JP7076326B2 - 根菜類又はキノコ類含有ソース及びその製造方法並びにソースの風味改善方法 - Google Patents

根菜類又はキノコ類含有ソース及びその製造方法並びにソースの風味改善方法 Download PDF

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Description

本発明は、ソースに含有された根菜類又はキノコ類に特有の風味を改善する方法、及び該方法を利用した根菜類又はキノコ類含有ソースに関する。
根菜類やキノコ類は、特有の食感を有し、また栄養も豊富であるため、付け合わせのおかずや、炊き込みご飯又はソース若しくはスープの具材として、人気がある食材である。しかしながら、食材として用いられる根菜類やキノコ類の多くは、土壌中で栽培され、あるいはおがくずなどの木質材料を用いて栽培されていることから、食した時に土臭さ、おがくず臭さといった異味異臭が気になる場合が少なくない。このような、根菜類やキノコ類に特有の異味異臭の問題の対策としては従来、根菜類やキノコ類を酸やアルカリの溶液に浸漬する方法や油脂とともに加熱する方法などが提案されているが、これらの方法では、根菜類やキノコ類の本来の食感が減少してしまうおそれがある。また特に、市販されている根菜類又はキノコ類含有ソースの多くは、殺菌及び保存性向上の目的で加熱加圧処理(レトルト処理)されたレトルトソースであるところ、該ソースに含有されている根菜類やキノコ類の異味異臭がレトルト処理によって一層強くなっている場合があり、いわゆるレトルト臭と相俟って、風味の点で改良の余地がある。
特許文献1には、ナトリウム塩を含む飲食物において該ナトリウム塩の代替品としてカリウム塩が使用された場合に、該カリウム塩に起因する異味(エグ味)を改善(マスキング)するために、該飲食物に水溶性食物繊維を添加する技術が記載され、該水溶性食物繊維として、難消化性デキストリンなどが例示されている。また特許文献2には、豚由来コラーゲンペプチドを含有する可食性組成物において該ペプチドの特異な臭いや味を抑制するために、該可食性組成物に難消化性食物繊維を添加する技術が記載され、該難消化性食物繊維として、難消化性デキストリンなどが例示されている。特許文献1及び2には、根菜類やキノコ類を含有する食品は具体的に記載されていない。
国際公開第2012/017710号 特開2016-67320号公報
ソースは、基本的には、同じ液状又はペースト状の食品であるスープのようにそれ単独で食されるものではなく、食品全体の食味食感を調える目的で、他の食材と併用されるものであり、ソース自体が他の食材の風味を低下させることがないよう、細心の注意をもって使用する必要がある。このことは、根菜類又はキノコ類含有ソースにも当てはまることであるが、該ソースについては更に、前述した根菜類やキノコ類に特有の異味異臭の問題があり、風味の点で改良の余地がある。
本発明の課題は、根菜類やキノコ類に特有の異味異臭が低減され、風味に優れる根菜類又はキノコ類含有ソースを提供することである。
本発明は、根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材と、難消化性デキストリンとを含有する、根菜類又はキノコ類含有ソースである。
また本発明は、根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材と、難消化性デキストリンとを含有する、根菜類又はキノコ類含有ソースの製造方法であって、原料ソース、前記特定野菜食材及び前記難消化性デキストリンを混合する混合工程と、それらの混合物を加熱する工程とを有し、前記混合工程において、前記特定野菜食材100質量部に対し、前記難消化性デキストリンを30~1000質量部配合する、根菜類又はキノコ類含有ソースの製造方法である。
また本発明は、根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材を含有するソースの風味改善方法であって、前記ソース中の前記特定野菜食材100質量部に対し、難消化性デキストリンを30~1000質量部配合する、ソースの風味改善方法である。
本発明によれば、根菜類やキノコ類に特有の異味異臭が低減され、風味に優れる根菜類又はキノコ類含有ソースが提供される。本発明によって提供される根菜類又はキノコ類含有ソースは、ソース本来の風味が損なわれておらず、根菜類やキノコ類に由来する土臭さやおがくず臭さといった不快な風味が低減されており、パスタソースなどして好適である。
本発明の根菜類又はキノコ類含有ソース(以下、単に、「本発明のソース」ともいう。)は、根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材を含有する。根菜類及びキノコ類としては、食品として喫食可能なものを特に制限無く用いることができる。根菜類としては、例えば、ゴボウ、ニンジン、カブ、ダイコン、レンコン、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ等が挙げられる。キノコ類としては、例えば、シイタケ、マイタケ、エノキタケ、ナメコ、マッシュルーム、シメジ、ポルチーニ、エリンギ等が挙げられる。本発明のソースには、これらの特定野菜食材の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のソースにおいて、特定野菜食材(根菜類、キノコ類)の形態(形状及び大きさ)は特に限定されず、例えば、いわゆる具材とみなせる程度の大きさを有していてもよく、あるいは、ソース中に分散可能な粒子状であってもよい。前者の「具材としての特定野菜食材」は、例えば、原料となる根菜類又はキノコ類を切断することで得られる。また、後者の「粒子状の特定野菜食材」は、例えば、原料となる根菜類又はキノコ類を粉砕したり磨砕したりすることで得られる。本発明のソースは、具材としての特定野菜食材及び粒子状の特定野菜食材の双方を含有してもよい。具材としての特定野菜食材は、その製造のし易さや喫食し易さや見栄え等の観点から、最大差渡し長さが、好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であり、最小差渡し長さが、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上である。ここでいう「最大差渡し長さ」とは、特定野菜食材の平面視における差渡し長さの最大値であり、特定野菜食材を任意の方向に投影した場合の投影図における差渡し長さの最大値とも言える。また、「最小差渡し長さ」とは、特定野菜食材の平面視における差渡し長さの最小値であり、特定野菜食材を任意の方向に投影した場合の投影図における差渡し長さの最小値とも言える。
本発明のソースにおいて、特定野菜食材(根菜類、キノコ類)は、未処理のいわゆる生の特定野菜食材であってもよく、何らかの処理が施された処理済みの特定野菜食材であってもよく、特定野菜食材の種類等に応じて適宜選択し得る。特定野菜食材に施される処理としては、例えば、塩漬処理、ブランチング、焼成、水煮、乾燥、冷凍等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
根菜類やキノコ類の風味及び食感を引き立てつつ、それらに特有の異味異臭を効果的に低減させる観点から、本発明のソースにおける特定野菜食材(根菜類、キノコ類)は、「乾燥された特定野菜食材の加熱物」、「水煮された特定野菜食材の加熱物」又は「冷凍された特定野菜食材の加熱物」であることが好ましく、特に冷凍された特定野菜食材の加熱物であることが好ましい。前記「乾燥された特定野菜食材の加熱物」は、例えば、生の特定野菜食材を自然乾燥又は強制乾燥し、その乾燥特定野菜食材をそれ単体で又はソースと共に加熱することで得られる。前記自然乾燥としては、例えば天日干しが挙げられ、前記強制乾燥としては、例えば熱風吹き付けが挙げられる。前記「水煮された特定野菜食材の加熱物」は、例えば、生の特定野菜食材を水煮し、その水煮特定野菜食材をそれ単体で又はソースと共に加熱することで得られる。前記「冷凍された特定野菜食材の加熱物」は、例えば、生の野菜食材を冷凍し、その冷凍特定野菜食材をそれ単体で又はソースと共に加熱することで得られる。
本発明のソースにおいて、特定野菜食材(根菜類、キノコ類)の含有量は、特定野菜食材の種類やソースの種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、前記「具材としての特定野菜食材」の含有量は、本発明のソースの全質量に対して、好ましくは1~60質量%、より好ましくは10~50質量%、さらに好ましくは15~40質量%である。また、前記「粒子状の特定野菜食材」の含有量は、本発明のソースの全質量に対して、好ましくは5~60質量%、より好ましくは15~45質量%、更に好ましくは20~40質量%である。根菜類やキノコ類の含有量が少なすぎると、根菜類又はキノコ類含有ソースとして成立し難くなり、逆に多すぎると、これらの異味異臭が顕著になり、ソースとしてのバランスが崩れるおそれがある。
本発明のソースは、特定野菜食材(根菜類、キノコ類)に加えて更に、難消化性デキストリンを含有する。本発明のソースにおいて、難消化性デキストリンは主に、根菜類やキノコ類に特有の異味異臭を軽減する役割を担う。難消化性デキストリンには、植物から抽出された天然物と、人為的に合成された人工物とが存在するが、本発明のソースでは何れも用いることができ、水素添加により製造される還元難消化性デキストリンを用いることもできる。人工物の難消化性デキストリンは、一般に、小麦、米、豆類、イモ類、タピオカなどの植物由来の澱粉を出発原料として、これを加酸及び/又は加熱し、必要に応じ酵素処理を行うなどして製造される。
難消化性デキストリンとしては、食物繊維含量が80質量%以上、特に85~95質量%のものが特に好ましい。ここでいう「食物繊維含量」は、AOAC 2001.3に準拠し、酵素-HPLC法で定量された値である。
本発明のソースにおいて、難消化性デキストリンの含有量は、該ソースの全質量に対して、好ましくは1~41質量%、より好ましくは5~36質量%、さらに好ましくは10~20質量%である。難消化性デキストリンの含有量が少なすぎると、根菜類やキノコ類に由来する異味異臭の低減効果に乏しく、逆に多すぎると、ソースに難消化性デキストリンに由来する甘みが付与され、ソースの風味が低下するおそれがある。
本発明のソースは、根菜類及びキノコ類以外の具材を含有してもよく、斯かる具材として、例えば、畜肉類、魚介類、根菜類及びキノコ類以外の野菜類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のソースは、ソース部を含有する。ソース部は、本発明のソースにおいて常温(25℃)で流動性を有している部分であり、水分が主体の液状物又は流動物である。本発明のソースから固形物(例えば具材としての特定野菜食材)を取り除くとソース部が得られる。特定野菜食材(根菜類、キノコ類)として粒子状のものを用いた場合、ソース部にはその粒子状の特定野菜食材が含まれ得る。ソース部としては、根菜類やキノコ類を利用できるソースであれば特に制限されず、例えば、ミートソース、ホワイトソース、クリームソース、カルボナーラソース、オイルソース、トマトソース、バターソース、醤油ソース等が挙げられる。また、ソース部の原材料としては、一般にソースの原材料として使用されるものを特に制限無く使用することができ、例えば、水、出汁、フォン、牛乳、塩、砂糖、卵、バター、生クリーム、肉・野菜・豆類のペースト、ピューレ状物、醤油、酢、ブイヨン、コンソメ、酸味料、乳化剤、増粘剤、安定剤、着色料等が挙げられ、ソース部を構成するソースの種類等に応じて、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のソースは、固形物を除いたソース部の品温20℃における粘度は、1~10Pa・sであり、好ましくは3~8Pa・s、より好ましくは4~6Pa・sである。ここでいう「粘度」は、JIS Z 8803「液体の粘度-測定方法」に準拠し、B型粘度計で測定された値である。ソース部の粘度が前記特定範囲にあるソースは、比較的流動性が低いところ、根菜類やキノコ類が含有されたソースがそのような低流動性であると、根菜類やキノコ類に由来する異味異臭が低減される傾向があり、難消化性デキストリンによるそれらの異味異臭の低減効果と相俟って、ソースの風味がより一層向上し得る。ソース部の粘度は、本発明のソースの製造時に水を添加し、あるいはソースの加熱条件を適宜調整して水分を蒸発させることで、調整することができる。
本発明のソースは、加熱加圧処理(レトルト処理)されたレトルトソースであってもよい。根菜類やキノコ類を含有するソースをレトルト処理すると、保存性が向上する一方で、レトルト処理に起因する不快なレトルト臭が生じ、根菜類やキノコ類の異味異臭と相俟って、該ソースの風味が著しく低下するおそれがあるところ、本発明によれば、斯かる不都合が回避され、風味及び保存性に優れる根菜類又はキノコ類含有ソースが得られる。
本発明のソースは、典型的には、他の食材にかけて食され、それ自体の喫食が目的とされる「スープ」とは異なる。本発明のソースは、例えば、シチュー、ハンバーグ、パスタ料理、米飯類に適用でき、特にパスタソースとして好適である。本発明のソースをパスタソースとして用いる場合、併用されるパスタ料理としては、例えば、スパゲティ、マカロニ、グラタン等を例示できる。
次に、本発明のソースの製造方法について説明する。本発明のソースの製造方法は、前述した本発明のソースの製造に好適であり、原料ソース、特定野菜食材(根菜類、キノコ類)及び難消化性デキストリンを混合する混合工程と、それらの混合物を加熱する工程とを有する。特定野菜食材、難消化性デキストリンについては前述したとおりである。原料ソースは、製造結果物たる根菜類又はキノコ類含有ソースにおいて前記ソース部(常温で流動性を有している部分)となるものであり、前述した原材料(特定野菜食材を除く)から構成される。原料ソースは、例えば、ミートソース、ホワイトソース、クリームソース、カルボナーラソース、オイルソース、トマトソース、バターソース、醤油ソース等であり得る。
前記混合工程で用いる特定野菜食材(根菜類、キノコ類)としては、乾燥された特定野菜食材、水煮された特定野菜食材又は冷凍された特定野菜食材が特に好ましい。これらの特定野菜食材は次工程で加熱され、製造結果物たる根菜類又はキノコ類含有ソースにおいては、前述した「乾燥された特定野菜食材の加熱物」、「水煮された特定野菜食材の加熱物」又は「冷凍された特定野菜食材の加熱物」となる。
前記混合工程において、原料ソース、特定野菜食材及び難消化性デキストリンを混合する際の手順は特に限定されず、例えば、1)予め製造された原料ソースに、特定野菜食材及び難消化性デキストリンを配合してもよく、あるいは2)原料ソースの製造途中でその中間製造物に、特定野菜食材及び難消化性デキストリンを配合してもよい。
前記混合工程において、特定野菜食材(根菜類、キノコ類)の配合量は、湿重量基準で、原料ソース100質量部に対して、好ましくは1~60質量部、より好ましくは10~50質量部、さらに好ましくは15~40質量部である。根菜類やキノコ類の配合量が少なすぎると、根菜類又はキノコ類含有ソースとして成立し難くなり、逆に多すぎると、これらの異味異臭が顕著になり、ソースとしてのバランスが崩れるおそれがある。
また、前記混合工程において、難消化性デキストリンの配合量は、併用される特定野菜食材(根菜類、キノコ類)100質量部に対し、30~1000質量部、好ましくは70~600質量部、より好ましくは100~300質量部である。難消化性デキストリンの配合量が少なすぎると、根菜類やキノコ類に由来する異味異臭の低減効果に乏しく、逆に多すぎると、ソースに難消化性デキストリンに由来する甘みが付与され、ソースの風味が低下するおそれがある。
前記混合工程後に、原料ソース、特定野菜食材及び難消化性デキストリンの混合物を加熱する方法は特に限定されず、この種のソースを加熱するのに利用可能な公知の方法を利用することができる。斯かる混合物の加熱は通常、特定野菜食材の内部(中心部)が加熱される条件で実施される。斯かる混合物の加熱工程を経て、目的の根菜類又はキノコ類含有ソースが得られる。
前記加熱工程後に、必要に応じ、根菜類又はキノコ類含有ソースをレトルト処理(加熱加圧処理)してもよい。レトルト処理は、常法に従って行うことができる。レトルト処理の条件は、ソースの種類、特定野菜食材(根菜類、キノコ類)の種類やサイズ等に応じて適宜決定すればよく、特に制限されないが、例えば、ソース部の品温110~130℃が5~25分間維持される条件を例示できる。
本発明には、根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材を含有するソースの風味改善方法が包含される。本発明のソースの風味改善方法は、改善対象のソース中の特定野菜食材(根菜類、キノコ類)100質量部に対し、難消化性デキストリンを30~1000質量部、好ましくは70~600質量部、より好ましくは100~300質量部配合する。これにより、ソース本来の風味を損なわずに、根菜類やキノコ類に由来する土臭さやおがくず臭さといった不快な風味が効果的に低減され、結果として、ソースの風味が改善される。本発明のソースの風味改善方法について特に説明しない点は、前述した本発明のソース及びその製造方法についての説明が適宜適用される。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例8は参考例である。
〔実施例1~25及び比較例1~3〕
具材としての特定野菜食材として、ゴボウ、ニンジン(以上、根菜類)、シイタケ(キノコ類)を使用した。何れの特定野菜食材も未処理すなわち生の特定野菜食材である。ゴボウはささがき(長さ約5cm、厚さ約3mm)に切断後、水にさらし、そのまま又は冷凍にして用いた。ニンジンは8mm角のダイスカットにし、そのまま、水煮又は冷凍にして用いた。シイタケは生のまま薄切り(長さ約6cm、厚さ約3mm)にし、そのまま又は水煮して用いた。
原料ソースとして市販のミートソース(日清フーズ製;品温20℃における粘度2.2Pa・s)を使用した。原料ソースを鍋にいれて加熱しながら、該原料ソースに風味改善剤として、難消化性デキストリン(松谷化学工業製ファイバーソル2;食物繊維含量約90質量%)又はポリデキストロース(光洋商会製スターライトIII;食物繊維含量約75質量%)を所定量配合し、更に特定野菜食材を所定量配合し、該特定野菜食材に火が通るまでこれらの混合物を加熱し、目的のソースを得た。下記表1~表3に各原材料の配合量を示す。
得られたソースを、耐熱性の容器1個当たり80g密封し、120℃で15分間加熱加圧処理(レトルト処理)し、レトルトソースを得た。
〔試験例〕
各実施例及び比較例のレトルトソースを、それが入った容器ごと室温(25℃)で1週間保管した後、該容器を開封して中身のレトルトソースを耐熱性の皿に移し、電子レンジで500W、1分間加熱してから、訓練された10名の専門パネラーに喫食してもらい、その際の風味、異味異臭を下記評価基準で評価してもらった。結果を10名の評価点の平均値として下記表1~表3に示す。
<風味の評価基準>
5点:ソースの風味が十分にあり、具材の風味とよく調和しており、非常に良好。
4点:ソースの風味があり、具材の風味と調和感があり、良好。
3点:ソースの風味があり、具材の風味も感じられる。
2点:ソースの風味があるが、具材の風味はほとんど感じられず不良。
1点:ソースの風味に物足りなく、具材の風味も感じられず、非常に不良。
<異味異臭の評価基準>
5点:根菜類又はキノコ類の異味異臭は全く感じられず、非常に良好。
4点:根菜類又はキノコ類の異味異臭はあまり感じられず、良好。
3点:根菜類又はキノコ類の異味異臭がわずかに感じられる。
2点:根菜類又はキノコ類の異味異臭が感じられ、不良。
1点:根菜類又はキノコ類の異味異臭が強く感じられ、非常に不良。
Figure 0007076326000001
表1に示すとおり、各実施例は、風味改善剤として難消化性デキストリンを使用したことに起因して、これを使用していない各比較例に比して、ソースの風味に優れ、根菜類やキノコ類に由来する異味異臭が低減されていた。特に、実施例1と比較例2との対比、実施例6と比較例3との対比から、根菜類及びキノコ類の何れを用いた場合でも、これらの異味異臭を低減し、さらにはレトルトソースに特有のレトルト臭をも低減し、ソースの風味を向上させるものとして、難消化性デキストリンが有用であり、ポリデキストロースではその代替となり得ないことがわかる。
また、特定野菜食材としてゴボウを用いた実施例1~2どうしの対比、特定野菜食材としてニンジンを用いた実施例3~5どうしの対比、特定野菜食材としてシイタケを用いた実施例6~7どうしの対比から、ソース製造に用いる特定野菜食材は、生の特定野菜食材よりも、水煮された特定野菜食材又は冷凍された特定野菜食材が好ましく、特に冷凍された特定野菜食材が好ましいことがわかる。
Figure 0007076326000002
表2の各実施例どうしの対比から、特定野菜食材(根菜類)と難消化性デキストリンとの配合質量比は、前者100質量部に対して、後者が30~1000質量部(実施例2及び9~15)が好ましく、後者が70~600質量部(実施例2及び10~14)がより好ましく、後者が100~300質量部(実施例2及び11~13)が更に好ましいことがわかる。
Figure 0007076326000003
表3の各実施例どうしの対比から、特定野菜食材(キノコ類)と難消化性デキストリンとの配合質量比は、前者100質量部に対して、後者が30~300質量部(実施例7、18及び19)が好ましいことがわかる。
また、実施例20~25の対比から、ソース製造時の特定野菜食材の配合量は、原料ソース100質量部に対して、実施例22及び23の範囲である5~45質量部程度がバランス良く、該配合量が斯かる範囲を下回ると、実施例20及び21のようにソース風味がやや低下する傾向があり、該配合量が斯かる範囲を上回ると、実施例24及び25のように異味異臭が高まる傾向にあることがわかる。

Claims (8)

  1. 根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材と、難消化性デキストリンとを含有し、該難消化性デキストリンの含有量が6.5~41質量%である、根菜類又はキノコ類含有ソース(但し、サラダ用調味料を除く)
  2. 前記特定野菜食材と前記難消化性デキストリンとの配合質量比が、前者:後者として、100:30~1000である請求項1に記載の根菜類又はキノコ類含有ソース。
  3. 前記特定野菜食材が、乾燥された特定野菜食材の加熱物、水煮された特定野菜食材の加熱物又は冷凍された特定野菜食材の加熱物である請求項1又は2に記載の根菜類又はキノコ類含有ソース。
  4. 固形物を除いたソース部の品温20℃における粘度が1~10Pa・sである請求項1~3の何れか1項に記載の根菜類又はキノコ類含有ソース。
  5. レトルトソースである請求項1~4の何れか1項に記載の根菜類又はキノコ類含有ソース。
  6. 根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材と、難消化性デキストリンとを含有し、該難消化性デキストリンの含有量が6.5~41質量%である、根菜類又はキノコ類含有ソース(但し、サラダ用調味料を除く)の製造方法であって、
    原料ソース、前記特定野菜食材及び前記難消化性デキストリンを混合する混合工程と、それらの混合物を加熱する工程とを有し、
    前記混合工程において、前記特定野菜食材100質量部に対し、前記難消化性デキストリンを30~1000質量部配合する、根菜類又はキノコ類含有ソースの製造方法。
  7. 前記混合工程で用いる前記特定野菜食材が、乾燥された特定野菜食材、水煮された特定野菜食材又は冷凍された特定野菜食材である請求項6に記載の根菜類又はキノコ類含有ソースの製造方法。
  8. 根菜類及びキノコ類からなる群から選択される1種以上の特定野菜食材を含有するソース(但し、サラダ用調味料を除く)の風味改善方法であって、
    前記ソース中の前記特定野菜食材100質量部に対し、難消化性デキストリンを30~1000質量部配合し、該ソースにおける該難消化性デキストリンの含有量を6.5~41質量%にする、ソースの風味改善方法。
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