JP2019129823A - 麺類およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】製麺性が良好でかつ食感に優れた低糖質麺類の提供。【解決手段】難消化性澱粉を含む粉成分100質量部に対して、タラガムおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.25〜5質量部含有し、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、温度20℃の2質量%水溶液において150,000〜250,000cpsの粘度を有する、麺類用原料粉。【選択図】なし

Description

本発明は、難消化性澱粉を含む低糖質な麺類、およびその製造方法に関する。
糖質制限またはアレルギー予防の観点から、難消化性澱粉を多く含み、小麦粉の含有量の少ない麺類が注目されている。しかしながら、難消化性澱粉を多く含む麺類は、小麦粉を主原料とする通常の麺類と比べて、一般に製麺性や保形性が悪く、また粉っぽく食感に劣るという問題がある。
これまでに、小麦粉を含まない麺類の物性や食感を改善する手段が提案されている。特許文献1〜4には、食感やボリュームが改善されたグルテンフリー食品用生地、および当該生地にヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加することが開示されている。特許文献5には、米乳液の乾燥固形分または米粉と澱粉との混合物に、タラガム等の各種増粘多糖類、乳化剤、糖類などから選択される一種以上を添加して米麺を製造することが開示されている。特許文献6には、米粉にアルギン酸エステルを混合した製麺用粉が開示されている。特許文献7には、米粉と、食感維持素材としてタピオカと、増粘剤としてアルギン酸エステルおよびアルギン酸とを含む原料粉を複数回α化処理する米麺の製造方法が開示されている。特許文献8には、米粉、α化澱粉、α化澱粉以外の澱粉およびアルギン酸エステルを含有する米粉麺が開示されている。特許文献9には、グルコマンナンまたはこんにゃく粉と、キサンタンガム、および増粘多糖類を含有する米粉製品用改質剤が開示されている。
欧州特許出願公開第1561380号 欧州特許出願公開第2153724号 米国特許出願公開第2008/0038434号 特表2014−506480号公報 特開2006−314312号公報 特開2010−187548号公報 特開2011−115090号公報 特開2013−198420号公報 特開2013−123421号公報
本発明は、難消化性澱粉を含み小麦粉の含有量の少ない低糖質な麺類の物性や食感を改善することに関する。また本発明は、製麺および調理の際の作業性が良好で、かつ食感に優れた低糖質な麺類を提供することに関する。
本発明者らは、難消化性澱粉を含む原料粉に、タラガムおよび/または特定の性質のヒドロキシプロピルメチルセルロースを特定量で添加することにより、低糖質であり、かつ小麦粉やグルテンを使用しなくとも製麺性が良好で食感に優れた麺類を製造することができることを見出した。
したがって、本発明は、難消化性澱粉を含む粉成分100質量部に対して、タラガムおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.25〜5質量部含有し、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、温度20℃の2質量%水溶液において150,000〜250,000cpsの粘度を有する、麺類用原料粉を提供する。
また本発明は、当該麺類用原料粉を用いる麺類の製造方法を提供する。
さらに本発明は、当該麺類用原料粉を含有する麺類を提供する。
本発明の麺類用原料粉を用いて製造した麺類生地は、難消化性澱粉を含みかつ小麦粉やグルテンの含有量が少ないかまたは含んでいないにもかかわらず、結着性がよく、製麺中や調理中にちぎれたり、剥がれたり、また崩れたりすることもなく製麺性が良好である。また当該生地から製造される本発明の麺類は、粘性と弾性のバランスに優れた好ましい食感を有する。さらに本発明の麺類は、難消化性澱粉を含むため低糖質であり、また小麦粉やグルテンを含まないグルテンフリー麺類とすることができるので小麦アレルギーの者でも安全に喫食可能である。
本発明は、麺類の製造に使用するための麺類用原料粉を提供する。本明細書における麺類とは、麺線類、麺皮類等のあらゆる形状のものを含み、その例としては、うどん、素麺、冷麦、中華麺、パスタ(ショートパスタ、ロングパスタ、平打ちパスタ等を含む)、餃子、焼売、ワンタンなどが挙げられる。麺線類としてはうどんが、麺皮類としては餃子が好ましい。本発明の麺類用原料粉を用いて製造される麺類の種類としては、生麺、調理麺(茹で麺、蒸し麺等)、それらの冷凍麺、冷蔵麺またはチルド麺、ならびにノンフライ即席麺、フライ即席麺、乾麺などが挙げられ、特に限定されない。
本発明の麺類用原料粉は、難消化性澱粉を含む粉成分(以下、単に「粉成分」ともいう)を含有する。難消化性澱粉とは、消化酵素の消化作用に抵抗性を有し、健康な人の小腸内で消化および吸収されない澱粉およびその部分分解物の総称である。難消化性澱粉は、その構造や性質からRS1〜RS4に分類される。本発明では、好ましくはRS2、RS3またはRS4に分類される難消化性澱粉を用いる。これらの難消化性澱粉は、各種の澱粉を物理的および/または化学的に加工することにより調製することができる。例えば、RS2の難消化性澱粉としては、澱粉粒の特殊な結晶構造に起因して消化抵抗性を示す天然の難消化性澱粉や、その結晶構造を大きく変えない程度に消化抵抗性を向上する処理を施された澱粉が挙げられ、その例としては、未熟バナナ澱粉、ハイアミロース澱粉(例えばハイアミロースコーンスターチ、湿熱処理ハイアミロースコーンスターチ等)などが挙げられる。また例えば、RS3の難消化性澱粉は、通常、澱粉を澱粉分解酵素で限定加水分解した後、脱分枝化酵素と反応させることにより得ることができる。具体的には、澱粉をα−アミラーゼ等の澱粉分解酵素によって部分的に加水分解し、得られた中間生成物を温水に溶解した後、イソアミラーゼ等の酵素によって脱分枝化し、次いで老化させてから該酵素を不活性化するかもしくは該酵素を不活性化してから老化させて、噴霧乾燥することにより得ることができる。また、RS4の難消化性澱粉の例としては、比較的高度にリン酸架橋および/またはエーテル化(例えばヒドロキシプロピル化)した澱粉が挙げられる。難消化性澱粉の原料となる澱粉の種類としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉などが挙げられる。本発明の方法において、難消化性澱粉は、食物繊維含量が70質量%以上のものが好ましく、75%質量以上のものがより好ましい。また本発明では、難消化性澱粉として、RS2の難消化性澱粉、RS3の難消化性澱粉、RS4の難消化性澱粉、およびそれらの2種以上の混合物のいずれも好適に使用可能であるが、得られる麺類の食感や製麺時の作業性の点からRS2もしくはRS4の難消化性澱粉、またはそれらの混合物を用いることがより好ましい。食物繊維としての安定性の観点からは、RS4の難消化性澱粉を用いることがさらに好ましい。
本発明の麺類用原料粉に使用される難消化性澱粉は、その種類および製造方法で特に限定されず、上述した本発明で用いる難消化性澱粉から選択される1種以上であればよい。本発明の麺類用原料粉の粉成分中における該難消化性澱粉の含有量は、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは5〜70質量%、さらに好ましくは5〜40質量%である。
本発明の麺類用原料粉の粉成分は、穀粉類を含んでいてもよい。当該穀粉類の例としては、小麦粉、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、そば粉、大豆粉、コーンフラワー、オーツ麦粉などが挙げられ、好ましくは小麦粉、米粉、大麦粉、モチ大麦粉が挙げられる。該粉成分において、これらの穀粉は、いずれか単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。当該穀粉類は、一部がα化加工粉であってもよいが、製麺適性(作業性)の観点から、該粉成分中の該α化加工粉の含有量は20質量%以下とするとよい。
より好ましくは、当該粉成分に含まれる穀粉類は、実質的にグルテンを含まない穀粉(以下、「グルテン不含穀粉」ということがある)である。該グルテン不含穀粉の例としては、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、そば粉、大豆粉、コーンフラワーおよびオーツ麦粉が挙げられ、好ましくは米粉、大麦粉、モチ大麦粉が挙げられる。これらグルテン不含穀粉は、いずれか単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。より好ましくは、該グルテン不含穀粉は米粉である。
当該米粉としては、原料米の種類や産地に制限されるものではなく、例えばうるち米粉、もち米粉、およびそれらの混合粉を用いることができる。生地結着性の観点からは、うるち米粉が好ましい。該米粉は、精白米粉、玄米粉、またはそれらの混合粉であってもよいが、好ましくは精白米粉である。生地結着性等の製麺性の観点からは、該米粉は、平均粒径が好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。なお本明細書において、平均粒径とは、マイクロトラック粒度分析計(例えば、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置「9200FRA」など)を用いて乾式で測定した値をいう。
さらに、製麺性および食感の観点からは、当該米粉は、損傷澱粉量が好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。本明細書において、米粉中の損傷澱粉量は、特開2015−159759号公報に記載の測定法、すなわちAACC Method 76−31に従って測定される。より詳細には、試料中に含まれている損傷澱粉のみをカビ由来α−アミラーゼでマルトサッカライドと限界デキストリンに分解し、次いでアミログルコシダーゼでグルコースにまで分解し、生成されたグルコースを定量することにより、試料中の損傷澱粉量を測定することができる。あるいは、AACC Method 76−31に準じた市販のキット(例えばMegaZyme製、Starch Damage Assay Kit)を用いて測定することもできる。
本発明の麺類用原料粉の粉成分は、上述した難消化性澱粉以外の澱粉類(以下、他の澱粉類ともいう)を含んでいてもよい。当該他の澱粉類の例としては、特に限定されず、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉などの未加工澱粉、およびそれらを加工(例えば、架橋化、リン酸化、アセチル化、エーテル化、酸化、α化など)した加工澱粉が挙げられる。本発明において、これら未加工澱粉および加工澱粉は、いずれか単独でまたはいずれか2種以上の組み合わせで使用することができる。
本発明の麺類用原料粉の粉成分は、当該穀粉類および当該他の澱粉類のいずれか一方を含んでいてもよく、またはそれらの両方を含んでいてもよい。好ましくは、該粉成分は、該穀粉類と該他の澱粉類とを含有し、より好ましくは、該穀粉類を含有し、該他の澱粉類を含有しない。好ましくは、該粉成分に含まれる穀粉類は、上述したグルテン不含穀粉であり、より好ましくは米粉、大麦粉、モチ大麦粉またはそれらの混合物であり、さらに好ましくは米粉である。該粉成分中における該穀粉類と該他の澱粉類との合計含有量は、好ましくは95質量%以下、すなわち0〜95質量%、より好ましくは30〜95質量%、さらに好ましくは60〜95質量%である。
本発明の麺類用原料粉における当該粉成分(上述した難消化性澱粉と、穀粉類と、他の澱粉類との合計)の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
本発明の麺類用原料粉は、上述した粉成分に加えて、タラガムおよび高粘度を示すヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下「高粘度HPMC」ということがある)からなる群より選択される1種以上を含有する。本明細書において、高粘度HPMCとは、その2質量%水溶液(温度:20℃)が150,000〜250,000cpsの粘度を有するHPMCをいう。なお、本明細書におけるHPMCの粘度の値は、その2質量%水溶液(温度:20℃)を単一円筒形粘度計を用いて測定した値である。タラガムおよび高粘度HPMCとしては、市販品(例えば、ネオソフトT、メトセル(登録商標)K250Mなど)を使用することができる。
本発明の麺類用原料粉におけるタラガムおよび高粘度HPMCの合計含有量は、上述した粉成分100質量部に対して、好ましくは0.25〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。本発明の麺類用原料粉におけるタラガムおよび高粘度HPMCの合計含有量が上記範囲を外れると、生地結着性等の製麺性が低下して、麺類の製麺もしくは調理中に麺帯や麺線が結着せず、ちぎれたり、剥がれたり、崩れたりするか、または麺類の食感が低下する傾向がある。
本発明の麺類用原料粉は、さらにアルギン酸エステルを含有していてもよい。好ましくは、本発明の麺類用原料粉は、タラガムとアルギン酸エステルを含有するか、または高粘度HPMCとアルギン酸エステルを含有する。該アルギン酸エステルとしては、アルギン酸プロピレングリコールエステルが好ましい。本発明の麺類用原料粉におけるアルギン酸エステルの含有量は、上述した粉成分100質量部に対して、好ましくは0.02〜0.4質量部、より好ましくは0.04〜0.3質量部、さらに好ましくは0.05〜0.2質量部である。本発明の麺類用原料粉にアルギン酸エステルを添加することにより、生地結着性等の製麺性または麺類の食感をより向上させることができる。
本発明の麺類用原料粉における該タラガムおよび/または高粘度HPMCと、該アルギン酸エステルとの質量比は、好ましくは、タラガムおよび/または高粘度HPMC:アルギン酸エステル=5〜100:1、より好ましくは10〜60:1、さらに好ましくは10〜40:1である。上記の質量比の範囲を外れると、アルギン酸エステル添加による製麺性や麺類の食感の向上効果が充分に得られない可能性がある。
製麺性向上の観点からは、本発明の麺類用原料粉は、さらに糖類、乳化剤、トランスグルタミナーゼおよびグルコマンナンからなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。より好ましくは、該麺類用原料粉は、糖類、乳化剤、トランスグルタミナーゼおよびグルコマンナンからなる群より選択される2種以上、さらに好ましくは3種以上を含有する。好ましい例として、該麺類用原料粉は、糖類、乳化剤およびトランスグルタミナーゼを含有する。別の好ましい例として、該麺類用原料粉は、糖類、乳化剤、トランスグルタミナーゼおよびグルコマンナンを含有する。
糖類としては、単糖類(ブドウ糖、果糖、マンノース、フルクトース等)、二糖類(ショ糖、麦芽糖、乳糖等)、オリゴ糖、糖アルコール、液糖、デキストリン(水あめ)などが挙げられ、これらをいずれか単独でまたはいずれか2種以上の組み合わせで用いることができる。なお、該糖類には、上述のタラガム、高粘度HPMCおよびアルギン酸エステル、ならびに後述する他の増粘剤は含まれない。本発明の麺類用原料粉における該糖類の含有量は、上述した粉成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは1〜4質量部である。
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド(酢酸モノグリセド、クエン酸モノグリセド、ジアセチル酒石酸モノグリセド、乳酸モノグリセド、コハク酸モノグリセド等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理(分解)レシチン、ステロール、スウィンゴ脂質、サポニン、ユッカフォーム抽出物、キラヤ抽出物、胆汁末、カゼインナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリソルベート、オクテニルコハク酸デンプンまたはその塩(例えばナトリウム塩)などが挙げられ、これらをいずれか単独でまたはいずれか2種以上の組み合わせで用いることができる。本発明の麺類用原料粉における該乳化剤の含有量は、上述した粉成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜1.5質量部、より好ましくは0.2〜1質量部である。
トランスグルタミナーゼとしては、食品に使用できるものであれば特に限定されない。食品用のトランスグルタミナーゼは市販されており、これらを適宜使用することができる。本発明の麺類用原料粉におけるトランスグルタミナーゼの含有量は、上述した粉成分に対して、好ましくは(外割で)0.1〜10ppm、より好ましくは1〜5ppmである。
グルコマンナンとしては、食品に使用できるものであれば特に限定されない。食品用のグルコマンナンは市販されており、これらを適宜使用することができる。本発明の麺類用原料粉におけるグルコマンナンの含有量は、上述した粉成分100質量部に対して、好ましくは0.25〜10質量部、より好ましくは0.5〜8質量部、さらに好ましくは0.5〜4質量部である。
本発明の麺類用原料粉はさらに、麺類の製造に通常用いられる他の材料、例えば大豆蛋白質、大豆多糖類、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、卵蛋白酵素分解物、脱脂粉乳等の蛋白質素材;動植物油脂、粉末油脂等の油脂類;かんすい、焼成カルシウム、食物繊維、膨張剤、食塩、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリン、アルコール、保存剤、pH調整剤、酵素剤、モルトなどを適宜含有していてもよい。また、麺類の製麺性および食感に対する本発明の効果を損なわない限りにおいて、本発明の麺類用原料粉は、上述したタラガム、高粘度HPMCおよびアルギン酸エステル以外の他の増粘剤(例えばグァーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、これらの部分分解物等)を含有していてもよいが、必ずしも含有する必要はない。該原料粉中での該他の増粘剤の量は、上述した粉成分100質量部に対して0.5質量部未満が好ましい。
本発明の麺類用原料粉には、小麦粉や小麦グルテンを含有させてもかまわないが、これらは食物アレルギーの原因となるため含有させないことが好ましい。本発明の麺類は、小麦粉や小麦グルテンを使用しなくても、粘弾性に優れた良好な食感を有する。
本発明の麺類用原料粉を用いて、本発明の麺類を製造することができる。本発明の麺類は、原料粉として該本発明の麺類用原料粉を用いる以外は、従来の麺類の製法と同様にして製造することができる。例えば、常法に従って、本発明の麺類用原料粉に加水し、混練して、本発明の麺類用原料粉を含有する麺生地を作製する。次いで、該麺生地を成形して本発明の麺類用原料粉を含有する麺類を製造する。本発明において、該麺類用原料粉への加水量は、麺類の種類等に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは該原料粉100質量部に対して50〜70質量部である。水分としては、通常使用される水、塩水、かん水などのほか、ガス含有水(炭酸水等)を使用することもできる。麺生地の成形の方法は、圧延、複合や切出し等の工程を含むロール製麺、押出し、それらの組み合わせなど、特に限定されない。斯くして得られた生麺類に対して、さらに常法に従って、乾燥、調理、凍結、冷蔵、それらの組み合わせなどの処理を施してもよい。
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
(試験例1)
表1記載の組成の原料粉に水を添加し、ミキシングして生地を調製した。該生地を製麺ロールを用いて圧延・複合して麺帯を作製し、切り刃(#14角)で切り出して麺線を製造した(麺厚2mm)。原料粉中、難消化性澱粉は、パインスターチRT(RS4;リン酸架橋澱粉、食物繊維75質量%以上;松谷化学)、またはアミロファイバーSH(RS2;ハイアミロース澱粉;J−オイルミルズ)を用いた。米粉は、「ふわり」(日清製粉株式会社製、平均粒径約29μm、澱粉損傷量3.8%)を用いた。米粉の平均粒径は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置「9200FRA」により乾式で、損傷澱粉量は、市販のキット(Starch Damage Assay Kit;MegaZyme)により測定した。HPMCは、2質量%水溶液(温度20℃)の粘度が250,000cpsの高粘度HPMC(メトセルK250M;ユニテックフーズ)を用いた。
得られた麺線を熱湯で2分間茹で、水洗冷却した。得られた調理済み麺の食感を下記基準にて評価した。また、麺線の製造および調理中での製麺性を下記基準にて評価した。評価は訓練された10名のパネラーによって行い、平均点を求めた。結果を表1に示す。
<評価基準>
(食感)
5点:粘弾性ある硬さで、極めて良好。
4点:やや粘弾性ある硬さで、良好。
3点:標準的な硬さ。
2点:やや軟らかめ、もしくは硬さが目立ち、やや不良。
1点:軟らかい、もしくは硬過ぎて、不良。
(製麺性)
5点:生地結着性に優れ、茹で時にくずれることもない。
4点:生地結着性はあるが、茹で時にくずれる傾向がみられる。
3点:生地は一時的に結着するものの、製麺中にくずれる。
2点:生地はややしっとりするものの、結着しない。
1点:生地が全く結着しない。
Figure 2019129823
(試験例2)
難消化性澱粉として、ファイバージムRW(リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、食物繊維75質量%以上のRS4;松谷化学)を用い、試験例1で用いた高粘度HPMCの代わりに、アルギン酸エステル(比較例3)、キサンタンガム(比較例4)、アルギン酸(比較例5)、α化澱粉(比較例6)または2質量%水溶液(温度20℃)の粘度が100,000cpsのHPMC(比較例7)を含む原料粉を用いて、試験例1と同様の手順で麺線を製造した。得られた麺線を、試験例1と同様の手順で評価した。結果を表2に示す。なお表2には製造例1aの結果を再掲する。
Figure 2019129823
(試験例3)
難消化性澱粉として試験例1で用いたパインスターチRT(RS4)を用いて、かつ表3のとおりHPMCの量を変更して、試験例1と同様の手順で麺線を製造し、評価した。結果を表3に示す。なお、表3には製造例1bの結果を再掲する。
Figure 2019129823
(試験例4)
難消化性澱粉として試験例1で用いたパインスターチRT(RS4)を用いて、かつ表4のとおりアルギン酸エステルの量を変更して、試験例1と同様の手順で麺線を製造し、評価した。結果を表4に示す。なお、表4には製造例1bの結果を再掲する。
Figure 2019129823
(試験例5)
難消化性澱粉と米粉を含む原料粉に、アルギン酸エステルと、糖類、乳化剤、トランスグルタミナーゼまたはグルコマンナンとをさらに添加して、試験例1と同様の手順で麺線を製造し、評価した。難消化性澱粉には試験例1で用いたパインスターチRT(RS4)を用いた。結果を表5に示す。なお表5には製造例1bおよび1dの結果を再掲する。
Figure 2019129823
(試験例6)
難消化性澱粉と米粉の量を変更して、試験例1と同様の手順で麺線を製造し、評価した。難消化性澱粉には試験例1で用いたパインスターチRT(RS4)を用いた。結果を表6に示す。なお表6には製造例1bの結果を再掲する。
Figure 2019129823
(試験例7)
難消化性澱粉として試験例1で用いたパインスターチRT(RS4)を用い、また米粉の代わりに大麦粉を用いて、試験例1と同様の手順で麺線を製造し、評価した。結果を表7に示す。
Figure 2019129823

Claims (8)

  1. 難消化性澱粉を含む粉成分100質量部に対して、タラガムおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.25〜5質量部含有し、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、温度20℃の2質量%水溶液において150,000〜250,000cpsの粘度を有する、麺類用原料粉。
  2. さらにアルギン酸エステルを、前記粉成分100質量部に対して0.02〜0.4質量部含有する、請求項1記載の麺類用原料粉。
  3. さらに糖類、乳化剤、トランスグルタミナーゼおよびグルコマンナンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1又は2記載の麺類用原料粉。
  4. 前記粉成分中における前記難消化性澱粉の含有量が5〜100質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の麺類用原料粉。
  5. 前記粉成分が、穀粉類および/または前記難消化性澱粉以外の澱粉類を合計で95質量%以下の量で含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の麺類用原料粉。
  6. 前記穀粉類が、小麦粉、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、そば粉、大豆粉、コーンフラワーおよびオーツ麦粉からなる群より選択される1種以上であり、前記難消化性澱粉以外の澱粉類が、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉およびそれらの加工澱粉からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれか1項記載の麺類用原料粉。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の麺類用原料粉を用いる麺類の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項記載の麺類用原料粉を含有する麺類。
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