JP2016182059A - 即席ノンフライ麺の製造方法及び即席ノンフライ麺 - Google Patents

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【課題】本発明は、フライパン調理によって調理される即席ノンフライ麺の製造方法に関する。【解決手段】アルギン酸プロピレングリコールエステルを配合した生麺線に対して、油を噴霧した後、蒸煮し、熱風乾燥した後、膨化処理することによって、フライパン調理という使用水分が少ない調理法においても、調理時の麺線のほぐれがよく、良好な復元性ならびに食感を有する即席ノンフライ麺を製造できる。【選択図】なし

Description

本発明は、フライパン調理によって調理される即席ノンフライ麺の製造方法に関する。
従来、即席麺の製造方法としては、フライ(油揚げ)麺とノンフライ麺に大別することができる。フライ麺は、α化処理した麺を150℃前後の油でフライ処理して乾燥させた麺である。一方、ノンフライ麺とは、α化した麺を、油で揚げる以外の乾燥方法により乾燥させた麺であり、幾つか方法があるが、70〜100℃程度で風速5m/s以下程度の熱風を当てて30分から90分程度乾燥させる熱風乾燥方法が一般的である。
熱風乾燥によるノンフライ麺は、フライ麺よりも麺線が緻密であり、より弾力のある食感を有する反面、復元にフライ麺よりも時間がかかるといった課題があった。したがって、焼きそば等のフライパン調理を行う即席麺においては、使用できる水の量が限られているため、より復元性の高いフライ麺を選択することが一般的であった。
一方で、近年、即席麺の分野においても本格思考が高まり、湯かけ調理や鍋炊き調理の即席麺では、より生麺的な食感を有するノンフライ麺が多数上市され、フライパン調理を行う即席麺についても本格的な食感を求めるニーズが高まってきている。
ノンフライ麺の復元性や食感を改善する方法として膨化を利用した方法が知られている。(例えば特許文献1や特許文献2)
特許文献1は、即席麺の製造において、常法により製麺された生地麺を蒸煮した後、これを60以上〜100℃未満の熱風で蒸煮麺の水分含有量を20〜27%に一次乾燥し、その後該蒸煮麺を搬送用ネットコンベアーで移行する際、別に設けた高圧室より温度制御された空気、不活性ガス、又はこれらの混合ガスからなる120〜160℃の高温熱風を該搬送用ネットコンベアーの上下に複数配設した噴射ノズルチューブより高速噴射して、麺類を二次膨化乾燥することを特徴とする即席乾燥麺類の製造方法が記載されている。また、特許文献2は、より生麺的な食感や自然な外観を得るための方法として蒸煮及び/ボイルによってα化処理した麺線を、熱風によって水分含量5〜17%まで乾燥した後、膨化処理を施すことを特徴とする即席麺の製造方法について記載されている。
これらの方法は、ノンフライ麺の復元性や食感を改善する方法として有効ではあるが、フライパン調理を行う場合では、使用する水分が少ない為、調理時の麺線のほぐれが悪く、その結果、復元性にムラが出るなどフライパン調理においては、未だ課題があった。
特開平11−196799 特開2012−60999
本発明は、フライパン調理において、調理時の麺線のほぐれの良く、良好な復元性、食感を有する即席ノンフライ麺の製造方法及び即席ノンフライ麺を提供することを目的とする。
発明者は鋭意研究した結果、アルギン酸プロピレングリコールエステルを配合した生麺線に対して、油を噴霧した後、蒸煮し、熱風乾燥した後、膨化処理することによって、フライパン調理という使用水分が少ない調理法においても、調理時の麺線のほぐれがよく、良好な復元性ならびに食感を有する即席ノンフライ麺を製造できることを見出し本発明に至った。
すなわち、フライパン調理によって調理される即席ノンフライ麺の製造方法であって、
主原料粉と、前記主原料粉の総重量に対して0.05〜0.5重量%のアルギン酸プロピレングリコールエステルと、を含む麺原料から形成された生麺線に対して、食用油脂を記主原料粉の総重量に対して1〜8重量%噴霧した後、蒸煮し、水分が5〜17重量%となるように熱風乾燥した後、膨化処理することを特徴する即席ノンフライ麺の製造方法である。
また、生麺線は3層以上の多層構造からなることが好ましく、さらに生麺線の多層構造の最外層にアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合することが好ましい。
また、膨化処理は、105〜160℃の高温高速熱風または、高温高速熱風に飽和蒸気を併用した処理によって行わることが好ましい。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
なお、本発明において製造する即席ノンフライ麺の種類は、フライパン調理によって調理されるものであれば特に限定されず、通常、当技術分野で知られるいかなるものであってもよい。例えば、焼うどん、焼そば、焼ラーメン、パスタ等が挙げられる。
1.原料配合
本発明に係る即席熱風乾燥麺には、通常の即席麺の原料が使用できる。すなわち、主原料粉としては、小麦粉、そば粉、及び米粉等の穀粉、並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ等の各種澱粉が挙げられ、単独で使用しても、または混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、並びに、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、及び架橋澱粉等の加工澱粉等を使用することもできる。
また、本発明では、これら原料粉に対して即席麺の製造において一般に使用されている食塩やアルカリ剤、各種増粘剤、麺質改良剤、食用油脂、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。これらは、主原料粉と一緒に粉体で添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
本発明においては、麺質改良剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを使用することが必須である。配合量としては、主原料粉の総重量に対して0.05〜0.5重量%となるように配合することが好ましい。0.05重量%未満であると十分な食感改善効果、ほぐれ改善効果が見られない。逆に0.5重量%を超えると食感が硬くなり過ぎ好ましくない。より好ましい範囲としては、0.1〜0.25重量%である。
また、3層以上の多層構造を有する生麺線を用いることが好ましく、その場合、少なくとも最外層にアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合することが好ましい。また、最外層の内側の層に配合する場合には、最外層の配合量よりも少なく配合することが食感のバランス面から好ましく、より好ましくは最外層のみに配合することが好ましい。
2.混捏、圧延、及び切り出し
即席麺を製造する常法に従って、前記即席麺原料を混練することによって麺生地を製造する。より具体的には、前記原料粉に練り水を加え、ついでミキサーを用いて各種材料が均一に混ざるように良く混練して麺生地を製造する。上述のようにして麺生地を製造した後に、前記麺生地を複合機で複合して麺帯を製造し、前記麺帯を圧延して、切刃を用いて切り出すことによって生麺線を製造する。この時、3枚以上の複数の麺帯を複合して多層の麺帯を製造してから圧延、切り出しを行い、3層以上の多層構造を有する生麺線を製造することが好ましい。3層以上の多層構造を有する生麺線を製造する場合には、少なくとも最外層となる麺帯はアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合されていることが好ましい。また、パスタ等の場合には、この方法の他にエクストルーダー等により押し出して麺線を製造してもよい。
3.油脂付着工程
次いで作成された生麺線に対して、食用油脂を均一に付着させる。生麺線に食用油脂を付着させずに麺原料に配合しただけでは、調理時のほぐれは、改善されない。本工程で麺線表面に食用油脂を付着させることにより、調理時のほぐれに関してはある程度改善されるが、生麺線にアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合することと生麺線に食用油脂を付着させることによる相乗効果で、調理時のほぐれがよく、喫食事に食感がよいフライパン調理用の即席ノンフライ麺が製造できる。
食用油脂の付着は、液化させた食用油脂を生麺線に噴霧又はシャワーする等の方法によって実施することができる。前記噴霧又はシャワーは、例えば、ハンドスプレー、スプレー管を使用することによって実施することができる。前記付着時に使用する食用油脂の量は、主原料粉の総重量に対して、1〜8重量%の範囲が好ましい。1重量%未満であると調理時の麺線のほぐれが悪く、調理ムラによる復元ムラが起き易い。8重量%よりも高いと後に説明するα化工程で麺線がα化されにくく、また、麺が脂っこくなり、風味及び食感が低下する。より好ましくは、2〜6重量%である。
麺線に付着させる食用油脂の種類は、食用として使用できる油脂全般を使用することができる。例えば、前記食用油脂は、パーム油、コーン油、ゴマ油、及び菜種油等の植物油脂、並びにラード、牛脂等の動物油脂等を含んでよく、それらを1種以上適宜選択して使用することができる。付着時の食用油脂の温度は、油の流動性や機械適性を考慮すると40〜80℃の範囲が好ましいが、油の種類に応じて均一な付着を実施することを優先して考慮すべきである。
4.α化工程
次いで得られた生麺線を、常法により蒸煮及び/又はボイルによってα化させる。蒸煮の方法としては、飽和水蒸気による加熱だけでなく、過熱水蒸気により加熱することもできる。過熱蒸気による加熱の場合には、生麺的な食感を得やすく好ましい。過熱蒸気による加熱方法としては、例えば、特許第4438969号公報のように過熱蒸気を直接麺線に吹きつけた後に給水工程を行い、再び過熱蒸気又は/及び飽和蒸気によって加熱する方法が挙げられる。
4.着味工程
本発明においては、このようにしてα化した麺線にスプレーや浸漬等により調味液(着液)を付着させ味付けを行うこともできる。また、麺線同士の結着防止のため、乳化剤や増粘多糖類などの麺線に付着させることもできる。着味工程は必ずしも行う必要はなく、省略しても構わない。
5.カット及び投入
次いで、麺線を1食分20〜50cmにカットする。カットした麺線は、リテーナと呼ばれる乾燥用の深皿状の器具に投入する。
6.熱風乾燥工程
リテーナに充填した麺線を熱風により5〜17重量%になるように乾燥する。熱風の条件は特に問わないが50〜100℃程度で風速1〜5m/sの熱風により乾燥することが好ましい。熱風乾燥工程後の麺線の好ましい水分は、麺線の太さ、幅などの形状により異なるが、低すぎると後述する膨化処理工程で膨化が進まず、高すぎると膨化が進み過ぎ良好な食感が得られにくい。より好ましくは水分6〜14.5%程度に乾燥することが好ましい。
7.膨化処理工程
次いで熱風乾燥された麺線を膨化処理する。この工程において麺線を膨化させることにより麺線に空隙が生じ、復元性がよくなる。
膨化方法は特に限定しないが、高温高風速熱風処理、高温高風速熱風及び蒸気を併用する処理、過熱水蒸気処理、マイクロウェーブ処理等が挙げられる。好ましい膨化処理としては、高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理が好ましい。
高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理によって膨化処理を行う場合、膨化処理における麺線を処理する気体の温度は、105〜160℃であることが好ましい。105℃未満の場合、麺線が十分に膨化せず、自然な外観が得られにくい。160℃よりも高い場合には、麺線が過度に膨化したり、焦げの発生や麺線が変色する。より好ましくは110〜150℃、さらに好ましくは110〜130℃である。
高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理によって膨化処理を行う場合、膨化処理工程における麺線を処理する風速は10〜70m/sであることが好ましい。10m/s未満の場合は、麺線が十分膨化せず、ほぐれも悪い。70m/sよりも高い風速の場合には、設備が大がかりになる。より好ましくは、30〜70m/s、さらに好ましくは50〜70m/sである。
高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理によって膨化処理を行う場合、膨化処理における麺線を処理する気体の絶対湿度は5〜200g/mであることが好ましい。高温高風速熱風と飽和水蒸気を併用する処理においては、膨化処理工程に用いる気体の絶対湿度を上げることができ、麺線の過度な膨化を抑制し膨化を均質にできることや表面の過乾燥からくる表面の張り固まった食感を軽減し、柔らかくツルミのある食感を得ることができる。しかしながら、絶対湿度を上げるために蒸気量を増やすにつれ、気体の温度を維持するためにエネルギーがかかり、また、絶対湿度の上昇に伴い、喫食時の麺線のほぐれが悪くなるなどの問題がある。より好ましくは、50〜150g/m、さらに好ましくは60〜120g/mであることが好ましい。
高温高速熱風処理又は高温高速熱風及び飽和水蒸気を併用する処理によって膨化処理を行う場合、膨化処理における処理時間は、処理に使用する気体の温度、風速、湿度によっても異なるが10〜120秒であることが好ましい。また、膨化処理工程後の好ましい水分としては、麺の太さによっても異なるが3〜14%である。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
(実験1)
<相乗効果の検証>
(実施例1−1)
(外層麺帯)
主原料粉である小麦粉900g、澱粉150gとアルギン酸プロピレングリコールエステル4g粉体混合し、これに食塩5g、かんすい3.5g、重合リン酸塩1g、リン酸ナトリウム1.5g、トコフェロール製剤0.2gを溶解した練水395mlを加え、常圧ミキサーで15分間混練して麺生地(ドウ)を得た後、得られた麺生地を整形複合して麺帯化した。
(内層麺帯)
主原料粉である小麦粉850g、澱粉150gと炭酸カルシウム10g、アルギン酸プロピレングリコールエステル4g粉体混合し、これに食塩35g、かんすい5g、重合リン酸塩1g、リン酸ナトリウム1.5g、トコフェロール製剤0.2gを溶解した練水410mlを加え、常圧ミキサーで15分間混練して麺生地(ドウ)を得た後、得られた麺生地を整形複合して麺帯化した。
(三層麺帯作成)
三層麺帯の麺厚比(外層:内層:外層)が1:2:1となるように外層麺帯2枚と内層麺帯1枚の厚みを調整した後、複合して1枚の三層麺帯を製造した。
得られた三層麺帯を複数回圧延して最終麺厚1.35mmとした後、切刃24番丸で麺線を切り出した。
切り出された麺線に対して、主原料粉1kg当り30gとなるように60℃に調整したパームオレイン油を噴霧し、食用油脂を付着させた。
食用油脂を付着させた麺線をただちに飽和蒸気にて2分間にわたって蒸煮処理した後、1L当り食塩10gを溶解した着味液に6秒間浸漬し、引き延ばして約40cmとなるように麺線をカットした。
カットした麺線150gをリテーナに充填して97℃で25分乾燥した後、温度を85℃にしてさらに20分熱風乾燥した。この時の水分が12.5%であった。
高温高風速熱風と飽和蒸気を併用して125℃、風速70m/s、絶対湿度120g/mに調整した気体を36秒間、熱風乾燥した麺線に処理し麺線を膨化させ、即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1−1)
アルギン酸プロピレングリコールエステルを添加しないことと、パームオレイン油を付着させないこと、膨化処理を行わないこと以外は、実施例1−1の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1−2)
アルギン酸プロピレングリコールエステルを添加しないことと、パームオレイン油を付着させないこと以外は、実施例1−1の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1−3)
アルギン酸プロピレングリコールエステルを添加しないこと以外は、実施例1−1の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1−4)
パームオレイン油を付着させない以外は、実施例1−1の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1−5)
外層麺帯、内層麺帯作成時にミキシング時にパームオレイン油を30g添加し、ミキシングする以外は、比較例1−4の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
これらのサンプルを調理した。調理方法は、フライパンに200mlの熱湯を入れ、中火で沸騰させた後、即席ノンフライ麺サンプルを入れ、30秒ごとに麺塊を反転させ、麺線がほぐれだしたら、麺線をほぐしながら加熱を続け、フライパン上の水分が蒸発したところで加熱を終了し、焼きそば用の調味用粉末を適量添加し、万遍なく調味用粉末をからませた後、再度加熱し、チリチリと焦げる音が聞こえ始めたところで加熱を止めた。
このとき、調理時の麺線のほぐれ具合について評価を行った。評価方法は、ほぐれが非常に良好なものを◎、ほぐれが良好なものを○、ほぐれがやや悪く、麺線が結着した部分が見られるものを△、ほぐれが著しく悪く、麺線が結着した部分が多数認められるものを×とした。
また、調理したサンプルについて喫食し、復元性、食感について官能評価を行った。喫食時の評価方法は、ベテランのパネラー5人によって官能評価を行い、復元性については、非常に良好なものを◎、良好なものを○、やや復元性が悪いもしくは、復元性が悪い部分があるものを△、復元していないもしくは、復元していない部分が多数みられるものを×とした。食感については、表面の硬さ、麺の弾力、芯の粘りについて総合的に評価し、非常に良好なものを◎、良好なものを○、やや悪いものを△、悪いものを×とした。
実験1の調理時のほぐれ及び官能評価結果を表1に示す。尚、表中のPGAは、アルギン酸プロピレングリコールエステルの略称である。
Figure 2016182059
実験1で示すように実施例1−1で示すように、アルギン酸プロピレングリコールエステルの添加、食用油脂の付着、膨化処理を行うことにより、調理時のほぐれ、復元性、食感が良好なフライパン調理用の即席ノンフライ麺が製造できる。それに対し、比較例1−1、比較例1−2で示すようにアルギン酸プロピレングリコールエステルの添加及び食用油脂の付着を行っていない試験区では、膨化処理をおこなったとしても、調理時のほぐれが悪く、充分な復元性を確保できない。
比較例1−3で示すように食用油脂の付着と膨化処理を行うことで調理時のほぐれが改善し、それに伴い復元性もよくなるが、食感は、表面が柔らかくなりすぎる。また、比較例1−4で示すようにアルギン酸プロピレングリコールエステルの添加と膨化処理との組み合わせでは、調理時のほぐれの改善が不十分であり、その結果、復元性の悪い部分がある。また、比較例1−5で示すように食用油脂の付着ではなく、麺線に練り込んだ場合には、比較例1−3で示した食用油脂付着ほどのほぐれ改善は認められない。
(実験2)
<アルギン酸プロピレングリコールエステルの配合検討>
(実施例2−1)
内外層麺帯のアルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量を5gとする以外は、実施例1−1の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(実施例2−2)
内層麺帯のアルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量を0gとする以外は、実施例2−1の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(実施例2−3)
外層麺帯のアルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量を4gとする以外は、実施例2−2の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(実施例2−4)
外層麺帯のアルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量を2gとする以外は、実施例2−2の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
(実施例2−5)
外層麺帯のアルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量を1gとする以外は、実施例2−2の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを作製した。
これらのサンプルについて実験1と同様に調理ならびに官能評価を行った。
実験2の官能評価結果を表2に示す。
Figure 2016182059
実施例1−1、2−1で示すように、アルギン酸プロピレングリコール含量が増えるほど調理時のほぐれが改善する傾向がみられる。また、実施例2−1、2−2で示すように内層のアルギン酸プロピレングリコールエステルの含量を下げることで中心部の固い食感が取れ、調理時のほぐれや復元性を損なわずに良好な食感が得られる。
調理時のほぐれ改善効果については、実施例2−2〜実施例2−5で示すように外層のみにアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合した場合でも充分認められる。全体の配合量としては、実施例1−1並びに実施例2−1〜2−5で示すように主原料粉の総重量に対して0.05〜0.5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.25重量%である。
(実験3)
<食用油脂付着量の検討>
(実施例3−1)
切り出された麺線に対して、主原料粉1kg当り10gとなるように食用油脂を付着させる以外は、実施例2−3の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを製造した。
(実施例3−2)
切り出された麺線に対して、主原料粉1kg当り20gとなるように食用油脂を付着させる以外は、実施例2−3の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを製造した。
(実施例3−3)
切り出された麺線に対して、主原料粉1kg当り60gとなるように食用油脂を付着させる以外は、実施例2−3の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを製造した。
(実施例3−4)
切り出された麺線に対して、主原料粉1kg当り80gとなるように食用油脂を付着させる以外は、実施例2−3の方法に従って即席ノンフライ麺サンプルを製造した。
これらのサンプルについて実験1と同様に調理ならびに官能評価を行った。
実験3の調理結果ならびに官能評価結果を表3に示す
Figure 2016182059
実験3で示すように食用油脂の付着量を増やすにつれて復元性がよくなるが、付着量が多すぎると表面の食感が柔らかくなり、油っこい風味がでてくる。好ましくは、1〜8重量%、より好ましくは、2〜6重量%である。
以上のように、アルギン酸プロピレングリコールエステルを配合した生麺線に対して、油を噴霧した後、蒸煮し、熱風乾燥した後、膨化処理することによって、フライパン調理という使用水分が少ない調理法においても、調理時の麺線のほぐれがよく、良好な復元性ならびに食感を有する即席ノンフライ麺を製造できる。

Claims (5)

  1. 主原料粉と、前記主原料粉の総重量に対して0.05〜0.5重量%のアルギン酸プロピレングリコールエステルと、を含む麺原料から形成された生麺線に対して、食用油脂を前記主原料粉の総重量に対して1〜8重量%噴霧した後、蒸煮し、水分が5〜17重量%となるように熱風乾燥した後、膨化処理することを特徴する即席ノンフライ麺の製造方法。
  2. 前記生麺線が3層以上の多層構造からなる生麺線であることを特徴とする請求項1記載の即席ノンフライ麺の製造方法。
  3. 前記多層構造からなる生麺線の最外層にアルギン酸プロピレングリコールエステルを含むことを特徴とする請求項2の即席ノンフライ麺の製造方法。
  4. 前記膨化処理が、105〜160℃の高温高速熱風または、高温高速熱風に飽和蒸気を併用した処理によって行わることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の即席ノンフライ麺の製造方法。
  5. 請求項1〜4何れか一項記載の製造方法によって製造された即席ノンフライ麺。
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