JP7260370B2 - 冷凍麺類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍麺類の製造方法に関する。
近年、喫食可能に調理したスパゲティや中華麺等の麺類を冷凍した冷凍麺類が流通及び市販されており、また冷凍技術の発達等により、冷凍麺類は長期間の保存ができるようになっている。特に、製造から小売店での販売に至るまでの麺類の流通の利便性を高めるために、自然解凍又は低温解凍可能でありながらも、調理直後の良好な食感を有する冷凍麺類が望まれている。
良好な食感を備えた麺類の製造方法として、特許文献1及び2には、乾燥麺を50~90℃で所定時間保持する処理を行う方法が開示されている。
また本出願人は先に、水分が15%以下の麺線を乾燥して得られた乾麺類を60℃~70℃の雰囲気で24~60時間熟成させる乾麺類の製造方法(特許文献3)、及び水分含量10~38%の麺線を温度50~100℃の雰囲気で10~100時間熟成処理する麺類の製造方法(特許文献4)を提案した。
特開2001-149030号公報 特開2014-217342号公報 特開2010-130979号公報 特開2015-42169号公報
ところで、冷凍麺類を自然解凍(常温、冷蔵、又はチルド環境下での解凍)に供した場合、麺類に含まれる多量の水分に起因して、自然解凍後の麺類は食感等の品質が低下してしまうことがある。特に、自然解凍された麺類をそのまま冷蔵保存する際には、麺類の品質の低下が顕著となる。特許文献1ないし4に記載の製造方法は、いずれも乾麺類の品質の向上を目的としているので、同文献に記載の乾麺を調理した後に冷凍処理すること、及び冷凍された麺類の自然解凍後の食感に関して、特段検討されていない。
したがって、本発明の課題は、自然解凍後、及びその後の冷蔵保管後も食感に優れた冷凍麺類を提供することにある。
本発明者は、特定の主原料及び麺径を有する乾麺を所定の環境下に置いて熟成して、特定の歩留まりとなるように茹で調理し、その後凍結することで、意外にも、自然解凍及び低温解凍した麺が良好な食感を有することを見出した。
すなわち本発明は、乾燥麺類を雰囲気温度55℃~73℃の環境に15時間~168時間置いて熟成して、熟成麺類を得る工程と、
前記熟成麺類を、歩留まりが210質量%~230質量%となるように茹で調理して、調理済み麺類を得る工程と、
前記調理済み麺類を凍結して、冷凍麺類を得る工程とを備え、
前記乾燥麺類として、デュラム粉を主原料として含み、水分含量が13質量%以下であり、且つ太さが1.5mm~2.4mmであるものを用いる、冷凍麺類の製造方法を提供するものである。
また本発明は、乾燥麺類を、雰囲気温度T(℃)及び時間t(時間)が以下の式(1)及び(2)を満たす条件の環境に置いて熟成して、熟成麺類を得る工程と、
前記熟成麺類を、歩留まりが210質量%~230質量%となるように茹で調理して、調理済み麺類を得る工程と、
前記調理済み麺類を凍結して、冷凍麺類を得る工程とを備え、
前記乾燥麺類として、デュラム粉を主原料として含み、水分含量が13質量%以下であり、且つ太さが1.5mm~2.4mmであるものを用いる、冷凍麺類の製造方法を提供するものである。
55≦T≦73 ・・・(1)
4500≦(T-52)×t≦18000 ・・・(2)
本発明によれば、自然解凍後、及びその後の冷蔵保管後も麺線の硬さ及び弾力のバランスが良く、食感に優れた冷凍麺類が提供される。
以下本発明の冷凍麺類の製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。本発明における「麺類」は、基本的に、穀粉を主原料とする粉原料を混練して調製された生地を成形して得られる食品が包含されるが、本発明が特に有用な食品は、デュラムセモリナやデュラム小麦粉などのデュラム小麦由来の穀粉(以下、これを単に「デュラム粉」ともいう。)を主原料とする種類の麺類であり、具体的には例えば、スパゲティ等のロングパスタである。以下の説明では、「X~Y」(X及びYは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「X以上Y以下」を意味する。
本発明の製造方法は、(i)乾燥麺類を所定の雰囲気温度の環境に所定時間置いて熟成して熟成麺類を得る工程(熟成工程)、(ii)熟成麺類を、所定の歩留まりとなるように茹で調理して、調理済み麺類を得る工程(調理工程)、及び(iii)調理済み麺類を凍結して、冷凍麺類を得る工程(凍結工程)に大別され、前記(i)~(iii)の順で行われる。以下、各工程について、デュラム粉を主原料とする麺類を例にとり説明する。
まず、(i)熟成工程として、乾燥麺類を所定の雰囲気温度の環境に所定時間置いて、熟成麺類を得る。乾燥麺類は、デュラムセモリナやデュラム小麦粉等のデュラム粉を主原料として含み、水分含量が好ましくは13質量%以下であり、且つ麺線の太さ(麺線断面の直径)が好ましくは1.5mm~2.4mmであるものを用いる。乾燥麺類は、包装されたものであってもよく、未包装のものであってもよい。乾燥麺類の詳細については後述する。
本工程は、熟成対象となる乾燥麺類を、雰囲気温度として好ましくは55℃~73℃、更に好ましくは60℃~70℃の雰囲気下に、時間として好ましくは15時間~168時間、更に好ましくは18時間~144時間置いて、熟成することによって行われる。このような条件で熟成することによって、小麦粉に含まれるグルテンの強靭化を促進させることができ、その結果、冷凍麺類を自然解凍した後であっても、あるいは、冷凍麺類を自然解凍後で更に低温保管した後であっても、解凍後の麺類の食感、特に麺線の硬さ及び弾力に優れたものとなる。
また本工程は、上述した熟成条件に代えて、雰囲気温度と時間とが以下の式(1)及び(2)をともに満たす条件の環境に乾燥麺類を置いて、熟成することも好ましい。すなわち、雰囲気温度をT(℃)とし、時間をt(時間)としたときに、熟成工程を以下の式(1)及び(2)をともに満たす条件で乾燥麺類を置いて行うことも好ましい。
55≦T≦73 ・・・(1)
4500≦(T-52)×t≦18000 ・・・(2)
式(1)において、雰囲気温度Tは、更に好ましくは60≦T≦70を満たす。また式(2)において、雰囲気温度T及び時間tの関係は、更に好ましくは6000≦(T-52)×t≦15000を満たす。式(2)における時間tは、好ましくは15≦t≦168、更に好ましくは18≦t≦144を満たす。このような条件で熟成した場合であっても、小麦粉に含まれるグルテンの強靭化を促進させることができ、その結果、自然解凍後又は低温解凍後の麺類の食感、特に麺線の硬さ及び弾力に優れたものとなる。
熟成工程における雰囲気の湿度は、麺類の水分含量が熟成工程の前後でできるだけ変化しない条件とすることが好ましい。この条件を採用することによって、乾燥麺類の水分平衡状態を崩すことなく、グルテンの強靭化を更に促進させることができ、その結果、自然解凍後又は低温解凍後も食感に優れた麺類となる。
詳細には、熟成工程に供される乾燥麺類が未包装のものである場合、熟成工程の前後における乾燥麺類の水分含量の変動が、好ましくは±2質量%以内、より好ましくは±1質量%以内、更に好ましくは±0.5質量%以内となる湿度を選択する。本工程における湿度は、雰囲気の温度に応じて適宜選択することができるが、例えば上述した熟成温度の範囲としたときに、相対湿度(RH)として、好ましくは55%RH~85%RH、更に好ましくは65%RH~75%RHとすることができる。
熟成工程に供される乾燥麺類が包装されたものである場合、熟成工程の前後における乾燥麺類の水分含量の変動は極めて少ないので、湿度は特に制限されないが、例えば上述の相対湿度の範囲とすることができる。製造効率の観点からは、乾燥麺類は、包装された状態で熟成工程に供されることが好ましい。乾燥麺類が包装されたもの、すなわち乾燥麺類の包装体は、包装体の内外における固体、液体及び気体すべての混入及び流通が防止される形態であることが好ましい。
次いで、(ii)調理工程として、上述の工程で得られた熟成麺類を、所定の歩留まりとなるように茹で調理して、調理済み麺類を得る。本工程では、茹で調理後の麺類の歩留まりが、好ましくは210質量%~230質量%、より好ましくは212質量%~225質量%、更に好ましくは214質量%~225質量%、一層好ましくは215質量%~222質量%となるように、乾燥麺類を茹で調理する。ここでいう「麺類の歩留まり」は、茹で調理前の乾燥麺類の質量に対する、加熱調理後の麺類の質量の割合を意味する。
一般的に、乾燥麺線を茹で調理して得た調理済み麺類を冷凍保管する場合、調理済み麺類の食感を長期間維持しやすくするために、乾燥麺線を、老化の起こりにくい高い歩留まりとなるように、具体的には例えば後述する比較例A及びBのように歩留まりが240質量%以上となる程度に茹で調理して、麺線内の水分含量を多くしていた。しかしながら、このような高い歩留まりとなるように茹で調理して得られた冷凍調理済み麺類を自然解凍したり、自然解凍後に更に低温保管したりすると、麺線中の水分分布が均一となりやすく、これに起因して麺線の柔軟性が高くなってしまい、後述する比較例Bのように、硬さ及び弾力性等の麺類特有の食感が損なわれることがあった。
この問題点について本発明者が鋭意検討したところ、調理済み麺類は、一般的に、麺線断面における中心部から外方に向かって水分量が多くなるような水分勾配を有しているが、特定の範囲の水分含量及び麺線太さを有する熟成麺類を特定の歩留まりとなるように茹で調理する工程を行うことによって、得られる調理済み麺類は、麺線中の水分量が少なくなり、且つ上述の水分勾配がより顕著なものとなる。これに伴って、麺線断面における中心部と、該中心部の外方に位置する周縁部とにおける、糊化傾向や膨潤度等といった麺線の性質の差が顕著となる。その結果、自然解凍後、及び自然解凍後に更に冷蔵保管した後も麺線中の水分分布が均一となりづらく、また麺線中の水分含量が少なくなるので、自然解凍後、及び自然解凍後に更に冷蔵保管した後の麺線を喫食する際に、適度な硬さや弾力性を発現させて食感に優れたものとなる。この効果は、上述した熟成工程におけるグルテンの強靭化の促進と組み合わせることによって、一層効果的に奏される。
続いて、(iii)冷凍工程として、上述の工程で得られた調理済み麺類を凍結して、冷凍麺類を得る。本工程における凍結方法としては、この種の冷凍麺類の製造において通常行われる凍結処理を適宜採用することができ、急速冷凍又は緩慢冷凍のいずれも採用できるが、急速冷凍することが特に好ましい。調理済み麺類を急速冷凍によって凍結させた場合、その凍結後は、通常の冷凍保存条件で保存すればよい。
調理済み麺類は、これをそのまま凍結させてもよく、あるいは油脂、油脂及び水の乳化液、若しくは調味液等の付着液を調理済み麺類に付着させて、然る後に凍結してもよい。付着液を麺類に付着させる場合、付着液として乳化液を用いることによって、麺類の冷凍焼けを防ぐことができるとともに、冷凍保存時における麺線中の水分量及び水分勾配の意図しない変動を低減することができる。乳化液に占める水の含有量は30質量%以上が好ましい。付着液の付着態様は、例えば調理済み麺類に振り掛ける、あえる、又はまぶす等の方法が挙げられる。付着液の付着量は、麺類100質量部に対し1質量部~10質量部であることが好ましく、更に好ましくは4質量部~7質量部である。
また、調理済み麺類は、付着液の有無によらず、必要に応じて所定の分量、例えば、一人分として150g~300gに分けて冷凍し、然る後に、冷凍された麺類を、トレイ等の容器又は包装袋に収容して流通させてもよい。あるいは、調理済み麺類は、所定の分量、例えば、一人分として150g~300gに分けて容器又は包装袋に収容して、然る後に、その容器又は包装袋ごと該麺類を凍結して流通させてもよい。
以上の工程を経て製造された冷凍麺類は、該冷凍麺類をそのまま電子レンジ等の加熱手段を用いて加熱解凍する場合はもちろんのこと、該冷凍麺類を常温等といった一般的な住環境の温度帯の環境下で静置して解凍するか、あるいは、冷蔵又はチルド等の凍結しない温度帯等の低温環境下で解凍する等の解凍方法で自然解凍する場合であっても、解凍後の麺類は、茹で調理直後の麺類が有する適度な硬さ及び弾力性が低下しにくく、喫食者に麺類の良好な食感を知覚させることができる。本発明に係る製造方法によって得られる冷凍麺類は、10℃超30℃以下の常温温度帯又は0℃以上10℃以下の低温温度帯で流通される、自然解凍用の麺類として好適なものとなる。
上述の工程を経て得られた冷凍麺類は、自然解凍して、解凍済み麺類を得る工程(解凍工程)を更に備えていてもよい。自然解凍とは、常温温度帯、又は冷蔵若しくはチルド等の低温温度帯の環境に解凍対象物を置いて解凍することをいい、具体的には冷凍麺類を0℃~35℃の環境に置いて解凍することを指す。このような温度範囲を満たす条件であれば、必要に応じて加温又は冷却を行ってもよく、具体例としては、暖房器具等による加温や、冷蔵設備又はチルド設備での保管等による冷却等が挙げられる。解凍工程は、当該工程を麺類の製造工場内で行ってもよく、あるいは、冷凍麺類を出荷してから消費者が購入するまでの任意の流通過程で行ってもよい。流通過程としては、例えば、製造工場、問屋、小売店及び消費者等の任意の場所間の輸送時や、問屋及び小売店等における倉庫、集荷場での保管時、小売店等での商品陳列による販売時等の各過程が挙げられるが、これらに限られない。
特に、製造工程の短縮に起因する製造効率の向上の観点、及び喫食の利便性を高める観点から、冷凍麺類を凍結状態のまま商品として出荷したあと、冷凍麺類の流通時、特に問屋及び小売店での保管時に解凍工程を行うことが好ましい。商品の流通時、特に問屋及び小売店での保管時に解凍工程を行うことによって、適度な硬さや弾力性等の良好な食感を維持した状態で、より長い期間小売店で販売することができる。また、麺類の消費者は解凍した麺類を小売店で購入することができ、解凍の時間を待たずに麺類をすぐに喫食できる点で有利である。解凍工程を経た解凍後の麺類は、更に加熱して喫食することができる。
以下に、熟成工程に供される乾燥麺類について説明する。本発明に係る製造方法は、上述した熟成工程に先立って、乾燥麺類を得る工程(成形工程)を更に行ってもよい。
熟成工程に供される乾燥麺類は、常法に従って得ることができる。デュラム粉を含む麺類を例にとると、まず、デュラム粉を主原料とする粉原料100質量部に対して、練り水を好ましくは25質量部~40質量部加え、これらを混捏して麺生地を調製する。デュラム粉は、粉原料中に好ましくは70質量%以上含み、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは95%以上含まれる。デュラム粉を主原料として用いることで、解凍後の麺類の食感が低下しにくくなる。練り水としては、水、食塩水など、通常製麺に用いられる水や液体を使用することができる。
粉原料には、麺類の製造に通常用いられるその他の原料が含まれていてもよい。その他の原料としては、例えばデュラム粉以外の穀粉、小麦蛋白質、トウモロコシ蛋白質、グルテン等の植物性蛋白質、澱粉、加工澱粉、糖類、卵、卵白粉、食塩、油脂、乳化剤、増粘剤等が挙げられる。粉原料中におけるこれらの原料は実質的に非含有であってもよく、あるいは通常0質量%超30質量%以下の含有量の範囲で調整される。
次いで、この麺生地を成形して複数の生麺線から構成される生麺類を得る。生麺線の形成方法は、麺帯状に押し出した麺生地を一定の間隔で切断して麺線を得る方法や、押出成形してストランド状の麺線を得る方法等が挙げられる。製造効率の向上及び麺類の食感の向上を両立する観点から、本工程における生麺線の形成は、押出成形してストランド状に押し出した後、切断して生麺線を得ることが好ましい。押出成形は、例えば、乾パスタ製造用の一軸押出製麺機や二軸押出製麺機等を用いて、押出製麺機の麺線の押出部に所望の形状の孔を有するダイスを設置して押出し成形することで、その孔に対応した形状の生麺線を得ることができる。
最後に、得られた生麺類を乾燥させて、水分含量が13質量%以下である乾燥麺類とする。乾燥条件は、急激な乾燥に起因した麺線の割れ等が生じない条件であれば特に制限はなく、例えば、生麺線を、温度が70℃~90℃且つ相対湿度が60%RH~80%RHの雰囲気下で、5時間~12時間置くことによって行うことができる。
このように得られた乾燥麺類は、生地に含まれる固形原料と実質的に同一の原料が含まれているので、デュラム粉を好ましくは70質量%以上含むものである。これに加えて、乾燥麺類は、乾燥麺類中の水分含量が好ましくは13質量%以下、更に好ましくは10質量%~13質量%であり、且つ麺線の太さが好ましくは1.5mm~2.4mm、より好ましくは1.5mm~2.0mm、更に好ましくは1.6mm~1.8mmである。麺線の太さは通常、均一となるように製造されるが、麺線の太さにばらつきが生じる場合は、麺線太さの上限及び下限がそれぞれ上述した範囲に含まれていればよい。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~6及び参考例1〕
(1.成形工程)
粉原料としてデュラム小麦粉(日清製粉株式会社製、レオーネG)100質量部に対して、28質量部の練り水(25℃)を加えて、混捏、脱気及び再度混捏して、麺生地を得た。この麺生地を押出成形機に投入して、ストランド状に押出成形して、複数の生麺線を得た。次いで、この生麺線を、温度範囲50℃~85℃、最高温度85℃、湿度70%RH、乾燥時間400分の条件で乾燥して、水分含量13質量%、麺線の太さ1.7mmの乾燥麺類(乾燥スパゲティ)を調製した。この乾燥スパゲティをポリプロピレンフィルムで包装した。
(2.熟成工程)
ポリプロピレンフィルムで包装された乾燥スパゲティを、以下の表1ないし3に示す温度及び時間で熟成して、水分含量が13質量の熟成麺類(熟成スパゲティ)を得た。本工程における雰囲気の湿度は、70%RHとした。
(3.調理工程)
100gの熟成スパゲティを、歩留まりが215%~225%となるように50Lの沸騰水で茹で調理(茹で調理時間として6分30秒~7分30秒)し、その後水冷して、茹で調理済み麺類(茹でスパゲティ)を得た。
(4.凍結工程)
180gの茹でスパゲティに、9gの乳化液を絡めたあと、その茹でスパゲティを容器(縦175mm×横135mm×高さ40mm;ポリプロピレン製)に収容し、茹でスパゲティを容器ごと-35℃で急速凍結し、冷凍麺類(冷凍スパゲティ)を得た。乳化液100質量%中の原料の配合は、以下のとおりとした。
・固体植物油脂(パーム油、月島食品工業株式会社製):24.95質量%
・液体植物油脂(大豆油、日清オイリオグループ株式会社製):24.95質量%
・乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル、三菱ケミカル株式会社製):0.1質量%
・水:50質量%
(5.解凍工程)
-20℃で1か月間冷凍保管した冷凍スパゲティを、10℃の環境下で12時間以上静置して自然解凍し、解凍済み麺類(解凍スパゲティ)を得た。
〔実施例7及び8〕
成形工程において、水分含量13質量%、麺線の太さ1.5mm又は2.0mmの乾燥スパゲティを調製し、調理工程において、乾燥スパゲティを以下の表2に示す歩留まりとなるように沸騰水で茹で調理した他は、実施例5と同様に冷凍スパゲティを製造し、解凍スパゲティを得た。
〔実施例9及び10〕
調理工程において、乾燥スパゲティを以下の表3に示す歩留まりとなるように沸騰水で茹で調理した他は、実施例5と同様に冷凍スパゲティを製造し、解凍スパゲティを得た。
〔比較例A〕
乾燥スパゲティを熟成工程を行わずに調理工程に供し、また、調理工程において、乾燥スパゲティを歩留まり240%となるように沸騰水で茹で調理し、且つ解凍工程(自然解凍)を行わなかった他は、実施例1と同様の方法で冷凍スパゲティを製造した。
〔比較例B〕
比較例Aと同様の方法で製造した冷凍スパゲティを解凍工程(自然解凍)に供し、解凍スパゲティを得た。
〔比較例1及び2〕
熟成工程における熟成温度及び熟成時間を以下の表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様の方法で冷凍スパゲティを製造し、解凍スパゲティを得た。
〔比較例3〕
成形工程において、水分含量13質量%、麺線の太さ1.2mmの乾燥麺類(乾燥スパゲティ)を調製した他は、実施例7と同様に冷凍スパゲティを製造し、解凍スパゲティを得た。
〔比較例4~6〕
調理工程において、乾燥スパゲティを以下の表3に示す歩留まりとなるように沸騰水で茹で調理した他は、実施例5と同様に冷凍スパゲティを製造し、解凍スパゲティを得た。
〔食感の評価〕
実施例、比較例及び参考例の冷凍麺類及び解凍スパゲティを、品温が60℃となるまで電子レンジで加熱して加熱スパゲティを得て、該加熱スパゲティを10名の専門パネラーに喫食させて、以下に示す評価基準で食感の評価をさせた。なお、比較例Aについては、得られた冷凍麺類の自然解凍を行わずに、凍結状態のまま電子レンジによる加熱解凍に供して加熱スパゲティとした。評価点の算術平均値について、結果を以下の表1~表3に示す。
<評価基準>
(硬さ)
5点:十分且つ適度な硬さを有し、非常に良好な食感である。
4点:適度な硬さを有し、良好な食感である。
3点:過度な硬さ又は柔らかさを知覚することがあるが、悪くない食感である。
2点:硬すぎるか、又は柔らかすぎて、不良な食感である。
1点:非常に硬すぎるか、又は非常に柔らかすぎて、非常に不良な食感である。
(弾力)
5点:十分且つ適度な弾力を有し、非常に良好な食感である。
4点:適度な弾力を有し、良好な食感である。
3点:弾力があり、悪くない食感である。
2点:弾力が少なく、不良な食感である。
1点:弾力がなく、非常に不良な食感である。
Figure 0007260370000001
Figure 0007260370000002
Figure 0007260370000003
表1に示すように、比較例Aの冷凍スパゲティは、これを直接加熱解凍した場合、麺線の硬さ及び弾力に優れ、またこれらの食感のバランスに優れたものである。これに対して、レンジ加熱する前に自然解凍による解凍工程を行った比較例Bの解凍スパゲティは、自然解凍の影響によって麺線の硬さ及び弾力が低下してしまい、食感が悪くなっている。比較例Aと比較例Bとの対比から、乾燥麺類を歩留まり240質量%で茹で調理した後に凍結することで食感の良好な麺類が得られるが、凍結後に冷凍麺類に対して自然解凍による解凍工程を行うと、食感が悪くなることが判る。したがって、冷凍麺類を自然解凍する場合、具体的には例えば、冷凍麺類を常温温度帯又は低温温度帯で流通するような場合には、本発明のように熟成工程を行った熟成麺類を、老化の起こりにくいとされる高い歩留まりで茹で調理することは望ましくないことが判る。
また、表1及び表2に示すように、熟成工程において、乾燥麺類を特定の雰囲気温度及び時間で熟成させた実施例の冷凍麺類は、比較例と比較して、自然解凍した場合であっても、麺類の硬さと弾力とに優れ、またこれらのバランスにも優れたものであることが判る。特に、実施例の冷凍麺類は、これを自然解凍した後であっても、比較例Aにおける加熱解凍した麺類に劣らないレベルで食感に優れた麺類が提供できることも判る。
また、表3に示すように、調理工程において、熟成麺類を特定の歩留まりとなるように茹で調理した実施例の冷凍麺類は、比較例と比較して、自然解凍後も、麺類の硬さ及び弾力、並びにこれらのバランスに優れていることも判る。

Claims (3)

  1. 乾燥麺類を雰囲気温度55℃~73℃の環境に時間t15時間~168時間置いて熟成して、熟成麺類を得る工程と、
    前記熟成麺類を、歩留まりが210質量%~230質量%となるように茹で調理して、調理済み麺類を得る工程と、
    前記調理済み麺類を凍結して、冷凍麺類を得る工程とを備え、
    前記乾燥麺類として、デュラム粉を主原料として含み、水分含量が13質量%以下であり、且つ太さが1.5mm~2.4mmであるものを用い
    以下の式(2)を満たす、冷凍麺類の製造方法。
    4500≦(T-52) ×t≦18000 ・・・(2)
  2. 乾燥麺類を、雰囲気温度T(℃)及び時間t(時間)が以下の式(1)及び(2)を満たす条件の環境に置いて熟成して、熟成麺類を得る工程と、
    前記熟成麺類を、歩留まりが210質量%~230質量%となるように茹で調理して、調理済み麺類を得る工程と、
    前記調理済み麺類を凍結して、冷凍麺類を得る工程とを備え、
    前記乾燥麺類として、デュラム粉を主原料として含み、水分含量が13質量%以下であり、且つ太さが1.5mm~2.4mmであるものを用いる、冷凍麺類の製造方法。
    55≦T≦73 ・・・(1)
    4500≦(T-52)×t≦18000 ・・・(2)
  3. 前記冷凍麺類は常温温度帯又は低温温度帯で流通される、請求項1又は2に記載の冷凍麺類の製造方法。
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