JP2002238483A - 麺及びその製造方法並びに被膜剤 - Google Patents

麺及びその製造方法並びに被膜剤

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JP2002238483A
JP2002238483A JP2001043530A JP2001043530A JP2002238483A JP 2002238483 A JP2002238483 A JP 2002238483A JP 2001043530 A JP2001043530 A JP 2001043530A JP 2001043530 A JP2001043530 A JP 2001043530A JP 2002238483 A JP2002238483 A JP 2002238483A
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dough
noodles
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inner layer
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JP2001043530A
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English (en)
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Koichi Miyazaki
浩一 宮崎
Kiyoshi Toma
潔 当麻
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層麺線の延びを抑え、調理後放置しても食
感、味覚の低下を抑えることができる麺を提供するこ
と。 【解決手段】 内層麺生地2とこの内層麺生地2を覆う
外層麺生地4とからなる多層麺線6の表面に被膜剤を付
着させた麺。内層麺生地2はトランスグルタミナーゼを
含有し、被膜剤による被膜層8は、ジェランガム、イオ
タカラギーナン及びキサンタンガムの群から選択される
少なくとも1種の天然高分子材料を含んでいる。内層麺
生地にトランスグルタミナーゼを含ませることによっ
て、内層麺生地2の生地強度が維持され、麺自体の腰が
付与される。また、多層麺線6に被膜層8を設けること
によって、多層麺線6内部への水分の侵入を効果的に抑
えることができ、これによって麺自体のふやけを抑える
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内層麺生地とこの
内層麺生地を覆う外層麺生地からなる多層構造の麺、こ
のような多層構造の麺の製造方法、及びこのような多層
構造の麺に用いる被膜剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、うどん、そば等の和食麺に比べ
て、ラーメン等の中華麺の人気が高く、各メーカから種
々の中華麺が販売されている。この中華麺は、主成分と
しての小麦粉用い、例えば次の通りにして形成される。
まず、水にかん水を溶解し、この溶解した水を主成分と
しての小麦粉に添加してミキシングし、ミキシングした
生地を熟成した後麺帯化する。その後、麺帯を再度熟成
した後に圧延し、圧延した麺帯を麺線切出して細い麺線
を形成する。この麺線を冷凍する場合には、細切りした
麺線を茹でた後に水洗いし、その後冷凍して冷凍麺をつ
くる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように形成した中
華麺を熱湯で茹でると、調理後の麺の延びが大きく、調
理後にある程度の時間を放置したり、食べる際に必要以
上に時間がかかると麺が大きく延び、その結果、麺がぶ
よぶよにふやけて麺自体の腰がなくなり、食感や味覚が
著しく低下する。そこで、麺自体の腰を付与するため
に、麺線を多層構造にしたものが知られている(特開平
6−225717号公報)。この公知の麺は、内層麺生
地を外層麺生地でもってサンドイッチする積層三層構造
であり、内層麺生地は酵素であるトランスグルタミナー
ゼを添加する一方、外層麺生地はこのような酵素を添加
しない、又は内層麺生地の添加量よりも少なく添加す
る。トランスグルタミナーゼを添加することによって、
内層麺生地に麺の硬さ、腰が付与され、またこれを添加
しない、又は添加量を少なくすることによって、外層麺
生地に麺のなめらかさが付与される。従って、このよう
な多層構造にすることによって、腰及びなめらかさのあ
る麺となり、食感、味覚を改善することができる。
【0004】しかしながら、このような多層構造の麺で
も麺の延びを抑えることができず、調理後ある程度放置
したり、食べる際に必要以上に時間がかかると、麺が延
びてふやけるという問題がある。本発明の目的は、麺線
の延びを抑え、調理後放置しても食感、味覚の低下を抑
えることができる麺及びその製造方法を提供することで
ある。
【0005】また、本発明の目的は、多層麺線の延びを
効果的に抑えることができる被膜剤を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を行った結果、調理後に麺がふやけるのは多層麺線が水
分を吸収するためであり、それ故に、多層麺線の水分の
吸収を抑えることによって麺自体のふやけを少なくする
ことができ、多層麺線の表面に、ジェランガム、イオタ
カラギーナン及びキサンタンガムの群から選択される少
なくとも1種の天然高分子材料を含む被膜剤を付着する
ことによって、多層麺線への水分の侵入を抑えて麺のふ
やけを抑えることができることを見出し、このような知
見に基づいて本発明を完成させた。
【0007】本発明は、内層麺生地とこの内層麺生地を
覆う外層麺生地とからなる多層麺線の表面に付着される
被膜剤であって、ジェランガム、イオタカラギーナン及
びキサンタンガムの群から選択される少なくとも1種の
天然高分子材料を含むことを特徴とする。本発明に従え
ば、多層麺線の表面に付着される被膜剤が、ジェランガ
ム、イオタカラギーナン及びキサンタンガムの群から選
択される少なくとも1種の天然高分子材料を含んでいる
ので、この被膜剤による被膜を多層麺線の表面に形成す
ることによって、多層麺線内部への水分の侵入を効果的
に抑えることができ、これによって麺自体のふやけを抑
え、麺独特の腰を保つことができる。被膜剤を付着する
麺は、ラーメン等の中華麺、うどん、そば等の和食麺、
スパゲッティー、マカロニ等のパスタ等であり、冷凍
麺、生麺等に適用することができる。
【0008】特に、被膜剤がジェランガムを含んでいる
場合、ジェランガムは保水性が高く、それ故に、多層麺
線内部に侵入しようとする水分がジェランガム被膜に保
持され、その結果、多層麺線内部への水分の侵入を効果
的に防止することができる。このジェランガムの被膜剤
を冷凍麺に適用した場合、以下の理由により、更に、次
の効果が得られる。ジェランガムはグルコース残基にア
セチル基が結合した構造であるため、ダブルへリックス
同士の会合が阻害され、それ故に、解凍耐性が強く、ダ
ブルへリックス同士の会合が起こり難い。その結果、ゲ
ル中に保水されている水が離水し難く、ゲル線が切れ難
く、被膜効果が高く麺線への水の侵入を抑えることがで
きると考えられる。
【0009】また、本発明は、内層麺生地とこの内層麺
生地を覆う外層麺生地とからなる多層麺線の表面に被膜
剤を付着させた麺であって、前記内層麺生地はトランス
グルタミナーゼを含有し、前記被膜剤は、ジェランガ
ム、イオタカラギーナン及びキサンタンガムの群から選
択される少なくとも1種の天然高分子材料を含んでいる
ことを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、多層麺線の内層麺生地は
トランスグルタミナーゼを含有しているので、このトラ
ンスグルタミナーゼが内層麺生地に含まれるタンパク質
に作用し、内層麺生地の生地強度が維持され、麺自体の
腰が付与され、食感を改善することができる。また、多
層麺線の表面に、ジェランガム、イオタカラギーナン及
びキサンタンガムの群から選択される少なくとも1種の
天然高分子材料を含む被膜剤が付着されるので、多層麺
線内部への水分の侵入を効果的に抑えることができ、こ
れによって麺自体のふやけを抑えることができる。この
ように麺自体の硬さの付与と麺の延び抑制によって、麺
独特の腰を保つことができ、食感、味覚の一層の向上を
図ることができる。この麺は、ラーメン等の中華麺、う
どん、そば等の和食麺、スパゲッティー、マカロニ等の
パスタ麺等であり、冷凍麺、生麺等に適用することがで
きる。
【0011】特に、被膜剤としてジェランガムを含んで
いる場合、上述したように、多層麺線内部への水分の侵
入をより効果的に防止することができ、また冷凍麺に適
用した場合、上述したように、被膜剤による被膜効果が
一層高められ、多層麺線への水の侵入を抑えることがで
きる。また、本発明では、前記外層麺生地は前記被膜剤
を含有していることを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、多層麺線の外層麺生地が
被膜剤、即ちジェランガム、イオタカラギーナン及びキ
サンタンガムの群から選択される少なくとも1種の天然
高分子材料を含んでいるので、多層麺線の表面の被膜層
に加えて、この外層麺生地においても水分の侵入を抑え
ることができ、これによって麺自体のふやけを一層抑え
て麺独特の腰を保つことができる。
【0013】また、本発明では、前記多層麺線は、前記
外層麺生地が前記内層麺生地をサンドイッチする積層三
層構造であることを特徴とする。本発明に従えば、外層
麺生地が内層麺生地をサンドイッチするように設けられ
るので、このような積層三層構造の多層麺線において、
水分の侵入を抑えて麺自体の腰を保つことができる。
【0014】また、本発明では、前記多層麺線は、前記
外層麺生地が前記内層麺生地を同心状に覆う同心状二層
構造であることを特徴とする。本発明に従えば、外層麺
生地が内層麺生地を同心状に覆うように設けられるの
で、このような同心状二層層構造の多層麺線において、
水分の侵入を抑えて麺自体の腰を保つことができる。
【0015】更に、本発明は、内層麺生地とこの内層麺
生地を覆う外層麺生地からなる多層麺線を形成した後
に、形成した多層麺線を水洗いする水洗い工程、前記水
洗い工程の後に多層麺線を冷却する冷却工程、及び前記
冷却工程の後の少なくともいずれかにおいて、多層麺線
の表面に被膜剤を付着させ、前記被膜剤がジェランガ
ム、イオタカラギーナン及びキサンタンガムの群から選
択される少なくとも1種の天然高分子材料を含んでいる
ことを特徴とする麺の製造方法である。
【0016】本発明に従えば、多層麺線を水洗いする水
洗い工程、水洗いした多層麺線を冷却する冷却工程、及
びこの冷却工程後の少なくともいずれかにおいて、多層
麺線の表面に被膜剤を付着するので、多層麺線表面に被
膜剤を付着して所望の被膜効果を得ることができる。例
えば水洗い工程中においては、水洗いする水洗い液に被
膜剤を溶解させることによって、水洗い時に多層麺線の
表面に被膜剤を付着させることができる。例えば、冷却
工程又は冷却工程の後においては、噴出ノズルからジェ
ランガム溶液を噴霧して多層麺線表面に被膜剤を付着さ
せることができる。また、被膜剤がジェランガム、イオ
タカラギーナン及びキサンタンガムの群から選択される
少なくとも1種の天然高分子材料を含んでいるので、多
層麺線の表面に被膜剤を付着させて、上述した所望の被
膜効果を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に従う麺及びその製造方法並びに麺に用いる被膜剤に
ついて説明する。図1は、本発明に従う麺(本発明の製
造方法によって製造した麺)の一例を示す部分拡大断面
図であり、図2は、図1の麺を製造する一例の製造方法
を示す工程図であり、図3は、粗麺帯化工程で使用する
粗麺帯機を示す簡略断面図であり、図4は、圧延工程及
び麺線切出し工程で使用する連続圧延機及び切出し機を
示す簡略断面図であり、図5は、被膜形成工程で用いる
噴霧装置等を示す簡略図である。
【0018】まず、図1を参照して麺の構造について説
明すると、図示の麺は、内層麺生地2と外層麺生地4か
らなる多層麺線6から構成され、この形態では、内層麺
生地2の両面側にこれを覆うように外層麺生地4がサン
ドイッチ状に設けられ、麺線6が積層三層構造になって
いる。内層麺生地2は小麦粉(強力小麦粉、中力小麦
粉、薄力小麦粉)を主成分とし、必要に応じて小麦グル
テン、卵白、ゼラチン等が添加される。この内層麺生地
2には、更に、酵素としてのトランスグルタミナーゼが
添加される。トランスグルタミナーゼは、例えば溶液と
して内層麺生地2の原料に添加してもよい。このトラン
スグルタミナーゼの添加量は、例えば、内層麺生地2中
のタンパク質1g当たり0.1〜30ユニットである。
また、外層麺生地4は、内層麺生地2と同様に、小麦粉
(強力小麦粉、中力小麦粉、薄力小麦粉)を主成分と
し、必要に応じて小麦グルテン、卵白、ゼラチン等が添
加される。この外層麺生地4には、トランスグルタミナ
ーゼは添加されない、或いは添加したとしても内層麺生
地2の添加量よりも少ない量が添加される。外層麺生地
4をこのようにして形成することによって、外層麺生地
4が硬くならず、麺表面のなめらかさを保つことができ
る。
【0019】この麺においては、麺線6の表面に被膜剤
の層8が設けられ、この被膜層8は、例えば後述する如
くして被膜剤を付着することによって形成される。被膜
剤は、ジェランガム、イオタカラギーナン及びキサンタ
ンガムの群から選択される少なくとも1種の天然高分子
材料を含んでおり、例えばジェランガム、イオタカラギ
ーナン又はキサンタンガム単独でもよく、これらの任意
の2種を組み合わせたもの或いはこれら全てを組み合わ
せたものでもよい。このような天然高分子材料は水分の
侵入を抑える効果が大きく、従って、このような被膜剤
を用いることによって、麺線6のふやけを抑え、麺独特
の腰を保つことができる。特に、内層麺生地2にトラン
スグルタミナーゼを添加することにより、麺線自体に適
度の硬さを付与するとともに、上述したような天然高分
子材料の被膜層8を設けることにより、スープ、つゆ、
汁等の水分の麺線6への侵入を抑えることができ、これ
によって、調理後にある程度時間が経過しても麺のふや
けが少なく、食感、味覚の低下を非常に少なくすること
ができる。
【0020】次に、主として図2を参照して、上述した
多層構造の麺の一実施例としての冷凍中華麺の製造方法
について説明する。図2において、この製造方法では、
麺線6の内層麺生地2と外層麺生地4とがほぼ同様の工
程でつくられ、その後内層麺生地2と外層麺生地4とが
サンドイッチ状に重ね合わされることによって、三層構
造の麺線6が形成される。内層麺生地2(外層麺生地
4)は、例えば、次の工程に従ってつくられる。まず、
原料の計量工程S1−1(S1−2)において、内層麺
生地2(外層麺生地4)の原料の計量を行う。原料とし
ては、小麦粉(強力小麦粉、中力小麦粉、薄力小麦粉)
を主成分とし、その他の原料、小麦グルテン、卵白等を
加えるようにしてもよい。この実施形態では、内層麺生
地2の原料には酵素としてのトランスグルタミナーゼが
添加されるが、外層麺生地4にはこのような酵素は添加
されない。この原料の混合は、例えばステンレス製ボー
ルを用いて行う。次に、ミキシング工程S2−1(S2
−2)において、このような原料に水を加えて原料のミ
キシングを行う。原料としてのかん水は、このミキシン
グ工程S2−1(S2−2)で添加され、かん水を溶解
した水を注入しながらミキシングすることによって添加
される。ミキシングに際し、水を加え、例えば小型真空
ミキサーを用いて原料のミキシングを行う。水は、小麦
粉100gに対して例えば36g(穀粉量に対し重量比
で36%)程度加えるようにする。ミキシング工程S2
−1(S2−2)の後に生地の熟成工程S3−1(S3
−2)が遂行され、ミキシングした原料粉を真空ミキサ
ーから取り出して、取り出した生地を遮光した状態で例
えば10〜15分程度熟成する。
【0021】次いで、粗麺帯工程S4−1(S4−2)
において、熟成した生地を粗麺帯化する。この粗麺帯化
は、例えば図3に示す粗麺帯機12を用いて行う。図3
を参照して、図示の粗麺帯機12は、一対の圧延ロール
14,16を備え、これら圧延ロール14,16の上流
側に麺粒トレイ18が設けられ、それらの下流側に巻取
りロール20が設けられている。熟成した生地を麺粒ト
レイ18に入れ、一対の圧延ロール14,16間を通し
て押し出して巻取りロール20に巻き取り、このように
して圧延、生地化を進める。一回の粗麺帯化では生地の
組織化が不十分となるため、出てきた生地を二枚合わせ
て再度圧延ロール14,16間を通して圧延、生地化を
行う。その後、麺帯熟成工程S5−1(S5−2)にお
いて、この粗麺帯を巻取りロール20に巻いたままで熟
成を行う。この熟成は、麺帯が乾燥しないように全体を
遮光性の袋で覆った状態で例えば20〜60分程度熟成
する。特に、内層麺生地2の麺帯においては、このよう
に熟成することによって、酵素トランスグルタミナーゼ
の作用により、タンパク質間においてグルタミンとリジ
ンとの間で架橋結合が起きて生地強度が増加し、これに
よって、麺独特の腰が保持されるようになる。
【0022】次に、圧延工程S6−1(S6−2)にお
いて、熟成した粗麺帯を圧延する。この粗麺帯の圧延
は、例えば図4に示す連続圧延機22を用いて行う。図
4を参照して、図示の連続圧延機22は、一対の上流圧
延ロール24,26、一対の中間圧延ロール28,30
及び一対の下流圧延ロール32,34を備えており、圧
延方向にこの順序で配設されている。この形態では、上
流圧延ロール24,26及び中間圧延ロール28,30
の外径が例えば呼び径6寸であり、また下流圧延ロール
32,34の外径が例えば呼び径4寸である。巻取りロ
ール20に巻かれた粗麺帯は、このロール20から巻ほ
どされて上流圧延ロール24,26及び中間圧延ロール
28,30を通して所定の厚み、例えば約2.3mm程
度に圧延され、中間ロール28,30を通して圧延され
た段階で一旦圧延機22から取り出して麺棒(図示せ
ず)に巻かれる。このようにして、内層麺生地用麺帯及
び外層麺生地用麺帯が形成される。
【0023】次に、三層麺化工程S7において、上述し
たように形成された内層麺生地用麺帯及び外層麺生地用
麺帯を積層して積層三層構造の麺帯を形成する。この三
層麺化工程S7では、例えば調理台(図示せず)上に外
層麺生地用麺帯を敷き、その上に内層麺生地用麺帯を載
置し、更にその上に外層麺生地用麺帯を載置して三層に
積層する。このように積層することによって、外層麺生
地用麺帯は内層麺生地用麺帯の両面側を覆い、この段階
の積層状態の麺帯は厚みが約6.9mmとなり、その長
さは例えば1m程度に形成される。
【0024】そして、再圧延工程S8において、この積
層状態の麺帯に対して圧延を行う。この再圧延工程S8
では、積層状態の麺帯が図4の圧延機22の一対の上流
圧延ロール24,26、一対の中間圧延ロール28,3
0及び一対の下流圧延ロール32,34間を通して送ら
れ、このように送られる間に積層状態の麺帯が圧延され
て厚さ約1.4mmの薄い麺帯に形成される。そして、
圧延された麺帯は切出し機36に送られ、麺線切出し工
程S9が遂行される。切出し機36は連続圧延機22に
付設され、麺帯を切断するための切り刃38と、麺帯か
ら切断した麺線を搬送するベルトコンベア40を備えて
いる。圧延した麺帯を切り刃38を通して押し出すこと
によって、麺帯が例えば1.4mm程度の厚さとなるよ
うに切断され、このようにして生麺線の切出しが行わ
れ、細長い多層構造の麺線6が形成される。
【0025】次いで、茹で工程S10が遂行される。茹
で工程S10では、上述したように生成した麺線6を茹
で釜(図示せず)を用いて茹でる。茹で釜内の水を沸騰
状態にし、沸騰水に例えば45〜80秒程度浸けること
によって行う。その後、水洗い工程S11において、麺
線6の表面のぬめり(澱粉等)を除去するためにシャワ
ーで洗い、更に水洗いタンク内の水に浸けて麺線6の水
洗いを行う。この水洗いは、例えば10〜40秒程度行
う。続いて、冷却工程S12において、水洗いした麺線
6を例えば氷水(0℃)で冷却する。このように麺線6
を冷却することによって、麺線6自体が引き締まり、所
謂麺独特の腰を出すことができる。
【0026】その後、被膜剤付着工程S13において、
冷却した麺線6の表面に上述した被膜剤を付着させて被
膜層8を形成する。被膜剤の付着は、例えば図5に示す
通りにして行う。即ち、冷却した麺線6を例えばボール
の如き容器42に収容し、被膜剤の溶液をスプレー装置
44(例えば霧吹き器でよい)に充填し、このスプレー
装置44の噴出ノズル46から被膜剤の溶液を噴霧して
麺線6の表面に実質上均一となるように付着する。この
とき、麺線6を混ぜながら噴出ノズル46から噴霧する
ことによって、被膜剤の被膜をより均一に形成すること
ができる。このように冷却工程S12の後に被膜剤付着
工程S13を遂行することによって、被膜剤を所要の通
り付着させることができる。この被膜剤の溶液の付着
は、水洗い工程S11において行うようにしてもよい。
この場合、水洗いタンク内の水に被膜剤の溶液を混入す
ればよく、水洗いすることによって、麺線6の表面に被
膜剤を付着することができる。この被膜剤の付着は冷却
工程S12において行ってもよく、水洗い工程S11か
ら冷却工程S12の後のいずれか又は複数の工程におい
て行うことができる。
【0027】その後、計量工程S14において、麺の計
量を行い、一食分ずつに分ける。例えば、一食分として
約200gづつに分け、プラスチックトレイ(図示せ
ず)に入れる。そして、凍結工程S15において、トレ
イに入れられた状態で麺を冷凍する。例えば、−40℃
に設定された急速冷凍用冷凍庫内に例えば50〜90分
程度入れて急速冷凍する。その後、−20℃に設定され
た保管用冷凍庫に入れて保管する。このとき、冷凍した
麺を一つずつ真空包装して、又は例えば三食分を一つに
まとめて真空包装して冷凍保管する(保管工程)。この
ようにして冷凍中華麺をつくることができる。
【0028】このようにしてつくった冷凍中華麺は、例
えば、約30秒程度茹でることによって解凍することが
でき、例えばラーメン用の麺として用いることができ
る。この中華麺では、細長い麺線6の表面に被膜層8が
実質上均一に設けられ、麺線6はこの被膜層8によって
被われている。従って、麺表面の被膜層8によって水分
の麺線6への侵入が抑えられ、その結果、調理後にある
程度の時間放置したり、食べるときに必要以上の時間が
かっても、麺線の水分の吸収が少なく、麺独特の腰を保
って食感、味覚の低下を抑えることができる。また、内
層麺生地2に酵素トランスグルタミナーゼが含まれてい
るので、麺線6、特に内層麺生地2の強度が増加し、こ
れによって、麺独特の腰を一層保つことができる。
【0029】尚、このような冷凍麺の被膜剤としてジェ
ランガムを適用した場合、次の効果が得られる。ジェラ
ンガムはグルコース残基にアセチル基が結合した構造で
あるため、ダブルへリックス同士の会合が阻害され、そ
れ故に、解凍耐性が強く、ダブルへリックス同士の会合
が起こり難くい。その結果、ゲル中に保水されている水
が離水し難く、ゲル線が切れ難く、被膜効果が高く麺線
への水の侵入を一層効果的に抑えることができる。
【0030】上述した実施形態では、内層麺生地を外層
麺生地でサンドイッチした積層三層構造の麺線に適用し
て説明したが、これに限定されることなく、内層麺生地
を外層麺生地で同心状に覆う同心状二層構造の麺線にも
同様に適用することができ、この場合にも、同心状二層
構造の麺線の表面に被膜剤の層を形成するとともに、場
合により、外層麺生地に被膜剤を含有させるようにして
もよい。
【0031】実施例及び比較例 実施例1及び2として、上述した製造方法でもって冷凍
中華麺をつくった。原料として小麦粉(日清製粉株式会
社から商品名「緑飛龍」として販売されているもの)を
主成分として用い、ステンレス製ボール(直径40c
m、深さ約14cm)に入れて計量して3000g/バ
ッチ分を用意した。この小麦粉の穀粉量を100とし、
内層麺生地用原料及び外層麺生地用原料のその他の原料
の配分は表1に示す通りであった。内層麺生地用原料に
は酵素トランスグルタミナーゼを穀粉量に対して重量割
合で1%混合した。また、かん水(オリエンタル酵母工
業株式会社から商品名「赤かんすい」として製造販売さ
れているもの)については、内層麺生地用原料では、酵
素の作用を最大限に発現させるために、穀粉量に対して
重量割合で0.8%混合し、外層麺生地用原料では、穀
粉量に対して重量割合で1.3%混合した。
【0032】
【表1】 原料のミキシングは、マイスター株式会社製の真空ミキ
サーを2台用い、内層麺生地用原料と外層麺生地用原料
を別々に二段階に分けてミキシングをした。2台の真空
ミキサーは同じ機種であり、1バッチ4kgの原料粉を
ミキシングできる能力を備え、ミキシング槽は縦25c
m、横25cm、深さ35cmのステンレス製であっ
た。第1段階では、ミキシング槽内に計量した小麦粉等
を入れ、真空ミキサーの蓋を閉じ、大気圧下で90rp
m(回転/分)で5分間ミキシングして粉の均一混合を
行った。そして、第2段階では、温度が15℃程度であ
る水1080g(穀粉量に対して重量割合で36%)
に、予め計量していたかん水(内層麺生地用原料におい
ては24gであって、穀粉量に対して重量割合で0.8
%のかん水、また外層麺生地用原料においては39gで
あって、穀粉量に対して重量割合で1.3%のかん水)
を溶解させ、60rpmで真空ミキシングしているミキ
シング槽の上部から徐々に注入してミキシングを行っ
た。第2段階のミキシングも5分間行った。その後、ミ
キシングした原料粉をそれぞれの真空ミキサーから取り
出し、ステンレス製トレイ(縦29cm、横35cm、
深さ6cm)に入れ、遮光性の袋で全体を覆って10分
間熟成した。
【0033】次に、株式会社トム製の小型製麺機械を用
いて、内層麺生地用生地及び外層麺生地用生地につい
て、麺帯化及び圧延を行い、その後これらを三層麺化し
て麺線切出しを行った。粗麺帯機及び連続圧延機の一連
の製造番号は9905であった。粗麺帯機の圧延ロール
は呼び径8寸であり(直径24cm×長さ15cm)、
内層麺生地用生地及び外層麺生地用生地について、これ
ら圧延ロールを通して厚み6mm程度の粗麺帯をつく
り、出てきた粗麺帯を二枚に合わせて再度圧延ロールを
通して押し出して粗麺帯をつくり、粗麺帯機からでてき
た麺帯を巻取りロールで巻き取った。そして、内層麺生
地用粗麺帯及び外層麺生地用粗麺帯について、巻取りロ
ールに巻いた状態でその全体を遮光性の袋で覆って30
分熟成した。
【0034】その後、切出し機を装備した連続圧延機を
用いて粗麺帯の圧延、三層麺化、積層麺帯の再圧延及び
麺線切出しを行った。連続圧延機における一対の上流圧
延ロール及び一対の中間圧延ロールは呼び径が6寸(直
径18cm×長さ15cm)のであり、一対の下流圧延
ロールは呼び径が4寸(直径12cm×長さ15cm)
であり、これら圧延ロールはステンレス製であった。ま
た、切出し機の切り刃として#22のものを用い、1カ
ット約120g程度の重量となるようにカット速度を調
整した。内層麺生地用麺帯及び外層麺生地用麺帯をそれ
ぞれ別個に、一対の上流圧延ロール及び中間圧延ロール
を通して約2.3mm程度に圧延し、中間ロールを通し
た段階で一旦圧延機から取り出した。その後、調理台上
に外層麺生地用麺帯を敷き、その上に内層麺生地用麺帯
を載置し、更にその上に外層麺生地用麺帯を載置して三
層に積層し、約6.9mmの三層状態の麺帯を同じ圧延
機の一対の上流圧延ロール、一対の中間圧延ロール及び
一対の下流圧延ロール間を通して送り、積層状態の麺帯
を厚さ約1.4mmに圧延し、切出し機によって、1カ
ット約120gの重量にカットし、連続的に積層三層構
造の生麺線を切り出した。
【0035】その後、両端取っ手付きステンレス製茹で
籠(縦23cm、横39cm、深さ29cmの網製)を
使用し、1回当たり約1000gの麺線を茹で籠に入れ
て茹で処理(沸騰した熱湯中に浸ける)を行った。茹で
時間は50秒であり、使用した茹で釜は、マイスター株
式会社から商品名「スーパーボイラーIII型」(水量
約45リットル、30,000kcal/h)として販
売されているものを用いた。茹で処理の後、麺線の表面
のぬめりを除去するためにシャワー処理し、水洗い処理
を行い、更に氷水冷却処理を行った。
【0036】その後、被膜剤を麺線表面に付着させた。
被膜の付着処理に際し、処理すべき麺線をステンレス製
ボール(原料のミキシングに用いたもの)に入れ、被膜
剤の溶液をスプレー装置(霧吹き器)の噴出ノズルから
噴霧して上記ボール内の麺線の表面に均一に付着させ
た。実施例1として、600gの麺線に、被膜剤として
のジェランガムを麺線1g当たり0.0660g(0.
0660g−ジェランガム/g−麺線)を均一に付着さ
せ、この付着に用いたジェランガム溶液の濃度は0.1
%であった。実施例2として、600gの麺線に、被膜
剤としてのイオタカラギーナンを麺線1g当たり0.0
660g(0.0660g−イオタカラギーナン/g−
麺線)を均一に付着させ、この付着に用いたイオタカラ
ギーナン溶液の濃度は(0.5重量%)であった。
【0037】被膜処理後、約200gずつに分けてプレ
スチックトレイ(縦120mm、横190mm、深さ4
5mm)に入れ、−40℃に設定された急速用冷凍庫
(サンヨー株式会社から型番「BF−EVB120」と
して製造販売されているもの)に約1時間入れ、上述し
たようにしてつくった麺を急速冷凍した。その後、冷凍
した麺を急速用冷凍庫から取り出して一つずつ真空包装
し、−18℃に設定された保管用冷凍庫(サンヨー株式
会社から型番「MDF−135型」として製造販売され
ているもの)に収容して1週間保管した。
【0038】また、実施例3として、外層麺生地用原料
にジェランガムを小麦粉の穀粉量を100としたときの
この穀粉量に対して重量割合で1%添加した以外は、実
施例1と同様にして冷凍麺をつくり、麺線表面のジェラ
ンガム被膜層に加えて麺線の外層麺生地にジェランガム
を含ませた。更に、実施例4として、外層麺生地用原料
にイオタカラギーナンを小麦粉の穀粉量を100とした
ときの穀粉量に対して重量割合で1%添加した以外は、
実施例2と同様にして冷凍麺をつくり、麺線表面のイオ
タカラギーナン被膜層に加えて麺線外層麺生地にイオタ
カラギーナンを含ませた。
【0039】比較例として、被膜剤による被膜を形成し
なかった(即ち、被膜剤付着工程を行わない)以外は、
実施例1と同様にして麺をつくった。水分吸収試験 実施例1〜4及び比較例について、次の通りの水分吸収
試験を行った。この水吸収試験では、茹で処理に使用し
た茹で釜を用いて30秒間茹でて加熱解凍を行い、解凍
した直後の麺を400ccの熱湯(約90℃)が入った
どんぶりに入れて20分間放置した。そして、解凍直後
の麺の水分吸収量と熱湯に入れて20分経過した後の麺
の水分吸収量とを測定し、増加水分吸収量を熱湯に入れ
たときの水分吸収量(%)とした。麺の水分量は、測定
すべき麺を135℃に設定した乾燥機中に入れて3時間
乾燥させ、初期重量と最終重量との差により算出した。
【0040】上述した水分吸収試験の結果は、表2の
「水分吸収量」の欄に示す通りであった。この表2に示
す通り、被膜を全く施さない比較例では、水分吸収量が
12.2%と最も多かった。これに対し、イオタカラギ
ーナンを被膜層のみに用いた実施例2では、水分吸収量
が8.9%とその吸収量が少なくなり、イオタカラギー
ナンの被膜層を設けることによって、麺線への水分吸収
を抑制できることが確認できた。また、同じイオタカラ
ギーナンを外層麺生地にも含ませた実施例4では、水分
吸収量が8.1%と更に少なくなり、外層麺生地にイオ
タカラギーナンを含ませることによって、一層水分の吸
収を抑制できることが確認できた。また、ジェランガム
を被膜層のみに用いた実施例1では、水分吸収量が7.
8%で、イオタカラギーナン(実施例2)よりも少なく
なり、ジェランガムの被膜層を設けることによって、麺
線への水分吸収を一層抑制できることが確認できた。ま
た、同じジェランガムを外層麺生地にも含ませた実施例
3では、水分吸収量が7.3%と更に一層少なくなり、
外層麺生地にジェランガムを含ませることによって、水
分の吸収を更に抑制できることが確認できた。
【0041】
【表2】 麺の硬さ試験 次に、実施例1〜4及び比較例について、次の通りの麺
硬さ試験を行った。この硬さ試験では、茹で処理に使用
した茹で釜を用いて30秒間茹でて加熱解凍を行い、解
凍した直後の麺を400ccの熱湯(約90℃)が入っ
たどんぶりに入れて20分間放置した。そして、20分
経過した後の麺の硬さを測定した。硬さ測定は、株式会
社山電から販売されているレオメータ(型式:RE−3
3005)を用いて破断強度を測定し、5回実施した値
を平均化し、その平均値を破断強度値とした。測定のと
きの条件は、麺の長さ約50mm、圧縮率95%、測定
速度0.5mm/秒であった。
【0042】上述した硬さ試験の結果は、表2の「破断
強度」の欄に示す通りであった。この表2に示す通り、
被膜を全く施さない比較例では、麺線の水分吸収量が多
く、麺自体がぶよぶよになり、その破断強度が41.5
gと最も小さかった。これに対し、実施例2ではその破
断強度が43.8gであり、実施例4ではその破断強度
が45.8gであった。これは、イオタカラギーナンに
よって水分の吸収が抑制された結果、水分吸収による麺
の強度低下が改善されたと思われる。また、実施例1で
はその破断強度が47.5gであり、実施例3ではその
破断強度が46.9gであった。被膜剤としてジェラン
ガムを用いた場合、イオタカラギーナンを用いた場合よ
りも破断強度が大きい結果となったが、これはジェラン
ガムを用いることによって水分の吸収が一層抑えること
によると思われる。
【0043】官能評価試験 次に、実施例1〜4及び比較例について、次の通りの官
能評価試験を行った。この官能評価試験では、茹で処理
に使用した茹で釜を用いて30秒間茹でて加熱解凍を行
い、その後400ccの熱湯(約90℃)が入ったどん
ぶりに入れて20分間放置し、20分間放置後に試食し
た。この試食は、5名のパネラーが行い、味、食感を評
価した。
【0044】この官能試験の結果は、表2の「延びの抑
制評価」の欄に示す通りであった。比較例では、麺は水
っぽくでぶよぶよしており、腰の低下した麺であり、麺
の茹で延びを大きく感じた。これに対して、実施例2で
は、麺表面の崩壊と味覚の低下が起こり、茹で延びをあ
る程度感じるが、比較例に比して味覚、食感が改善され
た。また、実施例1及び4では、延びた味覚及び食感
(茹で延び)をほとんど感じることがなく、良い品質を
維持しており、実施例2に比して味覚、食感が更に改善
された。更に、実施例3では、茹で延びを感じることが
なく、歯ごたえのある品質の非常に良い麺であり、味
覚、食感が非常に改善された。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1の被膜剤によれば、ジ
ェランガム、イオタカラギーナン及びキサンタンガンの
群から選択される少なくとも1種の天然高分子材料を含
んでいるので、この被膜剤による被膜を多層麺線の表面
に形成することによって、多層麺線内部への水分の侵入
を効果的に抑えることができ、これによって麺自体のふ
やけを抑え、麺独特の腰を保つことができる。
【0046】また、本発明の請求項2の麺によれば、多
層麺線の内層麺生地はトランスグルタミナーゼを含有し
ているので、このトランスグルタミナーゼが内層麺生地
に含まれるタンパク質に作用して生地強度が維持され、
麺自体の腰が付与される。また、多層麺線の表面に、ジ
ェランガム、イオタカラギーナン及びキサンタンガムの
群から選択される少なくとも1種の天然高分子材料を含
む被膜剤が付着しているので、多層麺線内部への水分の
侵入を効果的に抑えることができ、これによって麺自体
のふやけを抑えることができる。このように麺自体の硬
さの付与と麺の延び抑制によって、麺独特の腰を保つこ
とができる。また、本発明の請求項3の麺によれば、多
層麺線の外層麺生地が被膜剤を含んでいるので、多層麺
線の表面の被膜層に加えて、この外層麺生地においても
水分の侵入を抑えることができ、これによって麺自体の
ふやけを一層抑えて麺独特の腰を保つことができる。
【0047】また、本発明の請求項4の麺によれば、外
層麺生地が内層麺生地をサンドイッチする積層三層構造
の多層麺線において、水分の侵入を抑えて麺自体の腰を
保つことができる。また、本発明の請求項5の麺によれ
ば、外層麺生地が内層麺生地を同心状に覆う同心状二層
層構造の多層麺線において、水分の侵入を抑えて麺自体
の腰を保つことができる。
【0048】更に、本発明の請求項6の麺の製造方法に
よれば、多層麺線を水洗いする水洗い工程、水洗いした
多層麺線を冷却する冷却工程、及びこの冷却工程後の少
なくともいずれかにおいて、多層麺線の表面に被膜剤を
付着するので、多層麺線表面に被膜剤を付着して所望の
被膜効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う麺(本発明の製造方法によって製
造した麺)の一例を示す部分拡大断面図である。
【図2】図1の麺を製造する一例の製造方法を示す工程
図である。
【図3】粗麺帯化工程で使用する粗麺帯機を示す簡略断
面図である。
【図4】圧延工程及び麺線切出し工程で使用する連続圧
延機及び切出し機を示す簡略断面図である。
【図5】被膜形成工程で用いる噴霧装置等を示す簡略図
である。
【符号の説明】
2 内層麺生地 4 外層麺生地 6 麺線 8 被膜層 12 粗麺帯機 22 連続圧延機 36 切出し機 44 スプレー装置 46 噴出ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層麺生地とこの内層麺生地を覆う外層
    麺生地とからなる多層麺線の表面に付着される被膜剤で
    あって、ジェランガム、イオタカラギーナン及びキサン
    タンガムの群から選択される少なくとも1種の天然高分
    子材料を含むことを特徴とする被膜剤。
  2. 【請求項2】 内層麺生地とこの内層麺生地を覆う外層
    麺生地とからなる多層麺線の表面に被膜剤を付着させた
    麺であって、 前記内層麺生地はトランスグルタミナーゼを含有し、前
    記被膜剤は、ジェランガム、イオタカラギーナン及びキ
    サンタンガムの群から選択される少なくとも1種の天然
    高分子材料を含んでいることを特徴とする麺。
  3. 【請求項3】 前記外層麺生地は前記被膜剤を含有して
    いることを特徴とする請求項2記載の麺。
  4. 【請求項4】 前記多層麺線は、前記外層麺生地が前記
    内層麺生地をサンドイッチする積層三層構造であること
    を特徴とする請求項2又は3記載の麺。
  5. 【請求項5】 前記多層麺線は、前記外層麺生地が前記
    内層麺生地を同心状に覆う同心状二層構造であることを
    特徴とする請求項2又は3記載の麺。
  6. 【請求項6】 内層麺生地とこの内層麺生地を覆う外層
    麺生地からなる多層麺線を形成した後に、形成した多層
    麺線を水洗いする水洗い工程、前記水洗い工程の後に多
    層麺線を冷却する冷却工程、及び前記冷却工程の後の少
    なくともいずれかにおいて、多層麺線の表面に被膜剤を
    付着させ、前記被膜剤がジェランガム、イオタカラギー
    ナン及びキサンタンガムの群から選択される少なくとも
    1種の天然高分子材料を含んでいることを特徴とする麺
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108419989A (zh) * 2017-02-15 2018-08-21 统企业股份有限公司 面条及面条的制造方法
JP2019058090A (ja) * 2017-09-26 2019-04-18 日清製粉株式会社 多層中華麺の製造方法

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CN108419989A (zh) * 2017-02-15 2018-08-21 统企业股份有限公司 面条及面条的制造方法
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