JP3437270B2 - 水中油型乳化食品 - Google Patents

水中油型乳化食品

Info

Publication number
JP3437270B2
JP3437270B2 JP16973994A JP16973994A JP3437270B2 JP 3437270 B2 JP3437270 B2 JP 3437270B2 JP 16973994 A JP16973994 A JP 16973994A JP 16973994 A JP16973994 A JP 16973994A JP 3437270 B2 JP3437270 B2 JP 3437270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
raw material
polymerization
egg yolk
cholesterol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16973994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0823918A (ja
Inventor
山 崇 高
邦 彦 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP16973994A priority Critical patent/JP3437270B2/ja
Publication of JPH0823918A publication Critical patent/JPH0823918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3437270B2 publication Critical patent/JP3437270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
  • Seasonings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、新規な水中油型乳化食
品に関する。 【0002】 【従来の技術】マヨネーズや乳化タイプのサラダドレッ
シングで代表される酸性の水中油型乳化食品には、従来
より、乳化材としてと共に特徴のある風味付けのために
卵黄が用いられている。ところで、近時、これらの水中
油型乳化食品においてもコレステロール含量の少ない製
品が求められるようになり、従来使用の卵黄に代えてあ
るいはその一部としてコレステロールの含有量が低減さ
れた卵黄、例えば食用油あるいは超臨界二酸化炭素など
によりコレステロールが約40〜90%程度も抽出除去
された卵黄(特開昭63−109757および特公昭6
2−51092など参照)を用いる試みがなされてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、コレステロ
ールを低減した卵黄を用いた酸性の水中油型乳化食品
は、保存中にセットしたような状態になり、すなわち、
例えば押出し容器入り製品の場合には、押出しの際なめ
らかでなく、押出された製品の表面は、製造当初みられ
た光沢が失われてなめらかさを欠いており、細かなでこ
ぼこした状態になっているなど、総じて製品としての見
映えが悪くなるという問題が認められた。このような問
題は、特に、粘稠性のあるマヨネーズやデンプンを含ん
だ乳化タイプのサラダドレッシングにおいて顕著であっ
た。よって、本発明は、コレステロールを低減した卵黄
を用いても保存中に上記したような物性の変化の生じ難
い新規な酸性の水中油型乳化食品を提供することを目的
とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、コレステロールを低
減した卵黄を含む酸性の水相原料と、油相原料とが水中
油型に乳化されてなる乳化物からなり、該乳化物が、糖
鎖の平均重合度約3〜30の多糖類を更に含むことを特
徴とする水中油型乳化食品をを提供するものである。 【0005】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おいて「コレステロールを低減した卵黄」とは、天然の
卵黄(生鮮卵黄中コレステロール含量1.2〜1.5
%)に比べて含有するコレステロールの割合を減少させ
た卵黄をいう。具体的には、卵黄を食用油と混合後食用
油を分離除去するか、あるいは乾燥卵黄を超臨界二酸化
炭素と接触後常圧に戻して二酸化炭素を分離除去するな
どして卵黄中のコレステロールを40〜90%程度抽出
除去したものなどを挙げることができる。なお、これら
の抽出操作を数回繰り返してコレステロールをほぼ10
0%抽出除去したものも、「コレステロールを低減した
卵黄」に含まれるものとする。また、コレステロールを
超臨界二酸化炭素との接触抽出によって低減化したもの
は粉末状の製品として得られるので、使用に際しては水
戻しして用いるとよい。 【0006】本発明における水相原料は、従来の卵黄に
代えてあるいはその一部として上記したようなコレステ
ロールを低減した卵黄を配合して含む酸性の水相原料で
ある。コレステロールを低減した卵黄の配合割合は、最
終製品中約5〜25%程度であるのが一般的である。卵
黄以外の水相原料は何らかの食用有機酸の存在により酸
性を呈している、水を主体とする配合原料であり、従来
の水中油型乳化食品における水相原料と特に異ならな
い。よって、これに溶解あるいは分散しうる他の成分・
原料、例えばデンプン、各種調味料(食塩、糖類、グル
タミン酸ソーダ、アミノ酸、核酸系調味料、各種粉末状
スパイスなど)、蛋白質原料(乳蛋白、大豆蛋白など)
を必要に応じて含みうる。有機酸としては食用に供しう
る有機酸であれば特に限定されず、例えば、酢酸、クエ
ン酸、乳酸、酒石酸などを挙げることができる。これら
の酸を含む天然の原料である酢、柑橘類の果汁なども有
機酸として好ましく配合しうる。 【0007】本発明における油相原料は、サラダ油など
の食用油を主体とする配合原料であり、従来の水中油型
乳化食品における油相原料と特に異ならず、これに溶解
あるいは分散しうる他の成分・原料、例えば油溶性ビタ
ミン、油溶性あるいは油分散性スパイスなどを必要に応
じて配合しうる。 【0008】本発明の水中油型乳化食品は、まず、上記
したような水相原料と油相原料とが水中油型に乳化され
てなる乳化物である。すなわち、水相中に油滴が分散さ
れた状態にある乳化物であり、具体的には、マヨネー
ズ、デンプン含有の乳化タイプのサラダドレッシングな
どが挙げられる。この際水相原料と油相原料との配合割
合は、前者10〜90部に対して後者90〜10部程度
でよいが、通常は前者40〜80部に対して後者60〜
20部程度が一般的である。なお、本発明において部は
重量部を意味する。 【0009】本発明の水中油型乳化食品は、まず、上記
したような乳化物からなるものであり、このものに更に
糖鎖の平均重合度約3〜30の多糖類を配合して含むも
のである。ここにおいて「糖鎖の平均重合度約3〜30
の多糖類」とは、グルコース、フラクトース、ガラクト
ース、マンノースなどの単糖が複数グリコシド結合した
糖鎖から成り、該糖鎖をなす単糖の平均重合度が約3〜
30である多糖類を意味する。単糖としてはグルコース
が一般的である。なお、糖鎖の構造に関しては、例え
ば、直鎖状であるか、あるいは分岐状であるかなどは問
わない。また、多糖類としては、糖鎖の平均重合度が約
3〜30のデンプンの加水分解物であるデキストリンが
最も典型的である。後述の試験例の結果から明らかなよ
うに、平均重合度があまり高くてもあるいは低くても最
終製品の保存中におけるセット化防止効果は得がたくな
る。平均重合度が5〜20程度のものが好ましい。 【0010】なお、本発明において最も典型的な多糖類
の例である、糖鎖の平均重合度が約3〜30のデキスト
リンの場合は、この重合度とDE(dextrose equivalen
t)との関係は経験上ほぼ DE=100/重合度といえ
ることから、糖鎖の重合度が3〜30のデキトスリンは
DEがほぼ33〜3で、重合度5〜20のデキストリン
はDEがほぼ20〜5であると一般的にいえる。よっ
て、DEがほぼ3〜33の範囲内にある市販のデキスト
リンは、本発明における特定の多糖類として利用しう
る。DEが5〜20程度のデキストリンが、最終製品の
保存中におけるセット化防止効果上好ましい。なおDE
があまり高くなると(即ち、重合度があまり低すぎる
と)、上記効果が得難くなると共に最終製品に甘味がつ
くようになる。また、後述の実施例の結果から明らかな
ように、デキストリンが部分的に還元されてアルコール
構造になったもの、即ちデキストリンアルコールであっ
ても糖鎖の平均重合度が約3〜30のものである限り本
発明における多糖類として好ましく配合しうる。 【0011】多糖類の配合割合は、最終製品中約0.3
〜5%程度であるのが一般的である。あまり少なくては
最終製品の保存中のゲル化防止効果は得がたく、またあ
まり多くてもその配合量に応じた該効果の向上はあまり
期待できないからである。0.5〜3%程度が好まし
い。 【0012】このような本発明の水中油型乳化食品は、
例えば、水相原料として、コレステロールを低減した卵
黄5〜25%、平均重合度5〜20の多糖類(デキスト
リンの場合はDEが5〜20のもの)0.5〜3%の
他、食酢、各種調味料(食塩、砂糖、グルタミン酸ソー
ダ、辛子粉など)を含む水相原料10〜90部と、サラ
ダ油を主体とする油相原料90〜10部とを常法に準じ
て混合乳化させて水中油型乳化食品とすることによって
一般的に製造することができる。 【0013】 【作用】理論によって制限されるものではないが、コレ
ステロールを低減した卵黄は、コレステロールと共に中
性脂肪などの油分も一般的に抽出除去されるのが認めら
れることから、これを用いて製造した水中油型乳化食品
は保存中に卵黄蛋白分子がお互いに結合し易くなって物
性の変化を生じるようになるのに対して、糖鎖の平均重
合度が約3〜30の多糖類が配合されるとこれが卵黄蛋
白分子と分子との間に介在し、これらの相互結合・凝集
を防げるように作用するようになり、延いてはセット化
し難くするのではないかと考えられる。 【0014】 【実施例】以下、本発明を実施例および試験例でもって
更に詳しく説明する。なお、本発明において%はすべて
重量基準である。実施例1 下記の配合割合の水相原料と油相原料とを用い、予め充
分混合しておいた酸性の水相原料中に、撹拌下油相原料
を添加し、常法に準じて乳化させて本発明の水中油型乳
化食品を製造した。 配合原料 配合割合(%) 油相原料: 大豆サラダ油 65.0 水相原料: 卵黄(1) 12.0 食酢(酸度:約8%) 10.0 食塩 3.0 グルタミン酸ソーダ 0.5 辛子粉 2.0 デキストリン(2) 2.0 清水 残量 100.0 註:(1) 卵黄を食用油と混合後食用油を分離除去して卵黄中のコレステロー ルを約90%抽出除去した卵黄(液状)を使用した。 (2) 市販のDE約8(糖鎖の平均重合度約12に相当)のデキストリン を使用した。 【0015】実施例2 上記実施例1においてデキストリン(2.0%)に代え
て同一配合割合のデキストリンアルコール(糖鎖の平均
重合度約12)を用いた他はすべて同一の条件の下で本
発明の水中油型乳化食品を製造した。上記実施例1およ
び2で得られた水中油型乳化食品は、これらをそれぞれ
押出し容器(容量:約110cc)に充填し、室温で5ケ
月間保存した後容器から押出してみたところ、なめらか
で、光沢とも製造当初のものと何ら変わりのないもので
あった。 【0016】試験例 上記実施例1において、用いたデキストリンの種類を下
記の表1に示したものに変えた他はすべて同一条件の下
で5種類の本発明の水中油型乳化食品を製造した。ま
た、デキストリンに代えてデンプン(2.0%)、キサ
ンタンガム(0.7%)および蔗糖(2.0%)をそれ
ぞれ用いた他はすべて実施例1と同一条件の下で3種類
の対照の水中油型乳化食品を製造した。なお、デンプン
は原料の清水で予め糊化して用いた。これら8種類の製
品を、それぞれ押出し容器(容量:約110cc)に充填
し、室温で5ケ月間保存した後、容器から押出したとき
の状態を調べた。結果を第1表に示す。 【表1】表1の結果から、糖鎖の平均重合度約3〜30の多糖類
を配合した製品は、長期保存後であっても製造当初みら
れたなめらかさや光沢を維持しており、保存中にセット
したような状態にはなりにくいことがわかる。 【0017】 【発明の効果】本発明により、コレステロールを低減し
た卵黄を使用していても、製品の保存中に物性の変化が
生じ難い新規な水中油型乳化食品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−199559(JP,A) 特開 平3−277249(JP,A) 特開 昭63−109757(JP,A) Labell F.,Moltode xtrin−based gels r educe fats up to 50 % preserve creamy texture,Food Proce ssing,米国,1987,Vol.48, No.4,p.83 浅野悠輔他編,卵−その化学と加工技 術−,日本,株式会社光琳,1985年12月 10日,p.81−82 佐藤泰編,食卵の科学と利用,日本, 株式会社地球社,1980年 2月20日,初 版,p.96−97 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】卵黄中のコレステロールを40%以上低減
    した卵黄を含む酸性の水相原料と、油相原料とが水中油
    型に乳化されてなる乳化物からなり、該乳化物が、糖鎖
    の平均重合度約5〜20の、デキストリンまたはデキス
    トリンアルコールから選ばれる多糖類を更に含むことを
    特徴とする水中油型乳化食品。
JP16973994A 1994-07-21 1994-07-21 水中油型乳化食品 Expired - Fee Related JP3437270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16973994A JP3437270B2 (ja) 1994-07-21 1994-07-21 水中油型乳化食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16973994A JP3437270B2 (ja) 1994-07-21 1994-07-21 水中油型乳化食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0823918A JPH0823918A (ja) 1996-01-30
JP3437270B2 true JP3437270B2 (ja) 2003-08-18

Family

ID=15891954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16973994A Expired - Fee Related JP3437270B2 (ja) 1994-07-21 1994-07-21 水中油型乳化食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3437270B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6660312B2 (en) 2001-04-20 2003-12-09 Kewpie Kabushiki Kaisha Egg yolk-containing, reduced-cholesterol, oil-in-water emulsified food and the preparation thereof
TWI331903B (en) * 2002-07-01 2010-10-21 Kao Corp Acidic oil-in -water type emulsified compositions
JP4619345B2 (ja) * 2006-11-20 2011-01-26 キユーピー株式会社 酸性水中油型乳化食品
JP2009207386A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Ajinomoto Co Inc 吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法
US9713340B2 (en) 2008-09-23 2017-07-25 North Carolina State University Electromagnetic system
JP5300018B2 (ja) * 2009-07-31 2013-09-25 長谷川香料株式会社 流動性改善剤

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Labell F.,Moltodextrin−based gels reduce fats up to 50% preserve creamy texture,Food Processing,米国,1987,Vol.48,No.4,p.83
佐藤泰編,食卵の科学と利用,日本,株式会社地球社,1980年 2月20日,初版,p.96−97
浅野悠輔他編,卵−その化学と加工技術−,日本,株式会社光琳,1985年12月10日,p.81−82

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0823918A (ja) 1996-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Keller Sodium carboxymethylcellulose (CMC)
US4308294A (en) Oil replacement composition
EP0521707B1 (en) Food additive comprising water soluble hemicellulose
US6207194B1 (en) Pectin process and composition
US5422136A (en) Starch-based food enhancing ingredient
US5502181A (en) Low gel strength agar-agar
JPH0191746A (ja) 繊維構造を有するグルテン及びそれによって得られた食肉様製品
US5360624A (en) Emulsion-type food
US7544379B2 (en) Composite containing fine cellulose
JP2795424B2 (ja) 低強度寒天を用いた食品
JP3437270B2 (ja) 水中油型乳化食品
JP4289833B2 (ja) 米粉生地焼成食品、そのための米粉生地及びミックス粉
KR20110040263A (ko) 계란을 사용하지 않는 마요네즈 조성물
DE2607092A1 (de) Mayonnaisenartige zubereitungen
DE2305494B2 (de) Verfahren zur enzymatischen Herstellung von Stärkehydrolysenprodukten
EP3457861B1 (en) Oil-in-water emulsion containing wheat flour and physically modified starch
KR100282839B1 (ko) 전분-농화성 식료품 및 그의 제조 방법
JPS6341541B2 (ja)
JP3461792B2 (ja) マヨネーズ様食品
JPH10313806A (ja) カスタードクリーム練込用油脂組成物
JP2001252050A (ja) 全卵組成物及びこれを用いた卵加工食品
JP2003111577A (ja) 酸性水中油型乳化食品
JPH0678704A (ja) ホイップクリーム
JP2001252042A (ja) マヨネーズ様食品
JP2012010621A (ja) 酸性水中油型乳化食品

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140606

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees