JP3145840B2 - 包装茹で麺類の製造方法 - Google Patents

包装茹で麺類の製造方法

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JP3145840B2 JP20690093A JP20690093A JP3145840B2 JP 3145840 B2 JP3145840 B2 JP 3145840B2 JP 20690093 A JP20690093 A JP 20690093A JP 20690093 A JP20690093 A JP 20690093A JP 3145840 B2 JP3145840 B2 JP 3145840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装茹で麺類の製造方法
に関する。詳細には、なめらかで粘弾性のある良好な食
感を有し且つ茹でのびのない良好な品質を有する保存可
能期間の長い包装茹で麺類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包装茹で麺類には有機酸水溶液に
よる浸漬処理などの保存性向上処理を施した後に包装
し、次いで蒸気などを用いて加熱殺菌して保存可能期間
の長いロングライフ茹で麺(いわゆるLL麺)として販
売されているものがある。しかしながら、加熱殺菌処理
をすると茹で麺類の保存可能期間は長くなるものの、麺
線表面が硬くなって滑らかさや粘弾性が失われてそのバ
ランスも悪くなり、もろくぼそついた不良な食感になる
という欠点があり、保存可能期間が長く、しかも食感の
良好な包装茹で麺類が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は加熱殺菌処理後も食感の低下がなく、滑らかさお
よび粘弾性に富み、しかもそのバランスがよく、食感が
良好で、保存可能期間の長い包装茹で麺類を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは包装茹で麺類に関してその原料面、製造工
程面、後処理法などの種々の点から検討を重ねた。その
結果、茹で麺類を加熱殺菌処理する前に未α化澱粉を含
む液で処理すると、包装後加熱殺菌処理しても麺線が硬
くならず滑らかさおよび粘弾性が保たれて良好な食感を
有すること、その上予想外にも茹でのびが低く抑えられ
ることを見出して本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、茹で麺類の麺線表面
に未α化澱粉を含む液を付着させた後、包装し加熱殺菌
処理することを特徴とする包装茹で麺類の製造方法であ
る。
【0006】本発明でいう茹で麺類とは、喫食状態に茹
で上げられた麺類であればいずれでもよく、麺類の種類
や製造方法、麺類の原料の種類や配合組成、茹で方、茹
で歩留りなどは特に限定されない。限定されるものでは
ないが、本発明における茹で麺類の代表例としては、茹
でうどん、茹で日本そば、茹で中華麺、茹でスパゲッテ
ィ、茹でマカロニなどを挙げることができる。その際に
茹で麺用の麺類としては、切り出し、押出し、手延べな
どによって製造した単層麺、多層麺(例えば三層麺)な
どを用いることができる。
【0007】そして、本発明では加熱殺菌処理前に茹で
麺類の麺線表面に未α化澱粉を含む液を付着させること
が重要である。澱粉液に用いる澱粉の種類は特に限定さ
れず、α化されていない澱粉(生澱粉)であればいずれ
でもよく、例えばα化されていない馬鈴薯澱粉、タピオ
カ澱粉、甘薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉
などを挙げることができ、それらのうちでも馬鈴薯澱
粉、タピオカ澱粉、甘薯澱粉などの地下系澱粉およびコ
ーンスターチが好ましい。
【0008】未α化澱粉を含む液は水に未α化澱粉を加
えることにより調製される。その際の未α化澱粉の使用
量は、水100重量部に対して未α化澱粉が1〜5重量
部の範囲で含まれるようにするのが食感が良好で且つ茹
でのびのない包装茹で麺類を製造できる点で好ましく、
1.5〜4.0重量部が一層好ましい。未α化澱粉の使
用量が1重量部よりも少ないと加熱殺菌処理後に茹で麺
類が硬くぼそついて食感が不良となり易く、一方5重量
部よりも多くても加熱殺菌処理後に茹で麺類の食感が不
良になると共に麺がほぐれにくくなり、しかも喫食時に
スープの濁りを生じ易くなる。未α化澱粉液の調製に際
しては、澱粉がα化されないように水の温度を50℃以
下にしておくのが好ましい。
【0009】また、未α化澱粉を含む液に増粘剤を配合
する場合は、増粘剤の種類は限定されず、食品に使用可
能な増粘剤であればいずれも使用でき、例えばα化澱
粉、各種ガム類、カラギーナン、アルギン酸やそのナト
リウム塩、CMCなどを挙げることができる。そのうち
でも天然物、特にα化澱粉が麺類に異味や異臭を与える
ことがないため好ましく、α化澱粉と少量の他の増粘剤
の併用が食感および未α化澱粉の麺線表面への付着性や
沈殿防止の点から一層好ましい。
【0010】増粘剤としてα化澱粉を単独で使用する場
合は、未α化澱粉を含む液における水100重量部当た
りα化澱粉を1〜2.5重量部の割合で配合するのが好
ましく、一方α化澱粉と他の増粘剤を併用する場合は未
α化澱粉を含む液における水100重量部当たりα化澱
粉が1〜2重量部および他の増粘剤が0.1〜0.5重
量部含まれるようにするのが好ましい。
【0011】そして、α化澱粉を増粘剤として用いる場
合は、予めα化されている澱粉をそのまま未α化澱粉を
含む液に直接加えても、または未α化澱粉を含む液の一
部を分け取りそれを加熱してそこに含まれる澱粉をα化
してα化澱粉を含有する液を調製し、それを未α化澱粉
を含む残りの液に加えて未α化澱粉とα化澱粉(増粘
剤)の両方を含有する液を調製してもよい。
【0012】未α化澱粉を含む液を麺線表面に付着させ
る方法は特に限定されず均一に付着できる方法であれば
いずれでもよい。そのうちでも、処理が行い易く且つ液
を麺線表面に均一に付着させることができる点で未α化
澱粉を含む液を麺線表面に噴霧する方法または未α化澱
粉を含む液に茹で麺類を浸漬させる方法が好ましい。
【0013】未α化澱粉を含む液の付着量は、その液を
付着させる直前の茹で麺類の重量に基づいて、4〜15
重量%になるようにするのが好ましく、8〜12重量%
がより好ましい。未α化澱粉を含む液の付着量が4重量
%よりも少ないと加熱殺菌処理後に茹で麺類が硬くぼそ
ついた食感の不良なものになり易く、一方15重量%よ
りも多くても加熱殺菌処理後に茹で麺類の食感が不良に
なると共に麺がほぐれにくくなり、しかも喫食時にスー
プの濁りを生じ易くなる。
【0014】上記した未α化澱粉を含む液の麺線表面へ
の付着処理は、該液を茹で上げた麺類に対してそのまま
直接施すことにより行うことができる。しかしながら、
未α化澱粉を含む液を付着させる前に予め茹で麺類を有
機酸で処理してから未α化澱粉を含む液を付着させる
と、保存性を一層向上させることができ好ましい。この
操作を逆に行って、茹で麺類を未α化澱粉を含む液で処
理してから有機酸で処理すると、麺線表面に付着した未
α化澱粉が有機酸処理時に麺線表面から離脱するので望
ましくない。
【0015】茹で麺類を有機酸で予め処理する場合に
は、食品に使用可能な有機酸のいずれもが使用でき、例
えば食酢、乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、
フィチン酸、アジピン酸等を挙げることができる。有機
酸による茹で麺類の処理は、麺線表面に有機酸を均一に
付着させ得るいずれの方法で行ってもよく、例えば有機
酸の水溶液中に茹で麺類を浸漬させる方法、有機酸の水
溶液を茹で麺類に噴霧する方法などを採用することがで
きる。有機酸による処理は、有機酸処理後の麺のpHが
約3.9〜4.8になるようにして行うのがよく、特に
保存可能期間を3〜6カ月程度にしたい場合は麺のpH
を約3.9〜4.3に、1週間〜1カ月程度にしたい場
合は麺のpHを約4.5〜4.8に調整するのが好まし
い。
【0016】また、未α化澱粉を含む液で茹で麺類を処
理した後に、さらに食用油を麺線に付着させると、加熱
殺菌処理時や処理後に麺線同士の付着が防止されて、ほ
ぐれ易い茹で麺類を得ることができ望ましい。その場合
の食用油としては例えばサラダ油、ゴマ油、大豆油、コ
ーン油、ベニバナ油、菜種油、綿実油などの植物油、そ
れらの水添油などが好ましく用いられる。そして、食用
油の付着を噴霧法により行うと、それ以前に付着させた
未α化澱粉の麺線表面からの離脱を防止しながら食用油
を麺線表面に均一に付着させることができ好ましい。
【0017】上記のようにして処理した茹で麺類を、1
食分または複数食分ずつに小分けして(玉取りして)、
常法によりプラスチックフイルム、ラミネート材などか
らなる袋、トレー、その他の容器中に入れて包装し、次
いで加熱殺菌処理を施す。その際の包装方法や加熱殺菌
処理方法は特に限定されず従来既知のいずれの方法で行
ってもよいが、特に加熱殺菌処理を蒸熱処理により行う
のが簡単でありしかも短時間に行うことができ好まし
い。加熱温度や加熱時間は茹で麺類の種類や小分け包装
した茹で麺類の量などによっても変わり得るが、蒸熱に
よる場合は一般に80〜95℃で20〜50分間行えば
よい。
【0018】そして上記した一連の処理によって、加熱
殺菌処理後も茹で麺類が硬くなったり、もろくぼそつい
た食感にならず、滑らかで粘弾性に富み、しかもそのバ
ランスがよい、良好な食感を保つことが可能になり、し
かも茹でのびが抑制されると共に、保存性が向上して、
保存期間の長い高品質の包装茹で麺類を得ることができ
る。
【0019】以下に実施例などにより本発明を具体的に
説明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の
例において、加熱殺菌処理後の包装茹で麺類の食感およ
び茹でのびは、下記の表1に記載した評価基準にしたが
って10名のパネラーに評価してもらい、その平均値を
採った。その際に、包装茹で麺類の食感は製造直後のも
のについて評価を行い、また茹でのびは製造後25℃で
30日間放置したものについて評価を行い、いずれも未
α化澱粉液で処理してない包装茹で麺類の評価点を標準
点(3点)とし、それとの比較で行った。
【0020】
【表1】 包装茹で麺類の食感および茹でのびの評価基準 食 感 なめらかさ: 5:標準に比べて非常になめらかで極めて良好 4:標準に比べてなめらかで良好 3:標準 2:標準に比べてかなり硬くぼそつき、かなり不良 1:標準に比べて大幅に硬くぼそつき、極めて不良 粘弾性: 5:標準に比べて非常に粘弾性に富みしかもそのバランスもよく、 歯ごたえ極めて良好 4:標準に比べて粘弾性に富みしかもそのバランスもよく、歯ごたえ 良好 3:標準 2:標準に比べて粘弾性がかなり少なくしかもそのバランスも悪く 歯ごたえかなり不良 1:標準に比べて粘弾性が大幅に少なくしかもそのバランスも悪く 歯ごたえ極めて不良 茹でのび: 5:標準に比べて茹でのびが極めて少なく、粘弾性に極めて富む 4:標準に比べて茹でのびが少なく、粘弾性に富む 3:標準 2:標準に比べて茹でのびがかなり大きく、へたりが少しある 1:標準に比べて茹でのびが極めて大きく、へたりが著しい
【0021】《実施例 1》 (1) 中力小麦粉100重量部、食塩3重量部および
水39重量部を混合して常圧下で5分間、次いで減圧下
(360mmHg)で10分間混捏した後、圧延して厚
さ2.6mmの麺帯を製造し、これを#10の切刃で切
断して麺線(うどん)を製造した。 (2) 上記で製造した麺線を試験区a〜eの5区に分
け、下記の表2に示した歩留りになるようにそれぞれを
沸騰水で茹で上げた後、90秒間水洗を行い、全ての試
験区の茹で麺をそれぞれリンゴ酸の0.8%水溶液に9
0秒間浸漬してから有機酸水溶液から取り出した(麺の
pHは3.9〜4.3:有機酸約10g吸着)。 (3) 水50重量部に馬鈴薯澱粉1.5重量部および
ローカストビーンガム0.2重量部を加えて80℃で2
分間加熱して澱粉をα化して増粘剤の水溶液を調製し
た。 (4) 水50重量部に未α化馬鈴薯澱粉2重量部を加
え、これに上記(3)で調製した増粘剤の水溶液を混合
して未α化澱粉と増粘剤(α化澱粉とローカストビーン
ガム)を含有する液を調製した。
【0022】(5) 上記(4)で調製した液を最終的
な茹で麺の歩留りが300±2%になるような量で上記
(2)で製造した有機酸処理後の試験区b〜eのそれぞ
れの茹で麺に噴霧塗布した後、220gずつ玉取りして
プラスチック製袋に入れて包装し、次いで93℃で40
分間蒸気で加熱殺菌処理して、包装茹でうどんを製造し
た。 (6) 試験区aの茹で麺については、上記(4)で調
製した未α化澱粉と増粘剤を含む液の噴霧を行なわず、
それ以外は上記(5)と同様にして包装茹でうどんを製
造した。 (7) 1カ月後に上記(5)および(6)で得られた
包装茹でうどんを袋から取り出し、沸騰水で1分間湯戻
しして、その食感および茹でのびを上記の表1に記載し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表2に
示す結果を得た。
【0023】
【表2】 試 験 区 a b c d e 茹で上げ後の歩留り(%) 288 275 263 252 243 有機酸処理後の歩留り(%) 300 288 278 265 256 上記(4)の液の塗布量1)(%) − 4 8 12 15 最終歩留り(%) 300±2 同左 同左 同左 同左 包装茹でうどん品質 ○食 感 なめらかさ 3 3.4 4.2 4.3 3.6 粘弾性 3 3.3 4.2 4.1 3.5 ○茹でのび 3 3.2 4.1 4.3 4.4 1) 有機酸水溶液に浸漬後の茹で麺の重量に基づく未α
化澱粉/増粘剤含有液の塗布量
【0024】上記表2の結果から、未α化澱粉を含有す
る液を茹でうどんに塗布した後に包装し加熱殺菌処理を
行っている試験区b〜e、特に試験区c〜dでは食感が
良好でしかも茹でのびのない品質の良好な包装茹でうど
んが得られることがわかる。
【0025】《実施例 2》 (1) 強力小麦粉70重量部、そば粉30重量部、食
塩1重量部および水30重量部を混合して常圧下で10
分間混捏した後、圧延して厚さ1.4mmの麺帯を製造
し、これを#20の切刃で切断して麺線(日本そば)を
製造した。 (2) 上記で製造した麺線を試験区a〜eの5区に分
け、下記の表3に示した歩留りになるようにそれぞれを
沸騰水で茹で上げた後、60秒間水洗を行い、水切り
後、全ての試験区の茹で麺をそれぞれ乳酸の1.0%水
溶液に90秒浸漬して処理した(麺のpHは3.9〜
4.3)。 (3) 水50重量部にタピオカ澱粉1.5重量部を加
えて70℃で2分間加熱してα化タピオカ澱粉の水溶液
を調製した。 (4) 水50重量部に未α化タピオカ澱粉2重量部お
よびグアガム0.2重量部を加え、これに上記(3)で
調製したα化タピオカ澱粉水溶液を混合して、未α化タ
ピオカ澱粉と増粘剤(α化タピオカ澱粉とグアガム)を
含有する液を調製した。
【0026】(5) 上記(4)で調製した液を最終的
な茹で麺の歩留りが235±3%になるような量で上記
(2)で製造した有機酸処理後の試験区b〜eのそれぞ
れの茹で麺に噴霧塗布した後、180gずつ玉取りして
プラスチック製袋に入れて包装し、次いで92℃で35
分間蒸気により加熱殺菌処理して、包装茹で日本そばを
製造した。 (6) 試験区aの茹で麺については、上記(4)で調
製した液の噴霧を行なわず、それ以外は上記(5)と同
様にして包装茹で日本そばを製造した。 (7) 1カ月後に上記(5)および(6)で製造した
包装茹で日本そばを袋から取り出し、沸騰水で1分間湯
戻しして、その食感および茹でのびを上記の表1に記載
した評価基準にしたがって評価した。その結果を下記の
表3に示す。
【0027】
【表3】 試 験 区 a b c d e 茹で上げ後の歩留り(%) 222 213 202 194 187 有機酸処理後の歩留り(%) 235 226 215 208 152 上記(4)の液の塗布量1)(%) − 4 8 12 15 最終歩留り(%) 235±3 同左 同左 同左 同左 包装茹で日本そば品質 ○食 感 なめらかさ 3 3.5 4.0 4.1 3.8 粘弾性 3 3.4 4.1 4.1 3.4 ○茹でのび 3 3.1 3.7 3.8 4.1 1) 有機酸水溶液に浸漬後の茹で麺の重量に基づく未α
化澱粉/増粘剤含有液の塗布量
【0028】《実施例 3》 (1) 強力小麦粉80重量部、タピオカ澱粉20重量
部、グルテン3重量部、グアガム1重量部、全卵1重量
部、食塩1重量部、かん粉0.2重量部、色素0.2重
量部および水40重量部を混合して常圧下で2分間、つ
いで減圧下(160mmHg)で13分間混捏した後、
圧延して厚さ1.4mmの麺帯を製造し、これを#20
の切刃で切断して麺線(中華麺)を製造した。 (2) 上記で製造した麺線を試験区a〜eの5区に分
け、下記の表4に示した歩留りになるようにそれぞれを
沸騰水で茹で上げた後、30秒間水洗を行い、水切り
後、全ての試験区の茹で麺をそれぞれリンゴ酸0.5%
およびクエン酸0.5%の混合溶液に90秒浸漬して処
理した(麺のpHは3.9〜4.3)。 (3) 水50重量部にコーンスターチ1.5重量部を
加えて90℃で1分間加熱してα化コーンスターチの水
溶液を調製した。 (4) 水50重量部に未α化コーンスターチ2重量部
およびキサンタンガム0.2重量部を加え、これに上記
(3)で調製したα化コーンスターチ水溶液を混合して
未α化コーンスターチと増粘剤(α化コーンスターチと
キサンタンガム)を含有する液を調製した。
【0029】(5) 上記(4)で調製した液を最終的
な茹で麺の歩留りが235±2%になるような量で上記
(2)で製造した有機酸処理後の試験区b〜eのそれぞ
れの茹で麺に噴霧塗布した後、サラダ油を茹で麺の重量
に基づいて2%噴霧塗布し、次いで180gずつ玉取り
してプラスチック製袋に入れて包装した後、93℃で3
5分間蒸気により加熱殺菌処理して、包装茹で中華麺を
製造した。試験区aの茹で麺については、上記(4)で
調製した液の噴霧を行なわず、それ以外は同様にして包
装茹で中華麺を製造した。 (6) 1カ月後に上記(5)で製造した包装茹で中華
麺を袋から取り出し、沸騰水で1分間湯戻しして、その
食感および茹でのびを上記の表1に記載した評価基準に
したがって評価した。その結果を下記の表4に示す。
【0030】
【表4】 試 験 区 a b c d e 茹で上げ後の歩留り(%) 222 213 204 194 187 有機酸処理後の歩留り(%) 235 225 217 205 200 上記(4)の液の塗布量1)(%) − 4 8 12 15 最終歩留り(%) 235±3 同左 同左 同左 同左 包装茹で中華麺品質 ○食 感 なめらかさ 3 3.6 4.5 4.3 3.2 粘弾性 3 3.3 4.3 4.4 3.5 ○茹でのび 3 3.3 4.0 4.2 4.4 1) 有機酸水溶液に浸漬後の茹で麺の重量に基づく未α
化澱粉/増粘剤含有液の塗布量
【0031】《実施例 4》実施例3の(3)におい
て、水50重量部に加えるコーンスターチの量を下記の
表5に示すように0.5〜3.0重量部の範囲で変えて
α化コーンスターチを含有する液を調製し、また実施例
3の(4)において水50重量部に加える未α化コーン
スターチの量を下記の表5に示すように3.0〜0.5
重量部の範囲で変えて未α化コーンスターチを含有する
液を調製し、両方の液を混合して未α化コーンスターチ
と増粘剤(α化コーンスターチと他の増粘剤)を含有す
る液を調製した。それ以外は実施例3の試験区dと全く
同様にして包装茹で中華麺を製造した。1カ月後に上記
で製造した包装茹で中華麺を袋から取り出し、沸騰水で
1分間湯戻しして、その食感および茹でのびを上記の表
1に記載した評価基準にしたがって評価した。その結果
を下記の表5に示す。
【0032】
【表5】 試 験 区 a b c d e f g 茹上げ後歩留り(%) 222 193 193 193 193 193 193 有機酸処理後歩留り(%) 235 206 206 206 206 206 206 塗布量(%) − 12 12 12 12 12 12 未α化澱粉含量1)(重量部) − 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 α化澱粉含量2)(重量部) − 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 最終歩留り(%) 235 235 235 235 235 235 235 包装茹で中華麺品質 ○食 感 なめらかさ 3 3.8 4.0 4.5 4.5 4.0 3.5 粘弾性 3 3.7 4.1 4.6 4.3 3.8 3.6 ○茹でのび 3 3.7 3.7 4.1 4.1 3.7 3.3 1) 塗布液の水100重量部当たりの未α化コーンスターチ
の重量部 2) 塗布液の水100重量部当たりのα化コーンスターチの
重量部
【0033】《実施例 5》未α化コーンスターチおよ
びα化コーンスターチを含有する塗布液における他の増
粘剤(ローカストビーンガム)の配合量を下記の表6に
示すように変えた以外は実施例3の試験区dと全く同様
にして包装茹で中華麺を製造した。1カ月後に上記で製
造した包装茹で中華麺を袋から取り出し、沸騰水で1分
間湯戻しして、その食感および茹でのびを上記の表1に
記載した評価基準にしたがって評価した。その結果を下
記の表6に示す。
【0034】
【表6】 試 験 区 a b c d e f 塗布量における他の増粘剤量 1) − 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 (重量部)包装茹で中華麺品質 ○食 感 なめらかさ 3 3.6 4.6 4.5 4.5 4.5 粘弾性 3 3.4 4.5 4.4 4.3 4.3 ○茹でのび 3 3.5 4.1 4.2 4.1 4.0 1) 塗布液の水100重量部当たりの他の増粘剤(ローカス
トビーンガム)の配合量
【0035】《実施例 6》 (1) 中力小麦粉80重量部および澱粉20重量部に
対し、食塩1重量部、かん粉0.2重量部およびクチナ
シ色素0.2重量部を水35重量部にあらかじめ混合し
たものを加え、これらを減圧下(110mmHg)で1
5分間混捏した後、複合、圧延して厚さ3mmの外層用
麺帯を得た。また、強力小麦粉100重量部、グアガム
2重量部および卵白粉1重量部の混合物に対し、かん粉
0.2重量部およびクチナシ色素0.2重量部を水35
重量部にあらかじめ混合したものを加え、常圧下で混捏
した後、得られた生地を押出機に入れ、押出機内を減圧
し(110mmHg)、次いで厚さ4mmの麺帯に押出
して内層用麺帯を得た。上記で得られた内層用麺帯を2
枚の外層用麺帯で挟んで複合し圧延して最終の厚さを
1.4mmに調整し、これを#20の切刃で切断して三
層状の麺線(中華麺)を製造した。 (2) 上記で得られた三層状の麺線を、温度80℃の
蒸気で40秒間蒸し処理を行って麺線表面を軽くα化さ
せた後、茹で処理を行って十分にα化させた。次いで、
これを30秒〜1分間水洗した後、温度25℃の乳酸の
1%溶液に60〜90秒間浸漬処理した(麺のpHは
3.9〜4.1)。
【0036】(3) これとは別に、水50重量部にタ
ピオカ澱粉1.5重量部を加えて70℃以上の温度で加
熱してα化タピオカ澱粉の水溶液を調製した。また、水
50重量部にタピオカ澱粉2重量部を加え、これに上記
で調製したα化タピオカ澱粉の水溶液を混合して、未α
化タピオカ澱粉と増粘剤(α化タピオカ澱粉)を含有す
る液を調製した。 (4) 上記(2)で得た乳酸浸漬処理後の麺線に、該麺
線重量に対して下記の表7に記載した量の上記(3)で
調製した液を散布した後、該麺線重量に対して2.5%
に相当する大豆白絞油を散布し、180gずつ玉取りし
て包装した後、温度91〜94℃で30〜40分間加熱
殺菌処理して包装茹で中華麺を製造した。 (5) 1カ月後に上記(4)で製造した包装茹で中華
麺を袋から取り出し、沸騰水で1分間湯戻しして、その
食感および茹でのびを前記の表1に記載した評価基準に
したがって評価した。その結果を下記の表7に示す。
【0037】
【表7】 試 験 区 a b c d e f 茹で上げ後の歩留り(%) 227 220 212 205 198 191 有機酸処理後の歩留り(%) 240 233 226 218 211 204 上記(3)の液の塗布量(%) − 3 6 9 12 15 最終歩留り(%) 240±3 同左 同左 同左 同左 同左 包装茹で中華麺品質 ○食 感 なめらかさ 3 3.3 4.0 4.5 4.5 4.5 粘弾性 3 3.3 4.0 4.5 4.6 4.2 ○茹でのび 3 3.2 3.7 4.0 4.3 4.2
【0038】
【発明の効果】茹で麺類の麺線表面に未α化澱粉を含む
液を付着させてから包装し、加熱殺菌処理する本発明の
方法による場合は、加熱殺菌処理後も麺線が硬くなら
ず、滑らかさおよび粘弾性に富みそかもそのバランスの
良い良好な食感を有し、且つ茹でのびのない保存可能期
間の長い包装茹で麺類が得られる。その際に未α化澱粉
を含む液を付着させる前に有機酸で予め処理すると、保
存性が一層向上し、しかも食感が良好で茹でのびのない
高品質の包装茹で麺類を製造することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茹で麺類の麺線表面に未α化澱粉を含む
    液を付着させた後、包装し加熱殺菌処理することを特徴
    とする包装茹で麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 茹で麺類を有機酸で処理した後に麺線表
    面に未α化澱粉を含む液を付着させる請求項1の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 未α化澱粉液中に増粘剤を配合する請求
    項1または2の製造方法。
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