JP7211413B2 - 菓子生地、菓子、菓子用組成物及びこれらの製造方法 - Google Patents

菓子生地、菓子、菓子用組成物及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本出願は、2018年3月23日に出願された、日本国特許出願第2018-056587号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。本発明は、菓子生地、菓子、菓子用組成物及びこれらの製造方法に関する。
近年、乳幼児から成人まで、特定の食物を原因としたアレルギー症状を起こす人が増えている。このような食物アレルギーの原因となるアレルゲン(アレルギー物質)としては、小麦、乳、及び卵が多く、これらに対するアレルギー症状は、特に0~5歳の乳幼児に多く見られる。小麦、乳及び卵は、食生活の根幹をなす食品素材であり、主食や副食だけでなく、例えば、多くの菓子にも使用されている。このため、これらに対してアレルギーを有する乳幼児が菓子の摂取を制限されることによる精神的な苦痛は大きい。
このため、近年は、小麦、乳及び卵といった三大アレルゲンを除去した菓子等の開発も進められている。このような菓子においては、小麦、乳及び卵の代替原料として大豆が使用されることもある。大豆は健康志向の高い人からも支持されており、大豆を含む菓子は広く流通している。例えば、特許文献1には、小麦、乳、及び卵を含まない菓子生地であって、大豆蛋白を含む大豆蛋白含有菓子生地が開示されている。
しかしながら、大豆もまた食物アレルギーの原因となるアレルゲンの一つである。このため、小麦、乳及び卵といった三大アレルゲンに加え、大豆に対するアレルギーを有する患者においては、小麦、乳及び卵を含有していない菓子であっても、その代替原料として大豆を含んでいる場合、その食品の摂取が制限されてしまう。このため、例えば特許文献2に開示されているような、食物アレルギー患者用クッキーの開発も進められている。そこでは、小麦粉の代わりに澱粉を使用することで、小麦、乳及び卵といった三大アレルゲンだけでなく大豆も含有しないクッキーを製造することが提案されている。
特開2006-61029号公報 特開平10-108613号公報
しかしながら、本発明者らが特許文献2に記載された方法で菓子生地を製造し、成型後クッキーを焼成したところ、焼きあがったクッキーの形状は成型直後の形状から大きく変形することがわかった。つまり、小麦、乳、卵及び大豆を含まない菓子は、食物アレルギーを有する者(以下、「食物アレルギー者」と称する)でも食べることができる菓子として有用であるものの、製造に際して、特に成型性や保形性という点で問題があることが判明した。
そこで、本発明者らは、食物アレルギー者でも食べることができる菓子として小麦、乳、卵及び大豆を含まない菓子を提供することを第1の課題とし、さらに当該菓子において、製造時における、特に成型性及び/または保形性を高めることを第2の課題として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、小麦、乳、卵及び大豆を原料として用いることなく、α化澱粉を用いることで、食物アレルギー者でも食べることができる菓子が製造できること、また製造時における成型性及び/または保形性が向上すること、特に加熱時の変形が有意に抑制され、保形性に優れた菓子が得られることを見出し、さらなる検討を重ねて本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の実施形態を有するものである。
(I)菓子生地
[I-1]小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まず、α化澱粉及び水分を含む菓子生地。
[I-2]さらにβ澱粉を含む[I-1]に記載の菓子生地。
[I-3]水分の含有量は、菓子生地の全質量に対して18~60質量%である[I-1]又は[I-2]に記載の菓子生地。
[I-4]さらに油脂を含み、油脂の含有量は、菓子生地の全質量に対して5~60質量%である[I-1]~[I-3]のいずれかに記載の菓子生地。
[I-5]α化澱粉の含有量は、菓子生地の全質量に対して7~60質量%である[I-1]~[I-4]のいずれかに記載の菓子生地。
[I-6]β澱粉の含有量は、菓子生地の全質量に対して1~50質量%である[I-2]~[I-5]のいずれかに記載の菓子生地。
[I-7]α化澱粉とβ澱粉の質量比が1:50~50:1である[I-2]~[I-6]のいずれかに記載の菓子生地。
[I-8]香料をさらに含む[I-1]~[I-7]のいずれかに記載の菓子生地。
(II)菓子生地の製造方法、及びそれに使用する組成物
[II-1](a)水分と油脂を混合して混合体を得る工程と、
(b)前記混合体に少なくともα化澱粉を含む粉体を混合する工程と、を含む、
菓子生地の製造方法。
[II-2]前記(a)工程が水分と油脂とβ澱粉を混合して混合体を得る工程であるか、あるいは、(b)工程が前記混合体にα化澱粉とβ澱粉を含む粉体を混合する工程である、[II-1]に記載する製造方法。
[II-3]小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子生地を製造するための組成物であって、α化澱粉を含み、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない組成物。
[II-4]β澱粉をさらに含む、[II-3]に記載する組成物。
[II-5]粉体組成物である[II-3]または[II-4]に記載する組成物。
[II-6]前記[II-1]または[II-2]に記載する製造方法の(b)工程においてα化澱粉を含む粉体として使用される粉体組成物である、[II-3]~[II-5]のいずれかに記載する組成物。
(III)菓子、及びその製造方法
[III-1][I-1]~[I-8]のいずれかに記載の菓子生地の加熱成型物である菓子。
[III-2]菓子に含まれる全固形分質量100質量%に対する全蛋白質量が5質量%以下である[III-1]に記載の菓子。
[III-3]小麦、乳、卵及び大豆に由来するアレルゲンを含まない[III-1]又は[III-2]に記載の菓子。当該菓子は、小麦、乳、卵及び大豆から選択される少なくとも1種の食物に対してアレルギーを有する者のための菓子として提供することができる。
[III-4]クッキー、タルト、サブレ、パイ、ボーロ又はビスケットである[III-1]~[III-3]のいずれかに記載の菓子。
[III-5][I-1]~[I-8]のいずれかに記載の菓子生地を成型する工程、及び加熱する工程を有する、[III-1]~[III-4]のいずれかに記載する菓子の製造方法。
(IV)保形性及び/又は成型性の向上方法
[IV-1]小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子の製造に、[I-1]~[I-8]のいずれかに記載する菓子生地を用いることを特徴とする、菓子の保形性を向上する方法。当該保形性の向上方法には、菓子生地の成型時及び/又は菓子焼成時の変形を抑制する方法が含まれる。
[IV-2]小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子生地の製造に、原料としてα化澱粉を配合することを特徴とする、菓子生地の成型性を向上する方法。
[IV-3]さらにβ澱粉を配合する[IV-2]に記載する方法。
[IV-4]さらに油脂を配合し、油脂の配合量は、菓子生地の全質量に対して5~60質量%である[IV-2]または[IV-3]に記載の方法。
[IV-5]α化澱粉の含有量は、菓子生地の全質量に対して7~60質量%である[IV-2]~[IV-4]に記載の方法。
[IV-6]β澱粉の含有量は、菓子生地の全質量に対して1~50質量%である[IV-2]~[IV-5]のいずれかに記載の方法。
[IV-7]α化澱粉とβ澱粉の質量比が1:50~50:1である[IV-2]~[IV-6]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まず、これらの素材にアレルギーを有する人でも食べることができる菓子を提供することができる。また当該菓子の製造に使用できる菓子生地、及びその混合組成物を提供することができる。
前述するように、三大アレルゲンである小麦、乳及び卵に加えて、さらに大豆を含まない菓子生地は、所望の形に成型(例えば、カットや型抜き等)することや、また意図した形状に焼き上げることが困難である。しかし、本発明の菓子生地は、製造原料として、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まないものの、α化澱粉を用いることで、成型性及び/又は保形性が大幅に向上し、α化澱粉を用いない場合に生じる成型時のべたつき、及び/又は加熱焼成時の形状の崩れを有意に抑制することができる。このため、本発明の菓子生地によれば、前記の菓子を、保形性よく、効率よく簡便に成型及び焼成して提供することができる。
また、本発明の好ましい菓子生地によれば、前記の菓子を、サクサクとした食感を有する焼き菓子(クッキー)として簡便に製造し提供することができる。従来、小麦、乳及び卵だけでなく、さらに大豆を含まない菓子は、サクサクとした食感を実現することが困難であったが、本発明の好ましい態様の菓子生地によれば、食感も優れた菓子が得られる。すなわち、本発明で得られる好ましい菓子は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子であって、保形性と食感とが高いレベルで両立し得た菓子である。そのため、小麦、乳、卵及び/又は大豆を原料とした菓子が摂取できないアレルギー者に対しても菓子を味わう楽しみを提供することができる。
図1は、実施例、及び比較例で得られた菓子(クッキー)の保形性を判定するための基準として用いた参考例(control)及び見本の平面形状を写した画像である。
以下の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
I.菓子生地
本発明の菓子生地は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まず、α化澱粉及び水分を含むことを特徴とする。本明細書において、本発明の菓子生地とは、α化澱粉に少なくとも水分を混合することで得られる固形状物のことをいい、加熱して菓子として食用に供される前の状態、つまり加熱して菓子を製造する前段階のものをいう。菓子生地は、所定の形状に成型される前の状態であってもよいし、また所定の形状に成型された後の状態であってもよい。両者を区別するために、成型後の菓子生地を「成型生地」と称する場合がある。なお、成型前の菓子生地は、所望の形状に成型できる程度の固形性状を有するものであればよい。例えばパンケーキやケーキ等の生地(batter)のようにペースト状の流動性を有するものであってもよいし、またクッキー、パイまたはパン等の生地(Pastry dough)のように自重で形状が変わる流動性はないものの、外的な力により変形するものであってもよい。
本明細書において、「小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない」とは、小麦、乳、卵及び大豆に由来する素材や成分を全く含まない状態だけでなく、アレルギー症状が誘発されないことを限度として、ある程度の量で小麦、乳、卵及び/又は大豆に由来する素材や成分を含有する状態が許容されることを意味する。つまり、アレルギー症状が誘発されないように、小麦、乳、卵及び大豆に由来する必要最小限の原因成分が除去された状態を意味する。好ましくは、菓子生地の全固形分質量に対する小麦、乳、卵及び大豆に由来する蛋白質の含有量がそれぞれ10μg/g未満であることをいう。より好ましくは、小麦、乳、卵及び大豆に由来する蛋白質の総含有量が20μg/g以下の菓子生地であり、より好ましくは当該総含有量が10μg/g以下である菓子生地である。このため、本発明の菓子生地を加熱して製造される菓子は、小麦、乳、卵及び大豆に由来するアレルゲン(アレルギー物質)を含まないアレルゲン除去食品として提供することができる。当該アレルゲン除去食品は、小麦、乳、卵及び/又は大豆に対してアレルギーを有する者やその予備軍となる者(本発明では、これらをまとめて「アレルギー者」と総称する)を好適に対象とした菓子(アレルギー者用食品)であるものの、当然ながらアレルギーを有しない者も食べることができ、これら非アレルギー者への適用を排除するものではない。なお、小麦、乳、卵、及び大豆の各々に由来する蛋白質の含有量は、ELISA法、ウエスタンブロット法、またはPCR法等を用いて定法に従って特定することができる。また、必要に応じて、上記方法を組み合わせて各蛋白質の含有量を特定してもよい。
本明細書において「保形性」とは、菓子生地を成型後、加熱した際の形状保持性を意味する。成型した菓子生地(成型生地)を加熱した際に、加熱前後で形状(形と大きさ)を比較し、両者の差異が少ないことをもって保形性が良好であると判定できる。本発明の菓子生地においては、菓子生地が加熱中に意図せず想定を超える程度に周囲に広がったり、また意図せず想定を超える程度に膨らんだりすることが抑制されており、これにより、保形性に優れた菓子が得られる。その詳細な評価方法は、実施例において詳細に説明する。
また、本発明で対象とする菓子が、焼き菓子(例えば、クッキー、タルト、サブレ、パイ、ボーロ、ビスケット等)である場合、その好適な食感は、サクサクとした食感(サクサク感:shortness)である。加熱焼成後の菓子を実際に試食した際のサクサク感の程度は官能試験により評価することで判定できる。その詳細な評価方法は、実施例において詳細に説明する。
以下、本発明の菓子生地の原料成分について説明する。
<α化澱粉>
α化澱粉は、生澱粉を水に分散して膨潤させた後、加熱して糊化させた糊化澱粉である。その使用に際しては、糊化後、乾燥して調製される乾燥粉体または乾燥顆粒物が用いられる。
本発明において、α化澱粉は、原料として小麦、乳、卵及び大豆を用いないで菓子生地を製造した場合に、加熱焼成時に形状が崩れるのを抑制するために使用され、菓子生地に配合することで菓子の保形性を高めることができる。また、α化澱粉は、菓子生地の固さや流動性を適度に調整するために使用され、菓子生地に配合することで、菓子生地の成型性が高まることで、効率的に菓子を成型することができる。
かかる作用効果を発揮する限り、α化澱粉の澱粉種は特に限定されない。例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、及びワキシーコーンスターチを使用することができる。好ましくはタピオカ澱粉、及び馬鈴薯澱粉である。これらは一種単独で使用してもよいし、また二種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。α化澱粉は、水に分散することで粘度を発現する。
α化澱粉としては、α化度が90%以上である澱粉が使用される。本発明で使用されるα化澱粉のα化度は、上記作用効果を発揮することを限度として、制限されないものの、好ましくは92%以上、より好ましくは94%以上を例示することができる。なお、本発明においてα化度は、グルコアミラーゼ第二法((一財)日本食品分析センターHP参照、関税中央分析所報を一部改変)に従って測定される値を示す。なお、上記作用効果が妨げられないことを限度として、α化澱粉として前記α化澱粉に代えて、または併用して部分α化澱粉を使用することも可能である。なお、部分α化澱粉は、α化度が50~90%未満の澱粉を意味する。好ましくは70%以上90%未満、より好ましくは80%以上90%未満の部分α化澱粉を例示することができる。
α化澱粉は、原料澱粉に対して、必要に応じて化学的処理(エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理、アルカリ処理、リン酸化処理、漂白処理、架橋等)、酵素処理及び/又は物理的処理などの加工処理を行った後に、α化することによって調製されるα化加工澱粉であってもよい。これらの加工処理を複数施したα化加工澱粉を使用することもできる。このため、本明細書において「α化澱粉」という用語には、原料澱粉を前記加工処理することなくα化したα化非加工澱粉と前記のα化加工澱粉の両方が含まれる。α化澱粉として好ましくはα化加工澱粉である。
前記酵素処理としては、制限されないものの、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、イソアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ等の澱粉分解酵素を用いて、澱粉の一部を加水分解する処理を例示することができ、斯くしてα化酵素処理澱粉を調製することができる。
α化加工澱粉として好ましくは、化学的処理が施されたα化加工澱粉である。上記化学的処理を施したα化加工澱粉としては、制限されないものの、例えば、α化アセチル化アジピン酸架橋澱粉、α化アセチル化酸化澱粉、α化アセチル化リン酸架橋澱粉、α化オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、α化酢酸澱粉、α化酸化澱粉、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、α化ヒドロキシプロピル化澱粉、α化リン酸架橋澱粉、α化リン酸化澱粉、α化リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、α化酸変性澱粉、α化アルカリ処理澱粉、α化漂白処理澱粉を挙げることができる。こうした化学的処理を施したα化加工澱粉を使用することにより、より一層、菓子の保形性を高めることができる。また、菓子生地の固さや流動性をより適切な範囲とすることで成型性を向上することができる。
中でも、α化加工澱粉として好ましくは、リン酸架橋処理及びヒドロキシプロピル化処理から選択される少なくとも1種の化学処理を施してなる加工澱粉をα化したα化加工澱粉である。具体的には、α化リン酸架橋澱粉、α化ヒドロキシプロピル化澱粉、及びα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を挙げることができる。より好ましくは、下記に説明する、少なくともヒドロキシプロピル化処理が施された澱粉のα化物、つまりα化ヒドロキシプロピル化澱粉、及びα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉であり、特に好ましくはα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である。
[ヒドロキシプロピル化澱粉]
ヒドロキシプロピル化澱粉は、ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉であり、原料の未加工澱粉である澱粉種(原料種)を酸化プロピレンでエーテル化することで得られる。ヒドロキシプロピル基を有するため、ヒドロキシプロピル化澱粉は親水性が高い。また、ヒドロキシプロピル化澱粉は老化耐性に優れている。原料とする澱粉の種類は前述の通りであり、好ましくはタピオカ澱粉、及び馬鈴薯澱粉、より好ましくはタピオカ澱粉である。
ヒドロキシプロピル化澱粉におけるヒドロキシプロピル化の程度(以下、「HP化度」という)は、FAO/WTO合同食品添加物専門家会議(JECFA)に定める3質量%濃度のニンヒドリン試薬を使用する方法で測定することができる。例えば、下記の方法を挙げることができる。
[ヒドロキシプロピル化澱粉のHP化度の測定方法]
(1)測定するヒドロキシプロピル化澱粉約50~100 mgを精密に量り、0.5 mol/lの硫酸25 mlを加えて沸騰水浴中で加熱して溶かし、冷後、水で正確に100 mlとして被験試料液とする。必要に応じて、ヒドロキシプロピル基が4 mg/100ml以上とならないように希釈する。
(2)別に、未加工澱粉についても同様に操作し、吸光度測定の対照液とする。
(3)これらの液1 mlずつを正確に量り、それぞれ25 mlの目盛り付試験管に入れ、冷水で冷却しながらそれぞれに濃硫酸8 mlを滴下する。よく撹拌した後、沸騰水浴中で正確に3分間加熱し、直ちに氷水中で冷却する。
(4)冷却後、それぞれにニンヒドリン試薬(5%のNaHSO3水溶液にニンヒドリンを溶解して3%濃度に調整したもの)0.6 ml を注意しながら管壁に沿って加え、直ちに振り混ぜ、25℃の水浴中に入れて100分間放置する。
(5)次いでそれぞれに濃硫酸を加えて25 mlとし、栓をして振盪しないように静かに数回上下を逆にする。その後、直ちに吸光度測定用のセルに移し、正確に5分後に、対照液に対する590nmの吸光度を測定する。
(6)別途調製した標準原液を用いて検量線を作製し、それから被験試料中のプロピレングリコール濃度(μg/ml)を算出する。
[検量線の作製]
プロピレングリコール約25mgを精密に量り、水を加えて正確に100mlとし、標準原液とする。標準原液2、4、6、8、10mlを正確に量り、それぞれに水を加えて正確に50 mlとして、標準溶液とする。それぞれの標準溶液の1 mlを正確に採り、25mlの目盛り付試験管に入れ、冷水中で濃硫酸8 mlを滴下し、それぞれにニンヒドリン試薬0.6 ml を注意しながら管壁に沿って加え、以下、前述する被験試料と同様に操作して検量線を作成する。
(7)次式によりヒロドキシプロピル基含量(%)を求め、更に乾燥物換算を行う。
Figure 0007211413000001
制限されないものの、本発明においては、HP化度が1.5~5の範囲にあるヒドロキシプロピル化澱粉を用いることが好ましく、HP化度が2~4の範囲にあるヒドロキシプロピル化澱粉を用いることがより好ましい。
α化する対象のヒドロキシプロピル化澱粉は、さらにリン酸架橋化処理されたヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉であることが好ましい。ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉をα化して調製されるα化加工澱粉(α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)を用いて製造される菓子は、ヒドロキシプロピル化澱粉のリン酸架橋度(以下、「CL化度」ともいう)の高低に応じて異なる食感に調整することができる。例えば、CL化度がより高いα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を用いることで、例えばパンケーキ等の菓子の食感をよりふんわりとすることができ、一方、CL化度がより低いα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を用いることで菓子の食感をよりもっちりとすることができる。このため、菓子に求められる食感や、組み合わせるフィリング等との相性に応じて、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉のCL化度を調整することが好ましい。
なお、リン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む)のCL化度は、以下の方法で測定することができる。α化澱粉の場合20℃以下の冷水を手撹拌しながら少しづつ未溶解物(ダマ、ママコ)ができないように澱粉を添加し、4%濃度の澱粉溶液を作成する。その後、手撹拌しながら容器を30℃の水につけ、4%濃度、30℃の澱粉溶液を作成し、当該澱粉溶液の粘度をB型粘度計(30℃、1~4のローターを用いて60rpmで1分間回転したときの粘度。ローターは粘度に応じて推奨されるNoを使用。以下、同じ。)で測定する。また、β澱粉の場合は、4%濃度に調製した当該加工澱粉のスラリーを、90℃で20分間撹拌し、その後、30℃に冷却し、当該冷却時(30℃)の粘度をB型粘度計で測定することで把握することができる。本発明においては、粘度が10~5000mPa・sの範囲にあるリン酸架橋澱粉を用いることが好ましく、好ましくは粘度が20~4000mPa・sの範囲にあるリン酸架橋澱粉を用いることがより好ましい。
α化加工澱粉としては、馬鈴薯澱粉またはタピオカ澱粉に由来するα化加工澱粉を使用することができる。α化ヒドロキシプロピル化澱粉としては、例えば、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を用いることが好ましく、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋馬鈴薯澱粉や、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉を用いることがより好ましい。
菓子生地中におけるα化澱粉の含有量は、本発明の作用効果を損なうものでない限り、特に制限されない。例えば、菓子生地の全質量(100質量%、以下同じ。)に対して、7質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、11質量%以上であることがより好ましく、12質量%以上であることがさらに好ましい。また、α化澱粉の含有量は、菓子生地の全質量に対して、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下であることが一層好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。α化澱粉の含有量を上記範囲内とすることにより、菓子生地中における各成分の均一性を高めることができる。その結果、型崩れしにくく、意図した形に成型しやすい菓子生地を調製することが可能になる。このため、生地を型抜きしたときにその型の形状を保っており、また焼成後もその形が崩れにくいとう効果を得ることができる。また、α化澱粉の含有量を上記範囲内とすることにより、菓子生地の固さや流動性が調整しやすくなり、成型しやすい菓子生地を調製することができる。
<水分>
本発明の菓子生地は、前記α化澱粉に加えて、水分を含む。ここで、水分の含有量は、特に制限されるものではないが、菓子生地の全質量に対して、18質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることが一層好ましい。また、水分の含有量は、菓子生地の全質量に対して、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以下であることが一層好ましい。菓子生地における水分含有量を上記範囲内とすることにより、菓子生地の取扱いが容易となり、菓子生地を成型しやすくなる。また、菓子生地を成型後、加熱して製造される菓子の保形性及び食感をより効果的に高めることができる。
菓子生地中における水分の含有量は、日本食品基準成分表2015年版(七訂)分析マニュアルに基づいて、減圧加熱乾燥法(直接法)にて測定し算出することができる。なお、菓子生地中における水分は、原料として添加する水に由来する水分だけでなく、その他の原料、例えば澱粉(α化澱粉、β澱粉)、油脂および後述する任意成分に含まれる水分に由来するものであり、減圧加熱乾燥法によれば、これらの総量を求めることができる。
なお、本発明の菓子生地に配合する澱粉、油脂および後述する任意成分に所望量の水分が含まれる場合は、前述する水分含有量を考慮しながら、必要に応じて水を添加すればよく、必要がなければ、別途、水は添加しなくてもよい。水を別途添加する場合、水の添加量は、菓子生地中の水分含有量が前述する60質量%を超えない範囲で、菓子生地の全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、水の添加量は、前述する水分含有量の範囲で調整すればよい。
<β澱粉>
本発明の菓子生地は、さらにβ澱粉を含むことが好ましい。β澱粉とは生澱粉を水に分散して膨潤させただけの未糊化澱粉(未α化澱粉)である。α化澱粉とβ澱粉を併用して菓子生地を製造することで、β澱粉を用いない場合よりも、菓子生地の固さや流動性がより一層調整しやすく、成型性を向上することができる。またこれにより、菓子の保形性もより一層高めることができる。β澱粉は、加熱処理することで良好な硬さを発現することができる。このため、β澱粉を配合することで、菓子に適度な硬さを付与することができる。本発明では、前述するα化澱粉とβ澱粉を併用することにより、保形性とサクサクとした食感を兼ね備えた菓子を製造することができる。また、α化澱粉に対してβ澱粉を組み合わせることでβ澱粉の分散が安定維持されるため、菓子生地中の澱粉の分布の均一性を高めることができる。これにより、澱粉を、水分や油脂分中に均一に分散させた状態で加熱に供することができ、より一層食感に優れた菓子を製造することができる。
β澱粉の澱粉種は特に限定されず、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチを使用することができる。好ましくはタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉であり、より好ましくはタピオカ澱粉である。
β澱粉は、原料澱粉に対して、必要に応じて化学的処理(エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理、アルカリ処理、リン酸化処理、漂白処理、架橋等)、酵素処理及び/又は物理的処理などの加工処理が施された加工澱粉であってもよい。またこれらの加工処理を複数施した加工澱粉を使用することもできる。このため、本明細書において「β澱粉」という用語には、前記のβ加工澱粉と前記加工処理していないβ非加工澱粉との両方が含まれる。本発明の菓子生地には、β澱粉としてより好ましくはβ加工澱粉が使用され、特に好ましくはβ澱粉としてβ非加工澱粉は含まれていないことが望ましい。
前記酵素処理としては、制限されないものの、α化澱粉の欄で説明したものと同様の澱粉分解酵素を用いて、澱粉の一部を加水分解する処理を例示することができ、斯くしてβ酵素処理澱粉を調製することができる。
β加工澱粉として好ましくは、化学的処理が施された加工澱粉である。上記化学的処理を施したβ加工澱粉としては、制限されないものの、例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、酸変性澱粉、アルカリ処理澱粉、漂白処理澱粉を挙げることができる。こうした化学的処理を施したβ加工澱粉を使用することにより、より一層食感に優れた菓子を形成することができる。中でも、β澱粉は、ヒドロキシプロピル化澱粉、リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉及びヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉から選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、少なくともヒドロキシプロピル化処理を施した、ヒドロキシプロピル化澱粉、及びヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である。特に好ましくはヒドロキシプロピル化処理とリン酸架橋処理を施したヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である。これらのβ加工澱粉を用いることにより菓子のサクサクとした食感をより高め、さらに、菓子の保形性も高めることができる。なお、本発明の菓子生地には、特に好ましくはβ澱粉としてヒドロキシプロピル化処理をしていないβ澱粉(非ヒドロキシプロピル化澱粉)は含まれていないことが望ましい。ヒドロキシプロピル化澱粉、及びそのHP化度、並びにリン酸架橋澱粉のCL化度については前述した通りであり、その記載はここに援用することができる。
βヒドロキシプロピル化澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を用いることが好ましい。βリン酸架橋澱粉としては、例えばリン酸架橋タピオカ澱粉を用いることが好ましい。βヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉を用いることが好ましい。
なお、β加工澱粉のリン酸架橋度(CL化度)は、菓子生地を加熱焼成して製造する菓子の食感にも影響する。具体的には、CL化度が高いリン酸架橋澱粉のほうが加熱後の食感が硬くなる傾向が見られ、リン酸架橋度が低いほうが加熱後の食感が柔らかくなる傾向が見られる。このため、菓子の種類や求められる食感に応じて、配合するβ加工澱粉のリン酸架橋度を適宜調整することも好ましい。なお、リン酸架橋澱粉のCL化度は、前述するように、対象とする加工澱粉のスラリーの粘度を測定することで評価することができる。本発明のβ加工澱粉に使用されるリン酸架橋澱粉としては、好ましくは粘度が10~5000mPa・sの範囲にあるものを挙げることができる(粘度測定条件は前述の通り。)。
また、β加工澱粉としてヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を用いてクッキーのようにサクサクした食感を有する菓子を製造するためには、そのCL化度は、粘度が10~2000の範囲にあるリン酸架橋澱粉を用いることが好ましく、好ましくは粘度が20~1500の範囲にあるリン酸架橋澱粉を用いることがより好ましい。
β澱粉の膨潤度は5~90であることが好ましく、20~80であることがより好ましい。β澱粉の膨潤度は、以下の方法で測定した値である。まず、β澱粉を乾燥重量で1.0g/100mlとなるように水中に分散し、90℃で30分間加熱後30℃に冷却することで糊化液とする。次いで、糊化液を遠心分離(3000rpm、10分間)してゲル層と上澄み層に分け、ゲル層の重量を測定してこれをWAとする。次いで、重量を測定したゲル層を乾燥し(105℃、恒量)、乾燥物の重量を測定してこれをWBとし、WA/WBを膨潤度とする。
菓子生地中におけるβ澱粉の含有量は、菓子生地の全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることが一層好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。また、β澱粉の含有量は、菓子生地の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。β澱粉の含有量を上記範囲内とすることにより、菓子のサクサクとした食感をより効果的に高めることができる。
上述のα化澱粉、β澱粉としては市販品を用いることができる。例えば「いかるが100」「ふうりん300」、「ふうりん500」、「みやこ500」「ファインテックスS-1」、「ファインテックスS-2」、「ひこぼし300」、「てんじん300」、「てらす100」、「まいはま100」、「たなばた300」(以上、王子コーンスターチ(株)製)等の市販品を用いることができる。
<α化澱粉とβ澱粉の含有量>
菓子生地中に含まれるα化澱粉とβ澱粉の合計含有量は、菓子生地の全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。また、α化澱粉とβ澱粉の合計含有量は、菓子生地の全質量に対して、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
菓子生地中にβ澱粉が含まれる場合、α化澱粉とβ澱粉の質量比は、1:50~50:1であることが好ましく、1:20~20:1であることがより好ましく、1:10~10:1であることがさらに好ましく、1:1~3:7であることが一層好ましい。α化澱粉とβ澱粉の質量比を上記範囲内とすることにより、菓子の保形性と食感をより効果的に高めることができる。
<油脂>
本発明の菓子生地は、さらに油脂を含むことが好ましい。油脂としては、食用油脂や加工油脂を用いることができる。食用油脂としては、例えば、ナタネ油、ハイエルシン菜種油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、キャノーラ油、コーン油、パーム油、ヤシ油、及びカカオ脂等の植物性油脂;牛脂、豚脂、魚油、及び鯨油等の動物性油脂を挙げることができる。加工油脂としては、食用油脂に水素添加、エステル交換等の物理的または化学的処理を施した加工油脂を挙げることができる。本発明では、油脂は、小麦、乳、卵及び大豆を原料としない油脂であることが好ましい。特に本発明において好ましく用いられる油脂としては、例えば、マーガリン類ではファットスプレット、その他の油脂としてショートニングを挙げることができる。また、市販品として、例えば、ナタネ油を原料として製造されたA-1ソフトマーガリン(ボーソー油脂(株)製)を挙げることができる。当該市販品は牛乳、卵、大豆、小麦を含まず、食物アレルギー対応製品として製造販売されている油脂である。
油脂の含有量は、菓子生地の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることが一層好ましい。また、油脂の含有量は、菓子生地の全質量に対して、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。菓子生地における油脂の含有量を上記範囲内とすることにより、菓子生地の取扱いが容易となり、菓子生地を成型しやすくなる。また、菓子生地を成型後、加熱製造される菓子の保形性及び食感をより効果的に高めることができる。
<任意成分>
本発明の菓子生地は、上述したα化澱粉、水分、β澱粉及び油脂以外に、製造する菓子の種類に応じて、他の任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては、本発明の作用効果を損なわないものであればよく、少なくともアレルギーを誘発しないものである。つまり、本発明で用いる任意成分は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まないものである。これを限度として、例えば、食塩、砂糖、乳化剤、膨張剤、風味付けパウダー、調味料、酸味料、甘味料、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色料、保存料、香料、機能性素材等を挙げることができる。中でも、本発明の菓子生地は、食塩、砂糖、乳化剤、風味付けパウダー、甘味料及び香料から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、砂糖、風味付けパウダー、及び香料から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。なお、本発明の菓子生地は、少なくとも香料を含むものであることが好ましく、このような場合、例えば油脂由来の異臭をマスキングすることで、菓子の風味を高めることができる。
風味付けパウダーとしては、例えば、果実風味パウダー、ココアパウダー、抹茶パウダーなどを挙げることができる。調味料としては、例えば、香辛料、ハーブ、コンソメ、ココナッツミルク、またはメチルセルロース等を挙げることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、酢酸、乳酸、グルコン酸等を挙げることができる。甘味料としては、例えば、糖類、及び糖アルコール類の他、ステビア、アスパルテーム等の高甘味度甘味料を挙げることができる。香料としては、例えば、バニラエッセンス、バター風香料等を挙げることができる。機能性素材としては、例えば、セラミド、アマニ、ポリフェノール、キシリトール、または難消化性デキストリン等を挙げることができる。
本発明の菓子生地中における全蛋白質量は、菓子生地の全固形分質量に対して5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以下であることが一層好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。ここで、菓子生地中に含まれる全蛋白質量は、日本食品基準成分表2015年版(七訂)の分析マニュアルに基づいて、マクロ改良ケルダール法にて窒素を定量し、得られた値に換算係数(6.25)を乗じることで算出することができる。マクロ改良ケルダール法では、菓子生地に含まれる蛋白質(例えば、グルテン、オボアルブミン、オボトランスフェリン、オボムコイド、オボミチン、リゾチーム、オボグロブリン、オボインヒビター、オボグルコプロテイン、オボフラボプロテイン、オボマクログロブリン、アビジン、シスタイン等)の窒素を定量する。本発明の菓子生地中には、小麦、乳、卵及び大豆が実質的に含まれていないため、これらに由来する蛋白質は検出されないか、検出されてもアレルギーを誘発しない程度の極微量、すなわち0.005質量%以下とすることができる。尚、本発明の菓子生地・菓子の原料はすべて、上記のアレルギーを誘発する物質を含まない、或いは所定の量以下となるように管理された工程で製造されたものが好ましい。尚、本発明に採用される澱粉は、若干の原理量由来の蛋白質を含有するため、ケルダール法による測定値は0.01%以上となる場合があるが、これらは小麦由来の蛋白質と異なり、アレルギーを誘発しない。
本発明の菓子生地の硬さ(圧縮時応力:N/mm)は、0.001N/mm以上であることが好ましく、0.005N/mm以上であることがより好ましい。また、菓子生地の硬さ(圧縮時応力)は、0.1N/mm以下であることが好ましく、0.05N/mm以下であることがより好ましい。ここで、菓子生地の硬さ(圧縮時応力)は、以下の方法で測定することができる。まず、底面の直径が63mm、高さが23mmの円柱状の樹脂製カップに菓子生地60gを充填し、直径が25mmの円柱プローブで菓子生地を圧縮する。この際、圧縮速度を1.0mm/secとし、菓子生地が2mm圧縮された際の圧縮強度(試験力(N))を測定する。そして、圧縮強度(試験力(N))を1mmあたりにかかる力に換算することで、圧縮時応力(単位はN/mm)を算出する。なお、上記測定は、23±2℃の環境下で行う。
本発明の菓子生地は、チルド食品、レトルト食品、冷凍食品として容器包装されたものであってもよい。また、成型される前の菓子生地の形状は特に限定されるものではなく、例えば、板状、棒状、ダイス状、円筒形等の各種形状とすることができる。
本発明の菓子生地は、必要に応じて成型された後、加熱されることで菓子として製造される。加熱の様式は特に限定されるものではなく、加熱方法としては、例えば、焼く、蒸す、茹でる、揚げるといった方法が挙げられる。中でも、本発明の菓子生地は、「焼く」ことに適しており、焼き菓子用生地であることが好ましい。この場合、菓子生地、好ましくは成型生地を焼成することで菓子を得ることができる。
(II)菓子生地の製造方法、及びそれに使用する組成物
本発明の菓子生地の製造方法は特に限定されるものではないが、(a)水分と油脂を混合して混合体を得る工程と、(b)該混合体に少なくともα化澱粉を含む粉体を混合する工程と、を含むことが好ましい。斯くしてα化澱粉、水分及び油脂を含む菓子生地を製造することができる。菓子生地にβ澱粉を配合する場合、β澱粉は、(a)工程で配合し、水分と油脂とβ澱粉との混合体として調製するか、もしくは(b)工程で使用するα化澱粉を含む粉体に混合されていることが好ましい。具体的には、例えば、(a)工程で水にβ澱粉を分散した後に油脂と混合してもよく、油脂にβ澱粉を分散した後に水と混合してもよく、また、(b)工程で水分と油脂の混合体にα化澱粉とβ澱粉を含む粉体を混合してもよい。なお、水分と油脂の混合体にα化澱粉とβ澱粉を含む粉体を混合する場合は、α化澱粉の粉末とβ澱粉の粉末をプレミックスして混合体に添加してもよい。
(a)の水分と油脂を混合して混合体を得る工程では、油脂に水分を少量ずつ添加し、その都度、攪拌を行うことが好ましい。撹拌機としては、例えば、泡立て器、ハンドミキサー等を用いることができる。このような工程では、クリーム状の混合体が得られる。なお、混合体を得る工程で、β澱粉を混合してもよく、他の原料を混合してもよい。例えば、食塩、砂糖、乳化剤、膨張剤、風味付けパウダー、調味料、酸味料、甘味料、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色料、保存料、香料、機能性素材といった任意成分を混合してもよい。
(b)の粉体を混合する工程では、α化澱粉を含む粉体と前記(a)工程で調製した混合体を混合する。その際、粉体を篩にかけた後に混合してもよい。粉体を混合した後も攪拌操作を行うことが好ましい。この場合、撹拌機としては、泡立て器、ゴムベラ、木ベラ、ハンドミキサー等を用いることができる。
上記の工程を経て、本発明の菓子生地が得られる。なお、菓子生地の製造に使用される原料の種類やその配合割合は、前記Iにて説明した通りであり、その記載はここに援用することができる。成型される前の菓子生地の形状は特に限定されるものではなく、例えば、板状、棒状、ダイス状、円筒形等の各種形状とすることができる。斯くして製造された菓子生地は、必要に応じて冷凍または冷蔵保存された後、所望の菓子の形状に成型することができる。また成型された後に、例えばチルド食品、レトルト食品、冷凍食品として容器包装されてもよい。また、菓子生地は10℃以下の環境下において保存されることが好ましい。
前記菓子生地は、前記の製造方法の(b)工程で使用されるα化澱粉を含む粉体として、予め調製された少なくともα化澱粉を含む菓子生地用組成物を用いて製造することもできる。このため、本発明は、α化澱粉を含む菓子生地用組成物を提供するものでもある。なお、本明細書においては、本発明の菓子生地用組成物を、本菓子用組成物と呼ぶこともあり、単に本組成物と呼ぶこともある。ここで、菓子生地用組成物は、α化澱粉を含み、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない組成物である。また、菓子生地用組成物は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子生地の製造に用いられる組成物(例えば菓子生地用ミックス粉)である。すなわち、本発明の菓子生地用組成物は、小麦、乳、卵及び大豆から選択される少なくとも1種の食物に対してアレルギーを有する者またはその予備軍(アレルギー者)も食べられる菓子の製造に用いられる組成物として適している。
本組成物は、さらにβ澱粉を含むことが好ましい。α化澱粉及びβ澱粉を含む菓子生地用組成物は、α化澱粉とβ澱粉を混合した粉体ミックス(プレミックス)であることが好ましい。この場合、菓子生地用組成物は、α化澱粉とβ澱粉からなるものであってもよいが、α化澱粉とβ澱粉以外の他の原料を含むものであってもよい。この場合、他の原料も粉体であることが好ましく、例えば、食塩、砂糖、乳化剤、膨張剤、風味付けパウダー、調味料、酸味料、甘味料、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色料、保存料、香料、機能性素材といった粉体原料を含むものであってもよい。
本組成物中に含まれるα化澱粉及びβ澱粉としては、それぞれ前述したα化澱粉及びβ澱粉を用いることが好ましい。また、本組成物においては、α化澱粉とβ澱粉の質量比は、1:50~50:1であることが好ましく、1:20~20:1であることがより好ましく、1:10~10:1であることがさらに好ましく、1:1~3:7であることが一層好ましい。
本発明は、菓子生地に添加して使用されるα化澱粉とβ澱粉の組み合わせに関するものであってもよい。ここで用いるα化澱粉及びβ澱粉としては、それぞれ前述したα化澱粉及びβ澱粉を挙げることができる。また、使用するα化澱粉とβ澱粉との質量比は、前述する範囲内であることが好ましい。
この場合、α化澱粉とβ澱粉とを組み合わせる態様は、予めα化澱粉とβ澱粉を混合した形態であってもよいし、また両者を混合する前の形態であってもよい。前者の場合、α化澱粉とβ澱粉を均一に混合した粉体ミックス(プレミックス)であることが好ましい。後者の場合、α化澱粉とβ澱粉を別々に包装したもの組み合わせや、α化澱粉とβ澱粉の粉体キットも含まれる。
(III)菓子、及びその製造方法
本発明は、上述した菓子生地を、成型後、加熱して製造される菓子に関するものである。成型生地の加熱方法は特に限定されるものでなく、例えば焼く、蒸す、茹でる、揚げる等の方法が挙げられる。好ましくは、成型生地を焼成してなる焼き菓子である。このような焼き菓子としては、制限されないものの、例えば、クッキー、タルト、サブレ、ボーロ、ビスケット、パイ、マドレーヌ等を挙げることができる。中でも、本発明の菓子は、クッキー、タルト、サブレ、パイ、ボーロ又はビスケットであることがより好ましく、クッキーであることが特に好ましい。
本発明の菓子は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子生地を、成型後、加熱してなるものであるから、当然ながら菓子にも小麦、乳、卵及び大豆は実質的に含まれていない。このため、本発明の菓子は、小麦、乳、卵及び大豆から選択される少なくとも1種の食物に対してアレルギーを有する者やその予備軍(アレルギー者)も食べられる菓子として適している。特に、乳幼児においては、複数種のアレルギーを持つ者も多く、小麦、乳、卵及び大豆の全てにアレルギーを有している場合もある。本発明の菓子は、このようなアレルギー者に対しても提供でき、それらの者の食品の選択肢を広げる一助となる。なお、菓子中の小麦、乳、卵、大豆の各々に由来する蛋白質の含有量は、ELISA法、ウエスタンブロット法、PCR法等を用いて特定することができる。また、必要に応じて、上記方法を組み合わせて各蛋白質の含有量を特定してもよい。
本発明の菓子中における全蛋白質量は、菓子の全固形分質量に対して5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以下であることが一層好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。ここで、菓子に含まれる全蛋白質量の測定方法やα化澱粉及びβ澱粉に由来する蛋白質量等については、I欄で説明した通りであり、その記載はここに援用することができる。
本発明の菓子の水分含有量は、菓子の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。菓子の水分含有量を上記範囲内とすることにより、保形性とサクサクとした食感に優れた菓子となる。なお、菓子の水分含有量は、前述するように、日本食品基準成分表2015年版(七訂)の分析マニュアルに記載されている減圧加熱乾燥法(直接法)に基づいて測定することができる。
本発明の菓子の製造工程には、前述した本発明の菓子生地を加熱処理する工程が含まれることが好ましい。加熱処理工程の前には、例えば菓子生地を所定の厚みとなるようにカットしたり、所望の形状に型抜きしたり、押し出しまたは絞り出し成型したり、また所望の形状の型に充填し、成型後に型抜きする等の成型工程を設けることが好ましい。本発明においては、菓子生地がα化澱粉を含んでおり、さらにこれにβ澱粉を組み合わせることで、菓子生地の成型がより容易となる。さらに、成型を容易にし、また菓子の食感をより高めるために、菓子生地を10℃以下の環境下に10分以上、好ましくは30分以上静置した後に成型工程等を設けることが好ましい。
加熱処理工程における加熱温度は100℃以上であることが好ましく、170℃以上であることがより好ましい。なお、加熱温度の上限値は特に限定されるものではないが、加熱時間に応じて例えば250℃とすることができる。加熱処理工程における加熱時間は適宜設定することができるが、例えば5分~30分程度であることが好ましい。
加熱処理工程としては、例えば、焼成工程、スチーム加熱工程、湯浴中でボイルする工程、油浴中でフライする工程等を挙げることができる。中でも、加熱処理工程は、焼成工程及びスチーム加熱工程であることが好ましく、焼成工程がより好ましい。焼成工程では、制限されないものの、オーブン等を用いることができる。
上述した製造工程で得られた菓子は、小麦、乳、卵及び大豆から選択される少なくとも1種の食物に対するアレルギーを有するアレルギー者に好適に提供することができる。菓子は、放冷後に容器包装されてもよく、例えば、樹脂フィルムや金属缶などで包装されていてもよい。また本発明の菓子は、小麦、乳、卵及び大豆を含まないこと、つまりこれらの物質に対するアレルギー対応食品であることを明示して広告、宣伝、販売することができる。
(IV)保形性及び/又は成型性の向上方法
本発明は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子の保形性(形状保持性)を向上する方法に関する。ここで菓子の保形性を向上するとは、具体的には、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まず、またα化澱粉を含まない菓子生地を成型する際及び/又は成型生地を焼成する際に生じ得る変形を抑制することを意味する。かかる保形性の向上効果(成型時及び/又は焼成時の変形の抑制効果)は、成型した菓子生地(成型生地)を加熱焼成し、菓子を製造した後に、加熱前後で形状(形と大きさ)を比較し、両者の差異が少ないことをもって良好であると判定できる。その詳細は実施例の欄にて詳細に説明する。当該方法は、菓子の製造に、前述する本発明の菓子生地を用いることで実施することができる。
また本発明は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子生地の成型性を向上する方法に関する。ここで菓子生地の成型性を向上するとは、菓子形状への成型が楽にできる等、成型に適した状態に菓子生地が製造できることを意味する。例えば成型方法としては、菓子生地をカットする、菓子生地を型抜きする、菓子生地を所望の形に押し出しまたは絞り出す、菓子生地を型に充填した後に型から外す等の方法を挙げることができる。菓子生地がべたついていると、これらの成型処理に時間やストレスがかかり、成型効率は低下するが、べたつくことなく型離れがよい状態に製造された菓子生地は、前記の成型処理を容易に行うことができ、成型効率が向上するという効果が得られる。当該方法は、小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない菓子生地の製造に、原料としてα化澱粉を配合することで実施することができる。好ましくは、菓子生地の製造に、前述する本発明の菓子生地の原料を同様に使用することで実施することができる。菓子生地の配合成分、配合割合、及び製造方法はI及びIIで説明した通りであり、ここに援用することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下の実施例における工程、処理、または操作は、特に言及がない場合、室温及び大気圧条件で実施される。室温は10~30℃の範囲の温度を意味する。
また、リン酸架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む)のCL化度は、下記の方法で粘度を測定することで評価した。なお、粘度は、品温30℃の澱粉溶液またはスラリーを、B型粘度計(No.1~4のローターを用いて60rpmで1分間回転、ローターは粘度に応じて推奨されるNoを使用。)を用いて測定した。
[α化澱粉]
20℃以下の冷水を手で撹拌しながら、この中に少しづつ未溶解物(ダマ、ママコ)ができないようにα化加工澱粉を添加し、4%濃度の澱粉溶液を作成する。その後、手撹拌しながら容器を30℃の水につけ、4%濃度、30℃の澱粉溶液を作成し、当該澱粉溶液の粘度を測定する。
[β澱粉]
4%濃度に調製した加工澱粉のスラリーを、90℃に加熱しながら20分間撹拌し、その後、30℃に冷却し、当該冷却時(30℃)の粘度を測定する。
表1~3の処方に従って菓子生地を製造し、それを成型後、加熱焼成して菓子(クッキー)を製造した。詳細は下記の通りである。
(実施例1)
表1に記載する処方に従って、ボウルにマーガリンをハンドミキサー(National社製)でクリーム状になるまで混合した後、砂糖を加えさらに混合した。そこに水を入れ、均一になるまで混合した。さらに、バニラエッセンスを添加し、混ぜ合わせた。次いで、α化澱粉とβ澱粉を加え、ゴムベラで粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせて固形状(ドウ状)の菓子生地(クッキー生地)を得た。得られた菓子生地を幅42mm、長さ185mm、高さ37mmの直方体形状の型に充填し、5℃の冷蔵庫に30分間置いた。その後、冷蔵庫から取り出し、生地を型から取り出し、6mmの厚さに切り(37mm×42mm×6mm)、180℃のオーブンで12分間焼成し、焼き菓子(クッキー)を得た。
(実施例2~18)
表1及び2に記載する処方に従って、使用するα化澱粉またはβ澱粉の種類と各成分の配合量を変更した以外は実施例1と同様にして、菓子生地(クッキー生地)及び焼き菓子(クッキー)を得た。なお、実施例2~11の菓子生地は実施例1と同様に固形状(ドウ状)を有し、実施例12~14の菓子生地は半固形状(ドウ状とペースト状との中間の状態)、実施例15~18の菓子生地は水分が少ないため纏まりにくく脆い固形状を有していた。
(比較例1)
表3に記載する処方に従って、ボウルにマーガリンをハンドミキサー(National社製)でクリーム状になるまで混合した後、砂糖、食塩、水、コーンスターチ、ベーキングパウダーをハンドミキサーで混合しながら添加し、ゴムベラで粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせて半固形状の菓子生地を得た。得られた菓子生地を幅42mm、長さ185mm、高さ37mmの直方体形状の型に充填し、5℃の冷蔵庫に30分間置いた。その後、冷蔵庫から取り出した菓子生地は、生地がべたつき、型抜きが出来なかった。そのため、型に入った状態で菓子生地を-30℃の急速冷凍機で凍らせた後に型抜きし、次いで厚さ6mmになるように切り分け(37mm×42mm×6mm)、180℃のオーブンで12分間焼成して、焼き菓子(クッキー)を得た。
(比較例2及び3)
表3に記載する処方に従って、ボウルにマーガリンをハンドミキサーでクリーム状になるまで混合した後、各種の原料を比較例1と同様に添加し、半固形状の菓子生地を作製し、型に充填して5℃の冷蔵庫に30分間置いた。比較例2においても冷蔵庫から取り出した菓子生地は、生地がべたつき、圧延及び型抜きが困難であったため、型に入った状態で菓子生地を-30℃の急速冷凍機で凍らせた後に型抜きし、次いで厚さ6mmになるように切り分け(37mm×42mm×6mm)、180℃のオーブンで12分間焼成して、焼き菓子(クッキー)を得た。
(参考例1)
表3に記載する処方に従って、ボウルに無塩バターをハンドミキサー(National製)でクリーム状になるまで混合した後、砂糖を加えさらに混合した。そこに卵を入れ、均一になるまで混合した。さらに、バニラエッセンスを添加し、混ぜ合わせた。次いで、小麦粉を加え、ゴムベラで粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせ、菓子生地を得た。得られた菓子生地を幅42mm、長さ185mm、高さ37mmの直方体形状の型に充填し、5℃の冷蔵庫に30分間置いた。その後、冷蔵庫から取り出した生地を型から取り出し、6mmの厚さに切り(37mm×42mm×6mm)、180℃のオーブンで12分間焼成し、焼き菓子(クッキー)を得た。
[評価及び測定]
上記方法で製造した菓子生地について、下記に記載する方法に従って、蛋白含有量、水分含有量、及び油脂含油量を測定するとともに、それを加熱焼成して製造した菓子について保形性および食感を評価した。結果は表1~3に併せて記載する。
(蛋白含有量)
日本食品基準成分表2015年版(七訂)の分析マニュアルに基づいて、マクロ改良ケルダール法にて窒素定量し、換算係数(6.25)を乗じることで固形分重量を算出した。
(水分含有量)
日本食品基準成分表2015年版(七訂)の分析マニュアルに基づいて、減圧加熱乾燥法(直接法)にて算出した。
(油脂含有量)
油脂含有量は、菓子生地の全質量に対するマーガリンの脂質量を油脂含有量とした。
(保形性)
焼成後の菓子の平面形状を写真に撮り、その画像をもとに、参考例1の菓子(コントロール品)の平面形状と比較して、このコントロール品からどの程度形状が崩れているかを評価した。具体的には、図1に示すように、コントロール品からの形状の崩れを段階的に示した見本形状1~4を基準にして下記の4段階で評価を行った。
[評価基準]
4:見本形状4(形状の崩れが最も少ない)-極めて良好
3:見本形状3(形状の崩れが少ない)-良好
2:見本形状2(形状の崩れが認められる)-やや不良
1:見本形状1(形状の崩れが最も多い)-不良
(食感)
実施例、比較例及び参考例の菓子を、焼成後、室温まで放冷した後、訓練されたパネラー10名で試食し、参考例1の菓子の食感をコントロールとして、以下の評価基準で評価した。10名のパネラー間での評価の差はほとんどなかった。表には各パネラーの評価点の平均値を記載した。なお、評価が3以上を合格レベルとした。
[評価基準]
4:コントロールと同じくらいサクサクしている
3:コントロールよりはサクサク感が低下している(脆いまたは硬い)
2:サクサク感は少なく、しっとりしている
1:サクサク感はなく、ベタついている
Figure 0007211413000002
Figure 0007211413000003
Figure 0007211413000004
表1及び2に示すように、実施例1~18で得られた菓子(クッキー)は、いずれも保形性に優れていた。また、実施例13、14及び17を除いて、実施例で得られた菓子(クッキー)はサクサク感を有しており食感も良好であった。
一方、比較例1~3で得られた菓子(クッキー)は、保形性が悪く、焼成の段階で形状が崩れ、隣り合う生地同士が焼成の過程で混ざり合い、生地同士が結合した状態で焼成され、個々の菓子が得られなかった。また、比較例2及び3においては、サクサクとした食感も得られなかった。なお、参考例1は、小麦粉、バター、卵を含む通常のクッキーである。
なお、実施例9において、β澱粉をリン酸架橋タピオカ澱粉に代えたものを作製したが、保形性及び食感とも良好な結果が得られた。
実施例19 アレルゲンフリータルトケース(その1)
小麦、乳、卵、及び大豆を原料に含まない下記の材料を用いて、タルトケース生地を調製し、それを焼成してアレルゲンフリーの菓子(タルトケース)を製造した。なお、α化澱粉としてα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉(HP化度2.5、4%濃度での粘度130mPa・s)を、またβ澱粉としてヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉(HP化度3.6、4%濃度での粘度1400mPa・s)を使用した。またマーガリンとして、実施例1と同じものを使用した(以下、実施例20及び21も同じ)。これらの澱粉には小麦、乳、卵、及び大豆以外にもアレルゲン物質は含まれていない(特定7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)の含有量1ppm未満)。また当該菓子に含まれる全蛋白質量は全固形分質量あたりの0.05質量%以下である。
[タルトケース生地(その1)]
α化澱粉 21.0(質量%)
β澱粉 31.5
マーガリン 31.5
粉糖 10.5
色素 0.05
バニラエッセンス 0.1
バター香料 0.1
水 残 部
合 計 100.00質量%
[菓子生地、及び菓子の調製]
1)マーガリンをハンドミキサーでクリーム状になるまで混ぜる。
2)粉砂糖を加えて混ぜ合わせる。
3)バニラエッセンスとバター香料を加えて混ぜる。
4)色素と水を合わせ、数回に分けながら生地に加え、均一になるまで良く混ぜる。
5)篩った澱粉(α化澱粉、β澱粉)を加え、粉っぽさがなくなるまでゴムベラで混ぜ合わせて生地をドウ状にまとめる。
6)調製した生地をラップで包み冷蔵庫(3℃)で30分寝かせる。
7)次いで生地を約35gずつに小分けをし、さらに冷蔵庫(3℃)で30分寝かせる。
8)タルト用の型に少量の油を塗り、上記の生地を伸ばしながら型の底と側面を被うように充填して成型し、底にフォークで穴を空ける。
9)これを再び、冷蔵庫(3℃)で30分寝かせる。
10)型に入れた生地の上にタルトストーンを乗せ、オーブンを用いて、180℃で15分間焼成する。
11)タルトストーンを外して、更に180℃で8分焼成する。
12)型をオーブンから取り出して粗熱がとれるまで室温で冷ました後、型から焼成された菓子を外して、更に室温で冷まして菓子(タルトケース)を得る。
13)これを包装した後、急速冷凍機で冷凍する。
[菓子生地及び菓子の評価] 焼成後、型から外したタルトケースの形状は極めて良好(保形性評価4)であった。また室温で冷やした後に食べたタルトケースの食感は、サクサクした軽い食感であり、口内で脆くホロホロと砕けるような感覚が得られた。また、冷凍後、解凍した後に食べたタルトケースの食感も変わらず、冷凍耐性があること、つまり冷解凍が可能で、冷凍食品として製造販売することができることが確認された。
実施例20 アレルゲンフリータルトケース(その2)
小麦、乳、卵、及び大豆を原料に含まない下記の材料を用いて、実施例19と同様の操作により、タルトケース生地を調製し、それを焼成してアレルゲンフリーの菓子(タルトケース)を製造した。なお、α化澱粉としてα化リン酸架橋タピオカ澱粉(HP化度-、4%濃度での粘度260mPa・s)を、またβ澱粉としてヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉(HP化度3.6、4%濃度での粘度1400mPa・s)を使用した。これらの澱粉には小麦、乳、卵、及び大豆以外にもアレルゲン物質は含まれていない(特定7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)の含有量1ppm未満)。また当該菓子に含まれる全蛋白質量は全固形分質量あたりの0.05質量%以下である。
[タルトケース生地(その2)]
α化澱粉 25.6(質量%)
β澱粉 25.6
マーガリン 30.7
粉糖 10.2
色素 0.05
バニラエッセンス 0.1
バター香料 0.1
水 残 部
合 計 100.00質量%
[菓子生地及び菓子の評価]
焼成後、型から外したタルトケースの形状は極めて良好(保形性評価4)であった。また室温で冷やした後に食べたタルトケースの食感は、ザクザクした硬めの食感であった。また、冷凍後、解凍した後に食べたタルトケースの食感も変わらずザクザク感が維持されており、冷凍耐性があること、つまり冷解凍が可能で、冷凍食品として製造販売することができることが確認された。
実施例21 アレルゲンフリータルトケース(その3)
小麦、乳、卵、及び大豆を原料に含まない下記の材料を用いて、実施例19と同様の操作により、タルトケース生地を調製し、それを焼成してアレルゲンフリーの菓子(タルトケース)を製造した。なお、α化澱粉1としてα化リン酸架橋タピオカ澱粉(HP化度-、4%濃度の粘度260mPa・s)、α化澱粉2としてα化ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(HP化度2.5、4%濃度の粘度130mPa・s) を、またβ澱粉としてヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉(HP化度3.6、4%濃度の粘度1400mPa・s)を使用した。これらの澱粉には小麦、乳、卵、及び大豆以外にもアレルゲン物質は含まれていない(特定7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)の含有量1ppm未満)。また当該菓子に含まれる全蛋白質量は全固形分質量あたりの0.05質量%以下である。
[タルトケース生地(その3)]
α化澱粉1 15.7(質量%)
α化澱粉2 10.5
β澱粉 26.2
マーガリン 31.5
粉糖 10.5
色素 0.05
バニラエッセンス 0.1
バター香料 0.1
水 残 部
合 計 100.00質量%
[菓子生地及び菓子の評価]
型から外したタルトケースの形状は極めて良好(保形性評価4)であった。また焼成後、室温で冷やした後に食べたタルトケースの食感は、サクサクした少し硬めであり、口の中でほぐれる食感が得られた。また、冷凍後、解凍した後に食べたタルトケースの食感も変わらず、冷凍耐性があること、つまり冷解凍が可能で、冷凍食品として製造販売することができることが確認された。

Claims (11)

  1. 小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まず、焼き菓子生地の全固形分質量に対する小麦、乳、卵及び大豆に由来する蛋白質の含有量がそれぞれ10μg/g未満であって、
    α化澱粉を11~25質量%、β加工澱粉を25~41質量%、油脂を8.2~40.8質量%、及び水分を含み、
    前記α化澱粉は、α化リン酸架橋澱粉、又はα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉であり、
    前記β加工澱粉は、ヒドロキシプロピル化澱粉、又はヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉であり、
    前記α化澱粉と前記β加工澱粉の質量比が1:1~3:7であ
    β非加工澱粉を含まない焼き菓子生地
    (但し、非α化澱粉100重量部に対し、α化澱粉を1~60重量部、コンニャク糊を1~30重量部からなる配合物を含む食品用組成物を除く。)。
  2. 前記水分の含有量は、前記焼き菓子生地の全質量に対して18~60質量%である請求項1に記載の焼き菓子生地。
  3. 固形状、半固形状、又はそれらの成型物である、請求項1又は2に記載する焼き菓子用生地。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の焼き菓子生地の加熱焼成物である菓子。
  5. 前記菓子に含まれる全固形分質量に対する全蛋白質量が5質量%以下である請求項4に記載の菓子。
  6. 小麦、乳、卵及び大豆に由来するアレルゲンを含まない菓子である請求項4又は5に記載の菓子。
  7. クッキー、タルト、サブレ、パイ、又はビスケットである請求項4~6のいずれか一項に記載の菓子。
  8. 小麦、乳、卵及び大豆を実質的に含まない請求項1に記載する焼き菓子生地を製造するための組成物であって、α化澱粉とβ加工澱粉を1:1~3:7(質量比)の割合で含み、
    前記α化澱粉は、α化リン酸架橋澱粉、又はα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉であり、
    前記β加工澱粉は、ヒドロキシプロピル化澱粉、又はヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉であり、
    β非加工澱粉を含まず、焼き菓子生地の全固形分質量に対する小麦、乳、卵及び大豆に由来する蛋白質の含有量がそれぞれ10μg/g未満である組成物
    (但し、非α化澱粉100重量部に対し、α化澱粉を1~60重量部、コンニャク糊を1~30重量部からなる配合物を含む食品用組成物を除く。)。
  9. (a)水分と油脂を混合して混合体を得る工程と、
    (b)前記混合体に少なくともα化澱粉とβ加工澱粉を含み、β非加工澱粉を含まない粉体を混合する工程と、を含
    前記α化澱粉は、α化リン酸架橋澱粉、又はα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉であり、
    前記β加工澱粉は、ヒドロキシプロピル化澱粉、又はヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載する焼き菓子生地の製造方法
    (但し、非α化澱粉100重量部に対し、α化澱粉を1~60重量部、コンニャク糊を1~30重量部からなる配合物を含む食品用組成物の製造方法を除く。)。
  10. 前記(a)工程が水分と油脂とβ加工澱粉を混合して混合体を得る工程であるか、あるいは、(b)工程が前記混合体にα化澱粉とβ加工澱粉を含む粉体を混合する工程である、請求項9に記載の製造方法。
  11. 菓子の製造に請求項1~3のいずれかに記載する焼き菓子生地を用いることを特徴とする、焼き菓子の保形性を向上する方法。
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