JP6783965B1 - 調理済み麺類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】風味、及び調味料ののりが良く、かつ良好な食感を有する調理済み麺類の提供。【解決手段】調理済み麺類の製造方法。該方法は、α化した麺類を炒める工程を含み、該α化した麺類は、多層構造を有する多層麺類であり、該多層構造の両最外層の原料粉は乾熱処理小麦粉を含有し、該最外層以外の層の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量は、該最外層の原料粉と比べて少ない。【選択図】なし

Description

本発明は、調理済み麺類の製造方法に関する。
熱処理小麦粉は、従来、生地の粘り気の改善や粉臭さの低減などを目的としてベーカリー製品やルウの製造に使用されていた。また特許文献1には、原料粉に焙煎小麦粉を添加することで、香ばしい香りがあり、歯切れやこしの良い麺類が得られることが記載されている。特許文献2には、内層に外層よりも多くの焙焼小麦粉を含有する多層麺が、小麦の良好な風味と、滑らかで弾力ある食感を有することが記載されている。
特開2000−253843号公報 特開2015−195767号公報
本発明者らは、焙焼小麦粉を使用した麺類を、焼きそばのような炒め麺とした場合、焙焼小麦粉を使用しない通常の麺類と比べて、香ばしさや調味料ののりが向上する一方で、食感の粘弾性が低下する傾向があることを見出した。該炒め麺を冷蔵又は冷凍保存した場合には、該食感低下の問題はより顕著になる。
本発明は、炒めた麺の香ばしい風味を有し、調味料ののりが良く、かつ粘弾性のある良好な食感を有する調理済み麺類を製造する方法を提供する。
本発明者らは、外層に内層よりも多くの乾熱処理小麦粉を含有する多層麺類を炒め調理することによって、香ばしい風味を有し、調味料ののりが良く、かつ粘弾性のある良好な食感を有する調理済み麺類を製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は、調理済み麺類の製造方法であって、
該方法は、α化した麺類を炒める工程を含み、
該α化した麺類は、多層構造を有する多層麺類をα化したものであり、
該多層構造の両外層の原料粉は、それぞれ乾熱処理小麦粉を1〜25質量%含有し、
該外層以外の層の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量は、該外層の原料粉と比べて少ない、
方法を提供する。
本発明によれば、炒めた麺の香ばしい風味を有し、調味料ののりが良く、かつ粘弾性のある良好な食感を有する調理済み麺類を製造することができる。本発明により製造された調理済み麺類は、冷蔵又は冷凍保存しても良好な風味、調味料ののり、及び食感を保つことができる。
本発明で製造される調理済み麺類としては、パスタ類、うどん、中華麺、冷や麦、素麺、そばなどの麺類を炒め調理したものが挙げられ、例えば、焼きそば、焼うどん、焼パスタなどが挙げられる。該炒め調理される麺類は、麺線であっても麺皮であってもよい。例えば、該パスタ類は、ショートパスタ、ロングパスタ、平打ちパスタなどのいずれの形状であってもよい。
該炒め調理される麺類は、多層構造を有する多層麺類である。該多層麺類は、公知の方法によって製造され得る。好ましくは、該多層麺類は、内層麺帯と外層麺帯とを積層して多層麺帯を作製し、次いで該多層麺帯を圧延し、製麺することによって製造される。より詳細には、内層用生地から内層麺帯を作製し、別途、外層用生地から外層麺帯を作製する。該内層麺帯は、一層であってもよく、又は組成の異なる生地から調製された複数の層を有していてもよい。次いで、該内層麺帯を該外層麺帯で両側から挟み込んで、多層麺帯を作製する。該多層麺帯を圧延し、製麺することにより、二つの外層(最外層)とその間の内層とを含む多層構造を有する多層麺類を製造することができる。
該多層麺類の多層構造の両外層は、それら以外の層(すなわち内層)と比べて、より多くの乾熱処理小麦粉を含有する。言い換えると、該両外層以外の層(すなわち内層)の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量は、該外層の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量と比べて少ない。
該外層の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量は、該原料粉の全量中、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。外層における乾熱処理小麦粉の含有量が少な過ぎると、調理した麺類において炒めによる香ばしい風味や調味料ののりが充分に向上しないことがある。他方、乾熱処理小麦粉の含有量が多過ぎると、外層用生地の保形性が低下して、多層麺類の製麺性が低下することがある。
一方、該内層の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量は、該外層よりも少ない量であって、かつ、好ましくは、該原料粉の全量中4質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%未満である。なお好ましくは、該内層の原料粉は、乾熱処理小麦粉を含まない。
本発明で用いられる乾熱処理小麦粉は、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、これらの混合粉などの原料小麦粉を乾熱処理して得られた小麦粉であればよい。好ましくは、該乾熱処理小麦粉は、強力粉、準強力粉、中力粉、デュラム粉、又はこれらの混合粉を原料とする。該原料小麦粉は、セモリナやファリナのような粗挽き粉であっても、通常の小麦粉であってもよく、その粒径は特に限定されない。
該乾熱処理としては、例えば、オーブンや焙焼窯などでの加熱(焙焼)、乾燥器を用いる加熱、熱風乾燥、高温低湿度環境での放置、などが挙げられる。好ましくは、該乾熱処理小麦粉は焙焼小麦粉である。好ましい乾熱処理の手順の例としては、上述した原料小麦粉を環境温度140℃〜350℃で10〜120分間乾熱処理すること、あるいは、原料小麦粉を品温90℃以上で5分間以上保持すること、が挙げられる。該乾熱処理には、バンドオーブン等のオーブン、パドルドライヤー等の加熱装置付きミキサー、などを用いることができる。好ましくは、得られた乾熱処理小麦粉の水分含量は、10%質量以下である。
該外層及び内層の原料粉は、好ましくは乾熱処理小麦粉以外の穀粉(以下、単に原料穀粉という)を含有する。該原料穀粉の例としては、小麦粉、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、そば粉、大豆粉、コーンフラワー、オーツ麦粉、ライ麦粉、ふすま粉などが挙げられ、好ましくは小麦粉、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、及びそば粉が挙げられる。これらの原料穀粉は、いずれか単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。該外層及び内層に用いられる原料穀粉の組成は、同じであっても異なっていてもよい。
該外層の原料粉は、その全量中に、該原料穀粉を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上含有する。一方、該内層の原料粉は、その全量中に、該原料穀粉を、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含有する。
好ましくは、該外層及び内層に用いられる原料穀粉は小麦粉を含む。該原料穀粉における小麦粉の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。該小麦粉は、麺類の製造に一般に使用されるものであればよく、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、ふすま粉、α化小麦粉、部分α化小麦粉などが挙げられる。これらの小麦粉は、いずれか単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。該小麦粉の粒径は特に限定されない。
該外層及び内層の原料粉は、必要に応じて澱粉類を含有していてもよい。該澱粉類の例としては、特に限定されず、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉などの未加工澱粉、及びそれらを加工(例えば、架橋化、リン酸化、アセチル化、エーテル化、酸化、α化など)した加工澱粉が挙げられる。本発明において、これら未加工澱粉及び加工澱粉は、いずれか単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。好ましくは、該澱粉類はタピオカ澱粉である。また好ましくは、該澱粉類は加工澱粉である。より好ましくは、該澱粉類は加工タピオカ澱粉であり、さらに好ましくは、アセチル化、エーテル化及び架橋化からなる群より選択される1種以上の加工を行った加工タピオカ澱粉である。該外層及び内層に用いられる澱粉類の組成は、同じであっても異なっていてもよい。該外層及び内層の原料粉が澱粉類を含有する場合、該澱粉類の含有量は、該原料粉の全量中、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10〜30質量%である。
該外層及び内層の原料粉は、乾熱処理小麦粉、原料穀粉、又は澱粉類に加えて、麺類の製造に従来用いられている他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分としては、小麦蛋白質(グルテン)、大豆蛋白質、乳蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の蛋白質素材、ならびに、油脂類、かんすい、焼成カルシウム、食物繊維、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン、ミネラル、栄養強化剤、色素、香料、デキストリン(難消化性含む)、膨張剤、増粘剤、乳化剤、保水剤、保存剤、酵素剤、pH調整剤、酸化還元剤などが挙げられる。該外層及び内層の原料粉における該他の成分の含有量は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは0〜10質量%である。
好ましくは、該外層の原料粉に含まれる乾熱処理小麦粉以外の成分の粗蛋白含量は、5.5〜13.5質量%、より好ましくは7.0〜12.0質量%である。好ましくは、該内層の原料粉に含まれる乾熱処理小麦粉以外の成分の粗蛋白含量は、6.0〜14.0質量%、より好ましくは7.5〜13.0質量%である。好ましくは、該内層の原料粉に含まれる乾熱処理小麦粉以外の成分の粗蛋白含量は、該外層と比べて高く、より好ましくは、該外層と比べて0.5質量%以上高く、さらに好ましくは1.0%以上高い。穀粉中の粗蛋白含量は、燃焼法に基づいて測定することができる。原料粉の粗蛋白含量は、原料穀粉として使用する小麦粉の粗蛋白含量に従って、又はグルテン等の蛋白質素材の添加によって、調整され得る。
上記外層及び内層の原料粉のそれぞれに、常法に従って加水し、混捏することにより、外層用生地及び内層用生地を作製することができる。次いで、得られた外層用生地及び内層用生地をそれぞれ圧延すれば、外層麺帯及び内層麺帯を得ることができる。該内層麺帯を該外層麺帯で両側から挟み込んで、多層麺帯を作製し、圧延し、製麺することにより、多層麺類を製造することができる。本発明で用いる多層麺類は、その最外層の両側を上記外層用の原料粉から作製し、該最外層の内側の層を該内層用の原料粉から作製すること以外は、従来の多層麺類の製造方法と同様の手順で製造することができる。例えば、圧延と製麺の手段としては、押出し、ロールによる圧延と切出し、などが挙げられるが、特に限定されない。
本発明で用いられる多層麺類は、二つの外層(最外層)の間に一層以上の内層を含む三層以上の層構造を有していればよい。例えば、該多層麺類は、二つの外層と一つの内層を含む三層麺であってもよいが、二つの外層と二層以上の内層とを有する四層以上の麺であってもよい。好ましくは、該多層麺類は三層麺である。該内層が二層以上である場合、各々の層は、上述した内層の原料粉の組成の範囲内において、組成の異なる生地から調製されていてもよい。
該多層麺類における該二つの外層のそれぞれの厚みは、該多層麺類の全厚に対して、好ましくは10〜40%、より好ましくは12〜35%、さらに好ましくは16〜34%である。外層が厚くなりすぎると、炒め調理した麺類の食感が十分向上しないことがある。
得られた多層麺類は、炒め工程の前にα化することが好ましい。α化の手段としては、茹で、蒸しなどが挙げられる。該α化した麺類は、炒め工程の前に冷蔵又は冷凍保存されてもよい。
該多層麺類を炒めることで、調理済み麺類が製造される。麺類の炒め工程は、麺類の炒め調理の通常の手順に従って行うことができる。例えば、加熱した鉄板、フライパン、鍋などを用いて、麺類を油脂と共に炒めればよい。麺類を油脂と共に炒めることで、調理済み麺類において、炒めによる香ばしい風味がさらに際立つ。炒め用の油脂は、α化した麺100質量部あたり、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜6質量部用いられる。該油脂は、炒め調理の際に麺に全量添加してもよいが、一部の量を炒め調理の前に予め麺と和えておき、残りを炒め調理の際に添加してもよい。
好ましくは、該炒め工程では、麺類はソース等の調味料と共に炒め調理される。本発明で用いる多層麺類は、外層に乾熱処理小麦粉を含むことにより表面が適度に荒れているので、調味料が麺にのりやすい。該調味料としては、いずれの種類を用いてもよく、また粉末等の固体でも液状でもよいが、焼きそば、焼うどん、焼きパスタなどの調理で使用されるスープやソースなどの液状調味料が好ましい。該液状調味料の好ましい例としては、焼きそば用ソース、ウスターソース、塩だれ、醤油だれ、味噌だれ、ナポリタンソースなどが挙げられるが、これらに限定されない。また好ましくは、該炒め工程では、麺類を具材と共に炒めてもよい。
乾熱処理小麦粉は、調理済み麺類に対して、上述したように炒めた麺の香ばしい風味と、調味料ののりの良さを付与する一方で、粘弾性を低下させて食感を損なう。これに対して、本発明により製造された調理済み麺類は、乾熱処理小麦粉を含有する外層と、乾熱処理小麦粉の量がより少ない内層とを有する多層麺類を用いることにより、上述した香ばしい風味と調味料ののりの良さに加えて、粘弾性のある良好な食感を有することができる。
本発明により製造された調理済み麺類は、直ちに喫食されてもよいが、冷蔵又は冷蔵保存されてもよい。該調理済み麺類は、冷蔵又は冷蔵保存後にも、香ばしい風味、調味料ののりの良さ、及び粘弾性のある良好な食感を保持することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
参考例1 乾熱処理小麦粉の製造
原料小麦粉(強力粉、日清製粉(株)製)を、トンネル型オーブンで庫内温度を300℃から180℃まで段階的に下降させながら約30分間(品温90℃以上で約20分間)焙焼処理して、焙焼小麦粉を得た。
材料
中力粉 日清製粉(株)(粗蛋白含量8.4質量%)
準強力粉 日清製粉(株)(粗蛋白含量11.2質量%)
デュラム小麦粉 日清製粉(株)(粗蛋白含量12.5質量%)
焙焼小麦粉 参考例1
グルテン AグルG (グリコ栄養食品(株)、粗蛋白含量85質量%)
かんすい かんすい青(オリエンタル酵母工業(株))
アセチル化タピオカ澱粉 A700((株)Jオイルミルズ)
1.焼きそば
1)単層麺(対照)の製造
表1に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。得られた生地を製麺ロールで圧延及び複合して麺帯を作製し、切り刃(♯18角)で切り出して中華麺の麺線を製造した(麺厚1.5mm)。
2)多層麺の製造
外層:表1に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmの外層用麺帯を得た。
内層:表1に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmの内層用麺帯を得た。
2枚の外層用麺帯の間に内層用麺帯を配置して積層し、圧延して、外層と内層の厚比が1/1/1の三層麺帯を作製した。得られた麺帯を切り刃(♯18角)で切り出して中華麺(三層麺)の麺線を製造した(麺厚1.5mm)。
3)焼きそばの製造
1)又は2)で得られた中華麺から焼きそばを製造した。麺線を茹で歩留175%となるように茹で、水洗、水切りし、得られた茹で麺を24時間5℃で保存した。フライパンにサラダ油10gを投入し、1分間加熱した後、該冷蔵保存した茹で麺200gを投入して2分間炒め、ソース50gを投入してさらに2分間炒めて、焼きそばを製造した。
4)評価
得られた焼きそばを24時間冷蔵保存した後、電子レンジで再加熱し、官能評価した。官能評価では、訓練されたパネラー10人が、再加熱した焼きそばの風味(麺を炒めたときに得られる香ばしさ、「炒め感」と称する)、ソースののり、及び食感(粘弾性)を下記評価基準で官能評価し、その平均点を求めた。
<評価基準>
(風味)
5点:対照よりも炒め感が非常に優れる
4点:対照よりも炒め感が優れる
3点:対照よりも炒め感がやや優れる
2点:対照と同等の炒め感である
1点:対照よりも炒め感が劣る
(ソースののり)
5点:対照よりもソースののりが非常に優れる
4点:対照よりもソースののりが優れる
3点:対照よりもソースののりがやや優れる
2点:対照と同等のソースののりである
1点:対照よりもソースののりが悪い
(食感)
5点:対照よりも粘弾性に優れる
4点:対照よりもやや粘弾性に優れる
3点:対照と同等の粘弾性を有する
2点:対照よりもやや粘弾性に劣る
1点:対照よりも粘弾性に劣る
結果を表1に示す。焙焼小麦粉を配合した単層麺から製造した焼きそば(比較例1〜2)は、対照と比べて風味とソースののりは向上したが、食感が大きく低下した。一方、外層に焙焼小麦粉を配合した多層麺から製造した焼きそば(製造例1−1〜1−5)では、焙焼小麦粉による食感の低下が改善され、かつ風味、ソースののりのいずれも対照と比べて向上した。
Figure 0006783965
2.焼きそば
表2に示す組成の原料粉を用いて、1.2)と同様の手順で三層麺を製造し、それを用いて焼きそばを製造した。得られた焼きそばを24時間冷蔵保存した後、電子レンジで再加熱し、1.4)と同じ手順で官能評価した。対照には1.1)の単層麺を用いた。結果を表2に示す。
Figure 0006783965
3.焼きそば
1.2)で示した製造例1−4と同様の手順で、ただし外層と内層の厚比を表3のとおりに変えて三層麺を製造し、それを用いて焼きそばを製造した。得られた焼きそばを24時間冷蔵保存した後、電子レンジで再加熱し、1.4)と同じ手順で官能評価した。対照には1.1)の単層麺を用いた。結果を表3に示す。表3には製造例1−4の結果を再掲する。
Figure 0006783965

4.焼きうどん
1)単層麺(対照)の製造
表4に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。得られた生地を製麺ロールで圧延及び複合して麺帯を作製し、切り刃(♯10角)で切り出してうどんの麺線を製造した(麺厚3mm)。
2)多層麺の製造
外層:表4に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmの外層用麺帯を得た。
内層:表4に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmの内層用麺帯を得た。
2枚の外層用麺帯の間に内層用麺帯を配置して積層し、圧延して、外層と内層の厚比が1/1/1の三層麺帯を作製した。得られた麺帯を切り刃(♯10角)で切り出してうどん(三層麺)の麺線を製造した(麺厚3mm)。
3)焼きうどんの製造
1)又は2)で得られたうどんから焼きうどんを製造した。麺線を茹で歩留175%となるように茹で、水洗、水切りし、得られた茹で麺を24時間5℃で保存した。フライパンにサラダ油10gを投入し、1分間加熱した後、該冷蔵保存した茹で麺200gを投入して2分間炒め、ソース50gを投入してさらに2分間炒めて、焼きうどんを製造した。
4)評価
得られた焼きうどんを24時間冷蔵保存した後、電子レンジで再加熱し、1.4)と同じ手順で官能評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006783965
5.焼きスパゲティ
1)単層麺(対照)の製造
表5に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。得られた生地を製麺ロールで圧延及び複合して麺帯を作製し、切り刃(♯16丸)で切り出してスパゲティを製造した(麺厚1.9mm)。
2)多層麺の製造
外層:表5に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmの外層用麺帯を得た。
内層:表5に示す組成で原料粉に練水を加え、減圧(−0.093MPa)下で混捏して生地を調製した。圧延して厚さ7mmの内層用麺帯を得た。
2枚の外層用麺帯の間に内層用麺帯を配置して積層し、圧延して、外層と内層の厚比が1/1/1の三層麺帯を作製した。得られた麺帯を切り刃(♯16丸)で切り出してスパゲティ(三層麺)を製造した(麺厚1.9mm)。
3)焼きスパゲティの製造
1)又は2)で得られたスパゲティから焼きスパゲティを製造した。麺線を茹で歩留175%となるように茹で、水洗、水切りし、得られた茹で麺を24時間5℃で保存した。フライパンにサラダ油10gを投入し、1分間加熱した後、該冷蔵保存した茹で麺200gを投入して2分間炒め、ソース50gを投入してさらに2分間炒めて、焼きスパゲティを製造した。
4)評価
得られた焼きスパゲティを24時間冷蔵保存した後、電子レンジで再加熱し、1.4)と同じ手順で官能評価した。結果を表5に示す。
Figure 0006783965

Claims (9)

  1. 調理済み麺類の製造方法であって、
    該方法は、α化した麺類を炒める工程を含み、
    該α化した麺類は、多層構造を有する多層麺類をα化したものであり、
    該多層構造の両外層の原料粉は、それぞれ乾熱処理小麦粉を1〜25質量%含有し、
    該外層以外の層の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量は、該外層の原料粉と比べて少なく、かつ4質量%以下である
    方法。
  2. 前記外層以外の層の原料粉における乾熱処理小麦粉の含有量が1質量%未満である、請求項1記載の方法。
  3. 前記多層麺類が三層麺である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記外層の原料粉、及び前記外層以外の層の原料粉が乾熱処理小麦粉以外の小麦粉を含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記両外層の厚みが、それぞれ、前記多層麺類の全厚に対して10〜40%である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記乾熱処理小麦粉が焙焼小麦粉である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記焙焼小麦粉が、小麦粉を環境温度140〜350℃で10〜120分間乾熱処理することで製造される、請求項6記載の方法。
  8. 前記外層の原料粉が前記乾熱処理小麦粉以外の小麦粉を50質量%以上含有し、前記外層以外の層の原料粉が前記乾熱処理小麦粉以外の小麦粉を60質量%以上含有する、請求項4〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記調理済み麺類を冷蔵保存することをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
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JP7085078B1 (ja) * 2021-09-21 2022-06-15 日清製粉株式会社 多層麺類及びその製造方法

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