JP2017051159A - 焼成食品 - Google Patents

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【課題】冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、食感を向上できる焼成食品の提供。【解決手段】冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、ヒドロキシプロピル基を有する、置換度(DS)が、0.08〜0.20である加工澱粉、を加えて焼成した、水分含有量が5〜50質量%である、焼成食品。又、前記焼成食品中における、水分の含有量に対する前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の含有量の質量比は、0.5〜4.0である、焼成食品。【選択図】なし

Description

本発明は、食感を向上させた冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品に関する。
例えば、ホットケーキ、ビスケット、クッキー、モナカ等の、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品が知られている。しかしながら、かかる焼成食品のうち、ホットケーキや、どら焼き等の焼成食品は、例えば原料として穀粉を含有する水種生地を焼成し、冷凍温度まで冷却した後に食するため、水分が凍り、常温で得られていたもちもちとした食感が得られないという問題があった。
従来より、食品分野において食感を向上させる様々な試みが行われている。例えば、特許文献1は、米類とヒドロキシプロピル澱粉よりなる澱粉質原料等からなる餅菓子類について開示する。実施例欄において、餅粉とヒドロキシプロピル澱粉等を均一に混合し、蒸し器で10分間蒸した後、家庭用餅搗き機を使用して搗くことにより生地を調製する工程について開示する。
特許文献2は、油脂、乳化剤、及び水を含む第1原料を均質化した均質化混合物を得て、そこに澱粉を含む第2原料を添加して水種生地を作る工程、水種生地を焼成してコーン、モナカ皮、又はウェハースからなる焼成食品を得る方法について開示する。
特許文献3は、冷凍アイスクリームに関する出願であって、澱粉類が冷凍アイスクリームのような冷凍デザート中において氷晶を抑制する点について開示している(段落0024)。
非特許文献1は、ヒドロキシプロピル澱粉が冷蔵安定性や凍結融解に優れる点、食品の食感改良のために使用されている点について開示している。
特許第3658653号公報 特許第3717469号公報 特許第4763257号公報
独立行政法人農畜産業振興機構「加工でん粉の基礎知識と現状について」、最終更新日2010年5月10日、独立行政法人農畜産業振興機構ホームページ[平成27年5月20日検索]、インターネット<http://www.alic.go.jp/joho-d/joho07_000055.html>
上述した各特許文献に開示されるように、従来冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を加えて、もちもちとした食感を向上させる試みは行われていなかった。
例えば、特許文献1は、焼成食品について開示しておらず、焼成食品とは異なる餅菓子の柔らかさと弾力等について評価しているため、焼成食品の食感を向上させる効果まで推認することはできない。
また、特許文献2は、コーン等の焼成食品のサクサクとした食感を得ることを目的とする(段落0007)。したがって、特許文献2を参酌したとしても、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品について、もちもちとした食感を向上させる効果まで推認することはできない。
また、特許文献3は、表1に示されるように澱粉類としてヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を直接使用していない。また、表4に示されるように澱粉の種類により、アイスクリーム中の氷晶の抑制効果は様々であることが確認される。したがって、特許文献3を参酌したとしても、アイスクリームとは異なる焼成食品について、さらに特許文献3で直接使用していないヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を使用した場合に、もちもちとした食感を向上させる効果まで推認することはできない。
また、非特許文献1は、食品のどのような食感がどのように改良されるかまで詳しく開示していない。また、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品に対する作用効果についても開示していない。したがって、非特許文献1を参酌したとしても、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品について、もちもちとした食感を向上させる効果まで推認することはできない。
本発明の目的とするところは、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、食感を向上できる焼成食品を提供することにある。
本発明は、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を加えて焼成することにより、食感を向上できることを見出したことに基づくものである。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を加えて焼成したことを特徴とする焼成食品が提供される。
また、前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の置換度(DS)は、0.08〜0.20であることが好ましい。また、前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の置換度(DS)は、0.11〜0.18であることがより好ましい。
また、前記焼成食品の水分含有量は、5〜50質量%であることが好ましい。また、焼成食品の水分含有量は、6.5〜30質量%であることがより好ましい。
また、前記焼成食品中における水分の含有量に対する前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の含有量の質量比は、0.5〜4.0であることが好ましい。また、前記焼成食品中における水分の含有量に対する前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の含有量の質量比は、0.8〜3.0であることがより好ましい。
また、前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の原料は、タピオカ澱粉であることが好ましい。
さらに、原料として穀粉を含むことが好ましい。また、前記穀粉は、イネ科穀物、豆類、擬穀類、芋類、根菜、及び木の実から選ばれる少なくとも一種の原料を含むことが好ましい。また、前記穀粉は、小麦、米、大麦、ライ麦、トウモロコシ、ひえ、大豆、そば、タピオカ、ジャガイモ、及び栗から選ばれる少なくとも一種の原料を含むことがより好ましい。また、前記穀粉は、小麦粉であることがさらに好ましい。
また、前記焼成食品は、食する際、解凍しない部分を含むことが好ましい。また、前記焼成食品は、冷菓とともに食するものであることが好ましい。また、前記焼成食品は、冷菓と接した状態で食するものであることがより好ましい。
本発明によれば、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品の食感を向上できる。
以下、本発明の焼成食品を具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態の焼成食品は、ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉と、水とを混合した後、焼成することにより得られる。
ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の具体例としては、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉等が挙げられる。ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の製造方法としては、特に限定されず、常法に従って製造することができる。例えば、ヒドロキシプロピル澱粉は、原料澱粉に澱粉膨潤抑制剤を加えた後、アルカリ触媒下で酸化プロピレンと反応させることにより得られる。澱粉のリン酸架橋は、公知の架橋剤、例えばトリメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、オキシ塩化リン等を澱粉に作用させて製造することができる。ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉は、ヒドロキシプロピル基を導入するための酸化プロピレンを用いた反応と、架橋剤を用いた反応を組み合わせることにより得られる。反応は、いずれを先に行ってもよい。これらのヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉は、一種類のみであってもよいし、二種類を組み合わせて使用してもよい。
加工澱粉の原料澱粉としては、公知の原料を適宜採用することができる。例えばタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、マメ澱粉等が挙げられる。これらは一種類のみであってもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの原料澱粉の中で、タピオカ澱粉が食感により優れる観点から好ましい。
ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の置換度(DS)の下限は、好ましくは0.08以上、より好ましくは0.11以上である。置換度を0.08以上とすることにより、焼成食品の食感をより向上させることができる。置換度の上限は、好ましくは0.20以下、より好ましくは0.18以下である。置換度が0.20以下とすることにより、焼成食品の食感をより向上させることができる。ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の置換度は、製造の際、酸化プロピレンの添加量等を変化させることにより調節することができる。なお、置換度とは1グルコース当たりの置換された水酸基の平均数を示す。
焼成食品中における水分含有量の下限は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6.5質量%以上である。水分含有量を5質量%以上とすることにより、パサついた食感を減少させ、もちもちとした食感をより向上させることができる。水分含有量の上限は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。水分含有量を50質量%以下とすることにより、凍った食感を減少させ、もちもちとした食感をより向上させることができる。
焼成食品中における水分の含有量に対するヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の含有量の質量比の下限は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上である。かかる質量比を0.5以上とすることにより、凍った食感を減少させ、もちもちとした食感をより向上させることができる。かかる質量比の上限は、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下である。かかる質量比を4.0以下とすることにより、パサついた食感を減少させ、もちもちとした食感をより向上させることができる。
本実施形態の焼成食品は、原料としてさらに穀粉を含有してもよい。原料となる穀粉は、公知の原料を適宜使用することができる。例えばイネ科穀物、豆類、擬穀類、芋類、根菜、木の実等から得られる穀粉原料を使用することができる。より具体的な穀粉として、例えば小麦、米、大麦、ライ麦、トウモロコシ、ひえ、大豆、そば、タピオカ、ジャガイモ、栗等を挙げることができる。これらは一種類のみであってもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの穀粉の中で、小麦粉が焼成食品の食感により優れる観点から好ましい。
本実施形態の焼成食品は、必要に応じて、焼成食品に一般的に含有され、且つ前述した各成分の作用を阻害しない範囲内において、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば乳化剤、油脂、タンパク質、調味料、甘味料、膨張剤、増粘安定剤、香料、酸化防止剤、着色料等が挙げられる。これらの添加剤は、一種類のみで使用してもよいし、二種類を組み合わせて使用してもよい。
乳化剤の具体例としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリソルベート、レシチン等が挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセライド、有機酸モノグリセライド、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは一種類のみであってもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
油脂としては、例えば動物油、植物油、魚油等が挙げられる。より具体的には、大豆油、サフラワー(菜種)油、ひまわり油、パーム油、ごま油、亜麻仁油、ひまし油、オリーブ油、コーン油、綿実油、ピーナッツ油、グレープシード油、椿油、米胚芽油、小麦胚芽油、中鎖脂肪酸油(MCT)、スクワレン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、乳脂(バター)、硬化油、ラード、各種バター等が挙げられる。
タンパク質の具体例としては、例えば牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、卵白等が挙げられる。調味料の具体例としては、例えば砂糖、食塩、各種アミノ酸、醤油、味噌、ソース、酢、みりん、ケチャップ、マヨネーズ、カレー粉等が挙げられる。甘味料の具体例としては、例えばブドウ糖、果糖、麦芽糖、オリゴ糖、ショ糖、蜂蜜、水飴、ブドウ糖果糖液糖、トレハロース、マルチトール、パラチノース、キシリトール、ソルビトール、アスパルテーム、サッカリンナトリウム等が挙げられる。膨張剤の具体例としては、例えばイースト、重曹、炭酸水素アンモニウム、ベーキングパウダー等が挙げられる。
本実施形態の焼成食品は、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品であれば、特に限定されない。例えば、冷凍温度まで冷却後に加熱する食品又は常温に戻す食品であってもよく、冷凍温度まで冷却後に解凍しない部分を含む食品であってもよく、全てを解凍せずに、そのまま食する食品であってもよい。冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品の具体例としては、例えば菓子類、パン類、冷凍食品等が挙げられる。菓子類の具体例としては、例えばチーズケーキ等の各種ケーキ類、マドレーヌ、バウムクーヘン、クレープ、ガレット、ホットケーキ、たい焼き、その他の各種和洋菓子等が挙げられる。パン類の具体例としては、例えば菓子パン、コッペパン、バターロール、食パン、揚げパン等が挙げられる。
本実施形態の焼成食品は、冷菓とともに食するものであることが好ましい。冷菓とは、冷やした状態で供される食品を示す。冷菓とともに食するとは、焼成食品と冷菓と接した状態で食されるもの、冷菓と焼成食品とが非接触状態で食されるもののいずれをも含む。冷菓とともに食する形態としては、例えば冷菓を焼成食品で包んだもの、焼成食品に挟んだもの、焼成食品の内部に充填したもの、焼成食品の上に載せたもの等が挙げられる。冷菓の具体例としては、例えばアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、アイスキャンディー、かき氷、シャーベット、パフェ、アイスまんじゅう、サンデー、フラッペ、フローズンヨーグルト、ゼリー、杏仁豆腐、ムース、ババロア、プリン、ようかん、果汁等を氷結させた氷菓、チョコレート、各種クリーム、飴、ジャム、あんこ等が挙げられる。
次に、本実施形態の焼成食品の製造方法について記載する。
本実施形態の焼成食品の製造方法は、所定量の水にヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉、その他の添加剤を加えてよく混合することにより混合液を調製する工程が行われる。次に、混合液を各種所望の焼成機を用いて、所定温度で焼成することにより、焼成食品を得ることができる。焼成食品は、冷凍温度下まで冷却される。冷凍温度とは、0℃以下であれば特に限定されないが、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−18℃以下である。
本実施形態の焼成食品によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態は、冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を加えて焼成した。したがって、焼成食品の食感をより向上できる。
特に、冷凍温度まで冷却後、食する際、解凍しない部分を含む焼成食品の場合、冷凍温度であっても、もちもちとした食感を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、各原料を混合して焼成食品の生地を調製する際、各原料の配合順序は特に限定されない。
・上記実施形態の焼成食品は、味や色の付与の観点から、抹茶、コーヒー、果汁、カカオマス等を配合してもよい。
・上記実施形態の焼成食品の形状は、特に限定されず、各種目的とする食品に合わせた形状を採用することができる。例えば、シート状、板状、円形、紡錘形、四角形状等を適宜採用することができる。焼成食品がシート状に成形される場合、シートの厚みは特に限定されない。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験例1:加工澱粉の種類の検討>
加工澱粉の種類を変化させた場合の焼成食品の食感について評価した。
まず、表2に示されるように、水50質量部に、各例の加工澱粉又は生澱粉を各30質量部、小麦粉18質量部、乳化剤1.5質量部、砂糖30質量部、食塩1質量部、植物油8質量部、脱脂粉乳1.5質量部をそれぞれ添加し、よく混合した。得られた水種生地を、200℃に温められたホットプレート上に広げ、3分間焼成することにより、水分含有量15質量%の焼成生地を得た。表2に、各例の各成分の添加量(質量部)を併せて記載する。
得られた焼成生地については、常温付近まで冷却した後、−18℃以下の冷凍庫内で60分間保存した。その後、焼成生地を取り出し、10名のパネラーが各焼成生地を試食し、以下の表1に示される評価項目により、得られた食感について点数を付した。かかる点数の平均点を算出し、表1に示される基準により食感について評価した。結果を表2に示す。
表2に示されるように、ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を加えた実施例1の焼成生地は、優れた食感が得られたことが確認された。ヒドロキシプロピル化された加工デンプン以外の加工デンプン又は生澱粉を使用する各比較例は、実施例1に対し、いずれも焼成生地に対する優れた食感向上作用は得られないことが確認された。
<試験例2:ヒドロキシプロピル澱粉の置換度(DS)の検討>
DSを変化させた場合の焼成食品の食感について評価した。
焼成食品の原料として、表3に記載される各例の各成分組成を採用した。その他、焼成食品の製造方法及び食感の評価方法は、試験例1欄に記載の方法に従った。結果を表3に示す。
表3に示されるように、焼成生地中のヒドロキシプロピル澱粉の置換度が減少すると、パサつき感が生じ、食感が低下する傾向を示すことが確認された。一方、焼成生地中のヒドロキシプロピル澱粉の置換度が増加すると、もちもちとした食感が低下する傾向を示すことが確認された。
<試験例3:水分含有量の検討>
水分含有量を変化させた場合の焼成食品の食感について評価した。
焼成食品の原料として、表4に記載される各例の各成分組成を採用し、焼成時間を調整することにより焼成後の水分含有量を変化させた。その他、焼成食品の製造方法及び食感の評価方法は、試験例1欄に記載の方法に従った。結果を表4に示す。
表4に示されるように、焼成生地中の水分含有量が減少すると、パサつき感が生じ、食感が低下する傾向を示すことが確認された。一方、焼成生地中の水分含有量が増加すると、凍った食感が増す傾向を示すことが確認された。
<試験例4:澱粉の配合比率の検討>
水分含有量に対する澱粉の配合比率を変化させた場合の焼成食品の食感について評価した。
焼成食品の原料として、表5に記載される各例の各成分組成を採用し、焼成時間を調整することにより焼成後の水分含有量に対する澱粉の配合比率を変化させた。その他、焼成食品の製造方法及び食感の評価方法は、試験例1欄に記載の方法に従った。結果を表5に示す。
表5に示されるように、焼成生地中の水分含有量に対する澱粉の配合比率が増加すると、パサつき感が生じ、食感が低下する傾向を示すことが確認された。一方、焼成生地中の水分含有量に対する澱粉の配合比率が減少すると、凍った硬い食感が増す傾向を示すことが確認された。
<試験例5:ヒドロキシプロピル澱粉の種類の検討>
ヒドロキシプロピル澱粉の種類(由来)を変化させた場合の焼成食品の食感について評価した。
焼成食品の原料として、表6に記載される各例の各成分組成を採用した。その他、焼成食品の製造方法及び食感の評価方法は、試験例1欄に記載の方法に従った。結果を表6に示す。
表6に示されるように、タピオカ由来のヒドロキシプロピル澱粉を使用した場合、他の種類のヒドロキシプロピル澱粉に比べて優れた食感が得られることが確認された。
<試験例6:穀粉の種類の検討>
穀粉の種類を変化させた場合の焼成食品の食感について評価した。
焼成食品の原料として、表7に記載される各例の各成分組成を採用した。その他、焼成食品の製造方法及び食感の評価方法は、試験例1欄に記載の方法に従った。結果を表7に示す。
表7に示されるように、穀粉として小麦粉以外の穀粉を使用したとしても、ヒドロキシプロピル澱粉と併用することにより、良好な食感が得られることが確認された。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、冷凍温度まで冷却し、食する際、解凍しない部分を含む焼成食品において、イネ科穀物、芋類、及び根菜から選ばれる少なくとも一種の穀粉、並びにヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を加えて焼成したことを特徴とする焼成食品が提供される。
また、前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の原料は、タピオカ澱粉であることが好ましい。
た、前記穀粉は、小麦、米、大麦、ライ麦、トウモロコシ、ひえ、タピオカ、及びジャガイモから選ばれる少なくとも一種の原料を含むことがより好ましい。また、前記穀粉は、小麦粉であることがさらに好ましい。
た、前記焼成食品は、冷菓とともに食するものであることが好ましい。また、前記焼成食品は、冷菓と接した状態で食するものであることがより好ましい。

Claims (15)

  1. 冷凍温度まで冷却後に食する焼成食品において、
    ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉を加えて焼成したことを特徴とする焼成食品。
  2. 前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の置換度(DS)は、0.08〜0.20であることを特徴とする請求項1に記載の焼成食品。
  3. 前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の置換度(DS)は、0.11〜0.18であることを特徴とする請求項1に記載の焼成食品。
  4. 前記焼成食品の水分含有量は、5〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の焼成食品。
  5. 前記焼成食品の水分含有量は、6.5〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の焼成食品。
  6. 前記焼成食品中における水分の含有量に対する前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の含有量の質量比は、0.5〜4.0であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の焼成食品。
  7. 前記焼成食品中における水分の含有量に対する前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の含有量の質量比は、0.8〜3.0であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の焼成食品。
  8. 前記ヒドロキシプロピル基を有する加工澱粉の原料は、タピオカ澱粉であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の焼成食品。
  9. さらに、原料として穀粉を含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の焼成食品。
  10. 前記穀粉は、イネ科穀物、豆類、擬穀類、芋類、根菜、及び木の実から選ばれる少なくとも一種の原料を含むことを特徴とする請求項9に記載の焼成食品。
  11. 前記穀粉は、小麦、米、大麦、ライ麦、トウモロコシ、ひえ、大豆、そば、タピオカ、ジャガイモ、及び栗から選ばれる少なくとも一種の原料を含むことを特徴とする請求項10に記載の焼成食品。
  12. 前記穀粉は、小麦粉であることを特徴とする請求項11に記載の焼成食品。
  13. 前記焼成食品は、食する際、解凍しない部分を含むことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の焼成食品。
  14. 前記焼成食品は、冷菓とともに食するものであることを特徴とする請求項13に記載の焼成食品。
  15. 前記焼成食品は、冷菓と接した状態で食するものであることを特徴とする請求項14に記載の焼成食品。
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