと形の良いボディ形成能
力を有するため、トッピングやサンドイッチ状に挟み込
む場合などに好適で、菓子パン類への応用が広く期待で
きる。 (3)豆腐を使用した乳化物では、豆乳に凝固剤を適正な
温度条件で添加して豆腐に凝固する工程があり、凝固に
要する時間や温度管理の分だけ作業性が低下してしまう
が、本発明では豆腐に替えて豆乳を用いることで、豆乳
を凝固する手間が要らず、濃縮豆乳をそのまま乳化工程
に供給するだけで済むため、製造工程を簡略化して作業
効率を向上できる。
例を順次述べるとともに、当該マヨネーズ様食品の試食
試験例、豆乳の濃縮処理の前後における青臭さなどの臭
気度合の測定試験例、並びにマヨネーズ様食品のボディ
形成性試験例を併記する。尚、本発明は下記の実施例、
試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想
の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
1〜5において、実施例1は乳化剤にグアーガムを使用
したドレッシングタイプの例、実施例2は甘味料、全脂
粉乳の追加などにより実施例1の配合組成を変えた例、
実施例3は乳化剤に卵黄を使用し、液糖やたまねぎエキ
スなどの添加により甘目に調整したドレッシングタイプ
の例、実施例4は植物性油脂の含有率を増加させたマヨ
ネーズタイプの例、実施例5は濃縮豆乳の含有率の多い
スプレッドタイプの例である。また、比較例1は濃縮豆
乳に替えて、通常濃度の豆乳を原料としてマヨネーズ様
食品を製造した例である。
出し、Brix濃度12程度の豆乳を調製した後、70
0mmHg以下の減圧下、蒸気圧力6kg/cm2G、
蒸発温度45℃の条件で減圧濃縮処理を行い、100〜
150kg/cm2の条件で高圧ホモジナイザーにかけ
て、Brix濃度25程度の濃縮豆乳を得た。
ミキサーに混合し、30秒〜1分かけて撹拌し、上記濃
縮豆乳を混合して1分間撹拌し、さらに植物性油脂を約
30秒間に3〜4回に分けて混合し、30秒〜1分間ほ
ど均質に撹拌した後、包装容器に充填して65℃、60
分間加熱殺菌し、冷却してマヨネーズ様食品を得た。上
記濃縮豆乳、食酢、調味料、乳化剤、香辛料、植物性油
脂などの配合組成は下記の通りである。 濃縮豆乳 50g すりごま 8g ごま油 30g 菜種油 130g 米酢 80g 調味料 10g グアーガム 3g 水 100g 合計 411g 上記グアーガムは三栄源エフ・エフ・アイ社製のビスト
ップを使用した。また、上記調味料はかつおぶしエキス
を主成分としたものである。
ながら、米酢80gをワインビネガー34gに変更し、
ブドウ糖・果糖液糖8g、全脂粉乳18gを新たに追加
混合し、マヨネーズ様食品を製造した。
料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などを下記の組成で配
合した。 濃縮豆乳 50g すりごま 8g 醤油 60g サフラワー油 130g ブドウ糖・果糖液糖 48g 調味料 15g たまねぎエキス 40g 米酢 80g 卵黄 10g 水 70g 合計 511g 濃縮豆腐の製造条件、乳化条件などは前記実施例1に基
づいた。尚、乳化剤としては、卵黄に替えて、脂肪酸モ
ノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エ
ステルなどを使用できるが、乳化力を高める見地から、
これらを卵黄と併用するのが好ましい。
件で、常法により大豆を熱水抽出し、Brix濃度12
程度の豆乳を調製した後、700mmHg以下の減圧
下、蒸気圧力6kg/cm2G、蒸発温度45℃の条件
で減圧濃縮処理を行い、100〜150kg/cm2の
条件で高圧ホモジナイザーにかけて、Brix濃度25
程度の濃縮豆乳を得た。次いで、濃縮豆乳、食酢、調味
料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などを下記の組成で配
合した。 濃縮豆乳 100g リンゴ酢 70g 粒マスタード 0.4g 酵母エキス 7g 異性化糖 18g 食塩 4g 綿実油 360g タラガントガム 0.6g 水 40g 合計 600g 乳化条件などは前記実施例1に基づいた。尚、上記タラ
ガントガムは三栄薬品社製のものを使用した。
料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などを下記の組成で配
合した。 濃縮豆乳 200g 米酢 51g トマトケチャップ 20g 調味料 2g 液糖 70g 食塩 5g 大豆・菜種調合油 200g タラガントガム 2g 水 10g 合計 560g 濃縮豆乳の製造条件、乳化条件などは前記実施例1に基
づいた。尚、上記調味料はイノシン酸塩などを主成分と
する味の素社製のアミリッチ、上記液糖は水あめを主成
分とする松谷化学社製のグリスター、上記タラガントガ
ムは三栄薬品社製のものを各々使用した。
前のBrix濃度12程度の豆乳をそのまま使用し、実
施例4の濃縮豆乳に替えてこの通常濃度の豆乳を原料と
して、実施例1と同様の条件でマヨネーズ様食品を製造
した。
で、上記実施例群から本発明のマヨネーズ様食品の代表
例として実施例4を選び出し、これを比較例1と対比し
たうえで試食試験を行った。即ち、実施例4と比較例1
の各マヨネーズ様食品を12人のパネラーの試食に供し
て、風味、食感の官能試験を実施するとともに、総合評
価を行った。また、豆乳を使用せず、卵黄を使用した市
販のマヨネーズを基準例とした。上記パネラー12人の
内訳は、20〜55歳の男性6人と18〜61歳の女性
6人である。各パネラーは下記の評価基準に従って風
味、食感を○〜×で判定し、○は5点、△は3点、×は
1点に割り振り、風味、食感の項目ごとに10人全体の
平均値を算出した。総合評価は風味とコク味の判定値を
さらに平均化したものである。但し、コク味は、前述し
たように、甘み、酸味、塩味などの基本的な味とは異な
り、濃厚感と伸びを中心とした味覚であり、濃縮豆乳の
濃厚な風味が口中で増強、維持されて経時的持続効果を
生み、口に含んだ瞬間の先味から時間の経過に伴う後味
にかけて濃厚感が持続する強度(即ち、タイムインテン
シティー)を表現したものである。風味の評価基準は次
の通りである。 ○:不快臭は全く感じられず、風味が豊かであった。 △:青臭さが感じられた。 ×:青臭さ、えぐみが強かった。 また、食感の評価基準は次の通りである。 ○:コク味が強かった。 △:コク味はある程度あるが、不充分であった。 ×:コク味に乏しかった。
さ、えぐみなどは全く感じられず、豊かな風味と強いコ
ク味を具備しており、基準例である市販のマヨネーズよ
り総合評価は高かった。これに対して、比較例1は青臭
さ、えぐみなどが強く感じられ、コク味も乏しかった。
このように、濃縮豆乳を使用したマヨネーズ様食品は、
通常濃度の豆乳を使用したものに比べて、風味、コク味
などの味覚の点で顕著な優位性があることが明らかにな
った。
臭などの不快臭の主な原因は、n−ヘキサナール、n−
ヘキサノール、1−オクテン−3−オールなどの揮発性
物質にある。そこで、実施例4で使用した濃縮豆乳と比
較例1の通常濃度の豆乳をガスクロマトグラフィーにか
けて、上記揮発性物質の検出度合を確認したところ、下
表の結果を得た。尚、当該ガスクロマトグラフィーにお
いては、島津製作所社製のガスクロマトグラフを用いて
下記の条件で測定した。 カラム:シリコングリース(100〜120メッシュのセライ
トに15%含有)、SE−30(ガスクロムPに1%含有)
及びエチレングリコールのコハク酸エステルS−X(ガ
スクロムPに8%含有) 昇温条件:100〜190℃ 流速条件:3kg/cm2 また、下表での各物質の検出濃度は、便宜上、実施例4
と比較例1でのガスクロマトグラムにおける各検出ピー
ク面積の相対値として表し、比較例1の検出量を100
とした。
て、実施例4の濃縮豆乳では上記揮発性物質が大幅に減
少していることが判る。このように、濃縮豆乳を用いた
本発明のマヨネーズ様食品が通常濃度の豆乳をを用いた
場合より、風味、コク味などの点で勝るという前記官能
試験結果は、本試験例によっても強く裏付けられること
が判明した。
例》前記試食試験例に準じて、マヨネーズタイプの実施
例4と、濃縮豆乳を通常濃度(Brix濃度12)の豆乳
に代替した比較例1と、市販のマヨネーズである基準例
とを選び出し、ボディ形成性の比較試験を実施した。即
ち、これらの各マヨネーズ様食品をチューブ容器に充填
し、底面の直径4cm、高さ4cm程度(つまり、ひと
さし指の第二関節程度)の円錐状の山形に絞り出し、室
温下で、この円錐の30分後の崩れ具合を測定して、下
式で表される円錐高さの保持率(%)をもって各試料のボ
ディ形成性を判定した。 円錐高さの保持率(%)=(30分後の円錐の高さ/初期
の高さ)×100 ちなみに、本試験例の評価にあっては、各試料の円錐高
さの保持率が大きいほどボディ形成性が良く、保持率が
小さいほどボディ形成性に劣る。
率はきわめて高く、ふっくらと形を保つ点では基準例よ
り勝ることから、優れたボディ形成性を示すことが明ら
かになった。これに対して、通常濃度の豆乳を用いた比
較例1では、円錐の全体がべたついて裾広がりに崩れ易
く、ボディ形成性が悪かった。このように、濃縮豆乳を
用いたマヨネーズ様食品は、通常濃度の豆乳を用いたも
のに比べて、ボディ形成性の点でも明らかな優位性があ
ることが判明した。
Claims (3)
- 【請求項1】 豆乳、食酢、調味料、香辛料及び乳化
剤、植物性油脂を混合し、乳化した食用乳化物におい
て、 上記豆乳が、濃度20〜40の濃縮豆乳であることを特
徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品。 - 【請求項2】 請求項1に記載の乳化剤が、増粘性多糖
類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、脂
肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステルなどであることを特徴とする濃縮豆乳
を用いたマヨネーズ様食品。 - 【請求項3】 食酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合
して予備乳化し、これに濃度20〜40の濃縮豆乳を混
合し、さらに、植物性油脂を混合し、乳化することを特
徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品の製造方
法。
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