JP5956431B2 - 冷凍マカロニおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、乾燥マカロニを茹でた後に冷凍した冷凍マカロニは、解凍の途中や解凍後に、マカロニの形状が部分的に歪み易く、また、形状によっては形が崩れて、外観が損なわれることもある。
しかし、この従来技術では、水分含量が13重量%よりも少ない乾燥した角形マカロニが専ら製造されていて、使用(喫食)のたびごとに当該角形マカロニを茹でるようにしており、付け合わせなどに用いる際に茹でる必要があり、手間および時間がかかる。
しかも、この従来技術では、その角形マカロニを茹でた後に冷凍して冷凍マカロニの形態にすることは全く意図されていない。
しかし、この従来技術では、水分含量を15重量%以下にした乾燥パスタ(乾燥マカロニ)を水分含量が50〜60重量%になるように水分の存在下で加熱処理する際に、生地が糊状になって変形が生じ易いため、複雑な形状のパスタ(マカロニ)の製造には適しておらず、エルボマカロニやペンネなどのような形状が比較的単純な管状のものに限られてしまう。
しかし、この方法により得られる冷凍マカロニを解凍後にトッピングや付け合わせなどに用いると、冷凍前の含有水分が低く抑えられているために、硬くてヒキのある食感となり、茹で上げ直後のような良好な食感とならない。
(1)未α化マカロニをα化した後に冷凍した冷凍マカロニであって、前記未α化マカロニとして、下記の要件(A)〜(D);
(A)ストランド状に押し出された中空の押出成形物を所定の寸法に切断してなる、一方の切断面ともう一方の切断面の間を貫通する貫通孔を1つ以上有する未α化マカロニである;
(B)当該未α化マカロニの水分含量が20〜40質量%である;
(C)当該未α化マカロニの切断面において、切断面の全体の面積(Sa)に対して貫通孔の合計面積(St)の占める割合が20〜70%である;および、
(D)当該未α化マカロニの切断面の最長径(La)と、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)との比(La/Lb)が1〜2.5である;
を満たす生または半乾燥の未α化マカロニを用いたことを特徴とする冷凍マカロニ。
(2)前記未α化マカロニが、更に、下記の要件(E);
(E)未α化マカロニの一方の切断面ともう一方の切断面との間の距離(Da)が、1〜20mmの範囲内であって且つ未α化マカロニの切断面の最長径(La)以下のサイズである;
を満たす未α化マカロニである前記(1)の冷凍マカロニ;
(3)前記未α化マカロニの切断面の最長径(La)が5〜40mmである前記(1)または(2)の冷凍マカロニ;
(4)前記未α化マカロニが、一方の切断面ともう一方の切断面の間を貫通する貫通孔を1〜20個有する未α化マカロニである前記(1)〜(3)のいずれかの冷凍マカロニ;および、
(5)前記未α化マカロニが一方の切断面ともう一方の切断面の間を貫通する貫通孔を2〜20個有する未α化マカロニであって、下記の要件(F);
(F)2〜20個の貫通孔のうちで最大の断面積を有する貫通孔の断面積(Sd)が、切断面における貫通孔の合計面積(St)の70%以下である;
を更に満たす未α化マカロニである前記(1)〜(4)のいずれかの冷凍マカロニ。
(6)ダイスからマカロニ用生地をストランド状の中空の押出成形物として押し出して切断するか、ダイスからマカロニ用生地をストランド状の中空の押出成形物として押し出し切断した後に半乾燥するか、またはダイスからマカロニ用生地をストランド状の中空の押出成形物として押し出し半乾燥した後に切断して、下記の要件(A)〜(D);
(A)ストランド状に押し出された中空の押出成形物を所定の寸法に切断して得られる、一方の切断面ともう一方の切断面の間を貫通する貫通孔を1つ以上有する未α化マカロニである;
(B)当該未α化マカロニの水分含量が20〜40質量%である;
(C)当該未α化マカロニの切断面において、切断面の全体の面積(Sa)に対して貫通孔の合計面積(St)の占める割合が20〜70%である;および、
(D)当該未α化マカロニの切断面の最長径(La)と、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)との比(La/Lb)が1〜2.5である;
を満たす未α化マカロニを製造し、当該未α化マカロニをα化した後に冷凍することを特徴とする冷凍マカロニの製造方法。
(7)中空の押出成形物の切断を、未α化マカロニの押し出し方向に沿った寸法が、1〜20mmの範囲内で且つ未α化マカロニの切断面における最長径(La)以下になるようにして行う、前記(6)の冷凍マカロニの製造方法;
(8)ストランド状の中空の押出成形物の長さ方向に対して直角な横断面における最長径(La)が5〜40mmである、前記(6)または(7)の冷凍マカロニの製造方法;
(9)中空の押出成形物が、その長さ方向に沿って1〜20個の貫通孔を有する押出成形物である前記(6)〜(8)のいずれかの冷凍マカロニの製造方法;および、
(10)中空の押出成形物が、2〜20個の貫通孔を有し、貫通孔のうちで最大の径を有する貫通孔の断面積(Sd)が、切断面における貫通孔の合計面積(St)の70%以下である押出成形物である前記(6)〜(9)のいずれかの冷凍マカロニの製造方法。
さらに、本発明の目的は、各種食品のトッピング(上飾り・上掛け)や付け合わせなどとして適する様々な形状を有することができ、しかもトッピングや付け合わせなどのために形作られた様々な形状が、α化処理時、冷凍時、保存時、解凍時などに崩れたり破損したりすることがなく、そのまま良好に維持されて、高い装飾効果を発揮することのできる冷凍マカロニおよびその製造方法を提供することである。
さらに、本発明者らは、冷凍マカロニの製造に用いる上記した穴の開いた未α化マカロニにおいて、当該未α化マカロニの切断面の最長径を所定の範囲にすることが、保形性がより良好になり且つ冷凍マカロニを解凍して得られるマカロニの食感がより良好になることを見出した。
また、本発明者らは、冷凍マカロニの製造に用いる未α化マカロニにおける前記貫通孔(穴)の数を1〜20個にすると、得られる冷凍マカロニの断面の形状および構造が多様化できること、そして、貫通孔の数が2〜20個である場合には貫通孔のうちで最大の面積を有する貫通孔の断面積を切断面における貫通孔の合計面積に対して所定の値以下にすると、冷凍マカロニを解凍したときの保形性が良好になり望ましいことを見出した。
本発明の冷凍マカロニのうち、上記した要件(A)〜(D)と共にさらに上記の要件(E)を満たす未α化マカロニを用いて得られる冷凍マカロニは、上記した優れた効果に加えて、冷凍マカロニをトッピングや付け合わせなどとして用いる際に、マカロニが倒れず、その切断面の装飾模様が良く見えてトッピング効果が向上すると共にトッピングする際の作業性が良好になり、その上形状保持性が一層良好になり、未α化マカロニのα化処理時、冷凍時、冷凍保存時、冷凍マカロニの解凍時などにマカロニの変形や破損が一層生じにくい。
また、本発明の冷凍マカロニのうち、上記した要件(A)〜(D)と共にさらに上記の要件(F)を満たす未α化マカロニまたは上記した要件(A)〜(E)と共にさらに上記の要件(F)を用いて得られる冷凍マカロニは、冷凍マカロニの断面の形状および構造が一層多様化できると共に、冷凍マカロニを解凍したときの保形性により優れている。
そして、本発明の製造方法による場合は、上記した優れた特性を有する冷凍マカロニを、円滑に且つ簡単に、生産性よく製造することができる。
本発明の冷凍マカロニは、上記の要件(A)〜(D)を満たす生の未α化マカロニまたは半乾燥の未α化マカロニを原料マカロニとして用い、当該未α化マカロニをα化した後に冷凍したものである。
本発明で用いる未α化マカロニは、何ら限定されるものではないが、例えば、図1の(a)〜(d)(未α化マカロニの該略の外観図)に示すように、2つの切断面[図1の(a)〜(d)における上面と底面]を有し、一方の切断面1[図1の(a)〜(d)における上面]ともう一方の切断面2[図1の(a)〜(d)における底面]を貫通する貫通孔3を1個以上有する。
なお、図1において、Daは、未α化マカロニの一方の切断面ともう一方の切断面との間の距離(Da)(未α化マカロニの厚さ)を示す。
冷凍マカロニを解凍したときの食感、冷凍処理時、冷凍保存時、解凍時、解凍後の保形性などが一層良好になることから、冷凍マカロニ製造用の原料マカロニとして用いる未α化マカロニの水分含量は、25〜35質量%であることが好ましい。
一方、水分含量が40質量%を超す未α化マカロニをα化した後に冷凍した冷凍マカロニは、解凍したときに形崩れやマカロニ同士の付着が生じて、外観不良になったり、取り扱い性が悪くなる。
ここで、本明細書における未α化マカロニの水分含量は、所定量の未α化マカロニ(Wa)(g)を採取し、それを乾燥機により135℃で2時間加熱乾燥してそのときの質量(Wb)(g)を測定し、下記の数式(1)から求められる水分含量をいう。
未α化マカロニの水分含量(質量%)
={(Wa−Wb)/Wb}×100 (1)
なお、前記方法によらずに、市販されている加熱乾燥式水分計を用いて測定しても、前記方法による場合と同じ水分含量値が得られる。
未α化マカロニにおける貫通孔の数は、1つ以上であればいずれでもよいが、未α化マカロニの製造の容易性、未α化マカロニ自体、それをα化したマカロニ、α化マカロニを冷凍した冷凍マカロニ、更には冷凍マカロニを解凍した解凍マカロニの形状保持性(保形性、変形防止性)、破損防止性、解凍マカロニの食感、トッピングや付け合わせなどとして用いる際の装飾効果などの点から、貫通孔の数は1〜20個が好ましく、1〜15個がより好ましい。
未α化マカロニの貫通孔の合計面積割合が上記範囲内であることにより、当該未α化マカロニを用いて得られる冷凍マカロニは、解凍したときに、柔らかすぎたり、硬すぎたりせずに、茹で上げ直後のマカロニと同じような弾力性を有する良好な食感となり、しかも未α化マカロニ自体、それをα化したマカロニおよび当該α化マカロニを冷凍した冷凍マカロの形状保持性(保形性、変形防止性)、破損防止性が良好になり、装飾効果にも優れたものとなる。
未α化マカロニの切断面の全体の面積(Sa)に対する貫通孔の合計面積(St)の割合(貫通孔の合計面積割合)は、未α化マカロニの切断面を写真撮影(好ましくは拡大して写真撮影)し、当該写真から、未α化マカロニの切断面全体に相当する部分を切り取ってその重さ(Wc)を測った後、当該切り取った切断面全体の写真から、貫通孔に相当する部分の全てを更に切り除いて、そのときの重さ(Wd)を測ることにより、下記の数式(2)に従って求めることができる。
未α化マカロニの切断面での貫通孔の合計面積割合(%)
=(St/Sa)×100
={(Wc−Wd)/Wc)}×100 (2)
図2および図3は、未α化マカロニの切断面の例を示す図であり、図2の《1》〜《8》および図3の《9》〜《13》において、黒色部分は生地部分を示し、白色部分は孔(開口;空隙部分)を示す。
図2に、La(未α化マカロニの切断面における最長径)およびLb[未α化マカロニの切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径]の求め方を示す。
それに対して、未α化マカロニの切断面の最長径(La)と、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)との比(La/Lb)が2.5を超えると、未α化マカロニを用いて得られる冷凍マカロニは、解凍したとき、弾力のない、柔らかすぎる不良な食感となり、しかも未α化マカロニのα化時、α化したマカロニの冷凍時、冷凍したマカロニの保存時や解凍時に形崩れ(潰れ)や破損が生じ易くなり、さらにトッピングや付け合わせなどとして用いる際に形が潰れて装飾効果に劣るようになる。
未α化マカロニの切断面の最長径(La)のサイズが小さくなり過ぎると、未α化マカロニの製造が困難になり、しかもα化したときに折角形成した貫通孔(空隙)が潰れて装飾効果が低くなったり、食感が低下し易くなる。一方、未α化マカロニの切断面の最長径(La)のサイズが大きくなり過ぎると、貫通孔の潰れを防止しながら未α化マカロニを製造することが困難になったり、α化したり、冷凍したときの保形性の低下や破損、解凍したときの食感の低下などが生じ易くなる。
ここで、未α化マカロニの切断面の最長径(La)が20mmよりも小さい場合には、未α化マカロニの好ましい厚さ[前記した距離(Da)の好ましいサイズ]は、1mm以上20mm未満であり、また未α化マカロニの切断面の最長径(La)が20mmまたはそれよりも大きい場合には、未α化マカロニの好ましい厚さ[前記した距離(Da)の好ましいサイズ]は、1〜20mmの範囲である。
また、本発明の冷凍マカロニは、着色されていなくても、または着色されていてもいずれでもよい。また場合によっては、一つの横断面(切断面)において、着色されている部分と着色されていない部分を有していてもよいし、或いは一つの横断面(切断面)において、2色以上に着色されている部分からなっていてもよい。着色されたマカロニは、未α化マカロニを製造するための生地中に着色料や、色のついた副資材(食材、例えば抹茶粉末、野菜粉末、野菜ペーストなど)を添加することによって製造することができる。
水の添加量が少なすぎると、希望どおりの断面構造を有する未α化マカロニが得られにくくなり、一方水の添加量が多すぎても希望どおりの断面構造を有する未α化マカロニが得られにくくなり、しかも未α化マカロニの保形性が悪くなり、形状が崩れ易くなる。
α化処理は、歩留りが180〜260%、特に200〜240%の範囲内になるようにして行うことが、冷凍マカロニを解凍したときの食感が良好になり、しかもα化処理時、冷凍時、冷凍保存時などマカロニの形崩れ、破損などが生じないことから好ましい。
ここで、α化したマカロニの歩留りは、下記の方法に従って求められる。
[α化マカロニの歩留りの測定方法]
所定量の未α化マカロニの質量(Wa)およびα化後の質量(We)を測定して、所定量の未α化マカロニの製造に用いた原材料(原料穀粉+副資材+水)の質量(Wf)とから、下記の数式(3)に従ってα化マカロニの歩留りを求める。なお、このときの歩留まりは、生マカロニの製造に用いた原料穀粉に対する歩留まりである。
α化マカロニの歩留り(%)=(We/Wa)×Wf×100 (3)
次いで、α化したマカロニを冷凍して本発明の冷凍マカロニを製造する。
α化マカロニの冷凍は、品温が−15℃以下、特に−20℃〜−40℃の範囲になるように、急速冷凍することが、解凍したときに食感に優れるマカロニが得られることから好ましい。
冷凍は、α化したマカロニを、袋や容器に所定の量で充填してから冷凍することが、取り扱い性、作業性などの点から好ましい。
冷凍して得られる冷凍マカロニは、一般に、−15℃以下、特に−18℃〜−30℃の温度で、保存および流通される。
本発明の冷凍マカロニをトッピングや付け合わせなどとして用いるに当たっては、冷凍したままの状態でトッピングや付け合わせを行ってもよいし、または解凍してからトッピングや付け合わせを行ってもいずれでもよい。
(1) (i)デュラム・セモリナ100質量部に、水28質量部を加えて室温で混練してマカロニ用生地を調製し、当該生地をパスタマシーンを使用して脱気しながら所定のスリット幅を有するリング形の吐出孔を穿設したダイスからストランド状の中空の押出成形物として押し出すと同時に、押し出し方向の厚さ(Da)(切断面と切断面との間の距離)が5mmになるように順次切断して、図2の《1》に示すリング形の断面構造を有する生マカロニを製造した。
(ii) 上記(i)で得られた生マカロニの水分含量を、上記した方法で測定したところ30質量%であった。
また、上記(1)で得られた生マカロニの切断面を写真撮影して、生マカロニの切断面での貫通孔の合計面積割合[(St/Sa)×100]、切断面の最長径(La)と、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)の長さ、当該最長径(La)と最も長い径(Lb)との比(La/Lb)、生マカロニの切断面の最長径(La)に対する生マカロニの厚さ(Da)の比(Da/Lb)を上記した方法で求めたところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた生マカロニを、沸騰水中で歩留りが200%になるまで茹で上げ、次いで直ちに4℃の冷水で冷却した後、−30℃に急速冷凍して冷凍マカロニを製造した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍マカロニを、冷凍グラタンの上にトッピングし、室温(温度25℃)で5時間放置して自然解凍させた。
解凍したマカロニの外観を、10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
さらに、解凍したマカロニの食感を10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
(1)(i) 実施例1で用いた所定のスリット幅を有するリング形の吐出孔を穿設したダイスの代わりに、所定のスリット幅を有するハート形の吐出孔を穿設したダイス(実施例2)、所定のスリット幅を有する五角形の吐出孔を穿設したダイス(実施例3)、所定のスリット幅を有する星形の吐出孔を穿設したダイス(実施例4)、実施例1で用いたのとは異なるスリット幅を有するリング形の吐出孔を穿設したダイス(実施例5、比較例1、比較例2)または所定のスリット幅を有する楕円環形の吐出孔を穿設したダイス(比較例3)を使用し、それ以外は実施例1と同じ操作を行って、図2の《2》に示すハート形の断面構造を有する生マカロニ(実施例2)、図2の《3》に示す五角形の断面構造を有する生マカロニ(実施例3)、図2の《4》に示す星形の断面構造を有する生マカロニ(実施例4)、図2の《5》に示すリング形の断面構造を有する生マカロニ(実施例5)、図2の《6》または《7》に示すリング形の断面構造を有する生マカロニ(比較例1、比較例2)、図2の《8》に示す楕円環形の断面構造を有する生マカロニ(比較例3)をそれぞれ製造した。
(ii) また、上記(1)で得られたそれぞれの生マカロニの切断面を写真撮影して、生マカロニの切断面での貫通孔の合計面積割合[(St/Sa)×100]、切断面の最長径(La)の長さと、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)の長さ、当該最長径(La)と最も長い径(Lb)との比(La/Lb)、生マカロニの切断面の最長径(La)に対する生マカロニの厚さ(Da)の比(Da/Lb)を上記した方法で求めたところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた生マカロニを、沸騰水中で歩留りが200%になるまで茹で上げ、次いで直ちに4℃の冷水で冷却した後、−30℃に急速冷凍して冷凍マカロニを製造した。
(3) 上記(2)で得られたそれぞれの冷凍マカロニを、冷凍グラタンの上にトッピングし、室温(温度25℃)で5時間放置して自然解凍させた。
解凍したマカロニの外観を、10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
さらに、解凍したマカロニの食感を10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
また、比較例2の冷凍マカロニは、切断面の全体の面積(Sa)に対して貫通孔の合計面積(St)の占める割合が15%であって、要件(C)を満たさない未α化マカロニを原料マカロニとして用いて製造したために、解凍したときに、形崩れや歪みが生じて、原形が保たれておらず、外観に劣っており、しかも粘弾性に劣る不良な食感である。
そして、比較例3の冷凍マカロニは、切断面の最長径(La)と切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)との比(La/Lb)が3であって、要件(D)を満たさない未α化マカロニを原料マカロニとして用いて製造したために、解凍したときに、形崩れや歪みが生じて、原形が保たれておらず、外観に劣っており、しかも粘弾性に劣る不良な食感である。
(1)(i) デュラム・セモリナ100質量部に、水28質量部を加えて室温で混練してマカロニ用生地を調製し、当該生地をパスタマシーンを使用して脱気しながら、所定のスリット幅を有する星形の吐出孔を穿設したダイス(実施例6)、所定のスリット幅を有するツリー形の吐出孔を穿設したダイス(実施例7)、所定のスリット幅を有するブドウ形の吐出孔を穿設したダイス(実施例8)、所定のスリット幅を有する雪だるま形の吐出孔を穿設したダイス(実施例9)または所定のスリット幅を有するトウガラシ形の吐出孔を穿設したダイス(比較例4)からストランド状の中空の押出成形物として押し出すと同時に、押し出し方向の厚さ(Da)(切断面と切断面との間の距離)が6mmになるように順次切断して、図3の《9》に示す星形の断面構造を有する生マカロニ(実施例6)、図3の《10》に示すツリー形の断面構造を有する生マカロニ(実施例7)、図3の《11》に示すブドウ形の断面構造を有する生マカロニ(実施例8)、図3の《12》に示す雪だるま形の断面構造を有する生マカロニ(実施例9)、または図3の《13》に示すトウガラシ形の断面構造を有する生マカロニ(比較例4)をそれぞれ製造した。
(ii) 上記(1)で得られたそれぞれの生マカロニの切断面を写真撮影して、生マカロニの切断面での貫通孔の合計面積割合[(St/Sa)×100]、切断面の最長径(La)の長さと、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)の長さ、当該最長径(La)と最も長い径(Lb)との比(La/Lb)、生マカロニの切断面の最長径(La)に対する生マカロニの厚さ(Da)の比((Da/Lb)を上記した方法で求めたところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた生マカロニを、沸騰水中で歩留りが200%になるまで茹で上げ、次いで直ちに4℃の冷水で冷却した後、−30℃に急速冷凍して冷凍マカロニを製造した。
(3) 上記(2)で得られたそれぞれの冷凍マカロニを、冷凍グラタンの上にトッピングし、室温(温度25℃)で5時間放置して自然解凍させた。
解凍したマカロニの外観を、10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
さらに、解凍したマカロニの食感を10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
(1) 実施例6において、ダイスから押し出されたストランド状の中空の押出成形物を、押し出し方向の厚さ(Da)(切断面と切断面との間の距離)が2mm(実施例10)、10mm(実施例11)または20mm(実施例12)になるように順次切断した以外は、実施例6の(1)と同様に行って、図3の《9》に示す星形の断面構造を有する生マカロニを製造した。
これにより得られた生マカロニの切断面での貫通孔の合計面積割合[(St/Sa)×100]、切断面の最長径(La)の長さと、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)の長さ、当該最長径(La)と最も長い径(Lb)との比(La/Lb)は実施例6と同じである。
(2) 上記(1)で得られた生マカロニを、沸騰水中で歩留りが200%になるまで茹で上げ、次いで直ちに4℃の冷水で冷却した後、−30℃に急速冷凍して冷凍マカロニを製造した。
(3) 上記(2)で得られたそれぞれの冷凍マカロニを、冷凍グラタンの上にトッピングし、室温(温度25℃)で5時間放置して自然解凍させた。
解凍したマカロニの外観を、10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
さらに、解凍したマカロニの食感を10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
それに対して、比較例4の冷凍マカロニは、切断面の最長径(La)と切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)との比(La/Lb)が3であって、要件(D)を満たさない未α化マカロニを原料マカロニとして用いて製造したために、解凍したときに、形崩れや歪みが生じて、原形が保たれておらず、外観に劣っており、しかも粘弾性に劣る不良な食感である。
(1) 実施例6と同じ操作を行って、図3の《9》に示す星形の断面構造を有する生マカロニ(Da=6mm)を製造した後、この生マカロニを温度75℃、湿度75%の条件下で約80分間乾燥処理して水分含量が22質量%の半乾燥マカロニを製造した。
これにより得られた半乾燥マカロニの切断面での貫通孔の合計面積割合[(St/Sa)×100]、切断面の最長径(La)の長さと、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)の長さ、当該最長径(La)と最も長い径(Lb)との比(La/Lb)を上記した方法で求めたところ、下記の表4に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた半乾燥マカロニを、沸騰水中で歩留りが200%になるまで茹で上げ、次いで直ちに4℃の冷水で冷却した後、−30℃に急速冷凍して冷凍マカロニを製造した。
(3) 上記(2)で得られたそれぞれの冷凍マカロニを、冷凍グラタンの上にトッピングし、室温(温度25℃)で5時間放置して自然解凍させた。
解凍したマカロニの外観を、10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
さらに、解凍したマカロニの食感を10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
(1) 実施例6と同じ操作を行って、図3の《9》に示す星形の断面構造を有する生マカロニ(Da=6mm)を製造した後、この生マカロニを温度75℃、湿度75%の条件下で約10時間乾燥処理して水分含量が6質量%の乾燥マカロニを製造した。
これにより得られた乾燥マカロニの切断面での貫通孔の合計面積割合[(St/Sa)×100]、切断面の最長径(La)の長さと、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)の長さ、当該最長径(La)と最も長い径(Lb)との比(La/Lb)を上記した方法で求めたところ、下記の表4に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた半乾燥マカロニを、沸騰水中で歩留りが200%になるまで茹で上げ、次いで直ちに4℃の冷水で冷却した後、−30℃に急速冷凍して冷凍マカロニを製造した。
(3) 上記(2)で得られたそれぞれの冷凍マカロニを、冷凍グラタンの上にトッピングし、室温(温度25℃)で5時間放置して自然解凍させた。
解凍したマカロニの外観を、10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
さらに、解凍したマカロニの食感を10名のパネラーが下記の表1に示す評価基準に従って評価し、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
それに対して、比較例5の冷凍マカロニは、水分含量が6質量%の乾燥マカロニを原料マカロニとして用い、それをα化した後に冷凍して製造したものであるため、解凍したときに、外観は部分的に歪みがややある程度であったが、やや硬く粘弾性に劣る不良な食感である。
2 未α化マカロニのもう一方の切断面
3 未α化マカロニの貫通孔
Claims (10)
- 冷凍α化マカロニであって、
該α化マカロニは、未α化マカロニのα化処理物であり、かつ該未α化マカロニが、下記の要件(A)〜(E);
(A)2つの切断面と、該2つの切断面の間を貫通する1つ以上の貫通孔とを有するストランド状の中空の押出成形物である;
(B)水分含量が20〜40質量%である;
(C)切断面において、切断面の全体の面積(Sa)に対して貫通孔の合計面積(St)の占める割合が20〜70%である;
(D)切断面の最長径(La)と、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)との比(La/Lb)が1〜2.5である;および、
(E)Laが5〜40mmであり、該2つの切断面の間の距離である押し出し方向の厚さ(Da)が1〜20mmの範囲内且つLa以下のサイズである;
を満たす生または半乾燥の未α化マカロニであることを特徴とする冷凍α化マカロニ。 - 前記貫通孔の数が1〜20個である請求項1に記載の冷凍α化マカロニ。
- Laが8〜30mmであり、Daが3〜15mm且つLa以下のサイズである請求項1又は2に記載の冷凍α化マカロニ。
- 前記未α化マカロニが生の未α化マカロニである請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍α化マカロニ。
- 前記未α化マカロニが、前記貫通孔を2〜20個有し、かつ下記の要件(F);
(F)2〜20個の該貫通孔のうちで最大の断面積を有する貫通孔の断面積(Sd)が、該貫通孔の合計面積(St)の70%以下である;
を更に満たす未α化マカロニである請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍α化マカロニ。 - ダイスからマカロニ用生地をストランド状の中空の押出成形物として押し出して切断するか、ダイスからマカロニ用生地をストランド状の中空の押出成形物として押し出し切断した後に半乾燥するか、またはダイスからマカロニ用生地をストランド状の中空の押出成形物として押し出し半乾燥した後に切断して、下記の要件(A)〜(E);
(A)2つの切断面と、該2つの切断面の間を貫通する1つ以上の貫通孔とを有するストランド状の中空の押出成形物である;
(B)水分含量が20〜40質量%である;
(C)切断面において、切断面の全体の面積(Sa)に対して貫通孔の合計面積(St)の占める割合が20〜70%である;
(D)切断面の最長径(La)と、切断面において前記最長径(La)に対して直角に交わる径のうちの最も長い径(Lb)との比(La/Lb)が1〜2.5である;および、
(E)Laが5〜40mmであり、該2つの切断面の間の距離である押し出し方向の厚さ(Da)が1〜20mmの範囲内且つLa以下のサイズである;
を満たす未α化マカロニを製造し、当該未α化マカロニをα化した後に冷凍することを特徴とする冷凍α化マカロニの製造方法。 - 前記貫通孔の数が1〜20個である請求項6に記載の冷凍α化マカロニの製造方法。
- Laが8〜30mmであり、Daが3〜15mm且つLa以下のサイズである請求項6又は7に記載の冷凍α化マカロニの製造方法。
- 前記未α化マカロニが生の未α化マカロニである請求項6〜8のいずれか1項に記載の冷凍α化マカロニの製造方法。
- 前記未α化マカロニが、前記貫通孔を2〜20個有し、かつ下記の要件(F);
(F)2〜20個の該貫通孔のうちで最大の断面積を有する貫通孔の断面積(Sd)が、該貫通孔の合計面積(St)の70%以下である;
を更に満たす未α化マカロニである請求項6〜9のいずれか1項に記載の冷凍α化マカロニの製造方法。
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