JP2007054003A - 調理麺の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1)小麦粉に対し大豆粉を5重量%以上配合したことを特徴とする調理麺の製造方法。2)小麦粉、あるいは、大豆粉を含む小麦粉に対し、多糖類として寒天、こんにゃく粉、セルロース、カードラン、グアーガム、アルギン酸塩、ペクチン、カラギーナン、蛋白質素材として、卵白粉から少なくとも1種を配合することを特徴とする調理麺の製造方法。
【選択図】なし
Description
そこで出願人は、乾麺市場の活性化と新しいメニュー提案を視野に入れ、炒めても張り付きが少なく、調理適性に優れ、時間が経過しても麺線同士が付着しにくく、美味しく食べられる「焼きうどんに適した麺」や「炒め料理に優れた麺」の商品化を進めてきた。
また、特開2003−102412公報(特許文献6参照)には卵黄、糖質、油脂を加圧、加熱処理により乳化状添加物を生成し、これを麺に添加することによって麺質を改良する方法が記載されており、特開2002−223713公報(特許文献7参照)には食用油脂、食用蛋白を麺に配合することによって麺線の付着防止に効果のあることが記載されている。
さらに、特開2000−139385公報(特許文献8参照)には有機酸や有機酸塩類、大豆由来の水溶性ヘミセルロースを溶解した麺用製剤、特開2000−139386公報(特許文献9参照)には大豆食物繊維、コラーゲン、ゼラチン等にキサンタンガム、カラギーナン、ローカストビンガム等を併用する麺用ほぐれ改良剤の製造方法が記載されている。
<第1工程>脱皮生大豆の10ミクロン以下への微粉化、及びこれを用水に懸濁させて原料小麦粉に混合する。この工程ではカルシウム素材や食塩を加え起泡を抑制する作業をも包含する。
<第2工程>次に、この混合物のミキシングと寝かしの操作をする。
<第3工程>さらに、圧延、麺線切り出しによって生麺を製造する。
<第4工程>蒸麺の場合はこれより蒸し工程、散水、ほぐし、湯浸、冷水浸漬、水切り、包装がある。
1.測定装置
レオメータを用いた。咀嚼試験、即ち、調理された検体を架台に固定し、一定速度で動くプランジャーで検体を咀嚼する方法で行った。
2.検体
所定配合された検体を3mmになるように圧延し、直径2.8mmの型により型抜きしたものを使用した。
3.検体の調理方法
1)検体を作り10分茹で、水洗いをする。
2)小さじ1杯の油をひき、フライパンを50秒あたためる。
3)検体20枚を入れ、40秒フライパンを動かしながら炒める。
4)炒めた直後にレオメータにより測定する。(直後データ)
5)20分放置後、再び測定を行う。(放置後データ)
4.プランジャー
直径2.0mmの球のプランジャーを使用し、6cm/min.の一定速度で咀嚼した。
5.咀嚼条件
プランジャーと検体の接触面積を一定にする為、検体上部より2.3mmの距離を押すこととした。
6.データ解析
プランジャーが検体を押した時に発生する力を「硬さ(g)」、検体からプランジャーが引き離される時に発生する力を「粘着力(g)」とし、所定の「硬さ」に対する「粘着力」を考察する為に、「(粘着力(g)÷硬さ(g))×1000」の値を算出した。
◎食用蛋白素材類配合による測定結果
蛋白素材の選定においては、一般的に加工食品に利用され、固く、強いゲル強度を有するものを対象として検討した。
レオメータ測定及び官能評価に供試した試料の配合を表1、レオメータ測定結果を表2、官能評価結果を表3に示した。尚、官能評価に供試した試料は、9種類の乾麺それぞれ100gを得た(切刃#12角、製品麺厚1.00mm)後、これを5分間茹で、水道水で水洗いした後、フライパンでサラダ油10cc、粉末調味料(食塩、コショウ)少々とともに1分間炒め、皿に盛り付けて10人のパネラーにて試食を行った。調理中(炒め)の評価及び試食評価(盛り付け10分後)の基準は表4の通りである。また、代表的な麺について、張り付き等の外観の様子を図2(図面代用写真)に図示した。
脱脂大豆粉は配合量が増加するほど硬くなる傾向を示したが、粘着力は増加減少の傾向が確認されなかった。そこで、粘着力に強く影響される麺同士の張り付きについては、所定の硬さに対する粘着力を「付着性」として表し、「付着性」=「(粘着力(g)÷硬さ(g))×1000」を算出した。その結果、脱脂大豆粉の配合量が増加するほど「付着性」は減少する傾向が確認された。この「付着性」の減少傾向は官能評価結果とも相関し、脱脂大豆粉の配合量が増加するほど麺同士が徐々にほぐれ易くなり、また、張り付きにくくなることと一致した。同時に、算出した「付着性」をほぐれ性や張り付きの指標として評価できることが確立された。
このように考えると、卵白粉の張り付き抑制効果も脱脂大豆粉と同様に顕著であるが、おからについては効果がないと言える。また、脱脂大豆粉と卵白粉あるいはゼラチンとの併用効果についても検討したが、卵白粉の張り付き抑制効果が確認されたのに対し、ゼラチンは効果が確認されなかった。
素材の選定については、ゲルの特長として比較的固く、離水防止に優れているものを対象に検討した。
レオメータ測定及び官能評価に供試した試料の配合を表5、レオメータ測定結果を表6、官能評価結果を表7に示した。尚、官能評価に供試した試料は、14種類の乾麺それぞれ100gを得た(切刃#12角、製品麺厚1.00mm)後、これを5分間茹で、水道水で水洗いした後、フライパンでサラダ油10cc、粉末調味料(食塩、コショウ)少々とともに1分間炒め、皿に盛り付けて10人のパネラーにて試食を行った。調理中(炒め)の評価及び試食評価(盛り付け10分後)の基準は表4の通りである。また、代表的な麺について、張り付き等の外観の様子を図3(図面代用写真)に図示した。
寒天は、「付着性」の値が低く、張り付きの抑制効果は非常に大きかった。こんにゃく粉についても効果が大きく、微細粉末のものの方が「付着性」の値が小さいことも分かった。また、寒天、こんにゃく粉以外の多糖類に関しても、全て張り付き抑制効果のある結果となった。但し、ペクチンやグアーガムのように調理直後の効果が弱いものも存在する。また、算出した「付着性」については官能評価結果とも相関し、評価の高いものほど、「付着性」は低い値を示す傾向であった。
全体としては調理直後に効果的なものは放置後にも効果的であった。ゲルをしっかり形成し、水分をしっかり抱え込み、みずみずしさを保つ効果のある多糖類に、特に張り付き抑制効果が見られたのではないかと考える。
そこで、大豆粉以外の蛋白素材、多糖類について、麺特有の食感、風味を有し、麺同士の張り付き等を抑制する適性配合について検討した。
即ち、表8、9及び10の配合に従って24種類の生麺100gを得た(切刃#12角,麺厚1.20mm)。これを3分間茹で、水道水で水洗いした後、皿に盛り付けて試食を行った。盛り付け10分後の試食評価の結果は表11、12及び13の通りであった。また、代表的な麺について、張り付き等の外観の様子を図4、図5および図6(それぞれ図面代用写真)に図示した。
*カードラン、グアーガム ペクチン、セルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンについてそれぞ
れ検討。
張り付き、付着性の抑制 ◎:十分効果あり ○:効果あり △:やや効果あり ×:効果なし
肌荒れ、ざらつき ○:なし ×:あり
食感 ◎:十分満足 ○:満足 △:やや満足 ×:不満足
総合評価 ◎:十分満足 ○:満足 △:やや満足 ×:不満足
張り付き、付着性の抑制 ◎:十分効果あり ○:効果あり △:やや効果あり ×:効果なし
肌荒れ、ざらつき ○:なし ×:あり
食感 ◎:十分満足 ○:満足 △:やや満足 ×:不満足
総合評価 ◎:十分満足 ○:満足 △:やや満足 ×:不満足
張り付き、付着性の抑制 ◎:十分効果あり ○:効果あり △:やや効果あり ×:効果なし
肌荒れ、ざらつき ○:なし ×:あり
食感 ◎:十分満足 ○:満足 △:やや満足 ×:不満足
総合評価 ◎:十分満足 ○:満足 △:やや満足 ×:不満足
このように、張り付き抑制効果の期待される配合量は各素材によって異なり、適性配合量がそれぞれ存在する。
また、こんにゃく粉以外の食品素材についても、寒天0.1〜3.0重量部、こんにゃく粉0.1〜5.0重量部、セルロース0.5〜5.0重量部、カードラン0.5〜10重量部、グアーガム0.5〜10重量部、アルギン酸塩0.5〜3.0重量部、ペクチン0.5〜3.0重量部、カラギーナン0.5〜3.0重量部、卵白粉0.5〜2.0重量部の範囲内とするのが望ましい。
すなわち、小麦粉に適量の大豆粉およびこんにゃく粉を混合するとともに、塩水を加えて練り上げ、ロールを通して粗麺帯とした後、該粗麺帯をロール間に通す工程によって加圧、延伸する工程を経ることにより、大豆粉およびこんにゃく粉入りの麺帯として、麺線に適宜製麺加工するものである。
また、調理麺の商品形態としては、乾麺、生麺、蒸麺、茹麺等、何れの形態でもよい。
もちろん、調理方法については、茹でた後、炒めることなく調味料をからめるだけで食べることも可能である。この場合も、盛り付けた後の張り付きは充分抑制される。
また単純に、茹でた後、皿に盛り付け、ざるうどんの状態で食べる場合にも、盛り付けた麺の張り付きは抑制される。
図1の調理麺の製造工程のフローチャートに示される事例は、小麦粉および大豆粉、こんにゃく粉を重量比で7:3:0.1の割合で混合した原料粉1.1kgに対し、塩水を加えて所定時間混練し、練り上げた麺粉を製麺機に移して麺帯を造り、熟成させた後に麺線となすようにした、この発明の基本的構成を備えてなる調理麺の製造方法の代表的な一実施例を示すものである。
このようにして得られた麺は「生麺」であるが、乾燥することによって得られる「乾麺」、蒸すことによって得られる「蒸麺」、茹でることによって得られる「茹麺」等、商品としては様々な形態をとることができる。
(調理例1)
表14の配合に従って3種類の乾麺それぞれ100gを得た(切刃#10角、製品麺厚1.50mm)。これを10分間茹で、水道水で水洗いした後、皿に盛り付けて10人のパネラーにて試食を行なった。試食評価の結果は表15の通りであった。尚、評価基準は表4の通りである。
これによると、通常のざるうどんのように調理して食べる場合において、張り付き、ほぐれ性、べとつき等、何れも対照よりも優れていることが確認され、良好な結果が得られている。また、小麦粉として準強力粉、大豆粉として全脂大豆粉を使用しても張り付き抑制効果の得られることが確認される。尚、張り付き等の概観の様子を図示したのが図7(図面代用写真)である。
表16の配合に従って3種類の生麺それぞれ100gを得た(切刃#12角、製品麺厚1.20mm)。これを3分間茹で、水道水で水洗いした後、フライパンでサラダ油10cc、粉末調味料(食塩、コショウ)少々とともに1分間炒め、皿に盛り付けて10人のパネラーにて試食を行った。調理(炒め)中の評価及び試食評価(盛り付け10分後)の結果は表17の通りであった。尚、評価基準は表4の通りである。
これによると、炒めるという調理工程を経て食べる場合においては、調理中、盛り付け後の何れも麺同士の張り付き、ほぐれ性、べとつきは対照よりも優れていることが確認され、良好な結果が得られている。また、No.CよりもNo.Dの方が張り付き等の抑制効果は大きかったが、麺質の点では異なっており、No.Cはソフトでしなやかな食感を有しているのに対し、No.Dは硬く、しっかりとした食感が特長であった。
Claims (5)
- 小麦粉に対し大豆粉を5重量%以上配合したことを特徴とする調理麺の製造方法。
- 小麦粉、あるいは、大豆粉を含む小麦粉に対し、多糖類として寒天、こんにゃく粉、セルロース、カードラン、グアーガム、アルギン酸塩、ペクチン、カラギーナン、蛋白質素材として、卵白粉から少なくとも1種を配合することを特徴とする調理麺の製造方法。
- 小麦粉、あるいは、大豆粉を含む小麦粉100重量部に対して外割で、寒天0.1〜3.0重量部、こんにゃく粉0.1〜5.0重量部、セルロース0.5〜5.0重量部、カードラン0.5〜10重量部、グアーガム0.5〜10重量部、アルギン酸塩0.5〜3.0重量部、ペクチン0.5〜3.0重量部、カラギーナン0.5〜3.0重量部、卵白粉0.5〜2.0重量部含むことを特徴とする請求項2に記載の調理麺の製造方法。
- 調理方法として、茹で工程、炒め工程、調味料をからめる工程の単独、あるいはそれらの組み合わせによって調理されて得られる調理麺であり、調理後に放置されても張り付きの少ない、ほぐれ性に優れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の調理麺の製造方法。
- 麺の形態が、乾麺、生麺、蒸麺、茹麺等から選ばれてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の調理麺の製造方法。
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- 2005-08-26 JP JP2005245310A patent/JP2007054003A/ja active Pending
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