JP2009207386A - 吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法 - Google Patents

吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸水性のあるアルデンテ感のあるパスタ等の吸水性のある具材と和えても水分移行が少ない為、乾き難く、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供する。
【解決手段】水相と油相とが生卵黄により水中油型に乳化されてなる、油相含量が60〜75質量%の水中油型乳化食品において、多糖類としてDE(Dextrose Equivalent)1〜11のでん粉糖を好ましくは2質量%以上含有させる水中油型乳化食品を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法に関し、詳しくはアルデンテ感(しこしこ感)のあるボイルパスタ(以下、パスタと呼称)のような吸水性のある食材と和えても、水中油型乳化食品中の水分が食材に移行し難い、即ち、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法に関する。
サラダ類には、ポテトサラダ、野菜サラダ、パスタサラダ、卵サラダ、フルーツサラダ等、各種類があり、健康的な食品として高く評価されている。これらサラダ類の調味料として、主にマヨネーズ類やドレッシング類等の調味料が一般的に使用されている。
これらサラダ類のうち、ポテト、卵、又はパスタ等の食材を使用したサラダ類では、マヨネーズ類やドレッシング類中の水分が移行することにより、食感や外観上、好ましくない変化の起こることが知られている。これらの現象は、特にパスタサラダ類で顕著であるが、即ち、アルデンテ感のあるパスタとマヨネーズ類とを和えた場合、時間の経過と共にマヨネーズ類中の水分がパスタに移行し、この結果、パスタが軟らかくなったり、又、マヨネーズ類の乳化が破壊したり、パスタ表面が乾いたような状態になってしまうといった問題点があった。
ここで、マヨネーズ類の乾きとは、マヨネーズ類中の水分がパスタ等の具材に移行することにより、パスタの表面において、透明感のある、乾いたような状態になったことをいう。パスタ上にマヨネーズ類が比較的厚くのっている部分では、乾きが比較的軽減される為、これらの部分だけムラとなり、ボソボソしたような外観を呈することもある。このような外観を呈すると、パスタ表面上でのマヨネーズ類のみずみずしさやてり・つやが減少し、干からびた様な感じを受け、食欲も減退してしまう。特に、スーパー、デパート等の惣菜売り場で販売されるパスタサラダ類では品質上大きな課題点であり、売り上げにも大きく影響してくる。
パスタサラダ類において、マヨネーズ類中の水分がパスタ食材に移行する原因は、次のようなことに基づくものである。即ち、アルデンテ感のあるパスタサラダ類を製造するためには、吸水倍率が約2のパスタ(デュラムセモリナ100%)が使用されるが、このパスタでは吸水する性質が強く、マヨネーズ類中の水が徐々にパスタ側に奪われてしまうことになる。
従来から、パスタの水分含量の指標として、吸水倍率が用いられているが、吸水倍率とは、パスタの重量を元の乾物パスタ重量で除した値(=パスタ重量/元の乾燥パスタ重量)を言い、通常、アルデンテ感のあるパスタでは約2を示し、やや軟らかくなったものは、約3を示し、更に軟らかいものでは約4を示す。ここで、吸水倍率が約3以上のパスタをパスタサラダ類に使用するとパスタの吸水性はかなり軽減されるが、吸水倍率が約2のパスタでは吸水性が比較的強いため、前記したようなマヨネーズ類の乾きの現象が見られる。
マヨネーズ類の乾きの課題点を解消する為に、従来、吸水倍率が約3以上のパスタを使用し、パスタの食感を犠牲にしていたが、近年、消費者の味覚・嗜好の向上により、従来のようなアルデンテ感のないパスタサラダ類は、次第に敬遠される傾向にある。こうして、従来の課題点を解消する為に、マヨネーズ類に吸水耐性を付与させる、以下のような技術が開示されている。例えば、4〜7糖類が糖組成の50%以上を占めるオリゴ糖であって、これを固形分換算で3%以上含有するマヨネーズ様食品に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、アルデンテ感のあるパスタと和えた場合、マヨネーズ様食品中の水分が移行して、乾きが見られる為、吸水耐性が十分とは言えない問題点があった。又、グアーガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム等の水溶性多糖類の部分分解物、又はアラビノガラクタンを含有した酸性水中油型乳化食品に関する技術が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、水溶性多糖類の部分分解物やアラビノガラクタンは吸湿性等があるためにハンドリング性が良くないことや経済的に高価であるといった問題点があった。更に、ガティガムを含有した酸性水中油型乳化物であるパスタソースに関する技術が開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、ガティガムは分散溶解性が比較的悪いため、ハンドリング性が良くないことや経済的に高価であるといった問題点があった。
特許第3461792号公報 特許第3794957号公報 特開2007−60914号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、吸水性のあるアルデンテ感のあるパスタ等の具材と和えても水分移行が少ない為、乾き難く、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、DE1〜11のでん粉糖を使用することにより、吸水性のあるアルデンテ感のあるパスタ等の具材と和えても、パスタ表面で乾いたり、又はボソボソとした外観を示したりしない、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品が得られることを見出した。即ち、本発明は、水相と油相とが生卵黄により水中油型に乳化されてなる、油相含量が60〜75質量%の水中油型乳化食品において、多糖類としてDE1〜11のでん粉糖を含有させることを特徴とする吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。また、本発明の実施形態としては、DE1〜11のでん粉糖が水中油型乳化食品中に2〜10質量%含有させる吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、水相原料として、DE1〜11のでん粉糖を用いることにより、パスタサラダ類に使用されても、乾き難く、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法が提供される。しかも、本発明によれば、4〜7糖類が糖組成の50%以上を占めるオリゴ糖を使用したマヨネーズ類に見られる、吸水耐性が不十分といった問題点や、又、グアーガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム等の水溶性多糖類の部分分解物、又はアラビノガラクタンを含有した酸性水中油型乳化食品に見られるハンドリング性が良くないことや経済的に高価であるといった問題点や、更に、ガティガムを含有した酸性水中油型乳化物であるパスタソースに見られる、ハンドリング性が良くないことや経済的に高価であるといった問題点もない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるでん粉糖とは、でん粉を原料として、酸又は酵素により加水分解されて生じるでん粉分解物の総称であるが、殆ど純粋のブドウ糖から水あめ、更にはデキストリン等、その性状にはかなりの幅がある。でん粉が完全に加水分解されたものはブドウ糖であるが、分解度(=糖化度)の指標として、通常、DEが用いられている。即ち、未分解のでん粉をDE0とし、完全に加水分解されてブドウ糖となったものをDE100としたものである。より具体的には、固形分中のブドウ糖として表した全還元糖の比率であり、次式により算出される。
DE = 全還元糖(ブドウ糖として表示)/固形分 × 100
還元糖の測定には、Bertrand法、Somogyi法及びSomogyi-Nelson法等が用いられている。(丸善(株) 食品総合辞典 平成10年発行)
一般に、国内では、DEが約1〜20のでん粉糖がデキストリンと呼ばれており、更に、DEが約20〜60のでん粉糖が水あめと呼ばれており、DE約60以上のでん粉糖は粗製ブドウ糖、精製ブドウ糖等と呼ばれている。しかしながら、デキストリンと水あめとの区別は厳密ではなく、更に、デキストリンは、明確には定義されていない。一方、米国では、デキストリンはFDAのCFR21(§184.1277及び§184.1444)に明瞭に定義されている。即ち、Dextrinとは、でん粉を乾熱(dry heating)することにより、部分分解されたものであり(§184.1277)、又、Maltodextrinとは、DE20以下のでん粉分解物であることが定義されている。本発明のDE1〜11のでん粉糖とは、米国規格によるとMaltodextrinに該当するものである。DE1〜11のでん粉糖は、通常、アミラーゼを用いた酵素糖化により調製されるが、これは酸糖化に比べて加水分解度が低く、更に、DEが制御し易いことによる。
製法の概要としては、以下のような工程から構成されている。先ず、でん粉をアミラーゼにより酵素糖化した後、酵素を失活させる。次いで、予備濃縮・脱色・脱塩の操作を行った後、殺菌し、更に仕上げ濃縮を行い、最後に乾燥して製品化される。工程中、酵素糖化の条件により、製品のDE値が決定される。
本発明で用いられるでん粉糖のDEは1〜11が好ましく、更にDE2〜6がより好ましい。DE1未満のでん粉糖やでん粉を使用すると、水中油型乳化食品の粘度が高くなり、仕上げ乳化の際に転相したり、調製されたとしても口中でのもたつき感が出たりするため、食感上好ましくない。一方、でん粉糖のDEが11を超えると、水中油型乳化食品に吸水耐性を付与することが出来ないため、いずれも好ましくない。
又、でん粉糖の添加量としては、2質量%以上が好ましく、更に、4〜10質量%がより好ましい。2質量%未満では、水中油型乳化食品に吸水耐性を付与する効果が明確に把握することが出来ず、又、10質量%を超えると、水中油型乳化食品の粘度が高くなり、仕上げ乳化の際に転相したりするため、いずれも好ましくない。
でん粉糖以外、本発明で用いられる水相原料について、次に説明する。
本発明の水中油型乳化食品の乳化剤として、卵黄が使用されるが、未処理の生卵黄又はホスホリパーゼAやプロテアーゼ等によって酵素処理されたものであっても、乾燥処理を施されていない生卵黄が好ましい。例えば、超臨界炭酸ガスや植物油脂等を用いて卵黄中のコレステロールを減少させた加工卵等を使用した水中油型乳化食品では、特開2003−310207号公報に記載されているように、滑らかな乳化物が得られないなどの問題点がある。外観がボソボソした様な水中油型乳化食品と具材とを和えてサラダ類を調製した場合、完全に混ざりきらず、ぶつぶつした外観状態を呈するため、好ましくない。又、乾燥卵黄を使用すると水中油型乳化食品の粘度が高くなり過ぎ、仕上げ乳化の際 に転相するため、いずれも好ましくない。でん粉糖自体が水中油型乳化食品の粘度を増加させる作用があり、粘度を過度に増加させることなく、併せて滑らかな乳化状態を得る為にも、未処理の生卵黄又は酵素処理されたものであっても、乾燥処理を施されていない生卵黄の使用が好ましい理由である。
その他、水相を構成する原料については、マヨネーズとして通常、使用されているものでよい。例えば、水、砂糖類(砂糖、ブドウ糖、果糖・ブドウ糖液糖)、酸味料(食酢・かんきつ類の果汁・クエン酸等)、たん白加水分解物、香辛料、調味料(アミノ酸等)等が挙げられ、これらを用途に応じて、種類や使用量を適宜選定して用いることができる。
一方、油相原料としては、食用植物油や親油性のある香辛料、着色料、香料等が挙げられる。使用する食用植物油としては、綿実油、コーン油、米ぬか油、大豆油、パーム油、サフラワー油、菜種油、ゴマ油等が挙げられ、これらを単品で、或いは2種類以上混合して使用する。
本発明の水中油型乳化食品の油相原料の割合は、60〜75質量%が好ましく、更に65〜70質量%がより好ましい。油相原料の割合が60質量%未満では、油脂感が乏しくなって美味しさが低下したり、又、でん粉糖の添加量が多くなったりするため、口中でのもたつき感が出るので好ましくない。一方、油相原料の割合が75質量%を超えると、仕上げ乳化の際に転相し易くなるので、いずれも好ましくない。
本発明の水中油型乳化食品の製造は、既知の手法により行えばよく、特に制限されない。例えば、水以外の水相原料を、水等に分散・溶解し、水相を調製するが、本発明で使用するでん粉糖は、この際に分散・溶解させる。次に調製した水相に油相原料を加えて、一般的な攪拌機、例えば、市販の万能混合攪拌機等を用いて予備乳化する。次いで、コロイドミル等の乳化機により仕上げ乳化を行うことによって、本発明の吸水耐性に優れた水中油型乳化食品を製造することができる。
このようにして得られた油相含量が60〜75質量%の水中油型乳化食品では、DE1〜11のでん粉糖を2質量%以上含有し、生卵黄により乳化されている為、食感・外観ともに滑らかであり、アルデンテ感のあるパスタの様な吸水性のある食材と和えても、吸水耐性を有しているものである。水中油型乳化食品がDE1〜11のでん粉糖を含有することにより、優れた吸水耐性が付与される理由として、水中油型乳化食品中の水の移行がでん粉糖により阻止されることによるものと考えられ、一種の保湿剤の役割を果たしているものと推測される。
次に、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明は、これらにより何ら制限されるものではない。
実施例1〜12
(1) 水中油型乳化食品(本発明品)の調製
表1に示す配合の原料を水中油型に乳化し、実施例1〜12の水中油型乳化食品(本発明品)を調製した。即ち、水相原料である殺菌卵黄、各種でん粉糖、砂糖、食塩、グルタミン酸ナトリウム、食酢(15%酸度)及び水を混合・溶解して水相を調製した。尚、でん粉糖は三和澱粉工業(株)製「サンデック#30」(DE2.4)、「サンデック#70」(DE6.0)及び「サンデック#100」(DE11.1)を使用した。調製された水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルトミキサー(ホバルト社製)にて、予備乳化した。次いで、コロイドミル(クリアランス :4/1,000〜10/1,000インチ、回転数 : 3,500rpm)により、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(本発明品)を調製した。
(2)水中油型乳化食品(本発明品)の吸水耐性の評価
上記(1)で得られた実施例1〜12の水中油型乳化食品(本発明品)の吸水耐性について、次のような方法により評価した。即ち、10分間ボイルしたママーマカロニ(株)製のママ・エルボマカロニ(吸水倍率:2.3)100g、細切りハム60g、細切りきゅうり80g、スイートコーン(ホール)50g及び水中油型乳化食品(本発明品)100gを和えて、マカロニサラダ(4人分)を調製した。このマカロニサラダ100gを300g用ボウルに充填し、サランラップで蓋をしたものを5℃・1日保存した後、マカロニ表面部分での水中油型乳化食品(本発明品)の変化について目視観察を行い、下記に示す3段階の評価により判定した。結果を表1に示す。
[吸水耐性の基準]
・良好 :マカロニ表面上の水中油型乳化食品の変化が殆どない。
・やや良好:マカロニ表面上の水中油型乳化食品中の水分がやや吸水されて、部分的にやや黄色味をおびている。
・不良 :マカロニ表面上の水中油型乳化食品中の水分が吸水されて、全体的に黄色味をおびている。
Figure 2009207386
Figure 2009207386
(比較例1)
実施例2において、DE2.4のでん粉糖を用いず、その代わりに、三和澱粉工業(株)製「サンデック#150」(DE16.2のでん粉糖)を用いて、比較例1の水中油型乳化食品を調製し、実施例2と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例2において、DE2.4のでん粉糖を用いず、その代わりに、三和澱粉工業(株)製「サンデック#180」(DE19.2のでん粉糖)を用いて、比較例2の水中油型乳化食品を調製し、実施例2と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例7において、DE2.4のでん粉糖を用いず、その代わりに、三和澱粉工業(株)製「サンデック#150」(DE16.2のでん粉糖)を用いて、比較例3の水中油型乳化食品を調製し、実施例7と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例7において、DE2.4のでん粉糖を用いず、その代わりに、三和澱粉工業(株)製「サンデック#180」(DE19.2のでん粉糖)を用いて、比較例4の水中油型乳化食品を調製し、実施例7と同様にして吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例12において、DE2.4のでん粉糖を用いず、その代わりに、三和澱粉工業(株)製「サンデック#150」(DE16.2のでん粉糖)を用いて、比較例5の水中油型乳化食品を調製し、実施例12と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例12において、DE2.4のでん粉糖を用いず、その代わりに、三和澱粉工業(株)製「サンデック#180」(DE19.2のでん粉糖)を用いて、比較例6の水中油型乳化食品を調製し、実施例12と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例6〜11において、でん粉糖を用いず、全体が100質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例6〜11と同様にして、比較例6の水中油型乳化食品を調製し、実施例6〜11と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例12において、でん粉糖を用いず、全体が100質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例12と同様にして、比較例8の水中油型乳化食品を調製し、実施例12と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例9)
実施例1において、油分量及びでん粉糖量を、それぞれ80質量%及び1質量%とし、全体が100質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例9の水中油型乳化食品を調製し、実施例1と同様にして、吸水耐性を評価した。
(比較例10)
実施例3において、油分量及びでん粉糖量を、それぞれ80質量%及び2質量%とし、全体が100質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例3と同様にして、比較例10の水中油型乳化食品を調製し、実施例3と同様にして、吸水耐性を評価した。
(比較例11)
実施例6〜11において、でん粉糖を用いず、その代わりに加工澱粉(ステリー社製:「ミラシック606」)を1質量%用い、更に、全体が100質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例6〜11と同様にして、比較例11の水中油型乳化食品を調製し、実施例6〜11と同様にして、吸水耐性を評価した。
(比較例12)
実施例6〜11において、でん粉糖を用いず、その代わりに加工澱粉(ステリー社製:「ミラシック606」)を3質量%用い、更に、全体が100質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例6〜11と同様にして、比較例12の水中油型乳化食品を調製し、実施例6〜11と同様にして、吸水耐性を評価した。
Figure 2009207386
Figure 2009207386
表1の結果から明らかなように、油分量が60質量%である実施例1〜5の水中油型乳化食品は、いずれも滑らかな乳化状態を示し、DE2.4〜11.1のでん粉糖を8〜10質量%使用することにより、吸水耐性がやや良好〜良好であることが判った。尚、DE値が低いでん粉糖ほど、より高い効果を奏することが把握された。又、油分量が70質量%である実施例6〜11の水中油型乳化食品は、同様に滑らかな乳化状態を示し、DE2.4〜11.1のでん粉糖を2〜6質量%使用することにより、吸水耐性がやや良好〜良好であることが判った。ここでも、DE値が低いでん粉糖ほど、より高い効果を奏することが把握された。更に、油分量が75質量%である実施例12の水中油型乳化食品でも、滑らかな乳化状態を示し、DE2.4のでん粉糖を2質量%使用することにより、吸水耐性が良好であることが判った。全体的には、油分量が60〜75質量%の水中油型乳化食品において、DE2.4〜11.1のでん粉糖を水中油型乳化食品中に2〜10質量%添加・配合することにより、吸水耐性がやや良好〜良好な水中油型乳化食品が得られることが理解された。DE値が小さいでん粉糖ほど、水中油型乳化食品に、より高い吸水耐性を付与させることができ、又、油分量が高くなるにつれて、より少ないでん粉糖量にて効果を奏することが判った。
これに対し、表2の結果から明らかなように、油分量が60質量%である比較例1及び比較例2の水中油型乳化食品では、いずれも滑らかな乳化状態を示してはいるが、DE16.2及び19.1のでん粉糖を10質量%と比較的多く使用しているものの、吸水耐性は不良であることが判った。又、油分量が70質量%である比較例3及び比較例4の水中油型乳化食品は、同様に滑らかな乳化状態を示してはいるが、DE16.2及び19.1のでん粉糖を6質量%と比較的多く使用しているものの、吸水耐性は不良であることが判った。更に、油分が75質量%である比較例5及び6の水中油型乳化食品では、同様に滑らかな乳化状態を示してはいるが、DE16.2及び19.1のでん粉糖を2質量%使用しているものの、吸水耐性は不良であることが判った。
比較例1〜6及び実施例1〜12の結果を考え合わせると、油分量60〜75質量%の水中油型乳化食品において、DE11.1を超えるでん粉糖を使用しても、やや良好〜良好な吸水耐性を水中油型乳化食品に付与できないことが理解された。
次に、でん粉糖が無添加で、油分が70及び75質量%である比較例7及び比較例8の水中油型乳化食品では、吸水耐性が不良であることから、澱粉糖の添加が必須であることが理解され、特に、DE2.4〜11.1のでん粉糖の重要性が理解された。又、DE2.4及びDE6.0のでん粉糖をそれぞれ1.0質量%及び2.0質量%添加した、油分量が80質量%である比較例9及び比較例10の水中油型乳化食品では、乳化時に転相した為、吸水耐性の評価を行うことができなかった。これらの結果から、油分量が80質量%以上の水中油型乳化食品では、吸水耐性が付与される程度の澱粉糖量を用いると転相してしまうことが理解された。
更に、油分が70質量%で、澱粉糖の代わりに加工澱粉を1質量%使用した比較例11の水中油型乳化食品では、吸水耐性が不良であることから、加工澱粉では効果に乏しいことが理解された。更に、加工澱粉を3質量%使用した比較例12の水中油型乳化食品では、乳化時に転相した為、吸水耐性の評価を行うことができなかった。これらの結果から、水中油型乳化食品に、でん粉糖の代わりに加工澱粉を使用しても、吸水耐性が付与されないことが理解された。
以上のような実施例及び比較例の水中油型乳化食品の評価結果から、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品を得る為には、油相含量が60〜75質量%で、DE1〜11のでん粉糖を水中油型乳化食品中に2〜10質量%含む水中油型乳化食品であることが理解された。

Claims (2)

  1. 水相と油相とが生卵黄により水中油型に乳化されてなる、油相含量が60〜75質量%の水中油型乳化食品において、多糖類としてDE(Dextrose Equivalent)1〜11のでん粉糖を含有させることを特徴とする吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法。
  2. DE1〜11のでん粉糖が該水中油型乳化食品中に2〜10質量%含有させる請求項1記載の吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法。
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JP2013111063A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Q P Corp 酸性水中油型乳化状調味料及びこれを用いたサラダ

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