JP2020120614A - 麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び麺類の製造方法 - Google Patents

麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び麺類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を、太さや厚さに関わらず、一般的な材料で、一般的な機械製麺の装置を用いて、容易に製造することができる麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び麺類の製造方法の提供。【解決手段】小麦粉を含む原料粉、及び食用油脂を含む油脂組成物を含有する、麺類用原料粉−油脂混合組成物。小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物、及び必要に応じてその他の材料を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製する工程、並びに前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料を混捏し、麺類用生地を調製する工程、を含む、麺類の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を製造するための麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び麺類の製造方法に関する。
麺類には、うどん、中華麺、パスタ、餃子の皮、シュウマイの皮等の様々な形状、並びに様々な太さ、及び厚さのものがある。また、麺類の食感についても、コシや歯ごたえが強い食感から、軟らかく口溶けの良い食感まで、多様な食感が求められている。
従来から、うどんや餃子の皮等の麺類の製造において、コシや歯ごたえ、弾力性の向上のためグルテン等の植物性たん白質等を添加する多くの技術が知られている。一方、麺類の食感を軟らかくする技術としては、例えば、特許文献1では、機械的操作によっても安定抱水し、食したとき柔らかい食感を与える餃子、しゅうまい、しょうろんぽう、うどん等の皮や麺線を製造する方法として、麺帯原料に40〜80%好ましくは50〜70%の水を加え、55〜80℃に加熱し、α化するとともに安定抱水とし、麺帯とし、必要に応じこれを餃子、しゅうまい、しょうろんぽう、うどん等の形状に切断することを特徴とする多加水麺帯の製造方法が開示されている。また、特許文献2では、包麺皮にゼラチンを含有させることによって多量の水を保持させ、この皮を用いてあんを包み、得られた包皮食品を焼成したとき、耳まで柔らかな包皮食品を得ることができるという技術が開示されている。
特開昭59−227258号公報 特開平7−67564号公報
しかしながら、麺類の食感を軟らかくするため、上記の従来技術を用いる場合、特許文献1では、麺帯原料を加熱しながら撹拌するような特殊な装置が必要であったり、麺類に粘りが生じて食感が悪くなったりする場合があり、特許文献2では、ゼラチンが風味に影響する場合があり、さらなる技術開発が求められている。
したがって、本発明の目的は、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を、太さや厚さに関わらず、一般的な材料で、一般的な機械製麺の装置を用いて容易に製造することができる麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び麺類の製造方法を提供することにある。
上記目的は、小麦粉を含む原料粉、及び食用油脂を含む油脂組成物を含有する麺類用原料粉−油脂混合組成物によって達成される。さらに上記目的は、麺類の製造方法であって、小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物、及び必要に応じてその他の材料を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製する工程、並びに前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料を混捏し、麺類用生地を調製する工程、を含むことを特徴とする麺類の製造方法によって達成される。なお、本発明において、「麺類」は、線状の「麺」だけでなく、皮状の「麺皮」等の様々な形状の麺類も包含するものとする。
本発明により、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を、太さや厚さに関わらず、一般的な材料で、一般的な機械製麺の装置を用いて容易に製造することができる。
[麺類用原料粉−油脂混合組成物]
本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物は、小麦粉を含む原料粉、及び食用油脂を含む油脂組成物を含有することを特徴とする。従来から、製麺機への付着に繋がる麺のべたつきの軽減や、食感のソフトな麺類を得る等の目的で、麺類を製造する際に、食用油脂を配合される場合もあったが、この場合、食塩水等と食用油脂を混合したものを原料粉に投入して混練するという方法が行なわれていた。一方で、原料粉と食用油脂が事前に混合された麺類用原料粉−油脂混合組成物は全く知られていなかった。本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物に水を含む材料を加えて混捏することで、太い麺線や厚い麺皮であっても、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を、一般的な機械製麺の装置を用いて容易に製造することができる。この作用機作は、明確ではないが、本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物においては、食用油脂が小麦粉粒子を少なくとも部分的にコーティングしており、混捏中のグルテンの形成が抑制されるためと考えられる。なお、特開平5−49423には、のどごしが良く、滑らかさ、歯ごたえのある乾麺を機械製麺によって大量生産することを目的として、不飽和脂肪酸含量が70%以上の植物油を製麺原料粉に添加混練することを特徴とする乾麺の製造方法が開示されている。しかしながら、特開平5−49423の課題は、のどごしが良く、滑らかさ、歯ごたえのある乾麺を生産することであり、本願と完全に相反している。すなわち、この技術は、乾燥工程を経て所定の植物油が何らかの変化を引き起こしているものと考えられる。本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物は、乾麺製造用に特化したものではなく、食用油脂の酸化臭の発生を考慮すると、むしろ乾麺製造用に使用することは好ましくない。
本発明において、油脂組成物は食用油脂を含んでいればよく、食用油脂単独でも、後述するような乳化剤、糖類、酸化防止剤等のその他の成分を含んでいてもよい。本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物に含まれる前記食用油脂の含有量は、本発明の効果を発揮することができれば、特に制限はない。前記食用油脂の含有量が少な過ぎると、上記の効果が得られない場合があり、多過ぎると食用油脂が染み出したり、得られる麺類の食感が軟らかくなり過ぎたりする場合がある。したがって前記食用油脂の含有量は、前記原料粉100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、1〜6質量部がより好ましく、3〜5質量部がさらに好ましい。また、本発明において、前記食用油脂は、食用の油脂であれば特に制限はなく、例えば、大豆油、菜種油、ひまわり油、とうもろこし油、サフラワー油、ぶどう油、綿実油、ごま油、落花生油、オリーブ油、パーム油、やし油等の植物油脂や、牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油、魚油等の動物油脂、前記の植物油脂や動物油脂をエステル交換したもの、硬化油、分別油等が挙げられる。本発明において、前記食用油脂は、上述のように小麦粉粒子を少なくとも部分的にコーティングするため、前記原料粉との混合時に液状又はペースト状であることが好ましい。
また、本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物は、乳化剤を含有することが好ましい。これにより、さらに食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を製造することができる麺類用原料粉−油脂混合組成物とすることができる。本発明において、前記乳化剤は、特に制限はなく、通常食品に使用される乳化剤を適宜使用することができる。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む)、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン類等が挙げられる。前記乳化剤のHLB値は、2〜10の範囲であることが好ましい。前記乳化剤は、1種を単独で、又は複数種を混合して使用してもよい。前記乳化剤の含有量については、本発明の効果を損なわない範囲で、特に制限はない。前記乳化剤の含有量は、前記原料粉100質量部に対して、0.1〜1質量部が好ましく、0.4〜0.7質量部がより好ましい。
本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物に原料粉として含まれる小麦粉は、特に制限はなく、市販の小麦粉を適宜使用することができる。また、本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上述した材料以外に、一般に麺類製造用に使用される材料を適宜含んでいてもよい。例えば、原料粉として、そば粉、トウモロコシ粉、大麦粉、米粉等の小麦粉以外の穀粉;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等の澱粉、及びそれらの澱粉を原料として、物理的又は化学的に加工を施した加工澱粉が挙げられる。また、その他の材料として、卵白、卵黄、カゼイン、グルテン等のたん白質;糖類;色素;アラニン、グリシン、リジン等のアミノ酸;グルタミン酸ナトリウム、食塩等の調味料;かんすい; 増粘剤;香料等が挙げられる。
本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物は、常法に従って製造することができる。例えば、上記の材料をカッターミキサー、ナウターミキサー等で混合して麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製することができる。本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物を使用できる麺類の種類としては、特に制限はなく、例えば、うどん、そば、中華麺、パスタ、餃子の皮、シュウマイの皮等が挙げられる。本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物は、特に、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を製造するために有効である。そのため、生地が重なる「みみ」部分を生じる餃子の皮や太いうどん等、食感や口溶けが課題になるような麺類の製造用であることが好ましい。さらに、厚い餃子の皮では「みみ」部分の厚みがより厚くなるため、本発明がより効果的である。
[麺類の製造方法]
本発明の麺類の製造方法は、小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物、及び必要に応じてその他の材料を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製する工程、並びに前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料を混捏し、麺類用生地を調製する工程、を含むことを特徴とする。まず小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物、及び必要に応じてその他の材料を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製した後、前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料を混捏することで、太い麺線や厚い麺皮であっても、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を、一般的な機械製麺の装置を用いて容易に製造することができる。この作用機作は、明確ではないが、上述の通り、前記麺類用原料粉−油脂混合組成物においては、食用油脂が小麦粉粒子を少なくとも部分的にコーティングしており、混捏中のグルテンの形成が抑制されるためと考えられる。
本発明の麺類の製造方法は、具体的には、例えば、上述の通り小麦粉を含む原料粉、及び必要に応じてその他の材料をピンミキサー等の混合機に入れ、撹拌しながら所定量の食用油脂を含む油脂組成物を添加して均一になるように混合して麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製する。その後、さらに所定量の水を含む材料を添加して、生地がそぼろ状又はドウ状になるまでミキシングすることで麺類用生地を調製する。前記原料粉、及びその他の材料としては、上述の麺類用原料粉−油脂混合組成物で記載したものを使用することができる。なお、それらの材料は、前記水を含む材料として前記麺類用原料粉−油脂混合組成物に添加することもできる。次いで、そぼろ状又はドウ状の生地を製麺機に投入し、圧延して麺帯を製造し、得られた麺帯を、細断、型抜き等して麺類を製造する。製麺機は、特に制限はなく、うどん、そば、中華麺、パスタ、餃子の皮、シュウマイの皮等の所望の麺類に応じた製麺機を用いることができる。本発明の麺類の製造方法は、特に、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を製造するために有効である。そのため、生地が重なる「みみ」部分を生じる餃子の皮や太いうどん等、食感や口溶けが課題になるような麺類を製造することが好ましい。さらに、厚い餃子の皮では「みみ」部分の厚みがより厚くなるため、本発明がより効果的である。なお、得られた麺類の形態は特に制限はなく、上述の様に製造した生麺を、必要に応じてさらに加熱や乾燥等の加工を施し、直ちに、又は常温、冷蔵若しくは冷凍保存後に加熱調理する形態でもよい。例えば、前記生麺から、さらに即席麺を製造し、茹でる、又は熱湯をかけて調理する形態でもよい。
本発明の麺類の製造方法の好ましい態様は、上述の麺類用原料粉−油脂混合組成物の場合と同様である。なお、前記麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製する工程と、麺類用生地を調製する工程とは、連続して行なわなくてもよい。すなわち、事前に麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製したもの(すなわち、本発明の麺類用原料粉−油脂混合組成物)を保存しておき、それを用いて麺類用生地を調製する工程を行なってもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.餃子の皮の調製方法
麺類として餃子の皮を選定し、表1に示した各配合で、各参考例、実施例及び比較例の餃子の皮を調製した。具体的には、実施例の場合は、まず、原料粉を混練機(カントーミキサー10Q、フック使用)に投入し、食用油脂を含む油脂組成物、及び含まれる場合は乳化剤を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製した。油脂組成物のうち、ショートニングは溶解してから、ラードは固形状態で、原料粉と混合した。次いで、練水として、所定の量の食塩、及び水を混合したものを混練機中へ投入し、混捏して、そぼろ状の生地を調製した。また、参考例及び比較例の場合は、原料粉を混練機(カントーミキサー10Q、フック使用)に投入し、練水として、所定の量の食塩、水、食用油脂(参考例の場合は除く)、及び含まれる場合は乳化剤を混合したものを混練機中へ投入し、混捏して、そぼろ状の生地を調製した。その後、いずれの場合にも、そぼろ状の生地を製麺機の圧延ロールに掛け(8号ロール1回、6号ロール2回)麺帯を調製した。得られた麺帯を型でくり抜き、餃子の皮(直径90mm、厚さ1.0mm)を調製した。
2.焼き餃子の製造方法
豚挽き肉400質量部、ラード30質量部を混合し、ごま油25質量部、醤油25質量部、酒15質量部、おろしニンニク2質量部、おろしショウガ2質量部、及びコショウ少々を加えてさらに混合し、キャベツ(脱水処理(5〜7mmの角切りにし、1質量%の食塩を振って混ぜた後、1時間放置後、水分を搾った(歩留まり約80質量%))後)500質量部、及び刻んだニラ100質量部を加えて軽く混合して、餡を調製した。1.で調製した餃子の皮を用いて、上記餡(15g)を包み、各例10個の生餃子を調製した。次いで、200℃に加熱したフライパンに2gの油を引き、得られた生餃子を置き、1分間加熱後、水140ml添加し、蓋をして約4分間加熱した。その後、蓋をはずして240℃まで加熱して焼き餃子を製造した。
3.焼き餃子の評価
3.で得られた焼き餃子の皮について、10分間常温で冷ました後、以下の評価基準で、みみ部分(餃子の皮が重なって厚くなっている部分)の軟らかさ、歯切れ、及び口溶けを評価した。上記評価は、専門パネル10名で評価し、パネル全員の合議にて0.5刻みで評価点数を決定した。結果を表1に示す。
(1)軟らかさ
5:軟らかい
4:やや軟らかい
3:普通
2:やや硬い
1:硬い
(2)歯切れ
5:非常に歯切れが良い
4:歯切れが良い
3:普通
2:やや歯切れが悪い
1:歯切れが悪い
(3)口溶け
5:口溶けが良い
4:やや口溶けが良い
3:普通
2:やや口溶けが悪い
1:口溶けが悪い
Figure 2020120614
表1に示した通り、小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製した後、前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料(練水)を混捏して生地を調製する方法によって調製した餃子の皮を用いた実施例1〜10の焼き餃子では、みみ部分が軟らかく、餃子の皮の歯切れ、口溶けも良好であった。一方、前記食用油脂を水等と共に混合した練水と、原料粉とを混捏して生地を調製する方法で調製した餃子の皮を用いた比較例1の焼き餃子では、みみ部分がやや硬く、皮の歯切れ、口溶けもやや悪かった。したがって、麺類製造の際、生地の調製において、最初に麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製した後、水を含む材料と混合することにより、厚いみみ部分であっても、食感が軟らかく口溶けが良好な餃子の皮を製造することができることが示唆された。なお、油脂を配合しない餃子の皮を用いた参考例の焼き餃子では、みみ部分の軟らかさ、餃子の皮の歯切れ、口溶けが全て悪かった。
また、実施例1〜5の焼き餃子の評価結果を比較すると、食用油脂の混合量は、原料粉100質量部に対して、1質量部以上で効果が認められ、10質量部以下が好ましいことが示唆された。さらに実施例1、実施例6及び実施例7の焼き餃子の評価結果から、混合する食用油脂の種類の影響は小さいことが示唆された。
さらに、実施例1と、実施例8〜10との焼き餃子の評価結果を比較すると、実施例8〜10の方が、みみ部分が軟らかかった。したがって、乳化剤を添加することで、さらに食感が軟らかく口溶けが良好な餃子の皮を製造することができることが示唆された。なお、実施例8及び実施例9の焼き餃子の評価結果から、乳化剤を麺類用原料粉−油脂混合組成物に添加する際に、乳化剤を含む油脂組成物を用いるか、別途乳化剤を添加するかは何れでもよいことが示唆された。また、実施例9及び実施例10の焼き餃子の評価結果から、混合する乳化剤の種類の影響は小さいことが示唆された。
4.生うどんの調製方法
他の麺類としてうどんを選定し、表2に示した配合で、実施例11の生うどんを調製した。具体的には、まず、原料粉を混練機(カントーミキサー10Q、フック使用)に投入し、食用油脂を含む油脂組成物を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製した。次いで、練水として、所定の量の食塩、及び水を混合したものを混練機中へ投入し、混捏して、そぼろ状の生地を調製した。その後、そぼろ状の生地を製麺機の圧延ロール(8号)に1回通し、得られた麺帯を2枚重ね合わせた。さらに圧延ロール(6号)に4回通して麺帯を調製した。次いで、切刃(角10番)を通し、麺厚2.5mmの生うどんを調製した。
5.即席麺の調製方法
他の麺類として即席麺(フライ麺)を選定し、表2に示した配合で、実施例12の即席麺を調製した。具体的には、まず、原料粉を混練機(カントーミキサー10Q、フック使用)に投入し、食用油脂を含む油脂組成物を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製した。次いで、練水として、所定の量の食塩、かんすい、及び水を混合したものを混練機中へ投入し、混捏して、そぼろ状の生地を調製した。その後、そぼろ状の生地を製麺機の圧延ロール(8号)に1回通し、得られた麺帯を2枚重ね合わせた。さらに圧延ロール(6号)に4回通して麺帯を調製した。次いで、切刃(角18番)を通し、麺厚1.0mmの麺線を調製し、その麺線を蒸熱処理(100℃、180秒間)後、油ちょう処理(150℃、150秒間)して即席麺用フライ麺を調製した。
6.生うどん及び即席麺の評価
生うどんは、4.で調製した生麺を熱湯に投入し、12分間茹でて湯から引き上げ、1分間水冷し、10分間常温に放置してから、3.に記載した評価方法で、麺の軟らかさ、歯切れ、及び口溶けについて評価した。即席麺用フライ麺は、5.で調製した即席麺用フライ麺に熱湯を掛け、3分経過後、3.に記載した評価方法で、麺の軟らかさ、歯切れ、及び口溶けについて評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2020120614
表2に示した通り、小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製した後、前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料(練水)を混捏して生地を調製する方法によって調製した生うどん、及び即席麺においても、調理した麺が軟らかく、歯切れも良好で、且つ口溶けも良好であった。したがって、上記製造方法は、種々の麺類に適用できることが示唆された。
以上により、小麦粉を含む原料粉、及び食用油脂を含む油脂組成物を含有することを特徴とする麺類用原料粉−油脂混合組成物によって、並びに小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物、及び必要に応じてその他の材料を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製する工程、並びに前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料を混捏し、麺類用生地を調製する工程、を含む麺類の製造方法によって、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を製造できることが示唆された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を、太さや厚さに関わらず、一般的な材料で、一般的な機械製麺の装置を用いて容易に製造することができるので、そのような麺類を低コストで提供することができる。

Claims (6)

  1. 小麦粉を含む原料粉、及び食用油脂を含む油脂組成物を含有することを特徴とする麺類用原料粉−油脂混合組成物。
  2. 前記食用油脂の含有量が、前記原料粉100質量部に対して1〜10質量部である請求項1に記載の麺類用原料粉−油脂混合組成物。
  3. 乳化剤を含有する請求項1又は2に記載の麺類用原料粉−油脂混合組成物。
  4. 食感が軟らかく口溶けが良好な麺類を製造するための請求項1〜3のいずれか1項に記載の麺類用原料粉−油脂混合組成物。
  5. 麺類の製造方法であって、
    小麦粉を含む原料粉、食用油脂を含む油脂組成物、及び必要に応じてその他の材料を混合し、麺類用原料粉−油脂混合組成物を調製する工程、並びに
    前記麺類用原料粉−油脂混合組成物、及び水を含む材料を混捏し、麺類用生地を調製する工程、
    を含むことを特徴とする麺類の製造方法。
  6. 前記麺類用原料粉−油脂混合組成物として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の麺類用原料粉−油脂混合組成物を用いる請求項5に記載の麺類の製造方法。

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