JP2001252034A - 麺およびその製造方法 - Google Patents

麺およびその製造方法

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JP2001252034A
JP2001252034A JP2000069474A JP2000069474A JP2001252034A JP 2001252034 A JP2001252034 A JP 2001252034A JP 2000069474 A JP2000069474 A JP 2000069474A JP 2000069474 A JP2000069474 A JP 2000069474A JP 2001252034 A JP2001252034 A JP 2001252034A
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JP2000069474A
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Koichi Miyazaki
浩一 宮崎
Kiyoshi Toma
潔 当麻
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩慢解凍を行っても優れた食感を有する麺を
製造する。 【解決手段】 内層3と、内層3を覆う外層4との間に
外層4から内層3への水の移動を阻止する水移動阻止層
5を形成する。水移動阻止層5は天然高分子材料から成
ることが好ましく、ネイティブジェランガムから成るこ
とがさらに好ましい。水移動阻止層5の形成によって、
内層3の水分濃度を外層4よりも低くすることができる
ので、内層3の硬さを外層4よりも硬くすることができ
る。これによって、麺を弾力および腰のある食感の良好
な状態にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麺およびその製造
方法に関し、特に凍結後、チルド解凍して喫食される麺
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】麺類は、生麺類、茹で麺類、半生麺類、
乾燥麺類、冷凍麺類、蒸し麺類等に分類される。茹で麺
類は、冷蔵温度域で保存(以後、チルド保存と呼ぶ)さ
れ、コンビニエンスストアおよび量販店などで多く販売
されている。この茹で麺類には、チルド保存中に麺の食
感および風味が低下しやすいという問題がある。また冷
凍麺などに比べて日持ちが悪いので、作りだめができず
需要の急激な増大に対応が困難であるという問題があ
る。
【0003】これに対して、近年需要の伸びの目覚まし
い冷凍麺は冷凍温度域で保存されるので、保存中の品質
低下が少なく、日持ちが良好である。したがって、作り
だめが可能であり、需要の変化に対応できる。この冷凍
麺を喫食するには、解凍が必要である。解凍は、熱湯解
凍、蒸気解凍および電子レンジ解凍など急速解凍によっ
て行われる。このように冷凍麺には解凍のための設備が
必要であり、解凍作業に手間がかかり、加熱コストがか
かるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記冷凍麺の問題、す
なわち解凍設備を要するという問題は、冷凍麺を室温で
の自然解凍または冷蔵温度域でのチルド解凍(以後、こ
れらを総称して緩慢解凍と呼ぶ)を行うことによって解
消される。しかしながら、従来の冷凍麺を緩慢解凍する
と、食感が著しく低下し、かつ風味も劣化したぼそぼそ
の麺となり、食に耐えない状態になるという問題があ
る。
【0005】特開平11−69950号公報には、この
ような冷凍麺の緩慢解凍による品質低下を解消するため
に、粒径約106μm以下のそば粉と、澱粉と、グルテ
ンとを用いて生そばを製造し、その後、糊化して凍結す
る冷凍そばの製造方法が開示されている。しかしなが
ら、この先行技術に対する本発明者らの調査によれば、
この細かい粒径のそば粉を用いた冷凍そばの製造方法で
は、緩慢解凍による品質低下を充分に防止することがで
きない。
【0006】したがって、茹でた麺をチルド保存したと
きでも、あるいは凍結した麺を緩慢解凍したときでも、
品質低下の生じにくい麺は未だ開発されていないのが現
状である。
【0007】本発明の目的は、緩慢解凍を行っても優れ
た食感を有する品質の良い麺およびその製造方法を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、内層と、内層
を覆う外層と、内層と外層との間に介在され、外層から
内層への水の移動を阻止する水移動阻止層とを含むこと
を特徴とする麺である。
【0009】本発明に従えば、内層と、外層との間に水
移動阻止層が形成されるので、茹で処理によって外層に
水分が吸収されても水の外層から内層への移動を抑制す
ることができ、内層の水分濃度を外層よりも低くするこ
とができる。この水分の濃度分布は、後述の図2に示す
食感の良好な茹で直後の麺断面における水分の濃度分布
と同一であるので、この水移動阻止層を形成することに
よって後述のように内層の硬さを外層よりも硬くするこ
とができ、麺に弾力および腰のある良好な食感をもたら
すことができる。またこの硬さの差は、麺をチルド保存
したときでも、あるいは凍結された麺を緩慢解凍したと
きでも保たれるので、チルド保存あるいは緩慢解凍を行
っても食感の低下を防止することができる。したがっ
て、喫食形態にかかわらず優れた食感を有する高品質の
麺を提供することができる。
【0010】また本発明で水移動阻止層は、天然高分子
材料から成ることを特徴とする。本発明に従えば、天然
高分子材料が内層と外層との間に介在されるので、外層
から内層への水の移動を安定して阻止することができ
る。
【0011】また本発明で天然高分子材料は、ジェラン
ガムであることを特徴とする。本発明に従えば、天然高
分子材料はジェランガムであるので、外層から内層への
水の移動をさらに効果的に阻止することができる。
【0012】また本発明は、内層の蛋白質含量が外層の
蛋白質含量よりも高いことを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、生地の硬さを高める蛋白
質が外層よりも内層に多く含まれるので、内層の硬さを
外層よりも硬くすることができる。これによって、麺に
弾力および腰のある良好な食感をもたらすことができ
る。
【0014】また本発明は、内層と外層との間にジェラ
ンガムを含む水溶液を介在させて加工する麺の製造方法
であって、ジェランガムは、内層および外層の少なくと
も一方の境界面に水溶液濃度:0.02〜0.75%で
塗布量が50〜200g/m2になるように塗布される
ことを特徴とする麺の製造方法である。
【0015】本発明に従えば、ジェランガムが内層およ
び外層の少なくとも一方の境界面に充分な水溶液濃度お
よび塗布量で塗布されるので、外層から内層への水の移
動を効果的に抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある3層麺1の構成を簡略化して示す斜視図である。3
層麺1は、内層3と、内層3を覆う外層4と、内層3と
外層4との間に介在され、外層4から内層3への水の移
動を阻止する水移動阻止層5とを含んで構成される。内
層3および外層4は、矩形断面形状を有し、板状に薄く
延びる麺である。外層4は、内層3の一方の表面を覆う
第1外層4aと、内層3の他方の表面を覆う第2外層4
bとから成る。したがって、内層3は第1および第2外
層4a,4b間にサンドイッチ状に挟まれる。水移動阻
止層5は、内層3の一方の表面と第1外層4aとの境界
面に介在される第1水移動阻止層5aと、内層3の他方
の表面と第2外層4bとの境界面に介在される第2水移
動阻止層5bとから成る。第1および第2外層4a,4
bの構成は全く同一であり、第1および第2水移動阻止
層5a,5bの構成は全く同一である。水移動阻止層5
を形成する物質については、後述する。
【0017】内層3および外層4の原料は、穀粉類と添
加物と食塩とから成る。穀粉類は、小麦粉とそば粉と澱
粉とから成り、そば粉はそばの場合のみ用いられる。澱
粉は馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、トウモロコシ澱粉など
から選ばれる。澱粉は小麦粉にも含まれる。添加物はグ
ルテンおよび卵白などの蛋白物質から成る。内層3およ
び外層4の原料の配合量は同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。
【0018】内層3の蛋白質含量は外層4の蛋白質含量
よりも高いことが好ましい。これは、たとえば内層用原
料に含まれる小麦粉の種類を、外層用原料に含まれる小
麦粉の種類よりも蛋白質含量の多い種類に選ぶことによ
って実現される。すなわち、内層用原料の小麦粉に蛋白
質含量の最も多い強力粉を選ぶときには、外層用原料の
小麦粉に準強力粉または中力粉を選び、内層用原料の小
麦粉に準強力粉を選ぶときには、外層用原料の小麦粉に
蛋白質含量の少ない中力粉を選べばよい。ここで、強力
粉、準強力粉および中力粉は、蛋白質含量によって区分
される小麦粉の種類を表し、朝倉書店発行の「小麦の科
学」の定義によれば、表1に示すように区分される。
【0019】
【表1】
【0020】このように、本実施の形態では内層3と外
層4との間に水移動阻止層5が形成されるとともに、好
ましくは内層3の蛋白質含量が外層4の蛋白質含量より
も高くなるように構成される。これは、次のような理由
によるものである。
【0021】図2は、麺の食感が良好である茹で直後の
麺2の断面における水分濃度の分布を模式的に示す図で
ある。図2では、図解の便宜のために麺断面を円形で示
している。茹で直後の麺断面の水分濃度は、表面Fの水
分濃度が高く、中心Oの水分濃度が低くなっており、麺
断面には、曲線Wで示すように水分勾配が形成されてい
る。表面の水分濃度A2は、たとえば70%であり、中
心の水分濃度A1は、たとえば50%である。また麺の
硬さは、水分濃度が多くなるほど低下するので茹で直後
の麺2は表面が柔らかく、中心が硬くなっている。した
がって、このような水分勾配に伴う硬さの差が麺の弾力
および腰となって茹で直後の良好な食感をもたらしてい
るものと考えられる。
【0022】これに対して、前述のように茹でた麺をチ
ルド保存すると、あるいは茹でた麺を凍結した後、緩慢
解凍を行うと、麺の食感が著しく低下する。この原因
は、チルド保存あるいは緩慢解凍中に前記水分勾配を駆
動力として水分が表面から中心に向かって移動し、これ
によって麺断面の水分勾配が均一化され、麺の弾力およ
び腰が失われることによるものと考えられる。したがっ
て、チルド保存あるいは緩慢解凍による食感の低下を防
止するには、茹で直後の水分勾配を維持するように工夫
するか、あるいは水分勾配に代わって麺断面の中心が硬
く表面が柔らかくなるように工夫することが必要であ
る。前述のように、麺を3層麺構造に形成し、かつ内層
3と外層4との間に水移動阻止層5を形成するのは、こ
れによって外層4から内層3への水の移動が阻止され、
麺断面における水分勾配を維持することができるからで
ある。また内層3の蛋白質含量を外層4の蛋白質含量よ
りも高くすることが好ましいのは、蛋白質含量の多い方
が強くて硬い生地を形成することができ、麺断面の中心
を表面より硬くすることができるからである。
【0023】このように、本実施の形態の3層麺は凍結
後、緩慢解凍される冷凍麺あるいはチルド保存されるい
わゆるチルド麺に対して好適に適用されるけれども、こ
のような水分勾配が時間経過とともに均一化される現象
は、いかなる麺においても生じるので、本実施の形態は
あらゆる喫食形態の麺に対して適用できる。本実施の形
態では、以後、本実施の形態が最も好適に適用される凍
結後冷蔵温度域でチルド解凍される3層冷凍麺を対象に
説明する。
【0024】前記水移動阻止層5は、天然高分子材料か
ら成ることが好ましい。また天然高分子材料は、カラギ
ーナンあるいはジェランガムであることが好ましく、さ
らにジェランガムは、ネイティブ型ジェランガム(以
後、ネイティブジェランガムと呼ぶ)であることが特に
好ましい。また、水移動阻止層5は油脂類のマーガリン
であってもよい。これらの物質が水移動阻止層5として
好ましいのは、次のような実験結果によるものである。
【0025】水移動阻止層5として好適な物質を選定す
るために3層冷凍麺を製造して評価した。表2に示すよ
うな内層用および外層用原料を準備し、小麦粉、そば粉
および澱粉を穀粉量として重量割合で100%になるよ
うに配合し、それ以外の原料を穀粉量に対して各重量割
合になるように加えて混合した。その後、後述の3層冷
凍麺の製造方法に従って、内層用および外層用生地をそ
れぞれ製造し、内層用生地の一方および他方表面に水移
動阻止層5の複数の候補物質をそれぞれ塗布し、内層用
生地を2枚の外層用生地で挟んで重ね合わせ、圧延して
3層麺を製造し、麺線に切出した。また水移動阻止層5
の候補物質を塗布しない3層麺も同じ条件で製造し、麺
線に切出した。
【0026】さらに各麺線を茹でた後、凍結して冷凍保
管した。その後、冷凍保管した麺線を5℃に設定した冷
蔵庫で24時間チルド解凍して、麺品質の官能評価を行
った。官能評価は、パネラー5名によってチルド解凍し
た麺を試食し、水移動阻止層5が形成されていない3層
麺(以後、基準3層麺と呼ぶ)を基準として表3に示す
ような評価基準で食感の評価を行った。水移動阻止能力
の評価を食感によって行ったのは、前述のように両者に
強い相関があるからである。水移動阻止層5の候補物質
の物質名、塗布条件および官能評価結果を表4〜5に示
す。候補物質のうちマーガリン以外は水溶性物質であ
り、水溶液として塗布した。マーガリンは、水溶液とし
ないでそのまま塗布した。表4の試料番号1は、水移動
阻止層5が形成されていない基準3層麺である。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表4〜5から次のことが判る。 (1)マーガリンを塗布量:33.3〜52.4g/m
2塗布した試料番号23〜25の3層麺は、基準3層麺
よりもチルド解凍後の食感がやや向上している。 (2)カラギーナンを水溶液濃度:0.5%で塗布量:
23.33〜90.48g/m2塗布した試料番号26
〜29の3層麺は基準3層麺よりもチルド解凍後の食感
がやや向上している。 (3)ネイティブジェランガムを水溶液濃度:0.02
〜0.50%で塗布量:73.3〜184.3g/m2
塗布した試料番号33〜37の3層麺は、基準3層麺よ
りもチルド解凍後の食感が明らかに向上している。 (4)ネイティブジェランガムを水溶液濃度:0.01
%で塗布量59.0〜118.1g/m2塗布した試料
番号30〜32の3層麺は、チルド解凍後の食感が基準
3層麺と同等である。 (5)ゼラチン、ローカストビーンガム、グアーガム、
キサンタンガムおよびカードランを塗布した試料番号2
〜22の3層麺は、水溶液濃度および塗布量にかかわら
ずチルド解凍後の食感が基準3層麺と同等である。 (6)したがって、水移動阻止層5を形成する物質とし
ては、マーガリンまたはカラギーナンを選ぶことが好ま
しく、ネイティブジェランガムを選ぶことが特に好まし
い。
【0032】図3は、ネイティブジェランガムの構造を
示す図である。ネイティブジェランガムは水生植物の表
面から分離された非病原性微生物Pseudomonas elodeaを
用いて産生される物質であり、グリセリル基とアセチル
基とを有する。ネイティブジェランガムは、グリセリル
基がダブルヘリックスを安定化するように作用するので
高温でゲルを形成するけれども、アセチル基がダブルヘ
リックス同士の会合を阻害するので、冷却されてもダブ
ルヘリックス同士の会合が生じない。したがって、強く
て脆いゲルにはならないで、弾力のある柔らかいゲルに
なる。また凍結および解凍性に優れており、離水が少な
い。融点は70℃である。カラギーナンは、特定の海
藻、たとえばスギノリ、ツノマタ、キリンサイ、ヒプニ
ヤ属等の抽出物質であり、50〜70℃に加熱すると溶
解し、溶液にカリイオン,カルシウムイオンを添加する
と強力なゲルを形成する。これらはいずれも天然高分子
材料であり、ゲル化剤および安定剤として食品に添加さ
れている物質である。
【0033】このように、本実施の形態では内層3と外
層4との間にマーガリン、カラギーナンおよびネイティ
ブジェランガムのいずれかから成る水移動阻止層5が形
成されるので、茹で処理によって外層4に水分が吸収さ
れても、外層4から内層3への水分の移動を抑制するこ
とができる。これによって、内層3の水分濃度を外層4
よりも低くすることができるので、内層3の硬さを外層
4よりも硬くすることができる。したがって、麺に弾力
および腰のある良好な食感をもたらすことができる。ま
た、好ましくは内層3の蛋白質含量が外層4よりも高く
なるように設定されるので、内層3の硬さを外層4より
も硬くすることができ、麺にさらに弾力および腰のある
良好な食感をもたらすことができる。またこのような内
層3と外層4との硬さの差は、緩慢解凍を行ってもその
まま維持されるので、緩慢解凍を行っても食感の低下を
防止することができる。したがって、喫食形態にかかわ
らず優れた食感を有する3層冷凍麺を提供することがで
きる。
【0034】図4は、本発明に係わる3層冷凍麺の製造
工程を簡略化して示す図である。図4を参照して緩慢解
凍を行っても優れた食感を有する3層冷凍麺の製造方法
について、さらに詳しくはネイティブジェランガムを用
いて水移動阻止層を形成する3層冷凍麺の製造方法につ
いて説明する。
【0035】第1工程では、原料の準備が行われる。こ
れは前述のような原料を内層用および外層用原料につい
てそれぞれ所定の配合量になるように計量することによ
って行われる。また前述のように内層用原料に含まれる
小麦粉の種類を外層用原料に含まれる小麦粉の種類より
も蛋白質含量の多い種類に選ぶことが好ましい。またネ
イティブジェランガム水溶液の準備も併せて行われる。
これは、70℃以上に加熱された加熱水中に所定量のネ
イティブジェランガムを投入して溶解することによって
行われる。
【0036】第2工程では、原料のミキシングが行われ
る。図5はミキサー8の構成を簡略化して示す正面図で
ある。ミキサー8は、回転駆動されるミキサー棒9と、
ミキサー棒9の先端部に取付けられたドウーフック10
とを備える。ボウル11に装入された原料はドウーフッ
ク10によってミキシングされる。ミキサー棒9の回転
速度は、ミキサー本体12に設けられた速度調節レバー
13によって調節される。原料のミキシングは、内層用
および外層用原料について個別に行われる。ミキシング
は3段階に分けて行われる。第1段階では、原料粉のみ
のミキシングが低回転速度で行われる。第2段階では、
ミキシングが原料粉に所定量の水を注入しながら中回転
速度で行われる。水の温度は約15℃に設定される。第
3段階では、ミキシングが高回転速度で行われる。この
ミキシングによって原料粉中にグルテンが形成される。
【0037】第3工程では、生地の熟成が内層用および
外層用生地についてそれぞれ行われる。これは、粒状の
生地を常温で所定時間放置することによって行われる。
これによって、生地が圧延されやすくなる。
【0038】第4工程では、生地の圧延がパスタマシン
によって行われる。図6はパスタマシン15の構成を簡
略化して示す正面図であり、図7は図6の平面図であ
る。パスタマシン15は一対の圧延ローラ16と、圧延
ローラ16のロール間隔を調整するダイヤル17とを備
える。圧延ローラ16は着脱可能なハンドル18によっ
て回転駆動される。粒状の麺生地は、圧延ローラ16を
所定のロール間隔に設定し、ハンドル18を第1ハンド
ル差込口19に差込んで圧延ローラ16を手動で回転駆
動することによって所定厚みに圧延される。この工程で
は、たとえば厚さ1.6mmの内層用生地20が1枚、
厚さ1.6mmの外層用生地21a,21bが2枚圧延
される。
【0039】パスタマシン15は、さらに薄く延ばされ
た麺生地を所定幅の麺線に切出す一対の第1切刃23
と、一対の第2切刃24とを備える。第1および第2切
刃23,24は、それぞれ異なる切出し幅に設定されて
おり、ハンドル18によってそれぞれ回転駆動される。
薄く延ばされた麺生地は、図7に示すようにハンドル1
8を第2ハンドル差込口25に差込んで第1切刃23を
回転駆動することによって所定幅の麺線に切出される。
またハンドル18を第3ハンドル差込口26に差込んで
第2切刃23を回転駆動させれば、麺生地は第1切刃2
3とは異なる所定幅の麺線に切出される。第5工程で
は、生地の準備が行われ、前記圧延した内層用および外
層用生地20,21a,21bが所定寸法にそれぞれカ
ットされる。
【0040】第6工程ではネイティブジェランガムの塗
布が行われる。この工程では、内層用生地20の一方お
よび他方の表面にネイティブジェランガム水溶液が刷毛
で塗布される。さらにその後、内層用生地20と外層用
生地21a,21bとの重ね合わせが行われる。重ね合
わせは、中心に配置した内層用生地20を2枚の外層用
生地21a,21bで挟むことによって行われる。これ
によって、内層用生地20の一方および他方の表面と外
層用生地21a,21bとの間にそれぞれネイティブジ
ェランガムが介在される。ネイティブジェランガム水溶
液は、外層用生地21a,21bの内層用生地20側の
表面に塗布されてもよく、内層用および外層用生地2
0,21a,21bの両方の境界面に塗布してもよい。
【0041】図8は、ネイティブジェランガムの水溶液
濃度および塗布量の適正範囲を示すグラフである。図8
の横軸は対数目盛で示している。適正範囲は、図8中の
長方形abcdで囲まれる領域である。ネイティブジェ
ランガムは、水溶液濃度0.02〜0.75%で塗布量
が50〜200g/m2になるように塗布される。ネイ
ティブジェランガムの水溶液濃度の下限値が0.02%
に限定されるのは、0.02%未満の濃度では前記表5
に示すようにネイティブジェランガムの水移動阻止効果
が認められないからである。ネイティブジェランガムの
水溶液濃度の上限値が0.75%に限定されるのは、
0.75%を超える濃度では表6に示すようにネイティ
ブジェランガム水溶液の塗布ができなくなるとととも
に、ネイティブジェランガムが溶媒の水に完全に溶解し
なくなるからである。ネイティブジェランガム水溶液の
塗布量の下限値が50g/m2に限定されるのは、50
g/m2未満の塗布量ではネイティブジェランガムの水
移動阻止効果が認められないからである。
【0042】ネイティブジェランガム水溶液の塗布量の
上限値が200g/m2に限定されるのは、200g/
2を超える塗布量では、内層用および外層用生地2
0,21a,21bを重ね合わせた後に行われる次工程
のパスタマシン15による圧延時に生地同士が滑って圧
延が困難になるからである。
【0043】
【表6】
【0044】第7工程では、3層麺の圧延がパスタマシ
ン15によって行われる。重ね合わされた内層用および
外層用生地20,21a,21bは、ダイヤル17でロ
ール間隔を設定して複数回繰返して圧延され、所定厚
み、たとえば1.2mmの3層麺28に圧延される。第
8工程では、麺線29の切出しが行われる。麺線29の
切出しは、パスタマシン15の第1切刃23または第2
切刃24を用いて行われる。これによって、所定幅たと
えば2.0mmの麺線29が切出される。
【0045】第9工程では、生麺の茹で処理が行われ
る。この工程では、切出された麺線が沸騰水中に所定時
間、たとえば90秒間浸漬される。これによって、生麺
が糊化する。第10工程では、水洗いが行われ、茹で上
がった麺のぬめりが洗い流される。第11工程では、氷
水冷却が行われる。この処理によって麺がしまり、肌が
滑らかになる。第12工程では、計量が行われ、麺線が
1食分ずつ分けられる。第13工程では凍結処理が行わ
れる。この処理は、たとえば−40℃で茹でた麺を急速
凍結することによって行われる。第14工程では凍結処
理された麺が真空包装され、冷凍庫で保管される。保管
は、たとえば−18℃の温度で行われる。
【0046】このように、ネイティブジェランガム水溶
液が適正に設定された塗布条件の下で塗布されるので、
外層から内層への水分の移動を抑制することができる。
したがって、前述のように内層の硬さを外層よりも硬く
することができ、緩慢解凍を行っても優れた食感を有す
る3層冷凍麺を安定的に製造することが可能になる。
【0047】図9は、本発明の実施の他の形態である同
心2層麺31の構成を簡略化して示す斜視図である。同
心2層麺31は、内層33と、内層33を覆う外層34
と、内層33と外層34との間に介在され、外層34か
ら内層33への水の移動を阻止する水移動阻止層35と
を含んで構成される。内層33は、円形断面形状を有
し、円柱状に細長く延びる麺であり、外層34は円環状
断面形状を有し、円筒状に細長く延びる麺である。内層
33、水移動阻止層35および外層34は、内層33を
中心に同心円状にこの順序で配置される。本実施の形態
の同心2層麺31と前記3層麺とは、形状および層の数
が異なるけれども、それ以外の構成は同一である。した
がって、水移動阻止層5を形成する物質はマーガリンま
たはカラギーナンであることが好ましく、ネイティブジ
ェランガムであることがさらに好ましい。また内層33
の蛋白質含量は外層34の蛋白質含量よりも高くするこ
とが好ましい。同心2層麺31は、凍結後緩慢解凍され
る冷凍麺としても、あるいはチルド保存されるチルド麺
としても、あるいは他のいかなる麺としても好適に適用
可能である。
【0048】同心2層麺31の製造は次のようにして行
われる。すなわち同心2層麺31は、押出加工などによ
って内層33と外層34とを準備し、少なくとも内層3
3の外周面にネイティブジェランガム水溶液などを所定
量塗布し、内層33を外層34内に挿入し、押出加工を
施して細く延ばすことによって製造される。さらに、こ
のようにして製造した同心2層麺31に茹で処理を施
し、凍結して保管すれば、緩慢解凍を行っても優れた食
感を有する同心2層冷凍麺を製造することができる。本
実施の形態では、麺断面の形状が円形に形成されている
けれども角形に形成されてもよい。この場合、内層は角
柱状に形成され、外層は角筒状に形成される。
【0049】以下、実施例および比較例に基づいて本発
明を具体的に説明する。実施例および比較例の麺の品質
は、麺の水分濃度および硬さを測定するとともに、麺の
食感および風味に関する官能評価を行うことによって評
価した。麺の水分濃度は、麺全体、麺の内層および外層
からそれぞれ試料を採取し、135℃に設定した乾燥機
で試料を乾燥させて重量減少量を求め、前記求めた重量
減少量を総重量で除算して百分率を求めることによって
算出した。官能評価は、実施例および比較例の麺をパネ
ラー5名で試食し、麺の食感および味を評価した。麺の
硬さは、レオメータを用いて次のようにして測定した。
【0050】図10は、レオメータ37の構成を簡略化
して示す斜視図である。試料である麺線29は、ほぼ水
平な試料台38上に厚さ方向が試料台38の乗載面に対
して垂直になるように載置される。麺線29の寸法は、
たとえば厚さHo:1.8mm,幅:2.0mm,長
さ:40mmである。麺線29の厚さは、茹で処理によ
って切出し時の厚さよりも増大している。麺線29の上
面と荷重計39との間には、プランジャ40が試料台3
8の乗載面に対してほぼ垂直になるように配置される。
プランジャ40は、麺線29の幅方向に延び、かつ下方
に向かうにつれて先細状に形成された圧縮用治具であ
る。プランジャ40の麺線29を含む鉛直面に平行な鉛
直断面形状は台形である。プランジャ40の下端部の厚
さtは、たとえば1mmであり、プランジャ40の先端
角度θ1は約15°である。
【0051】試料台38は、鉛直方向に昇降可能に構成
されている。試料台38を上方に変位させると、麺線2
9はプランジャ40と試料台38との間で圧縮され、そ
の圧縮荷重は荷重計39によって検出される。麺の硬さ
は、圧縮速度:0.5mm/秒,圧縮率:90%の圧縮
条件で麺線29を圧縮したときの圧縮荷重によって表さ
れる。圧縮率90%とは、麺線29を初期厚さHo=
1.8mmから最終厚さ0.1×Ho=0.18mmに
なるまで圧縮することを意味する。圧縮荷重の測定は5
回行われ、その平均値を算出して麺の硬さとした。
【0052】(実施例1〜2)水移動阻止層5を形成す
るネイティブジェランガムが内層と外層との間に塗布さ
れるとともに、その水溶液濃度と塗布量とが本発明の範
囲を満たす実施例1〜2の3層冷凍麺と、ネイティブジ
ェランガムを塗布しない比較例1の3層冷凍麺とについ
て、チルド解凍後の品質を比較した。
【0053】(1−1)内層用麺生地 表2に示す内層用原料を準備し、内層用原料をミキサー
8でミキシングした。ミキシングは、低速回転速度50
rpmで3分間、中速回転速度80rpmで15分間、
高速回転速度140rpmで2分間行った。低速回転速
度でのミキシングは原料粉のみで行い、中速回転速度で
のミキシングは、15℃に設定した水を注入しながら行
った。ミキシングした粒状の麺生地を室温で10分間熟
成させた後、それをパスタマシン15で圧延して厚さ
1.6mmの内層用麺生地を製造した。
【0054】(1−2)外層用麺生地 表2に示す外層用原料を準備し、以後、前記内層用麺生
地と同じ方法で厚さ1.6mmの外層用麺生地を製造し
た。
【0055】(1−3)ネイティブジェランガムの塗布 内層用および外層用麺生地を厚さ1.6mm×幅14c
m×長さ15cmの寸法にカットした後、内層用麺生地
の一方および他方表面にネイティブジェランガム水溶液
を刷毛で塗布した。ネイティブジェランガムの水溶液濃
度および塗布量を表7に示す。試料番号41は、ネイテ
ィブジェランガム水溶液を塗布しない比較例1であり、
試料番号42〜43はネイティブジェランガムの塗布条
件が本発明の範囲を満たす実施例1〜2である。
【0056】(1−4)3層麺および麺線 カットした内層用麺生地を2枚のカットした3層用麺生
地で挟んで重ね合わせ、重ね合わせた3枚の麺生地をパ
スタマシン15で圧延して厚さ1.2mmの3層麺を製
造した。パスタマシン15での圧延は3回繰返して行っ
た。各圧延時のロール間隔は、たとえば2.5mm,
1.6mm,1.2mmにそれぞれ設定した。さらに3
層麺線をパスタマシン15の第2切刃24を用いて裁断
し、幅2.0mmの麺線に切出した。
【0057】(1−5)茹で処理、凍結および保管 麺線を沸騰水中に90秒間浸漬して茹で、直ちに冷水、
氷水で冷却し、120gずつ計量して、凍結用容器に入
れ、−40℃に設定された急速凍結庫で急速凍結した。
約1時間凍結させた後に取出し、真空包装後、−18℃
に設定された冷凍庫で保管した。
【0058】(1−6)解凍および評価 冷凍保管された3層冷凍麺を約5℃に設定された冷蔵庫
で24時間チルド解凍し、取出した麺の水分濃度および
硬さを測定するとともに、麺をパネラー5名で試食して
官能評価を行った。水分濃度は麺全体、内層および外層
の水分濃度をそれぞれ測定した。測定結果および官能評
価結果を表7および表8に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】表7および表8から次のことが判る。 (a)実施例1〜2は比較例1に比べて、外層と内層と
の水分濃度の差が大きく、麺断面の水分勾配が大きい。
これは、ネイティブジェランガムによって外層から内層
への水の移動が抑制されることによるものである。 (b)実施例1〜2の麺の硬さは、比較例1の麺の硬さ
よりも硬い。これは実施例1〜2の内層の水分濃度が比
較例1の内層の水分濃度よりも低いことによるものであ
る。 (c)実施例1〜2の麺の食感は、比較例1よりも優れ
ている。これは、前記水分勾配によって麺の弾力が高ま
り、腰が強くなることによるものである。 (d)麺の味は実施例1〜2および比較例1とも同一で
ある。したがって、ネイティブジェランガムは味に影響
を及ぼさない。
【0062】このように、ネイティブジェランガムを適
正な条件で塗布した実施例1〜2は、比較例に比べてチ
ルド解凍後の品質が優れている。したがって、ネイティ
ブジェランガムを用いればチルド解凍を行っても優れた
食感を有する3層冷凍麺を安定的に製造することができ
る。
【0063】(実施例3)内層用原料に含まれる小麦粉
の種類を外層用原料に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白
質含量の多い種類に選び、さらにネイティブジェランガ
ムを内層と外層との間に塗布するとともに、その水溶液
濃度と塗布量とが本発明の範囲を満たす実施例3の3層
冷凍麺と、小麦粉の種類は実施例3と同一であるもの
の、ネイティブジェランガムを塗布しない比較例2の3
層冷凍麺とについて、チルド解凍後の品質を比較した。
また実施例3と前記実施例1〜2との比較も行った。
【0064】(2−1)内層用麺生地 強力小麦粉(日清製粉製「カメリア」)45%、そば粉
(日穀製粉製「千寿」)25%および澱粉(松谷化学製
「松谷ゆり8」)30%を穀粉量として重量割合で10
0%になるように混合し、それに穀粉量に対してグルテ
ン(グリコ栄養食品製「AグルSS」)3%、卵白(太
陽化学製「サンキララRS」)3%、食塩1%を混合
し、さらにそれに穀粉量に対して水45%を加えて、以
後、実施例1〜2の内層用麺生地と同じ方法で厚さ1.
6mmmの内層用麺生地を製造した。
【0065】(2−2)外層用麺生地 準強力小麦粉(日清製粉製「緑飛龍」)57%、そば粉
(日穀製粉製「千寿」)33%および澱粉(松谷化学製
「松谷ゆり8」)10%を穀粉量として重量割合で10
0%になるように混合し、さらに穀粉量に対してグルテ
ン(グリコ栄養食品製「AグルSS」)3%、卵白(太
陽化学製「サンキララRS」)3%、食塩1%を混合
し、さらにそれに穀粉量に対して水41%を加えて、以
後、実施例1〜2の外層用麺生地と同じ方法で厚さ1.
6mmの外層用麺生地を製造した。
【0066】(2−3)ネイティブジェランガムの塗布 実施例1〜2と同じ方法でネイティブジェランガム水溶
液を塗布した。ネイティブジェランガムの水溶液濃度お
よび塗布量を表9に示す。試料番号44は、ネイティブ
ジェランガム水溶液を塗布しない比較例2であり、試料
番号45はネイティブジェランガムの塗布条件が本発明
の範囲を満たす実施例3である。
【0067】(2−4)3層麺、麺線、茹で処理、凍結
および保管 実施例1〜2と同じ方法で、3層麺および麺線を製造
し、製造した麺線の茹で処理、凍結、保管を行った。
【0068】(2−5)解凍および評価 冷凍保管された3層冷凍麺を約5℃に設定された冷蔵庫
で24時間チルド解凍し、取出した麺をパネラー5名で
試食して官能評価を行った。官能評価結果を表9に示
す。
【0069】
【表9】
【0070】表9から、実施例3は比較例2に比べて食
感が優れていることが判る。これは、実施例1〜2の場
合と同様の理由によるものである。また内層の蛋白質含
量を外層よりも高めた効果を確認するために実施例3の
官能評価と実施例1〜2の官能評価との比較を行った。
この比較は、表8および表9とは別の官能評価によって
行った。これは表8および表9の官能評価はいずれも比
較例との相対評価であり、両者を直接比較することがで
きないからである。その結果、実施例3の方が実施例1
〜2よりも麺に強い弾力および腰があり、食感が優れて
いることが判った。これは、内層の蛋白質含量を外層よ
りも高くすることによって、内層の硬さを外層よりも硬
くすることができるので、ネイティブジェランガムの水
移動阻止効果と相俟って麺に弾力および腰をさらに付与
することができるからである。
【0071】このように、実施例3は比較例2および前
記実施例1〜2よりもチルド解凍後における麺の食感が
優れている。したがって、実施例3のように構成するこ
とによってチルド解凍を行ってもさらに優れた食感を有
する3層冷凍麺を製造することができる。
【0072】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の本発明によ
れば、内層と外層との間に水移動阻止層が形成されるの
で、茹で処理によって外層に水分が吸収されても水の外
層から内層への移動を抑制することができ、内層の水分
濃度を外層よりも低くすることができる。これによっ
て、麺に弾力および腰のある良好な食感をもたらすこと
ができるので、チルド保存あるいは緩慢解凍を行っても
優れた食感を有する麺を提供することができる。
【0073】また請求項2記載の本発明によれば、天然
高分子材料が内層と外層との間に介在されるので、外層
から内層への水の移動を安定して阻止することができ
る。
【0074】また請求項3記載の本発明によれば、天然
高分子材料はジェランガムであるので、外層から内層へ
の水の移動をさらに効果的に阻止することができる。
【0075】また請求項4記載の本発明によれば、生地
の硬さを高める蛋白質が外層よりも内層に多く含まれる
ので、内層の硬さを外層よりも硬くすることができる。
これによって、麺に弾力および腰のある良好な食感をも
たらすことができる。
【0076】また請求項5記載の本発明によれば、ジェ
ランガムが内層および外層の少なくとも一方の境界面に
充分な水溶液濃度および塗布量で塗布されるので、外層
から内層への水の移動を効果的に抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である3層麺1の構成を
簡略化して示す斜視図である。
【図2】麺の食感が良好である茹で直後の麺2の断面に
おける水分濃度の分布を模式的に示す図である。
【図3】ネイティブジェランガムの構造を示す図であ
る。
【図4】本発明に係わる3層冷凍麺の製造工程を簡略化
して示す図である。
【図5】ミキサー8の構成を簡略化して示す正面図であ
る。
【図6】パスタマシン15の構成を簡略化して示す正面
図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】ネイティブジェランガムの水溶液濃度および塗
布量の適正範囲を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の他の形態である同心2層麺31
の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図10】レオメータ37の構成を簡略化して示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 3層麺 3,33 内層 4,34 外層 5,35 水移動阻止層 31 同心2層麺

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層と、 内層を覆う外層と、 内層と外層との間に介在され、外層から内層への水の移
    動を阻止する水移動阻止層とを含むことを特徴とする
    麺。
  2. 【請求項2】 水移動阻止層は、天然高分子材料から成
    ることを特徴とする請求項1記載の麺。
  3. 【請求項3】 天然高分子材料は、ジェランガムである
    ことを特徴とする請求項2記載の麺。
  4. 【請求項4】 内層の蛋白質含量が外層の蛋白質含量よ
    りも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の麺。
  5. 【請求項5】 内層と外層との間にジェランガムを含む
    水溶液を介在させて加工する麺の製造方法であって、ジ
    ェランガムは、内層および外層の少なくとも一方の境界
    面に水溶液濃度:0.02〜0.75%で塗布量が50
    〜200g/m2になるように塗布されることを特徴と
    する麺の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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