JP2009207387A - 吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルデンテ感のあるパスタ等の吸水性のある具材と和えても水分移行が少ないため、乾き難く、吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化物の製造方法を提供する。
【解決手段】マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにおいて、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE(Dextrose Equivalent)1〜6のでん粉糖を好ましくは5質量%以上添加・配合させるマヨネ−ズ様乳化食品を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにおいて、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE(Dextrose Equivalent)1〜6のでん粉糖を好ましくは5質量%以上添加・配合させるマヨネ−ズ様乳化食品を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法に関し、詳しくはアルデンテ感(しこしこ感)のあるボイルパスタ(以下、パスタと呼称)のような吸水性のある食材と和えても、マヨネーズ様乳化食品中の水分が食材に移行し難い、即ち、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法に関する。
サラダ類には、ポテトサラダ、野菜サラダ、パスタサラダ、卵サラダ、フルーツサラダ等、各種類があり、健康的な食品として高く評価されている。これらサラダ類の調味料として、主にマヨネーズや半固体状ドレッシング等の調味料が一般的に使用されている。日本農林規では、マヨネーズ及び半固体状ドレッシングに関して、次のように定義されている。即ち、「食用植物油(香味油を除く)及び食酢若しくは、かんきつ類の果汁(必須原材料)に食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製し、水中油型に乳化した半固体状で粘度が30Pa・s以上のものを半固体状ドレッシングという。半固体状ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ必須原材料、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、香辛料及び調味料(アミノ酸等)以外の原材料を使用していないものをマヨネーズという。」と定義している。
これらサラダ類のうち、ポテト、卵、又はパスタ等の食材を使用したサラダ類では、マヨネーズや半固体状ドレッシング中の水分が食材に移行することにより、食感や外観上、好ましくない変化の起こることが知られている。これらの現象は、特にパスタサラダで顕著であるが、即ち、アルデンテ感のあるパスタとマヨネーズや半固体状ドレッシングとを和えた場合、時間の経過と共に、マヨネーズや半固体状ドレッシング中の水分がパスタに移行し、この結果、パスタが軟らかくなったり、又、マヨネーズや半固体状ドレッシングの乳化が破壊したり、パスタ表面が乾いたような状態になってしまうといった問題点があった。
ここで、マヨネーズや半固体状ドレッシングの乾きとは、これらが含有する水分がパスタに移行することにより、パスタの表面において、透明感のある乾いたような状態になることをいう。パスタ上にマヨネーズや半固体状ドレッシングが比較的厚くのっている部分では、乾きが比較的軽減される為、これらの部分だけムラとなり、ボソボソしたような外観を示すこともある。このような外観を呈すると、マヨネーズや半固体状ドレッシングのみずみずしさやてり・つやが激減し、干からびた様な感じを受け、食欲も減退してしまう。特に、スーパー、デパート等の惣菜売り場で販売されるパスタサラダ類等では品質上、大きな課題点であり、売り上げにも大きく影響してくる。
パスタサラダ類において、マヨネーズや半固体状ドレッシングの水分がパスタ食材に移行する原因は、次のようなことに基づくものである。即ち、アルデンテ感のあるパスタサラダ類を製造するためには、吸水倍率が約2のパスタ(デュラムセモリナ100%)が使用されるが、このパスタでは吸水する性質が強く、マヨネーズや半固体状ドレッシング中の水が徐々にパスタ側に奪われてしまうことになる。
従来から、パスタの水分含量の指標として、吸水倍率が用いられているが、吸水倍率とは、パスタの重量を元の乾物パスタ重量で除した値(=パスタ重量/元の乾燥パスタ重量)を言い、通常、アルデンテ感のあるパスタでは約2を示し、やや軟らかくなったものは、約3を示し、更に軟らかいものでは約4を示す。ここで、吸水倍率が約3以上のパスタをパスタサラダ類に使用するとパスタの吸水性がかなり軽減されるが、吸水倍率が約2のパスタでは吸水性が比較的強いため、前記したようなマヨネーズや半固体状ドレッシングの乾きの現象が見られる。
マヨネーズや半固体状ドレッシングの乾きの課題点を解消する為に、従来、吸水倍率が約3以上のパスタを使用し、パスタの食感を犠牲にしていたが、近年、消費者の味覚・嗜好の向上により、従来のようなアルデンテ感のないパスタサラダ類は、次第に敬遠される傾向にある。こうして、従来の課題点を解消する為に、マヨネーズや半固体状ドレッシングに吸水耐性を付与させる、以下のような技術が開示されている。例えば、4〜7糖類が糖組成の50%以上を占めるオリゴ糖であって、これを固形分換算で3%以上含有するマヨネーズ様食品に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、アルデンテ感のあるパスタと和えた場合、マヨネーズ様食品中の水分が移行して、乾きが見られる為、吸水耐性が十分とは言えない問題点があった。又、グアーガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム等の水溶性多糖類の部分分解物、又はアラビノガラクタンを含有した酸性水中油型乳化食品に関する技術が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、水溶性多糖類の部分分解物やアラビノガラクタンは吸湿性等があるためにハンドリング性が良くないことや経済的に高価であるといった問題点があった。更に、ガティガムを含有した酸性水中油型乳化物であるパスタソースに関する技術が開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、ガティガムは分散溶解性が比較的悪いため、ハンドリング性が良くないことや経済的に高価であるといった問題点があった。
特許第3461792号公報
特許第3794957号公報
特開2007−60914号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、アルデンテ感のあるパスタ等の具材と和えても水分移行が少ないため、乾き難く、吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、DE1〜6のでん粉糖を使用することにより、吸水性のあるアルデンテ感のあるパスタ等の具材と和えても、パスタ表面で乾いたり、又はボソボソとした外観を示したりしない、吸水耐性に優れた水中油型乳化食品が得られることを見出した。即ち、本発明は、マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにおいて、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE1〜6のでん粉糖を添加・配合させることを特徴とする吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法を提供するものである。また、本発明の実施形態としては、該マヨネーズ又は該半固体状ドレッシング中に、DE1〜6のでん粉糖を5質量%以上添加・配合させる吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法を提供するものである。更に、本発明の実施形態としては、該マヨネーズ又は該半固体状ドレッシングの油分量が、60〜85質量%である吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE1〜6のでん粉糖を添加・配合させることにより、アルデンテ感のあるパスタサラダに使用されても、乾き難く、吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法が提供される。しかも、本発明によれば、4〜7糖類が糖組成の50%以上を占めるオリゴ糖を使用したマヨネーズ類に見られる、吸水耐性が不十分といった問題点や、又、グアーガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム等の水溶性多糖類の部分分解物、又はアラビノガラクタンを含有した酸性水中油型乳化食品に見られるハンドリング性が良くないことや経済的に効果であるといった問題点や、更に、ガティガムを含有した酸性水中油型乳化物であるパスタソースに見られる、ハンドリング性が良くないことや経済的に高価であるといった問題点もない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにおいて、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE1〜6のでん粉糖を添加・配合させることを特徴とするものである。本発明で用いられるでん粉糖とは、でん粉を原料として、酸又は酵素により加水分解されて生じるでん粉分解物の総称であるが、殆ど純粋のブドウ糖から水あめ、更にはデキストリン等、その性状にはかなりの幅がある。でん粉が完全に加水分解されたものはブドウ糖であるが、分解度(=糖化度)の指標として、通常、DEが用いられている。即ち、未分解のでん粉をDE0とし、完全に加水分解されてブドウ糖となったものをDE100としたものである。より具体的には、固形分中のブドウ糖として表した全還元糖の比率であり、次式により算出される。
DE = 全還元糖(ブドウ糖として表示)/固形分 × 100
還元糖の測定には、Bertrand法、Somogyi法及びSomogyi-Nelson法等が用いられている。(丸善(株) 食品総合辞典 平成10年発行)
本発明は、マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにおいて、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE1〜6のでん粉糖を添加・配合させることを特徴とするものである。本発明で用いられるでん粉糖とは、でん粉を原料として、酸又は酵素により加水分解されて生じるでん粉分解物の総称であるが、殆ど純粋のブドウ糖から水あめ、更にはデキストリン等、その性状にはかなりの幅がある。でん粉が完全に加水分解されたものはブドウ糖であるが、分解度(=糖化度)の指標として、通常、DEが用いられている。即ち、未分解のでん粉をDE0とし、完全に加水分解されてブドウ糖となったものをDE100としたものである。より具体的には、固形分中のブドウ糖として表した全還元糖の比率であり、次式により算出される。
DE = 全還元糖(ブドウ糖として表示)/固形分 × 100
還元糖の測定には、Bertrand法、Somogyi法及びSomogyi-Nelson法等が用いられている。(丸善(株) 食品総合辞典 平成10年発行)
一般に、国内では、DEが約1〜20のでん粉糖がデキストリンと呼ばれており、又、DEが約20〜60のでん粉糖が水あめと呼ばれており、更にDE約60以上のでん粉糖は粗製ブドウ糖、精製ブドウ糖等と呼ばれている。しかしながら、デキストリンと水あめとの区別は厳密ではなく、更に、デキストリンは、明確には定義されていない。一方、米国では、デキストリンはFDAのCFR21(§184.1277及び§184.1444)に明瞭に定義されている。即ち、Dextrinとは、でん粉を乾熱(dry heating)することにより、部分分解されたものであり(§184.1277)、又、Maltodextrinとは、DE20以下のでん粉分解物であることが定義されている。本発明のDE1〜6のでん粉糖とは、米国規格によるとMaltodextrinに該当するものである。DE1〜6のでん粉糖は、通常、アミラーゼを用いた酵素糖化により調製されるが、これは酸糖化に比べて加水分解度が低く、更に、DEが制御し易いことによる。
製法の概要としては、以下の様な工程から構成されている。先ず、でん粉をアミラーゼによって、酵素糖化した後、酵素を失活させる。次いで、予備濃縮・脱色・脱塩の操作を行った後、殺菌し、更に仕上げ濃縮を行い、最後に乾燥して製品化される。工程中、酵素糖化の条件により、製品のDE値が決定される。
本発明で用いられるでん粉糖のDEは1〜6が好ましく、更にDE2〜6がより好ましい。マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE1未満のでん粉糖やでん粉を添加・配合させると、添加後のマヨネーズ様乳化食品の粘度が高くなり、口中でのもたつき感が出るなど、食感上好ましくない。一方、でん粉糖のDEが6を越えると、マヨネーズ様乳化食品に吸水耐性を付与することができないため、いずれも好ましくない。尚、マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにでん粉糖を添加・配合させる際は、40〜60質量%濃度の水溶液が好ましく、更には、50質量%付近の水溶液がより好ましい。40質量%未満ではでん粉糖水溶液の粘度が低くなる為に、これをマヨネーズ又は半固体状ドレッシングに添加・配合させたマヨネーズ様乳化食品の粘度も減少することから好ましくなく、一方、60質量%濃度を超えると、でん粉糖水溶液の粘度がかなり高くなり、マヨネーズ又は半固体状ドレッシングに混合させることが困難となるため、いずれも好ましくない。
マヨネーズ又は半固体状ドレッシングへのでん粉糖の添加量は、5質量%以上が好ましく、更に、7〜25質量%がより好ましい。5質量%未満では、マヨネーズ様乳化食品に吸水耐性を付与させる効果が明確に把握することが出来ず、又、25質量%を超えると、マヨネーズ様乳化食品の粘度が高くなり、口中でのもたつき感が出たり、油脂感が低下してコク味が減少したりする為、いずれも好ましくない。
次に本発明で用いられるマヨネーズ又は半固体状ドレッシングについて、説明する。
本発明で用いられるマヨネーズ又は半固体状ドレッシングの油分量は60〜85質量%で、粘度が30Pa・s以上のものであれば好ましく、更に油分量が65〜80質量%で、粘度が50Pa・s以上のものがより好ましい。油分量が60質量%未満の半固体状ドレッシングでは、でん粉糖水溶液を添加・配合させることにより油分が低下してコク味が減少する為、好ましくなく、一方、油分量が85質量%を超えたマヨネーズ又は半固体状ドレッシングでは、乳化状態が著しく不安定になるので、何れも好ましくない。
本発明で用いられるマヨネーズ又は半固体状ドレッシングの油分量は60〜85質量%で、粘度が30Pa・s以上のものであれば好ましく、更に油分量が65〜80質量%で、粘度が50Pa・s以上のものがより好ましい。油分量が60質量%未満の半固体状ドレッシングでは、でん粉糖水溶液を添加・配合させることにより油分が低下してコク味が減少する為、好ましくなく、一方、油分量が85質量%を超えたマヨネーズ又は半固体状ドレッシングでは、乳化状態が著しく不安定になるので、何れも好ましくない。
一般的なマヨネーズ又は半固体状ドレッシングの原料及び製造は、次の如くである。先ず、マヨネーズの水相を構成する原料(水相原料)は、前記したように、卵黄又は全卵を使用し、食酢若しくは、かんきつ類の果汁、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、香辛料及び調味料(アミノ酸等)以外の原材料を使用していないものである。半固体状ドレッシングの水相を構成する原料(水相原料)は、食酢若しくはかんきつ類の果汁に食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製したものである。これらの原料は用途に応じて、種類や使用量を適宜選択して使用される。
一方、マヨネーズの油相を構成する原料(油相原料)としては、前記したように、食用植物油(香味油を除く)の他、親油性のある香辛料や香辛料抽出物から構成される。食用植物油脂には綿実油、コーン油、米ぬか油、大豆油、パーム油、サフラワー油、菜種油、ゴマ油等が挙げられ、これらを用途に応じて、単品で、或いは2種類以上混合して使用される。次に、半固体状ドレッシングの油相を構成する原料(油相原料)は、同様に食用植物油(香味油を除く)の他、親油性のある香辛料、香辛料抽出物、着色料、酸化防止剤及び香料から構成される。マヨネーズ又は半固体状ドレッシングの製造は、既知の手法により行えばよく、特に制限されない。例えば、水以外の水相原料を、水等に分散・溶解し、水相を調製するが、次に調製した水相に油相原料を加えて、一般的な攪拌機、例えば、市販の万能混合攪拌機等を用いて予備乳化する。 次いで、コロイドミル等の乳化機により仕上げ乳化を行うことによって、マヨネーズ又は半固体状ドレッシングを製造することができる。
このようにして製造されたマヨネーズ又は半固体状ドレッシングに、本発明で用いるでん粉糖を添加・配合させることにより、吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品を得ることができる。このようにして得られたマヨネーズ様乳化食品では、DE1〜6のでん粉糖を5質量%以上添加・配合させるため、アルデンテ感のあるパスタの様な吸水性のある食材と和えても、パスタ表面で乾くことのない、吸水耐性を有しているものである。DE1〜6のでん粉糖を添加・配合させたマヨネーズ様乳化食品に優れた吸水耐性が付与される理由として、マヨネーズ様乳化食品中の水の移行がでん粉糖により阻止されることによるものと考えられ、一種の保湿剤の役割を果たしているものと推測される。こうして、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングに、DE1〜6のでん粉糖を添加・配合させることにより、吸水耐性が付与されることが、本発明の最大の特徴点である。
次に、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらにより何ら制限されるものではない。
実施例1〜14
(1)マヨネーズの調製
表1に示す配合の原料を水中油型に乳化し、マヨネーズを調製した。即ち、水相原料である殺菌卵黄、食塩、グルタミン酸ナトリウム、食酢(酸度15%)及び水を混合・溶解して水相を調製した。調製された水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルトミキサー(ホバルト社製)にて、予備乳化した。次いで、コロイドミル(クリアランス: 4/1,000インチ、回転数 :3,500 rpm)により、仕上げ乳化を行って、マヨネーズを調製した。
実施例1〜14
(1)マヨネーズの調製
表1に示す配合の原料を水中油型に乳化し、マヨネーズを調製した。即ち、水相原料である殺菌卵黄、食塩、グルタミン酸ナトリウム、食酢(酸度15%)及び水を混合・溶解して水相を調製した。調製された水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルトミキサー(ホバルト社製)にて、予備乳化した。次いで、コロイドミル(クリアランス: 4/1,000インチ、回転数 :3,500 rpm)により、仕上げ乳化を行って、マヨネーズを調製した。
上記(1)で得られたマヨネーズ調製品と、更に市販品(味の素(株)製「ピュアセレクトマヨネーズ」)を用い、表2及び表3に示した配合の実施例1〜7及び実施例8〜14のマヨネーズ様乳化食品(本発明品)を調製した。即ち、上記(1)で得られたマヨネーズ調製品と市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」に、三和澱粉業(株)製の「サンデック#30」(DE2.4)、「サンデック#70」(DE6.0)の50%水溶液を添加・配合させて実施例1〜7及び実施例8〜14のマヨネーズ様乳化食品(本発明品)を調製した。
(3)マヨネーズ様乳化食品(本発明品)の吸水耐性の評価
上記(2)で得られた実施例1〜14のマヨネーズ様乳化食品(本発明品)の吸水耐性について、次のようにして評価した。10分間ボイルしたママーマカロニ(株)製のママ・エルボマカロニ(吸水倍率:2.3)100g、細切りハム60g、細切りきゅうり80g、スイートコーン(ホール)50g及びマヨネーズ様乳化食品100を和えて、マカロニサラダを調製した。このマカロニサラダ100gを300g容ボウルに充填・シールし、5℃で1日・冷蔵保存した後、マカロニ表面部分でのマヨネーズ様乳化食品(本発明品)の変化について目視観察を行い、下記に示す3段階の評価により判定した。結果を表2及び表3に示す。
上記(2)で得られた実施例1〜14のマヨネーズ様乳化食品(本発明品)の吸水耐性について、次のようにして評価した。10分間ボイルしたママーマカロニ(株)製のママ・エルボマカロニ(吸水倍率:2.3)100g、細切りハム60g、細切りきゅうり80g、スイートコーン(ホール)50g及びマヨネーズ様乳化食品100を和えて、マカロニサラダを調製した。このマカロニサラダ100gを300g容ボウルに充填・シールし、5℃で1日・冷蔵保存した後、マカロニ表面部分でのマヨネーズ様乳化食品(本発明品)の変化について目視観察を行い、下記に示す3段階の評価により判定した。結果を表2及び表3に示す。
[吸水耐性の基準]
・良好 :マカロニ表面上のマヨネーズ様乳化食品の変化が殆どない。
・やや良好:マカロニ表面上のマヨネーズ様乳化食品中の水分がやや吸水されて、部分的にやや黄色味をおびている。
・不良 :マカロニ表面上のマヨネーズ様乳化食品中の水分が吸水されて、全体的に黄色味をおびている。
・良好 :マカロニ表面上のマヨネーズ様乳化食品の変化が殆どない。
・やや良好:マカロニ表面上のマヨネーズ様乳化食品中の水分がやや吸水されて、部分的にやや黄色味をおびている。
・不良 :マカロニ表面上のマヨネーズ様乳化食品中の水分が吸水されて、全体的に黄色味をおびている。
(比較例1)
実施例1〜7において、でん粉糖50%水溶液を全く使用せず、マヨネーズ調製品そのものについて、実施例1〜7と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
実施例1〜7において、でん粉糖50%水溶液を全く使用せず、マヨネーズ調製品そのものについて、実施例1〜7と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
(比較例2)
実施例8〜14において、でん粉糖50%水溶液を全く使用せず、マヨネーズ市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」そのものについて、実施例8〜14と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
実施例8〜14において、でん粉糖50%水溶液を全く使用せず、マヨネーズ市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」そのものについて、実施例8〜14と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例2及び実施例5において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例3のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例2及び実施例3と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
実施例2及び実施例5において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例3のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例2及び実施例3と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例4及び実施例7において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例4のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例4及び実施例7と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
実施例4及び実施例7において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例4のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例4及び実施例7と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
(比較例5)
実施例9及び実施例12において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例5のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例9及び実施例7と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
実施例9及び実施例12において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例5のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例9及び実施例7と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
(比較例6)
実施例11及び実施例14において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例6のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例11及び実施例14と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
実施例11及び実施例14において、DE2.4のでん粉糖「サンデック#30」及びDE6.0のでん粉糖「サンデック#70」を用いず、その代わりにDE11.1のでん粉糖「サンデック#100」を用いて、比較例6のマヨネーズ様乳化食品を調製し、実施例11及び実施例14と同様にして、吸水耐性を評価した。結果を表4に示す。
表2から明らかなように、マヨネーズ調製品にDE2.4のでん粉糖を、乾物として5〜25質量%添加・配合させた実施例1〜4のマヨネーズ様乳化食品(本発明品)では、吸水耐性がやや良好〜良好であることが判った。又、マヨネーズ調製品にDE6.0のでん粉糖を、乾物として10〜25質量%添加・配合させた実施例5〜7のマヨネーズ様乳化食品(本発明品)でも、同様に吸水耐性が良好であることが判った。又、表3から明らかなように、マヨネーズ調製品に代えて、マヨネーズ市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」を使用した実施例8〜14のマヨネーズ様乳化食品(本発明品)でも、マヨネーズ調製品と同様な吸水耐性が付与されていることが判った。
これらの結果より、単純な配合組成であるマヨネーズ調製品及び複雑な配合組成であるマヨネーズ市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」を用いても、DE2.4〜6.0のでん粉糖を添加・配合させるマヨネーズ様乳化食品(本発明品)には、吸水耐性が付与されることが容易に理解された。これに対し、表4の結果から明らかように、でん粉糖を全く添加・配合させていないマヨネーズ調製品そのもの及びマヨネーズ市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」そのものである比較例1及び比較例2では、吸水耐性が不良であることから、DE2.4〜6.0のでん粉糖の添加・配合が必須であることが判った。
又、マヨネーズ調製品に、DE11.1のでん粉糖を、乾物でそれぞれ10及び25質量%添加・配合させた比較例3及び比較例4のマヨネーズ様乳化食品の吸水耐性は何れも不良であり、DE2.4及びDE6.0のでん粉糖のように、吸水耐性が付与されていないことが判った。同様に、マヨネーズ市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」を用いた結果からも、全く同様な結果が得られており、単純な配合組成であるマヨネーズ調製品及び複雑な配合組成であるマヨネーズ市販品「ピュアセレクトマヨネーズ」を用いても、DE11.1のでん粉糖を添加・配合させたマヨネーズ様乳化食品では、吸水耐性が付与されていないことが理解された。
以上のような実施例1〜14及び比較例1〜6のマヨネーズ様乳化食品の評価結果から、吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品(本発明品)を得るためには、乳化後のマヨネーズ類にDE2.4〜6のでん粉糖を、乾物として5〜25質量%添加・配合させることが必要なことが理解された。
Claims (4)
- マヨネーズ又は半固体状ドレッシングにおいて、乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングにDE(Dextrose Equivalent)1〜6のでん粉糖を添加・配合させることを特徴とする吸水耐性に優れたマヨネ−ズ様乳化食品の製造方法。
- 該マヨネーズ又は該半固体状ドレッシング中に、DE1〜6のでん粉糖を5〜25質量%添加・配合させる請求項1記載の吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法。
- 該マヨネーズ又は該半固体状ドレッシングの油分量が、60〜85質量%である請求項1記載の吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法。
- 乳化後のマヨネーズ又は半固体状ドレッシングに、40〜60質量%のでん粉糖水溶液を添加・配合させる請求項1記載の吸水耐性に優れたマヨネーズ様乳化食品の製造方法。
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JPH06105652A (ja) * | 1984-01-19 | 1994-04-19 | Natl Starch & Chem Corp | 改良された脂肪及び/又は/油含有食品 |
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