JPH0956350A - 保存性の高い生麺類及びその製造方法 - Google Patents

保存性の高い生麺類及びその製造方法

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JPH0956350A
JPH0956350A JP7213672A JP21367295A JPH0956350A JP H0956350 A JPH0956350 A JP H0956350A JP 7213672 A JP7213672 A JP 7213672A JP 21367295 A JP21367295 A JP 21367295A JP H0956350 A JPH0956350 A JP H0956350A
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noodles
noodle
pectin
raw noodles
starch
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JP7213672A
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English (en)
Inventor
Akira Fujiwara
昌 藤原
Hiroyuki Asano
宏行 浅野
Hiroto Tanigawa
弘人 谷川
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MIYOUJIYOU SHOKUHIN KK
Original Assignee
MIYOUJIYOU SHOKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生麺について、(1)適度なつるみと粘りが
あり、口当たりが良く、(2)適度の弾力性やこしの強
さがあり、(3)調理時の湯戻り性が良好で、(4)厳
格なPH調整を必要とせず、(5)酸処理を施しても増
粘剤が溶出する割合が少なく、(6)製造上、カンスイ
の使用量を減少させる、(7)常温での流通保管も可能
な生麺類及びその製造方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 小麦粉と澱粉を主成分とし、酸処理を施
した生麺類において、増粘剤としてペクチンを添加した
ことを特徴とする保存性の高い生麺類である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存性の高い生麺
類及びその製造方法に関し、特に長期保存性に優れてい
るばかりでなく、麺にこしがあって、口当たりがよく、
いわゆる食感に優れた生麺類及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、麺類において、消費者の間で簡便
な造作により、本格的な味覚を堪能する傾向が年々高ま
っている。すなわち、簡便性の点では、麺の長期保存性
に優れていて、かつ例えば麺をカップ容器に収納し、熱
湯をそそぐだけで数分間の後には喫食が可能となるもの
が求められており、一方、味覚の点では、生タイプのう
どんや、中華麺等の生麺と同じく、いわゆる麺にこしが
あって、粘りや弾力性に優れており、さらには、麺につ
るみがあって、舌ざわりに優れたものが求められてい
る。
【0003】そこで、特開平4−252149号公報に
は、可食性酸類で処理してなる三層の包装茹麺であっ
て、外層が小麦粉および澱粉を含有する麺帯であり、内
層が小麦粉、澱粉類および加熱凝固性タンパク質を含有
する麺帯である包装茹麺が提案されている。
【0004】しかしながら、弾力性等の調整剤としての
加熱凝固性タンパク質は、例えば卵白、全卵、ラクトア
ルブミンやあるいは小麦タンパク質等であるが、単独で
臭気が強く、麺に入れた場合に味覚を調整することが困
難であり、また経日変化を生じ、麺がもろくなって、麺
の長期保存性に劣るという問題が見られた。
【0005】さらに、加熱凝固性タンパク質は、その必
要添加量が多く、内層の場合において、小麦粉に対し
て、1〜20%(w/w)の範囲の添加量が必要とされ
た。従って、コストが高くなったり、小麦粉等への混合
が長時間必要となったり、あるいは加熱凝固性タンパク
質がブリードして、表面ににじみ出てくる等の問題も見
られた。
【0006】また、特開平4−252147号公報に
は、保存性包装蒸煮麺の品質改良法であって、麺成分と
して小麦粉、澱粉類および炭酸アルカリ金属塩を含有
し、そして蒸煮工程以降で有機酸処理することにより炭
酸ガスを発生させた後、加熱処理する包装蒸煮麺の製造
方法が提案されている。
【0007】しかしながら、炭酸アルカリ金属塩は、い
わゆるかんすい等に含まれており、有機酸と反応して炭
酸ガスを発生するものの、均一に反応せず、炭酸アルカ
リ金属塩や有機酸が残留物として残り、麺の保管中に澱
粉の老化やタンパクの変質により、麺のつるみや粘り、
あるいはこしが失われやすいという問題が見られた。
【0008】さらに、アルカリ成分である炭酸アルカリ
金属塩が存在するため、かんすい焼けを起こしたりある
いは、有機酸の処理量が多くなったり、有機酸処理の不
十分な箇所が生じやすくなったりして、包装麺の保存性
が低下するというおそれもあった。
【0009】また、特開平5−15331号公報、特開
平5−91845号公報、特開平6−209730号公
報、特開平6−209731号公報、特開平6−217
722号公報、特開平7−8194号公報には、単層ま
たは三層の生麺等の製造方法であって、麺成分として小
麦粉、澱粉類、アルカリ剤およびアルギン酸やアルギン
酸塩等を含有し、そして酸液処理、加熱処理することに
より保存性に優れ、またこしが強い等の特性を有する包
装麺を得る方法が提案されている。
【0010】しかしながら、アルギン酸やアルギン酸塩
等は、厳格なpH調整が必須であり、麺生地をアルカリ
性または中性にして添加する必要があり、pH調整のば
らつきにより、麺のこしが弱くなったり、強すぎたりあ
るいは、酸処理が不十分となり、包装麺の保存性が低下
するというおそれがあった。また、水性のアルギン酸塩
が酸性領域では、水に不溶性のアルギン酸と塩に分解す
ることを利用したものであるが、pH調整のみならず、
必ずしも不可逆的にアルギン酸塩への反応やアルギン酸
と塩とへの分解反応が起こらず、しかも反応が遅いとい
う問題があり、一部のアルギン酸は麺外へ流出したり、
あるいは再現性のある麺が得られにくいという問題も見
られた。
【0011】さらに、麺のスープ等がアルカリ性の場
合、再びアルギン酸と塩がアルギン酸塩となり、スープ
中に流出し、麺がのびやすくなったり、あるいは、アル
ギン酸やアルギン酸塩等を添加した麺は単層麺では、弾
力性と滑らかさや粘り等の両面を有する麺が得られず、
三層麺にしなければ困難であるという問題も見られた
(特開平7−8194号公報参照)。
【0012】さらにまた、従来から小麦粉や澱粉類を主
成分とした麺類に、グアーガム、カラギーナン、寒天、
アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム等の増粘剤
を、添加することは知られているが、長期保存性を得る
ために酸処理を施す麺においては、かかる増粘剤の効果
が弱まり、それに続く加熱殺菌処理でさらに効果が弱ま
る傾向が見られた。
【0013】その他、通常、中華麺の製造に際しては、
中華麺特有のこしを発現させるためにカンスイを多く用
いるが、かかる保存性の高い生麺類を製造する場合に
は、いわゆるカンスイ焼けを起こしたり、麺がブツブツ
切れやすくなる等、麺質上の重大な問題が生じやすかっ
た。また、カンスイはアルカリ性であるため、保存性等
の観点で最終の酸処理の段階で必要とされるpH領域ま
で、麺のpHを低下しずらいという問題も見られた。よ
って、カンスイをあまり多く用いることなく、中華麺特
有のこしを発現させる方法が強く求められていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
に鑑みなされたものであり、麺について、(1)適度な
つるみと粘りがあり、口当たりが良く、(2)適度の弾
力性やこしの強さがあり、(3)調理時の湯戻り性が良
好で、(4)厳格なPH調整を必要とせず、(5)酸処
理を施しても増粘剤が溶出する割合が少なく、(6)製
造上、カンスイの使用量を減少させる、(7)常温での
流通保管も可能な生麺類及びその製造方法を提供しよう
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、小麦粉と澱粉
を主成分とし、酸処理を施した生麺類において、増粘剤
としてペクチンを添加した構成の保存性の高い生麺類で
ある。以下、本発明を構成要件等に分けて詳細に説明す
る。
【0016】(主成分)本発明に用いられる麺の主成分
としては、小麦粉と澱粉が挙げられる。ここで、小麦粉
は、小麦から得られた中力粉、準強力粉、強力粉のみな
らず、大麦、ライ麦、はと麦、そば等から作られた穀粉
も含む広い概念である。また、澱粉としては、馬鈴薯、
緑豆、甘蔗、タピオカ、サゴ、トウモロコシ、米及びこ
れらをアルファー化、酸化、エステル化、エーテル化あ
るいは架橋等した加工澱粉が好適に使用可能である。
【0017】なお、本発明における、主成分としての小
麦粉と澱粉は、それぞれ単独で使用することも、あるい
は併用することも可能であり、また小麦粉と澱粉を併用
する場合の、混合比率も特に限定するものではなく、生
麺の用途に応じて定めることが好適である。
【0018】(増粘剤)本発明は、増粘剤としてペクチ
ンを使用することを必須としている。すなわち、ペクチ
ンは、アルカリ、中性域で水溶性で(通常水に対して4
〜12%濃度で溶解可能)、小麦粉や澱粉との分散性が
良好であり、また、2.0〜6.9の幅広い酸性域にお
いて架橋し、優れた増粘剤としての効果を発揮し、安定
して、麺に適度の弾力性やこしの強さを容易に付与する
ことが可能となるためである。
【0019】ここで、ペクチンとは、メチルエステル化
されたガラクツロン酸の重合物を含む酸性多糖類と定義
される。具体的には、ガラクツロン酸とガラクツロン酸
メチルエステルまたはガラクツロン酸、ガラクツロン酸
メチルエステルおよびガラクツロン酸アミドの複合物で
ある。
【0020】また、メタノールによりメチルエステル化
されたガラクツロン酸の割合(%)を、エステル化度ま
たはメトキシル化度といい、エステル化度50%以上の
高メトキシル(HM)ペクチンと、エステル化度50%
未満の低メトキシル(LM)ペクチンとに大別される
が、どちらも本発明に好適に使用可能である。
【0021】但し、LMペクチンのほうが、HMペクチ
ンよりもエステル結合やグリコキシル結合が強固であ
り、できたゲルの強度が安定しており、さらには、カル
シウムイオン等の存在で架橋反応の迅速化が図れる点
で、より本発明には好適である。
【0022】さらに、LMペクチンの製造の際、アンモ
ニアを用いて脱メトキシ化すると、化1に示されるよう
に、ペクチンのアミド化合物が一部生じる。かかるペク
チンは、アミド化LMペクチンと呼ばれ、小麦粉や澱粉
との分散性が良好で、できた麺の保湿性が高くなり、さ
らには、つるみと粘りが現出しやすい点で本発明に最適
である。
【0023】次に、ペクチンの添加量について説明す
る。ペクチンの添加量について、麺の用途等に応じて定
めればよく、本発明において特に制限されるものではな
いが、好適には、主成分の小麦粉と澱粉100重量部に
対して、0.01〜10.0重量部の範囲が好適であ
る。ペクチンの添加量が、0.01重量部未満では、増
粘効果等に乏しくなるおそれがあり、一方、10.0重
量部を越えると、麺が硬くなりすぎて、歯切れが良くな
りすぎるおそれが生じるためである。また、さらに好適
なペクチンの添加量は、かかるバランスが良好な観点か
ら、0.1〜5.0重量部の範囲であり、最適には、
0.2〜2.0重量部の範囲である。
【0024】その他、ペクチンの分子量についても特に
限定されるものではないが、水溶性や増粘効果等を考慮
すると、平均分子量で、30,000〜180,000
の範囲が好適である。平均分子量で、30,000未満
となると、増粘効果に乏しく、できたゲルの安定性に欠
けるおそれが生じるためであり、また平均分子量が、1
80,000を越えると、水溶性に乏しくなり、ままこ
ができやすい等のおそれが生じるためである。
【0025】次に、本発明における、ペクチンと他の増
粘剤との併用について説明する。すなわち、本発明にお
いて、ペクチンとともに他の増粘剤を併用することが好
適であり、それは、麺についての増粘効果、安定性、分
散性等を向上させたり、あるいはペクチン単独よりも麺
につるみや粘りをより付与して、口当たりの更に優れた
麺を提供するためである。
【0026】具体的な他の増粘剤としては、海藻抽出物
である、寒天、カラギーナン、ファーセレラン、アルギ
ン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステル、植物
種子粘質物である、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、タマリンド種子多糖類、タラガム、植物樹液粘質物
である、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、
植物果実粘質物である、アラビノガラクタン、微生物産
生粘質物である、キサンタンガム、スクレロガム、プル
ラン、デキストラン、セルロース誘導体として、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、澱粉誘導体
として、澱粉リン酸エステル、澱粉グリコール酸ナトリ
ウム等が好適に使用可能である。
【0027】また、これらの他の増粘剤のうち、特に、
増粘効果や安全性が高い上に、水溶性が高く、分散性等
が良好な観点から、増粘多糖類の併用が好適である。
【0028】さらにまた、本発明において、増粘多糖類
のうちでも、タラガム、キサンタンガム及びローカスト
ビーンガムの少なくとも1つをペクチンと併用するのが
より好適である。タラガム、キサンタンガム及びローカ
ストビーンガムは、増粘多糖類の一つであって、これら
は増粘多糖類の特性を保持しつつ、さらに酸性雰囲気に
おいて分子的に比較的安定であり、麺に保存安定性付与
のために酸処理等を施した場合にも、麺質改良上の効果
が保持できるという特徴を有するためであり、また耐熱
性が高く、加熱殺菌処理後においても、優れた麺質改良
特性を保持できるためである。
【0029】すなわち、より具体的には、本発明におい
て、ペクチンとタラガムを併用した場合には、増粘効果
が高まり、その他、保湿性や氷結晶防止性も向上する点
で好適である。
【0030】また、ペクチンとキサンタンガムを併用し
た場合には、増粘効果が高まり、その他、乳化安定性、
皮膜性、保湿性や氷結晶防止性も向上する点で好適であ
る。
【0031】さらに、ペクチンとローカストビーンガム
を併用した場合には、増粘効果が高まり、その他、結着
性、分散性、保湿性や氷結晶防止性も向上する点で好適
である。
【0032】その他、キサンタンガムとローカストビー
ンガムの両者をペクチンと併用すると、増粘効果におい
て相乗効果が得られ、それぞれの増粘剤が少量であって
も優れた増粘効果が得られる点で好適である。
【0033】なお、ペクチン、タラガム、キサンタンガ
ム及びローカストビーンガムをすべて併用することも本
発明において可能であり、増粘剤全体を100重量%と
して、ペクチンが、10〜70重量%、タラガムが10
〜40重量%、キサンタンガムが5〜20重量%、及び
ローカストビーンガムが5〜20重量%の範囲に添加し
たものが最適である。かかる重量範囲で用いると、それ
ぞれの増粘剤が、主成分の小麦粉等に対して相溶性に優
れ、またそれぞれの増粘剤が相俟って、他の増粘剤単独
では得られない、酸性雰囲気においても、また加熱殺菌
処理後も、優れた麺の増粘効果、あるいは優れた麺の弾
力性、口当たり性等が得られ、その他、乳化安定性、皮
膜性、保湿性や氷結晶防止性も向上するるためである。
【0034】ここで、ペクチンと他の増粘剤とを併用し
た場合のそれぞれの添加量の関係について説明する。す
なわち、本発明において、すべての増粘剤中、ペクチン
の添加量としては、麺の用途等を考慮して決めればよ
く、特に限定されるものではないが、好適には10〜7
0重量%の範囲である。ペクチンの添加量が、増粘剤
中、10重量%未満となると、一般に酸処理における増
粘効果等に乏しくなり、麺の弾力性が低下するおそれが
生じ、また一方で、70重量%を越えると、他の増粘剤
の相対量が減少して、添加効果に乏しくなったり、ある
いは麺の歯切れや口あたりが悪くなるおそれが生じるた
めである。
【0035】また、ペクチン以外の他の増粘剤の添加量
についても、ペクチンの添加量から逆算した範囲が好適
であり、上述の理由により、具体的には、他の増粘剤の
添加量は増粘剤中、30〜90重量%の範囲が好適であ
る。
【0036】(単層麺と複合麺)本発明において、麺の
形態は、用途により定められるが、単層麺でもあるい
は、二層、あるいは三層以上の複合麺であっても好適に
使用可能である。例えば、単層麺の場合には、製造がよ
り容易で、製品のばらつき等が少なく、比較的安価であ
るという点で好適である。
【0037】また、二層、あるいは三層以上の複合麺の
場合には、層ごとに、例えば内層と外層とで異なる麺の
成分組成とすることが可能となり、麺全体としては、適
当なこしや弾力性を有し、しかも口当たりのよい麺が、
バリエーションを持たせて、より容易に得られるという
点で好適である。
【0038】すなわち、複合麺にした場合には、内層等
にのみ、あるいは内層等に外層等よりも多く増粘剤等を
使用することにより、周囲が保存性向上のための酸処理
における酸性雰囲気下やあるいは調理用スープに麺が浸
っている状態のアルカリ性雰囲気下においても、麺内部
への酸液やアルカリ液の浸透を防止または遅らせること
が物理的に可能となり、結果として増粘剤の分子的安定
性をより増加させることが可能となる点で好適である。
【0039】ここで、単層麺の場合には、上述した主成
分およびペクチン等の増粘剤並びに一般的なアルカリ
剤、食塩等を加えて作成するのが好適である。また、複
合麺、特に三層麺の場合には、上述の保存性の高い生麺
類を内層とし、かつ小麦粉と澱粉を主成分とした外層の
間に積層されている構成としたものが好適であり、すな
わち、上述した主成分およびペクチン等の増粘剤以外に
一般的なアルカリ剤、食塩等を加えて内層を作成し、外
層には、小麦粉、澱粉を主成分として、さらにセルロー
スおよび油脂を添加したものが好適である。
【0040】主に内層により、麺の弾力性やモチモチし
た粘り等を現出させ、適度な歯ごたえを有する麺とする
ためであり、また外層は、主に麺のつるみや口当たりの
良い弾力性を現出させる働きがあるためであって、さら
に麺を湯戻しした際の麺の絡み合いを防止し、容易に、
短時間でほぐれるようにするためでもある。
【0041】但し、本発明によれば、酸性雰囲気下で
も、アルカリ性雰囲気下でも安定した増粘剤の効果を維
持できるため、外層にのみ、特定の増粘剤を添加した複
合麺でも、あるいは、外層に内層よりも、より多くの特
定の増粘剤を添加した麺でも、どちらも作成可能であ
り、多様な味覚が求められる現代においては、かかる構
成により麺のバリエーションが増加する点で好適であ
る。
【0042】ここで、複合麺、特に三層麺の場合の外層
に添加するセルロースについて説明すると、セルロース
を外層に添加する目的は、麺の外層につるみや口当たり
の良い適度な弾力性を現出させるためである。
【0043】また、好適なセルロースの種類としては、
天然物でも人工物でも良いが、具体的にカルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース及びこれらの誘導体等
が該当する。さらに、セルロースは結晶性でも非結晶性
でも良いが、特に、結晶セルロースは、分子内に結晶部
分を有し、機械的強度や耐クリープ性に優れ、比較的少
量で、麺の外層に適度なつるみや口あたりのよい弾力性
等を現出させる働きがより高い点で最適である。
【0044】また、セルロースの添加量としては、外層
中、0.5〜5.0重量%の範囲が好適である。0.5
重量%未満では添加効果に乏しくなり、一方、5.0重
量%を越えると、歯ごたえが強すぎるおそれが生じるた
めである。なお、かかるバランスをより考慮すると、セ
ルロースの添加量としては、1.0〜2.0重量%の範
囲が最適である。
【0045】次に油脂について説明すると、植物油、動
物油とも本発明に使用可能であり、具体的には、植物油
としては、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、パー
ム油等が使用可能であり、動物油としては、牛脂、豚脂
等が好適である。また、植物油および動物油に水素添加
した硬化油も、耐酸化性が良好な点で本発明に好適であ
る。
【0046】さらに、油脂の添加量としては、外層中、
0.5〜2.0重量%の範囲が好適である。添加量が
0.5重量%未満では添加効果に乏しくなり、結果とし
て麺のほぐれ性が不十分になるおそれがあり、一方、添
加量が2.0重量%を越えると、麺帯のつながりが悪く
なったり、あるいは耐酸化性が低下するおそれが生じる
ためである。
【0047】次に内層または外層に必要により添加する
アルカリ剤について説明する。すなわち、アルカリ剤
は、小麦粉等を混練してグルテンを形成し、麺に弾力性
を付与するために好適に添加されるが、具体的なアルカ
リ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、
リン酸カリウム、ポリリン酸塩、縮合リン酸塩等の1種
または2種以上が好適である。
【0048】また、アルカリ剤の添加量は、麺生地が中
性ないし弱アルカリ性になるように決められるが、具体
的には、pHで6.5〜9.0となるように添加するの
が好適である。pHが、6.5未満では、弾力性の付与
が不十分となるおそれがあり、一方、pHが、9.0を
越えると、後工程の酸処理において、酸処理が不十分と
なり、結果として保存性が不十分となるおそれがあるた
めである。
【0049】(製造方法)本発明は、上述の麺の製造方
法も提供するものである。すなわち、本発明の方法を、
三層麺の製造方法において説明すると、以下の工程を含
むことを特徴とする製造方法である。
【0050】(1)小麦粉、澱粉及び増粘剤としてのペ
クチンを混練して、内層用の麺生地を調整する工程。
【0051】すなわち、混練機により、所定量の小麦
粉、澱粉及び増粘剤としてのペクチンを混合し、そして
必要に応じて、アルカリ剤、食塩等を添加し、さらに水
を加えて混練して、内層用の麺生地を調整する工程であ
る。なお、その混練の際、700mmHg以下の減圧環
境にて行うと、モチモチした粘りのある弾力性の付与が
容易になり、増粘剤の効果を高めることができ好適であ
る。
【0052】(2)小麦粉、澱粉及びセルロース類を混
練して、外層用の麺生地を調整する工程。
【0053】すなわち、混練機により、所定量の小麦
粉、澱粉及びセルロース類を混合し、そして必要に応じ
て、油脂、アルカリ剤、食塩等を添加し、さらに水を加
えて混練して、外層用の麺生地を調整する工程である。
なお、内層と同様に、混練の際、700mmHg以下の
減圧環境にて行うと、つるみや口当たりのよい適度な弾
力性の付与が容易になり、増粘剤の効果を高めることが
でき好適である。
【0054】(3)それぞれの麺生地を圧延機を用いて
内層用と外層用の麺帯とする工程。
【0055】すなわち、圧延機により、上述の調整され
た内層用、外層用生地から、麺帯とする工程である。な
お、麺生地を麺帯とする際に、真空押し出しすると、モ
チモチした粘りのある弾力性の付与が容易になり、増粘
剤の効果を高めることができ好適である。
【0056】(4)外層用の麺帯の間に、内層用の麺帯
を挟んで複合圧延する工程。
【0057】すなわち、圧延機により、上述の内層用と
外層用の麺帯から、所定の麺厚比により麺帯を積層し、
三層の麺帯とする工程である。
【0058】ここで、所定の麺厚比は、特に制限される
ものではないが、好適には内層用と外層用の麺帯の圧延
比において1:3〜3:1の範囲となるようにすること
である。かかる圧延比において、1:3より内層側が少
ない場合には、弾力性や歯ごたえを高める効果が弱くな
るおそれがあり、一方、3:1より外層側が少ない場合
には、麺のつるみやしなやかさが現出しずらくなるため
である。
【0059】(5)複合圧延された生麺を、アルファ化
処理する工程。
【0060】すなわち、茹で、蒸煮等により、生麺を、
アルファ化処理する工程である。ここで、生麺のアルフ
ァ化処理は、後述する酸処理の前工程として行うことも
できるが、工程数や工程時間の減少がはかれる点で酸処
理と同時に行うことも、好適である。
【0061】(6)アルファ化処理された生麺に、酸液
処理を施す工程。
【0062】すなわち、酢酸、乳酸、クエン酸、フィチ
ン酸、リンゴ酸、アジピン酸、醸造酢、等の可食酸によ
り、生麺を、酸処理して、麺に保存性を付与するととも
に、ペクチンを架橋し、麺に弾力性等を付与する工程で
ある。
【0063】ここで、酸濃度は、ペクチンの架橋、麺の
長期保存性および食味(酸味)の三者の観点から決定す
るのが好適である。従って、前述のとおり、pHが2.
0〜6.9の範囲であれば、ペクチンが架橋可能であり
好適であるが、さらにLMペクチンの場合は、ゲルの安
定性やゲル形成容易性を考慮するとpHが3.0〜6.
9、HMペクチンの場合は、同様の理由でpHが2.0
〜5.0の範囲がより好適である。但し、LMペクチン
は、カルシウムイオンによってもゲル化が可能であり、
従って、カルシウムイオンが存在する場合には、例外的
にpHが7.0を越える場合であっても架橋可能であ
る。すなわち、特に、早いペクチンの架橋を期待する場
合には、pH調整もかねて、酸液中に、塩化カルシウム
等のカルシウム塩を添加することも好適である。
【0064】一方、食味および長期保存性を考慮する
と、pHは、3.0〜5.0の範囲が好適であり、より
食味と長期保存性のバランスを考慮すると、3.8〜
4.5の範囲のpHが最適である。
【0065】すなわち、本発明において、一度の酸処理
によりペクチンの架橋、麺の長期保存性および食味(酸
味)を満足させるためには、pHとしては、3.0〜
5.0の範囲が好適で、最適には、3.8〜4.5の範
囲のpHであり、ペクチンとしても、LMペクチンとH
Mペクチンの両方が好適に使用可能である。
【0066】さらに、本発明において、複数回の酸処理
をする場合には、水洗い等も組み合わせ、上述のペクチ
ンにとってより適当なpHでペクチンのみ先に架橋反応
を施しておき、その後、食味および長期保存性を考慮し
て最終的にpHを、3.0〜5.0の範囲とすることも
好適である。
【0067】なお、酸処理のpH以外の条件も特に限定
されるものではないが、酸水溶液に浸漬、塗布、噴霧等
の方法が好適に使用でき、最終的にpHを、3.0〜
5.0の範囲とするためには、具体的に酸水溶液の浸漬
の場合で、pH2〜3の酸溶液を用いて、10秒〜5分
間程度、アルファ化処理した生麺をつけることが好適で
ある。
【0068】(7)酸液処理された生麺に、加熱殺菌処
理を施し、保存性の高い生麺類を製造する工程。
【0069】すなわち、酸液処理された生麺を、例えば
包装密封等した後、加熱殺菌処理し、さらに長期保存性
を麺に付与する工程である。ここで、包装密封は必要に
応じてなされるが、確実に細菌等を消滅させ、その後の
処理、運搬等も容易になる点で好適な作業である。
【0070】具体的には、耐熱性のポリプロピレン、ナ
イロン/ポリエチレン、ナイロン/ポリプロピレン等の
単独または複合フィルムに生麺を袋詰めして、加熱殺菌
することになる。また、加熱殺菌の方法も特に限定され
るものではないが、例えば、熱水、蒸気、赤外線、マイ
クロ波等の使用が好適である。さらに、加熱条件として
は、酸処理による麺のpHや酸度によって異なるもの
の、好適には、90℃で、25分以上、95℃で、20
分以上、110℃で、10分以上の条件である。
【0071】なお、三層麺の製造方法について説明した
きたが、単層麺の製造方法も、三層麺の製造方法に準じ
て可能であり、例えば、以下の工程を含んでいる方法と
することが好適である。
【0072】(1)小麦粉、澱粉及び増粘剤としてのペ
クチンを混練して、麺生地を調整する工程、(2)当該
麺生地を圧延機を用いて麺帯とする工程、(3)当該生
麺のに麺帯をアルファ化処理する工程(4)当該アルフ
ァ化処理された生麺に、酸液処理を施す工程、(5)お
よび当該酸液処理された生麺に、加熱殺菌処理を施し、
保存性の高い生麺類を製造する工程。
【0073】
【発明の実施の形態】本発明によれば、ペクチンを増粘
剤として含んでおり、幅広く酸性下で、しかも速やかに
架橋するために、生麺の保存性付与のための酸処理によ
り極めて容易に架橋し、ゲルを形成し、増粘剤としての
働きをするようになる。
【0074】従って、従来の増粘剤は、保存性付与のた
めの酸処理により、分子的に分解して流出おそれがあっ
たが、かかる問題がなく、早期から優れた増粘効果が得
られしかも安定して持続することより、ペクチン特有の
適度なつるみと粘りがあり、口当たりが良く、適度の弾
力性やこしの強さを有する麺が得られるものである。
【0075】また、生麺をアルファー化するまでは、ペ
クチンは非ゲルとして存在し、混合が困難となるなどの
問題もなく、一方、生麺の保存性付与のための酸処理後
は、ゲルとして存在し、優れた増粘効果を発揮すること
になるものである。
【0076】さらに、本発明のペクチンの架橋後のゲル
は、化学的に安定であって、非可逆性であり、アルカリ
性等のスープに浸された場合であっても、水溶性に戻る
ことなく、結果として流出して、麺が湯のびすることも
ないのである。
【0077】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。
【0078】(実施例1) A.以下の工程により本発明のうどんを作製した。
【0079】(1)主成分の小麦粉(準強力粉)850
gと澱粉150gに、増粘剤としてLMペクチン2.5
g、タラガム1.3g、キサンタンガム0.6g、ロー
カストビーンガム0.6gを混合し、さらに水380g
に食塩25gを加えた練り水を添加した後、混練機を用
いて、700mmHg以下の真空雰囲気において15分
間混練し、麺生地とした。
【0080】(2)次に、当該麺生地を、圧延機を用い
て、麺厚2.4mmの麺帯とし、#20角刃の切刃にて
麺線とした後、約20cmの長さに切断した。
【0081】(3)次に、当該麺線を、茹で機を用い
て、約20分間茹で、生麺をアルファ化処理した。
【0082】(4)次に、当該アルファ化処理された生
麺を、約20cmの長さに切断した後、酸液(乳酸、5
g/l)に、振動を与えながら60秒間浸漬した。
【0083】(5)次に、当該酸液処理された生麺を、
ナイロン/ポリエチレン袋に封入し、その後、加熱殺菌
処理(97℃、40分間蒸気加熱殺菌)を施し、本発明
の保存性の高い単層の生麺(うどん)とした。
【0084】B.評価 上述のうどんを用いて以下の項目について5名のパネラ
ーにより、5段階評価を行った。また、同時に、うどん
の、ほぐれ性、保存性を以下の基準により評価した。
【0085】(1〜5)コシ、弾力性、つるみ、粘り、
湯のび性 生麺を、約90℃のお湯で戻した時の、麺のコシ等の強
さを、食味したり、あるいは麺の状態を目視にて観察す
ることにより、それぞれの項目ごとに以下のように5段
階で判断した。結果を表1に“初期”として示す。
【0086】5:良 4:やや良 3:普通 2:やや不良 1:不良 (6)ほぐれ性 生麺を、約90℃のお湯で戻した時の、麺のほぐれ易さ
から、以下のように5段階で判断した。結果を表1に
“初期”として示す。
【0087】5:はしを1〜2回入れれば、完全に麺が
ほぐれる。
【0088】4:はしを3〜4回入れれば、完全に麺が
ほぐれる。
【0089】3:はしを5〜9回入れれば、完全に麺が
ほぐれる。
【0090】2:はしを10回以上入れれば、麺がほぐ
れるか、または一部麺がくっついている状態。
【0091】1:はしを入れてかき回しても、麺がくっ
ついており、完全にはほぐれない。
【0092】(7)保存性 袋入りの生麺を、25℃の条件に3か月保管した後、
(1)〜(6)のコシ、弾力性、つるみ、粘り、湯のび
性、ほぐれ性を再度上記基準で評価した。結果を表1に
“保管後”として示す。
【0093】(比較例1) A.実施例1において、ペクチン等の増粘剤を使用しな
い以外は、同様の実験を行った。
【0094】B.評価 実施例1と同様に判断、評価した。結果を表1に示す。
【0095】(実施例2) A.以下の工程により本発明のそばを作製した。
【0096】(1)主成分の小麦粉(強力粉)550g
とそば粉300gおよび澱粉150gに、増粘剤として
LMペクチン2.5g、タラガム1.3g、キサンタン
ガム0.6g、ローカストビーンガム0.6g、さらに
水380gに食塩25gを加えた練り水を添加した後、
混練機を用いて、700mmHg以下の真空雰囲気にお
いて15分間混練し、麺生地とした。
【0097】(2)次に、当該麺生地を、圧延機を用い
て、麺厚1.3mmの麺帯とし、#20角刃の切刃にて
麺線とした後、約20cmの長さに切断した。
【0098】(3)次に、当該麺線を、茹で機を用い
て、約3分間茹で、生麺をアルファ化処理した。
【0099】(4)次に、当該アルファ化処理された生
麺を、酸液(乳酸、10g/l)に、振動を与えながら
60秒間浸漬した。
【0100】(5)次に、当該酸液処理された生麺を、
ナイロン/ポリエチレン袋に封入し、その後、加熱殺菌
処理(97℃、40分間蒸気加熱殺菌)を施し、本発明
の保存性の高い単層のそばとした。
【0101】B.評価 実施例1と同様に判断、評価した。結果を表1に示す。
【0102】(比較例2)A.実施例2において、ペク
チン等の増粘剤を使用しない以外は、同様の実験を行っ
た。
【0103】B.評価 実施例1と同様に判断、評価した。結果を表1に示す。
【0104】(実施例3) A.以下の工程により本発明の中華麺を作成した。
【0105】(1)主成分の小麦粉(強力粉)750g
と澱粉250gに、増粘剤としてLMペクチン5.0
g、タラガム2.5g、キサンタンガム1.3g、ロー
カストビーンガム1.3gを添加し、さらに水350g
に食塩10g、カンスイ2.5g、黄色色素2.0gを
加えた練り水を添加し、混練機を用いて、700mmH
g以下の真空雰囲気において15分間混練し、内層用麺
生地とした後、圧延機を用いて麺厚10mmの麺帯とし
た。
【0106】(2)次に、主成分の小麦粉(強力粉)7
50gと澱粉250gに、結晶セルロース20g、油脂
10g、および食塩10g、カンスイ2.5g、黄色色
素2.0g、水350gを添加し、混練機を用いて、7
00mmHg以下の真空雰囲気において15分間混練
し、外層用麺生地とした後、圧延機を用いて麺厚5.0
mmの麺帯とした。
【0107】(3)次に、当該外層用の麺帯の間に、当
該内層用の麺帯を挟んで圧延機を用いて、外層と内層が
1:1の圧延比となるよう複合圧延した。
【0108】(4)次に、当該麺帯を、#20角刃の切
刃にて麺線とした後、約3分間蒸煮機を用いて、蒸煮
し、その後、約20cmの長さに切断し、アルファ化処
理した生麺とした。
【0109】(5)次に、当該アルファ化処理された生
麺を、酸液(乳酸、8g/l)に、振動を与えながら6
0秒間浸漬した。
【0110】(6)次に、当該酸液処理された生麺を、
ポリエチレン袋に封入し、その後、加熱殺菌処理(90
℃、40分蒸気加熱殺菌処理)を施し、本発明の保存性
の高い三層の生麺(中華麺)とした。
【0111】B.評価 実施例1と同様に判断した。結果を表1に示す。
【0112】(比較例3) A.実施例1のペクチン等のかわりに、アルギン酸を1
0g使用した以外は、同様の実験を行った。
【0113】B.評価 実施例1と同様に判断、評価した。結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
【化1】
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、従来の問題を解決し、
すなわち生麺について、(1)適度なつるみと粘りがあ
り、口当たりが良く、(2)適度の弾力性やこしの強さ
があり、(3)調理時の湯戻り性が良好で、(4)厳格
なPH調整を必要とせず、(5)酸処理を施しても増粘
剤が溶出する割合が少なく、(6)製造上、カンスイの
使用量を減少させる、具体的には、通常のカンスイ使用
量の使用量の1/10〜1/2の量で十分であり、
(7)常温での流通保管も可能な生麺類及びその製造方
法を提供することが可能となった。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉と澱粉を主成分とし、酸処理を施
    した生麺類において、増粘剤としてペクチンを添加した
    ことを特徴とする保存性の高い生麺類。
  2. 【請求項2】 前記ペクチンを、前記小麦粉と澱粉10
    0重量部に対して、0.01〜10.0重量部添加した
    ことを特徴とする請求項1に記載の保存性の高い生麺
    類。
  3. 【請求項3】 前記増粘剤に、ペクチン以外の増粘多糖
    類を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の保
    存性の高い生麺類。
  4. 【請求項4】 前記ペクチン以外の増粘多糖類が、タラ
    ガム、キサンタンガム及びローカストビーンガムから選
    ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項3
    に記載の保存性の高い生麺類。
  5. 【請求項5】 前記増粘剤が、ペクチン、タラガム、キ
    サンタンガム及びローカストビーンガムをすべて含み、
    さらに、増粘剤全体を100重量%とした場合に、ペク
    チンが10〜70重量%、タラガムが10〜40重量
    %、キサンタンガムが5〜20重量%、及びローカスト
    ビーンガムが5〜20重量%であることを特徴とする請
    求項4に記載の保存性の高い生麺類。
  6. 【請求項6】 前記ペクチンが、前記増粘剤中、10〜
    70重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の保存性の高い生麺類。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の保存性の高い生麺類を内層とし、かつ内層が小麦粉と
    澱粉を主成分とした外層の間に積層されていることを特
    徴とする保存性の高い三層の生麺類。
  8. 【請求項8】 前記外層が、セルロース類を0.5〜5
    重量%含むことを特徴とする請求項7に記載の保存性の
    高い三層の生麺類。
  9. 【請求項9】 生麺類の製造方法において、以下の工程
    を含むことを特徴とする保存性の高い三層の生麺類の製
    造方法。 (1)小麦粉、澱粉及び増粘剤としてのペクチンを混練
    して、内層用の麺生地を調整する工程、(2)小麦粉、
    澱粉及びセルロース類を混練して、外層用の麺生地を調
    整する工程、(3)それぞれの麺生地を圧延機を用いて
    内層用と外層用の麺帯とする工程、(4)外層用の麺帯
    の間に、内層用の麺帯を挟んで複合圧延する工程、
    (5)当該複合圧延された生麺に、アルファ化処理する
    工程(6)当該アルファ化処理された生麺に、酸液処理
    を施す工程、(7)および当該酸液処理された生麺に、
    加熱殺菌処理を施し、保存性の高い生麺類を製造する工
    程。
  10. 【請求項10】 前記複合圧延を、内層用と外層用の麺
    帯の圧延比において1:3〜3:1とすることを特徴と
    する請求項9に記載の保存性の高い三層の生麺類の製造
    方法。
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