JP6787859B2 - 調理済みチルドそばの製造方法 - Google Patents
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本発明に係る麺原料の内、主原料粉としては、そば粉並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を含む。また、その他の原材料粉としては、小麦粉(デュラム粉を含む)や生澱粉、α化澱粉、上記以外の加工を施した加工澱粉も使用することができるが、つなぎとしてそばの風味に影響が少ない小麦粉を使用することが好ましい。また、グルテンや卵白粉などの蛋白質粉末も使用できる。製麺性確保のために、そば粉及び加工澱粉の添加量の合計量に対して15〜25重量%(水を除く麺原料の総重量に対して5〜20重量%)のグルテンを添加することが望ましい。また、そばらしい歯切れを出す上で、卵白を水を除く麺原料の総重量に対してに1〜5重量%配合することが好ましい。
本発明における上下の最外層にある外層麺帯の麺原料の配合としては、水を除く麺原料の総重量に対してそば粉の配合量が0〜20重量%であることが好ましい。そば粉の配合量が多ければ、多いほどつるみが無くなり、食感のぼそつきが強くなるため、より好ましくは0〜10重量%である。また、そば粉が少なすぎるとつるみを強く感じすぎるため、そばらしい自然なつるみの範囲としてさらに好ましくは、2.5〜7.5重量%の範囲である。
本発明における内層麺帯の麺原料粉の配合としては、水を除く麺原料の総重量に対してそば粉の配合量が40〜60重量%であることが好ましい。そば粉の配合量が多いほどそばの風味が良好となるが、その分つなぎのためのグルテンの添加量や低温保存における食感の劣化防止のための加工澱粉の配合量も多くなる。40重量%未満となると外層に多くそば粉を含ませる必要があり、好ましくない。好ましくは、50〜60重量%である。
上記、原料を用いて、外層、内層の各層の麺生地(ドウ)を作製する。麺生地の作製方法としては、常法により作製すればよく、例えば、バッチミキサー、フロージェットミキサー、真空ミキサー等で、原料が均一に混ざるように混捏する方法が挙げられる。特に好ましくは、密度感を出し、食感の劣化を防止する上で真空ミキサーによりミキシングすることが好ましい。真空ミキサーの真空度としては−400mmHg以下の減圧下で行うことが好ましい。
次いで作製したドウから多層麺帯を作製する。各麺帯の作製方法としては、常法に従って行えばよく、ドウをロールにより粗麺帯としてそのまま使用するか、粗麺帯をさらに複合することにより麺帯化する方法や、エクストルーダ等を用いてドウを押し出して麺帯を作製する方法が挙げられる。これらの方法で作製した各麺帯を積層したものをロールにより圧着することで三層以上の多層麺帯を作製する。
次いで作製した多層麺帯から麺線を作製する。麺線の作製方法としては、多層麺帯をロールにより数回に分けて求める麺帯厚に徐々に圧延した後、切刃ロールと呼ばれるロールにより麺帯を切断するか、包丁刃等により麺帯を切断することにより麺線を作製する。
作製した麺線を容易に喫食できるように蒸し処理または茹で処理により麺線をα化し、予め調理しておく。蒸し処理としては、例えば、飽和蒸気を噴出させた蒸気庫内に麺線5〜15分程度通過されることでα化する方法が挙げられる。また、茹で処理としては、90℃以上のお湯となるように調整された茹で槽に麺線を45秒〜90秒程度浸漬させることでα化する方法が挙げられる。
次いで、α化した麺線を水洗する。水洗することにより、表面のぬめりをとり、麺線を冷却し、引き締める。水洗する方法としては、4〜20℃程度の水槽にα化した麺線を浸漬させる方法が挙げられる。このとき、水槽を複数槽用意し、段階的に麺線を水洗冷却することができる。また、水槽中にエアを噴出させることにより、麺線を動かしながら水洗、冷却できる。
次いで、水洗された麺線を酸液に浸漬する。酸液に浸漬することで麺線のpHを6以下とし、保存中の細菌の増殖を抑制する。酸液に使用する原料としては、酢酸、乳酸及びクエン酸などの有機酸、ピルビン酸、リン酸、スルホン酸などの酸、並びにこれらの酸の塩が挙げられ、これらの原料を使用して、麺線のpHが6以下となるように酸液の濃度、pH,浸漬時間を調整する
次いで、酸液浸漬工程でpHを調整した麺線を所定重量ずつ、ポリエチレンやポリプロピレン等から成る包装フィルムに密封包装する。密封することで、後述する殺菌工程で殺菌した後、外部からの新たな菌の付着を防止することができる。また、このとき、麺線の結着防止のため、ほぐれ剤を添加することができる。ほぐれ剤としては、各種使用できるが、大豆由来の水溶性ヘミセルロースやアラビアガムなどの水溶液がほぐれ効果が高く、また、風味の面でも好ましい。ほぐれ剤の添加量としては、包装する麺線の重量に対して5〜15重量%添加することが好ましい。
次いで包装工程で包装フィルムに密封した包装麺を60〜100℃の温度で加熱殺菌する。加熱殺菌の方法としては、例えば、60〜100℃となるように飽和水蒸気で調整した加熱殺菌庫に10〜50分間加熱殺菌する。
次いで加熱殺菌工程で殺菌した包装麺を冷却する。冷却方法は、特に限定はなく、冷水をシャワーして冷却するか、送風や冷風を当てて冷却した後、10℃以下の低温庫に入れて麺線を冷却すればよい。
冷却した包装麺は、包装した液体スープや薬味等を添付してさらに容器や袋に包装して調理済みチルドそば製品とすることができる。
表1の食塩を除く麺原料配合(重量%)を粉体混合し、表1の水に食塩を溶解した練り水を加えて真空ミキサー(−600mmHg)にて15分混練し、ドウを作製した。作製したドウをローラに通すことで粗麺帯を作製し、これを複合することで単層麺帯(12mm)を作製した。
予備試験の試験区A−1〜A〜5の麺原料粉配合で作製した麺帯を外層麺帯とし、表3の麺原料配合で予備試験と同様の方法で作製した麺帯を内層麺帯とし、表4に記載したように、3層麺帯の水を除く麺原料の総重量に対して、そば粉の配合が30%となる組み合わせで3層麺帯を作製し、予備試験同様の方法により、調理済みチルドそば(実施例1−1〜1−6)を作製した。なお、三層麺帯の作製は、麺帯の厚みの比率が外層:内層:外層=1:2:1(各外層の厚み25%)となるように外層麺帯を6mmになるように圧延し、麺帯を積層して圧延ロールを通すことで圧着し、三層麺帯を作製した。
実施例1−6の内外配合をベースとして外層と内層の厚みを振った試験(実施例2−1〜2−4)を行った。具体的には、下記表7の通りに外層及び内層の麺厚を調整して、圧延ロールにて圧着することで多層麺帯を作製し、予備試験の方法に従って調理済みチルドそばサンプルを作製した。実施例2-4は、外層2枚の内側に内層2枚を挟んだ4層麺帯とした後、予備試験1の方法に従って調理済みチルドそばサンプルを作製した。また、実施例2−5は、外層をA−4、内層をB−1とした配合で外層の厚みが33%となるように三層麺帯を作製し、予備試験の方法に従って調理済みチルドそばサンプルを作製した。
実施例1−6の調理済みチルド麺サンプルを10℃以下の冷蔵室で保存し、1週間後に実験1同様に官能試験を行なった。また、ほぐし液にユニット数が1200μ/g以上のβアミラーゼを2.5重量%となるように添加する以外は、実施例1−6と同様に作製した調理済みチルド麺サンプル(実施例3−1)についても、保存開始前及び10℃以下の冷蔵室で保存1週間後に実施例1と同様に官能評価を行った。
官能評価結果について、表6に示す。
Claims (4)
- 複数の麺帯を積層して圧延することにより三層以上の多層麺帯を作製する麺帯作製工程と、
前記麺帯作製工程で作製した前記多層麺帯を圧延し、切り出して麺線を作製する麺線作製工程と、
前記麺線作製工程で作製した前記麺線を蒸し処理または茹で処理によりα化するα化工程と、
前記α化工程でα化した前記麺線を水洗する水洗工程と、
前記水洗工程で水洗した前記麺線を酸液に浸漬する酸液浸漬工程と、
前記酸液浸漬工程で浸漬した前記麺線を包装する包装工程と、
前記包装工程で包装された前記麺線を加熱殺菌する加熱殺菌工程と、
前記加熱殺菌工程で殺菌された前記麺線を冷却する冷却工程と、を含む調理済みチルドそばの製造方法であって、
前記複数の麺帯の内、上下の最外層にある外層麺帯は、
水を除く前記外層麺帯の麺原料の総重量に対して、
そば粉を0〜20重量%、
アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を20〜80重量%含み、
前記複数の麺帯の内、内側の内層麺帯は、
水を除く前記内層麺帯の麺原料の総重量に対して、
そば粉を40〜60重量%、
アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉及びエーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1つの加工澱粉を20〜50重量%含み、
前記多層麺帯の厚みに対して、上下の前記外層麺帯の各厚みが10〜33%であり、
水を除く前記多層麺帯の麺原料の総重量に対して30%以上そば粉を含むことを特徴とする調理済みチルドそばの製造方法。 - 前記内層麺帯の加工澱粉がエーテル化リン酸架橋澱粉であることを特徴とする請求項1記載の調理済みチルドそばの製造方法。
- 前記内層麺帯が減圧下でエクストルーダにより押し出された麺帯であることを特徴とする請求項1または2何れか一項記載の調理済みチルドそばの製造方法。
- 前記酸浸漬液工程の後、前記包装工程の前にβアミラーゼを含むほぐし液を前記麺線に付着させることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の調理済みチルドそばの製造方法。
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