JP6753839B2 - 生米粉麺類 - Google Patents

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Description

本発明は、米粉の配合量が高い生米粉麺類に関する。
近年、小麦によるアレルギー症が問題となり、小麦に代わる材料が要望されている。また、米の消費拡大の観点から、米粉の食品への加工技術が注目され多くの取り組みがなされている。こうした観点等から、小麦粉の代わりに米粉を使用した米粉麺類が提案されている。しかし、米粉には小麦粉のようにグルテンが含まれていないため、小麦粉を原料としたときと同様に製麺しても、生地がつながりにくく、麺線として成形することが困難であった。そのため、ビーフンのように、米粉に蒸気や湯を加えながら混捏することで、米粉を一部糊化させながら製麺する方法が行われているが、それでも麺線としてはつながりにくく、また食感もべたついたものとなっていた。
米粉麺類に関し、例えば特許文献1には、米粉を含む原料粉に、連続的に加熱水蒸気を供給しながら混練後、押出し製麺する米粉麺の製造方法が記載されている。また特許文献2には、米粉80重量%と澱粉20重量%からなる原料粉に加水して、外筒に加熱装置を有するスクリュー押出機に供給し、加熱しながら押出す米粉麺の製造方法が記載されている。また特許文献3には、α化米粉を5〜25重量%含有する米粉に水を加えて製造する米粉麺が記載されている。
特開昭61−96965号公報 特開2002−315526号公報 特開2011−177160号公報
米粉麺類には、表面が滑らかで米粉特有の透明感ある外観と、モチモチとした粘弾性がありべたつきの少ない良好な食感とが要望されている。また、米粉は小麦粉に比べて老化しやすいため、茹で調理した米粉麺類を冷蔵又は冷凍条件で長期間保存すると、保存中に食感がぼそぼそとしたものに低下したり、麺線形状を保てずに亀裂が生じたり崩れたりしやすいという問題がある。米粉麺類に関するこれらの要望及び問題を解決し得る技術は未だ提供されていない。
本発明の課題は、外観及び食感が良好で、調理後に冷蔵又は冷凍保存した後でもその高品質を維持し得る生米粉麺類を提供することに関する。
本発明は、米粉70質量%以上とα化澱粉4〜30質量%とを配合した生地を、60〜140kgf/cm2の圧力で麺線に押出してなる生米粉麺類である。
また本発明は、米粉70質量%以上とα化澱粉4〜30質量%とを配合した生地を、60〜140kgf/cm2の圧力で麺線に押出す工程を有する生米粉麺類の製造方法である。
本発明によれば、外観及び食感が良好で、調理後に冷蔵又は冷凍保存した後でもその高品質を維持し得る生米粉麺類が提供される。
本発明の生米粉麺類は、米粉とα化澱粉とを含む原料粉を主原料とする生地を、麺線に押出してなるものである。本発明でいう「原料粉」は、生地の調製に用いられる生地原料のうち、常温常圧下で粉状の穀粉類であり、具体的には、米粉、小麦粉等の穀粉及び澱粉である。本発明に係る原料粉には、油脂、食塩等の副原料は含まれない。
本発明に係る米粉としては、食品に利用可能な米粉として市場に流通しているものを特に制限なく用いることができ、例えば、一般的に食用に供される白米を粉砕したものが挙げられる。また本発明においては、米粉の原料となる米は特に制限されず、例えば、アミロースの含有量が0質量%の米であるもち米を用いることも可能であるが、生米粉麺類の調理後の食感が軟らかすぎず、適度な硬さがより確実に得られるようにする観点から、アミロースの含有量が3質量%以上、特に5質量%以上の米が好ましい。米におけるアミロースの含有量の上限値は特に制限されないが、アミロースの含有量が高すぎると、得られる生米粉麺類の調理後の食感が硬すぎる場合があることから、15質量%以下が好ましい。
米粉の含有量は、原料粉の全質量に対して、70質量%以上である。原料粉中における米粉の含有量が少なすぎると、米粉麺類らしい外観及び食感が得られず、米粉を積極的に使用する意義に乏しい。また、原料粉中における米粉の含有量の上限値は、麺線の成形性を確保する観点から、好ましくは96質量%、さらに好ましくは90質量%である。
本発明に係るα化澱粉としては、馬鈴薯澱粉、コーン澱粉、タピオカ澱粉等の一般的な食用澱粉をα化したものを利用できる。α化される食用澱粉としては、α化以外の処理、例えば、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等の処理が施された加工澱粉を用いることもできる。本発明に係るα化澱粉は、BAP法によるα化度(糊化度)が70〜100%であることが好ましい。BAP法は、β−アミラーゼ・プルラナーゼ法とも呼ばれる周知のα化度の測定方法であり、澱粉化学28(4),235〜240(1981)に記載されている。
α化澱粉の含有量は、原料粉の全質量に対して、4質量%以上、好ましくは6質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。原料粉中におけるα化澱粉の含有量が4質量%未満であると、つなぎが悪く麺線の成形性が悪くなる。また、原料粉中におけるα化澱粉の含有量の上限値は、30質量%、好ましくは26質量%、さらに好ましくは23質量%である。原料粉中におけるα化澱粉の含有量が30質量%を超えると、生米粉麺類の調理後の食感がべたべたした感となる。
本発明に係る原料粉には、前記の米粉及びα化澱粉以外の他の穀粉類が含まれていても良い。米粉以外の他の穀粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉等の小麦粉の他、ライ麦粉、コーンフラワー、大麦粉、そば粉、豆粉、はとむぎ粉、ひえ粉、あわ粉等の穀粉;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉等の澱粉及びその加工澱粉(α化澱粉を除く)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る生地を調製するのに用いる生地原料としては、主原料である原料粉(穀粉類)に加えてさらに、副原料として他の成分を用いることもできる。副原料としては、例えば、小麦グルテン、大豆蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の蛋白質素材;動植物油脂、粉末油脂等の油脂類;食物繊維、膨張剤、乳化剤、かんすい、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリン、アルコール、酵素剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。生地原料中における副原料の配合量は、原料粉100質量部に対して、通常0〜30質量部程度である。
尚、生地原料中に増粘多糖類を配合すると、得られる生米粉麺類の麺線表面がべたべたした感となるおそれがあるため、生地原料中には増粘多糖類を配合しないことが好ましい。即ち、本発明の生米粉麺類は、増粘多糖類を含有していないことが好ましい。
本発明の生米粉麺類は、原料粉を含む生地原料を製麺して得られる。ここでいう「製麺」は、生地原料に加水し混練して生地を調製する生地調製工程と、生地を麺線に押出す生地押出し工程とを有する。つまり、本発明の生米粉麺類の製造方法は、生地調製工程と生地押出し工程とを有し、両工程はそれぞれ1回実施すれば良い。本発明の生米粉麺類の製造方法においては、製麺後の生地を再度混練する、製麺後の生地を再度製麺にかけるなどの、生地調製工程及び/又は麺線調製工程の複数回の実施は不要である。
本発明において、生地の調製は常法に従って実施することができ、通常、生地原料に加水し、混捏(ミキシング)することで、生地を調製できる。生地原料の混捏は、真空ミキサーなどを用いて減圧下で行うこともできる。また、生地を麺線に押出す方法としては、従来公知の押出製麺法を利用することができ、例えば、乾パスタ製造用の一軸押出製麺機や二軸押出製麺機等を用いて常法に従って行うことができる。麺線の断面形状は特に限定されず、方形、円形、楕円形、三角形などの何れの形状であっても良い。通常使用される押出製麺機の麺線の押出部に所望の形状の孔を有するダイスを設置して押出し成形することで、その孔に対応した形状の生麺線が得られる。
本発明の主たる特徴の1つとして、生地を押出製麺する際の圧力(生地にかかる圧力、押出し圧)を60〜140kgf/cm2とする点が挙げられる。この本発明で採用された押出し圧は、硬質の乾パスタ製造の際に常用されている押出し圧(70〜160kgf/cm2程度)とほぼ同等であり、乾燥状態ではない未乾燥の生麺線を押出製麺法によって製造する際の押出し圧としては極めて高い。生麺線を製造する押出製麺法によって製造する際の押出し圧は、通常10〜30kgf/cm2程度である。このような極めて高い押出し圧で生地を麺線に押出すことにより、米粉が高配合されているにもかかわらず、麺線の成形性に優れ、且つ茹で調理後に冷蔵又は冷凍条件で長期間保存しても外観及び食感が良好な生米粉麺類が得られる。つまり、本発明の生米粉麺類は、表面が滑らかで米粉特有の透明感ある外観と、モチモチとした粘弾性がありべたつきの少ない良好な食感とを有し、冷蔵又は冷凍保存した後であっても斯かる良好な外観及び食感を維持し得る。生地の押出し圧が60kgf/cm2未満又は140kgf/cm2超では、後述する実施例と比較例との対比から明らかなように、外観及び食感の両方に優れる生米粉麺類は得られない。生地の押出し圧は、好ましくは80〜120kgf/cm2である。
生地の押出し圧60〜140kgf/cm2での麺線への押出しは、減圧下で行うこともできる。その場合の減圧条件は、好ましくは−200mmHg〜真空、さらに好ましくは−600mmHg〜真空であり得る。
本発明において、生地調製工程における生地原料(原料粉)への加水量は特に制限されないが、生米粉麺類の調理後の食感の向上等の観点から、本発明に係る生地は、原料粉100質量部と水30〜60質量部とを混練して得られた生地であることが好ましい。原料粉への加水量が少なすぎると、生地がぼそついてまとまりにくくなり、逆に多すぎると、生地が柔らかくなってしまい、その後に前記のように高い押出し圧をかけて製麺しても、得られた生米粉麺類の調理後の食感がべたべたした感となる。
また本発明においては、生地の調製から麺線の成形に至るまでの製麺工程において、生地原料に含まれる原料粉が実質的にα化しないようにすると、得られる生米粉麺類の品質がさらに向上するため好ましい。ここで「実質的にα化しない」とは、生地調製工程及び生地押出し工程を順次経て得られた生麺線のα化度が、原料粉(穀粉類)のα化度に対して5%以上増加しないことをいう。α化度の増加率が5%を超えると、生米粉麺類の調理後の食感がべたつく傾向がある。
原料粉を実質的にα化しないように製麺するためには、米澱粉の糊化開始温度が80℃付近であることを考慮すると、原料粉を含む生地原料に加える水(いわゆる練り水)の温度を75℃未満とすることが有効である。つまり、本発明に係る生地は、原料粉(生地原料)に75℃未満の水を加えて得られた生地であることが好ましい。製造中におけるα化度の増加率を抑えて生米粉麺類の品質をさらに向上させる観点から、練り水の温度は好ましくは5〜55℃、さらに好ましくは8〜40℃である。
前記のようにして得られた本発明の生米粉麺類は、一般的な麺類の調理によって喫食可能な状態となる。本発明の生米粉麺類に適用可能な調理の具体例としては、沸騰水中で2〜10分間程度茹で調理又は蒸煮調理する方法、飽和蒸気中で5〜15分間程度蒸熱調理する方法等の加熱調理が挙げられる。本発明の生米粉麺類を調理して得られる調理済み米粉麺類は、表面が滑らかで米粉特有の透明感ある外観とモチモチとした粘弾性とを有し、またべたつきの少ないものであり、米粉が高配合された麺類らしい独特の風味と食感を有している。
本発明の生米粉麺類は、調理後に必要に応じて、その調理済み米粉麺類を湯切、冷却した後、副食材と共に喫食することができる。副食材は、主食材である調理済み米粉麺類と共に喫食されるもので、各種ソースや具材等が挙げられる。副食材として使用可能なソースとしては、麺類用のスープやソースとして使用できるものであればいずれの種類を用いても良く、例えば、ラーメンスープ、うどんスープ、そばつゆ、焼きそば用ソース、あん、ウスターソース、カレーソース、クリームソース、オイルソース、塩だれ、醤油だれ、味噌だれなどが挙げられるが、これらに限定されない。副食材として使用可能な具材としても、麺類用に使用できるものであればいずれの種類でも良く、例えば、チャーシュウ、旨煮等の肉類、焼き魚、煮魚等の魚類、野菜炒め、千切り野菜等の野菜類、キノコ類、天ぷら、カツ等の揚げ物類が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の生米粉麺類は、調理後に冷蔵又は冷凍処理に付すこともできる。米粉が高配合された従来の生米粉麺類は、茹で調理した後に冷蔵又は冷凍処理に付して長期間保存すると、茹で調理直後に喫食した場合と比べて、食感及び外観が著しく低下するという課題があったが、本発明の生米粉麺類は、前述した製麺工程における高い押出し圧の採用などによって斯かる課題を解決しており、調理後に冷蔵又は冷凍保存した後、解凍するなどして喫食した際には良好な食感及び外観が得られる。従って、本発明の生米粉麺類は、調理して調理済み米粉麺類とした後に低温にして長期保存が可能であり、その低温状態の調理済み米粉麺類を喫食する際には、電子レンジ等で再加熱するだけで良く、簡便に喫食に供することができる。
本発明の生米粉麺類を調理後に冷蔵又は冷凍処理に付す際には、この種の麺類に対して通常行われる冷蔵又は冷凍処理を採用することができる。例えば、調理済み米粉麺類を、必要に応じて所定の分量、例えば、一人分として150〜300gに分けてトレイ等に盛り付けた後、所望により包装し、冷蔵又は冷凍処理に付すのが好ましい。冷凍処理は急速冷凍、緩慢冷凍いずれも採用できるが、急速冷凍が好ましい。一旦急速冷凍で凍結させた後は、通常の冷凍保存条件で保存すれば良い。
本発明の生米粉麺類は、調理後に副食材と共に冷蔵又は冷凍することもできる。副食材については前述した通りである。例えば、本発明の生米粉麺類を調理して得られた調理済み米粉麺類を容器に取り分け、ソース、スープ、具材等を加えた後、冷蔵又は冷凍しても良く、又は、調理済み米粉麺類にソースや具材等を混ぜた後、容器に入れて冷蔵又は冷凍させても良い。
本発明が適用可能な麺類の種類は特に限定されるものではなく、例えば、うどん、そうめん、冷麦、中華麺、パスタ類(スパゲッティ、マカロニ等)が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例により制限されるものではない。尚、実施例6及び7は参考例である。
〔実施例1〜5及び比較例1〜4〕
原料粉(穀粉類)として、米粉(日の本穀粉株式会社製「ル・マロニエ」)と、α化澱粉(松谷化学工業株式会社製「マツノリンW」)又はα化米粉(フライスター株式会社製「アルファ化米粉」)とを用いた。尚、α化米粉は、本発明でいう米粉の一種ではあるが、本発明でいうα化澱粉ではない。これらの成分が下記表1に示す割合で配合された原料粉100質量部に対して、25℃の水30質量部を加え混練して生地を得、得られた生地を、パスタ製造用の押出製麺機を用いて−600mmHgの減圧条件下で、下記表1に示す押出し圧で麺線に押出し、太さ1.8mmの生米粉麺を得た。
〔試験例1〕
実施例1〜5及び比較例1〜4の生米粉麺を沸騰水で約5分間茹で調理し(茹で歩留まり235%)、湯から取り出して約15℃の水で30秒間水洗いした後、水切りして、調理済み米粉麺を得た。その調理済み米粉麺の外観及び食感を、10名のパネラーに下記評価基準により評価してもらった。その結果(10名のパネラーの平均点)を下記表1に示す。
(外観の評価基準)
5点:麺線表面が透明感に優れ、非常に滑らかでつやつやとしており、非常に良好。
4点:麺線表面に透明感があり、かなり滑らかでつやつや感があり、良好。
3点:麺線表面が比較的滑らかでざらつきを感じず、やや良好。
2点:麺のつながりがやや悪く、麺線表面がややざらついているか、又は麺線表面がやや溶け出しており、不良。
1点:麺のつながりが悪く、麺線表面がざらついているか、又は麺線表面が溶け出しており、非常に不良。
(食感の評価基準)
5点:適度な硬さと粘弾性が十分にあり、べたつきがなく、非常に良好。
4点:適度な硬さと粘弾性があり、べたつきが少なく、良好。
3点:ある程度軟らかさと粘弾性があり、べたつきは少なめであり、やや良好。
2点:やや軟らかすぎるか若しくはやや硬すぎ、又はべたつきがあり、不良。
1点:軟らかすぎるか若しくは硬すぎ、又はべたつきが強く、非常に不良。
Figure 0006753839
表1に示す通り、実施例1〜5は、何れも比較例1〜4に比して少なくとも食感に優れ、外観及び食感の両方に優れていた。比較例1は、製麺時の生地の押出し圧が低すぎるため、外観及び食感の両方に劣る結果となり、比較例2及び3は、製麺時の生地の押出し圧が高すぎるため、特に食感に劣る結果となった。また比較例4は、製麺時の生地の押出し圧は実施例と同レベルであるものの、原料粉中にα化澱粉が含まれていないため、外観及び食感に劣る結果となった。以上のことから、外観及び食感が良好な生米粉麺を得るためには、製麺時の生地の押出し圧を実施例1〜5の範囲(60〜140kgf/cm2)とし、且つ原料粉中にα化澱粉を含有させることが有効であることがわかる。
〔実施例6〜12及び比較例5〜8〕
α化米粉に代えてタピオカ由来の非α化澱粉(松谷化学工業株式会社製「さくら」)を用い、下記表2に示す配合の原料粉を用いた以外は、前記〔実施例1〜5及び比較例1〜4〕と同様にして、太さ1.8mmの生米粉麺を得た。ただし、比較例5及び6は、麺生地がつながらず、麺線を成形することができなかった。
〔試験例2〕
実施例6〜12及び比較例7〜8の生米粉麺について、前記〔試験例1〕と同様に調理してその調理済み米粉麺の外観及び食感を評価した。その結果(10名のパネラーの平均点)を下記表2に示す。尚、比較例5〜6は麺線を成形できなかったため、外観及び食感を評価していない。性能比較の便宜の観点から、下記表2には実施例3の結果を再掲している。
Figure 0006753839
表2に示す通り、実施例3及び6〜12は、何れも比較例7〜8に比して外観及び食感の両方に優れていた。比較例7は、原料粉中における米粉含有量が少なすぎで且つα化澱粉含有量が多すぎるため、外観及び食感に劣る結果となった。比較例8は、原料粉中におけるα化澱粉含有量は実施例と同レベルであるものの、米粉含有量が少なすぎるため、外観及び食感に劣る結果となった。また、比較例5〜6が麺線成形できなかったのは、原料粉中におけるα化澱粉含有量が少なすぎるためであると推察される。以上のことから、外観及び食感が良好な生米粉麺を得るためには、原料粉中における米粉含有量及びα化澱粉含有量をそれぞれ実施例3及び6〜12の範囲(米粉含有量は70質量%以上、α化澱粉含有量は4〜30質量%)とすることが有効であることがわかる。
〔実施例13〜17及び比較例9〜11〕
α化米粉を用いずに下記表3に示す配合の原料粉を用いた以外は、前記〔実施例1〜5及び比較例1〜4〕と同様にして、太さ1.8mmの生米粉麺を得た。得られた生米粉麺を沸騰水で約5分間茹で調理し(茹で歩留まり235%)、湯から取り出して約15℃の水で30秒間水洗いした後、水切りして、調理済み米粉麺を得た。得られた調理済み米粉麺を150gずつトレイに取り分け、それぞれポリエチレン製の袋に入れて−35℃で急速冷凍して、調理済み冷凍米粉麺を得た。得られた調理済み冷凍米粉麺は、−20℃の冷凍庫に保存した。
〔試験例3〕
実施例13〜17及び比較例9〜11の調理済み冷凍米粉麺を、−20℃の冷凍庫に保存開始してから7日後に取り出し、電子レンジ(600W)で中心部が60℃になるまで加熱解凍し、その解凍済み米粉麺の外観及び食感を、10名のパネラーに前記評価基準により評価してもらった。その結果(10名のパネラーの平均点)を下記表3に示す。
Figure 0006753839
表3に示す通り、実施例13〜17は、何れも比較例9〜11に比して外観及び食感の両方に優れていた。表3から見てとれる傾向は、表1から見てとれる傾向と同じである。以上のことから、調理後に冷凍保存した後でも外観及び食感が良好な生米粉麺を得るためには、製麺時の生地の押出し圧を実施例13〜17の範囲(60〜140kgf/cm2)とすることが有効であることがわかる。
〔実施例18〜23、参考例1〜2及び比較例12〕
α化米粉を用いずに下記表4に示す配合の原料粉を用い、且つ生地の調製時に原料粉に加える水(練り水)の温度を下記表4に示すように適宜変更した以外は、前記〔実施例1〜5及び比較例1〜4〕と同様にして、太さ1.8mmの生米粉麺を得た。
〔試験例4〕
実施例18〜23、参考例1〜2及び比較例12の生米粉麺について、前記〔試験例1〕と同様に調理してその調理済み米粉麺の外観及び食感を評価した。その結果(10名のパネラーの平均点)を下記表4に示す。尚、性能比較の便宜の観点から、下記表4には実施例3の結果を再掲している。
Figure 0006753839
表4から明らかなように、生地の調製時に原料粉に加える練り水の温度は、実施例3及び18〜23の範囲(75℃未満)とすることが、外観及び食感が良好な生米粉麺を得る上で有効であることがわかる。即ち、外観及び食感が良好な生米粉麺を得るためには、生地原料に含まれる原料粉を実質的にα化しないように製麺することが有効であることがわかる。

Claims (6)

  1. 米粉70〜90質量%とα化澱粉10〜30質量%とを含み且つ増粘多糖類を含まない、原料粉を用いて得られた生地を、60〜140kgf/cm2の圧力で麺線に押出してなり、
    前記原料粉のα化度を基準としたα化度の増加率が5%を超えていない生米粉麺類。
  2. 前記生地が、前記原料粉100質量部と水30〜60質量部とを混練して得られた生地である請求項1に記載の生米粉麺類。
  3. 前記生地が、前記原料粉に75℃未満の水を加えて得られた生地である請求項1又は2に記載の生米粉麺類。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の生米粉麺類を調理後に冷凍してなる調理済み冷凍米粉麺類。
  5. 請求項1〜3の何れか一項に記載の生米粉麺類を調理後に副食材と共に冷凍してなる調理済み冷凍米粉麺類。
  6. 米粉70〜90質量%とα化澱粉10〜30質量%とを含み且つ増粘多糖類を含まない、原料粉に加水し混練して生地を調製する工程と、調製した生地を60〜140kgf/cm2の圧力で麺線に押出す工程とを有する生米粉麺類の製造方法。
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