JP5888845B2 - 易分散性粒状食品 - Google Patents
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(1)粒状食品(固形分)100質量%のうち、天然添加物の増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%を含有することを特徴とする粒状食品。
(2)さらに部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜20質量%を含有することを特徴とする、(1)に記載の粒状食品。
(3)糖アルコール(固形分)を0.5〜15質量%を含有することを特長とする、(1)又は(2)に記載の粒状食品。
本発明の粒状食品に使用可能な原料としては、薬事法に規定する医薬品及び医薬部外品を除く全ての飲食物に使用される素材を単独、または、複数組み合わせて使用することができる。特に、粒子径が小さい粉末で、そのままでは水に分散させにくい物質や複数の素材を組み合わせる場合で含有量に差がある場合などは好ましい例である。
微結晶セルロース製剤の例としては、セオラスRC−N81(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)、セオラスRC−N30(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)、セオラスDX−2(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
糖アルコールの種類に特に制限はないが、溶解度が高く、吸湿性の低い糖アルコールが好ましい。例えば、ソルビトール、トレハロースは好ましい例である。
更に、本発明では、粒状食品の分散助剤として、界面活性剤を併用することも好ましい例である。
(1)固形分濃度が1%、総量1300〜1700mlの水分散液となるようにサンプルと純水を2Lステンビーカーに量り取り、汎用攪拌翼かい十字(半径35mm)を取り付けたプロペラ攪拌機(スリーワンモーターHEIDON(商品名)BL−600)を用いて25℃、500rpmで20分間分散した。
(2)レーザー回折散乱装置(堀場製作所製 LA−910、超音波分散1分)により積算体積が50%になる値(メジアン径)を読み取り、平均粒径とした。
ロータップ式篩振盪機((株)平工製作所製、シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801−1987)を用いて試料30gを15分間篩分することにより粒度分布を測定し、その累積50重量%の粒度を平均粒径として表す。
第15改正日本薬局方結晶セルロースのかさ密度を用いた。
杉原式安息角測定装置を用いた。
60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら、結晶性セルロース80質量%とカラヤガム10質量%とデキストリン10質量%からなる乾燥状態のセルロース複合体(商品名:セオラスRC−N81、旭化成ケミカルズ(株)製)を1.35kg加えた後、分散助剤として、デキストリン(商品名:パインデックス#3、松谷化学工業(株)製)1.65kgを加え、さらに20分間攪拌した。この分散溶解液を高圧ホモジナイザー(APV社製)を用いて15MPaの圧力で2パスして混合処理したのち、スプレードライヤーを用いて入り口温度が90〜100℃、出口温度が70〜80℃の条件で噴霧乾燥して、易分散性の微結晶セルロース製剤Aを得た。この微結晶セルロース製剤Aは、分散助剤を加えて高圧ホモジナイザーで処理し、スプレードライで乾燥しているので、非常に分散し易い微結晶セルロース製剤である。
乳蛋白(MPC480、フォンテラジャパン(株)製)50質量%、デキストリン(サンデック#70、三和澱粉工業(株)製)32質量%、部分アルファー化澱粉(PCS FC−30、旭化成ケミカルズ製)10質量%、ソルビトール(物産フードサイエンス(株)製)4.5質量%、微結晶セルロース製剤Aを2質量%の割合で固形分として492.5gをビニール袋に入れ、3分間混合した。この混合粉体を転動流動コーティング装置((株)パウレック製、「マルチプレックス」MP−01型)の流動層カラムを用いて、スプレーノズル径1.2mm、ノズル先端1mm出し、スプレー位置はトップ(中段セット)、スプレー圧力0.12MPa、スプレー流量30L/分、バグフィルター種はフィルト、バグフィルター払い落とし圧力0.65MPa、給気温度設定80℃、風量30〜45m3/時、結合液投入速度13g/分の条件で造粒した。なお、混合粉体を造粒する際の結合液としては、ソルビトール15重量%を用い、50g(ソルビトールの固形分:7.5g)噴霧後、造粒された混合粉体を排気温度が40℃になるまで乾燥させた。さらに、目開き:500μmの篩で篩過して粗大粒子を取り除き、粒状食品Aを得た。粗大粒子の割合は0.4%であった。
デキストリン29質量%、微結晶セルロース製剤Aを5質量%とした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状食品Bを得た。粗大粒子の割合は、0.1%であった。粒状食品Bは、安息角39度、かさ密度0.294g/cm3、平均粒径139μm、水分4.2%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Bの分散液は、ザラツキ感3、粘稠感5であり、分散性は良好だった。
乳蛋白50質量%、デキストリン38質量%、部分アルファー化澱粉10質量%、微結晶セルロース製剤Aを1質量%の割合で固形分として495gをビニール袋に入れ、3分間混合した。結合液はソルビトール5重量%とし、100g(ソルビトールの固形分:5g)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状食品Cを得た。粗大粒子の割合は、0.4%であった。粒状食品Cは、安息角46度、かさ密度0.257g/cm3、平均粒径173μm、水分4.9%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Cの分散液は、ザラツキ感3、粘稠感4であり、分散性は良好だった。
微結晶セルロース製剤A1質量%をセオラスRC−N81(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)2質量%に変え、デキストリンを37質量%に変えた以外は、実施例3と同様に造粒し、粒状食品Dを得た。粗大粒子の割合は、0.5%であった。粒状食品Dは、安息角47度、かさ密度0.244g/cm3、平均粒径182μm、水分5.0%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Dの分散液は、ザラツキ感3、粘稠感5であり、分散性は良好だった。
乳蛋白70質量%、デキストリン9%、微結晶セルロース製剤A5質量%に変えた以外は実施例1と同様に造粒し、粒状食品Eを得た。粗大粒子の割合は0.2%であった。粒状食品Eは、安息角39度、かさ密度0.307g/cm3、平均粒径116μm、水分4.6%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Eの分散液は、ザラツキ感3、粘稠感4であり、分散性は良好だった。
乳蛋白50質量%、デキストリン26.8質量%、部分アルファー化澱粉15質量%、微結晶セルロース製剤A8質量%の割合で固形分として499gをビニール袋に入れ、3分間混合した。結合液はグァガム(VIDOCREM A、ユニテックフーズ(株)製)0.2重量%とし、100g(グァガムの固形分:1g)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状食品Fを得た。粗大粒子の割合は、1.5%であった。粒状食品Fは、安息角42度、かさ密度0.260g/cm3、平均粒径178μm、水分4.9%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Fの分散液は、ザラツキ感3、粘稠感3であり、分散性は良好だった。
乳蛋白50質量%、デキストリン40質量%、微結晶セルロース製剤A9質量%の割合で固形分として495gをビニール袋に入れ、3分間混合した。結合液はデキストリン1重量%とし、100g(デキストリンの固形分:5g)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状食品Gを得た。粗大粒子の割合は、3.2%であった。粒状食品Gは、安息角39度、かさ密度0.281g/cm3、平均粒径224μm、水分4.5%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Gの分散液は、ザラツキ感3、粘稠感3であり、分散性は良好だった。
乳蛋白50質量%、デキストリン47質量%、グァガム2.8質量%の割合で固形分として499gをビニール袋に入れ、3分間、手で混合した。結合液はグァガム1重量%とし、100g(グァガムの固形分:1g)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状食品Hを得た。粗大粒子の割合は、4.8%であった。粒状食品Hは、安息角47度、かさ密度0.236g/cm3、平均粒径262μm、水分6.4%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Hの分散液は、ザラツキ感1、粘稠感1であり、分散性は良くなかった。
乳蛋白50質量%、デキストリン47質量%、ソルビトール2質量%の割合で固形分として495gをビニール袋に入れ、3分間、手で混合した。結合液はソルビトール10重量%とし、50g(ソルビトールの固形分:5g)とした以外は、実施例1と同様に造粒し、粒状食品Iを得た。粗大粒子の割合は、3.5%であった。粒状食品Iは、安息角42度、かさ密度0.250g/cm3、平均粒径247μm、水分5.2%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Iの分散液は、ザラツキ感2、粘稠感4であり、分散性は良くなかった。
微結晶セルロース製剤Aを、合成添加物であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)を含んだ微結晶セルロース製剤であるセオラスRC−591(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)に変えた以外は、実施例2の方法と同様に造粒し、粒状食品Jを得た。粗大粒子の割合は、1.2%であった。粒状食品Jは、安息角40度、かさ密度0.302g/cm3、平均粒径204μm、水分4.5%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Jの分散液は、ザラツキ感2、粘稠感2であり、分散性は良くなかった。
デキストリン14質量%とし、微結晶セルロース製剤Aを配合しない以外は、実施例5と同様に造粒し、粒状食品Kを得た。粗大粒子の割合は、0.8%であった。粒状食品Kは、安息角45度、かさ密度0.295g/cm3、平均粒径135μm、水分3.9%であった。実施例1と同様の方法で実施した粒状食品Kの分散液は、ザラツキ感1、粘稠感2であり、分散性は良くなかった。
Claims (7)
- 乳蛋白を含む食品素材を含有する粒状食品(固形分)100質量%のうち、天然添加物の増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%含有し、該微結晶セルロース製剤が微結晶セルロースと増粘安定剤とを複合体化したもの、または微結晶セルロースと増粘安定剤とデキストリンとを複合体化したものであって、該増粘安定剤1〜20質量%を含み、該微結晶セルロース製剤と該食品素材とを予め混合し結合液を噴霧しながら造粒する方法によって製造されたものであることを特徴とする乳蛋白を含む食品素材を含有する粒状食品。
- 前記増粘安定剤がカラヤガム、またはキサンタンガムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の粒状食品。
- 前記微結晶セルロース製剤に含有されるデキストリン以外に、デキストリンを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の粒状食品。
- さらに部分アルファー化澱粉(固形分)を1〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒状食品。
- 糖アルコール(固形分)を0.5〜15質量%含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状食品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の粒状食品の製造方法であって、天然添加物の増粘安定剤を含む微結晶セルロース製剤(固形分)を0.3〜10質量%と乳蛋白を含む食品素材とを予め混合する工程、転動流動コーティング装置の流動層カラムを用いて該混合粉体に結合液を噴霧しながら造粒する工程を含むことを特徴とする乳蛋白を含む食品素材を含有する粒状食品の製造方法。
- 前記結合液がソルビトールの水溶液であることを特徴とする請求項6記載の粒状食品の製造方法。
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