JP6927916B2 - 調理済みチルド中華麺の製造方法 - Google Patents

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本発明は、蒸煮より調理された低温保存可能な調理済みチルド中華麺の製造方法に関する。
従来、蒸しまたは茹で処理により麺線を調理し、加熱殺菌処理した、10℃以下の低温で保存可能な調理済みチルド麺が存在している。これらの麺は、簡単に茹でて喫食するタイプや、水でほぐして喫食するタイプ、ほぐし液でほぐした後、調味液をつけてそのまま喫食するタイプ、調味液のみでほぐしてそのまま喫食するタイプなどがある。
これらの麺は、冷蔵後短期間に老化が進行しやすく、つるみが失われ、食感がぼそぼそするなどといった課題があり、これらを改善する技術が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。これらの方法は、調理済みチルド麺の老化によるつるみや食感の劣化の改善技術として優れた方法であるが不十分であり、風味や食感、老化感の改善の点で未だ改善の余地があった。
特開2004−73183号公報 特許第6004676号公報
本発明は、老化感が抑制され、中華麺の風味、食感に優れた調理済みチルド中華麺の製造方法を提供することを課題とする。
加熱殺菌における調理済みチルド中華麺は、エーテル化リン酸架橋澱粉などの加工澱粉を添加することにより、つるみや食感の老化が抑えられることが知られているが、これらの加工澱粉は、つるみや弾力などの食感が小麦粉本来食感と異なっており、また、風味の点で劣るといった課題があった。そこで、老化感が抑えられ、中華麺の風味や食感に優れた調理済みチルド中華麺を開発すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、二枚の外層麺帯に内層麺帯を挟む形で積層して圧延することにより三層麺帯を作製する三層麺帯作製工程と、前記三層麺帯作製工程で作製した前記三層麺帯を圧延し、切り出して麺線を作製する麺線作製工程と、前記麺線作製工程で作製した前記麺線を蒸煮により調理する調理工程と、前記調理工程で調理した前記麺線を水洗する水洗工程と、前記水洗工程により水洗した前記麺線を包装する包装工程と、前記包装工程で包装された前記麺線を加熱殺菌する加熱殺菌工程と、前記加熱殺菌工程で殺菌された前記麺線を冷却する冷却工程と、を含む調理済みチルド中華麺の製造方法であって、前記外層麺帯は、外層麺原料粉と、練り水と、を混捏したドウからなる麺帯であり、前記外層麺原料粉は、前記外層麺原料粉の総重量に対して小麦粉35〜60重量%、エーテル化リン酸架橋澱粉25〜50重量%、グルテン5〜15重量%を含み、前記内層麺帯は、内層麺原料粉と、練り水と、を混捏したドウをエクストルーダーにより減圧下で押出した押出し麺帯であり、前記内層麺原料粉は、前記内層麺原料粉の総重量に対して小麦粉0〜20重量%、エーテル化リン酸架橋澱粉60〜80重量%、グルテン15〜25重量%を含むことを特徴とする調理済みチルド中華麺の製造方法である。
また、本発明に係る外層麺帯と内層麺帯の厚みの比は、1:1:1〜1:4:1であることが好ましい。
また、本発明に係る内層麺原料粉には小麦が含まれないことが好ましい。
また、本発明に係る外層麺原料粉及び内層麺原料粉に、アルギン酸を含み、調理工程がカルシウム水溶液による茹で処理であることが好ましい。
本発明により、老化感が抑制され、中華麺の風味、食感に優れた調理済みチルド中華麺の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
1.麺原料配合
本発明に係る外層麺原料粉及び内層麺原料粉としては、主な麺原料粉として、小麦粉、エーテル化リン酸架橋澱粉及びグルテンを含む。上記以外のその他の麺原料粉として、生澱粉またはエーテル化リン酸架橋澱粉以外の加工澱粉、全卵粉、卵白粉などの卵粉、アルギン酸、カルシウム製剤などの可溶性でない粉末物を添加することができる。その他の麺原料粉は、各層の麺原料粉の総重量に対して10重量%以下となるように添加することが好ましい。また、アルギン酸を添加することにより、麺自体の食感が絞まり、食感やほぐれ、つるみが良くなり、経時的な老化感が押されられるため、アルギン酸を添加することが好ましく、添加量としては、麺原料粉の全体の重量に対して0.2〜1重量%の範囲で添加することが好ましい。
麺原料粉以外のその他麺原料として、本発明では、麺の製造において一般に使用されている食塩やアルカリ剤、リン酸塩類、麺質改良剤、食用油脂、pH調整剤、乳化剤、酵素、増粘剤、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。これらは、練り水に溶かすか懸濁させて添加すればよい。
(1)外層麺原料粉の配合
本発明に係る外層麺原料粉の配合としては、外層麺原料粉の総重量に対し、小麦粉を35〜60重量%、エーテル化リン酸架橋澱粉を25〜50重量%、グルテンを5〜15重量%配合することが好ましい。外層麺帯の小麦粉が少ないと、麺らしい食感や風味が得られにくく、多すぎると、老化防止のためのエーテル化リン酸架橋澱粉の添加量が少なくなり老化しやすくなる。したがって、より好ましい小麦粉の配合量は、麺原料粉の総重量に対し、45〜55重量%の範囲である。外層麺帯のエーテル化リン酸架橋澱粉は、25重量%以上添加することが老化防止のために好ましい。しかしながら、添加し過ぎると小麦粉の配合量が少なくなり、製麺性を出すためのグルテンの配合量が増え、風味が悪くなり、食感が柔らかく、ほぐれが悪くなる。より好ましくは30〜40重量%の範囲で添加することが好ましい。エーテル化リン酸架橋澱粉はグルテンを含まないため、そのままでは、製麺性や食感が悪くなるため、グルテンを添加することが好ましく、添加量としては、外層麺原料粉の総重量に対して5〜15重量%添加することが好ましい。
(2)内層麺原料粉の配合
本発明に係る内層麺原料粉の配合としては、内層麺原料粉の総重量に対し、小麦粉を0〜20重量%、エーテル化リン酸架橋澱粉を60〜80重量%、グルテンを15〜25重量%であることが好ましい。内層麺帯の小麦粉の配合が増加すると、食感が硬くなり、麺が老化し易くなるため、好ましくなく、20重量%以下、より好ましくは、5%以下、さらに好ましくは小麦粉自体を配合しない方が好ましい。風味に関しては、内層の小麦粉を無くしたとしても外層由来の小麦により十分良好な風味を感じることができる。内層麺帯のエーテル化リン酸架橋澱粉に関しては、添加量が多い方が老化が抑えられるため、より好ましくは70〜80重量%の範囲で添加することが好ましい。グルテンに関しては、エーテル化リン酸架橋澱粉の添加量に合わせて製麺性、食感を出すために、内層麺原料粉の総重量に対して15〜25重量%の範囲で添加量を調製すればよい。
2.混捏工程
上記原料を用いて、外層、内層の各層の麺生地(ドウ)を作製する。麺生地の作製方法としては、常法により作製すればよく、例えば、バッチミキサー、フロージェットミキサー、真空ミキサー等で、原料が均一に混ざるように混捏する方法が挙げられる。特に好ましくは、密度感を出し、食感の劣化を抑制する上で真空ミキサーによりミキシングすることが好ましい。真空ミキサーの真空度としては−400mmHg以下の減圧下で行うことが好ましい。
3.三層麺帯作製工程
次いで作製したドウから麺帯を作製する。
本発明に係る内層麺帯については、減圧下でエクストルーダーによりドウを押し出して押出し麺帯(真空麺帯)を作製する。真空麺帯とすることで麺帯が緻密な構造となり、澱粉が多い配合からくる麺線の茹で伸びや柔らかい食感を抑えることができるだけでなく、経時的な食感の劣化を防止することができる。また、冷蔵保存時の外層から内層への水分移行が起こりにくく食感が維持されやすい。好ましい減圧範囲は−400mmHg以下である。
また、本発明に係る外層麺帯については、常法により作製すればよく、ドウをロールにより粗麺帯とした後、さらに複合することにより作製する複合麺帯や、上述した真空麺帯を使用することができるが、複合麺帯が好ましい。外層麺帯と内層麺帯に密度差を設けることで、生麺的な弾力のある食感となる。外層自体も真空麺帯とすることも可能であるが、外層に小麦粉を多く含むため、外層が硬い食感となる。
次いで、作製した外層麺帯と内層麺帯から三層麺帯を作製する。三層麺帯の作製方法は、特に限定はないが、二枚の外層麺帯の間に内層麺帯を挟んでロールにより圧延し、三層麺帯とする方法や、外層麺帯一枚と内層麺帯をロールにより圧延し、圧着した後、さらに外層麺帯一枚を加えてロールにより圧着し、三層麺帯とする方法が挙げられる。
このとき、外層麺帯が厚く、内層麺帯が薄いと麺の老化感が増し、外層麺帯が薄く、内層麺帯が厚いと、老化感は抑制されるが風味が悪くなり、茹で伸びしやすく、内層の食感も柔らかくなる。したがって、好ましい外層麺帯と内層麺帯の厚みの比は、外層:内層:外層が1:1:1〜1:4:1の範囲が好ましい。
4.麺線作製工程
次いで作製した三層麺帯から麺線を作製する。麺線の作製方法としては、三層麺帯をロールにより数回に分けて徐々に求める麺帯厚に圧延した後、切刃ロールと呼ばれるロールにより麺帯を切断するか、包丁刃等により麺帯を切り出すことにより麺線を作製する。
5.調理工程
作製した麺線を容易に喫食できるように蒸し処理または茹で処理により麺線を蒸煮し、予め調理しておく。蒸し処理としては、例えば、飽和蒸気を噴出させた蒸気庫内に麺線5〜15分程度通過されることで調理する方法が挙げられる。また、茹で処理としては、茹で湯の温度が90℃以上なるように調整された茹で槽に麺線を60秒〜300秒程度浸漬させることで調理する方法が挙げられる。本件発明については、麺原料粉としてアルギン酸を使用する場合は、茹で処理により調理することが好ましく、茹で湯にカルシウム塩を0.25〜3g/L程度添加することが好ましい。そうすることで、麺線のほぐれが良く、老化によるつるみや食感の劣化が抑えられる。
6.水洗工程
次いで、調理した麺線を水洗する。水洗することにより、表面のぬめりをとり、麺線を冷却し、引き締める。水洗する方法としては、4〜20℃程度の水槽に調理した麺線を浸漬させる方法が挙げられる。このとき、水槽を複数槽用意し、段階的に麺線を水洗冷却することができる。また、水槽中にエアを噴出させることにより、麺線を動かしながら水洗、冷却できる。
7.包装工程
次いで、水冷した麺線を所定重量ずつ、ポリエチレンやポリプロピレン等から成る包装フィルムに密封包装する。密封することで、後述する加熱殺菌工程で殺菌した後、外部からの新たな菌の付着を防止することができる。また、このとき、麺線の結着防止のため、ほぐれ剤を添加することができる。ほぐれ剤としては、各種使用できるが、大豆由来の水溶性ヘミセルロースやアラビアガム、キサンタンガムなどの水溶液がほぐれ効果が高く、また、風味の面でも好ましい。ほぐれ剤の添加量としては、包装する麺線の重量に対して5〜15重量%添加することが好ましい。
8.加熱殺菌工程
次いで包装工程で包装フィルムに密封した包装麺を60〜100℃の温度で加熱殺菌する。加熱殺菌の方法としては、例えば、60〜100℃となるように飽和水蒸気で調整した加熱殺菌庫に10〜50分間加熱殺菌する。加熱殺菌は、高温であると短時間の加熱で済むが、糊化が進み、食感にムラが出たり、ほぐれが悪くなるため、好ましくは、80℃未満で行うことが好ましい。また、低温過ぎると時間がかかるため、さらに好ましくは、70〜78℃で25〜40分程度加熱殺菌することが好ましい。
9.冷却工程
次いで加熱殺菌工程で殺菌した包装麺を冷却する。冷却方法は、特に限定はなく、冷水をシャワーして冷却する方法や自然放置、送風や冷風を当てて冷却する方法などにより冷却した後、10℃以下の低温庫に入れて麺線を冷却すればよい。
11.その他工程
冷却した包装麺は、包装した液体スープや薬味等を添付してさらに容器や袋に包装して調理済みチルド中華麺製品とすることができる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
<実験1>予備検討
(試験例1)
エーテル化リン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)770g、グルテン225g、焼成カルシウム5gからなる麺原料粉1Kgに、食塩10g、かんすい製剤12g炭酸ナトリウム5:炭酸カリウム4:重合リン酸塩1)、カロチン色素4、トレハロース10gを400mlの水に溶解した練り水を加え、4分間混捏した後、−500mmHgの減圧下で8分間混捏し、ドウを作製した。
作製したドウを複合して12mmの麺帯を作製し、ロール圧延にて1.35mmまで麺帯を圧延した後、20番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした後、約30cmとなるように麺線をカットした。
切断した麺線を沸騰水で2分30秒茹で処理し、10℃の冷水に30秒漬けて水洗を2回行い、十分に麺を冷却した後、140gずつポリエチレンの容器に入れ、大豆由来の水溶性ヘミセルロース5重量%、キサンタンガム0.25重量%水溶液からなるほぐれ剤を10g充填し、シールし密閉した。
密閉包装した麺線を蒸気で75℃に調整した加熱殺菌庫で30分間加熱殺菌した後、送風冷却をして粗熱を取り、10℃以下の低温庫に一晩保管して、調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。さらに老化感の評価として調理済みチルド中華麺サンプルを10℃以下の冷凍庫で4日間保管した。
(試験例2)
麺原料粉の配合を小麦粉450gエーテル化リン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)400g、グルテン145g、焼成カルシウム5gとする以外は、試験例1の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。
(試験例3)
麺原料粉の配合を小麦粉700gエーテル化リン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)200g、グルテン95g、焼成カルシウム5gとする以外は、試験例1の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。
(試験例4)
外層麺帯を試験例3の麺帯とし、厚みを6mmに圧延して、半分に切断した。内層麺帯を試験例1の麺帯とし、外層二枚に内層を挟む形でロール圧延し、圧着して三層麺帯を作製した。作製した三層麺帯は、試験例1の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。
(試験例5)
外層麺帯を試験例2の麺帯とし、厚みを6mmに圧延して、半分に切断した。内層麺帯を試験例1の麺帯とし、外層二枚に内層を挟む形でロール圧延し、圧着して三層麺帯を作製した。作製した三層麺帯は、試験例1の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。
(試験例6)
外層麺帯を試験例2の麺帯とし、厚みを6mmに圧延して、半分に切断した。内層麺帯は、試験例1の配合によりドウを作製した後、エクストルーダーによりー600mmHgの減圧下で押出して真空麺帯を作製した。外層二枚に内層を挟む形でロール圧延し、圧着して三層麺帯を作製した。作製した三層麺帯は、試験例1の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。
(試験例7)
外層麺帯の麺原料粉の配合を小麦粉450gエーテル化リン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)400g、グルテン138g、アルギン酸7g、焼成カルシウム5gとし、内層麺帯の麺原料粉の配合をエーテル化リン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)770g、グルテン218g、アルギン酸7g、焼成カルシウム5gとし、茹で処理する茹で湯を0.1重量%塩化カルシウム水溶液とする以外は、試験例6の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。
調理済みチルド中華麺サンプルは、冷やし中華用のたれを40ml加え、よくほぐした後喫食し、ほぐれ、風味、食感、茹で伸び状態について確認した。評価は、トレーニングを積んだベテランのパネラー5人によって行い、5人のパネラーの総意によるオープンパネル形式で評価を行った。また、老化感については、10℃以下の低温庫に4日間保管したサンプルを同様に喫食し評価を行った。それぞれの評価は5段階で行い、評価5が非常に良好、評価4が良好、評価3が製品レベルとして可、評価2が劣る、評価1が非常に劣るとした。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0006927916
試験例1では、麺が著しく茹で溶けし、べとつくだけでなく、麺線が細長くのびる茹で伸びがおき、求める太さや形状を保つことができなかった。食感は柔らかすぎ、小麦粉が含まれていないため風味も悪かった。ただし、老化感については、作製後1日目のものと比べ、麺の表面のつるみ、噛んだ時の芯の粘り等に差は認められなかった。
試験例2では、小麦粉の添加量が増える分だけ、試験例1よりもほぐれ、風味、茹で伸びが良くなった。食感は、概ね可であるが、老化については、特に麺内部の粘りが弱くなった。
試験例3では、小麦粉の添加量がさらに増えることで、試験例1や2と比較してほぐれ、茹で伸び、風味は良好となった。しかしながら、食感は、一日後に表面のつるみや粘りが失われつつあり、4日後の老化感の評価においては、つるみや芯の粘りが失われていた。
試験例4、5では、外層麺帯を試験例2、3の配合とし、内層を試験例1の配合としたが、ほぐれ、茹で伸び及び風味については概ね可以上の結果であったが、内層が柔らかすぎ、食感としては、バランスが悪い結果となった。また、外層に小麦が多い試験例4では、外層の老化が目立つ結果となった。
試験例6では、試験例5の内層麺帯を真空麺帯としたが、内層の柔らかさが抑えられ、茹で伸び、食感が試験例5と比べ明らかに良くなった。また、内層麺帯を真空麺帯とすることで水分移行が抑えられるためか、老化感についても試験例5と比べ良好であった。
試験例7では、アルギン酸を添加し、塩化カルシウム水溶液により茹で処理したが、外層のほぐれやつるみが改善し、内層が絞まるため、食感、茹で伸び及び老化感が試験例6と比較してさらに良くなり、非常に良好であった。
<実験2>外層麺原料粉の配合の検討
(試験例8〜12)
外層麺原料粉を下記表2の配合とする以外は、試験例7の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。作製した調理済みチルド中華麺サンプルは実験1と同様に評価を行った。
Figure 0006927916
外層麺原料粉の配合については、小麦粉の量が増えるにつれてほぐれ、茹で伸び、風味が良くなっていった。食感については、小麦粉の量が増えるにつれて表面に硬さが出てくるが、量が多くなると外層に老化した感じが出てきた。老化感については、小麦粉の量が増えるほど表面のつるみが弱くなり、硬もろい感じが出てきた。
<実験3>内層麺原料粉の配合の検討
(試験例13〜17)
内層麺原料粉を下記表2の配合とする以外は、試験例7の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。作製した調理済みチルド中華麺サンプルは実験1と同様に評価を行った。
Figure 0006927916
内層の小麦粉配合を増加するほど、風味は良くなっていくものの、食感は内層にグリグリとした硬さが出るようになり、老化感は、内層が粘りが無く、硬もろくなる傾向が認められた。
<実験4>三層比の検討
(試験例18〜20)
外層の厚みを、3mm、4mm、12mm(圧延せず)とする以外は、試験例7の方法に従って調理済みチルド中華麺サンプルを作製した。作製した調理済みチルド中華麺サンプルは実験1と同様に評価を行った。
Figure 0006927916
内層の厚み比が高いと茹で伸びする傾向であり、食感は柔らかなり、風味が悪くなっていく傾向が認められた。逆に内層の厚み比を薄くすると、風味は良くなるものの、外層の老化感を感じるようになり、食感も悪くなる傾向が認められた。

Claims (4)

  1. 二枚の外層麺帯に内層麺帯を挟む形で積層して圧延することにより三層麺帯を作製する三層麺帯作製工程と、
    前記三層麺帯作製工程で作製した前記三層麺帯を圧延し、切り出して麺線を作製する麺線作製工程と、
    前記麺線作製工程で作製した前記麺線を蒸煮により調理する調理工程と、
    前記調理工程で調理した前記麺線を水洗する水洗工程と、
    前記水洗工程により水洗した前記麺線を包装する包装工程と、
    前記包装工程で包装された前記麺線を加熱殺菌する加熱殺菌工程と、
    前記加熱殺菌工程で殺菌された前記麺線を冷却する冷却工程と、を含む調理済みチルド中華麺の製造方法であって、
    前記外層麺帯は、
    外層麺原料粉と、練り水と、を混捏したドウからなる麺帯であり、
    前記外層麺原料粉は、前記外層麺原料粉の総重量に対して小麦粉35〜60重量%、エーテル化リン酸架橋澱粉25〜50重量%、グルテン5〜15重量%を含み、
    前記内層麺帯は、
    内層麺原料粉と、練り水と、を混捏したドウをエクストルーダーにより減圧下で押出した押出し麺帯であり、
    前記内層麺原料粉は、前記内層麺原料粉の総重量に対して小麦粉0〜20重量%、エーテル化リン酸架橋澱粉60〜80重量%、グルテン15〜25重量%を含むことを特徴とする調理済みチルド中華麺の製造方法。
  2. 前記外層麺帯と前記内層麺帯の厚みの比が1:1:1〜1:4:1であることを特徴とする請求項1記載の調理済みチルド中華麺の製造方法。
  3. 前記内層麺原料粉に小麦粉が含まれないことを特徴とする請求項1または2記載の調理済みチルド中華麺の製造方法。
  4. 前記外層麺原料粉及び内層麺原料粉にアルギン酸を含み、
    前記蒸煮がカルシウム塩を含む水溶液によって前記麺線を茹で処理する方法であることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の調理済みチルド中華麺の製造方法。


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