JP6957291B2 - 多層中華麺の製造方法 - Google Patents

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本発明は、中華麺らしい風味や食感に優れる多層中華麺の製造方法に関する。
生麺を茹で上げた後、冷蔵状態又は冷凍状態で保存・流通され、スーパーやコンビニエンスストアで販売される冷蔵麺(いわゆるチルド麺)や冷凍麺への需要は増してきているが、茹で上げてから喫食されるまで、少なくとも半日以上、通常は1〜2日程経過していることから、風味が低下し、食感が柔らかく脆くなるなど、品質が著しく低下するという問題があった。一方で、消費者の本物志向として、チルド麺や冷凍麺にも茹で上げ直後と同等の風味や食感を求められている。
一方、チルド麺等の麺質の改良方法として、多層麺とすることが従来より提案されている。例えば、食味や食感を改良する技術として、麺線の外層に比較して内層の蛋白含有率を相対的に大きくした多層麺(例えば、特許文献1参照)、麺線の内層に比較して外層のデンプン含有率を相対的に大きくした多層麺(例えば、特許文献2参照)が提案されている。また、ロングライフ麺類の食感を改良する技術として、主として内層にトランスグルタミナーゼを配合した多層麺(例えば、特許文献3参照)、外層と内層の間にトランスグルタミナーゼを含有する層を配置した多層麺(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
また、冷凍麺の食感や風味、ほぐれを改善する技術として、内層には強力粉、外層には準強力粉または中力粉を用いた三層麺(例えば、特許文献5参照)などが提案されている。
しかしながら、これらの技術では十分とはいえず、更なる改善が求められているのが現状である。
したがって、冷蔵状態で流通されるチルド麺や冷凍麺とした場合でも、特別な添加剤を用なくても、中華麺らしい風味や食感に優れる中華麺を製造することができる技術の速やかな提供が強く求められている。
特開昭54−92646号公報 特開昭54−92647号公報 特開平6−225717号公報 特開平11−56278号公報 特開2001−245618号公報
本発明は、このような要望に応え、現状を打破し、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、冷蔵状態で流通されるチルド麺や冷凍麺とした場合でも、特別な添加剤を用なくても、中華麺らしい風味や食感に優れる中華麺を提供することができる中華麺の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、従来の多層麺の製造工程において、内層の麺帯のみを熟成させるか、あるいは内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させた後、内層の麺帯と外層の麺帯を複合し、定法に従って製麺することにより、特別な添加剤を用いることなく、チルド麺や冷凍麺であっても中華麺らしい風味や食感に優れる中華麺を製造することができることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも内層と外層を有する多層中華麺の製造方法であって、
内層の麺帯のみを熟成させるか、あるいは内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させる工程と、
前記内層の麺帯と前記外層の麺帯を複合した後、圧延する工程とを含むことを特徴とする多層中華麺の製造方法である。
<2> 内層の麺帯を温度0〜35℃で5時間以上熟成させる前記<1>に記載の製造方法である。
<3> 外層の麺帯を熟成させないか、または熟成させる場合には、外層の麺帯の熟成時間と内層の麺帯の熟成時間の比が1:2〜20の範囲である前記<1>または<2>に記載の製造方法である。
<4> 外層に、内層よりも多く澱粉を配合する前記<1>〜<3>のいずれかに記載の製造方法である。
<5> 外層の原料粉100質量部中において澱粉の配合量が0〜60質量部であり、
内層の原料粉100質量部中において澱粉の配合量が0〜20質量部である前記<4>に記載の製造方法である。
<6> 中華麺が、蒸煮処理後に冷蔵または冷凍される前記<1>〜<5>のいずれかに記載の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、冷蔵状態で流通されるチルド麺や冷凍麺とした場合でも、特別な添加剤を用なくても、中華麺らしい風味や食感に優れる中華麺を提供することができる中華麺の製造方法を提供することができる。
(多層中華麺の製造方法)
本発明の中華麺の製造方法は、少なくとも内層と外層を有する多層中華麺の製造方法であって、熟成工程と、複合・圧延工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
本発明の中華麺の製造方法は、通常の多層麺類の製造方法、具体的には内層用生地を圧延して内層の麺帯を作製し、別途、外層用生地から外層の麺帯を作製し、次いで、内層の麺帯を外層の麺帯で両側から挟むように複合した後、これを所望の厚さまで圧延して麺線に切り出すことにより製造することができる。この製造工程において、内層の麺帯のみを熟成させるか、あるいは内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させる。
<熟成工程>
前記熟成工程は、内層の麺帯のみを熟成させるか、あるいは内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させる工程である。
−熟成温度−
前記内層の麺帯の熟成温度としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、0〜35℃が好ましく、15〜28℃がより好ましい。前記熟成の温度が0℃未満であると内層の麺帯の熟成が十分に進まず、35℃を超えると麺帯がべたつくことがあり、製麺時の作業性に問題が生じる可能性がある。
−熟成時間−
前記内層の麺帯の熟成時間としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、5時間以上が好ましく、8〜72時間がより好ましく、12〜48時間が特に好ましい。前記熟成の時間が5時間未満であると内層の麺帯の熟成の効果が十分に奏されないことがある。
前記内層の麺帯の熟成温度および時間の組合せとしては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、温度0〜35℃で5時間以上が好ましい。
前記熟成工程では、外層の麺帯は熟成させなくてもよいが、内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させる限り、外層の麺帯を熟成させてもよい。
前記外層の麺帯を熟成させる場合の外層の麺帯の熟成時間と内層の麺帯の熟成時間の比としては、内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させる限り、特に制限はなく、適宜選択することができるが、1:2〜20が好ましい。
前記外層の麺帯を熟成させる場合の熟成温度としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、内層の麺帯の熟成温度と同じでよい。
また、内層と外層の麺帯を複合した複合麺帯をさらに熟成させてもよい。
この場合、複合麺帯の熟成時間としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、30分間以上が好ましく、1〜8時間がより好ましい。
前記複合麺帯と熟成させる場合の熟成温度としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、内層の麺帯の熟成温度と同じでよい。
−原料粉−
本発明の中華麺の製造方法において、内層の生地および外層の生地の原料粉は、通常、中華麺の製造に用いられる、小麦粉を主体とする穀粉類であり、必要に応じて澱粉を含んでいてもよい。
前記穀粉としては、特に制限はなく、目的とする中華麺の形態に応じて適宜選択することができ、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、デュラム小麦粉等の小麦粉、およびそば粉、米粉、ライ麦粉、大麦粉などが挙げられる。
前記澱粉としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシースターチ、小麦澱粉等、およびそれらの加工澱粉などが挙げられる。
上記穀粉や澱粉は、いずれか単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。
内層の生地および外層の生地の原料粉は、同じであってもよいし、穀粉や澱粉の種類や量比を変えてもよい。
特開昭54−92646号公報に記載されるように、内層の生地に外層の生地よりもタンパク質含量が多い小麦粉を配合してもよい。例えば、内層の生地には、強力粉や準強力粉を主として用い、外層の生地には準強力粉や中力粉を主として用いる。あるいは、内層のみに小麦タンパク(グルテン)を配合するか、内層に外層よりも多く小麦タンパクを配合してもよい。
また、中華麺の形態が蒸煮後に冷蔵または冷凍されるチルド麺や冷凍麺の場合、前述したように、内層の生地のタンパク質含量を外層の生地よりも高くしてもよいし、内層および外層の生地の原料粉に澱粉を配合してもよい。
生地の原料粉に澱粉を配合する場合、外層の生地に内層の生地よりも多く澱粉を配合することが好ましい。
例えば、外層の原料粉100質量部中において澱粉の配合量は、0〜60質量部が好ましく、30〜50質量部がより好ましく、内層の原料粉100質量部中において澱粉の配合量は、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましい。
−−他の成分−−
内層の生地および外層の生地の原料粉は、上記の穀粉や澱粉、小麦タンパクに加えて、中華麺の製造に従来から用いられている他の成分を含有していてもよい。前記他の成分としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、かんすい、大豆蛋白質、乳蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の蛋白質素材、油脂類、焼成カルシウム、食物繊維、食塩、糖類、ミネラル、色素、増粘剤、乳化剤、保水剤、保存剤、酵素剤、pH調整剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
内層の生地および外層の生地の原料粉における上記他の成分の含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、10質量%以下が挙げられる。
内層の生地および外層の生地は、原料粉のそれぞれに、常法に従って加水、混捏することにより、作製することができる。混捏工程は減圧下で行ってもよい。次いで、得られた生地をそれぞれ常法に従って所望の厚さまで圧延すれば、内層の麺帯および外層の麺帯を得ることができる。得られた麺帯は、上記のとおり熟成工程に供される。
<複合・圧延工程>
前記複合・圧延工程は、前記熟成工程後の内層の麺帯と前記外層の麺帯を複合した後、圧延する工程である。
前記複合・圧延の方法としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、従来の三層麺の製造方法に従い、内層の麺帯を外層の麺帯で挟むように複合し、所望の厚さまで圧延する方法などが挙げられる。
前記外層の麺帯と内層の麺帯の厚みとしては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、外層/内層/外層=1/1/1〜1/4/1が好ましく、外層/内層/外層=1/1.5/1〜1/3/1がより好ましい。前記厚みの比が好ましい範囲外であると、中華麺の粘弾性のバランスが悪くなり、食感が低下するおそれがある。
前記内層の麺帯を挟む2つの外層の麺帯の厚みは、異なっていてもよいが、同程度の厚みであることが好ましい。
本発明で製造される多層麺の層構造としては、好ましくは三層麺であるが、最外層となる両側の麺帯が前記外層麺帯であれば、四層以上の層構造であってもよい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の多層麺類の製造方法に用いられる工程を適宜選択することができ、例えば、上記した混捏工程や内層および外層の麺帯を調製する工程や、切り出し工程、麺線熟成工程などが挙げられる。
前記切り出し工程は、上記した複合・圧延工程で所望の厚さまで圧延した複合麺帯を常法に従って麺線に切り出し、中華麺(生麺)とする工程である。
前記麺線の太さとしては、特に制限はなく、通常の中華麺の範囲で適宜選択することができるが、1.0〜3.0mmが好ましく、1.2〜2.0mmがより好ましい。
前記生麺は、麺線熟成の工程に供してもよい。
前記麺線熟成の条件としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、温度0〜35℃、好ましくは15〜28℃で1〜72時間程度、好ましくは12〜24時間である。
<中華麺>
前記中華麺の形態としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。例えば、生麺の他に、乾燥工程に供した乾麺や半乾燥麺、茹でまたは蒸し処理した後、冷蔵または冷凍したチルド麺または冷凍麺が挙げられる。また、蒸し処理した後に油ちょうまたは熱風乾燥して即席麺(フライ麺、ノンフライ麺)としてもよい。
本発明の製造方法によれば、蒸し処理した後に冷蔵または冷凍される中華麺とした場合でも、特別な添加剤を用なくても、中華麺らしい風味や食感に優れる中華麺を提供することができる。
以下、製造例、比較製造例および試験例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらの製造例、比較製造例および試験例に何ら限定されるものではない。
(比較製造例1、製造例1−1〜1−4)
<内層の麺帯>
準強力粉(日清製粉株式会社製「特ナンバーワン」)100質量部に対し、かんすい(オリエンタル酵母工業株式会社製「赤」)1.5質量部、食塩1質量部、水33質量部およびアルコール2質量部を加え、減圧(−0.092MPa)下で混捏し、ロールにより圧延して、厚さ18.0mmの内層の麺帯を調製した。
この麺帯を巻き取り、20℃で表1に記載の時間、熟成させた。
<外層の麺帯>
上記内層の麺帯の調製とは別に、内層と同様の配合にて、減圧(−0.092MPa)下で混捏し、ロールにより圧延して、厚さ12.0mmの外層の麺帯を調製した。
なお、外層の麺帯は、熟成させなかった。
<複合・圧延・切り出し>
上記のように調製した内層の麺帯を2枚の外層の麺帯で挟むよう複合(外層/内層/外層、厚さの比は1:1.5:1)し、ロールにより厚さ1.7mmまで圧延した。
次いで、#18角の切り刃により麺線に切り出して、太さが約1.6mmの生中華麺(三層麺)を調製した。
(試験例1)
比較製造例1および製造例1−1〜1−4で調製した生中華麺を沸騰水中で2分間茹で、次いで冷水で水洗いした後、冷やし中華用スープを掛けて、下記の評価基準に従って、食感および風味を評価した。
また、この茹で中華麺を4℃で一晩静置した後、冷やし中華用スープを掛けて、下記の評価基準に従って、風味の経時変化を評価した。
各評価は評価者10名により行った。その評価結果の平均値を表1に示す。
<評価基準>
−食感−
5点:中華麺らしい硬さがあり、粘弾性のバランスも極めて良好。
4点:中華麺らしい硬さがあり、粘弾性のバランスも良好。
3点:中華麺らしい硬さがややあり、粘弾性のバランスがやや良好。
2点:中華麺らしい硬さにやや劣り、粘弾性のバランスがやや不良。
1点:中華麺らしい硬さがなく、粘弾性のバランスが不良。
−風味−
5点:中華麺本来の風味に優れ、極めて良好。
4点:中華麺本来の風味があり、良好。
3点:中華麺本来の風味がやや弱い。
2点:中華麺本来の風味が弱く、やや不良。
1点:中華麺本来の風味に劣り、不良。
−風味の経時変化−
4点:茹でたてのような中華麺の風味があり、良好。
3点:中華麺の風味がやや弱く、やや良好。
2点:中華麺の風味が弱く、やや不良。
1点:中華麺の風味が僅かで、不良。
Figure 0006957291
表1の結果から、内層の麺帯のみを熟成させることにより、食感、風味および風味の経時変化に優れた中華麺が得られることが確認された。また、内層の麺帯の熟成時間が2時間を超える製造例1−2〜1−4では、食感、風味および風味の経時変化がより向上し、内層の麺帯の熟成時間が8時間を超える製造例1−3および1−4では、食感、風味および風味の経時変化が更に向上することが確認された。
(製造例2−1〜2−5)
比較製造例1および製造例1−1〜1−4における内層の麺帯を表2に記載の条件下で熟成させた以外は、比較製造例1および製造例1−1〜1−4と同様にして、生中華麺(三層麺)を調製した。
(試験例2)
製造例2−1〜2−5で調製した生中華麺について、試験例1と同様に、食感と風味、風味の経時変化を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0006957291
表2の結果から、内層の麺帯の熟成を幅広い温度範囲で行った場合でも、食感、風味および風味の経時変化に優れた中華麺が得られることが確認された。また、内層の麺帯の熟成温度が0℃を超え、40℃未満である製造例2−2〜2−4では、食感、風味および風味の経時変化がより向上することが確認された。
(製造例3−1〜3−3、比較製造例2)
比較製造例1および製造例1−1〜1−4における内層と外層の麺帯を20℃で、表3に記載の時間で熟成させた以外は、比較製造例1および製造例1−1〜1−4と同様にして、生中華麺(三層麺)を調製した。
(試験例3)
製造例3−1〜3−3および比較製造例2で調製した生中華麺について、試験例1と同様に、食感と風味、風味の経時変化を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006957291
表3の結果から、外層の麺帯を熟成させないか、内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させることにより、食感、風味および風味の経時変化に優れた中華麺が得られることが確認された。また、外層と内層の麺帯の熟成時間の比を変えた場合でも、食感、風味および風味の経時変化に優れた中華麺が得られることが確認された。
(製造例4−1〜4−4、比較製造例3)
<内層の麺帯>
表4に示す原料粉100質量部に対し、かんすい(オリエンタル酵母工業株式会社製「赤」)3質量部、グルテン5質量部、食塩1質量部および水35質量部を加え、減圧(−0.092MPa)下で混捏し、ロールにより圧延して、厚さ12.0mmの内層の麺帯を調製した。
この麺帯を巻き取り、20℃で24時間、熟成させた(製造例4−1〜4−4)。なお、熟成させなかったものを比較製造例3の内層の麺帯とした。
<外層の麺帯>
上記内層の麺帯の調製とは別に、表4に示す原料粉100質量部に対し、かんすい(オリエンタル酵母工業株式会社製「赤」)0.1質量部、グルテン5質量部、食塩3質量部および水45質量部を加え、減圧(−0.092MPa)下で混捏し、ロールにより圧延して、厚さ12.0mmの外層の麺帯を調製した。
なお、外層の麺帯は、熟成させなかった。
<複合・圧延・切り出し>
上記のように調製した内層の麺帯を2枚の外層の麺帯で挟むよう複合(外層/内層/外層、厚さの比は1:1:1)し、ロールにより厚さ1.7mmまで圧延した。
次いで、#18角の切り刃により麺線に切り出して、太さが約1.6mmの生中華麺(三層麺)を調製した。
(試験例4)
製造例4−1〜4−4および比較製造例3で調製した生中華麺を沸騰水中で2分間茹で、次いで冷水で水洗いした後、この茹で中華麺を4℃で一晩静置した。次いで、冷やし中華用スープを掛けて、下記の評価基準に従って、食感と風味の経時変化を評価した。
各評価は評価者10名により行った。その評価結果の平均値を表4に示す。
<評価基準>
−食感−
4点:中華麺らしい硬さがあり、粘弾性のバランスも良好。
3点:中華麺らしい硬さがややあり、粘弾性のバランスがやや良好。
2点:中華麺らしい硬さにやや劣り、粘弾性のバランスがやや不良。
1点:中華麺らしい硬さがなく、粘弾性のバランスが不良。
−風味の経時変化−
4点:茹でたてのような中華麺の風味があり、良好。
3点:中華麺の風味がやや弱く、やや良好。
2点:中華麺の風味が弱く、やや不良。
1点:中華麺の風味が僅かで、不良。
Figure 0006957291
表4の結果から、内層の麺帯のみを熟成させ、外層に内層よりも多く澱粉を配合することで、蒸煮処理後に冷蔵された場合でも、食感および風味の経時変化に優れた中華麺が得られることが確認された。また、製造例4−1〜4−4の中では、製造例4−2および4−3が、食感および風味の経時変化がより優れていることが確認された。
(比較製造例4、製造例5)
比較製造例1および製造例1−1〜1−4における外層の麺帯のかんすいの量を0.3質量部に調整し、内層の麺帯の熟成時間を0時間(比較製造例4)、24時間(製造例5)とした以外は、比較製造例1および製造例1−1〜1−4と同様にして、生中華麺(三層麺)を調製した。
次いで、生中華麺を水分14.0質量%になるように乾燥させ、乾麺とした。
(試験例5)
比較製造例4および製造例5で調製した乾麺について、沸騰水中で4分間茹でた後、試験例1と同様に、食感と風味、風味の経時変化を評価した。その結果を表5に示す。
Figure 0006957291
表5の結果から、内層の麺帯のみを熟成させることで、乾麺とした場合でも、食感、風味および風味の経時変化に優れた中華麺が得られることが確認された。
(比較製造例5、製造例6)
比較製造例1および製造例1−1〜1−4における外層の麺帯の原料粉を中力粉(日清製粉株式会社製「わらべ」)75質量部および加工澱粉25質量部からなる原料粉100質量部に調整し、内層の麺帯の熟成時間を0時間(比較製造例5)、24時間(製造例6)とし、生中華麺(三層麺)の太さを約1.2mmに調整した以外は、比較製造例1および製造例1−1〜1−4と同様にして、生中華麺(三層麺)を調製した。
次いで、生中華麺を蒸して水分6.0質量%になるように乾燥させ、ノンフライ即席麺とした。
(試験例6)
比較製造例5および製造例6で調製したノンフライ即席麺に沸騰水を加え、4分間経った後、試験例1と同様に、食感と風味を評価した。その結果を表6に示す。
Figure 0006957291
表6の結果から、内層の麺帯のみを熟成させることで、ノンフライ即席麺とした場合でも、食感および風味に優れた中華麺が得られることが確認された。

Claims (6)

  1. 少なくとも内層と外層を有する多層中華麺の製造方法であって、
    内層の麺帯のみを熟成させるか、あるいは内層の麺帯を外層の麺帯よりも長く熟成させる工程と、
    前記内層の麺帯と前記外層の麺帯を複合した後、圧延する工程とを含むことを特徴とする多層中華麺の製造方法。
  2. 内層の麺帯を温度0〜35℃で5時間以上熟成させる請求項1に記載の製造方法。
  3. 外層の麺帯を熟成させないか、または熟成させる場合には、外層の麺帯の熟成時間と内層の麺帯の熟成時間の比が1:2〜20の範囲である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 外層に、内層よりも多く澱粉を配合する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 外層の原料粉100質量部中において澱粉の配合量が0〜60質量部であり、
    内層の原料粉100質量部中において澱粉の配合量が0〜20質量部である請求項4に記載の製造方法。
  6. 中華麺が、蒸煮処理後に冷蔵または冷凍される請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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