JP5300018B2 - 流動性改善剤 - Google Patents

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本発明は粉末状または顆粒状食品の流動性を改善するための流動性改善剤に関する。さらに詳しくは、通常に食品素材として用いられるデキストリンなどの賦形剤を微粉砕することにより得られる微粒子からなり、ブロッキングしやすい粉末状または顆粒状食品などに添加・混合することにより、流動性を改善させることのできる流動性改善剤に関する。
粉末状または顆粒状食品は水分活性が低いため、微生物が増殖し難く、長期にわたり保存することができ、必要に応じて水に溶解または懸濁して簡便に使用することができるため、粉末調味料、粉末スープ、粉末果汁、粉末茶、粉末コーヒーなどに幅広く使用されている。しかしながら、これらの粉末状または顆粒状食品には、各種使用原料の性質上、流動性の悪い原料がしばしば使用されることがあり、製造工程中での分級や装置への充填、製品化工程において流動性不良が問題になるという欠点があった。また、これらの粉末状または顆粒状食品には、潮解性の高い糖類や塩類が含まれていることが多く、製造直後においては流動性が高いが、経時的に空気中の水分を吸湿しブロッキングを起こすという欠点があった。
粉末状食品などの流動性を維持する方法としては、デキストリンを使用することで改善できることが知られており、例えば、スポーツ飲料粉末にデキストリン(DE2〜5のデキストリンの場合は15〜60%、DE6〜20のデキストリンの場合は45〜60%)を添加することによりケーキングを防止する方法(特許文献1)、魚介類及び/又は畜肉エキスに、DE2〜5のデキストリンを添加し乾燥することを特徴とする、潮解、ケーキング、液化を起こしにくい粉末の製造方法(特許文献2)、果汁、茶、コーヒーエキスなどの粉末の造粒中に、DE10以下のデキストリン溶液をスプレーしながら造粒し、粉末の表面をデキストリンでコーティングして吸湿し難い顆粒を得る方法(特許文献3)、DE10〜25の澱粉分解物を粉糖に添加混合することを特徴とする粉糖の固結防止方法(特許文献4)などが知られている。しかしながら、デキストリンを通常の状態で使用するこれらの方法は十分満足のいく効果があるとはいいがたい。
また、食品に使用できる流動性改善剤として、微粒二酸化ケイ素、リン酸三カルシウム、ケイ酸カルシウムなどがあるが、食品添加物(物質名または固結防止剤)として表示が必要であり、一般消費者に好まれない傾向がある。
特開昭57−189672号公報 特開昭59−205958号公報 特開平1−181781号公報 特開平4−71500号公報
本発明が解決しようとする課題は、流動性の悪い粉末状または顆粒状食品に添加、混合するだけで、極めて高い効果で流動性を改善することのできる流動性改善剤を提供することにある。
前述の通り従来より、デキストリンを添加することにより吸湿性の高い粉末状または顆粒状食品の吸湿性が低下し、ケーキングやブロッキングが抑えられ流動性が改善されることは知られていた。従来使用されていたデキストリンの平均粒子径は、おおよそ数十〜100μm程度のものが多い。また、デキストリンを混合・溶解した溶液からスプレードライにより粉末化した粉末も平均粒子径もおおよそ数十〜100μm程度である。真空乾燥、凍結乾燥、造粒により調製された粉末や顆粒の平均粒子径は、これよりもさらに大きなものとなる。本発明者らは吸湿性の高い粉末状または顆粒状食品の流動性改善方法について鋭意研究を行ってきた。その結果、驚くべきことに、デキストリンを微粒化し平均粒子径を5μm程度の微粉末とし、これを添加混合したところ粉末食品の流動性が大幅に改善され、その効果が通常のデキストリンを添加した場合と比べて著しく大きいことを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、賦形剤を、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)として、0.1μm〜20μmとなるように調製することにより得られる、粉末製品の流動性改善剤を提供するものである。
また、本発明は、賦形剤が炭水化物であることを特徴とする前記の粉末製品の流動性改善剤を提供するものである。
さらに、本発明は、賦形剤がデキストリン、乳糖、トレハロース、マルトース、セロビオース、サイクロデキストリン、澱粉、化工澱粉、アラビアガム、澱粉分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上である、前記の粉末製品の流動性改善剤を提供するものである。
さらにまた、本発明では、賦形剤がDE1〜30のデキストリン、酸化澱粉およびβ−サイクロデキストリンからなる群より選ばれる1種または2種以上である、前記の粉末製品の流動性改善剤を提供するものである。
また、さらに、本発明では、前記の流動性改善剤を、粉末製品の質量を基準として0.5質量%〜20質量%添加することを特徴とする、粉末製品の流動性改善方法を提供するものである。
本発明の方法を利用すると、食品素材などからなる流動性改善剤が得られ、吸湿性が高く流動性の悪い粉末状または顆粒状食品に添加、混合するだけで、極めて高い効果で流動性を改善することのできる流動性改善剤を提供することができる。
参考品1(未粉砕のデキストリン)および本発明品1(デキストリンの微粉砕物)の粒度分布を示す図である。 参考品1(未粉砕のデキストリン)の走査型電子顕微鏡S−2380N(日立製作所社製)写真(×500)である。 本発明品1(デキストリンの微粉砕物)の走査型電子顕微鏡S−2380N(日立製作所社製)写真(×500)である。
本発明の流動性改善剤の原料となる賦形剤としては、それ自体が吸湿性が少なく、流動性が高い低吸湿性賦形剤が好ましく、通常、粉末食品などの賦形剤として使用される炭水化物などの食品素材であればいずれのものでも使用することができる。このような素材としては、例えば、デキストリン、乳糖、トレハロース、マルトース、セロビオースなどの糖質、サイクロデキストリン、澱粉、化工澱粉、アラビアガム、澱粉分解物、還元澱粉糖化物などを例示することができる。これらのうち、DE1〜30のデキストリン、酸化澱粉およびβ−サイクロデキストリンを好ましく例示することができ、さらにデキストリンとして、より好ましくは、DE3〜20のデキストリンが挙げられる。
ここでDE(デキストロースエキュバレント)とは加水分解の程度を示す指標であり、数値が高い程分解度が大きいことを示し、DE100は結晶ブドウ糖のそれである。デキストリンは加水分解の程度によって、甘味度の他に粘度、結晶性、吸湿性その他種々の性質が変わる。DE1〜30は本発明の流動性改善剤を製造する上で好ましい数値である。DEが30を越えるデキストリンは吸湿性しやすく、数値が大きくなるにつれ、吸湿性が高まる傾向がある。したがってDE30を超えるデキストリンは、微粉にしても吸湿して再結着しやすいため、本発明の目的を達しにくくなり、あまり好ましくない。また、DEが1未満の場合は冷水への馴染みが悪く扱いづらい。一方、酸化澱粉およびβ−サイクロデキストリンは元々吸湿し難い性質であるため、本発明の目的達成に特に適している。
本発明の原料として用いられる、前記の市販の低吸湿性賦形剤の平均粒子径は、製品により幅があり、一概にはいえないが、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)はおおよそ数十〜100μm程度である。これは、これらの粉末が、一般的に噴霧乾燥を用いて製造されていることが多いためと考えられる。
本発明では、これらの賦形剤を微粒子に調製する点に特徴がある。微粒化することにより、本発明の流動性改善剤を添加した場合に粉末製品、特に、高吸湿性の粉末製品の流動性が大幅に改善されるという優れた効果が得られる。本発明における微粒化する際の、好ましい平均粒子径(レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径)としては0.1μm〜20μm、より好ましくは1μm〜10μmを例示することができる。粒子径が平均粒子径として20μmを越える場合、流動性改善剤としての効果があまり得られないため好ましくない。また、通常は、平均粒子径(メジアン径)が小さい方が、流動性改善剤としての効果は高まるが、粒子径を平均粒子径(メジアン径)として0.1μm未満とすることは極めて困難であり、また、粉末自体の噴流性が高まり、粉末を取り扱うことが困難になってしまう可能性があるため好ましくない。更に90%積算粒子径としても1〜20μm程度であることが好ましい。
なお、平均粒子径を求める方法に関する考え方は多数有り、最も単純な平均の方法は全粒子の直径の総和を粒子の固数で割ること(固数平均)であるが、この場合細かい粒子が多いときに非常に小さい直径になってしまう。そこで、累積分布図で50%の高さを与える直径を意味する積算平均粒子径(メジアン径またはメディアン径あるいはD50などと記載する)を用いることが多い。さらに、累積分布図から求める場合も体積基準と質量基準が考えられるが、本発明における平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて体積基準で測定した際の平均粒子径(メジアン径)を意味する。さらにまた、測定方法には湿式法(粉体を不溶解の溶媒に分散させて測定する方法)と乾式法(粉体を直接測定する方法)があるが、本発明の平均粒子径はイソプロピルアルコールを溶媒として用い、フロー式による湿式法を用いて測定した値である。
なお、賦形剤を微粒子に調製した後の粉体の状態確認は粒度分布計 HORIBA LAシリーズ(堀場製作所社製)、マイクロトラックMT3000II シリーズ(日立製作所)、Insitechシリーズ(Malvern社製)などを用いて行うことができる。さらに、粒子の状態を走査型電子顕微鏡などで観察することにより、確認することが可能である。
本発明における流動性改善剤である微粒子の調製を行うための方法としては、特に限定はされず、前記した賦形剤を噴霧乾燥、真空乾燥などの際に微細な粒子が得られる手段により乾燥する方法、あるいは一旦通常の噴霧乾燥、真空乾燥などにより得られた賦形剤を粉砕等の物理的な方法により微粒子とする方法を例示することができる。例えば、粉砕により微粒子とする方法としては、粉体を平均粒子径(メジアン径)として20μm以下に粉砕できる装置を使用して微粒子とする方法を例示でき、その様な装置としては、粉体の平均粒子径(メジアン径)を0.1μm〜20μmにまで粉砕できる装置であればいかなる装置でも使用することができる。これらの、市販の各種粉砕機としては、例えば、流動床式ジェットミルJEDI(アーステクニカ社製)、連続式乾式ビーズミル ドライスター SDA(登録商標:アシザワ・ファインテック社製)、マイクロACMパルペライザAC−30H(登録商標:ホソカワミクロン社製)、ミクロンジェットMJ−3形(登録商標:ホソカワミクロン社製)、マイクロス(MIC)(登録商標:奈良機械社製)、ニューコスモマイザー(N−COS)(登録商標:奈良機械社製)、シングルトラックジェットミル、ジェットオーミル(以上、セイシン企業社製)、スーパージェットミル/SJシリーズ(日清エンジニアリング社製)などを例示することができる。
本発明では、前述のように得られた流動性改善剤を、目的とする粉末状または顆粒状食品飲食品に添加、混合するだけで流動性を改善することができる。添加量としては、粉体製品質量を基準として0.5質量%〜20質量%添加することにより、粉体製品の流動性を改善できるが、好ましくは1質量%〜18質量%、より好ましくは2質量%〜15質量%、さらに好ましくは3質量%〜10質量%の範囲内を例示することができる。この添加量は、先に記載の特許文献1における微粒化していないデキストリンの添加量(15〜60%)と比べはるかに少ない量である。混合方法としては、特別な造粒装置を用いる必要はなく、単純なミキサー、攪拌釜、ナウターミキサー、ニーダーなどを用いて、数十秒〜数十分程度攪拌混合するだけで良い。その結果、得られた粉体混合物は、本発明の流動性改善剤を添加する前と比べて、大幅に流動性が改善され、取り扱いの容易な粉末製品となる。
また、本発明の流動性改善効果は、粉末製品の流動性が悪い場合に特に大きい流動性改善効果が得られ、更に吸湿性粉体(空気にされられた放置により、空気中の湿気を吸収し、固結し易い粉末製品を意味する)などに特に大きな効果を発揮する。このような粉体としては、例えば、粉末調味料、粉末スープ、粉末果汁、粉末茶、粉末コーヒーなどを例示することができる。
本発明における、流動性改善効果の評価方法、すなわち取り扱いの評価方法としては一定量の粉末製品を瓶などの容器に適当量採取し、瓶を左右に傾けて粉体を移動させて流動性を目視により観察する方法が有効であるが、例えば、粉体物性測定装置パウダテスタPT−S(登録商標:ホソカワミクロン社製)を用いて、粉体の安息角と崩壊角の差である差角や、固め見掛け比重とゆるめ見掛け比重の比である圧縮度などにより客観的に評価することができる。これらの物性値の意味については後述する。
なお、本発明による流動性改善効果現象のメカニズムは明かではないが、おそらく、流動性の悪い粉末状または顆粒状食品などの表面に、微粒子となったデキストリンなどの粒子が付着し、粒子の表面に非吸湿性を有する薄膜状のコーティングがなされるためと推定される。
以下に実施例、比較例および参考例をあげて本発明を詳しく説明する。
実施例1
パインフロー(登録商標:デキストリン;DE=7〜12、松谷化学社製、参考品1とする)を流動床式ジェットミル JEDI EJM00形(アーステクニカ社製)を用いて、微粉砕を行い本発明品1の流動性改善剤を得た。
粉砕条件;
分級ローター回転数:2000rpm
全風量 :4.5m/min
ノズル流量 :3.2m/min
ノズル圧力 :0.64MPa
粉砕時間 :60分
処理量 :1.0Kg/hr.
粉砕前後の粒子径を表1に示す。
測定方法:
装置:HORIBA LA−920(堀場製作所社製)
条件:レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いてイソプロピルアルコールを溶媒として用い、フロー式による湿式法を用いて体積基準の平均粒子径を測定
Figure 0005300018
粉砕前後の粒度分布を図1に、走査型電子顕微鏡写真を図2、図3に示す。
実施例2
流動性不良のサンプルとして、市販の大豆蛋白質粉末(比較品1)を使用し、本発明品1を大豆蛋白質粉末に対し5質量%添加したもの(本発明品2)、1質量%添加したもの(本発明品3)、参考品1を5質量%添加したもの(比較品2)およびサイロページ#720(登録商標:富士シリシア化学社製の微粒二酸化ケイ素:メジアン径(D50)4.72μm、90%積算径7.70μm。微粒二酸化ケイ素は食品添加物としての使用基準があり、(1)使用量等の最大限度:2.0%(ケイ酸カルシウムと併用する場合は、それぞれの使用量の和)、(2)使用制限:母乳代替食品及び離乳食に使用してはならない)を1質量%添加したもの(参考品2)を調整した。
これらの本発明品、比較品および参考品について、50mlガラス瓶に粉体各5gを採取し、瓶の傾きを変えることにより瓶内の粉体を移動させて、その流動性の善し悪しを目視により評価した。また、粉体物性測定装置パウダテスタPT−S(登録商標:ホソカワミクロン社製)を用いて、安息角、崩壊角、差角、ゆるめ見掛け比重、固め見掛け比重、圧縮度を測定した。
それぞれの測定結果を表2に示す。
Figure 0005300018
測定値の意味する内容
目視;×:流動性悪い
△:流動性やや悪い
○:流動性良い
◎:流動性非常によい
[それぞれの物性値の意味する内容]
・安息角:注入法により落下して出来た粉粒体の山の角度。流動性の悪い粉粒体は、安息角が高くなる。
・崩壊角:安息角を作っている粉粒体に一定の衝撃を与えて崩壊した後残る山の角度。粉粒体が自然流動しやすいと、崩壊角は小さくなる。
・差角:安息角と崩壊角の差。通常は差角が大きいと、流動性が高い。ただし、あまり大きすぎるとフラッシング現象が起きやすいため逆に扱いづらくなる。
・ゆるめ見掛け比重:注入法により落下させて容器に受けて出来た、多量に空気を含んだ粉粒体の見掛け比重。
・固め見掛け比重:ゆるめの見掛け比重の粉粒体をタッピングして固めて出来た見掛け比重。
・圧縮度:固め見掛け比重に対する、固め見掛け比重とゆるめ比重の差の割合(%)。圧縮度が大きいと、流動性が悪いことを意味する。
今回、流動性の主な目安としては目視、差角および圧縮度を主な判断基準とした。
表2に示したとおり大豆蛋白質粉末単体(比較品1)では目視では流動性が悪く差角2.7°、圧縮度51.5%であったが、本発明品1のデキストリンの微粉砕物を5質量%添加した本発明品2は目視では流動性が非常に良く、また差角20.0°、圧縮度38.6%であり流動性が大幅に改善されていた。一方、未粉砕のデキストリン(参考品1)を同量である5質量%添加した参考品2は、目視では「流動性やや悪い」であり、差角8.0°、圧縮度50.8%であり、比較品1に対し流動性は多少改善されているという程度であり、それほど大きな流動性改善効果は得られなかった。また、参考品2として、現在流動性改善目的の食品添加物として効果が大きいとされている、微粒二酸化ケイ素を1質量%添加したものを調整したが、目視では流動性が良く、差角9.4°、圧縮度37.3%であり、かなりの流動性改善効果があるが、本発明品2と比べるとやや流動性が劣っていた。一方、本発明品1の添加量を1質量%添加まで減らした本発明品3でも、表2に示したとおり未粉砕品を5%添加した時とほぼ同程度の効果が得られた。
実施例3
実施例1において、パインフロー(登録商標)に替えて、β−サイクロデキストリン(シクロケム社製;参考品3)およびFLOMAX8(日本エヌエヌシー社製の酸化澱粉;参考品4)を用いる以外は実施例1と同様の条件で微粉砕を行い、本発明品4(β−サイクロデキストリンの微粉末)および本発明品5(酸化澱粉の微粉末)を得た。粉砕前後の粒子径を表3に示す(測定方法は実施例1と同じ)。
Figure 0005300018
実施例4
流動性不良のサンプルとして、市販の大豆蛋白質粉末(比較品1)を使用し、実施例2と同様に、本発明品4を大豆蛋白質粉末に対し5質量%添加したもの(本発明品6)、1質量%添加したもの(本発明品7)、参考品3を5質量%添加したもの(比較品3)、および、本発明品5を大豆蛋白質粉末に対し5質量%添加したもの(本発明品8)、1質量%添加したもの(本発明品9)、参考品4を5質量%添加したもの(比較品4)を調整した。
これらの本発明品、比較品および参考品について、50mlガラス瓶に粉体各5gを採取し、瓶の傾きを変えることにより瓶内の粉体を移動させて、その流動性の善し悪しを目視により評価した。また、粉体物性測定装置パウダテスタPT−S(登録商標:ホソカワミクロン社製)を用いて、安息角、崩壊角、差角、ゆるめ見掛け比重、固め見掛け比重、圧縮度を測定した。
それぞれの測定結果を表4に示す。
Figure 0005300018
表4に示したとおり、本発明の流動性改善剤である本発明品4または本発明品5をそれぞれ5質量%添加した本発明品6または本発明品8は、いずれも流動性が大幅に改善されたが、未粉砕品である参考品3または参考品4をそれぞれ5質量%添加した比較品3または比較品4は流動性が多少改善される程度であった。また、本発明の流動性改善剤である本発明品4または本発明品5をそれぞれ1質量%添加した本発明品7または本発明品9は、未粉砕品である参考品3または参考品4を5質量%添加した比較品3または比較品4と同程度の流動性改善効果が得られた。
実施例5
パインフロー(登録商標:デキストリン;DE=7〜12、松谷化学社製、参考品1)を流動床式ジェットミル JEDI EJM00形(アーステクニカ社製)を用いて、微粉砕を行い本発明品10の流動性改善剤を得た。
粉砕条件;
分級ローター回転数:3000rpm
全風量 :4.5m/min
ノズル流量 :3.2m/min
ノズル圧力 :0.64MPa
粉砕時間 :60分
処理量 :1.0Kg/hr.。
実施例6
パインフロー(登録商標:デキストリン;DE=7〜12、松谷化学社製、参考品1)をミクロンジェットMJ−3形(登録商標:ホソカワミクロン社製)を用いて、微粉砕を行い本発明品11の流動性改善剤を得た。
粉砕条件;
空気圧 :0.6MPa
原料供給量 :2.0Kg/hr.
参考品1、本発明品1、本発明品10および本発明品11の粒子径を表5に示す(測定方法は実施例1と同じ)。
Figure 0005300018
実施例7
流動性不良のサンプルとして、市販の大豆蛋白質粉末(比較品1)を使用し、表5に示した参考品1、本発明品1、本発明品10および本発明品11を大豆蛋白質粉末に対しそれぞれ5質量%添加したもの(比較品1、本発明品2、本発明品12および本発明品13)を調整した。
これらの比較品1、本発明品2、本発明品12および本発明品13について、50mlガラス瓶に粉体各5gを採取し、移動させて目視により評価した。また、粉体物性測定装置パウダテスタPT−S(登録商標:ホソカワミクロン社製)を用いて、安息角、崩壊角、差角、ゆるめ見掛け比重、固め見掛け比重、圧縮度を測定した。
それぞれの測定結果を表6に示す。
Figure 0005300018
表6に示したとおり、平均粒子径(D50)を8.57μmに微粉砕した本発明品10を5質量%添加した本発明品12は、平均粒子径(D50)を2.51μmに微粉砕した本発明品1を5質量%添加した、本発明品2に次ぐ高い流動性を示した。また、平均粒子径(D50)を17.7μmに微粉砕した本発明品11を5質量%添加した本発明品13は、平均粒子径(D50)が51.6μmである未粉砕の参考品1を5質量%添加した比較品2と比べ、若干の改善効果が見られた。
実施例8
流動性不良の粉末サンプルとして、市販インスタントラーメンに添付の粉末スープ(比較品5)、市販インスタントコーヒー粉末(賦形剤無添加;比較品6)、オレンジ果汁粉末(比較品7)にそれぞれ本発明品1を5質量%添加し、本発明品14、本発明品15および本発明品16の粉末を得た。 これらについて、50mlガラス瓶に粉体各5gを採取し、瓶の傾きを変えることにより瓶内の粉体を移動させて、その流動性の善し悪しを目視により評価した。また、粉体物性測定装置パウダテスタPT−S(登録商標:ホソカワミクロン社製)を用いて、安息角、崩壊角、差角、ゆるめ見掛け比重、固め見掛け比重、圧縮度を測定した。
それぞれの測定結果を表7に示す。
Figure 0005300018
表7に示したとおり、本発明品1を添加したものは、いずれの粉末に添加した場合も無添加品に比べ目視、差角、圧縮度とも無添加品に比べ大幅に改善されており、流動性改善効果が認められた。

Claims (1)

  1. 平均粒子径数十〜100μmのDE1〜30のデキストリンを、粉砕により、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)として、0.1μm〜10μmとなるように調製することにより得られる流動性改善剤を、粉末状または顆粒状食品の質量を基準として0.5質量%〜20質量%添加することを特徴とする、粉末状または顆粒状食品の流動性改善方法。
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