JP2000166493A - 澱粉含有食品の結着防止剤、即席麺類及びその製法 - Google Patents

澱粉含有食品の結着防止剤、即席麺類及びその製法

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JP2000166493A
JP2000166493A JP10342623A JP34262398A JP2000166493A JP 2000166493 A JP2000166493 A JP 2000166493A JP 10342623 A JP10342623 A JP 10342623A JP 34262398 A JP34262398 A JP 34262398A JP 2000166493 A JP2000166493 A JP 2000166493A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に即席麺類等の乾燥して流通される澱粉含有
食品に好適に用いられ、即席麺類等の澱粉含有食品の製
造時及び長期保存後も食品片同士の結着防止効果が高い
澱粉含有食品の結着防止剤を提供する。また、麺線を乾
燥、即席麺化した後、熱湯で復元させた時に麺のほぐれ
がよく、短時間で均一に復元し、食感が良好で、長期保
存後も麺線結着防止効果が得られる即席麺類及びその製
法を提供するにある。 【解決手段】水溶性多糖類とトレハロースとを含有する
澱粉含有食品の結着防止剤、また、麺線表面に、水溶性
多糖類とトレハロースとが施与されてなる即席麺類及び
穀粉原料に加水して混練した麺生地を麺線化し、蒸煮
後、乾燥して即席麺類を得るに際して、乾燥前の麺線表
面に、水溶性多糖類とトレハロースとを施与することを
特徴とする即席麺類の製法によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、即席麺類等の澱
粉含有食品の相互結着を防止し得る澱粉含有食品の結着
防止剤、更に、この結着防止剤を使用することによっ
て、油脂を使用せずに麺線を結着させることなく、乾燥
麺玉化することが可能で、かつ、この乾燥麺玉に熱湯を
注いだ後の復元性が良好で、風味のよい即席麺類及びそ
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱湯を注いで短時間で喫食可能
な状態に復元させることができる乾燥即席麺は、大別す
ると、ノンフライ麺とフライ麺とに分類される。このう
ち、フライ麺は、麺線を油揚げ処理することによって水
分を除去するとともに、麺線組織を多孔質化し、喫食
時、この多孔質組織内に熱湯を速やかに浸透させて復元
させるものである。しかしながら、フライ麺は、麺線中
に油脂を多量に含むため、喫食した時にボリューム感は
得られるものの、特有のフライ臭があること、比較的短
期間で油脂が酸化してしまうこと、カロリーが高いこと
等の欠点がある。これに対し、ノンフライ麺は、蒸煮処
理によって麺線内の澱粉粒を膨潤させると共に、麺線組
織の水分を除去する方法として、油揚げ処理ではなく、
熱風乾燥を行っているため、上記フライ麺の欠点は改善
されている。
【0003】上記ノンフライ乾燥即席麺の代表的な製法
としては、例えば、特公昭56−9098号公報に記載
の製法が挙げられる。この方法は、穀粉原料と澱粉類と
油脂とを含有するドウから調製された生麺線を蒸煮処理
し、いったん麺線を30〜60℃に冷却した後、乾燥す
る方法である。澱粉を添加することにより、復元性を高
めるとともに、油脂を添加することにより、澱粉含有量
が多くても、麺帯圧延時の製麺性が良くなるものであ
る。しかしながら、この方法では、麺線中に油脂が存在
しているため、蒸煮時もしくは復元時の澱粉の膨潤が阻
害され、歯への付着感といった好ましくない食感となっ
たり、復元ムラが起こったり、長期間保存中の油脂の酸
化の原因になったりする。また、油脂を使用すると、近
年の消費者の低カロリー志向に対して逆行する。また、
この方法では、蒸煮コンベア上の蒸煮麺線を蒸煮コンベ
アスピードとは異なるスピードの搬送コンベアに移送し
て麺線をほぐすとともに、冷風で30〜60℃に冷却す
ることにより、麺線同士の結着を防止しようとしてい
る。しかしながら、この方法では、麺線同士の結着防止
効果は不十分である。特に、喫食用カップに収容されて
販売されるカップ麺の場合、麺線は上記冷却工程の後、
型に入れて乾燥するが、その際、麺線が自重によって相
互に結着したまま乾燥され、復元時の復元ムラ、食感不
良の原因となる。この傾向は、油脂の含有量が少なく、
澱粉の含有量が多い麺ほど顕著である。また、冷却され
る麺線の温度が30℃に近づくにつれ、α化澱粉が固化
し、かえって麺線結着が強固になるため、30℃以下に
ならないような温度管理システムが必要である。
【0004】また、他の製法としては、特公昭56−4
2257号公報に記載の方法が挙げられる。この方法
は、小麦粉、澱粉などから調製された生麺線の表面に食
用油脂の水中油型乳化液を付着させた後、蒸煮し、乾燥
する方法である。この方法によれば、麺線同士の結着は
防止されるものの、乳化液の付着量によっては乳化液独
特の風味や長期保存中の油脂の酸化によって、麺やスー
プの風味を損なってしまう。また、乳化液を多量に付与
すると、乳化液中の油脂の存在によって水分の蒸発が阻
害され、乾燥工程での乾燥効率が悪く、乾燥に時間がか
かるという問題がある。
【0005】そこで、乳化液の施与に代えて、結着を防
止する方法が開発されている。例えば、特開平9−5
1764号公報に記載のように、アラビアガム、プルラ
ンまたは水溶性大豆多糖類のいずれかを茹で麺にコーテ
ィングして茹で麺同士の結着を防止する方法、特開平
10−155445号公報に記載の麺線自体に予めアラ
ビアガムを練り込む方法、特開平5−276882号
公報に記載のアラビアガム等の天然多糖類またはその分
解物の水溶液で麺線を茹でるか、麺線自体に練り込む方
法である。
【0006】しかしながら、これらの方法では、麺線相
互の結着防止効果は不十分である。すなわち、アラビア
ガム等の水溶液に浸漬するか、もしくは茹でる、上記
の方法では、高濃度の水溶液(アラビアガム水溶液で
は10重量%)を用いることによって、多量にアラビア
ガム水溶液を付着させる必要があり、喫食時の麺の食感
を悪くする。また、これらは、水分が多量に残る茹で麺
の状態では結着防止効果はあるものの、即席麺とするた
めに麺線を麺玉化したり、麺玉を乾燥したりする段階
で、自重で麺線同士が強く接触するために結着し、結局
十分な結着防止効果が得られない。また、麺線自体に予
めアラビアガムを練りこむの方法では、麺線の表面で
の結着防止効果を得るためには、アラビアガムを多量に
練りこむ必要があり、その場合、澱粉の膨潤が抑制され
て復元時の麺の食感が悪くなってぼそぼそしたものとな
ってしまう。また、上記のいずれの方法において
も、水分の存在下では、アラビアガムが結着防止剤とし
て作用するが、乾燥後の経時によって、アラビアガム等
の結着防止効果が弱まるので、長期保存流通を行う即席
麺類では持続した効果が得られない。また、即席麺類に
おいては、麺線中の澱粉が充分膨潤した状態で乾燥する
ことが必要であるが、上記の方法では、澱粉の膨
潤が抑制されるので、即席麺類を熱湯中で茹でて調理す
る必要があり、熱湯を注ぐだけで、また、短時間で復元
させることは難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、特に即席麺類等の乾燥して流通される澱粉含有食
品に好適に用いられ、即席麺類等の澱粉含有食品の製造
時及び長期保存後も食品片同士の結着防止効果が高い澱
粉含有食品の結着防止剤を提供するにある。また、本発
明の目的とするところは、麺線を乾燥、即席麺化した
後、熱湯で復元させた時に麺のほぐれがよく、短時間で
均一に復元し、食感、風味が良好な即席麺類及びその製
法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、水溶性多
糖類とトレハロースとを含有する澱粉含有食品の結着防
止剤によって達成される。また、上記目的は、麺線表面
に、水溶性多糖類とトレハロースとが施与されてなる即
席麺類によって達成される。また、上記目的は、穀粉原
料に加水して混練した麺生地を麺線化し、蒸煮後、乾燥
して即席麺類を得るに際して、乾燥前の麺線表面に、水
溶性多糖類とトレハロースとを施与することを特徴とす
る即席麺類の製法によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳しく説明する。
本発明に係る澱粉含有食品は、穀類食品(米、小麦、大
麦、ひえ、粟等)を1次加工又は2次加工した食品のこ
とをいう。1次加工食品としては、米飯、麦飯、バター
ライス、餅類、団子、乾麺、生麺、パスタ等があり、ま
た、2次加工品としては、1次加工食品を調理するもし
くはしないにかかわらず、再調理した食品、例えば、お
にぎり、ピラフ、焼き飯、かやくご飯等の米飯調理食
品、即席麺類等の麺類加工食品等がある。
【0010】この中で、本発明に係る即席麺類は、ラー
メンなどの中華麺や、うどん、そば等の和風麺や、マカ
ロニ、スパゲッティなどの洋風麺など各種の麺類であ
る。特にノンフライの乾燥即席麺としたとき、好結果が
得られる。また、ノンフライの乾燥即席麺としては、熱
湯を注ぐだけで短時間で復元するタイプと、熱湯中で短
時間茹でるタイプとがあるが、本発明においては特に熱
湯を注いで復元するタイプにおいて、麺のほぐれ、復元
性が良好となる点で特に効果的である。すなわち、ノン
フライ乾燥即席麺類は、麺線同士が製麺の段階でほぐれ
ていても、麺玉化して乾燥する際に、麺線の自重によっ
て結着したまま乾燥されるので、熱湯で復元する際に、
結着した部分の熱水の浸透性が悪く、ほぐれが悪くなっ
たり、ほぐれても復元ムラができて食感が悪くなるとい
う問題があるので、本発明が好適に適用される。その
他、フライ麺、LL麺、乾麺等に適用してもよい。
【0011】また、上記即席麺類は、穀粉原料を主体と
するものである。穀粉原料としては、例えば小麦、蕎
麦、米、粟、稗などが挙げられる。これらは単独でも複
数組み合わせてもよい。また、この穀粉原料を主体と
し、これに必要に応じて澱粉類を配合してもよい。澱粉
類としては、馬鈴薯、タピオカ、トウモロコシなどの澱
粉類や、これらを加工した架橋澱粉、酸性澱粉、変性澱
粉などの化工澱粉などが挙げられ、これらは単独でも複
数併用してもよい。
【0012】また、即席麺類の原料には上記原料以外
に、必要に応じて、糖類、卵、乳製品、調味料、乳化
剤、安定剤、塩類等を適宜添加してもよい。
【0013】次に、本発明の澱粉含有食品の結着防止剤
は、水溶性多糖類及びトレハロースを含有してなる。水
溶性多糖類は、ガラクトース及びアラビノースを構成糖
に含有する多糖類であり、具体的には、アラビアガム、
フラックスガム、トラガントガム、ガッティガム、Pr
unus属ガム(ダムソンガム)、アラビノガラクタ
ン、水溶性ヘミセルロース等が挙げられる。上記水溶性
多糖類のうち、アラビアガムは、豆科の植物、アカシア
セネガルの樹皮から分泌される粘質物である。フラック
スガムは、亜麻の種子の種皮に含まれる粘質物である。
また、トラガントガムは、Astragalus属の数
種の潅木の幹から浸出する粘質物である。また、ガッテ
ィガムは、樹木のAnogeissus latifo
liaから分泌する粘質物である。また、ダムソンガム
は、Prunus属のPrunus insitaから
分泌される粘質物である。また、アラビノガラクタン
は、唐松などの針葉樹やサトウカエデなどの樹液から得
られる粘質物である。これらは種子、樹脂(様)、果実
等から得られる植物系粘質物である。
【0014】また、ヘミセルロースとは、植物の細胞壁
に含まれる多糖類のうち、希アルカリによって抽出され
るものであり、水溶性であることが多く、酸により容易
に加水分解される性質を有するものである。ヘミセルロ
ースは、構造的にも化学的性質もセルロースと類似して
おり、その分子量は、セルロースと比べて低く、重合度
約150前後の重合度の異なる分子の混合物である。本
発明では、このヘミセルロースのうち水溶性のものを使
用する。
【0015】水溶性ヘミセルロースは、大豆、パーム、
椰子、コーン、綿実等の油糧種子、米、小麦等の穀類、
小豆、エンドウ豆等の豆類を原料とし、それらから通常
の方法で油脂、蛋白質、澱粉質を除いた穀又は粕を用い
て、それらを酸性からアルカリ性の条件下、好ましくは
各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ましくは80〜
130℃で加水分解して水溶性画分を分画した後、その
まま乾燥するか、又は活性炭処理、樹脂吸着処理、エタ
ノール沈澱処理等をして疎水性物質もしくは低分子物質
を除去し乾燥することによって得ることができる。
【0016】また、原料が大豆であれば、豆腐、豆乳及
び分離大豆蛋白を製造するときに副生するおからを利
用、抽出することができる。こうして得られた水溶性ヘ
ミセルロースは、平均分子量が数万〜数百万であり、そ
の組成のおよそ8割以上が多糖類で、その他、粗灰分、
粗蛋白及び水分を含有している。また、構成糖として
は、ガラクトースが最も多く、次いで、ウロン酸及びア
ラビノース、その他、キシロース、フコース、ラムノー
ス及びグルコースが挙げられる。特に、大豆子葉由来の
ものは好適である。具体的には、大豆から得られる水溶
性多糖類「ソヤファイブ−S」(不二製油(株)製)等
が挙げられる。
【0017】上記水溶性多糖類は、単独でも数種組み合
わせてもよい。また、上記水溶性多糖類の中でも、アラ
ビアガム、水溶性ヘミセルロース等の、ヘテロ多糖類
で、アラビノースとガラクトースとが合計糖組成中の5
0重量%以上となっているものが結着防止効果の点でよ
り好適である。なお、上記水溶性多糖類の他、副原料中
に、ローカストビーンガム、カラヤガム、プルラン等の
他の被膜性を有する水溶性多糖類を入れてもよい。
【0018】次に、トレハロースは、ブドウ糖2分子が
1,1結合で結合した非還元性の糖類である。その結合
様式により、α,α−、α,β−、β,β−の3種の異
性体が存在し、それぞれトレハロース、ネオトレハロー
ス、イソトレハロースと呼ばれている。この中でも、
α,α−、1,1結合したトレハロース(例えば、
(株)林原商事製「トレハオースTM」等)は、好適に
用いられる。また、これらのトレハロースは単独でも数
種組み合わせてもよい。
【0019】次に、本発明の結着防止剤を用い、本発明
に係る澱粉含有食品のうち、即席麺類は、例えば、次の
ようにして製造される。すなわち、まず、上記穀粉を主
体とする原料に、加水し、混練して麺生地を調製する。
このとき、加水用の水性媒体に食塩や、かんすいなどの
アルカリ性物質や、色素などを必要に応じ添加してもよ
い。あるいは、単なる水を加水するのではなく、牛乳、
果汁、だしなどの各種水性媒体を用いるようにしてもよ
い。
【0020】次に、上記麺生地を所望の形状に麺線化
し、生麺線とする。麺線化する方法としては、麺生地を
麺帯化し、切刃で麺線に切り出す方法や、麺生地を押出
し成形する方法等が挙げられ、適宜選択して用いればよ
い。
【0021】次いで、上記生麺線をα化する。α化する
方法としては、ノンフライ乾燥即席麺類の場合には、飽
和水蒸気中で蒸煮する方法や、茹でる方法等が挙げら
れ、これらの方法を単独もしくは組み合わせて行えばよ
い。
【0022】次に、上記α化した麺線に、結着防止剤を
施与する。施与する方法としては、水溶性多糖類とトレ
ハロースとを、そのままもしくは水溶化して、麺線表面
に噴霧したり、まぶしたりする方法や、麺線をこの水溶
液中に浸漬する方法等が挙げられる。これらの方法は、
単独でも複数組み合わせてもよい。あるいは、水溶性多
糖類もしくはトレハロースの一方のみを水溶液化し、他
方を粉体で用いるようにしてもよく、同時に施与して
も、別々に施与してもよい。
【0023】また、水溶液化する場合は、まずトレハロ
ースを水溶液化して水溶性多糖類を添加する方が溶解性
の点で好適である。更に、水溶液をホモジナイザーで高
圧均質化すると、水溶性多糖類の水和が十分に短時間で
なされるので、少量の水溶性多糖類で効果を最大限に発
揮させる点で好適である。
【0024】次に、上記水溶性多糖類とトレハロースの
施与は、水溶液で用いる場合には、水溶性多糖類は、好
ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.5〜
1.0重量%、トレハロースは、好ましくは0.01〜
2重量%、更に好ましくは0.5〜1.0重量%にする
ことが望ましい。この濃度よりも少ないと、麺のほぐれ
に対する効果が不十分となり、また、乾燥後の結着防止
の持続効果も弱まる傾向にある。逆にこの濃度よりも多
いと、乾燥性や食感が悪くなり、また、熱湯復元時にスー
フ゜中に多量に溶出してスーフ゜の風味を悪くする傾向にあ
る。
【0025】最終的に、乾燥後の即席麺類には、麺重量
100に対して水溶性多糖類が望ましくは0.01〜
2、更に望ましくは0.05〜1.5、及びトレハロー
スが望ましくは0.01〜1、更に望ましくは0.05
〜0.2が結着していればよい。
【0026】次に、上記施与後のα化麺線を乾燥し、即
席麺類を得る。乾燥方法は、ノンフライ即席麺類の場合
は、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、凍結乾燥、天
日乾燥などが挙げられ、これらの方法の中から単独もし
くは数種組み合わせて用いればよい。また、乾燥の条件
も麺の配合や種類によって適宜設定すればよい。例え
ば、熱湯復元型の即席麺類の場合の乾燥条件は、型(リ
テイナー)に充填、麺玉化し、乾燥する。乾燥条件は、
型内予備乾燥を麺線水分好ましくは15〜35重量%、
更に好ましくは20〜30重量%になるまで行い、次い
で、脱型後、水分14重量%以下になるよう本乾燥し
て、即席麺類とする。このときの乾燥温度は80〜10
0℃、乾燥時間は15〜30分程度である。
【0027】このようにして得られた即席麺類は、結着
防止剤が麺線表面に施与されているので、麺時、麺線同
士の結着が防止され、かつ即席麺とした後の長期保存中
にもその効果が持続されるとともに、少量の水溶性多糖
類でその効果を発揮するものである。また、本発明の即
席麺類は、熱湯復元時にも容易にほぐれるので、スーフ゜と
のなじみがよく、また、麺線が全体に均一に復元するの
で、食感、つるみともに良好である。また、スーフ゜の風味
に影響することがなく、麺本来の風味とスーフ゜本来の風味
がともに最大限に生かされるものである。
【0028】また、本発明の即席麺類は、麺線表面に結
着防止剤が施与されているので、従来の麺線中への練り
込みを行った場合と異なり、麺線中の澱粉の膨潤は充分
になされており、熱湯中で茹でなくても、熱湯を注いで
短時間待つだけで喫食可能な状態に復元するものであ
る。そして、麺線時には、麺線表面の澱粉粒は、膨潤、
糊化しているものの、結着防止剤によって澱粉粒同士の
付着が抑制されている。また、麺線の乾燥後、長期保存
しても麺線表面の水分の蒸発が抑制されるので、麺線表
面の澱粉と結着防止剤との混合層が過乾燥になっておら
ず、熱湯を注いだときにも、この混合層内部に熱湯が充
分に浸透するので麺線のほぐれ、復元性も良好となる。
【0029】なお、上記製造例では、結着防止剤の施与
を1回しか行っていないが、α化の前後に1回〜数回施
与してもよく、乾燥工程の前に施与されればよい。α化
していない麺線に結着防止剤を施与するときには、結着
防止剤の水溶液中で茹でるようにしてもよい。
【0030】また、本発明の対象となる、上記即席麺以
外の澱粉含有食品の製造例としては、例えば、次のよう
な製造例が挙げられる。米飯、麦飯、餅類、バターライ
スなどは、常法に従い、炊飯し、その際に予め本発明の
結着防止剤を添加しておくか、炊き上がりに結着防止剤
を混ぜるとよい。混ぜる方法としては、結着防止剤入り
水溶液を噴霧して表面処理をする方法や結着防止剤をま
ぶす方法等が挙げられる。また、餅類は、炊飯以外に、
団子などと同様に常法に従い、原料を混練、蒸煮等を行
う加工工程で結着防止剤を添加するか、成形後、結着防
止剤を表面に施与すればよい。また、おにぎり、ピラ
フ、焼き飯、かやくご飯などは、上記米飯と同様、炊飯
時あるいは再調理時に、結着防止剤を添加すればよい。
これらの食品は、必要に応じ、冷凍又は加熱加工する。
また、焼き飯などは、焼き飯調理用の調味粉末や具材が
入った「焼き飯の素」の中に、結着防止剤を添加したも
のを製品化してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の結着防止剤は、
製麺時、麺線同士の結着を防止し、かつ即席麺とした後
の長期保存中にもその効果を持続するとともに、少量の
水溶性多糖類でその効果を発揮するものである。また、
結着防止剤が施与された即席麺類は、製麺時、麺線同士
の結着が防止され、かつ即席麺とした後の長期保存中に
もその効果が持続されるものである。また、本発明の即
席麺類は、熱湯復元時にも容易にほぐれるので、スーフ゜と
のなじみがよく、また、麺線が全体に均一に復元するの
で、食感、つるみともに良好である。また、スーフ゜の風味
に影響することがなく、麺本来の風味とスーフ゜本来の風味
がともに最大限に生かされるものである。また、本発明
の即席麺類の製造方法では、乾燥前の麺線に対して結着
防止剤を施与しているので、結着防止効果がより効果的
に発揮される。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。 (実施例1〜5)小麦粉750g、馬鈴薯澱粉250
g、水360ml、食塩20g、かん水4.5gからな
る原料を混合機にて15分間混合し、圧延して厚みを
0.85mmに調整後、角#18にて切り出し、これを
蒸煮機(100℃、3分間)にてα化した。次いで、α
化した麺線に、表1に示す濃度のアラビアガムとトレハ
ロースを混合した水溶液を、麺線に対して13重量%付
着させた。次に、モールドに130g充填し、90℃で
5分間乾燥させた後、モールドから麺玉を取出し、10
0℃で、20分間乾燥させ、冷却し、ノンフライ即席麺
を得た。この麺に熱湯を注ぎ、4分後の麺のほぐれ状
態、食感、風味について、製造1、3、5ヶ月後の評価
を、専門パネラー10名の官能評価により行った。表2
に、5点満点で評価した専門パネラー10名の平均点を
示す。
【0033】
【表1】
【0034】(比較例1)α化した麺線に1.0重量%濃
度のアラビアガム溶液を、麺線に対して13%付着させ
る以外は実施例1と同様にしてノンフライ即席麺を得、
評価を行った。その結果を表2に示す。
【0035】(比較例2)α化した麺線に0.5重量%濃
度のトレハロース溶液を、麺線に対して13%付着させ
る以外は実施例1と同様にしてノンフライ即席麺を得、
評価を行った。その結果を表2に示す。
【0036】(比較例3)小麦粉750g、馬鈴薯澱粉2
50g、水360ml、食塩20g、かん水4.5g、
アラビアガム0.032g、トレハロース0.016g
からなる原料を混合機にて15分間混合し、圧延して厚
みを0.85mmに調整後、角#18にて切り出し、こ
れを蒸煮機(100℃、3分間)にてα化した。次い
で、α化した麺線に、麺線に対して水を13重量%付着
させた。次に、モールドに130g充填した以降は、実
施例1と同様にしてノンフライ即席麺を得、評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2の結果より、実施例の即席麺は、5ヶ
月たった後も、良好な結果が得られた。一方、比較例の
即席麺は、製造1ヶ月後から、または製造5ヶ月後の評
価が悪かった。
【0039】(実施例6)α化した麺線に1.0重量%濃
度の水溶性ヘミセルロースと0.5重量%濃度のトレハ
ロースの混合溶液を麺線に対して13重量%付着させる
以外は実施例1と同様にしてノンフライ即席麺を得た。
得られたノンフライ即席麺について、実施例1と同様に
評価を行った。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例7)フライパンに、サラダ油10
ccを入れて熱し、米飯300gを入れて炒め、これ
に、予め粉体混合した「焼き飯の素」(アラビアガム
1.5g、トレハロース0.1g、塩2g、こしょう
0.5g、化学調味料0.2g、乾燥パセリ0.5g、
砂糖0.5g)を加え、5分間強火で炒めて、焼き飯を
得た。得られた焼き飯は、米飯粒がよくほぐれ、パラッ
とした食感であった。実施例7の「焼き飯の素」を用い
れば、初心者が調理しても簡単に本格的な焼き飯が得ら
れることがわかった。また、得られた焼き飯は、さめて
もべとつかず、また、冷凍しても米粒がばらけ易く、扱
いやすいものであった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性多糖類とトレハロースとを含有す
    る澱粉含有食品の結着防止剤。
  2. 【請求項2】 麺線表面に、水溶性多糖類とトレハロー
    スとが施与されてなる即席麺類。
  3. 【請求項3】 穀粉原料に加水して混練した麺生地を麺
    線化し、蒸煮後、乾燥して即席麺類を得るに際し、乾燥
    前の麺線表面に、水溶性多糖類とトレハロースとを施与
    することを特徴とする即席麺類の製法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004017755A1 (ja) * 2002-08-23 2004-03-04 Fuji Oil Company, Limited 即席食品
JP2006340626A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Okuno Chem Ind Co Ltd ソース添加剤
JP2010263877A (ja) * 2009-04-17 2010-11-25 Sanei Gen Ffi Inc クレス種子抽出物の新規用途
JP2017212890A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 アサヒグループ食品株式会社 凍結乾燥即席麺類及びその製造方法
JP2019097409A (ja) * 2017-11-28 2019-06-24 株式会社アサノ食品 加工米飯の製造方法

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