JP3661124B2 - 濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品、並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品、並びにその製造方法に関し、作業性に富み、大豆特有の青臭さ、えぐみがなく、強いコク味を備えた低コレステロールの乳化物を提供する。
【0002】
【発明の背景】
マヨネーズ、ドレッシングなどの食用乳化物は、通常、卵黄を乳化剤として、食酢、食塩、砂糖、香辛料などの水相とサラダ油などの油相を混合乳化して製造されるが、卵黄に含まれるコレステロールや卵アレルギーが問題になり、また、低脂肪、低カロリー化などの要請が強いため、卵黄に代えて植物性蛋白質を使用したマヨネーズやドレッシング類の開発が試みられてきた。
【0003】
【従来の技術】
(1)従来技術1(特開昭63−32461号公報)
常法で得られた豆腐、豆腐類又はこれを脱水したものに、食酢及び/又は果汁を添加し、植物性油脂0.5〜10%、好ましくは1〜3%の大豆蛋白粉並びに糖類、調味料、香辛料、安定剤、乳化剤などの少なくとも一種を添加して、これらを均質、乳化した乳化食品が開示されている。
【0004】
(2)従来技術2(特開昭59−146555号公報)
豆乳の乳化安定性は大豆タンパクの等電点付近において最低となることから、大豆から豆乳を生成するにあたり、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウムなどのような1価又は2価の塩類水溶液を用いて抽出し、且つ有機酸にて弱酸性として加熱処理するとともに、上記特定処理で得られた豆乳を水相部として油を乳化した乳化組成物が開示されている。
【0005】
(3)従来技術3(特開昭55−99173号公報)
大豆タンパクを乳化剤とした半固体状ドレッシングであって、最初に、調味料、香辛料などを含む中性の大豆タンパク水溶液と食用油を充分に乳化しておき、次いで、これに食酢を滴下混合する方法により、乳化が良好で安定なドレッシングが得られることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
卵黄或は全卵を使用せず、植物性蛋白質を用いたノンコレステロール、低脂肪型のマヨネーズ、ドレッシング類は、主に、大豆蛋白質の乳化機能を利用したものである。
上記従来技術1では、植物性蛋白質として豆腐類を使用し、さらにキサンタンガム、グアーガムなどの安定剤、或はレシチンなどの乳化剤を添加している(実施例1〜3参照)。
従来技術2では、植物性蛋白質として特定処理を行った豆乳を使用し、さらにレシチンを添加している(実施例1参照)。
また、従来技術3では、大豆タンパクを乳化剤として用い、さらに好ましくはタマリンドシードガムなどの天然糊料を乳化助剤として添加している。
【0007】
そこで、上記従来技術で用いた豆腐類、豆乳などの具体例を見ると、従来技術1の実施例1〜3では、常法で得られた絹こし豆腐、木綿豆腐を使用し、従来技術2の実施例1では、食塩熱水溶液で抽出した大豆固形分14%の豆乳を使用し、従来技術3の実施例1〜3では分離大豆タンパク、抽出大豆タンパクなどを使用している。
しかしながら、その一方で、豆腐類や豆乳を使用してマヨネーズ様食品を製造すると、卵黄又は全卵を使用した場合に比べて、大豆特有の青臭さ、えぐみ、渋みなどがどうしても混入するため、食感、風味の面で抵抗感があり、市場に供した場合でも、一時的には売れても長続きしないという実情がある。
しかも、豆腐類を使用する場合には、豆乳を凝固剤で凝固する工程の分だけ、作業性が低下してしまう。
【0008】
本発明は、作業効率の高い豆乳をマヨネーズ様食品に適用して、大豆特有の青臭さ、えぐみを抑制し、豊かな風味とコク味を具備した乳化物を新規に開発することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、豆腐に替えて凝固の手間の要らない豆乳を使用することで作業の効率化が図れることに鑑み、豆乳を用いた乳化物を鋭意研究した結果、前記従来技術2で開示されたような14%程度の豆乳、つまり、通常濃度か、少し濃い目の豆乳ではなく、例えば、Brix(ブリックス)濃度25程度のきわめて高濃度の濃縮豆乳を用いると、固形分濃度が著しく高いにも拘わらず、大豆特有の青臭さやえぐみが抑制されることを見い出し、本発明を完成した。
【0010】
即ち、本発明1は、豆乳、食酢、調味料、香辛料及び乳化剤、植物性油脂を混合し、乳化した食用乳化物において、
上記豆乳が、ブリックス度20〜40の濃縮豆乳であることを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品である。
【0011】
本発明2は、上記本発明1の乳化剤が、増粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどであることを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品である。
【0012】
本発明3は、食酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合して予備乳化し、これにブリックス度20〜40の濃縮豆乳を混合し、さらに、植物性油脂を混合し、乳化することを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のマヨネーズ様食品は、食酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合し、或はさらに水を加えて予備乳化し、これにブリックス度20以上の濃縮豆乳を混合し、さらに、植物性油脂を加え、乳化して製造されたもので(本発明3参照)、マヨネーズ、サラダドレッシング、フレンチドレッシング、スプレッド、タルタルソースなどの半固体状ドレッシング、或は乳化液状ドレッシングを包含する概念であり、食品衛生法や日本農林規格などに拘束される概念ではない。
【0014】
上記濃縮豆乳は、常法により磨砕大豆を熱水抽出して得られる豆乳を初め、豆乳粉末から調製した豆乳類似物を濃縮し、得られた高濃度豆乳をいう。
豆乳の濃縮は、減圧処理又は薄膜処理により豆乳中の水分を除去するなど、公知の方法で行う。例えば、700mmHg以下の減圧下、蒸気圧力6kg/cm2G、蒸気温度45℃の条件で濃縮し、さらに乳化粒子を均質化するために高圧ホモジナイズ処理を併用するのが好ましい。
上記豆乳類の濃度 ( ブリックス )は、最終製品としてのマヨネーズ様食品に青臭さ、えぐみなどが混入するのを回避し、風味豊かな乳化物を製造する見地から、一般にブリックス度20〜40、好ましくはブリックス度22〜30である。
【0015】
得られた濃縮豆乳は熱により自然にタンパク凝固を起こすことがあるが、これは凝固剤で固めた豆腐類とは異なる緩やかでさくい凝固物であるから、このままマヨネーズ様食品の乳化工程に供給しても良いが、ミキサー、フードカッター、ステファンカッターなどで軽く崩しても差し支えない。
【0016】
通常のマヨネーズの製造においては、卵黄、食酢、調味料、香辛料などを配合し、或はさらに水を加えてよく混合し、これに植物性油脂と酢を交互に入れ、ミキサーで乳化し、さらにコロイドミルで油脂を水相部に微細粒子として分散させて、水中油滴型エマルションを形成するのが一般的である。
本発明のマヨネーズ様食品の乳化工程は、基本的に上記マヨネーズの製造工程中の卵黄を濃縮豆乳に代替すれば良く、例えば、酢、調味料、香辛料、乳化剤などの水相部、或はさらに水を加えた水相部を連続ミキサーで混合撹拌し、上記濃縮豆乳を混合し、さらに植物性油脂を3〜4回に分けて混合した後、コロイドミルなどで撹拌し、加熱殺菌してマヨネーズ様食品を得る。
上記植物性油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、ごま油、サフラワー油、菜種油、オリーブ油、米油、ブドウ油、落花生油、紅花油、パーム油、サラダ油などが挙げられる。
上記食酢としては、リンゴ酢などの果実酢、米酢、アルコール酢、粕酢、黒酢、ワインビネガー、バルサミコなどが挙げられる。
上記調味料としては、砂糖(グラニュー糖、上白糖、黒糖、中双、三温等)、ブドウ糖、果糖、或はこれらの混合液糖、水あめなどの甘味料、食塩、クエン酸などの酸味料、柑橘類の果汁、化学調味料などが挙げられる。
また、いちご、ブルーベリー、アロエ、ピーチ、オレンジ、メロン、アセロラ、キウイフルーツ、グレープフルーツなどの果実類、緑茶、ごま、バター、チーズ、脱脂粉乳、全脂粉乳、練乳、バニラ、或はこれらのフレーバーなどを調味料として添加しても良い。
上記香辛料としては、からし、コショウ、パプリカなどが挙げられる。
上記濃縮豆乳と食酢と植物性油脂などの混合比率は、マヨネーズ様食品の食感、風味、食味、或は乳化物の性状などに応じて適宜調整できるが、上記濃縮豆乳のマヨネーズ様食品に対する含有量は一般に5〜60重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0017】
水相部と油相部の乳化は、ミキサー、コロイドミル、パドルミキサー、ホモジナイザー、アジテーター、その他公知の乳化手段で行うことができる。
この乳化に際しては、大豆タンパク質である豆乳は一定の乳化力があるが、乳化力向上の見地から、乳化剤を補助的に添加する。
上記乳化剤には、本発明2に示すように、増粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを使用することができる。
上記増粘性多糖類としては、カラギーナン(イナゲル;伊那食品社製、カラギニン;三栄源エフ・エフ・アイ社製)、キサンタンガム(エコーガム、モナードガム;大日本製薬社製)、タラガントガム(同名;三栄薬品社製)、ジェランガム(ケルコゲル;大日本製薬社製)、ペクチン(ゲニューペクチン;三晶社製)、ローカストビーンガム(同名;三晶社製)、グアーガム(ビストップ;三栄源エフ・エフ・アイ社製)、タマリンドシードガム(グリロイド;大日本製薬社製)、アラビアガム、寒天、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ファーセレラン(ネオソフトFR−1;太陽化学社製)、デンプン、デキストリン類、グルコマンナン、コンニャクマンナンなどが挙げられる。
上記オリゴ糖類は概ね単位重合度が2〜10程度の糖類を指し、具体的には、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、トレハロース、デキストロース、ラクチュロース、ゲンチオビオース、ラフィノース、スタキオースなどが挙げられる。
上記レシチンとしては、大豆レシチン、卵黄レシチンなどが挙げられる。また、レシチンと同じリン脂質に属するケファリンなどを使用することもできる。
上記乳化剤としては、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガントガム、タマリンドシードガム、ペクチン、デンプン、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖などが好ましい。
尚、本発明の乳化剤としては、乳化力に優れる見地から、コレステロールなどの問題は残るが、卵黄、全卵を排除するものではない。
また、上記オリゴ糖類には甘味の調整作用があり、前記甘味料の役割を兼備できる。
【0018】
上記乳化剤のマヨネーズ様食品に対する含有量は、乳化物の性状などに応じて適宜調整されるが、一般に0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%である。
また、本発明のマヨネーズ様食品の製造では、乳化工程で得られた乳化物は加熱殺菌し、冷却される。加熱殺菌の条件は65〜85℃、40〜60分程度である。
【0019】
【作用】
一般に、豆乳特有の青臭さ、えぐみ、渋みなどの不快臭は、大豆に含有される生物活性物質であるリポキシゲナーゼが、大豆油に含まれる多価不飽和脂肪酸或はそのエステルに触媒的に作用し、これらの酸化によって発生するn−ヘキサノール、n−ヘキサナール、1−オクテン−3−オール、イソペンタノールなどの揮発性物質が主な原因であるとされる。本発明では、豆乳をBrix濃度15以上に濃縮するため、この濃縮工程によってn−ヘキサノール、n−ヘキサナールなどの揮発性物質を大幅に減少させることができる(後述の試験例参照)。
この結果、濃縮豆乳には大豆特有の青臭さ、えぐみなどがほとんどないことから、この濃縮豆乳を原料とする本発明のマヨネーズ様食品から大豆特有の臭気を排除して、豊かな風味、強いコク味を付与できる。
【0020】
【発明の効果】
(1)濃縮豆乳を原料とするため、青臭さ、えぐみ、渋みなどの不快臭がなく、本発明のマヨネーズ様食品に豊かな風味に優れ、食感、喉ごしなどの点で抵抗なく食することができる。そのうえ、甘み、酸味、塩味などの基本的な味とは異なり、濃厚感と伸びを中心としたコク味を食品に新たに付与できる。
また、卵黄、全卵を使用していないことから、卵アレルギー、コレステロール、カロリー性などの点でも問題がなく、消費者ニーズに適合した豆腐活用の乳化物を新たに市場に供給できる。
(2)本発明のマヨネーズ様食品は、べとついて裾広がりに崩れることがなく、ふっくらと形の良いボディ形成能力を有するため、トッピングやサンドイッチ状に挟み込む場合などに好適で、菓子パン類への応用が広く期待できる。
(3)豆腐を使用した乳化物では、豆乳に凝固剤を適正な温度条件で添加して豆腐に凝固する工程があり、凝固に要する時間や温度管理の分だけ作業性が低下してしまうが、本発明では豆腐に替えて豆乳を用いることで、豆乳を凝固する手間が要らず、濃縮豆乳をそのまま乳化工程に供給するだけで済むため、製造工程を簡略化して作業効率を向上できる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明のマヨネーズ様食品の製造実施例を順次述べるとともに、当該マヨネーズ様食品の試食試験例、豆乳の濃縮処理の前後における青臭さなどの臭気度合の測定試験例、並びにマヨネーズ様食品のボディ形成性試験例を併記する。尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0022】
下記に示すマヨネーズ様食品の製造実施例1〜5において、実施例1は乳化剤にグアーガムを使用したドレッシングタイプの例、実施例2は甘味料、全脂粉乳の追加などにより実施例1の配合組成を変えた例、実施例3は乳化剤に卵黄を使用し、液糖やたまねぎエキスなどの添加により甘目に調整したドレッシングタイプの例、実施例4は植物性油脂の含有率を増加させたマヨネーズタイプの例、実施例5は濃縮豆乳の含有率の多いスプレッドタイプの例である。
また、比較例1は濃縮豆乳に替えて、通常濃度の豆乳を原料としてマヨネーズ様食品を製造した例である。
【0023】
《製造実施例1》
常法により大豆を熱水抽出し、ブリックス度12程度の豆乳を調製した後、700mmHg以下の減圧下、蒸気圧力6kg/cm2G、蒸発温度45℃の条件で減圧濃縮処理を行い、100〜150kg/cm2の条件で高圧ホモジナイザーにかけて、ブリックス度25程度の濃縮豆乳を得た。
【0024】
次いで、食酢、調味料、乳化剤、香辛料をミキサーに混合し、30秒〜1分かけて撹拌し、上記濃縮豆乳を混合して1分間撹拌し、さらに植物性油脂を約30秒間に3〜4回に分けて混合し、30秒〜1分間ほど均質に撹拌した後、包装容器に充填して65℃、60分間加熱殺菌し、冷却してマヨネーズ様食品を得た。上記濃縮豆乳、食酢、調味料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などの配合組成は下記の通りである。
濃縮豆乳 50g
すりごま 8g
ごま油 30g
菜種油 130g
米酢 80g
調味料 10g
グアーガム 3g
水 100g
合計 411g
上記グアーガムは三栄源エフ・エフ・アイ社製のビストップを使用した。また、上記調味料はかつおぶしエキスを主成分としたものである。
【0025】
《製造実施例2》
上記実施例1を基本としながら、米酢80gをワインビネガー34gに変更し、ブドウ糖・果糖液糖8g、全脂粉乳18gを新たに追加混合し、マヨネーズ様食品を製造した。
【0026】
《製造実施例3》
濃縮豆乳、食酢、調味料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などを下記の組成で配合した。
濃縮豆乳 50g
すりごま 8g
醤油 60g
サフラワー油 130g
ブドウ糖・果糖液糖 48g
調味料 15g
たまねぎエキス 40g
米酢 80g
卵黄 10g
水 70g
合計 511g
濃縮豆乳の製造条件、乳化条件などは前記実施例1に基づいた。
尚、乳化剤としては、卵黄に替えて、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステルなどを使用できるが、乳化力を高める見地から、これらを卵黄と併用するのが好ましい。
【0027】
《製造実施例4》
上記実施例1と同様の条件で、常法により大豆を熱水抽出し、ブリックス度12程度の豆乳を調製した後、700mmHg以下の減圧下、蒸気圧力6kg/cm2G、蒸発温度45℃の条件で減圧濃縮処理を行い、100〜150kg/cm2の条件で高圧ホモジナイザーにかけて、ブリックス度25程度の濃縮豆乳を得た。
次いで、濃縮豆乳、食酢、調味料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などを下記の組成で配合した。
濃縮豆乳 100g
リンゴ酢 70g
粒マスタード 0.4g
酵母エキス 7g
異性化糖 18g
食塩 4g
綿実油 360g
タラガントガム 0.6g
水 40g
合計 600g
乳化条件などは前記実施例1に基づいた。
尚、上記タラガントガムは三栄薬品社製のものを使用した。
【0028】
《製造実施例5》
濃縮豆乳、食酢、調味料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などを下記の組成で配合した。
濃縮豆乳 200g
米酢 51g
トマトケチャップ 20g
調味料 2g
液糖 70g
食塩 5g
大豆・菜種調合油 200g
タラガントガム 2g
水 10g
合計 560g
濃縮豆乳の製造条件、乳化条件などは前記実施例1に基づいた。
尚、上記調味料はイノシン酸塩などを主成分とする味の素社製のアミリッチ、上記液糖は水あめを主成分とする松谷化学社製のグリスター、上記タラガントガムは三栄薬品社製のものを各々使用した。
【0029】
《比較例1》
上記実施例4で得られた濃縮前のブリックス度12程度の豆乳をそのまま使用し、実施例4の濃縮豆乳に替えてこの通常濃度の豆乳を原料として、実施例1と同様の条件でマヨネーズ様食品を製造した。
【0030】
《マヨネーズ様食品の試食試験例》
そこで、上記実施例群から本発明のマヨネーズ様食品の代表例として実施例4を選び出し、これを比較例1と対比したうえで試食試験を行った。
即ち、実施例4と比較例1の各マヨネーズ様食品を12人のパネラーの試食に供して、風味、食感の官能試験を実施するとともに、総合評価を行った。また、豆乳を使用せず、卵黄を使用した市販のマヨネーズを基準例とした。
上記パネラー12人の内訳は、20〜55歳の男性6人と18〜61歳の女性6人である。
各パネラーは下記の評価基準に従って風味、食感を○〜×で判定し、○は5点、△は3点、×は1点に割り振り、風味、食感の項目ごとに10人全体の平均値を算出した。総合評価は風味とコク味の判定値をさらに平均化したものである。但し、コク味は、前述したように、甘み、酸味、塩味などの基本的な味とは異なり、濃厚感と伸びを中心とした味覚であり、濃縮豆乳の濃厚な風味が口中で増強、維持されて経時的持続効果を生み、口に含んだ瞬間の先味から時間の経過に伴う後味にかけて濃厚感が持続する強度(即ち、タイムインテンシティー)を表現したものである。
風味の評価基準は次の通りである。
○:不快臭は全く感じられず、風味が豊かであった。
△:青臭さが感じられた。
×:青臭さ、えぐみが強かった。
また、食感の評価基準は次の通りである。
○:コク味が強かった。
△:コク味はある程度あるが、不充分であった。
×:コク味に乏しかった。
【0031】
下表はその試験結果を示す。
Figure 0003661124
上記結果を見ると、実施例4のマヨネーズ様食品は青臭さ、えぐみなどは全く感じられず、豊かな風味と強いコク味を具備しており、基準例である市販のマヨネーズより総合評価は高かった。
これに対して、比較例1は青臭さ、えぐみなどが強く感じられ、コク味も乏しかった。
このように、濃縮豆乳を使用したマヨネーズ様食品は、通常濃度の豆乳を使用したものに比べて、風味、コク味などの味覚の点で顕著な優位性があることが明らかになった。
【0032】
前述したように、青臭さ、えぐみ、青大豆臭などの不快臭の主な原因は、n−ヘキサナール、n−ヘキサノール、1−オクテン−3−オールなどの揮発性物質にある。
そこで、実施例4で使用した濃縮豆乳と比較例1の通常濃度の豆乳をガスクロマトグラフィーにかけて、上記揮発性物質の検出度合を確認したところ、下表の結果を得た。
尚、当該ガスクロマトグラフィーにおいては、島津製作所社製のガスクロマトグラフを用いて下記の条件で測定した。
カラム:シリコングリース(100〜120メッシュのセライトに15%含有)、SE−30(ガスクロムPに1%含有)及びエチレングリコールのコハク酸エステルS−X(ガスクロムPに8%含有)
昇温条件:100〜190℃
流速条件:3kg/cm2
また、下表での各物質の検出濃度は、便宜上、実施例4と比較例1でのガスクロマトグラムにおける各検出ピーク面積の相対値として表し、比較例1の検出量を100とした。
【0033】
Figure 0003661124
上記結果によると、比較例1の通常濃度の豆乳に比べて、実施例4の濃縮豆乳では上記揮発性物質が大幅に減少していることが判る。
このように、濃縮豆乳を用いた本発明のマヨネーズ様食品が通常濃度の豆乳をを用いた場合より、風味、コク味などの点で勝るという前記官能試験結果は、本試験例によっても強く裏付けられることが判明した。
【0034】
《マヨネーズ様食品のボディ形成性試験例》
前記試食試験例に準じて、マヨネーズタイプの実施例4と、濃縮豆乳を通常濃度(Brix濃度12)の豆乳に代替した比較例1と、市販のマヨネーズである基準例とを選び出し、ボディ形成性の比較試験を実施した。
即ち、これらの各マヨネーズ様食品をチューブ容器に充填し、底面の直径4cm、高さ4cm程度(つまり、ひとさし指の第二関節程度)の円錐状の山形に絞り出し、室温下で、この円錐の30分後の崩れ具合を測定して、下式で表される円錐高さの保持率(%)をもって各試料のボディ形成性を判定した。
円錐高さの保持率(%)=(30分後の円錐の高さ/初期の高さ)×100
ちなみに、本試験例の評価にあっては、各試料の円錐高さの保持率が大きいほどボディ形成性が良く、保持率が小さいほどボディ形成性に劣る。
【0035】
下表はその試験結果を示す。
Figure 0003661124
上記結果を見ると、実施例4のマヨネーズ様食品の保持率はきわめて高く、ふっくらと形を保つ点では基準例より勝ることから、優れたボディ形成性を示すことが明らかになった。
これに対して、通常濃度の豆乳を用いた比較例1では、円錐の全体がべたついて裾広がりに崩れ易く、ボディ形成性が悪かった。
このように、濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品は、通常濃度の豆乳を用いたものに比べて、ボディ形成性の点でも明らかな優位性があることが判明した。

Claims (3)

  1. 豆乳、食酢、調味料、香辛料及び乳化剤、植物性油脂を混合し、乳化した食用乳化物において、
    上記豆乳が、ブリックス度20〜40の濃縮豆乳であることを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品。
  2. 請求項1に記載の乳化剤が、増粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどであることを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品。
  3. 食酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合して予備乳化し、これにブリックス度20〜40の濃縮豆乳を混合し、さらに、植物性油脂を混合し、乳化することを特徴とする濃縮豆乳を用いたマヨネーズ様食品の製造方法。
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