JP3398482B2 - 麺類の製造方法 - Google Patents

麺類の製造方法

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JP3398482B2 JP19109694A JP19109694A JP3398482B2 JP 3398482 B2 JP3398482 B2 JP 3398482B2 JP 19109694 A JP19109694 A JP 19109694A JP 19109694 A JP19109694 A JP 19109694A JP 3398482 B2 JP3398482 B2 JP 3398482B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱処理後、時間が経
過してもこしの強さが損なわれにくい麺類の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】うどん、中華麺等の麺類の食感は、いわ
ゆるこしが強いものが好ましいとされている。このこし
の強さは、加熱した際の、麺線の中心部から外層部への
水分勾配が大きく関わっているといわれている。例え
ば、茹でた直後の水分量は、うどんの場合、中心部で約
65%、外層部で約75%であり、中華麺は中心部で約40
%、外層部で約65〜75%であって、この水分勾配は連続
している。しかし、いずれの場合も、水分勾配は、茹で
た後、時間の経過とともに小さくなり、こしがなくな
り、いわゆる伸びた状態となってしまう。この水分勾配
は、一度加熱した後は、小さくなり、再加熱しても最初
の加熱後の水分勾配まで戻すことはできない。
【0003】一方、麺類は、専門の飲食店で、自家製麺
したものは、製造後、すぐ加熱処理し、直ちに食するこ
とができるが、大半は、製麺工場で製造され、スーパー
マーケットや小売店等へ配送されるため、製造後、所定
の時間の経過はやむを得ないものとなっている。そのた
め、特に、茹で麺や、保存性を向上させた包装蒸煮麺
(LL麺)として製造されたものは、製造後の時間の経
過に伴う食感の悪化が問題となる。
【0004】この保存性と食感の問題を解決するために
種々の方法が検討されている。例えば、加熱後、すぐ
に凍結させて、冷凍麺として保存する、即席油揚げ
麺、即席乾燥麺として保存する、有機酸等を添加して
麺線のpHを低下させて保存性を向上させる、麺帯
を、澱粉類を含有する外層と、澱粉類と加熱凝固性蛋白
質とを含有する内層とにより三層構造にして、麺線の中
心部と外層部の硬さを変えることにより水分勾配の替わ
りとする(特開平4-252149号)、中間層にカードラン
を配合して多層構造にし、長期間保存してもこしが強い
麺にする(特開平4-210570号)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の冷
凍麺にする方法は、麺を茹でた後、冷凍するまでに所定
時間がかかるため、例えばうどんのような麺線の太い麺
類においては、水分勾配の減少が比較的小さく、適用可
能であるが、例えば中華麺のような麺線の細い麺におい
ては、その時間の経過中に水分勾配が小さくなり、適用
が困難であるという問題があった。
【0006】また、の即席油揚げ麺、即席乾燥麺にす
る方法は、食する際の復元性を速くするために、ガム
類、澱粉類等を添加しているため、加熱しても十分な水
分勾配が得られないという問題があった。
【0007】更に、の麺線のpHを低下させる方法
は、麺帯製造時に有機酸等を添加すると製麺性に悪影響
があるので、茹で工程以後に、含浸等の方法により有機
酸を添加するので、この操作のために水分勾配が小さく
なるという問題があった。
【0008】更にまた、の麺帯を三層構造にする方法
は、中心部と外層部の硬さが段になっており、水分勾配
のように連続的な硬さの変化ではないため、不自然さを
感じ、生麺のようなこしにはならず、また、内層と外層
との二種類の麺帯を製造しなければならないという問題
があった。
【0009】そしてまた、の中間層にカードランを配
合して多層構造にする方法も、上記と同様な問題があ
る他、多層にすると麺を細くすることができず、更にカ
ードランは中間層に分散して含有されているためその効
果を十分発揮できないという問題があった。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、麺線の中心部から外層部への連続的
な硬さ勾配をつくることにより、こしを強くし、加熱処
理後長期間保存してもこしの強さが損なわれにくいよう
にし、かつ、製造が容易な麺類の製造方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の麺類の製造方法は、穀粉を主原料として麺
帯を形成し、この麺帯の少なくとも一方の表面に、動植
物性蛋白質及び/又は増粘多糖類を主成分とする濃度
0.5〜20重量%の溶液を塗布し、この塗布面が内側
になるように前記麺帯を接合させた後、圧延し、切断す
ることを特徴とする。本発明においては、前記動植物性
蛋白質が、卵白、グルテン、乳アルブミン、大豆蛋白
質、カゼインから選ばれた一種又は二種以上であること
が好ましい。また、前記増粘多糖類が、グアガム、キサ
ンタンガム、ローカストビーンガム、寒天、タマリンド
ガム、ジェランガム、ペクチン、カラギーナン、コンニ
ャクマンナン、山芋、水溶性コーンファイバー、アルギ
ン酸、カードランから選ばれた一種又は二種以上である
ことが好ましい。更に、前記溶液が、動植物性蛋白質及
び/又は増粘多糖類を主成分とし、更に、pH調整剤、
抗菌成分、ポリオールから選ばれた一種又は二種以上を
含有するものであることが好ましい。更にまた、前記麺
帯が、小麦粉と、澱粉及び/又は化工澱粉とを含有する
ものであることが好ましい。 更にまた、前記溶液を、麺
帯に対して0.1〜15重量%塗布することが好まし
い。
【0012】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て詳細に説明する。本発明が適用される麺類としては、
例えば、うどん、中華麺、日本そば、焼きそば、皮もの
等の生麺、茹麺、蒸し麺、包装蒸煮麺、冷凍麺、即席油
揚げ麺、即席乾燥麺等が挙げられる。
【0013】本発明において麺帯の主原料となる穀粉と
しては、通常麺類を製造する際に用いるものを用いるこ
とができ、例えば、小麦粉、そば粉等が主に用いられる
が、その他米粉、大麦粉等を用いることもできる。な
お、小麦粉は、製造しようとする麺類の種類に応じて、
強力粉、準強力粉、中力粉等を選択して用いるのが好ま
しい。
【0014】また、麺帯の原料としては、これらの穀粉
の他に、澱粉及び/又は化工澱粉を添加することもでき
る。澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タ
ピオカ澱粉、とうもろこし澱粉、米澱粉、蓮根澱粉、甘
薯澱粉等が用いられ、化工澱粉としては、上記澱粉を、
有機酸のエステル化、リン酸架橋、エーテル化、α化、
加水分解等の方法で処理したものが用いられる。これら
の化工澱粉のうち、馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉の酢酸エ
ステル化物又はエーテル化物が特に好ましく用いられ
る。
【0015】なお、穀粉の他に、上記澱粉類を添加する
場合、その配合量は、穀粉に対して5重量%以上が好ま
しく、5〜30重量%がより好ましい。
【0016】本発明において、麺帯の形成は、常法に従
って行えばよく、例えば上記穀粉、澱粉類等からなる原
料に、食塩水を添加し、混捏して生地を形成し、この生
地を成形、複合して所望厚さの麺帯とすればよい。な
お、中華麺の場合には、食塩とかん粉とを水に溶かした
かん水を用いる。
【0017】本発明において動植物性蛋白質としては、
例えば、卵白、グルテン、乳アルブミン、大豆蛋白質、
カゼイン等が好ましく用いられる。これらの動植物性蛋
白質は、加熱処理したときに、凝固して麺類にこしを付
与する。
【0018】また、増粘多糖類は、水の浸透速度を制御
することにより、あるいはゲル化することにより、麺類
にこしを付与するものであり、グアガム、キサンタンガ
ム、ローカストビーンガム、寒天、タマリンドガム、ジ
ェランガム、ペクチン、カラギーナン、コンニャクマン
ナン、山芋、水溶性コーンファイバー、アルギン酸、カ
ードラン等が好ましく用いられる。
【0019】上記動植物性蛋白質及び/又は増粘多糖類
を主成分とする溶液には、更に必要に応じて、pH調整
剤、抗菌成分、ポリオールから選ばれた一種又は二種以
上を添加することができる。
【0020】pH調整剤としては、例えば、リン酸又は
その重縮合物、フィチン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳
酸、フマール酸、酢酸、アジピン酸、酒石酸、炭酸、グ
ルコン酸、グルコノデルタラクトン、又は、これらのカ
リウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩
類等が好ましく用いられる。
【0021】抗菌成分としては、例えば、ポリリジン、
プロタミン、乳化剤、グリシン、カテキン、フェルラ
酸、リゾチーム、アルコール類等が好ましく使用され
る。
【0022】ポリオール類としては、グリセリン、プロ
ピレングリコール、各種糖類の還元物等が好ましく使用
される。
【0023】動植物性蛋白質及び/又は増粘多糖類を主
成分とし、必要に応じて、pH調整剤、抗菌成分、ポリ
オールから選ばれた一種又は二種以上を含む溶液の濃度
は、0.5〜20重量%とするのが好ましく、5〜20
重量%がより好ましい。また、溶液の塗布量は、麺帯に
対して0.1〜15重量%が好ましく、1〜15重量%
がより好ましい。
【0024】本発明の麺類の製造方法においては、前記
麺帯の少なくとも一方の表面に、動植物性蛋白質及び/
又は増粘多糖類を主成分とする前記溶液を塗布し、この
塗布面が内側になるように麺帯を接合させた後、圧延
し、切断して麺線を得る。
【0025】なお、麺帯に動植物性蛋白質及び/又は増
粘多糖類を主成分とする溶液を塗布し、この塗布麺を内
側にして麺帯を合わせること以外は、通常の製麺工程
(混捏→成形→複合→熟成→圧延→玉取り)と同様に行
うことができる。
【0026】上記溶液を塗布する時期は、成形工程から
玉取り工程までの間のいずれかの工程において行えばよ
いが、複合又は圧延工程で行うのが好ましい。
【0027】また、溶液を塗布する方法は、噴霧式、ロ
ール式、シャワー式、滴下式、刷塗り式等いずれの方法
を採用してもよいが、噴霧式又はロール式により塗布す
るのが好ましい。
【0028】溶液を塗布した後、麺帯を接合させる方法
としては、塗布面が内側になるようにすれば、いずれの
方法でもよく、例えば、二枚の麺帯を重ねる方法、一枚
の麺帯を二つ折りする方法、一枚の麺帯の両端を中央部
に折りたたむ方法、45°ずつスパイラルに折りたたむ方
法等が採用されるが、好ましくは二枚の麺帯を重ねる方
法が採用される。なお、麺帯の接合される面の少なくと
も一方の面に、溶液が塗布されていればよい。
【0029】
【作用】本発明によれば、麺帯の少なくとも一方の表面
に、動植物性蛋白質及び/又は増粘多糖類を主成分とす
濃度0.5〜20重量%の溶液を塗布し、この塗布面
が内側になるように前記麺帯を接合させた後、圧延し、
切断して麺類を製造するので、麺線の中心部から外層部
に向かって、動植物性蛋白質及び/又は増粘多糖類が浸
透して、これらの成分の連続した濃度勾配が生じる。
【0030】そして、動植物性蛋白質及び/又は増粘多
糖類が熱凝固性を有する場合には、麺類を茹でたり、蒸
したりして加熱処理した際に、上記成分が熱凝固して、
濃度勾配に応じた連続した硬さ勾配が生じ、この連続し
た硬さ勾配が、こしの強い食感を与える。また、動植物
性蛋白質及び/又は増粘多糖類が水の浸透速度を制御す
る作用を有する場合には、麺線の外層部の水分が中心部
に移行することが抑制され、麺類のこしが損なわれるこ
とが防止される。
【0031】また、動植物性蛋白質及び/又は増粘多糖
類によってもたらされる上記の作用は、加熱処理後、時
間が経過しても失われることはないので、長時間経過し
てもこしの強さが損なわれにくい。
【0032】更に、本発明の好ましい態様においては、
動植物性蛋白質及び/又は増粘多糖類に、更にpH調整
剤、抗菌成分、ポリオールから選ばれた一種又は二種以
上を添加した溶液を、麺帯に塗布することにより、麺類
にこしを付与するだけでなく、保存性を向上させること
ができる。この場合、麺帯は、既にグルテンの形成が終
了しているので、pH調整剤、抗菌成分、ポリオール等
のグルテンの形成に悪影響を与える物質を添加しても、
麺質への影響を小さくすることができる。
【0033】更にまた、本発明の好ましい態様におい
て、麺帯が、小麦粉と、澱粉及び/又は化工澱粉とを含
有するものである場合には、麺線の外層部と中心部との
硬さの違いがより顕著となって、麺類のこしをより強調
させることができる。
【0034】
【実施例】
実施例1(中華麺の製造) 準強力粉1000gに、かん粉3gと、食塩10gとを、水38
0 gに溶解させたかん水を加え、15分間混捏した後、4
寸ロールで成形し、複合して厚さ6mmの麺帯を得た。
【0035】この麺帯を二分割し、一方の麺帯の片面
に、10重量%の卵白粉水溶液を塗布し、この塗布面に、
他方の麺帯を重ね、複合を行って、厚さ8mmの麺帯を得
た。
【0036】次いで、この麺帯を三分割し、各々、乾燥
しないようにビニール袋に入れ、10分間、30分間、60分
間の室温熟成を行った。
【0037】熟成後、それぞれ3回ずつの圧延を行っ
て、厚さ1.5 mmの麺帯とし、切り歯20番を用いて切り出
して、熟成時間が異なる3種類の中華麺を得た。
【0038】比較例1 実施例1において、卵白粉溶液の代わりに水を塗布し、
麺帯の熟成時間を60分間とした他は、実施例1と同様の
原料、方法により中華麺を得た。
【0039】比較例2 特開平4-252149号公報の実施例1の試料No.4の方法であ
る、以下に示すような方法で、3層構造の中華麺を得
た。
【0040】準強力小麦粉1600gと、ワキシコーンスタ
ーチ400 gをミキサーに入れ、更に水700 g、食塩20g
及びクチナシ色素3gからなる水溶液を加えて15分間混
合した後、圧延、複合、熟成、圧延を行い、厚さ1.5 mm
の麺帯を調製し、これを外層とした。一方、準強力小麦
粉1600gと、ワキシコーンスターチ400 gと、卵白粉末
40g及びグルテン60gをミキサーに入れ、更に水700
g、食塩20g及びクチナシ色素3gからなる水溶液を加
えて15分間混合した後、圧延、複合、熟成、圧延を行
い、厚さ2mmの麺帯を調製し、これを内層とした。
【0041】次に、これらの麺帯を合わせて三層麺帯に
調製した後、順次圧延して、最終的に1.5 mmの厚さと
し、切り歯20番を用いて長さ約30cmの麺線を切り出し
て、3層構造の中華麺を得た。
【0042】試験例1(包装蒸煮中華麺にした場合の食
感の比較) 実施例1、比較例1、比較例2で得られた中華麺各々10
0 gを、沸騰水中で3分間茹で、水洗いした後、2重量
%乳酸水溶液に、30秒間浸漬して、pH3.8 〜4.3 の中
華麺を得た。
【0043】次いで、これらの中華麺を、ポリエチレン
袋にそれぞれ封入した後、95℃の温水槽に浸漬し、麺線
の中心温度85℃以上の条件下で、30分間加熱処理して包
装蒸煮麺を得た。
【0044】これらの包装蒸煮麺を、常温で15日間保存
した後、袋から出して発砲スチロールの容器に入れ、麺
の約2倍量の沸騰水を注ぎ、蓋をして、2分間湯戻りさ
せて、試食用試料とした。
【0045】これらの試食用試料を、5人の経験豊かな
パネラーに試食させ、麺の硬さ、弾力性、滑らかさを評
価させた。
【0046】評価は、準強力粉1000gに、かん粉3g
と、食塩10gとを、水380 gに溶解させたかん水を加
え、常法に従って製造した生中華麺を対照とし、この生
中華麺を3分間茹でたものの食感における硬さを30点、
弾力性を50点、滑らかさを20点として配点し、その食感
から遠ざかるほど5点単位で減点し、採点評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から、包装蒸煮麺にし、常温で
15日間保存したにもかかわらず、実施例1の中華麺は、
生中華麺に近い食感を維持していることがわかる。これ
に対して比較例1、2は、食感の劣化が大きいことがわ
かる。
【0049】実施例2(茹でうどんの製造) 中力粉900 gと、タピオカ澱粉の酢酸エステル化澱粉で
ある「MT−01H」(商品名、日本食品化工株式会社
製)100 gとの混合粉に、食塩60gを、水380gに溶解
させた食塩水を加え、15分間混捏した後、成形、複合、
圧延して、厚さ5mmの麺帯を得た。
【0050】この麺帯を4分割し、1枚の麺帯に、5重
量%カードラン溶液を噴霧し、この噴霧面を内側にし
て、その上にもう1枚別の麺帯を重ね、複合して、厚さ
7mmの麺帯を得た。この麺帯を、室温で60分間熟成させ
た後、2回圧延して、厚さ3mmの麺帯とし、切り歯10番
を用いて切り出してうどんを得た。
【0051】このうどんを20分間茹でて、水洗いした
後、茹麺100 gをビニール袋に入れて冷蔵庫で保存し
た。
【0052】実施例3(冷凍うどんの製造) 実施例2と同様の原料を用い、同様の方法でうどんを製
造した。このうどんを20分間茹でて、水洗いした後、茹
麺100 gをビニール袋に入れ、エアーブラストにより、
−35℃で、1時間かけて凍結させて、冷凍うどんを得
た。
【0053】比較例3 実施例2において、カードラン溶液を塗布する代わりに
水を塗布した他は、実施例2と同様にしてうどんを製造
した。このうどんを20分間茹でて、水洗いした後、茹麺
100 gをビニール袋に入れて冷蔵庫で保存した。
【0054】比較例4 実施例2において、カードラン溶液を塗布する代わりに
水を塗布した他は、実施例2と同様にしてうどんを製造
した。このうどんを20分間茹でて、水洗いした後、茹麺
100 gをビニール袋に入れ、実施例3と同じ方法で凍結
させて、冷凍うどんを得た。
【0055】試験例2(茹でた後、冷蔵、冷凍保存した
うどんの食感の比較) 実施例2の冷蔵保存した茹でうどん、実施例3の冷凍う
どん、比較例3の冷蔵保存した茹でうどん、比較例4の
冷凍うどんについて、生うどんを20分間茹でたものを対
照とし、茹でうどんは45秒間湯戻しし、冷凍うどんは90
秒間湯戻しして、試験例1と同様に官能試験を行った。
評価方法も試験例1と同様である。その結果を表2に示
す。
【0056】なお、対照とした生うどんは、中力粉1000
g に食塩60g を水380gに溶解させた食塩水を加え、15分
間混捏した後、成形、複合、圧延して厚さ5mmの麺帯と
し、この麺帯を60分間熟成させた後、2回圧延して厚さ
3mmの麺帯とし、切り歯10番を用いて切り出して製造し
たものである。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果から、実施例2及び実施例3の
うどんは、生うどんに近い食感であることがわかる。す
なわち、本発明の方法により製造したうどんは、茹でた
後、冷蔵、冷凍のいずれの方法で保存しても、食感の劣
化が少ないことがわかる。これに対して、比較例3、比
較例4のうどんは、茹でた後、冷蔵保存しても、冷凍保
存しても、食感の劣化が大きいことがわかる。
【0059】実施例4(即席油揚げ中華麺の製造) 中力粉500 gと、準強力粉500 gとの混合粉に、かん粉
6gと食塩10gとを水360 gに溶解させたかん水を加
え、15分間混捏して得られた生地を、成形、複合して、
厚さ6mmの麺帯を得た。
【0060】この麺帯を4分割し、1枚の麺帯の一方の
面に、卵白10gとグアガム1gとを水100 gに溶解させ
た溶液を塗布し、その塗布面に、もう1枚別の麺帯を重
ね、複合を行った後、圧延し、切り歯20番を用いて切り
出して中華麺を得た。
【0061】この中華麺を、90秒間蒸した後、140 ℃の
油中で、90秒間フライして、即席油揚げ中華麺を得た。
【0062】比較例5 実施例4において、卵白及びグアガムの水溶液の代わり
に水を塗布した他は、実施例4と同様の原料、方法で即
席油揚げ中華麺を得た。
【0063】試験例3(即席油揚げ中華麺の食感の比
較) 実施例4、比較例5の即席油揚げ中華麺それぞれ120 g
に、熱水300 gを入れて復水させた後、パネラー5人に
試食させたところ、実施例4の麺は、比較例5の麺と比
較して、非常にこしがある麺質であるとの評価を得た。
【0064】実施例5(pH調整剤を配合したうどんの
製造) 中力粉1000gに、食塩30gを水380 gに溶解させた食塩
水を加え、15分間混捏した後、成形、複合して、厚さ6
mmの麺帯を得た。
【0065】この麺帯の半分の面に、カードラン10重量
%と、乳酸2重量%とを溶解させた水溶液を塗布し、こ
の塗布面を内側にして二つ折りにした後、圧延して、厚
さ3mmの麺帯を得た。
【0066】次いで、この麺帯を、切り歯10番を用いて
切り出してうどんを得た。
【0067】比較例6 実施例5において、原料に乳酸0.5 gを加えて麺帯を製
造し、カードラン10重量%と、乳酸2重量%とを溶解さ
せた水溶液の代わりに水を塗布した他は、実施例5と同
様にしてうどんを得た。
【0068】比較例7 実施例5において、カードラン10重量%と、乳酸2重量
%とを溶解させた水溶液の代わりに水を塗布した他は、
実施例5と同様にしてうどんを得た。
【0069】試験例4(うどんの官能試験及び保存性試
験) 実施例5、比較例6、比較例7のうどんを20分間茹でた
後、パネラー5人による官能試験を行い、更に、20℃で
保存してその保存性をみた。
【0070】官能試験の結果、比較例6のうどんは、こ
しがなく、滑らかさもなくて粗悪なものであったが、実
施例5と、比較例7のうどんは、こしが強く、食感のよ
いものであった。特に実施例5は好ましかった。
【0071】また、保存性試験においては、比較例6、
比較例7とも1日で腐敗してしまったが、実施例5のう
どんは、3日後も腐敗していなかった。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
麺帯に動植物性蛋白質及び/又は増粘多糖類を主成分と
する濃度0.5〜20重量%の溶液を塗布し、この塗布
面を内側にして麺帯を接合し、圧延し、切り出すことに
より、麺線の中心部から外層部に向かって、動植物性蛋
白質及び/又は増粘多糖類が浸透して、これらの成分の
連続した濃度勾配が生じ、麺線中に前記濃度勾配に応じ
た連続した硬さ勾配を作ることができるので、加熱処理
直後はもちろん、加熱処理後、時間が経過してもこしの
強い麺類とすることができる。したがって、特に、茹で
麺、包装蒸煮麺等、加熱処理後、時間の経過にともな
い、麺線内の水分勾配が小さくなって、こしがなくなっ
てしまいやすい麺類において、生麺に近い食感で、こし
の強い麺類とすることができる。また、動植物性蛋白質
及び/又は増粘多糖類を主成分とする溶液に、更に、必
要に応じてpH調整剤、抗菌成分、ポリオールから選ば
れた一種又は二種以上を添加し、麺帯にこの溶液を塗布
することができるので、麺質に悪影響を与えたり、煩雑
な工程を経たりすることなく、保存性等を向上させるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粉を主原料として麺帯を形成し、この
    麺帯の少なくとも一方の表面に、動植物性蛋白質及び/
    又は増粘多糖類を主成分とする濃度0.5〜20重量%
    溶液を塗布し、この塗布面が内側になるように前記麺
    帯を接合させた後、圧延し、切断することを特徴とする
    麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記動植物性蛋白質が、卵白、グルテ
    ン、乳アルブミン、大豆蛋白質、カゼインから選ばれた
    一種又は二種以上である請求項1記載の麺類の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記増粘多糖類が、グアガム、キサンタ
    ンガム、ローカストビーンガム、寒天、タマリンドガ
    ム、ジェランガム、ペクチン、カラギーナン、コンニャ
    クマンナン、山芋、水溶性コーンファイバー、アルギン
    酸、カードランから選ばれた一種又は二種以上である請
    求項1又は2記載の麺類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶液が、動植物性蛋白質及び/又は
    増粘多糖類を主成分とし、更に、pH調整剤、抗菌成
    分、ポリオールから選ばれた一種又は二種以上を含有す
    るものである請求項1〜3のいずれか一つに記載の麺類
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記麺帯が、小麦粉と、澱粉及び/又は
    化工澱粉とを含有するものである請求項1〜4のいずれ
    か一つに記載の麺類の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溶液を、麺帯に対して0.1〜15
    重量%塗布する請求項1〜5のいずれか一つに記載の麺
    類の製造方法。
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