JP7085078B1 - 多層麺類及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】つゆののりがよく、かつ良好な食感を有する麺類の提供。【解決手段】2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する麺線であり、該B層の原料粉における小麦由来蛋白質の含量は、該A層の原料粉における小麦由来蛋白質の含量よりも多く、該A層の原料粉は澱粉類を含有し、該麺線の厚みは幅に対して1.2~1.6倍である、多層麺類。【選択図】なし

Description

本発明は、多層麺類及びその製造方法に関する。
麺の食感を向上させるため、2種類以上の麺帯を複合一体化して二層以上の層を有する多層麺を製造することが提案されている。さらに、当該多層麺の食感をより向上させる試みも行われている。例えば、特許文献1には、調理後時間が経過しても食感の良い麺として、澱粉類を主体とする原材料を用いて得られる外層と、小麦粉を主体としこれに蛋白質を添加した原材料を用いて得られる内層からなり、外層の厚さと内層の厚さの比率が、外層/内層/外層=1.5~2.5/1/1.5~2.5の範囲であり、外層に用いる原材料が、タピオカ澱粉を50~85質量%及びα化澱粉を5~15質量%含有する三層麺が記載されている。特許文献2には、A層及びB層からなり、A層が外層の片側または両側を構成する多層調理麺において、A層及びB層にそれぞれが所定量の小麦粉とタピオカ澱粉からなる穀粉類を含み、かつ所定の粗蛋白質含量を有する層を用い、A層の粗蛋白質含量及び加水量をB層の粗蛋白質含量より低くすることで、食感が良好で老化が遅い麺が得られることが記載されている。特許文献3には、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んだ3層麺帯から得た麺線を糊化し、凍結する冷凍麺の製造方法において、内層用原料粉に強力粉を用い、外層用原料粉に準強力粉または中力粉を用いること、これにより緩慢解凍後の食感の良好な冷凍麺を製造できることが記載されている。
特許文献4の実施例には、内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させることを特徴とする多層麺の製造において、内層に外層よりも多くの準強力粉を含む三層麺帯を厚さ1.7mmに圧延し、切り出して太さが約1.6mmの生中華麺線を製造したことが記載されている。特許文献5の実施例には、へミセルラーゼを含有することを特徴とする多層麺の製造において、内層に外層よりも多くの小麦粉を含み、外層は内層よりも多くの澱粉を含む三層麺帯を、#20角の切り刃を通して1.55mm厚の麺線としたことが記載されている。特許文献6の実施例には、粗蛋白含量9.8重量%に調整したの外層用製麺原料と、粗蛋白含量11.7重量%の内層用製麺原料を用いて三層麺帯を製造し、これを圧延、切り出して厚1.65mm、幅1.5mmの三層生ラーメンを製造したことが記載されている。特許文献7の実施例には、小麦グルテンを多く含む内層麺帯を用いて三層麺帯を製造し、厚さ1.8mmまで圧延し、切刃18番の丸刃で切断し、得られた麺線からノンフライ即席麺を製造したことが記載されている。特許文献8の実施例には、内層にさらにトランスグルタミナーゼを添加した以外は同じ組成で内層及び外層麺帯を製造し、これらを複合、圧延して1.8mm厚の三層麺帯と得、熟成後、丸刃22番で切り出して生中華麺を製造したことが記載されている。
特開2008-029273号公報 特開2012-196168号公報 特開2001-245618号公報 特開2019-058090号公報 特開2013-085490号公報 特開平11-151071号公報 特開2020-150888号公報 特開平6-225717号公報
本発明は、つゆののりがよく、かつ良好な食感を有する麺類を提供する。
本発明は、多層麺類であって、
2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する麺線であり、
該B層の原料粉における小麦由来蛋白質の含量は、該A層の原料粉における小麦由来蛋白質の含量よりも多く、
該A層の原料粉は澱粉類を含有し、
該麺線の厚みは幅に対して1.2~1.6倍である、
多層麺類、を提供する。
また本発明は、多層麺類の製造方法であって、
2つのA層用麺帯の間にB層用麺帯が配置された積層構造を有する多層麺帯を作製すること、及び、該多層麺帯を圧延及び切断して麺線を製造することを含み、
該B層用麺帯の原料粉における小麦由来蛋白質の含量は、該A層用麺帯の原料粉における小麦由来蛋白質の含量よりも多く、
該A層の原料粉は澱粉類を含有し、
該麺線の厚みは幅に対して1.2~1.6倍である、
方法、を提供する。
本発明によれば、つゆののりがよく、かつ粘弾性や滑らかさに優れた良好な食感を有する麺類を提供することができる。
本発明者は、多層麺類の麺線において、該多層麺類の内層の蛋白質含量を外層より多くし、かつ麺厚を麺幅よりも長くなるように成形することで、得られた多層麺類のつゆののり及び食感が向上することを見出した。本発明の多層麺類は、特に麺厚と麺幅の比(厚/幅比)が1.2以上であると、つゆののり及び食感が向上する。また、該多層麺類のつゆののり及び食感の向上のためには、該外層が澱粉を含有することが好ましい。さらに、該多層麺類の内層に多く含有される該蛋白質は、小麦由来蛋白質であることが好ましい。
本発明の多層麺類の種類としては、特に限定されず、例えば、うどん、中華麺、冷や麦、そば、パスタ類などが挙げられ、このうち、うどん及び中華麺が好ましい。
本発明の多層麺類は、2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する。すなわち、該積層構造において、該A層は該B層に対して外層であり、該B層は該A層に対して内層である。
本発明の多層麺類における該A層及び該B層の原料粉は、穀粉類を含有する。該A層及びB層の原料粉に含まれ得る穀粉類の例としては、小麦粉、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、そば粉、大豆粉、コーンフラワー、オーツ麦粉、ライ麦粉、ふすま粉などが挙げられる。これらの穀粉類は、いずれか1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。該A層及びB層の原料粉に含まれる穀粉類の種類は、同じであっても異なっていてもよい。
好ましくは、該A層及びB層の原料粉は小麦粉を含有する。該原料粉に含まれる穀粉類中における小麦粉の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%である。該小麦粉は、麺類の製造に一般に使用されるものであればよく、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、ふすま粉、熱処理小麦粉(例えば、α化小麦粉、部分α化小麦粉、乾熱処理小麦粉等)などが挙げられる。これらの小麦粉は、いずれか1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。製麺性の観点からは、原料粉中の熱処理小麦粉の含有量は20質量%以下が好ましい。
該A層及びB層の原料粉は澱粉類を含有していてもよい。該A層及びB層に用いられる澱粉類の例としては、特に限定されず、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉などの未加工澱粉、及びそれらを加工(例えば、架橋化、リン酸化、アセチル化、エーテル化、酸化、α化など)した加工澱粉が挙げられる。本発明において、これら未加工澱粉及び加工澱粉は、いずれか1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。好ましくは、該澱粉類はタピオカ澱粉である。また好ましくは、該澱粉類は加工澱粉である。より好ましくは、該澱粉類は加工タピオカ澱粉であり、さらに好ましくは、アセチル化、エーテル化及び架橋化からなる群より選択される1種以上の加工を行った加工タピオカ澱粉である。該A層及びB層に用いられる澱粉類の種類は、同じであっても異なっていてもよい。
好ましくは、該A層の原料粉は穀粉類及び澱粉類を含有する。より好ましくは、該A層の原料粉は小麦粉及び澱粉類を含有する。一方、該B層の原料粉は、穀粉類を含有し、澱粉類を含有していなくともよいが、好ましくは穀粉類及び澱粉類を含有し、より好ましくは小麦粉及び澱粉類を含有する。好ましくは、該B層の原料粉における澱粉類の含有量は該A層と比べて少ない。一実施形態において、該A層の原料粉は、穀粉類及び澱粉類を含有し、該B層の原料粉は、穀粉類を含有するが澱粉類を含有しない。別の一実施形態において、該A層の原料粉は穀粉類及び澱粉類を含有し、該B層の原料粉も穀粉類及び澱粉類を含有する。
該A層の原料粉における穀粉類と澱粉類との質量比は、好ましくは穀粉類:澱粉類=100:0~50:50、より好ましく95:5~60:40、さらに好ましくは90:10~60:40である。また、該B層の原料粉における穀粉類と澱粉類との質量比は、好ましくは穀粉類:澱粉類=100:0~60:40、より好ましくは100:0~70:30である。該A層及び該B層の原料粉における穀粉類及び澱粉類の合計含量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
該A層及びB層の原料粉は、必要に応じて、上述の穀粉類又は澱粉類に加えて、麺類の製造に用いることができる他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分としては、小麦蛋白質(グルテン)、大豆蛋白質、乳蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の蛋白質素材、ならびに、油脂類、かんすい、焼成カルシウム、食物繊維、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン、ミネラル、栄養強化剤、色素、香料、デキストリン(難消化性含む)、膨張剤、増粘剤、乳化剤、保水剤、保存剤、酵素剤、pH調整剤、酸化還元剤などが挙げられる。これらの他の成分は、製造する麺類に所望される性質にあわせて適宜組み合わせて使用することができる。該B層は、好ましくは該A層より多量のトランスグルタミナーゼを含まず、より好ましくはトランスグルタミナーゼを含まない。該A層及びB層の原料粉における該他の成分の含有量は、好ましくは本発明の20質量%以下、より好ましくは10質量%以下であり、あるいは、該A層又はB層の原料粉は、該他の成分を含有していなくともよい。
本発明の多層麺類において、該B層の原料粉における蛋白質含量は、該A層の原料粉における蛋白質含量よりも多い。より詳細には、該A層の原料粉における蛋白質含量(原料粉の全乾燥質量中の含量;質量%)を[a]、該B層の原料粉における蛋白質含量(同;質量%)を[b]とするとき、[b]>[a]であり、好ましくは[b]/[a]≧1.1~1.5、より好ましくは[b]/[a]=1.2~1.4である。本明細書における原料粉の蛋白質含量は、乾燥質量換算での原料粉の全質量中における蛋白質含量をいう。原料粉の乾燥質量は、原料粉の質量からその水分量を除いた値であり、原料粉の小麦由来蛋白質の含量は、ケルダール法に従って測定した値をいう。
好ましくは、本発明の多層麺類においては、該B層の原料粉における小麦由来の蛋白質の含量が、該A層の原料粉における小麦由来の蛋白質の含量よりも多い。A層とB層での該小麦由来蛋白質の含量の質量比(A層:B層)は、好ましくは1:1.1~1.5、より好ましくは1:1.2~1.4である。例えば、B層の原料粉中の小麦粉の含有量をA層よりも多くするか、A層と比べてより蛋白含量の高い小麦粉をB層に用いるか、B層の原料粉に、上述した小麦由来の蛋白質素材(グルテン等)を添加することによって、B層の原料粉における小麦由来蛋白質の含量をA層の原料粉よりも多くすることができる。原料粉における小麦由来蛋白質の含量は、乾燥質量換算での値であり、原料粉中の小麦由来原料の蛋白質量をケルダール法に従って測定することで確認することができる。
本発明の多層麺類は、基本的には、従来の多層麺類の製造方法と同様の手順で製造することができる。好適には、上述した組成で穀粉類、及び必要に応じて澱粉類又は他の成分を含有する該A層及びB層の原料粉のそれぞれに、常法に従って加水し、混捏することにより、A層用生地及びB層用生地を作製する。一実施形態において、該A層の原料粉への加水量は、該原料粉100質量部あたり30~60質量部であり、一方、該B層の原料粉への加水量は、該原料粉100質量部あたり25~55質量部である。このとき、本発明においては、該A層用生地の水分含量が該B層用生地の水分含量よりも高くなるように、該A層及びB層の原料粉への加水量を調整することが好ましい。好ましくは、該A層用生地の水分含量は、該B層用生地の水分含量よりも1質量%多い。また好ましくは、該A層用生地の水分含量は、該B層用生地の水分含量よりも原料粉100質量部あたりの水分量として1質量部以上多い。
次いで、得られたA層用生地及びB層用生地をそれぞれ圧延して、A層用麺帯及びB層用麺帯を得る。該B層用麺帯を該A層用麺帯で両側から挟み込んで、2つのA層用麺帯の間にB層用麺帯が配置された積層構造を有する多層麺帯を作製する。該多層麺帯を圧延し、切断することにより、2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する多層麺類の麺線を製造することができる。麺帯の圧延と切断の手段としては、公知の方法を使用することができる。例えば、ロールにより麺帯を圧延し、次いで圧延した麺帯を包丁や切り刃により切出して麺線を製造すればよい。麺帯の圧延と切断には、市販の製麺機を使用することができる。好ましくは、該A層用麺帯の水分含量は、該B層用麺帯の水分含量よりも高く、よって得られた麺線のA層の水分含量は、B層の水分含量よりも高い。好ましくは、該A層の水分含量は、該B層の水分含量よりも1質量%多い。また好ましくは、該A層の水分含量は、該B層の水分含量よりも原料粉100質量部あたりの水分量として1質量部以上多い。
該多層麺類における2つのA層とB層との厚さの比は、好ましくは、A層:B層:A層=1~16:8:1~16、より好ましくは、A層:B層:A層=1~6:3:1~6、さらに好ましくはA層:B層:A層=1:0.5~3:1、又は1~4:2:1~4である。2つのA層の厚みは、互いに異なっていてもよいが、同程度であることが好ましい。該多層麺類におけるA層とB層の厚さの比は、該麺類の製造工程においてA層用麺帯とB層用麺帯の厚さの比を変更することによって、調整することができる。例えば、A層用麺帯と該B層用麺帯との厚さの比を、好ましくは、A層:B層:A層=1~16:8:1~16、より好ましくは、A層:B層:A層=1~6:3:1~6、さらに好ましくはA層:B層:A層=1:0.5~3:1、又は1~4:2:1~4に調整する。各麺帯の厚みは、それぞれ1~15mmが好ましい。これらを積層し、圧延し、切断することによって、同じA層とB層の厚さ比を有する多層麺類の麺線を製造することができる。
本発明で製造される多層麺類の麺線は、厚みが幅よりも長いという特徴を有する。本明細書における麺線の厚みと幅の定義は、一般的な麺線の厚みと幅の定義と同じである。すなわち、本発明で製造される多層麺類の麺線の厚み(麺厚)とは、該麺線におけるA層とB層の積層方向の長さをいい、典型的には、麺帯から切出された麺線の切断面の短軸方向の長さに相当する。また、本発明で製造される多層麺類の麺線の幅(麺幅)とは、該麺線のA層面の短軸方向の長さをいい、典型的には、麺帯の圧延面であった面の短軸方向の長さに相当する。例えば麺幅は、麺帯を切り出す切り刃のサイズによって決定される。
本発明で製造される多層麺類の麺線における麺厚と麺幅の比(厚/幅比)は、1.2以上であり、好ましくは1.2~1.6、より好ましくは1.2~1.5である。該麺線の麺厚と麺幅は、厚/幅比が上記の範囲である限りにおいて、該麺線の製造する麺の種類等に応じて適宜調整することができる。好ましくは、該麺線は、麺厚が1~5mmであり、麺幅は、麺厚に合わせて、上記の厚/幅比を達成するように調整される。
本発明の多層麺類は、2つのA層の間にB層を含む三層以上の積層構造を有していればよい。一例において、該多層麺類は、2つのA層と、その間のB層からなる三層麺である。別の例において、該多層麺類は、該A層の一方もしくは両方の外側や、該A層とB層の間にさらに別の層を有する、四層又は五層以上の麺である。好ましくは、該多層麺類は三層麺である。該多層麺類が四層以上の構造を有する場合、上述した多層麺類の製造工程において、別の層用の麺帯を作成し、それを該A層用麺帯の上、又は該A層用麺帯と該B層用麺帯の間に重ねて、多層麺帯を作製する。該多層麺帯を圧延し、製麺することにより、内側にB層、その外側にA層及び別の層を有する多層麺類を製造することができる。
以上の手順により、本発明の多層麺類の生麺を製造することができる。製造した多層麺類は、生麺、半乾燥麺、乾麺、茹麺や蒸麺等のα化麺、冷凍麺、即席麺などの形態にして保存、流通、販売することができる。一実施形態において、本発明の多層麺類は、生麺のまま提供される。別の一実施形態において、本発明の多層麺類は、蒸し、茹でなど加熱調理された状態で提供される。別の一実施形態において、本発明の多層麺類は、加熱調理された後、冷蔵又は冷蔵保存され、冷蔵又は冷蔵調理済み麺類として提供される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(材料)
準強力粉:蛋白質含量11.2質量%、水分含量14.5質量%
中力粉:蛋白質含量8.7質量%、水分含量14.5質量%
澱粉(アセチル化タピオカ澱粉;A700、Jオイルミルズ):水分含量13.8質量%
グルテン(AグルG、グリコ栄養食品):蛋白含量71.8質量%、水分含量6.1質量%
試験1 中華麺
1)単層麺の製造
表1に示す組成で原料粉にかんすい及び水からなる練水を加え、減圧(-0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。該生地を、製麺ロールを用いて圧延して麺帯を作製し、切り刃(♯18角又は#14角)で切出して、表1に示す厚さ及び幅の麺線を製造した。
2)多層麺の製造
A層:表1~2に示す組成で原料粉にかんすい及び水からなる練水を加え、減圧(-0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ8、7及び5mmのA層用麺帯をそれぞれ得た。
B層:表1~2に示す組成で原料粉にかんすい及び水からなる練水を加え、減圧(-0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ4、7及び10mmのB層用麺帯をそれぞれ得た。
2枚のA層用麺帯の間にB層用麺帯を配置して積層し、圧延して三層麺帯とした後、切り刃(♯18角又は#14角)で切出して、表1~2に示す厚さ及び幅の麺線を製造した。A層/B層/A層の厚さ比は表1~2のとおりとした。
3)評価
得られた中華麺を茹で歩留(対麺)が170%となるように茹でた。得られた茹で中華麺200gを容器に充填し、24時間冷蔵(4℃)保存した。保存後の麺に冷やし中華用のつゆを100gかけ、つゆののり、及び食感を10名の専門パネラーにより下記評価基準で官能評価し、その平均点を求めた。
<評価基準>
(つゆのり)
5点:対照より優れる
4点:対照よりやや優れる
3点:対照と同等である
2点:対照よりやや劣る
1点:対照より劣る
(食感;粘弾性)
5点:対照より優れる
4点:対照よりやや優れる
3点:対照と同等である
2点:対照よりやや劣る
1点:対照より劣る
(食感;滑らかさ)
5点:対照より優れる
4点:対照よりやや優れる
3点:対照と同等である
2点:対照よりやや劣る
1点:対照より劣る
結果を表1~2に示す。表中に示すA層とB層の蛋白質含量は、原料粉に用いたものと同じ小麦粉及びグルテンの蛋白質含量をケルダール法により測定した値から換算した、小麦由来蛋白質の含量を表す。
表1に示すとおり、つゆのりは、単層麺と比べて多層麺でより良好になる傾向であった。また表1に示すとおり、単層麺では、厚みが幅よりも長くなる(厚/幅比が増加する)ほど麺の食感が低下したが、多層麺では、厚/幅比が1.2を超えても対照と同等以上の食感が維持されていた。一方で、多層麺のB層の蛋白質含量がA層より少ない場合には食感の粘弾性が向上しなかった。
Figure 0007085078000001
Figure 0007085078000002
試験2 うどん
1)単層麺の製造
表3に示す組成で原料粉に食塩及び水からなる練水を加え、減圧(-0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。該生地を、製麺ロールを用いて圧延して麺帯を作製し、切り刃(♯10角又は#8角)で切出して、表3に示す厚さ及び幅の麺線を製造した。
2)多層麺の製造
A層:表3に示す組成で原料粉に食塩及び水からなる練水を加え、減圧(-0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmのA層用麺帯を得た。
B層:表4に示す組成で原料粉に食塩及び水からなる練水を加え、減圧(-0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmのB層用麺帯を得た。
2枚のA層用麺帯の間にB層用麺帯を配置して積層し、圧延して三層麺帯とした後、切り刃(♯10角又は#8角)で切出して、表3に示す厚さ及び幅の麺線を製造した。A層/B層/A層の厚さ比は表3のとおりとした。
3)評価
得られたうどんを茹で歩留(対麺)が170%となるように茹でた。得られた茹でうどん200gを容器に充填し、24時間冷蔵(4℃)保存した。保存後の麺にめんつゆを100gかけ、つゆののり、及び食感を10名の専門パネラーにより、試験1と同じ評価基準で官能評価し、その平均点を求めた。結果を表3に示す。表中に示すA層とB層の蛋白質含量は、試験1と同様の方法で測定した小麦由来蛋白質の含量を表す。
Figure 0007085078000003

Claims (8)

  1. 多層麺類であって、
    2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する麺線であり、
    該B層の原料粉における小麦由来蛋白質の含量は、該A層の原料粉における小麦由来蛋白質の含量よりも多く、
    該A層の原料粉は澱粉類を含有し、
    該麺線の厚みは幅に対して1.2~1.6倍である、
    多層麺類。
  2. 前記A層の水分含量が前記B層の水分含量よりも高い、請求項1記載の多層麺類。
  3. 前記A層と前記B層との厚みの比が、A層/B層/A層=1~16:8:1~16である、請求項1又は2記載の多層麺類。
  4. 前記A層及びB層の原料粉が小麦粉を含有する、請求項1~3のいずれか1項記載の多層麺類。
  5. 多層麺類の製造方法であって、
    2つのA層用麺帯の間にB層用麺帯が配置された積層構造を有する多層麺帯を作製すること、及び、該多層麺帯を圧延及び切断して麺線を製造することを含み、
    該B層用麺帯の原料粉における小麦由来蛋白質の含量は、該A層用麺帯の原料粉における小麦由来蛋白質の含量よりも多く、
    該A層の原料粉は澱粉類を含有し、
    該麺線の厚みは幅に対して1.2~1.6倍である、
    方法。
  6. 前記A層用麺帯の水分含量が前記B層用麺帯の水分含量よりも高い、請求項5記載の方法。
  7. 前記A層用麺帯と前記B層用麺帯との厚みの比が、A層用麺帯/B層用麺帯/A層用麺帯=1~16:8:1~16である、請求項5又は6記載の方法。
  8. 前記A層用麺帯及びB層用麺帯の原料粉が小麦粉を含有する、請求項5~7のいずれか1項記載の方法。
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