JP7492382B2 - 乾麺及びその製造方法並びに容器入り乾麺 - Google Patents

乾麺及びその製造方法並びに容器入り乾麺 Download PDF

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本発明は、喫食可能な状態とするのに茹で処理を要せず、お湯を注ぐだけで喫食可能な即食性を有する乾麺(乾燥麺)に関する。
即食性を有し、比較的短時間で喫食可能な状態となる麺類が要望されており、斯かる麺類に関する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、早茹で特性を有する乾麺として、カルボキシメチルセルロース又はその塩を、原料粉に含まれる小麦粉とカルボキシメチルセルロース又はその塩との総量100質量%あたり1~5質量%含有するものが記載されている。特許文献2には、お湯を注いだ後、短時間で喫食可能な状態になる生麺又は半生麺として、エーテル化置換度が所定範囲にあるヒドロキシプロピル化タピオカデンプンを、18~36重量%含有するものが記載されている。特許文献3には、即席性を有する生又は半生の麺類として、小麦粉100重量部に対し、キサンタンガム0.05~0.8重量部含有するものが記載されている。
特許文献4には、α化処理後の麺線のほぐれ性に優れると共に、麺線のちぢれが少なく、茹であげ直後と同等の弾力性と硬さのバランスのとれた食感を簡単に復元することのできる乾麺として、小麦粉、化工澱粉及びアルギン酸プロピレングリコールエステルを原料として含有するものが記載されている(特許文献4の[0014])。ただし、特許文献4には、即食性を有する麺類に関する記載は無い。
特開2018-33397号公報 特開2005-318832号公報 特開平2-219554号公報 特開2000-83610号公報
生麺又は半生麺については、特許文献2に記載されているように、お湯を注ぐだけで喫食可能な状態となり、いわゆるカップ麺として適用可能な麺類が存在する。これに対し、従来の乾麺は、喫食可能状態とするために茹で処理(α化処理、糊化処理)、すなわち持続的に加熱されているお湯に浸漬する処理が必要であり、カップ麺のような即食性を有するものは未だ実現できていない。特許文献1に記載の乾麺は、あくまで茹で時間の短縮を図ったものであり、喫食可能状態とするためには茹で処理が必要であり、お湯を注ぐだけで喫食可能な状態とはならない。
本発明の課題は、お湯を注ぐだけで喫食可能な状態となり、しかも適度な弾性を有し食感が良好な乾麺を提供することである。
本発明は、未糊化の麺線を含み、お湯を注ぐだけで喫食可能な乾麺であって、前記麺線は、太さが1.5mm以下であって、穀粉類及び増粘剤を含み、前記穀粉類は、澱粉を5~50質量%含有し、前記増粘剤は、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1種以上であり、前記増粘剤の含有量が、前記穀粉類に対する外割りで0.05~5.0質量%である乾麺である。
また本発明は、内部に液体を貯留可能な容器と、該容器の内部に収容された乾麺とを具備し、該乾麺が前記の本発明の乾麺である、容器入り乾麺である。
また本発明は、お湯を注ぐだけで喫食可能な乾麺の製造方法であって、穀粉類、増粘剤及び液体を用いて麺生地を調製し、該麺生地を製麺して生麺線を得、該生麺線を乾燥して、太さが1.5mm以下の麺線を得る工程を有し、前記穀粉類が、澱粉を5~50質量%含有し、前記増粘剤が、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1種以上であり、前記増粘剤を、前記穀粉類に対する外割りで0.05~5.0質量%用いる、乾麺の製造方法である。
本発明によれば、お湯を注ぐだけで喫食可能な状態となり、しかも適度な弾性を有し食感が良好な乾麺が提供される。
本発明の乾麺は、麺線を含み、典型的には、麺線の集合体(麺塊)である。本発明の乾麺の麺線の横断面(麺線の長手方向と直交する方向に沿う断面)の形状は特に限定されず、例えば、円形、正方形のような、等方性を有する形状でもよく、あるいは楕円形や長方形のような、異方性を有する形状でもよい。
本発明の乾麺の麺線の含水率は、通常の乾麺と同程度にすることができ、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10~15質量%である。ここでいう「麺線の含水率」は、絶乾法による測定値である。前記絶乾法では、測定対象である麺線の全体部分を該麺線の品温が130℃となるように加熱し、該麺線の加熱前後の重量から次式により、該麺線の含水率を算出する。
麺線の含水率(質量%)=[{(加熱前の麺線の重量)-(加熱後の麺線の重量)}/(加熱前の麺線の重量)]×100
本発明の乾麺の麺線は、未糊化である。「お湯を注ぐだけで喫食可能な即食性を乾麺に付与する」という課題を解決する観点からは、乾麺(麺線)は糊化すなわちα化されていることが好ましいが、糊化されたものよりも未糊化のものの方が食味・食感に優れる。そこで本発明では、乾麺の麺線として未糊化(未α化)のものを採用し、即食性の課題については、麺線の組成及び太さを工夫することでその解決を図っている。未糊化の麺線は、後述するように、生麺線を蒸煮等のα化処理をせずにそのまま乾燥することで得られる。
本発明の乾麺の麺線は、太さが1.5mm以下、好ましくは1.4mm以下、より好ましくは1.3mm以下である。ここでいう麺線の「太さ」とは、麺線の横断面(麺線の長手方向と直交する方向に沿う断面)の差し渡し長さの最大値を意味する。麺線の太さが1.5mmを超えると、お湯を注ぐだけで喫食可能な即食性を実現することが困難になる。麺線の太さは、即食性の点では薄い方が好ましいが、薄すぎると麺らしい食感が乏しくなる、乾麺が折れやすくなる等の不都合が生じ得るため、斯かる不都合を防止する観点から、麺線の太さの下限は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上である。
本発明の乾麺の麺線は、穀粉類及び増粘剤を含む。なお、ここでいう「含む」とは、「原料として含む」という意味を包含する。すなわち、本発明の乾麺の麺線は、穀粉類及び増粘剤を含む原料を用いて製造されたものである。
穀粉類は、本発明の乾麺の麺線の主体を成すものであり、典型的には、該麺線の製造に使用する全原料の50質量%以上を占める。穀粉類としては、麺類の製造に従来用いられている穀粉及び澱粉を特に制限なく用いることができ、穀粉及び澱粉からなる群から選択される1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
澱粉の含有量は、本発明の乾麺の原料としての穀粉類のうち5~50質量%(すなわち穀粉類に対する内割りで5~50質量%)であり、好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~50質量%である。澱粉の含有量は、典型的には、当該麺線の太さに比例し、前記の含有量の範囲内で当該麺線の太さに応じて適宜設定される。穀粉類における澱粉の含有量がこの範囲にあることで、1.5mm以下の太さにおいて、乾麺の麺線のお湯による復元性が向上し、乾麺の即食性が向上し得る。穀粉類における澱粉の含有量が5質量%未満では、これを用いる意義(復元性の向上等)に乏しく、また、穀粉類における澱粉の含有量が50質量%を超えると、該麺の食味が低下するおそれがある。
穀粉としては、例えば、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、デュラム粉等の小麦粉;、そば粉、米粉、コーンフラワー、大麦粉、ライ麦粉、はとむぎ粉、ひえ粉、あわ粉等が挙げられる。澱粉としては、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉等の未加工澱粉、及びこれら未加工澱粉にエーテル化、エステル化、アセチル化、α化、架橋処理、酸化処理、油脂加工等の処理の1つ以上を施した加工澱粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ここでいう「澱粉」は、小麦粉等の穀粉から分離されたものを意味し、穀粉中に含有されている澱粉とは区別される。
澱粉として特に好ましいものは、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉であり、より好ましくは、これらの未加工澱粉にエーテル化、アセチル化、架橋の処理の1つ以上を施した加工澱粉である(以下、これらの好ましい澱粉を総称して「特定澱粉」とも言う。)。本発明では、澱粉として、特定澱粉の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、また、特定澱粉と他の澱粉とを組み合わせて用いることもできる。本発明に係る麺線の原料として使用する澱粉のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは100質量%すなわち使用する澱粉の全部が、特定澱粉であることが好ましい。
本発明の乾麺の麺線において原料として含有される増粘剤は、キサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1種又は2種以上である。これら特定の増粘剤を乾麺の麺線の原料として用いることで、即食性を有しつつも食感に優れた乾麺が得られる。
増粘剤の含有量は、本発明の乾麺の原料としての穀粉類に対して外割りで0.05~5.0質量%であり、好ましくは0.1~4.0質量%、より好ましくは0.5~3.0質量%である。増粘剤の含有量が穀粉類に対して外割りで0.05質量%未満では、これを用いる意義(食感の向上等)に乏しく、増粘剤の含有量が穀粉類に対して外割りで5.0質量%を超えると、麺の食味、食感が劣り、また、麺線製造時の作業性(製麺性)が低下するおそれがある。
増粘剤としてキサンタンガムを用いる場合、その含有量は、穀粉類に対して外割りで、好ましくは0.1~5.0質量%、より好ましくは1.0~4.0質量%である。
増粘剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを用いる場合、その含有量は、穀粉類に対して外割りで、好ましくは0.05~1.0質量%、より好ましくは0.1~0.6質量%である。
増粘剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いる場合、その含有量は、穀粉類に対して外割りで、好ましくは0.05~5.0質量%、より好ましくは1.0~3.0質量%である。
本発明の乾麺の麺線は、前述した穀粉類及び増粘剤以外の他の成分を原料として含み得る。他の成分としては、例えば、小麦蛋白、大豆蛋白質、卵黄・卵白・全卵の粉末及び液卵、脱脂粉乳等の蛋白質素材;動植物油脂、粉末油脂等の油脂類;食物繊維、膨張剤、増粘剤、レシチン・グリセリン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、かんすい、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリン、ソルビット、エチルアルコール、酵素製剤等が挙げられ、乾麺の種類等に応じて、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述した他の成分の中でも特に小麦蛋白は、本発明の乾麺の麺線の原料として有用である。特に、原料としての澱粉の含有量が比較的多い場合、具体的には澱粉の含有量が、穀粉類に対して20質量%以上の場合に、小麦蛋白を併用すると、澱粉の含有量が比較的多い(穀粉の含有量が比較的少ない)ことに起因する製麺性の低下が軽減され、麺の食感が改良されるという効果が奏され得る。小麦蛋白の含有量は、穀粉類に対して外割りで、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
本発明の乾麺は、穀粉類、増粘剤及び液体原料を用いて麺生地を調製し、該麺生地を製麺して生麺線を得、該生麺線を乾燥して、太さが1.5mm以下の麺線を得る工程を経て製造される。
麺生地の調製は、常法に従って実施することができる。典型的には、先ず、前述した穀粉類及び増粘剤を含む原料(原料粉)に、必要に応じた他の原料、液体原料を添加し、混捏して、麺生地を調製する。原料粉における各成分の含有量については前述したとおりである。原料粉に添加する液体原料は、典型的には水を主体とするが、水に加えて更に、食塩、卵類等、その他水溶性の原料を含有してもよい。原料粉への液体原料の添加量は、製造する乾麺の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、典型的には、原料粉100質量部に対して25~60質量部程度である。
麺生地の製麺も、常法に従って実施することができ、製造する乾麺の種類等に応じて、機械製法、手延べ製法、手打ち製法、押出製法などの公知の製麺法から選択し得る。
麺生地を製麺して得られた生麺線を乾燥することで、乾麺の麺線が得られる。生麺線の乾燥方法は特に制限されず、一般的な調質乾燥、冷風乾燥、自然乾燥でもよく、熱風乾燥等の強制乾燥でもよい。乾麺の麺線は、必要に応じ所望の長さに裁断される。
本発明の乾麺の製造方法においては、生麺線の乾燥前に、該生麺線に対して糊化処理(α化処理)を施さない。すなわち本発明の乾麺の製造方法においては、生麺線を蒸煮するなどして加熱糊化(α化)せずにそのまま乾燥する。これにより、前述した未糊化の乾麺の麺線が得られる。
本発明の乾麺は、お湯を注ぐだけで喫食可能な即食性を有している。すなわち本発明の乾麺を喫食可能な状態とするためには、従来の乾麺のように、持続的に加熱されているお湯に浸漬する処理は不要であり、容器に収容した状態でお湯を注いで数分間程度待つだけでよい。本発明の乾麺を喫食可能状態とする際に該乾麺に注ぐお湯は、必ずしも沸騰した状態でなくてもよく、85℃以上であればよい。
本発明の乾麺は、種々の麺に適用可能であり、例えば、素麺、冷麦、中華麺、そば、うどん、スパゲティ等のパスタ等が挙げられる。
本発明の乾麺は、その優れた即食性を活かして、いわゆるカップ麺としても適用することができる。本発明にはカップ麺態様の乾麺が包含され、具体的には、容器と、該容器の内部に収容された乾麺とを具備し、該乾麺が前述した本発明の乾麺である、容器入り乾麺が包含される。
本発明の容器入り乾麺における該容器としては、湯戻しに使用するお湯などの液体を内部に貯留可能なものであればよく、その形状及び材質は特に制限されず、いわゆるカップ麺における容器として使用可能なものを特に制限無く用いることができる。典型的には、上部開口を有する有底の容器であって、耐熱性、保温性を有するものが好ましく、容器の材質としては、例えばポリプロピレン、発泡ポリスチレン等が挙げられる。
本発明の容器入り乾麺において、容器の内部に収容された乾麺の形態は特に限定されない。容器入り乾麺における乾麺は、典型的には、複数の麺線の集合体であり、該集合体において、複数の麺線どうしはいわゆる麺塊の形態でもよく、麺塊を形成せずに個々独立に存在していてもよい。麺塊においては通常、複数の麺線どうしが部分的に結着し、且つ麺線間の空隙が多数存在している。また、乾麺の麺線の形状は特に限定されず、棒状(直線状)、曲線状など、任意の形状を採用し得る。また前記集合体において、複数の麺線の形状は均一(定形)でもよく、不均一(不定形)でもよい。容器入り乾麺における乾麺は、好ましくは麺塊を形成し、該麺塊は、典型的には、複数の不定形の麺線どうしが1つの塊を形成したものであり、いわゆるカップ麺における麺塊として一般的なものである。
本発明の容器入り乾麺における乾麺が麺塊を形成している場合、該麺塊の見掛けの嵩密度は、好ましくは0.5g/cm以下、より好ましくは0.4g/cm以下である。容器内部の麺塊の見掛けの嵩密度がこの範囲にあることで、喫食のために容器内部にお湯を注いだ際に、お湯が麺塊の空隙に入り込みやすく、麺塊の復元性がより一層向上し得る。麺塊の見掛け密度は、例えば、麺生地を調製する際の原料粉への液体の添加量、生麺線の乾燥条件などを適宜調整することで調整可能である。麺塊の見掛けの嵩密度は、麺塊の質量(g)を麺塊の見掛け体積(cm)で除する、すなわち「麺塊の質量(g)/麺塊の見掛け体積(cm)」によって算出される。また、「麺塊の見掛け体積」は、麺塊の高さ(cm)と底部の面積(cm)とを乗じる、すなわち「麺塊の高さ(cm)×麺塊の底部の面積(cm)」によって算出される。
本発明の容器入り乾麺は、容器の収容物として、乾麺以外の他の食材を含んでいてもよく、斯かる食材として、例えば、スープや具材等の、麺と一緒に喫食される副食材が挙げられる。斯かる副食材は、粉末スープや乾燥具材などのように乾燥状態とされていてもよく、また、容器の内部に収容可能な袋状等の別容器に収容されていてもよい。
本発明の容器入り乾麺は、常法に従って製造することができ、乾麺については、前述した本発明の乾麺の製造方法に準じて製造することができる。乾麺の麺塊は、典型的には、該麺塊が収容される容器の内部形状に対応した形状を有するところ、そのような容器対応形状を有する麺塊は、生麺線を容器又は型に入れて乾燥する方法で製造することもできるし、あるいは、生麺線を乾燥して得た乾麺あるいはその麺塊を容器対応形状に成形する方法でも製造できる。具体的に例えば、下記a)~c)のいずれかの方法により製造することができる。乾麺を茹で処理するなどして喫食可能な麺としたときのほぐれ性を考慮すると、下記b)又はc)の方法のように、水分をある程度含み外力により変形可能な状態の麺を、容器対応形状に乾燥させる方法が好ましい。
a)生麺線あるいはその麺塊を乾燥して得た乾麺を、容器対応形状に裁断する方法。
b)生麺線を、必要に応じ適当な大きさに裁断した後、型又は容器に入れて、その型又は容器ごと乾燥する方法。
c)生麺線を乾燥して得た乾麺を、必要に応じ適当な大きさに裁断した後、該乾麺に水分を吸収させ、しかる後、型又は容器に入れて、その型又は容器ごと乾燥する方法。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例3は参考例である。
〔実施例1~10、比較例1~12〕
下記表1~5に示す原料(穀粉類、増粘剤、小麦蛋白)を所定量混合して原料粉を得、該原料粉に液体原料を所定量添加し、市販の横型ミキサーで10分間混練して麺生地を調製した。調製した麺生地を製麺ロールにより圧延及び複合して麺帯を作製し、所定の番手の切刃により麺線を切り出して生麺線を得、該生麺線に対して糊化処理を施さずに、該生麺線を乾燥することで、目的とする未糊化の乾麺の麺線、具体的には、乾燥重量50gで所定の嵩密度を有する円盤状の乾麺の麺塊を得た。前記生麺線の乾燥は、具体的には、所定量の生麺線を所望の麺塊の形状(円盤状)となるように保形し、その保形した生麺線を雰囲気温度約40℃の環境で8時間~10時間放置することによって実施した。下記表1は素麺、下記表2は冷麦、下記表3は中華麺、下記表4は日本そば、下記表5はうどんである。使用した原料の詳細は下記のとおり。液体原料としては、中華麺及び日本そばについては各表に記載の組成のものを使用し、これら以外については、食塩濃度10質量%の食塩水を使用した。
・強力粉:日清製粉株式会社製、商品名「オーション」
・準強力粉:日清製粉株式会社製、商品名「特ナンバーワン」
・中力粉:日清製粉株式会社製、商品名「薫風」
・そば粉:日穀製粉株式会社製、商品名「亀寿月」
・エーテル化タピオカ澱粉:松谷化学工業株式会社製、商品名「ゆり」
・エーテル化馬鈴薯澱粉:松谷化学工業株式会社製、商品名「ファリネックスAG100」
・アルギン酸プロピレングリコールエステル:太陽化学株式会社製、商品名「ネオソフトAL31」
・キサンタンガム:日本コロイド株式会社製、商品名「コロイドガムNo13」
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース:ユニテックフーズ株式会社製、商品名「メトセルK250M」
・小麦蛋白:グリコ栄養食品株式会社製、商品名「AグルGB」
・粉末かんすい:オリエンタル酵母株式会社製、商品名「かんすい赤」
〔試験例〕
各実施例及び比較例の乾麺の麺塊50gを、上部開口を有する有底のカップ容器に入れ、カップ容器に沸騰した熱湯を500ml注いで所定時間放置した後(以下、斯かる所定の放置時間を「湯戻し時間」ともいう。)、10名の専門パネラーがカップ容器内の麺を喫食し、復元性及び食感をそれぞれ下記評価基準で評価した。その結果を10名の評価点の平均値として下記表1~5に示す。なお、実施例及び比較例の番号にはハイフン(-)付きのものが存在するところ、ハイフンの前の数字が同じものどうしは、湯戻し時間が異なるだけで、乾麺としては同じものである。
<復元性の評価基準>
5点:十分に喫食可能状態であり、良好。
4点:ほぼ喫食可能状態であり、やや良好。
3点:麺線の大部分は喫食可能状態であるが、一部に芯が残る。
2点:麺線の表層部は喫食可能状態であるが、麺線の中心部には芯が残り、やや不良。
1点:麺線表層部及び中心部がいずれも硬く、不良。
<食感の評価基準>
5点:麺線の表層部には適度なソフトさ、滑らかさがあり、且つ麺線の中心部には適度な弾力があり、良好。
4点:麺線の表層部にはソフトさがあり、且つ麺線の中心部には弾力があり、やや良好。
3点:麺線の表層部にはややソフトさがあるが、麺線の中心部は弾力にやや欠ける。
2点:麺線の表層部がやや硬すぎるか、又は麺線の中心部がやや粉っぽく、やや不良。
1点:麺線の全体が硬すぎるか又は粉っぽく、不良。
Figure 0007492382000001
表1に示すとおり、比較例1は増粘剤がキサンタンガム、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びヒドロキシプロピルメチルセルロース以外のもの(アルギン酸)であるため、比較例2は増粘剤を含有しないため、比較例3は澱粉及び増粘剤を含有しないため、比較例4は澱粉を含有しないため、それぞれ、実施例に比べて素麺の評価に劣る結果となった。
Figure 0007492382000002
表2に示すとおり、比較例5は増粘剤を含有しないため、比較例6は澱粉及び増粘剤を含有しないため、それぞれ、実施例に比べて冷麦の評価に劣る結果となった。
Figure 0007492382000003
表3に示すとおり、比較例7は増粘剤を含有しないため、比較例8は澱粉及び増粘剤を含有しないため、それぞれ、実施例に比べて中華麺の評価に劣る結果となった。
Figure 0007492382000004
表4に示すとおり、比較例9は増粘剤を含有しないため、比較例10は澱粉及び増粘剤を含有しないため、それぞれ、実施例に比べて日本そばの評価に劣る結果となった。
Figure 0007492382000005
表5に示すとおり、比較例11は麺線の太さが1.5mmを超えているため、比較例12は澱粉及び増粘剤を含有しないため、それぞれ、実施例に比べてうどんの評価に劣る結果となった。

Claims (6)

  1. 未糊化の麺線を含み、お湯を注ぐだけで喫食可能な乾麺であって、
    前記麺線は、太さが1.5mm以下であって、穀粉類及び増粘剤を含み、
    前記穀粉類は、澱粉を5~50質量%含有し、
    前記増粘剤は、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1種以上であり、
    前記増粘剤の含有量が、前記穀粉類に対する外割りで0.05~5.0質量%である乾麺。
  2. 前記澱粉は、タピオカ及び馬鈴薯からなる群から選択される1種以上を由来とするものである請求項1に記載の乾麺。
  3. 前記増粘剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを、前記穀粉類に対する外割りで0.05~1.0質量%含有する請求項1又は2に記載の乾麺。
  4. 内部に液体を貯留可能な容器と、該容器の内部に収容された乾麺とを具備し、該乾麺が請求項1~3のいずれか1項に記載の乾麺である、容器入り乾麺。
  5. 前記乾麺が麺塊を形成しており、該麺塊の見掛けの嵩密度が0.5g/cm以下である請求項4に記載の容器入り乾麺。
  6. お湯を注ぐだけで喫食可能な乾麺の製造方法であって、
    穀粉類、増粘剤及び液体を用いて麺生地を調製し、該麺生地を製麺して生麺線を得、該生麺線に対して糊化処理を施さずに該生麺線を乾燥して、太さが1.5mm以下の麺線を得る工程を有し、
    前記穀粉類は、澱粉を5~50質量%含有し、
    前記増粘剤は、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1種以上であり、
    前記増粘剤を、前記穀粉類に対する外割りで0.05~5.0質量%用いる、
    乾麺の製造方法。
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JP2009225736A (ja) 2008-03-24 2009-10-08 Nisshin Flour Milling Inc 手延べ風麺類の製造方法
JP2016182059A (ja) 2015-03-26 2016-10-20 日清食品ホールディングス株式会社 即席ノンフライ麺の製造方法及び即席ノンフライ麺
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