JP6787859B2 - 調理済みチルドそばの製造方法 - Google Patents

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本発明は、蒸しまたは茹で処理により調理された低温保存可能な調理済みチルドそばの製造方法に関する。
従来、蒸しまたは茹で処理した麺線を加熱殺菌処理し、10℃以下の低温で保存可能な調理済みチルド麺が存在している。これらの麺は、簡単に茹でて喫食するタイプや、水でほぐしたり、ほぐし液をかけてほぐした後、調味液をつけてそのまま喫食するタイプなどがある。
これらの麺は、冷蔵後短期間に老化が進行しやすく、つるみが失われ、食感がぼそぼそするなどといった課題があり、これらを改善する技術が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。これらの方法は、調理済みチルド麺のつるみや食感の劣化の改善技術として優れた方法であるが、麺がそばの場合、中華麺やうどん等の他の麺と比較して、加熱殺菌によってつるみや食感が劣化しやすく、未だ改善の余地があった。
特開2004−73183号公報 特許第6004676号公報
本発明は、加熱殺菌におけるつるみや食感の劣化が抑制された調理済みチルドそばの製造方法を提供することを課題とする。
加熱殺菌における調理済みチルドそばのつるみや食感の劣化の劣化の原因について研究した結果、そば粉自体が原因であることを確認した。しかしながら、そばであるためには、水を除く麺原料の総重量に対して30%以上そば粉を含む必要がある。そのため、鋭意検討した結果、麺線表面付近にあるそば粉を極力少なくし、麺線の内部にそば粉を多く配合すること及び加工澱粉を配合することでそばでありながら、加熱殺菌におけるつるみや食感の劣化が抑制され、低温保存可能な調理済みチルドそばを製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、複数の麺帯を積層して圧延することにより三層以上の多層麺帯を作製する麺帯作製工程と、前記麺帯作製工程で作製した前記多層麺帯を圧延し、切り出して麺線を作製する麺線作製工程と、前記麺線作製工程で作製した前記麺線を蒸し処理または茹で処理によりα化するα化工程と、前記α化工程でα化した前記麺線を水洗する水洗工程と、前記水洗工程で水洗した前記麺線を酸液に浸漬する酸液浸漬工程と、前記酸液浸漬工程で浸漬した前記麺線を包装する包装工程と、前記包装工程で包装された前記麺線を加熱殺菌する加熱殺菌工程と、前記加熱殺菌工程で殺菌された前記麺線を冷却する冷却工程と、を含む調理済みチルドそばの製造方法であって、前記複数の麺帯の内、上下の最外層にある外層麺帯は、水を除く前記外層麺帯の麺原料の総重量に対してそば粉を0〜20重量%、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を20〜80重量%含み、前記複数の麺帯の内、内側の内層麺帯は、水を除く前記内層麺帯の麺原料の総重量に対してそば粉を40〜60重量%、 アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を20〜50重量%含み、前記多層麺帯の厚みに対して、上下の前記外層麺帯の各厚みが10〜33%であり、水を除く前記多層麺帯の麺原料の総重量に対して30%以上そば粉を含むことを特徴とする調理済みチルドそばの製造方法である。
また、本発明における内層麺帯の加工澱粉は、エーテル化リン酸架橋澱粉であることが好ましい。
また、本発明における内層麺帯は、減圧下でエクストルーダにより押し出された押出し麺帯であることが好ましい。
さらに、本発明においては、冷蔵保存中の経時的な劣化を防止するため、酸浸漬液工程の後、包装工程の前にβアミラーゼを含むほぐし液を麺線に付着させることが好ましい。
本発明により、加熱殺菌におけるつるみや食感の劣化が抑制された調理済みチルドそばの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
1.麺原料配合
本発明に係る麺原料の内、主原料粉としては、そば粉並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を含む。また、その他の原材料粉としては、小麦粉(デュラム粉を含む)や生澱粉、α化澱粉、上記以外の加工を施した加工澱粉も使用することができるが、つなぎとしてそばの風味に影響が少ない小麦粉を使用することが好ましい。また、グルテンや卵白粉などの蛋白質粉末も使用できる。製麺性確保のために、そば粉及び加工澱粉の添加量の合計量に対して15〜25重量%(水を除く麺原料の総重量に対して5〜20重量%)のグルテンを添加することが望ましい。また、そばらしい歯切れを出す上で、卵白を水を除く麺原料の総重量に対してに1〜5重量%配合することが好ましい。
その他副原料として、本発明では、麺の製造において一般に使用されている食塩やアルカリ剤、リン酸塩類、麺質改良剤、食用油脂、pH調整剤、乳化剤、酵素、増粘剤、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。これらは、麺原料粉と一緒に添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
(1)外層麺帯の配合
本発明における上下の最外層にある外層麺帯の麺原料の配合としては、水を除く麺原料の総重量に対してそば粉の配合量が0〜20重量%であることが好ましい。そば粉の配合量が多ければ、多いほどつるみが無くなり、食感のぼそつきが強くなるため、より好ましくは0〜10重量%である。また、そば粉が少なすぎるとつるみを強く感じすぎるため、そばらしい自然なつるみの範囲としてさらに好ましくは、2.5〜7.5重量%の範囲である。
また、本発明における最外層の麺原料の配合としては、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を、水を除く麺原料の総重量に対して20〜80重量%含むことが好ましい。低温保存における老化耐性という点では、エーテル化澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉が好ましい。加工澱粉の配合量が少ないとつるみや老化耐性が得られにくく、逆に加工澱粉の配合量が多すぎるとつるみが強すぎたり、風味が悪く、製麺性を保つためのグルテンを多く配合する必要があるため、水を除く麺原料の総重量に対して30〜50重量%程度が好ましい。
(2)内層麺帯の配合
本発明における内層麺帯の麺原料粉の配合としては、水を除く麺原料の総重量に対してそば粉の配合量が40〜60重量%であることが好ましい。そば粉の配合量が多いほどそばの風味が良好となるが、その分つなぎのためのグルテンの添加量や低温保存における食感の劣化防止のための加工澱粉の配合量も多くなる。40重量%未満となると外層に多くそば粉を含ませる必要があり、好ましくない。好ましくは、50〜60重量%である。
また、本発明における最外層の麺原料の配合としては、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を、水を除く麺原料の総重量に対して20〜50重量%含むことが好ましい。低温保存における老化耐性、水分移行による食感の劣化防止という点では、特にエーテル化リン酸架橋澱粉が好ましい。加工澱粉の配合量が少なすぎると老化耐性が得られにくい。好ましくは25〜50重量%である。
2.混捏工程
上記、原料を用いて、外層、内層の各層の麺生地(ドウ)を作製する。麺生地の作製方法としては、常法により作製すればよく、例えば、バッチミキサー、フロージェットミキサー、真空ミキサー等で、原料が均一に混ざるように混捏する方法が挙げられる。特に好ましくは、密度感を出し、食感の劣化を防止する上で真空ミキサーによりミキシングすることが好ましい。真空ミキサーの真空度としては−400mmHg以下の減圧下で行うことが好ましい。
3.多層麺帯作製工程
次いで作製したドウから多層麺帯を作製する。各麺帯の作製方法としては、常法に従って行えばよく、ドウをロールにより粗麺帯としてそのまま使用するか、粗麺帯をさらに複合することにより麺帯化する方法や、エクストルーダ等を用いてドウを押し出して麺帯を作製する方法が挙げられる。これらの方法で作製した各麺帯を積層したものをロールにより圧着することで三層以上の多層麺帯を作製する。
このとき、最外層の各外層麺帯の厚みが多層麺帯の厚みの10〜33%となるように多層麺帯を作製することが好ましい。各外層麺帯の厚みが10%未満であると外層麺帯が薄すぎるため、圧延時に部分的に内層麺帯が露出する可能性がある。また、内層の厚みが厚くなるため、食感がぼそつきやすくなる。逆に外層麺帯が33%よりも厚いと、外層麺帯にも多くのそば粉を添加する必要があり、つるみや食感のぼそつきは改善されにくくなる。より好ましい範囲としては、15〜25%である。
また、内層麺帯は、減圧下でエクストルーダにより作製された押出し麺帯であることが好ましい。内層を押出し麺帯とすることで内層の密度が高くなり、緻密で弾力のある食感となるだけでなく、外層との密度差があることで冷蔵保存時の内層への水分移行が起こりにくく食感が維持されやすい。また、好ましい減圧範囲は−400mmHg以下である。
チルドそばにおいてそばと表記するためには、水を除く麺原料の総重量に対して30%以上そば粉を含む必要があるため、三層以上の多層麺帯を作製するにおいては、水を除く多層麺帯の麺原料の総重量に対して30%以上そば粉を含むように上記外層及び内層のそば粉の配合量や厚みを調整して多層麺帯を作製すればよい。
4.麺線作製工程
次いで作製した多層麺帯から麺線を作製する。麺線の作製方法としては、多層麺帯をロールにより数回に分けて求める麺帯厚に徐々に圧延した後、切刃ロールと呼ばれるロールにより麺帯を切断するか、包丁刃等により麺帯を切断することにより麺線を作製する。
5.α化工程
作製した麺線を容易に喫食できるように蒸し処理または茹で処理により麺線をα化し、予め調理しておく。蒸し処理としては、例えば、飽和蒸気を噴出させた蒸気庫内に麺線5〜15分程度通過されることでα化する方法が挙げられる。また、茹で処理としては、90℃以上のお湯となるように調整された茹で槽に麺線を45秒〜90秒程度浸漬させることでα化する方法が挙げられる。
6.水洗工程
次いで、α化した麺線を水洗する。水洗することにより、表面のぬめりをとり、麺線を冷却し、引き締める。水洗する方法としては、4〜20℃程度の水槽にα化した麺線を浸漬させる方法が挙げられる。このとき、水槽を複数槽用意し、段階的に麺線を水洗冷却することができる。また、水槽中にエアを噴出させることにより、麺線を動かしながら水洗、冷却できる。
7.酸液浸漬工程
次いで、水洗された麺線を酸液に浸漬する。酸液に浸漬することで麺線のpHを6以下とし、保存中の細菌の増殖を抑制する。酸液に使用する原料としては、酢酸、乳酸及びクエン酸などの有機酸、ピルビン酸、リン酸、スルホン酸などの酸、並びにこれらの酸の塩が挙げられ、これらの原料を使用して、麺線のpHが6以下となるように酸液の濃度、pH,浸漬時間を調整する
8.包装工程
次いで、酸液浸漬工程でpHを調整した麺線を所定重量ずつ、ポリエチレンやポリプロピレン等から成る包装フィルムに密封包装する。密封することで、後述する殺菌工程で殺菌した後、外部からの新たな菌の付着を防止することができる。また、このとき、麺線の結着防止のため、ほぐれ剤を添加することができる。ほぐれ剤としては、各種使用できるが、大豆由来の水溶性ヘミセルロースやアラビアガムなどの水溶液がほぐれ効果が高く、また、風味の面でも好ましい。ほぐれ剤の添加量としては、包装する麺線の重量に対して5〜15重量%添加することが好ましい。
また、ほぐれ剤にβアミラーゼを添加することが好ましい。βアミラーゼを添加することにより、冷蔵保存時に経時的に食感がぼそついていくのを抑えられる。βアミラーゼの好ましい添加量としては、例えば、1200ユニット/gのβアミラーゼを0.2重量%〜8重量%溶液となるようにほぐれ剤に溶解して使用すればよい。
9.加熱殺菌工程
次いで包装工程で包装フィルムに密封した包装麺を60〜100℃の温度で加熱殺菌する。加熱殺菌の方法としては、例えば、60〜100℃となるように飽和水蒸気で調整した加熱殺菌庫に10〜50分間加熱殺菌する。
10.冷却工程
次いで加熱殺菌工程で殺菌した包装麺を冷却する。冷却方法は、特に限定はなく、冷水をシャワーして冷却するか、送風や冷風を当てて冷却した後、10℃以下の低温庫に入れて麺線を冷却すればよい。
11.その他工程
冷却した包装麺は、包装した液体スープや薬味等を添付してさらに容器や袋に包装して調理済みチルドそば製品とすることができる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
<予備試験>
表1の食塩を除く麺原料配合(重量%)を粉体混合し、表1の水に食塩を溶解した練り水を加えて真空ミキサー(−600mmHg)にて15分混練し、ドウを作製した。作製したドウをローラに通すことで粗麺帯を作製し、これを複合することで単層麺帯(12mm)を作製した。
作製した各試験区の麺帯を5回圧延し、目的とする1.5mmの厚みとした後、20番角刃の切刃ロールで切断し、麺線とした後、麺線長さが約30cmとなるように切断した。
切断した麺線を沸騰水で90秒ボイルし、10℃の冷水に30秒漬けて水洗を2回行い、十分に麺を冷却した後、1%乳酸水溶液に60秒浸漬してpHを6以下とし、170gずつポリエチレンの容器に入れ、大豆由来の水溶性ヘミセルロース2%水溶液からなるほぐれ剤を10g充填し、シールし密閉した。
密閉包装した麺線を蒸気で75℃に調整した加熱殺菌庫で30分間加熱殺菌した後、送風冷却をして粗熱を取り、10℃以下の低温庫に1晩保管して、調理済みチルドそばサンプルを作製した。
調理済みチルドそばサンプルは、水道水でほぐした後、水を切って喫食し、つるみ、食感について確認した。官能評価は、トレーニングを積んだベテランのパネラー5人によって行い、つるみについての評価は、つるみがあり非常に良好なものを5、つるみが良好なものを4、つるみが概ね可なものを3、つるみが弱く、ざらつきが目立つものを2、著しくざらつくものを1とし、5人のパネラーの総意で評価を行った。評価結果を下記表2に示す。また、コメントとしてつるみや食感について5人のパネラーの意見をまとめたものを記載した。
Figure 0006787859
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予備試験の結果より、そば粉の配合量が表面のつるみに影響を及ぼしていることがわかる。また、そば粉が20重量%以下であり、加工澱粉の量が麺原料粉に対して20〜80重量%であれば、ざらつきが抑えられ、つるみを維持することができることがわかる。ただし、加工澱粉が多すぎるとつるみが強くなりすぎ、麺の風味がなくなるため、麺原料粉の配合(特にそば粉の配合量)に合わせて適正なつるみとなるように配合することが好ましいことがわかる。さらに、好ましい加工澱粉としては、アセチル化、アセチル化リン酸架橋、エーテル化、エーテル化リン酸架橋澱粉であれば、老化による食感のぼそつきが抑えられ、つるみを維持できることがわかる。特にエーテル化、エーテル化リン酸架橋澱粉に効果があることがわかる。
(実験1)三層麺の検討
予備試験の試験区A−1〜A〜5の麺原料粉配合で作製した麺帯を外層麺帯とし、表3の麺原料配合で予備試験と同様の方法で作製した麺帯を内層麺帯とし、表4に記載したように、3層麺帯の水を除く麺原料の総重量に対して、そば粉の配合が30%となる組み合わせで3層麺帯を作製し、予備試験同様の方法により、調理済みチルドそば(実施例1−1〜1−6)を作製した。なお、三層麺帯の作製は、麺帯の厚みの比率が外層:内層:外層=1:2:1(各外層の厚み25%)となるように外層麺帯を6mmになるように圧延し、麺帯を積層して圧延ロールを通すことで圧着し、三層麺帯を作製した。
また、実施例1−7では、外層麺帯は、予備試験のA−2の麺原料配合で作製した麺帯とし、内層麺帯として表3のB-2の麺原料粉配合で作製したドウを−680mmHgの減圧下でエクストルーダを用いて押出した麺帯25mmを12mmに圧延したものを内層麺帯とし、外層麺帯を6mmに圧延して三層比が1:2:1となるように積層して圧延ロールにより圧着し三層麺帯を作製し、これを予備試験と同様の方法で調理済みチルド麺を作製した。
なお、予備試験のA−6の配合で作製した麺帯のみ(単層)を予備試験と同様の方法で作製した調理済みチルドそばサンプルを比較例1−1とした。また、予備試験のA−6の配合で作製した麺帯を内、外層麺帯とし、外層麺帯を6mmに圧延して三層比が1:2:1となるように積層して圧延ロールにより圧着し三層麺帯を作製し、これを予備試験と同様の方法で作製した調理済みチルド麺サンプルを比較例1−2とした。
作製した調理済みチルドそばサンプルを予備試験同様に調理し、つるみ及び食感について官能評価を行った。官能評価については、予備試験と同じ5人のトレーニングを積んだベテランパネラーにより5段階評価を行い、5人の評価の平均値をサンプルの値とした。つるみについては、予備試験と同様の基準で評価を行った。また、食感については、老化によるぼそつきがなく、適度な弾力を有し非常に良好なものを5点、老化によるぼそつきがほとんどなく、弾力を有し良好なものを4点、ぼそつき、弾力について概ね可なものを3点、老化によるぼそつきが目立ち、弾力にかけるものを2点、著しくぼそつき、弾力に欠けるものを1点とし、5人の評価の平均値をサンプルの値とした。官能評価結果について表4に示す。
Figure 0006787859
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実施例1−1については、老化によるぼそつきはほとんど感じられないが、つるみが強すぎるとの評価であった。それに対し、実施例1−2は、つるみは適性であるが、実施例1−1と比較し、僅かにぼそつくとの評価であった。実施例1−3以降は、外層のそば粉が増えるにつれてざらつきを感じ、ぼそつき感も感じられるようになるが概ね良好な結果となった。比較例1−1及び比較例1−2で示すように外層のそば粉の量が30%となると表面のつるみやぼそつきについては、悪い結果となった。三層化することによるつるみやほぐれの改善効果はほとんど見られなかった。つるみに関しては、予備試験とほぼ同様の結果となったが、ぼそつきについては、内層のそば粉の量が多いから老化によりぼそつくというわけではなく、外層のそば粉の量がぼそつきを感じさせる原因であることが示唆された。
実施例1−6は、内層をエーテル化リン酸架橋澱粉とした試験区であるが、実施例1−2の内層がエーテル化澱粉のものと比較して、内層が絞まったような食感であり、良好との評価であった。同様に実施例1−7は、内層を押出し麺帯として試験区であるが、実施例1−2よりも内層に硬さ(弾力)を感じ良好との結果となった。
(実験2)各外層の厚みの検討
実施例1−6の内外配合をベースとして外層と内層の厚みを振った試験(実施例2−1〜2−4)を行った。具体的には、下記表7の通りに外層及び内層の麺厚を調整して、圧延ロールにて圧着することで多層麺帯を作製し、予備試験の方法に従って調理済みチルドそばサンプルを作製した。実施例2-4は、外層2枚の内側に内層2枚を挟んだ4層麺帯とした後、予備試験1の方法に従って調理済みチルドそばサンプルを作製した。また、実施例2−5は、外層をA−4、内層をB−1とした配合で外層の厚みが33%となるように三層麺帯を作製し、予備試験の方法に従って調理済みチルドそばサンプルを作製した。
作製したサンプルは実験1と同様に評価を行った。評価結果については、表5に記載する。
Figure 0006787859
実施例2−1〜2−3並びに実施例1−2で示すように外層が薄くなるにつれ、つるみは若干悪くなる程度であったが、内層が厚くなることによる食感のぼそつきを感じるようになった。それに対し、実施例2−5では、内層の厚みが薄い分、外層のそば粉の配合量が多くなるため、つるみや食感が劣る結果となった。また、実施例2−4で示すように4層麺帯であっても三層麺帯と同じ結果となった。
(実験3)βアミラーゼのほぐれ剤への添加
実施例1−6の調理済みチルド麺サンプルを10℃以下の冷蔵室で保存し、1週間後に実験1同様に官能試験を行なった。また、ほぐし液にユニット数が1200μ/g以上のβアミラーゼを2.5重量%となるように添加する以外は、実施例1−6と同様に作製した調理済みチルド麺サンプル(実施例3−1)についても、保存開始前及び10℃以下の冷蔵室で保存1週間後に実施例1と同様に官能評価を行った。
官能評価結果について、表6に示す。
Figure 0006787859
βアミラーゼをほぐし液に添加することで、つるみは、変わらないものの保存時の経時的な老化によるぼそぼそした食感が抑制されることがわかる。

Claims (4)

  1. 複数の麺帯を積層して圧延することにより三層以上の多層麺帯を作製する麺帯作製工程と、
    前記麺帯作製工程で作製した前記多層麺帯を圧延し、切り出して麺線を作製する麺線作製工程と、
    前記麺線作製工程で作製した前記麺線を蒸し処理または茹で処理によりα化するα化工程と、
    前記α化工程でα化した前記麺線を水洗する水洗工程と、
    前記水洗工程で水洗した前記麺線を酸液に浸漬する酸液浸漬工程と、
    前記酸液浸漬工程で浸漬した前記麺線を包装する包装工程と、
    前記包装工程で包装された前記麺線を加熱殺菌する加熱殺菌工程と、
    前記加熱殺菌工程で殺菌された前記麺線を冷却する冷却工程と、を含む調理済みチルドそばの製造方法であって、
    前記複数の麺帯の内、上下の最外層にある外層麺帯は、
    水を除く前記外層麺帯の麺原料の総重量に対して、
    そば粉を0〜20重量%、
    アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を20〜80重量%含み、
    前記複数の麺帯の内、内側の内層麺帯は、
    水を除く前記内層麺帯の麺原料の総重量に対して、
    そば粉を40〜60重量%、
    アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を20〜50重量%含み、
    前記多層麺帯の厚みに対して、上下の前記外層麺帯の各厚みが10〜33%であり、
    水を除く前記多層麺帯の麺原料の総重量に対して30%以上そば粉を含むことを特徴とする調理済みチルドそばの製造方法。
  2. 前記内層麺帯の加工澱粉がエーテル化リン酸架橋澱粉であることを特徴とする請求項1記載の調理済みチルドそばの製造方法。
  3. 前記内層麺帯が減圧下でエクストルーダにより押し出された麺帯であることを特徴とする請求項1または2何れか一項記載の調理済みチルドそばの製造方法。
  4. 前記酸浸漬液工程の後、前記包装工程の前にβアミラーゼを含むほぐし液を前記麺線に付着させることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の調理済みチルドそばの製造方法。


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