JP2001252035A - 3層麺の製造方法 - Google Patents

3層麺の製造方法

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JP2001252035A
JP2001252035A JP2000069476A JP2000069476A JP2001252035A JP 2001252035 A JP2001252035 A JP 2001252035A JP 2000069476 A JP2000069476 A JP 2000069476A JP 2000069476 A JP2000069476 A JP 2000069476A JP 2001252035 A JP2001252035 A JP 2001252035A
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noodles
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material powder
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JP2000069476A
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Koichi Miyazaki
浩一 宮崎
Kiyoshi Toma
潔 当麻
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩慢解凍を行っても優れた食感および風味を
有する3層麺を製造する。 【解決手段】 内層用および外層用原料粉に水を加えて
個別に混練するとき、内層用原料粉および外層用原料粉
の少なくともいずれか一方に60℃〜100℃に加熱さ
れた水を加えて混練し、混練した内層用および外層用原
料粉を別々に圧延して内層用および外層用麺帯をそれぞ
れ製造し、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延
して3層麺帯を製造し、さらに圧延して麺線に切出す。
混練時加熱された水の熱によって原料粉中の澱粉の糊化
が進行するとともに、グルテンの網目構造化が促進され
る。したがって、凍結後、緩慢解凍を行っても優れた食
感および風味を有する3層麺を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3層麺の製造方法
に関し、特に凍結後、冷蔵温度域で解凍される麺として
好適に用いられる3層麺の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、麺類は原料粉に水を加えて混
練し、混練した生地を圧延機で圧延して麺帯を製造し、
その麺帯を麺線に切出す機械製麺法によって製造され
る。前記混練時に加えられる水の温度は、通常15℃程
度である。この麺類は、滑らかさおよび弾力性に乏し
く、かつ茹でのびしやすいなど品質上の問題を抱えてい
る。
【0003】特開平6−276973号公報には、この
ような問題を解消するために、前記機械製麺法によって
内層用麺帯と外層用麺帯とを別々に製造し、内層用麺帯
を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延して3層麺帯を形成
し、3層麺帯を麺線に切出す3層麺の製造方法が開示さ
れている。この3層麺には、次のような問題がある。す
なわち、茹で上げられた麺が直ちに食に供されるときに
はほとんど問題とならないけれども、茹で上げられた麺
が冷蔵温度域(0℃超,5℃以下)で保存(以後、チル
ド保存と呼ぶ)されて食に供されるとき、あるいは凍結
された麺が冷蔵温度域で解凍(以後、チルド解凍と呼
ぶ)されて食に供されるとき、あるいは凍結された麺が
室温で自然解凍されて食に供されるときには食感および
風味が著しく低下するという問題がある。以後、前記チ
ルド解凍および自然解凍を総称して緩慢解凍と呼ぶ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
問題を解決し、茹で上げられた麺がチルド保存されて食
に供されるとき、あるいは茹で上げ直後に凍結された麺
が緩慢解凍されて食に供されるときでも、優れた食感お
よび風味を有する3層麺を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、小麦粉を含む
内層用原料粉に水を加えて混練し、小麦粉を含む外層用
原料粉に水を加えて混練し、混練した内層用および外層
用原料粉を別々に圧延して内層用および外層用麺帯をそ
れぞれ製造し、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで
圧延して3層麺帯を製造し、さらに圧延して麺線に切出
す3層麺の製造方法において、内層用原料粉および外層
用原料粉の少なくともいずれか一方に60℃〜100℃
に加熱された水を加えて混練することを特徴とする3層
麺の製造方法である。
【0006】本発明に従えば、内層用および外層用原料
粉の少なくともいずれか一方に充分な温度に加熱された
水を加えて混練が行われるので、加熱された水を加えら
れた原料粉では、混練中に加熱水の熱によって原料粉に
含まれる澱粉の糊化が進行する。また同様に原料粉中に
おけるグルテンの形成とグルテンの網目構造化とが促進
される。これによって、茹で上げられた麺の茹で上げ直
後における糊化度および硬さを高くすることができるの
で、たとえば茹で上げられた麺がチルド保存されて食に
供されるときに、あるいは茹で上げ直後に凍結された麺
が緩慢解凍されて食に供されるときに、チルド保存ある
いは緩慢解凍によって糊化度および硬さの低下が生じて
も食に供されるときの糊化度および硬さの水準を高くす
ることができる。したがって、チルド保存あるいは緩慢
解凍されるときでも、食感および風味の優れた3層麺を
製造することができる。
【0007】また本発明は、内層用原料粉に含まれる小
麦粉の種類が外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類より
も蛋白質含量の多い種類に選ばれることを特徴とする。
【0008】本発明に従えば、内層用原料粉に含まれる
小麦粉の種類は、外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類
よりも蛋白質含量の多い、換言すれば強い生地をつくる
ことのできる種類に選ばれるので、これらの原料粉を用
いて製造された3層麺は麺断面における中心の硬さを表
面の硬さよりも硬くすることができる。これによって、
麺を弾力および腰のある食感の良好な状態にすることが
できるので、チルド保存あるいは緩慢解凍による食感の
低下を補うことができる。したがって、チルド保存ある
いは緩慢解凍されるときでも食感および風味の優れた3
層麺を製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の3層麺の製造方法
について詳細に説明する。本発明の3層麺の形態は、生
麺、茹で麺、冷凍麺などのいずれであってもよい。また
本発明の3層麺の種類は、うどん、そば、ラーメンなど
の何れであってもよい。
【0010】図1は本発明にかかわる冷凍3層麺の製造
工程の前半部分を簡略化して示す図であり、図2は図1
に後続する冷凍3層麺の製造工程の後半部分を簡略化し
て示す図である。図1および図2を参照して、本発明の
実施の一形態である冷凍3層麺の製造方法について、す
なわち、緩慢解凍を行っても優れた食感および風味を有
する冷凍3層麺の製造方法について説明する。
【0011】第1工程では、原料粉の準備が内層用原料
粉と外層用原料粉とに分けて行われる。原料粉は、穀粉
類とつなぎ粉とから成る。穀粉類は、小麦粉とそば粉と
澱粉とから成り、そば粉はそばの場合のみ用いられる。
澱粉は馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、トウモロコシ澱粉な
どから選ばれる。小麦粉にも澱粉が含まれる。つなぎ粉
はグルテンおよび卵白などの蛋白物質から成る。原料粉
の種類および配合量の少なくともいずれか一方は、内層
用原料粉と外層用原料粉とで異なるように設定される。
【0012】内層用原料粉に含まれる小麦粉の種類は、
外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白質含量
の多い種類に選ばれることが好ましい。すなわち、内層
用原料粉の小麦粉に蛋白質含量の最も多い強力粉を用い
るときには、外層用原料粉の小麦粉に準強力粉または中
力粉を用い、内層用原料粉の小麦粉に準強力粉を用いる
ときには、外層用原料粉の小麦粉に蛋白質含量の少ない
中力粉を用いる。ここで、強力粉、準強力粉および中力
粉は、蛋白質含量によって区分される小麦粉の種類を表
し、朝倉書店発行の「小麦の科学」の定義によれば、表
1に示すように区分される。
【0013】
【表1】
【0014】このように、内層用および外層用原料粉に
含まれる小麦粉の種類を限定したのは、次のような理由
によるものである。図3は麺の食感が良好である茹で上
げ直後の麺2の断面における水分の分布を模式的に示す
図である。図3では、図解の便宜のために麺断面を円形
で示している。茹で上げ直後の麺断面の水分は、表面F
の水分が多く、中心Oの水分が少なくなっており、麺断
面には、曲線Wで示すように水分勾配が形成されてい
る。表面の水分A2は、たとえば80%であり、中心の
水分A1は、たとえば50%である。また麺の硬さは、
水分が多くなるほど低下するので、茹で上げ直後の麺2
は表面が柔らかく、中心が硬くなっている。したがっ
て、このような水分勾配に伴う硬さの差が麺の弾力およ
び腰となって茹で上げ直後の良好な食感をもたらしてい
るものと考えられる。
【0015】これに対して、茹で上げ直後の麺を冷凍し
た後、緩慢解凍を行うと麺の食感が著しく低下する。こ
の原因は、緩慢解凍によって麺断面の水分勾配が均一化
され、麺の弾力および腰がなくなることによるものと考
えられる。したがって、緩慢解凍による食感の低下を防
止するには、水分勾配に代わって麺断面の中心が硬く表
面が柔らかくなるように硬さの差を発生させる工夫が必
要である。前述のように、麺を3層麺構造に形成し、内
層用原料粉中の小麦粉に外層用原料粉中の小麦粉よりも
蛋白質含量の多い小麦粉を用いているのは蛋白質含量の
多い小麦粉の方が強くて硬い生地を形成することがで
き、麺断面の中心を表面より硬くすることができるから
である。
【0016】第2工程では、加水混練処理が内層用およ
び外層用原料粉の各々について個別に行われる。この工
程は、真空ミキサーで3段階に分けて行われる。第1段
階では原料粉が大気圧下で高速回転で混合される。第2
段階では原料粉に水を加えて混練が行われる。この混練
は真空下で中速度で行われる。水はボール弁を徐々に開
けながら加水される。この混練によって、各原料粉中に
グルテンが形成される。このとき、内層用原料粉および
外層用原料粉の少なくともいずれか一方に、たとえば内
層用原料粉に60℃〜100℃に加熱された水(以後、
加熱水と呼ぶ)が加えられる。加熱水が加えられない原
料粉、たとえば外層用原料粉には、15℃の水が加えら
れる。加熱水の加水によってその熱に相当する分だけ澱
粉の糊化が進行するとともにグルテンの網目構造化が促
進される。
【0017】加熱水の下限温度を60℃に限定したの
は、60℃未満では、澱粉の糊化温度を下回る恐れがあ
り、澱粉の糊化およびグルテンの網目構造化が進まない
恐れがあるからである。澱粉の糊化温度は、小麦粉中の
澱粉で52.0〜63.0℃であり、馬鈴薯澱粉で5
6.0〜66.0℃であり、タピオカ澱粉で58.5〜
70.0℃である。加熱水の上限温度を100℃に限定
したのは、この温度を超えると原料粉から風味が飛散す
る恐れがあるからである。
【0018】第3段階では、真空下で低速回転で混練が
行われる。これによって生地に弾力および硬さが付与さ
れる。第3段階の混練終了後、槽内が大気圧下に戻さ
れ、生地が取出される。加熱水が加えられる原料粉は、
内層用原料粉であってもよく、外層用原料粉であっても
よく、内層用および外層用原料粉の両方であってもよ
い。加熱水は、たとえば澱粉配合量の多い原料粉に加え
られる。このように、加熱水を加えて混練を行い、混練
時に澱粉の糊化を進行させるのは次のような理由による
ものである。
【0019】図4は、茹で上げ直後に凍結されて冷凍保
管されていた麺を冷蔵温度域でチルド解凍するときの麺
温度の経時的な推移を示すグラフである。約−18℃で
冷凍保管されていた麺の温度は、チルド解凍される過程
で曲線Hで示すように上昇し、−5℃〜0℃の最大氷結
晶生成帯Gに到達する。このゾーンでは、曲線Iに示す
ように温度上昇が停滞するので、麺の温度が最大氷結晶
生成帯Gの温度を超えるには長時間を要する。最大氷結
晶生成帯Gの温度域を超えると、麺温度は曲線Jで示す
ように+5℃まで上昇してその温度で保持される。
【0020】澱粉は、最大氷結晶生成帯で微細氷結晶の
一部成長によって構成成分であるアミロースの枝同士が
接近して会合(凝集)を起こしやすくなり、いわゆる老
化が著しく進行する。また冷蔵温度領域(0℃超,5℃
以下)でも融解する際の氷結晶の一部成長によってアミ
ロースの枝同士が接近して会合を起こしやすくなり、澱
粉の老化が進行する。これによって、チルド解凍された
麺は澱粉の劣化が著しく進行し、風味が著しく低下す
る。この現象は、室温での自然解凍を行うときでも麺の
温度が最大氷結晶生成帯Gで停滞するので、同様に発生
する。したがって、緩慢解凍によって麺の風味は著しく
低下する。
【0021】この風味の低下を低減する1つの方法は、
凍結前における澱粉の糊化の程度(以後、糊化度と呼
ぶ)を高めておき、緩慢解凍によって糊化度の低下が生
じても、緩慢解凍後の糊化度の水準を高く保つ方法であ
る。凍結前における麺の糊化度を高める方法、換言すれ
ば茹で上げ直後における麺の糊化度を高める方法は、た
とえば沸騰水中における茹で時間を延長することによっ
て実現できる。しかしながら、茹で時間を延長すると麺
が水を吸収し過ぎて、茹で上がった麺はぶよぶよとした
柔らかな食感になり好ましくない。したがって、麺の硬
さを維持したままで茹で上げ直後の糊化度を高める工夫
が必要である。前述のように加熱水を加えて混練を行
い、混練時に麺の糊化度を高める処理が行われるのは、
茹で時間を延長することなく茹で上げ直後の麺の糊化度
を高めることができるからである。
【0022】第3工程では、生地の熟成が内層用および
外層用生地についてそれぞれ行われる。生地の熟成は、
生地をトレイに入れて常温で所定時間放置することによ
って行われる。これによって生地が圧延されやすくな
る。第4工程では粗麺帯の製造が圧延によって行われ
る。
【0023】図5は、粗麺帯機1の構成を簡略化して示
す図である。混練の終了した粒状の生地3をトレー4に
入れ、一対の粗圧延ロール5で粗麺帯6に圧延し、さら
に圧延した粗麺帯6を二つ重ねにして再度粗圧延ロール
5で圧延し、1枚の粗麺帯6に複合し、複合した粗麺帯
6を巻取りロール7で巻取る。粗圧延ロール5の直径
は、たとえば240mmである。これによって、グルテ
ン組織が均一になり、粗麺帯が強靭化する。この工程で
は、内層用原料粉を用いて、1枚の内層用粗麺帯6aが
製造され、外層用原料粉を用いて2枚の外層用粗麺帯6
b,6cが製造される。第5工程では、麺帯の製造が圧
延によって行われる。
【0024】図6は、連続圧延機9の構成を簡略化して
示す図である。粗麺帯6は、巻出しロール10から巻出
され、第1および第2ロール11,12によって所定の
厚みの麺帯13に圧延される。圧延された麺帯13は、
第2ロール12の出側より手作業で取出される。第1お
よび第2ロール11,12は、それぞれ一対のロールか
ら成り、その直径は、たとえばいずれも180mmであ
る。この工程では、所定厚み、たとえば2.3mmの1
枚の内層用麺帯13aが圧延され、所定厚み、たとえば
2.3mmの2枚の外層用麺帯13b,13cが圧延さ
れる。
【0025】第6工程では、圧延された各麺帯13a,
13b,13cの重ね合わせが行われる。重ね合わせ
は、中心に配置した内層用麺帯13aを2枚の外層用麺
帯13b,13cで挟むことによって行われる。第7工
程では、3層麺帯の製造が積層圧延によって行われ、第
8工程では、麺線の切出しが行われる。この2つの工程
は連続して行われる。図6を参照して、重ね合わされた
3枚の麺帯13は、第1ロール11,第2ロール12お
よび第3ロール14をこの順序に通過して所定厚み、た
とえば1.4mmの3層麺帯15に圧延される。圧延さ
れた3層麺帯15は、引続き切出し機16で所定幅に裁
断されるとともに所定長さに切断される。これによっ
て、細長い複数の麺線17が切出される。第3ロール1
4は、一対のロールから成り、その直径はたとえば12
0mmである。圧延ロールは、3組に限定されるもので
はない。
【0026】このように3枚に重ね合わされた麺帯13
は、3組の圧延ロールによって順次圧延されて3層麺帯
15に形成されるので、3層麺帯15の厚さは、段階的
に減厚される。これによって、1回の圧延当りの厚み減
少量が小さくなるので、摩擦熱の発生量が小さくなり、
表面の肌あれが防止されて滑らかな表面が得られる。ま
た摩擦熱の発生量が小さいので、たとえばそば粉が配合
されている場合でもそばの香りが失われない。これに対
して、たとえば3層押出しによって3層麺を製造する場
合には、1回の押出しで所定厚みまで減厚されるので、
厚み減少量が大きく、摩擦熱の発生量が大きくなる。し
たがって表面の肌あれが大きくなり、そばの香りも失わ
れる。
【0027】第9工程では、生麺の茹で上げ処理が行わ
れる。この工程では、切出された麺線が沸騰水中に所定
時間、たとえば90秒間浸漬される。これによって、生
麺が糊化する。第10工程では、水洗いが行われ、茹で
上がった麺のぬめりが洗い流される。第11工程では、
氷水冷却が行われる。この処理によって麺が締まり、肌
が滑らかになる。第12工程では、計量が行われ、麺線
が一食分ずつ分けられる。第13工程では凍結処理が行
われる。この処理は、たとえば−40℃で茹で麺を急速
凍結することによって行われる。これによって、前記麺
断面の水分勾配が茹で直後の状態のまま保存され、糊化
された澱粉の老化が抑制される。第14工程では、凍結
処理された麺が真空包装され、冷凍庫で保管される。保
管は、たとえば−18℃の温度で行われる。
【0028】このように、本発明では内層用原料粉およ
び外層用原料粉の少なくともいずれか一方に澱粉の糊化
温度以上に加熱された水を加えて混練が行われるので、
混練中に澱粉およびグルテンが加熱され、その熱量に相
当する分だけ澱粉の糊化度が上昇するとともにグルテン
の網目構造化が促進される。その結果、製麺後に行われ
る茹で上げ工程において茹で上げ直後の麺の糊化度およ
び硬さを高めることができる。これによって、茹で上げ
直後に凍結された麺が緩慢解凍され、緩慢解凍中に麺の
糊化度および硬さの低下が生じても、緩慢解凍後の麺の
糊化度および硬さの水準を高く保つことができる。した
がって、緩慢解凍を行っても優れた食感および風味を有
する3層麺を製造することができる。また、好ましくは
内層用原料粉中の蛋白質含量が外層用原料粉中の蛋白質
含量よりも多くなるように小麦粉の種類が選ばれるの
で、製麺後の麺断面において中心の硬さを表面の硬さよ
りも硬くすることができる。これによって、麺に弾力性
および腰のある食感を与えることができるので、緩慢解
凍を行ってもさらに優れた食感および風味を有する3層
麺を製造することができる。
【0029】本発明は、このような緩慢解凍される冷凍
麺に対して好適に適用できるばかりでなく、茹で上げ後
に凍結しないでチルド保存されるいわゆるチルド麺に対
しても好適に適用することができる。チルド麺の製造工
程は、図2に示す凍結工程および保管工程がチルド保存
工程に代わる点を除いて、前記図1および図2に示す製
造工程と同一であるので、図示および説明を省略する。
前述のようにチルド保存は、茹で上げられた麺が冷蔵温
度域で保存される処理である。この冷蔵温度域は、前述
のように澱粉のアミロースの枝が会合しやすい温度域で
あるので、澱粉の老化が生じやすい。したがってチルド
保存された麺の食感および風味は低下する。この現象
は、前記凍結後、緩慢解凍される場合と全く同じ現象で
あるので、同一の処理、すなわち前記加熱水加水混練お
よび小麦粉の種類の選定を同様に行うことによってチル
ド保存を行っても優れた食感および風味を有する3層麺
を製造することができる。また本発明は、生麺など他の
形態の麺に対しても好適に適用できる。
【0030】以下、実施例および比較例に基づいて本発
明を具体的に説明する。実施例および比較例の麺の品質
は、麺の糊化度および硬さを測定するとともに、麺の食
感および風味に関する官能評価を行うことによって評価
した。麺の糊化度は、食品分析法(日本食品工業学会編
纂、第2版)に定められているベータ・アミラーゼ・プ
ルラナーゼ法に基づいて分析した、分析は、1サンプル
について3回行い、その平均値を算出して分析値とし
た。麺の硬さは、レオメータを用いて次のようにして測
定した。
【0031】図7は、レオメータ20の構成を簡略化し
て示す斜視図である。試料である麺線17は、ほぼ水平
な試料台21上に厚さ方向が試料台21の乗載面に対し
て垂直になるように載置される。麺線17の寸法は、た
とえば厚さHo:2.0mm,幅2.2mm,長さ:4
0mmである。麺線17の厚さは、茹で上げ処理によっ
て切出し時の厚さよりも増大している。麺線17の上面
と荷重計23との間には、プランジャ24が試料台21
の乗載面に対してほぼ垂直になるように配置される。プ
ランジャ24は、下方に向うにつれて先細状に形成され
た圧縮用治具であり、麺線17の幅方向に延びる。プラ
ンジャ24の麺線17を含む鉛直面に平行な鉛直断面形
状は台形である。プランジャ24の下端部の厚さtは、
たとえば1mmであり、プランジャ24の先端角度θ1
は約15°である。
【0032】試料台21は、鉛直方向に昇降可能に構成
されている。試料台21を上方に変位させると、麺線1
7はプランジャ24と試料台21との間で圧縮され、そ
の圧縮荷重は荷重計23によって検出される。麺の硬さ
は、圧縮速度:0.5mm/秒,圧縮率:90%の圧縮
条件で麺線17を圧縮したときの圧縮荷重によって表さ
れる。圧縮率90%とは、麺線17を初期厚さHo=
2.0mmから最終厚さ0.1×Ho=0.2mmにな
るまで圧縮することを意味する。圧縮荷重の測定は5回
行われ、その平均値を算出して麺の硬さとした。
【0033】官能評価は、実施例および比較例の麺をパ
ネラ5名で試食し、麺の食感および風味が比較例に対し
て向上しているか否かによって評価した。評価は表2に
示すような評価基準に基づいて行った。
【0034】
【表2】
【0035】(実施例1〜4)内層用原料粉の混練時に
加える水の温度(以後、加水温度と呼ぶ)が本発明の範
囲を満たす実施例1〜4の3層麺と、本発明の範囲を外
れる比較例1〜2の3層麺とについて、チルド解凍後の
品質を比較した。
【0036】(1−1) 内層用麺帯 強力小麦粉(日清製粉製「カメリア」)45%、そば粉
(日穀製粉製「千寿」)25%、および澱粉(松谷化学
製「松谷ゆり8」)30%を穀粉量として重量割合で1
00%になるように混合し、それに穀粉量に対してグル
テン(グリコ栄養食品製)3%、卵白(太陽化学製「サ
ンキララRS」)3%、食塩1%を混合し、さらにそれ
に穀粉量に対して水または加熱水40%を加えて、真空
ミキサーで混練した。真空ミキサーの混練は高速の回転
速度(120rpm)で5分、中速の回転速度(80r
pm)で2分、低速の回転速度(40rpm)で5分行
った。高速混練は大気圧下で行い、中速および低速混練
は真空下(690mmHg)で行った。水または加熱水
は、中速混練時に加水した。加水温度は表3に示すよう
に変化させた。内層用原料粉の混練を各加水温度毎に行
い、加水温度の異なる内層用生地をそれぞれ製造した
後、それを圧延して粗麺帯を製造し、さらに粗麺帯を圧
延して厚さ2.3mmの内層用麺帯を製造した。
【0037】(1−2)外層用麺帯 強力小麦粉(日清製粉製「カメリア」)57%、そば粉
(日穀製粉製「千寿」)33%および澱粉(松谷化学製
「松谷ゆり8」)10%を穀粉量として重量割合で10
0%になるように混合し、それに穀粉量に対してグルテ
ン(グリコ栄養食品製)3%,卵白(太陽化学製「サン
キララRS」)3%,食塩1%を混合し、さらにそれに
穀粉量に対して水36%を加えて、以後、混練時の加水
温度が15℃一水準である点を除いて内層用麺帯と同じ
方法で厚さ2.3mmの外層用麺帯を製造した。
【0038】(1−3)3層麺帯および麺線 内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで重ね合わせ、重
ね合わせた3枚の麺帯を圧延して厚さ1.4mmの3層
麺帯を製造した。さらに各3層麺帯を#20の切り刃を
用いて1単位約80g程度の麺線に切出して3層麺を製
造した。製造した3層麺を表3に示す。表3の試料N
o.1〜2は、加水温度が本発明の範囲を下限側に外れ
た比較例1〜2であり、試料No.3〜6は、加水温度
が本発明の範囲を満たす実施例1〜4である。
【0039】(1−4)茹で上げ、凍結および保管 麺線をステンレス鋼製茹で籠に1回当り5食分約400
g装入し、茹で釜で90秒間茹で上げ、直ちに冷水、氷
水で冷却し、トレーに入れて−40℃に設定されたフリ
ーザで急速凍結した。約1時間凍結させた後に取出し、
真空包装後、−18℃に設定された冷凍庫で保管した。
【0040】(1−5)解凍および評価 凍結した麺を約5℃に設定された冷蔵庫で24時間チル
ド解凍し、取出した麺の糊化度および硬さを測定すると
ともに、麺の試食を行った。試食は、前述のようにパネ
ラ5名で行い、官能評価を行った。また茹で上げ時に
は、茹で上げ直後の麺の糊化度を測定した。測定結果お
よび官能評価結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】図8は、麺の糊化度と混練時の加水温度と
の関係を示すグラフであり、図9はチルド解凍後の麺の
硬さと混練時の加水温度との関係を示すグラフである。
図8中の曲線Kは茹で上げ直後の麺の糊化度を示す曲線
であり、図8中の曲線Lはチルド解凍後の麺の糊化度を
示す曲線である。表3および図8から、次のことが判
る。
【0043】(a)実施例1〜4の茹で上げ直後の糊化
度は、比較例1〜2の茹で上げ直後の糊化度よりも高
い。これは、内層用原料粉の混練が澱粉の糊化温度より
も高い温度の加熱水を加えて行われることによるもので
ある。また、内層用原料粉の澱粉の配合量が外層用原料
粉の配合量よりも多いことも寄与しているものと考えら
れる。
【0044】(b)チルド解凍後の糊化度は、茹で上げ
直後の糊化度に比べて約35%も大幅に低下する。
【0045】(c)実施例1〜4のチルド解凍後の糊化
度は、比較例1〜2のチルド解凍後の糊化度よりも高
い。これは茹で上げ直後の糊化度が高いことによるもの
と考えられる。
【0046】(d)実施例1〜4のチルド解凍後の麺の
硬さは、比較例1〜2のチルド解凍後の麺の硬さよりも
硬い。これは内層用原料粉に加えられた加熱水からの熱
によって内層用生地のグルテンの網目構造化が促進さ
れ、内層用生地が強化されることによるものと考えられ
る。
【0047】(e)実施例1〜4のチルド解凍後の官能
評価は、比較例1〜2よりも良好であり、特に混練時の
加水温度が70℃以上の実施例2〜4では、比較例1〜
2よりも明らかに食感および風味などの品質の向上が認
められる。これは、実施例1〜4の麺の糊化度および硬
さの水準が高いことによるものである。
【0048】このように、内層用原料粉の混練時の加水
温度が本発明の範囲を満たす実施例1〜4の3層麺は、
本発明の範囲を外れた比較例1〜2の3層麺に比べて、
チルド解凍後の麺の品質が優れている。したがって、実
施例1〜4の本発明に従えば、チルド解凍を行っても、
優れた食感および風味を有する3層麺を製造することが
できる。また、原料粉の混練時の加水温度が前述のよう
に60℃〜100℃の範囲に限定されるのは、このよう
な根拠によるものである。
【0049】(実施例5〜8)内層用および外層用原料
粉の混練時における加水温度がともに本発明の範囲を満
たす実施例5〜8の3層麺と、本発明の範囲を外れた比
較例3の3層麺とについて、チルド解凍後の麺の品質を
比較した。また実施例5〜8と、実施例1〜4との比較
も行った。
【0050】(2−1)内層用麺帯 実施例1〜4の内層用麺帯と同じ原料粉を用い、同じ量
の水または加熱水を加えて、以後、実施例1〜4の内層
用麺帯と同じ方法で厚さ2.3mmの内層用麺帯を製造
した。加水温度は、表4に示すように変化させた。
【0051】(2−2)外層用麺帯 実施例1〜4の外層用麺帯と同じ原料粉を用い、さらに
それに穀粉量に対して水または加熱水36%を加えて、
以後、実施例1〜4の内層用麺帯と同じ方法で厚さ2.
3mmの外層用麺帯を製造した。加水温度は、表4に示
すように変化させた。
【0052】(2−3)3層麺帯および麺線 混練時の加水温度が同一の内層用および外層用麺帯を選
び、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで重ね合わ
せ、実施例1〜4と同じ方法で3層麺帯および麺線を製
造した。製造した3層麺を表4に示す。表4の試料N
o.11は、加水温度が本発明の範囲を下限側に外れた
比較例3であり、試料No.12〜15は、加水温度が
本発明の範囲を満たす実施例5〜8である。
【0053】(2−4)茹で上げ、凍結、保管、解凍お
よび評価 実施例1〜4と同じ方法で麺の茹で上げ、凍結、保管、
チルド解凍および評価を行った。麺の糊化度・硬さの測
定結果および官能評価結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】表4から、実施例5〜8の茹で上げ直後お
よびチルド解凍後の糊化度は、比較例3の対応する糊化
度よりも高いこと、実施例5〜8のチルド解凍後の麺の
硬さは比較例3のチルド解凍後の麺の硬さよりも硬いこ
とおよび実施例5〜8のチルド解凍後の官能評価は比較
例3のチルド解凍後の官能評価よりも良好であることな
どが判る。これは実施例1〜4と同じ理由によるもので
ある。また実施例5〜8と実施例1〜4とを比べると、
チルド解凍後の麺の糊化度および硬さは、実施例5〜8
の方が高くて良好であるけれども、その差は小さいこと
が判る。
【0056】このように、内層用および外層用原料粉の
混練時の加水温度がともに本発明の範囲を満たす実施例
5〜8の3層麺は、本発明の範囲を外れた比較例3およ
び前記実施例1〜4の3層麺よりもチルド解凍後の麺の
品質が優れている。したがって、実施例5〜8の本発明
に従えば、チルド解凍を行っても優れた食感および風味
を有する3層麺を製造することができる。
【0057】(実施例9〜12)内層用原料粉に含まれ
る小麦粉の種類を外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類
よりも蛋白質含量の多い種類に選び、かつ内層用原料粉
の混練時における加水温度が本発明の範囲を満たす実施
例9〜12の3層麺と、実施例9〜12と同一の小麦粉
の種類を選び、かつ内層用原料粉の混練時における加水
温度が本発明の範囲を外れた比較例4の3層麺とについ
て、チルド解凍後の品質を比較した。また実施例9〜1
2と、前記実施例1〜8との比較も行った。
【0058】(3−1)内層用麺帯 強力小麦粉(日清製粉製「カメリア」)40%、そば粉
(日穀製粉製「千寿」)30%および澱粉(松谷化学製
「松谷ゆり8」)30%を穀粉量として重量割合で10
0%になるように混合し、それに穀粉量に対してグルテ
ン(グリコ栄養食品製)3%、卵白(太陽化学製「サン
キララRS」)3%、食塩1%を混合し、さらにそれに
穀粉量に対して水または加熱水40%を加えて、以後、
実施例1〜4の内層用麺帯と同じ方法で、厚さ2.3m
mの内層用麺帯を製造した。加水温度は、表5に示すよ
うに変化させた。
【0059】(3−2)外層用麺帯 準強力小麦粉(日清製粉製「緑飛龍」)40%、そば粉
(日穀製粉製「千寿」)30%および澱粉(松谷化学製
「松谷ゆり8」)30%を穀粉量として重量割合で10
0になるように混合し、それに穀粉量に対してグルテン
(グリコ栄養食品製)3%、卵白(太陽化学製「サンキ
ララRS」)3%、食塩1%を混合し、さらにそれに穀
粉量に対して水40%を加えて、以後、実施例1〜4の
外層用麺帯と同じ方法で厚さ2.3mmの外層用麺帯を
製造した。
【0060】(3−3)3層麺帯および麺線 内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで重ね合わせ、実
施例1〜4と同じ方法で3層麺帯および麺線を製造し
た。製造した3層麺を表5に示す。表5の試料No.2
1は、内層用原料粉の加水温度が本発明の範囲を下限側
に外れた比較例4であり、試料No.22〜25は内層
用原料粉の加水温度が本発明の範囲を満たす実施例9〜
12である。
【0061】(3−4)茹で上げ、凍結、保管、解凍お
よび評価 実施例1〜4と同じ方法で、製造した3層麺の茹で上
げ、凍結、保管、チルド解凍および評価を行った。麺の
糊化度・硬さの測定結果および官能評価結果を表5に示
す。
【0062】
【表5】
【0063】表5から実施例9〜12の茹で上げ直後お
よびチルド解凍後の糊化度は比較例4の対応する糊化度
よりも高いこと、実施例9〜12のチルド解凍後の麺の
硬さは比較例4のチルド解凍後の麺の硬さよりも硬いこ
とおよび実施例9〜12のチルド解凍後の官能評価は比
較例4のチルド解凍後の官能評価よりも優れていること
などが判る。これは、実施例1〜4と同様の理由による
ものである。また実施例9〜12と実施例1〜8とを比
較すると、チルド解凍後の麺の糊化度および硬さはいず
れもほぼ同水準であり、差が認められないことが判る。
【0064】チルド解凍後の官能評価については、表3
〜表5に示す官能評価はいずれも比較例との相対評価で
あるので、実施例9〜12と実施例1〜8とを直接比較
することができない。したがって、表3〜表5に示す官
能評価とは別の官能評価を行って、チルド解凍後の麺の
食感および風味について実施例9〜12と実施例1〜8
との比較を行った。その結果、実施例9〜12の方が実
施例1〜8よりも麺に弾力および腰があり、食感の点で
優れていることが判った。これは、前述のように実施例
9〜12においては内層用原料粉に含まれる小麦粉の種
類を外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白質
含量の多い種類に選んでいるので、麺断面の中心の硬さ
を表面の硬さよりも硬くすることができ、麺に弾力およ
び腰のある良好な食感が付与されることによるものと考
えられる。
【0065】このように、実施例9〜12の3層麺は比
較例4および前記実施例1〜8の3層麺よりもチルド解
凍後における麺の品質が優れている。したがって、実施
例9〜12の本発明に従えば、チルド解凍を行っても優
れた食感および風味を有する3層麺を製造することがで
きる。
【0066】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の本発明によ
れば、内層用および外層用原料粉の少なくともいずれか
一方に充分な温度に加熱された水を加えて混練が行われ
るので、加熱された水を加えられた原料粉では混練中に
加熱水の熱によって原料粉に含まれる澱粉の糊化が進行
する。また同様に原料粉中におけるグルテンの形成とグ
ルテンの網目構造化とが促進される。これによって、茹
で上げられた麺の茹で上げ直後における糊化度および硬
さを高くすることができるので、チルド保存あるいは緩
慢解凍されるときでも食感および風味の優れた3層麺を
製造することができる。
【0067】また請求項2記載の本発明によれば、内層
用原料粉に含まれる小麦粉の種類は外層用原料粉に含ま
れる小麦粉の種類よりも蛋白質含量の多い種類に選ばれ
るので、3層麺は麺断面における中心の硬さを表面の硬
さよりも硬くすることができる。これによって麺を弾力
および腰のある食感の良好な状態にすることができるの
で、チルド保存あるいは緩慢解凍されるときでも食感お
よび風味の優れた3層麺を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷凍3層麺の製造工程の前半部分
を簡略化して示す図である。
【図2】図1に後続する冷凍3層麺の製造工程の後半部
分を簡略化して示す図である。
【図3】麺の食感が良好である茹で上げ直後の麺2の断
面における水分の分布を模式的に示す図である。
【図4】茹で上げ直後に凍結されて冷凍保管されていた
麺を冷蔵温度域でチルド解凍するときの麺温度の経時的
な推移を示すグラフである。
【図5】粗麺帯機1の構成を簡略化して示す図である。
【図6】連続圧延機9の構成を簡略化して示す図であ
る。
【図7】レオメータ20の構成を簡略化して示す斜視図
である。
【図8】麺の糊化度と混練時の加水温度との関係を示す
グラフである。
【図9】チルド解凍後の麺の硬さと混練時の加水温度と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 粗麺帯機 3 生地 6 粗麺帯 9 連続圧延機 13 麺帯 15 3層麺帯 17 麺線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉を含む内層用原料粉に水を加えて
    混練し、小麦粉を含む外層用原料粉に水を加えて混練
    し、混練した内層用および外層用原料粉を別々に圧延し
    て内層用および外層用麺帯をそれぞれ製造し、内層用麺
    帯を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延して3層麺帯を製造
    し、さらに圧延して麺線に切出す3層麺の製造方法にお
    いて、 内層用原料粉および外層用原料粉の少なくともいずれか
    一方に60℃〜100℃に加熱された水を加えて混練す
    ることを特徴とする3層麺の製造方法。
  2. 【請求項2】 内層用原料粉に含まれる小麦粉の種類が
    外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白質含量
    の多い種類に選ばれることを特徴とする請求項1記載の
    3層麺の製造方法。
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