JP2012000104A - 油脂含有粒状食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性に優れ、温水への分散性に優れた粒状食品の提供。
【解決手段】粒状食品(固形分)100質量%のうち、油脂を10〜40質量%を含有し、天然添加物の増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%を含有する粒状食品。
【選択図】なし

Description

本発明は温水に分散させて飲食する油脂含有粒状食品に関する。
食品素材を加工処理して、例えば粉末スープのような食品とし、飲食前に温水に分散させる場合、低油分の場合は味覚上、油のコクや味が弱くなり、高油分の場合は、粉末スープ表面がベタつき流動性が悪化し、温水への分散性も悪化する。従来、これらの問題点を解決するために、糖類による粉末化、澱粉類他の粉末粒状混合物による粉末化などの方法を、単独もしくは複数組み合わせて用いられてきた。
例えば、特許文献1では糖類粉末に加熱処理して得られた加熱溶融油脂を添加混合する
ことで流動性に優れ、熱水に添加して速やかに溶解する油脂含有粉末が開示されている。特許文献2では塊状の油脂を切削することで得られた流動性に優れ、熱水に添加して速やかに溶解する粉末状油脂が開示されている。
一方、融点の低い油脂を多く含んだ粒状食品の流動性を改善し、流動食品の温水への分散性を改善する方法はほとんど知られていない。
特開2002−325548号公報 特開2003−13090号公報
これまでの技術で、粒状物の流動性を改善し、粒状物の温水への分散性を改善する方法は上述の通りいくつか開示されている。しかし、特許文献1に記載されている糖類による粉末化では油脂含有糖類粉末を配合した粉末調味材中の油脂分が低いという問題があった。許文献2に記載されている粉末状油脂を配合した粉末調味材は粉末状油脂とその他の成分を混合して包装袋に充填するため、成分の偏折が起こるという問題があった。
本発明は、温水に分散させて飲食する粒状食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、食品衛生法で規定される天然添加物である増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤を用いることにより、油脂を含有する粒状食品の流動性を改善し、温水への分散性を改善することを見出し、本発明を成すに至った。すなわち本発明は下記の通りである。
(1)粒状食品(固形分)100質量%のうち、油脂を10〜40質量%を含有し、天然添加物の増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%を含有することを特徴とする粒状食品。
(2)さらに部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜20質量%を含有することを特徴とする、(1)に記載の粒状食品。
(3)さらに微結晶セルロース(固形分)を1〜20質量%含有することを特徴とする、(1)または(2)に記載の粒状食品。
本発明により、流動性に優れ、温水への分散性に優れた粒状食品を提供できる。
以下、本発明につき詳しく説明する。
本発明の粒状食品に使用可能な原料としては、薬事法に規定する医薬品及び医薬部外品を除く全ての飲食物に使用される素材を単独、または、複数組み合わせて使用することができる。
本発明で言う油脂とは、食用で使用されるものであればよく、動物性油脂、植物性油脂あるいはそれらの水素添加油脂であってもよい。油脂の融点は特に規定しないが、常温で液体でないことが好ましい。常温で液体の場合、粒状食品の流動性が悪化するため好ましくない。また、温水に融解することが好ましい。温水に融解しない場合、粒状食品を温水に分散させて飲用した際、油脂が溶解しないため好ましくない。例えば、ラードや牛脂は好ましい例である。
油脂の配合量(固形分)は、粒状食品(固形分)100質量%のうち、10〜40質量%、好ましくは13〜40質量%、さらに好ましくは15〜30質量%である。10質量%未満では、味覚上、油のコクや味が弱いので好ましくない。40質量%を超える場合、粒状食品の流動性が悪化するため好ましくない。
本発明で言う微結晶セルロース製剤とは、例えば木材パルプ、精製リンターなどのセルロース系素材を、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解などにより解重合処理して得られる平均重合度30〜400、結晶性部分が10%を超える微結晶セルロースと天然添加物の増粘安定剤とを複合体化したものをいう。本発明で言う天然添加物の増粘安定剤とは、食品衛生法で定義される食品添加物のうち、天然添加物の増粘安定剤であり、例えば、カラヤガム、キサンタンガム等をいう。増粘安定剤の配合量は特に規定しないが、1〜20%は好ましく、2〜13%は更に好ましい範囲である。
さらに、再分散性の補助剤としてデキストリンが入っていることが好ましい。
微結晶セルロース製剤の例としては、セオラスRC−N81(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)、セオラスRC−N30(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)、セオラスDX−2(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
本発明の粒状食品の流動性を向上させるためには、平均粒径が10μm以下である微結晶セルロース製剤を用いることが好ましい。本発明で言う平均粒径は、具体的な測定方法は実施例に記載しているが、セルロース換算で1質量%の分散液となるように一般的な1〜2Lのステンレスビーカーに、微結晶セルロース製剤及び脱イオン水を、攪拌が十分できる量、例えば、2Lビーカーに1500mlを仕込み、半径30〜40mmの4枚パドル翼を取り付けたプロペラ攪拌機を用いて25℃、500rpmで20分間、水に分散させた場合の平均粒径のことを言う。例えばセオラスDX−2(商品名、旭化成ケミカルズ
株式会社製)が、このような平均粒径10μm以下の要件を満たした微結晶セルロース製剤である。微結晶セルロース製剤の粒径は、強力な攪拌機、例えばエースホモジナイザー(日本精機製AM−T)などにより、10000回転/分以上の回転数で5分程度分散した粒径をさすことが多いが、この条件は非常に強い分散条件であるため、粒状食品を温水に分散させる際にかかる攪拌力よりも遥かに強いものである。よって平均粒径10μm以下の微結晶セルロース製剤を粒状食品に配合することは、分散性の改善に好ましい。
ところで、天然添加物ではない増粘安定剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)と複合化した微結晶セルロース製剤もある。この微結晶セルロース製剤を粒状食品に配合すると、温水に分散する際に合成糊料由来の粘稠性が発現し、食感を損なうため好ましくない。
微結晶セルロース製剤(固形分)の配合量は、粒状食品(固形分)100質量%のうち0.3〜10質量%、好ましくは0.5〜7質量%、さらに好ましくは0.7〜5質量%である。0.3質量%未満では粒状食品の流動性が不足し、分散性が不足し、10質量%を超えると分散液が粘稠になり食感を損なうため好ましくない。
粒状食品に微結晶セルロース製剤を含有させる方法は、特に限定はないが、微結晶セルロース製剤が偏在しないようにすることは、必要である。食品素材と予め混合し、結合液を噴霧しながら造粒する方法は好ましい方法の一つである。また、微結晶セルロース製剤を含む粉体の食品素材を流動層に投入し、液状の油脂を噴霧しながら造粒後、更に結合剤を含んだ水溶液で造粒する方法も流動性を向上させる好ましい方法の一つである。
また、本発明では部分アルファー化澱粉を微結晶セルロース製剤と併用すると、より流動性が向上し、分散性が向上するため好ましい。粒状食品(固形分)100質量%のうち、部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜20質量%配合することが好ましい。より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。
ここでいう部分アルファー化澱粉とは、澱粉を湿熱処理により部分的にアルファー化したものである。その原料は特に制限はなく、とうもろこし澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉などいずれの澱粉原料でもよい。部分アルファー化澱粉のなかでも、外殻薄膜構造が残ったものが好ましい。具体的には冷水可溶分が6質量%以下のものが好ましい。冷水可溶分が6質量%以下のとき、糊成分の流出が少なく、良好な食感を維持できる。
また、本発明では微結晶セルロースを微結晶セルロース製剤と併用すると、より流動性が向上し、分散性が向上するため好ましい。粒状食品(固形分)100質量%のうち、微結晶セルロース(固形分)を1〜20質量%配合することが好ましい。より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。
ここでいう微結晶セルロースとは、例えば木材パルプ、精製リンターなどのセルロース系素材を、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解などにより解重合処理して得られる平均重合度30〜400、結晶性部分が10%を超えるものをいう。一般的に入手可能な結晶セルロースとしては例えば、セオラスFD−101、セオラスST−02、セオラスST−100、セオラスUF−F702、セオラスUF−F701(いずれも製品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)などを挙げることができる。
また、本発明では糖アルコール類を微結晶セルロース製剤と併用すると、より分散性が向上するため好ましい。粒状食品(固形分)100質量%のうち、糖アルコール類(固形分)を0.5〜20質量%配合することが好ましい。より好ましくは、5〜15質量%である。
糖アルコール類の種類に特に制限はないが、溶解度が高く、吸湿性の低い糖アルコール類が好ましい。例えば、トレハロース、ソルビトールは好ましい例である。
本発明の粒状食品の圧縮度は、50%以下が好ましい。より好ましくは40%以下である。
実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。なお、測定及び評価は以下の通りに行った。
<微結晶セルロース製剤の平均粒径[μm]>
(1)固形分濃度が1%、総量1300〜1700mlの水分散液となるようにサンプルと純水を2Lステンビーカーに量り取り、汎用攪拌翼かい十字(半径35mm)を取り付けたプロペラ攪拌機(スリーワンモーターHEIDON(商品名)BL−600)を用いて25℃、500rpmで20分間分散した。
(2)レーザー回折散乱装置(堀場製作所製 LA−910、超音波分散1分)により積算体積が50%になる値(メジアン径)を読み取り、平均粒径とした。
<粒状食品の圧縮度[−]>
パウダーテスター(ホソカワミクロン製)を用い、篩い目開き1.70mmを通してゆるみ嵩密度(g/cm)を測定する。その後、タッピング回数180回の条件で固め嵩密度(g/cm)を測定し、圧縮度は以下の式により求めた。
圧縮度=(固め嵩密度−ゆるめ嵩密度)/固め嵩密度
[製造例1]
60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら、結晶性セルロース80質量%とカラヤガム10質量%とデキストリン10質量%からなる乾燥状態のセルロース複合体(商品名:セオラスRC−N81、旭化成ケミカルズ(株)製)を1.35kg加えた後、分散助剤として、デキストリン(商品名:パインデックス#3、松谷化学工業(株)製)1.65kgを加え、さらに20分間攪拌した。この分散溶解液を高圧ホモジナイザー(APV社製)を用いて15MPaの圧力で2パスして混合処理したのち、スプレードライヤーを用いて入り口温度が90〜100℃、出口温度が70〜80℃の条件で噴霧乾燥して、易分散性の微結晶セルロース製剤Aを得た。この微結晶セルロース製剤Aは、分散助剤を加えて高圧ホモジナイザーで処理し、スプレードライで乾燥しているので、非常に分散し易い微結晶セルロース製剤である。微結晶セルロース製剤Aの平均粒径は8.0μmであった。
[製造例2]
60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら、結晶性セルロース75質量%とキサンタンガム5質量%とデキストリン20質量%からなる乾燥状態のセルロース複合体(商品名:セオラスRC−N30、旭化成ケミカルズ(株)製)を1.2kg加えた後、分散助剤として、デキストリン(商品名:パインデックス#3、松谷化学工業(株)製)1.8kgを加え、さらに20分間攪拌した。この分散溶解液を高圧ホモジナイザーを用いて15MPaの圧力で2パスして混合処理したのち、スプレードライヤーを用いて入り口温度が90〜100℃、出口温度が70〜80℃の条件で噴霧乾燥して、易分散性の微結晶セルロース製剤Bを得た。この微結晶セルロース製剤Bは、分散助剤を加えて高圧ホモジナイザーで処理し、スプレードライで乾燥しているので、非常に分散し易い微結晶セルロース製剤である。微結晶セルロース製剤Bの平均粒径は7.3μmであった。
[実施例1]
香味エキスパウダー(富士食品工業(株)製)14.5質量%、カレー粉(特製エスビーカレー、ヱスビー食品(株)製)10.5質量%、ソルビトール(物産フードサイエンス(株)製)14.0質量%、オニオンパウダー(池田糖化工業(株)製)3.0質量%、食塩(KSL、(株)日本海水製)3.0質量%、加工澱粉(スウェリージェル700、王子コーンスターチ(株)製)15.0質量%、キサンタンガム(サンエース、三栄源エフエフ・エフ・アイ(株)製)0.1質量%、平均粒径7.2μmの微結晶セルロース製剤(セオラス DX−2(結晶性セルロース36重量%とカラヤガム4.5重量%とデキストリン59.5重量%からなる乾燥状態のセルロース複合体)、旭化成ケミカルズ(株)製)3.0質量%、部分アルファー化澱粉(PCS FC−30、旭化成ケミカルズ(株)製)5.0質量%、微結晶セルロース(セオラス UF−F702、旭化成ケミカルズ(株)製)3.9質量%の割合で粉体として800gをビニール袋に入れ、3分間混合した。この混合粉体を流動層造粒乾燥装置((株)パウレック製、MP−01型)を用いて、スプレーノズル径1.2mm、ノズル先端1mm出し、スプレー位置はトップ(下段セット)、アトマイズ空気量40NL/分、バグフィルター種はテトロン織布、バグフィルター払い落とし圧力0.5MPa、給気温度設定60℃、風量0.4〜0.7m/分、結合液投入速度20g/分の条件で造粒した。なお、混合粉体を造粒する際の結合液としては、ラード(精製ラード、ミヨシ油脂(株)製)20質量%を50℃に加温し、溶融させた液体を噴霧後、造粒された混合粉体を排気温度が40℃になるまで給気を継続した。造粒された混合粉体は給気終了まで良好な流動性を示した。さらに、目開き:1400μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、粒状食品Aを得た。粗大粒子の割合は11.6%であった。
粒状食品Aは、ゆるみ嵩密度0.416g/cm、固め嵩密度0.672g/cm、圧縮度38%、水分3.0%であった。次に粒状食品A7.5gを70℃の温水100gに投入後、スプーンで10秒間撹拌し、投入から3分後の分散状態を観察したところ、中間に透明な層が僅かに生じ、その下部に懸濁層が生じたが、懸濁層の位置は高く、分散性は良好であり、分散液上層は油のコク、味が良好だった。
[実施例2]
装置をパルス流動層((株)パウレック製、PLS−01型)とした以外は、実施例1と同様に造粒した。造粒された混合粉体は給気終了まで良好な流動性を示した。さらに、目開き:1400μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、粒状食品Bを得た。粗大粒子の割合は、13.3%であった。
粒状食品Bは、ゆるみ嵩密度0.463g/cm、固め嵩密度0.633g/cm、圧縮度27%、水分4.2%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Bの分散液は、透明な層が殆ど発生せず、分散性は良好であり、分散液上層は油のコク、味が良好だった。
[実施例3]
香味エキスパウダー(富士食品工業(株)製)14.5質量%、カレー粉(特製エスビーカレー、ヱスビー食品(株)製)10.5質量%、ソルビトール(物産フードサイエンス(株)製)11.0質量%、オニオンパウダー(池田糖化工業(株)製)3.0質量%、食塩(KSL、(株)日本海水製)3.0質量%、加工澱粉(スウェリージェル700、王子コーンスターチ(株)製)15.0質量%、キサンタンガム(サンエース、三栄源エフエフ・エフ・アイ(株)製)0.1質量%、微結晶セルロース製剤A3.0質量%、部分アルファー化澱粉(PCS FC−30、旭化成ケミカルズ(株)製)5.0質量%、微結晶セルロース(セオラス UF−F702、旭化成ケミカルズ(株)製)3.9質量%の割合で粉体として770gをビニール袋に入れ、3分間混合した。この混合粉体を流動層造粒乾燥装置((株)パウレック製、MP−01型)を用いて、スプレーノズル径1.2mm、ノズル先端1mm出し、スプレー位置はトップ(下段セット)、アトマイズ空気量40NL/分、バグフィルター種はテトロン織布、バグフィルター払い落とし圧力0.5MPa、給気温度設定75℃、風量0.4〜0.7m/分、結合液投入速度20g/分の条件でラード(精製ラード、ミヨシ油脂(株)製)20質量%を50℃に加温し、溶融させた液体を噴霧した。ラード噴霧終了後、給気設定温度75℃とし、結合液投入速度17g/分の条件でソルビトール15質量%水溶液200g噴霧後、2分間乾燥した。造粒された混合粉体は乾燥終了まで良好な流動性を示した。さらに、目開き:1400μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、粒状食品Cを得た。粗大粒子の割合は0.8%であった。
粒状食品Cは、ゆるみ嵩密度0.433g/cm、固め嵩密度0.502g/cm、圧縮度14%、水分3.0%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Cの分散液は、透明な層が殆ど発生せず、分散性は良好であり、分散液上層は油のコク、味が良好だった。
[実施例4]
微結晶セルロース製剤Bとした以外は、実施例3と同様に造粒した。造粒された混合粉体は乾燥終了まで良好な流動性を示した。さらに、目開き:1400μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、粒状食品Dを得た。粗大粒子の割合は0.5%であった。
粒状食品Cは、ゆるみ嵩密度0.440g/cm、固め嵩密度0.515g/cm、圧縮度15%、水分3.4%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Dの分散液は、透明な層が殆ど発生せず、分散性は良好であり、分散液上層は油のコク、味が良好だった。
[比較例1]
香味エキスパウダー(富士食品工業(株)製)14.5質量%、カレー粉(特製エスビーカレー、ヱスビー食品(株)製)10.5質量%、ソルビトール(物産フードサイエンス(株)製)14.0質量%、オニオンパウダー(池田糖化工業(株)製)3.0質量%、食塩(KSL、(株)日本海水製)3.0質量%、加工澱粉(スウェリージェル700、王子コーンスターチ(株)製)15.0質量%、キサンタンガム(サンエース、三栄源エフエフ・エフ・アイ(株)製)0.1質量%、デキストリン(サンデック#300、三和澱粉工業(株)製)11.9質量%とした以外は、実施例1と同様に造粒した。造粒された混合粉体は、結合液噴霧終了直前から流動が悪化し、排気温度が40℃に到達する以前に流動しなくなった。さらに、目開き:1400μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、粒状食品Eを得た。粗大粒子の割合は8.9%であった。
粒状食品Eは、流動性が悪く篩いの上で目詰まりし、ゆるみ嵩密度、固め嵩密度が測定できなかった。水分2.8%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Eの分散液は、透明な層が発生し、分散性は不良であり、分散液上層は油のコクは感じたが、味が実施例1〜4より劣った。
[比較例2]
香味エキスパウダー(富士食品工業(株)製)14.5質量%、カレー粉(特製エスビーカレー、ヱスビー食品(株)製)10.5質量%、ソルビトール(物産フードサイエンス(株)製)14.0質量%、オニオンパウダー(池田糖化工業(株)製)3.0質量%、食塩(KSL、(株)日本海水製)3.0質量%、加工澱粉(スウェリージェル700、王子コーンスターチ(株)製)5.0質量%、キサンタンガム(サンエース、三栄源エフエフ・エフ・アイ(株)製)0.1質量%、デキストリン(サンデック#300、三和澱粉工業(株)製)25.0質量%、ラード(精製ラード、ミヨシ油脂(株)製)5質量%とし、結合液投入速度12g/分の条件とした以外は、実施例1と同様に造粒した。造粒された混合粉体は給気終了まで良好な流動性を示した。さらに、目開き:1400μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、粒状食品Fを得た。粗大粒子の割合は、1.9%で
あった。
流動食品Fは、ゆるみ嵩密度0.387g/cm、固め嵩密度0.653g/cm、圧縮度41%、水分4.5%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Fの分散液は、透明な層が発生し、分散性は不良であり、分散液上層は油のコクが弱く、味も実施例1〜4より劣った。
本発明は粒状食品の流動性を向上し、温水に分散させる場合の分散性を向上するため、粒状食品に好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 粒状食品(固形分)100質量%のうち、油脂を10〜40質量%を含有し、天然添加物の増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%を含有することを特徴とする粒状食品。
  2. さらに部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜20質量%を含有することを特徴とする、請求項1に記載の粒状食品。
  3. さらに微結晶セルロース(固形分)を1〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の粒状食品。
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