JP2018174722A - タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法 - Google Patents

タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018174722A
JP2018174722A JP2017074310A JP2017074310A JP2018174722A JP 2018174722 A JP2018174722 A JP 2018174722A JP 2017074310 A JP2017074310 A JP 2017074310A JP 2017074310 A JP2017074310 A JP 2017074310A JP 2018174722 A JP2018174722 A JP 2018174722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
containing beverage
cellulose
mass
beverage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017074310A
Other languages
English (en)
Inventor
晴子 小籏
Haruko Obata
晴子 小籏
山崎 有亮
Yusuke Yamazaki
有亮 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2017074310A priority Critical patent/JP2018174722A/ja
Priority to CN201711177584.XA priority patent/CN108684998A/zh
Publication of JP2018174722A publication Critical patent/JP2018174722A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L2/00Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation
    • A23L2/38Other non-alcoholic beverages
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C11/00Milk substitutes, e.g. coffee whitener compositions
    • A23C11/02Milk substitutes, e.g. coffee whitener compositions containing at least one non-milk component as source of fats or proteins
    • A23C11/10Milk substitutes, e.g. coffee whitener compositions containing at least one non-milk component as source of fats or proteins containing or not lactose but no other milk components as source of fats, carbohydrates or proteins
    • A23C11/103Milk substitutes, e.g. coffee whitener compositions containing at least one non-milk component as source of fats or proteins containing or not lactose but no other milk components as source of fats, carbohydrates or proteins containing only proteins from pulses, oilseeds or nuts, e.g. nut milk
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C9/00Milk preparations; Milk powder or milk powder preparations
    • A23C9/152Milk preparations; Milk powder or milk powder preparations containing additives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L2/00Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation
    • A23L2/52Adding ingredients
    • A23L2/66Proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/17Amino acids, peptides or proteins
    • A23L33/185Vegetable proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Dairy Products (AREA)

Abstract

【課題】室温よりも高い温度での充填により製造され、ゲル化が抑制されたタンパク質含有飲料の製造方法の提供。室温よりも高い温度での充填により製造されるタンパク質含有飲料のゲル化抑制方法の提供。【解決手段】タンパク質含有飲料の製造方法は、セルロース及びジェランガムを配合し、タンパク質含有飲料を調製する工程1と、前記工程1後のタンパク質含有飲料を殺菌し、40℃以上の液温で充填する工程2と、を備える方法である。タンパク質含有飲料のゲル化抑制方法は、セルロース及びジェランガムを配合し、40℃以上の液温で充填する方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法に関する。
従来から、飲料の懸濁安定や粘度付与を目的として、乳成分を含有する飲料にセルロース及びジェランガムが配合されてきた。特に、乳成分を含有する飲料に豆類や穀物類を配合したタンパク質を高濃度含有する飲料において、セルロース及びジェランガムは口当たりがよく安定性を付与する目的で使用されてきた。
特許文献1には、穀物類及び乳成分を含有する飲料及びその製造方法が開示されている。具体的には、牛乳、穀物粉、甘味物質、安定剤、緩衝塩、食用エッセンスを所定量含む穀物類及び乳成分を含有する飲料及びその製造方法が開示されており、前記飲料は20℃で充填されている。特許文献1では、セルロース又はジェランガムを使用することで、風味や口当たりが良好で、飲料の安定性が得られると記載されている。
特許文献2には、複合化したタンパク質含有飲料及びその製造方法が開示されている。具体的には、玄米及び乾燥スキムミルクを含む、pHが7.0〜7.4でタンパク質含有量が0.7〜1.5質量%であるタンパク質及び乳成分含有飲料が開示されている。また、その製造方法としては、玄米を水で解プロセスし、糖化酵素及びプロテアーゼを得る工程を経て、その他原料と混合、均質化、及び殺菌(130〜150℃で2〜30秒)することが開示されている。充填は、10〜30℃で実施されることが開示されており、この飲料は、口当たりと栄養バランスに優れる。また、安定剤として、ジェランガム、微結晶セルロース(Microcrystalline Cellulose;MCC)、及びカラギーナンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含むことが記載されている。
特許文献3には、加水分解オート麦及び乳成分を含有する飲料、並びにその製造方法が開示されている。安定剤としては、MCC、ジェランガム、及びアルギン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含むことが開示されている。また、得られる飲料は、口当たりがよく懸濁安定性が付与されていることが記載されている。
中国特許出願公開第104686667号明細書 中国特許出願公開第105410189号明細書 中国特許出願公開第103891897号明細書
特許文献1には、膨化処理した穀物を配合することにより、良好な風味や口当たりを有する穀物類及び乳成分を含有する飲料及びその製造方法が記載されている。特許文献2には、加水処理した玄米及び乳成分を含有する飲料、並びにその製造方法が記載されている。特許文献3には、口当たりがよく懸濁安定性が付与された加水分解オート麦及び乳成分を含有する飲料及びその製造方法が記載されている。
上記特許文献1〜3に記載されているように、タンパク質含有飲料を殺菌後、室温以下、且つ、無菌状態で充填した場合は問題ない。しかしながら、室温よりも高い温度で充填すると、特に常温保存時に徐々にゲル化し、滑らかな食感と流動性とが維持できず、長期間保存できないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、室温よりも高い温度での充填により製造され、ゲル化が抑制されたタンパク質含有飲料の製造方法を提供する。また、室温よりも高い温度での充填により製造されるタンパク質含有飲料のゲル化抑制方法を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、タンパク質含有飲料にセルロース及びジェランガムを併用することで、室温より高い液温で充填した場合において、タンパク質含有飲料のゲル化を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るタンパク質含有飲料の製造方法は、セルロース及びジェランガムを配合し、タンパク質含有飲料を調製する工程1と、前記工程1後のタンパク質含有飲料を殺菌し、40℃以上の液温で充填する工程2と、を備える方法である。
前記タンパク質含有飲料における前記セルロースの含有量が0.02質量%以上であってもよい。
前記タンパク質含有飲料における前記セルロースの含有量に対する前記ジェランガムの含有量の質量比が、0.005以上0.8以下であってもよい。
前記タンパク質含有飲料が、さらに、豆類、種子類、及び穀物類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
前記工程2において、前記タンパク質含有飲料を耐熱容器に充填してもよい。
前記タンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25))が2.0以下であり、且つ、前記貯蔵剪断弾性率G’(25)が0.5Pa以下であってもよい。
本発明の第2態様に係るタンパク質含有飲料のゲル化抑制方法は、セルロース及びジェランガムを配合し、40℃以上の液温で充填する方法である。
上記態様によれば、室温よりも高い温度での充填により製造され、ゲル化が抑制されたタンパク質含有飲料の製造方法を提供することができる。また、室温よりも高い温度での充填により製造されるタンパク質含有飲料のゲル化抑制方法を提供することができる。
<<タンパク質含有飲料の製造方法>>
本実施形態に係るタンパク質含有飲料の製造方法は、セルロース及びジェランガムを配合し、タンパク質含有飲料を調製する工程1と、前記工程1後のタンパク質含有飲料を殺菌し、40℃以上の液温で充填する工程2と、を備える方法である。
従来のタンパク質含有飲料の製造方法では、撹拌、均質化、及び殺菌等の工程を経た飲料について、40℃以上の液温で充填すると、経時的に増粘し、さらにはゲル化することがあった。
これに対し、本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法によれば、保存時でのゲル化が抑制されており、沈殿が防止されたタンパク質含有飲料が得られる。また、得られたタンパク質含有飲料は、口どけがよくなめらかな食感(喉越し)を維持することができる。また、得られたタンパク質含有飲料は香り立ちがよく、懸濁安定性に優れ、長期保存が可能である。
なお、本明細書において、「ゲル化」とは、ゲル又はゾルのように飲料が流動性を失った状態を意味する。ゲル化のメカニズムは様々である。例えば、分子が絡まりあい、分子同士が接着することで網目のような構造(以下、「網目状ネットワーク」と称する場合がある。)が形成される場合がある。又は、例えば、分子同士が結合(架橋)することで、その部分を基点として網目状ネットワークを構築して形成される場合がある。又は、例えば、澱粉、寒天、ペクチン等のように、高温では、均一に分散した流動性のある液体であって、多糖類分子がランダムな状態で分散しているが、冷却すると温度の低下と共に、分子間の相互作用が著しく上昇して、分子鎖同士が絡まりあうため架橋点(水素結合)ができることで網目状ネットワークが形成される場合がある。又は、例えば、メチルセルロース等のように、高温において熱運動のために水和状態が減り、疎水基の結合が起きることで網目状ネットワークが形成される場合がある。又は、例えば、カードラン、タンパク質等のように、熱により不可逆性のゲルが形成される場合がある。
本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法では、タンパク質含有飲料の保存時に徐々に形成されるゲル化を抑制することができる。後述のとおり、本発明者らは、タンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25))を制御することにより、ゲル化を抑制できることを見出した。そのため、ゲル化のメカニズムは一つに絞られないが、水素結合がトリガーとなっている可能性が考えられる。
本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法について、以下に詳細を説明する。
<工程1>
まず、セルロース及びジェランガムを配合し、タンパク質含有飲料を調製する。具体的には、例えば、水に原材料を投入し、これを撹拌して製造する。より具体的には、例えば、まず、80℃に調温した水に、あらかじめ混合した原料を投入する。次いで、スリーワンモーターを用いて、原料を均一に分散させる。次いで、圧力式ホモジナイザー(マントンゴーリンリンホモジナイザー)等を用いて、約20MPa程度の圧力で均質化することで、タンパク質含有飲料を調製する。さらに、調製されたタンパク質含有飲料を殺菌してもよく、長期保存のためには、殺菌することが好ましい。
本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料が含む原料について、以下に詳細に説明する。
[タンパク質]
本明細書における「タンパク質」とは、L−アミノ酸が鎖状に多数連結(重合)してできた高分子化合物を意味する。タンパク質は、構成するアミノ酸の数や種類、又は結合の順序によって種類が異なり、分子量約4000前後のものから、数千万から億単位になるものまで多種類が存在する。本実施形態におけるタンパク質は、過食できるものであればよく、連結したアミノ酸の個数が少ない「ペプチド」、ペプチドが直線状に連なった「ポリペプチド」も包含される。また、本実施形態におけるタンパク質は、動物由来であってもよく、植物由来であってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。中でも、本実施形態におけるタンパク質は、動物由来又は植物由来の乳成分含有原料であることが好ましい。
(乳成分含有原料)
本明細書における「乳成分含有原料」としては、動物由来及び植物由来いずれの乳成分含有原料も包含する。
前記動物としては、例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ等が挙げられ、これらに限定されない。
前記植物としては、例えば、豆類、種子類、穀物類等が挙げられ、これらに限定されない。
乳成分含有原料としてより具体的には、例えば、牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、練乳、乳脂肪、生クリーム、コンデンスミルク、ヨーグルト、チーズ等の動物由来の乳成分含有原料;豆乳等の豆類由来の乳成分含有原料、ココナッツミルク、アーモンドミルク、ピーナッツミルク等の種子類由来の乳成分含有原料、粥(Rice milk)等の穀物由来の乳成分含有原料等の植物由来の乳成分含有原料等が挙げられ、これらに限定されない。乳成分含有原料は、液体であってもよく、固体であってもよい。
中でも、入手しやすさと取扱いやすさから、本実施形態におけるタンパク質の由来となる乳成分含有原料は、牛乳、前脂粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、豆乳、又はココナッツミルクであることが好ましい。
(豆類、種子類、及び穀物類)
本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料は、上記乳成分含有原料に加えて、さらに、豆類、種子類、及び穀物類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらを含有することで、本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料はタンパク質含有量をより高めることができる。
・豆類
本明細書における「豆類」としては、可食のマメ科植物の種子を意味する。豆類は、タンパク質を多く含み、これは、マメ科植物の根に存在する根粒菌が、空気中に多量に存在する窒素を、植物がアミノ酸(タンパク質)合成に直接使うことができる形(例えば、アンモニア等)へ変換(固定化)することによるものである。豆類として具体的には、例えば、ヒヨコマメ、ガルバンゾ、チャナ・ダール、レンズマメ、マスール・ダール、エンドウ、ソラマメ、ルピナス、ハウチワマメ、アルファルナ、大豆、緑豆、ケツルアズキ、ウラド・ダール、アズキ、ツルアズキ、ファン・ドウ、モス・ビーン、キマメ、ラチルス、グラスピー、フジマメ、シカクマメ、ササゲ、バンバラマメ、インゲンマメ、サンドマメ、サヤインゲン、アオイマメ、リママメ、テパリー・ビーン、ベニバナインゲン、ハナマメ、ラッカセイ、ピーナッツ等が挙げられ、これらに限定されない。また、カカオ、コーヒー等も豆類に包含される。また、これらの豆類を1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料に含まれる豆類としては、入手と取扱いしやすさから、ヒヨコマメ、レンズマメ、ソラマメ、大豆、緑豆、アズキ、ラッカセイ、又はピーナッツであることが好ましい。
豆類の形状は、乾燥した豆類の元来の形状でもよく、細かく粉砕した状態でもよく、ペースト状でもよく、オイル状でもよく、これらに限定されない。中でも、豆類の形状は、加工しやすい点から、粉砕状、ペースト状、又はオイル状であることが好ましい。
・種子類
本明細書における「種子類」としては、殻に覆われた可食種子であり、植物学的には主旨を1個のみ含む果実を意味する。穀類や豆類と比較して一般的に大きさが大きく、脂肪分を多く含み、ほとんど調理せずに喫食できる(栄養摂取できる)。種子類として具体的には、例えば、アーモンド、ピーナッツ、ブラジルナッツ、カシューナッツ、クリ、ココナッツ(果肉)、アマの種子、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピーカンナッツ、マツの実、ピスタチオ、ケシの実、ゴマ、ヒマワリの種、クルミ、チアシード等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらの種子類を1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料に含まれる種子類としては、入手しやすさと取扱いやすさから、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、クリ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ゴマ、ヒマワリの種、又はクルミであることが好ましい。
種子類の形状は、乾燥した種子の元来の形状でもよく、細かく粉砕した状態でもよく、ペースト状でもよく、オイル状でもよく、これらに限定されない。中でも、種子類の形状は、加工しやすい点から、粉砕状、ペースト状、又はオイル状であることが好ましい。
・穀物類
本明細書における「穀物類」としては、穀物植物の可食部で、一般には穀粒(グレイン、カーネル)と呼ばれる部分を意味する。穀物類として具体的には、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、白米、玄米、ワイルド・ライス、トウモロコシ、フォニオ、アワ、キビ、ソルガム、テフ、ライコムギ、アマランス、ソバ、キノア(キヌア)等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらの穀物類を1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料に含まれる穀物類としては、入手しやすさと取扱いやすさから、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、白米、玄米、又はトウモロコシであることが好ましい。
穀物類の形状は、乾燥した種子の元来の形状でもよく、細かく粉砕した状態でもよく、ペースト状でもよく、オイル状でもよく、これらに限定されない。中でも、穀物類の形状は、加工しやすい点から、粉砕状であることが好ましい。
(タンパク質の含有量)
本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料におけるタンパク質の含有量の下限値は、特別な限定はなく、例えば0.1質量%以上であればよく、例えば1.5質量%以上であればよい。一方、本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料におけるタンパク質の含有量の上限値は、特別な限定はなく、例えば10質量%以下であればよく、例えば8質量%以下であればよい。
なお、本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料におけるタンパク質の含有量を測定する方法としては、例えば、配合比から計算する方法、又は公知の方法を用いて定量する方法等が挙げられる。前記公知のタンパク質の定量方法としては、例えば、Bicinchoninic Acid(BCA)法、Bradford法、Lowry法等が挙げられ、これらに限定されない。
[セルロース]
本明細書における「セルロース」は、当業者に通常受け入れられている定義に基づくセルロース、すなわち、D−グルコピラノースがβ1−4結合で連なった構造を持つ多糖類の総称(以下、「通常のセルロース」と称する場合もある。)に加えて、後述する結晶セルロース複合体、及び微細繊維状セルロース複合体、並びにそれらの混合物を包含する。
また、「セルロース原料」とは、タンパク質含有飲料に含まれる原料のうち、セルロースを含有するものを意味する。セルロース原料は、粉末状、顆粒状等の固形物であってもよく、水系媒体にセルロースを分散させた分散液であってもよい。
(物性)
・平均重合度
本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料に含まれるセルロースの平均重合度としては、特別な限定はない。なお、セルロースの平均重合度は、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)の確認試験(3)に記載の銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従って測定することができる。
・粒子形状
本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料に含まれるセルロースの粒子形状は、微細な粒子形状であってもよい。
なお、セルロースの水分散体中の粒子形状は、以下に示す方法により測定することができる。まず、0.1質量%のセルロースを含有する純水懸濁液を調製する。次いで、高剪断ホモジナイザー(日本精機製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」、処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させる。次いで、得られた水分散体を、デジタルマイクロスコープ(ハイロックス製、商品名「HIROX KH−1300」)で形状観察した際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)との比(L/D)を粒子形状の指標とし、100〜150個のセルロース粒子の平均値として算出される値を採用すればよい。なお、L/Dの値が大きいほど、セルロースは細長い形状であることを意味する。
本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料に含まれるセルロースが微細な粒子形状である場合、セルロースのL/Dは、9以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、5以下であることが特に好ましい。セルロースのL/Dは、1より大きいことが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。セルロースのL/Dが上記範囲内であることにより、タンパク質含有飲料は、喫食した際にざらつきを感じにくく、喉越しが優れる傾向にある。
(セルロース原料)
・通常のセルロース
本実施形態における通常のセルロースは、草木類、微生物、動物等から得られる天然セルロースであってもよく、化学的に合成された合成セルロースであってもよい。前記天然セルロースとしては、例えば、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質が挙げられる。本実施形態の製造方法で得られるタンパク質含有飲料に含まれる通常のセルロースは、これらのうち、1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。一般に入手できる通常のセルロースとして具体的には、例えば、セルロースフロック、結晶セルロース等の粉末形態である通常のセルロース(以下、「粉末セルロース」と称する場合がある。)が挙げられる。
・粉末セルロース(粉末形態である通常のセルロース)
本実施形態における「粉末セルロース」とは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを処理した後、精製し、機械的に粉砕したものを意味する。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の「粉末セルロース」に該当するものであり、粉末セルロースの平均重合度は、440より大きいと規定されている。粉末セルロースとして具体的には、例えば、日本製紙製の「KCフロックシリーズ」等が挙げられる。
・結晶セルロース
本実施形態における「結晶セルロース」とは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを酸で部分的に解重合し、精製したものを意味する。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の「結晶セルロース」に該当するものである。結晶セルロースの平均重合度は、350以下であることが好ましく、他の食品素材との馴染みがよいため、300以下であることがより好ましい。
セルロースの平均重合度を制御する方法としては、加水分解処理等が挙げられる。加水分解処理によって、セルロース繊維質内部の非晶質セルロースの解重合が進み、平均重合度が小さくなる。
前記加水分解処理の方法は、例えば、酸加水分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン、マイクロ波分解等が挙げられ、これらに限定されない。これらの方法は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸加水分解の方法では、例えば、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを水系媒体に分散させた状態で、プロトン酸、カルボン酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸等を適量加え、攪拌させながら、加温することにより、容易に平均重合度を制御できる。この際の温度、圧力、時間等の反応条件は、セルロース種、セルロース濃度、酸種、酸濃度により異なるが、目的とする平均重合度が達成されるよう適宜調整すればよい。より具体的には例えば、2質量%以下の鉱酸水溶液を使用し、100℃以上、加圧下で、10分間以上セルロースを処理するという条件が挙げられる。この条件のとき、酸等の触媒成分がセルロース繊維内部まで浸透し、加水分解が促進され、使用する触媒成分量が少なくなり、その後の精製も容易になる。
また、結晶セルロースと粉末セルロースとでは、水に分散させたときの状態が異なる。セルロースを水に分散させ、ホモジナイザーで磨砕して分散液を作製し、その状態を目視観察して比較すると、結晶セルロースの水分散液では、全体が白色不透明なクリーム状を呈し分離が生じない。これに対し、粉末セルロースの水分散液では、分離が生じ上澄み液と沈殿とに分かれる。
水分散液状態の比較する方法としては、例えば、以下に示す方法で行えばよい。まず、セルロース含有量が10質量%となるように、水及びセルロースを量り取る。次いで、25℃雰囲気下にてTKホモミキサー(特殊機化工業(株)製、「MARK II」)を用いて12,000rpm、10分間撹拌して分散液を作製する。次いで、この分散液を高圧ホモジナイザー(APV製、「マントンゴーリンホモジナイザー」、圧力15MPa)処理する。次いで、得られた白色の懸濁液を、25℃で1時間静置後の懸濁安定状態で比較すればよい。
・結晶セルロース粉末
上記結晶セルロースは、粉末状態であってもよい。本明細書において、「結晶セルロース粉末」とは、結晶セルロースが粉末化されているものを意味し、前記「粉末セルロース」とは区別される。
結晶セルロース粉末の原料となる天然セルロースは、植物由来、動物由来、又は微生物由来であればよい。中でも、植物由来であることが好ましい。前記植物としては、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質が挙げられる。上記繊維質物質のうち1種を使用してもよく、2種以上を混合したものを使用してもよい。
また、天然セルロースは、精製パルプの形態で使用することが好ましい。パルプの精製方法に特別な限定はなく、例えば、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等のいずれのパルプを使用してもよい。
結晶セルロース粉末の平均粒子径(乾燥粉体、二次凝集体)は、20μm以上100μm以下であることが好ましい。結晶セルロース粉末の平均粒子径が上記範囲内であることにより、タンパク質含有飲料中に豆類、種子類等の固形分を含む場合、容易に馴染ませることができる。
なお、結晶セルロースの平均粒子径の測定方法は、乾燥粉体で二次凝集体の状態で結晶セルロース粉末を篩上で振とうさせ、分画し、粒径に対する重量頻度を測定する方法等、公知の篩分けによる方法により行うことができる。典型的には、まず、ロータップ式篩振盪機(平工作所製、シーブシェーカーA型)により、JIS標準篩(Z8801−1987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより分画する。次いで、得られた粒度分布における累積重量50%粒径を、結晶セルロースの乾燥粉体の平均粒子径とすればよい。
結晶セルロース粉末の製造方法としては、例えば、加水分解処理された天然セルロースを乾燥することにより得られる。この場合、加水分解処理により得られる反応溶液から、加水分解処理されたセルロースを含む固形分を単離し、これを適当な媒体に分散させて調製した分散液を乾燥してもよく、同加水分解溶液がそのままの状態でセルロース分散液を形成している場合は、この分散液を直接乾燥してもよい。
結晶セルロース粉末の製造方法において、加水分解処理されたセルロースを含む固形分を、その後適当な媒体に分散させる場合に用いられる媒体としては、工業的に使用されるものであれば特別な限定はなく、例えば、水及び有機溶剤のうち少なくともいずれかを使用してもよい。前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等が挙げられる。中でも、媒体として用いる有機溶剤としては、医薬品に使用されるものが好ましく、「医薬品添加剤事典2000」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものがより好ましい。
例えば、加水分解処理されたセルロースを含む固形分を、まず1種の媒体で一旦分散させた後、当該媒体を除去し、次いで異なる媒体に分散させてもよい。
結晶セルロース粉末の製造方法において、媒体に分散させて調製した分散液の乾燥方法としては、特別な限定はない。前記乾燥方法としては、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚段乾燥、気流乾燥、真空乾燥、有機溶剤と共に乾燥する乾燥方法等が挙げられる。
・セルロースの水分散液
本実施形態における「セルロースの水分散液」とは、上記粉末セルロース、上記結晶セルロース、又は上記結晶セルロース粉末等を水に分散させた溶液を意味する。
セルロースの水分散液の平均粒子径(一次粒子径)は、50μmより小さいことが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましく、11μm以下であることが特に好ましい。セルロースの水分散液の平均粒子径が上記上限値以下であることにより、タンパク質含有飲料に配合された際に、均一に分散しやすい。このため、ザラツキを感じにくく、喉越しが良好となり、成型性に優れるタンパク質含有飲料が得られる。また、セルロースの水分散液の平均粒子径が上記上限値を超える場合は、セルロースの水分散液を調整し、予め平均粒径を上記上限値以下にした状態でタンパク質含有飲料に添加する方法が好ましい。
一方、セルロースの水分散液の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、例えば、1μm以上とすることが可能である。
なお、本明細書において、「セルロースの水分散体の平均粒子径」とは、粒子全体の体積に対して、積算体積が50%になるときの粒子の球形換算直径のことを意味し、メジアン径とも呼ばれる。
セルロースの水分散体の平均粒子径の測定方法としては、例えば、以下に示す方法で行えばよい。まず、1質量%のセルロースの水分散液を試料として調製する。次いで、得られた試料に対して、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、商品名「LA−910」、超音波処理1分間、屈折率1.20)を用いたレーザー回折法により測定すればよい。次いで、レーザー回折法により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径を、上述のとおり、「セルロースの水分散液の平均粒子径」とすればよい。
また、測定に試料として用いるセルロースの水分散液は、例えば、以下に示す方法で調製すればよい。まず、固形分濃度が1%、分散液の総量が1,500mLとなるように、サンプルと純水とを2L容のSUSビーカーに量り取る。次いで、汎用撹拌翼かい十字(半径35mm)を取り付けたプロペラ攪拌機(スリーワンモーター、HEIDON製、BL−600)を用いて、25℃、500rpmで20分間分散して調製すればよい。
・結晶セルロース複合体
本明細書における「結晶セルロース複合体」とは、主成分である結晶セルロースに水溶性高分子が複合化されたものを意味する。ここで、「複合化」とは、結晶セルロースの表面が、水素結合等の化学結合により、水溶性高分子で被覆された形態を意味する。従って、結晶セルロース複合体は、結晶セルロース粉末と水溶性高分子とを単に混合した状態ではなく、水溶性高分子が結晶セルロース表面を被覆した状態である。そのため、結晶セルロース複合体を水系媒体中に分散させると、水溶性高分子が結晶セルロース表面から剥離することなく、表面から放射状に広がった構造を形成し、水中でコロイド状となる。このコロイド状で存在する結晶セルロース複合体は、それぞれの静電反発、立体反発、ファンデルワールス力等の相互作用によって、高次のネットワーク構造を形成することができる。
本明細書における「水溶性高分子」とは、親水性高分子物質であって、冷水及び温水のうち少なくともいずれかに溶解又は膨潤する物質のことを意味する。ここで「親水性」とは、常温のイオン交換水に、一部が溶解する特性を有することを意味する。「親水性」を定量的に定義すると、以下のとおりである。まず、水溶性高分子0.05gを、50mLのイオン交換水に、攪拌下(スターラーチップ等による)で平衡まで溶解させる。次いで、目開き1μmのメンブレンフィルターで処理した際に、該メンブレンフィルターを通過する成分が水溶性高分子中に1質量%以上含まれるとき、親水性を有すると判定される。
水溶性高分子は、乾燥時におけるセルロース同士の角質化を防止する作用を有するため、水溶性高分子と複合体化した結晶セルロース複合体は、他の粉末に対して均一に混合しやすく、水系媒体へも容易に分散しやすい。よって、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料において、タンパク質含有飲料のその他の原料にセルロースをより簡便に均一に混合できるため、結晶セルロース複合体を含有することが好ましい。
複合体を形成する結晶セルロースとしては、微細繊維状であってもよく、微粒子状であってもよい。中でも、複合体を形成する結晶セルロースとしては、微粒子状であることが好ましく、L/Dが9以下の微粒子であることがより好ましく、L/Dが7以下の微粒子であることがさらに好ましく、L/Dが6以下の微粒子であることがよりさらに好ましく、L/Dが5以下の微粒子であることが特に好ましい。
また、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料に含まれる結晶セルロース複合体としては、結晶セルロースと水溶性多糖類との複合体であることが好ましい。
前記水溶性多糖類としては、例えば、キサンタンガム、カラヤガム、ジェランガム、サイリウムシードガム、ローカストビーンガム、グアーガム、酵素分解グアーガム、タマリンドシードガム、クインスシードガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、カードラン、カラギーナン、ファーセルラン、プルラン、デキストラン、グルコマンナン、寒天、ゼラチン、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、水溶性大豆多糖類、キトサン、アゾトバクター・ビネランジーガム、アルギン酸及びその塩、セルロース誘導体等が挙げられる。
前記ペクチンとしては、HMペクチン及びLMペクチンのいずれであってもよい。
前記アルギン酸塩としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
結晶セルロースと複合体を形成する水溶性多糖類は、これら1種であってもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、結晶セルロースと複合体を形成する水溶性多糖類としては、陰イオン性多糖類であることが好ましい。一般に、「陰イオン性多糖類」とは、それを水中で分散又は溶解した際に、陽イオンが遊離し、それ自身が陰イオンとなるものを意味する。陰イオン性多糖類は、セルロースと複合化しやすく、このため得られた結晶セルロース複合体は、懸濁安定性が高い。よって、前記結晶セルロースは、タンパク質含有飲料中の成分と均一に混合しやすく、喉越しが良好な飲料が得られるため、好適である。
前記陰イオン性多糖類としては、例えば、キサンタンガム、カラヤガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、HMペクチン、LMペクチン等が挙げられる。これらの陰イオン性多糖類は、1種のみを結晶セルロースと複合化してもよく、2種以上を組み合わせて複合化してもよい。
中でも、陰イオン性多糖類としては、キサンタンガム、カラヤガム、ジェランガム、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
結晶セルロース複合体における結晶セルロースの含有量としては、20質量%以上99質量%以下であることが好ましく、30質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以上95質量%以下であることが特に好ましく、60質量%以上90質量%以下であることが最も好ましい。
また、結晶セルロース複合体における水溶性高分子の含有量としては、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、1質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
結晶セルロース及び水溶性高分子の含有量が上記範囲内であることにより、結晶セルロースと水溶性高分子との複合化が促進されやすく、タンパク質含有飲料中で結晶セルロースの凝集及び沈殿を抑制することができる。
結晶セルロース複合体の製造方法としては、例えば、混練工程において結晶セルロースと水溶性高分子とに機械的剪断力を与え、結晶セルロースを微細化させるとともに、結晶セルロース表面に水溶性高分子を複合化させることによって製造できる。結晶セルロースの微細化時には、水溶性高分子以外のその他の添加剤などを添加してもよい。特に親水性物質は、結晶セルロースと水溶性高分子とを複合化する工程において一緒に添加してもよく、複合体形成後に添加してもよい。混練工程で得られた混練物は、必要に応じ、乾燥される。本実施形態の製造方法において、タンパク質含有飲料に配合される結晶セルロース複合体は、上述の機械的剪断を経ていればよく、未乾燥のものであってもよく、乾燥されたものであってもよい。
機械的剪断力を与える方法としては、例えば、混練機等を用いて混練する方法等を適用することができる。前記混練機としては、ニーダー、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ライカイ機等が挙げられ、連続式でもよく、バッチ式でもよい。これらの混練機を単独で使用してもよく、2種以上の機種を組み合わせて使用してもよい。これらの混練機は、種々の用途における粘性要求等により、適宜選択すればよい。
セルロースと水溶性高分子との混練時の温度は、特別な限定はなく、20℃以上100℃以下であることが好ましく、30℃以上100℃以下であることがより好ましく、50℃以上100℃以下であることがさらに好ましい。混練時の温度が上記範囲内であることにより、結晶セルロースの磨砕及び水溶性高分子との複合化を容易に進めることができる。また、熱による水溶性高分子の劣化が抑制され、密度の高いネットワーク構造が形成された結晶セルロース複合体を得ることができる。また、混練の際の複合化反応や摩擦等により発熱する場合には、除熱しながら混練してもよい。温度を制御するために、ジャケット冷却、放熱等の除熱をしてもよい。
混練時の固形分含有量は、20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。混練時の固形分含有量が上記下限値以上であることにより、混練エネルギーが混練物に伝わりやすくなり、複合化が促進される。
一方、混練時の固形分含有量の上限値は特に限定されないが、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。混練時の固形分含有量が上記上限値以下であることにより、充分に混練することができ、均一な混練状態が得られる。
また、固形分含有量を上記範囲内とするために、水を添加するタイミングとしては、混練工程の前に必要量を加水してもよく、混練工程の途中で加水してもよく、全加水量から一部を振り分けて混練工程の前及び途中の両方において加水してもよい。
また、結晶セルロース複合体の製造方法において、上記混練工程より得られた混練物を乾燥する場合は、例えば、棚段式乾燥、噴霧乾燥、ベルト乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。
混練物を乾燥工程に供する場合には、混練物に水を添加せず、混練工程の固形分濃度を維持して、乾燥工程に供することが好ましい。乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率は、20質量%であることが好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率が上記上限値以下であることにより、べたつき、腐敗等の問題や、運搬又は輸送におけるコストの問題が生じにくくなる。
一方、乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましい。乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率が上記下限値以上であることにより、過剰乾燥による分散性の悪化を防ぐことができる。
また、乾燥工程後に得られた結晶セルロース複合体は、粉砕処理して粉体状にすることが好ましい。但し、乾燥方法として噴霧乾燥を用いた場合は、乾燥と粉末化とを同時に行うことができるため、粉砕処理を行う必要はない。
乾燥した結晶セルロース複合体を粉砕する場合、例えば、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の方法を用いることができる。粉砕する程度としては、粉砕処理したものが、好ましくは目開き1mmの篩いを全通する、より好ましくは目開き425μmの篩いを全通し、且つ、平均粒度(重量平均粒子径)が10μm以上250μm以下となるように粉砕すればよい。
・高分子物質ではない親水性物質
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料が含有するセルロースとしては、セルロースのみからなるものであってもよく、水系媒体への分散性を高める目的で、セルロースと共に高分子物質ではない親水性物質を含有するものであってもよい。前記親水性物質は、水系媒体中にセルロースを分散させた際の、崩壊剤、又は導水剤として機能する。従って、タンパク質含有飲料の他の原料と混合させる前に、セルロースを予め親水性物質と混合しておき、親水性物質で被覆されたセルロースを配合することにより、セルロースがタンパク質含有飲料中でより分散しやすくなる。
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料が含有するセルロースとしては、セルロース及び水溶性多糖類の結晶セルロース複合体と高分子物質ではない親水性物質とを含むものであることが好ましい。
本明細書において、「高分子物質ではない親水性物質」とは、冷水への溶解性が高く、粘性をほとんどもたらさない有機物質を意味する。高分子物質ではない親水性物質として具体的には、例えば、澱粉加水分解物、加工澱粉等の比較的低分子量の多糖類;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキストリン等のオリゴ糖類;ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類;マルチトール、ソルビット、エリスリトール等の糖アルコール類等が挙げられる。
前記澱粉加水分解物としては、デキストリン類が挙げられる。
前記加工澱粉としては、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシアルキル化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リン酸エステルナトリウム等が挙げられる。
また、これらの加工澱粉の原料となる澱粉としては、アルファー化加工したものであってもよく、部分的にアルファー化加工したものであってもよく、アルファー化加工していないものであってもよい。
中でも、本実施形態におけるセルロースが含有する親水性物質としては、澱粉加水分解物及び加工澱粉からなる群より選択される1種以上であることが好ましく、デキストリン及び加工澱粉からなる群より選択される1種以上であることがより好ましく、デキストリン及び加工澱粉の両方であることがさらに好ましい。
また、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料が含有するセルロースが水溶性高分子と複合体化していないセルロースである場合には、僅かではあるが、水溶性高分子としての機能を有することから、デキストリンを含有することが特に好ましい。
なお、セルロースに対する親水性物質の含有量は、セルロースの種類、親水性物質の種類等を考慮して、水系媒体中における分散性やその安定性を阻害しない程度に適宜調整することができる。
(セルロースの含有量)
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量の下限値は、0.01質量%以上であり、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.07質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量が上記下限値以上であることにより、セルロースが飲料中でネットワーク構造を形成するため、液温が40℃以上の温かい状態で容器に充填した場合において、ゲル化を阻害することができる。
一方、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量の上限値は特に限定されないが、例えば、3質量%以下とすることが可能である。本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量が上記上限値以下であることにより、良好な喉越し、舌触りの飲料とすることができる。
[ジェランガム]
本明細書における「ジェランガム」(gellan gum;GLG)とは、Sphingomon elodeaという微生物が菌体外に産出する微生物多糖類を脱アセチル化したものを意味する。GLGは、直鎖状のヘテロ多糖類であり、グルコース、グルクロン酸、グルコース、及びL−ラムノースの4つの糖の繰り返し単位で構成されており、グルクロン酸由来のカルボキシ基を有している。GLGには、脱アシル型とネイティブ型との2種が存在する。その違いは、1−3結合したグルコースに存在するアセチル基とグリセリル基との有無である。「脱アシル型」は、前記アセチル基と前記グリセリル基とを除去したものである。「ネイティブ型」は、グルコース残基に、グリセリル基1残基、及びアセチル基平均1/2残基が結合したものである。中でも、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料に含まれるGLGは、ネイティブ型であることが好ましい。
(ジェランガムの含有量)
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるジェランガムの含有量は、例えば0.001質量%以上0.2質量%以下であればよく、例えば0.002質量%以上0.15質量%以下であればよい。
[セルロースの含有量に対するジェランガムの含有量の質量比]
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量に対するジェランガムの含有量の質量比の上限値は、0.8以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましく、0.2以下であることが特に好ましい。
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量に対するジェランガムの含有量の質量比が上記上限値以下であることにより、飲料を喫食した際の舌触りが良好となる。
一方、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量に対するジェランガムの含有量の質量比の下限値は特に限定されないが、例えば、0.001以上であり、0.005以上であることが好ましく、0.007以上であることがより好ましい。
[その他材料]
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料は、その他材料として、以下に挙げるものを含んでいていてもよい。
(安定剤)
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料は、さらに、増粘多糖類を含有していてもよい。前記増粘多糖類としては、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ゼラチン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、デキストリン、でんぷん等が挙げられる。これら増粘多糖類を、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれる増粘多糖類としては、飲料との馴染みやすさから、グアーガム、カラヤガム、アラビアガム、カラギーナン、キサンタンガム、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムであることが好ましい。
(その他材料)
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料は、上記以外のその他材料を含有してもよい。その他材料としては、喫食可能な成分であればよく、味付け、保存等を目的として添加されるものが挙げられる。その他材料としては、例えば、植物油、動物油等の油脂類、野菜成分、肉成分、きのこ成分、デンプン類、調味料、乳化剤、界面活性剤、増粘多糖類、日持ち向上剤、抗菌剤、崩壊剤、消泡剤、発砲剤、食物繊維、栄養強化剤、pH調整剤、香料、酸化防止剤、酸味料、膨張剤、色素等が挙げられる。前記調味料としては、食塩、ブドウ糖、果糖、砂糖、甘味料、糖アルコール等の糖類、各種エキス、アミノ酸等、オニオン、コンソメ、醤油、塩、香辛料等が挙げられる。
これらの材料の含有量は、本実施形態における効果を損なわない限り、限定されず、香味のバランス等から適宜調整すればよい。
<工程2>
次いで、工程1後のタンパク質含有飲料を、40℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上の液温で充填する。工程2において、殺菌等により調製されたタンパク質含有飲料が昇温された状態のまま充填(いわゆる、ホットパック充填)を行う。
従来のタンパク質含有飲料の製造方法では、撹拌、均質化、及び殺菌等の工程を経た飲料について、40℃以上の液温で充填すると、経時的に増粘し、さらにはゲル化することがあった。
これに対し、本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法によれば、保存時でのゲル化が抑制されており、沈殿が防止されたタンパク質含有飲料が得られる。
一方、本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法において、工程1後のタンパク質含有飲料の液温の上限値は特に限定されないが、常圧で充填しやすいため、100℃以下であることが好ましい。
[耐熱容器]
また、本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法において、タンパク質含有飲料を40℃以上等の室温よりも高い液温で充填するため、耐熱容器を使用することが好ましい。耐熱容器に充填されることにより、充填時の温度を考慮しなくても済むため、ハンドリングの幅が広がる。
本明細書における「耐熱容器」としては、例えば、ガラス転移温度が高い素材からなる容器等が挙げられる。耐熱容器において、ガラス転移温度は75℃以上であることが好ましい。また、容器の素材の密度が1.334g/cm以上であることが好ましい。
ガラス転移点及び密度が上記下限値以上であることにより、タンパク質含有飲料を40℃以上等の室温よりも高い液温で充填された場合も、容器が熱に耐えられ、特に長期保存時に発生するゲル化を抑制することができる。
前記ガラス転移温度は、例えば、樹脂である場合、以下に示す示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimetry;DSC)法を用いて、測定できる。
まず、試験片をJIS K 7100の標準温度状態2級及び標準湿度状態2級(温度23±2℃、相対湿度50±5%)で24時間以上、状態調整したものの重量を測定する。次いで、容器に平ら、且つ、均一に入れ、容器の蓋をのせて固定する。一方の容器ホルダーに試験片をつめた容器を装着し、片方の容器ホルダーにはふたを固定した容器を装着し、窒素ガスを10〜50mL/分で流入させる。20℃/分で加熱し、DSC曲線を描き、求めることができる。
容器の素材の密度は、例えば、アルキメデス法を用いた比重測定キット(AND)で簡易的に測定することができる。
具体的には、まず、比重皿スタンドをセットし、バランスウエイトを載せ、ビーカースタンドを設置する。次いで、ビーカーに温度計クランプを差し込み、温度計を取り付け、比重が既知の蒸留水を入れ、スタンドの上に乗せる。次いで、比重皿をスタンドに乗せて、試料を載せ、試料が液面下10mmになるよう加減する。次いで、水の温度が安定した後、表示をゼロにセットし、試料を比重皿の上皿に乗せ、空気中での重さをAとする。再び表示をゼロにした後、試料を比重皿の下皿に乗せ、天秤の表示の絶対値をBとする。水温から、水の密度(既知の値)ρを用いて、試料の密度ρ(g/cm)を以下の式[1]で求める。
ρ=A×ρ/|B| ・・・[1]
耐熱容器の素材は、耐熱性を有するものであればよく、特別な限定はない。例えば、グラス、マグカップ等の器;蓋を有するポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate:PET)製容器、缶、紙パック、チルドカップ等が挙げられ、これらに限定されない。中でも、耐熱容器としては、長い期間保存できることから、蓋を有するPET製容器、缶、又は紙パックであることが好ましく、ゲル化抑制の効果が明瞭であることから、PET製容器であることがより好ましい。
[タンパク質含有飲料]
(物性)
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料の物性について、以下に示す。
・粘度
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料は流動性を有し、咀嚼せずに飲むことができる。本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料の粘度は、200mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましく、50mPa・s以下であることがさらに好ましく、30mPa・s以下であることが特に好ましい。一方、本実施形態のタンパク質含有飲料において、粘度の下限値は特に限定されないが、例えば、1mPa・s以上(好ましくは、2.5mPa・s以上)とすることが可能である。
飲料の粘度は、例えば、B形粘度計(東機産業製、BV−10M)等を用いて測定することができる。
・25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)の上限値は、0.5Pa以下であることが好ましく、0.3Pa以下であることがより好ましく、0.1Pa以下であることがさらに好ましく、0.05Pa以下であることが特に好ましい。
一方、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.001Pa以上であることが好ましく、0.05Pa以上であることがより好ましい。
前記25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)が上記範囲内であることにより、タンパク質含有飲料を40℃以上等の室温よりも高い液温で充填し、その後室温で保存した場合において、ゲル化を抑制できる。
なお、本明細書における「貯蔵剪断弾性率(G’)」とは、タンパク質含有飲料に歪を与えた際の飲料内部に蓄えられた応力を保持する貯蔵剪断弾性断弾性率(G’)を測定したものである。
貯蔵剪断弾性率G’(25)の測定方法としては、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により測定することができる。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始すればよい。本実施形態における貯蔵剪断弾性率G’(25)は、25℃で測定し、歪20%のときの値を意味する。
・25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25))
本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25)の上限値は、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることがさらに好ましく、1.0以下であることが特に好ましい。
前記G’(50)/G’(25)が上記上限値以下であることにより、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料を、40℃以上等の室温よりも高い液温で充填し、その後室温で長期に保存しても、ゲル化せず、口どけが良好となる。
一方、本実施形態の製造方法により得られるタンパク質含有飲料のG’(50)/G’(25)の下限値は特に限定されないが、例えば、0.1以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。
G’(50)/G’(25)の測定方法としては、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃又は50℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により測定することができる。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始すればよい。本実施形態におけるG’(50)/G’(25)は、25℃及び50℃で測定し、歪20%のときのそれぞれの値から算出されたものを意味する。
<<タンパク質含有飲料のゲル化抑制方法>>
本実施形態に係るタンパク質含有飲料のゲル化抑制方法は、セルロース及びジェランガムを配合し、40℃以上の液温で充填する方法である。
本実施形態のゲル化抑制方法によれば、効果的に保存時でのゲル化を抑制することができる。また、得られたタンパク質含有飲料は、口どけがよくなめらかな食感(喉越し)を維持することができる。また、得られたタンパク質含有飲料は香り立ちがよく、懸濁安定性に優れ、長期保存が可能である。
本実施形態のゲル化抑制方法において、タンパク質含有飲料、並びに該飲料に含まれるセルロース及びジェランガムは、上記の<<タンパク質含有飲料の製造方法>>に例示されたものと同様のものが挙げられる。また、セルロース及びジェランガム等の含有量等についても同様である。
本実施形態のゲル化抑制方法において、殺菌等により調製されたタンパク質含有飲料が昇温された状態のまま充填(いわゆる、ホットパック充填)を行う。具体的には、タンパク質含有飲料を、40℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上の液温で充填することで、効果的に保存時でのゲル化を抑制することができる。
従来のタンパク質含有飲料の製造方法では、撹拌、均質化、及び殺菌等の工程を経た飲料について、40℃以上の液温で充填すると、経時的に増粘し、さらにはゲル化することがあった。
これに対し、本実施形態のゲル化抑制方法では、保存時でのゲル化が抑制されており、沈殿が防止されたタンパク質含有飲料が得られる。
一方、本実施形態のゲル化抑制方法において、タンパク質含有飲料の液温の上限値は特に限定されないが、常圧で充填しやすいため、100℃以下であることが好ましい。
本発明を、下記の実施例等により説明する。ただし、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
<<評価方法>>
以下に示す実施例1〜10及び比較例1〜4で製造されたタンパク質含有飲料の評価方法を下記に示す。
<セルロースの含有量(A)に対するジェランガムの含有量(B)の質量比>
セルロースの含有量(A)に対するジェランガムの含有量(B)の質量比を、以下の式より計算した。なお、ジェランガムの含有量が0%の場合は、0とした。
セルロースの含有量(A)に対するジェランガムの含有量(B)の質量比((B)/(A))
=ジェランガムの含有量(B)/セルロースの含有量(A)
<タンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の測定>
タンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)を、以下のとおり測定した。
まず、製造した飲料を25℃及び50℃で1日保存後に、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃又は50℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により、25℃及び50℃での貯蔵剪断弾性率(G’)を測定した。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始した。次いで、歪20%のときの25℃及び50℃での貯蔵剪断弾性率G’の値をそれぞれG’(25)、G’(50)とした。
<タンパク質含有飲料のG’(50)/G’(25)>
上述の貯蔵剪断弾性率G’(25)及びG’(50)の測定において得られた値から、その比(G’(50)/G’(25))を算出した。
<ゲル化の評価>
製造した飲料を25℃で3年間静置保存した後、ゲル化の有無を以下の通り判定した。
まず、目開き1mmの篩に、飲料350mLをゆっくり流し、5分後の篩上の残留物から、ゲル化を以下の4基準に基づきランク付けした。
◎:なし、○:小さなゲル化物が少量あり、△:大きなゲル化物が少量あり、×:大きなゲル化物が多量にあり
<口どけ>
製造した飲料を25℃で3か月保存後、20代から50代までの男女5名のパネルにより、官能検査を実施した。飲料の口どけの評価基準は、以下の4基準に基づきランク付けした。なお、5名のパネラーのうち、最も多かった回答を、評価結果とした。
◎:口どけがよい、○:口どけがややよい、△:口どけがやや劣る(舌の上に残留感がやや感じる)、×:口どけが劣る(舌の上に残留感を強く感じる)
<なめらかさ>
製造した飲料を5℃で3か月保存後、20代から50代までの男女5名のパネルにより、官能検査を実施した。飲料のなめらかさの評価基準は、以下の4基準に基づきランク付けした。なお、5名のパネラーのうち、最も多かった回答を、評価結果とした。
◎:優れる、○:やや優れる(ざらつきがわずかにあるが、気にならない程度)、△:やや劣る(ざらつきがややある)、×:劣る(ざらつきが多い)
<沈殿の評価>
タンパク質含有飲料の沈殿を、25℃で3年間保存後の容器から飲料を傾けてゆっくり排出し、底に残った沈殿量を目視で以下の4基準に基づき判定した。
◎:全くなし、○:一部に少量発生、△:全体に少量発生、×:全体に多量に発生
<香り立ち>
製造した飲料を25℃で3か月保存後、20代から50代までの男女5名のパネルにより、官能検査を実施した。飲料の香り立ちの評価基準は、以下の4基準に基づきランク付けした。なお、5名のパネラーのうち、最も多かった回答を、評価結果とした。
◎:優れる(香り立ちがよい)、○:やや優れる(若干マスキングされていると感じる)、△:やや劣る(マスキングされていると感じる)、×:劣る(香り立ちが悪い)
<長期保存性>
製造した飲料5本を25℃で3年間保存したものを開封し、味、匂い、及び見た目から腐敗している本数(5本中)をカウントした。
◎:腐敗0本、○:腐敗1または2本、△:腐敗3または4本、×:腐敗5本
<結晶セルロース複合体の損失正接tanδの測定>
結晶セルロース複合体の損失正接tanδを以下のとおり測定した。
まず、結晶セルロース複合体の濃度(固形分換算)が1質量%、全量300gとなるようイオン交換水を投入し、エクセルオートホモジナイザー(日本精機製、ED−7)を用いて、15,000rpmで5分間撹拌し、結晶セルロース複合体の分散液を調製した。次いで、前記分散液を25℃で1日保存後、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により、25℃における貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失剪断弾性率(G’ ’)を測定した。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始した。次いで、得られた25℃における貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失剪断弾性率(G’ ’)から、G’ ’/G’、すなわち、損失正接tanδを算出した。
<結晶セルロース複合体のレーザー回折法による平均粒径の測定>
上述の損失正接tanδの測定において、調製した1質量%の結晶セルロース複合体の分散液について、HORIBA製LA−950を用いて、超音波なしで平均粒径を測定した。
[実施例1]タンパク質含有飲料1の製造
(1)結晶セルロース複合体Aの製造
市販DPパルプを細断後、2.5mol/Lの塩酸中、105℃で15分間加水分解した後、水洗、濾過し、固形分が55%のウェットケーキ状のセルロースを製造した。平均重合度は220であった。次いで、ウェットケーキ状のセルロースと、水溶性カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose;CMC)として市販のCMC−Na(Ashland製、FL−9A、置換度0.93)とを、セルロース/水溶性CMC=85/15、固形分濃度が48%(イオン交換水で調整)となるように、二軸の混練機(DSM Xplore製、Compounder15)に投入して、せん断速度393(1/sec)で12分間混練し、結晶セルロース複合体Aを得た。なお、水溶性CMCは、一回で全量投入した。混練温度は70℃であった。この結晶セルロース複合体Aの分散液について、貯蔵剪断弾性率(G’)が2.5Pa、損失正接tanδが0.6、レーザー回折法により測定した平均粒径は6.7μmであった。
(2)タンパク質含有飲料1の製造
次いで、結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.02質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.01質量%、ココア粉末(バンホーテン製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を8質量%、スキムミルク(雪印製)を5質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。
製造方法としては、まず80℃に加温したイオン交換水に、スリーワンモーター(HEIDEN製、BL−600、撹拌羽はタービン型)を用いて500rpmで撹拌しながら、混合した粉体原料を投入し、5分間撹拌した。これを、圧力式ホモジナイザー(マントンゴーリンホモジナイザー、SMT製)を用いて、一次圧を15MPa、二次圧を5MPaで処理した。さらにUHT殺菌器を用いて、140℃で5秒間殺菌した。充填は、液温85℃で耐熱性のPET容器に充填し、タンパク質含有飲料1を製造した。得られたタンパク質含有飲料1は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.006Pa、G’(50)は0.005Pa、G’(50)/G’(25)は1.2、ゲル化は○、口どけは○、なめらかさは○、沈殿は△、香り立ちは◎、長期保存性は○であった。
[実施例2]タンパク質含有飲料2の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.08質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.06質量%、ココア粉末(バンホーテン製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を8質量%、スキムミルク(雪印製)を5質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料2を製造した。得られたタンパク質含有飲料2は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.014Pa、G’(50)は0.008Pa、G’(50)/G’(25)は1.8、ゲル化は◎、口どけは○、なめらかさは△、沈殿は○、香り立ちは○、長期保存性は◎であった。
[実施例3]タンパク質含有飲料3の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.08質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.04質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料3を製造した。得られたタンパク質含有飲料3は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.008Pa、G’(50)は0.006Pa、G’(50)/G’(25)は1.3、ゲル化は◎、口どけは○、なめらかさは○、沈殿は○、香り立ちは◎、長期保存性は◎であった。
[実施例4]タンパク質含有飲料4の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.2質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料4を製造した。得られたタンパク質含有飲料4は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.44Pa、G’(50)は0.28Pa、G’(50)/G’(25)は1.6、ゲル化は◎、口どけは△、なめらかさは△、沈殿は◎、香り立ちは○、長期保存性は◎であった。
[実施例5]タンパク質含有飲料5の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.15質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料5を製造した。得られたタンパク質含有飲料5は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.18Pa、G’(50)は0.16Pa、G’(50)/G’(25)は1.1、ゲル化は◎、口どけは○、なめらかさは○、沈殿は◎、香り立ちは○、長期保存性は◎であった。
[実施例6]タンパク質含有飲料6の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.09質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料6を製造した。得られたタンパク質含有飲料6は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.11Pa、G’(50)は0.12Pa、G’(50)/G’(25)は0.9、ゲル化は◎、口どけは◎、なめらかさは◎、沈殿は◎、香り立ちは○、長期保存性は◎であった。
[実施例7]タンパク質含有飲料7の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.06質量%、コーヒー粉末粉末(AGF製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料7を製造した。得られたタンパク質含有飲料7は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.07Pa、G’(50)は0.09Pa、G’(50)/G’(25)は0.8、ゲル化は◎、口どけは◎、なめらかさは◎、沈殿は◎、香り立ちは◎、長期保存性は◎であった。
[実施例8]タンパク質含有飲料8の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.036質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料8を製造した。得られたタンパク質含有飲料8は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.05Pa、G’(50)は0.07Pa、G’(50)/G’(25)は0.7、ゲル化は◎、口どけは◎、なめらかさは◎、沈殿は◎、香り立ちは◎、長期保存性は◎であった。
[実施例9]タンパク質含有飲料9の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.002質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料9を製造した。得られたタンパク質含有飲料9は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.05Pa、G’(50)は0.08Pa、G’(50)/G’(25)は0.6、ゲル化は◎、口どけは◎、なめらかさは○、沈殿は◎、香り立ちは◎、長期保存性は◎であった。
[実施例10]タンパク質含有飲料10の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.06質量%、コーヒー粉末粉末(AGF製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。液温62℃で充填した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料10を製造した。得られたタンパク質含有飲料10は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.07Pa、G’(50)は0.1Pa、G’(50)/G’(25)は0.7、ゲル化は◎、口どけは◎、なめらかさは◎、沈降は◎、香り立ちは△、長期保存性は△であった。
[実施例11]タンパク質含有飲料11の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.06質量%、コーヒー粉末粉末(AGF製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。液温41℃で充填した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料11を製造した。得られたタンパク質含有飲料11は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.07Pa、G’(50)は0.1Pa、G’(50)/G’(25)は0.7、ゲル化は◎、口どけは◎、なめらかさは◎、沈降は◎、香り立ちは△、長期保存性は△であった。
Figure 2018174722
[比較例1]タンパク質含有飲料11の製造
ジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.06質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料11を製造した。得られたタンパク質含有飲料11は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.05Pa、G’(50)は0.02Pa、G’(50)/G’(25)は2.5、ゲル化は×、口どけは○、なめらかさは×、沈降は△、香り立ちは×、長期保存性は△であった。
[比較例2]タンパク質含有飲料12の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0質量%、ピーナッツ粉末粉末(みの屋製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。製造方法としては、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料12を製造した。得られたタンパク質含有飲料12は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.04Pa、G’(50)は0.07Pa、G’(50)/G’(25)は0.6、ゲル化は◎、口どけは△、なめらかさは○、沈降は×、香り立ちは△、長期保存性は△であった。
[比較例3]タンパク質含有飲料13の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体A及びジェランガムを使用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.3質量%、ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ製、LT−100)を0.06質量%、コーヒー粉末粉末(AGF製)を1質量%、砂糖(第一糖業製)を5質量%、スキムミルク(雪印製)を3質量%とし、仕込みは全量4,000gとした。これらの粉体原料は予め混合した。液温35℃で充填した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料14を製造した。得られたタンパク質含有飲料14は、25℃で1か月保存した。
製造から1日後に25℃及び50℃における貯蔵剪断弾性率G’を測定し、1か月後にゲル化の有無、口どけ、なめらかさ、沈殿、香り立ち、及び長期保存性について前記方法により評価した。
G’(25)は0.06Pa、G’(50)は0.08Pa、G’(50)/G’(25)は0.8、ゲル化は◎、口どけは◎、なめらかさは◎、沈降は○、香り立ちは×、長期保存性は×であった。
Figure 2018174722
表1及び表2から、セルロース及びジェランガムを配合し、40℃以上の液温で充填を行うことで、ゲル化が抑制され、沈殿が防止されたタンパク質含有飲料が得られることが明らかとなった。また、セルロース及びジェランガムの含有量を適宜調整することで、G’(25)及びG’(50)の値を調整することで、口どけがよく、なめらかな食感(喉越し)を維持することができ、香り立ちがよく、且つ、長期保存が可能なタンパク質含有飲料が得られることが明らかとなった。
本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法によれば、保存時でのゲル化が抑制されており、沈殿が防止されたタンパク質含有飲料が得られる。また、得られたタンパク質含有飲料は、口どけがよく、なめらかな食感(喉越し)を維持することができる。また、得られたタンパク質含有飲料は香り立ちがよく、懸濁安定性に優れ、長期保存が可能である。よって、本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法は、タンパク質含有飲料の商品価値を高めるのに有用である。

Claims (7)

  1. セルロース及びジェランガムを配合し、タンパク質含有飲料を調製する工程1と、
    前記工程1後のタンパク質含有飲料を殺菌し、40℃以上の液温で充填する工程2と、を備えるタンパク質含有飲料の製造方法。
  2. 前記タンパク質含有飲料における前記セルロースの含有量が0.02質量%以上である請求項1に記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
  3. 前記タンパク質含有飲料における前記セルロースの含有量に対する前記ジェランガムの含有量の質量比が、0.005以上0.8以下である請求項1又は2に記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
  4. 前記タンパク質含有飲料が、さらに、豆類、種子類、及び穀物類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
  5. 前記工程2において、前記タンパク質含有飲料を耐熱容器に充填する請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
  6. 前記タンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25))が2.0以下であり、且つ、前記貯蔵剪断弾性率G’(25)が0.5Pa以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
  7. セルロース及びジェランガムを配合し、40℃以上の液温で充填するタンパク質含有飲料のゲル化抑制方法。
JP2017074310A 2017-04-04 2017-04-04 タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法 Pending JP2018174722A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017074310A JP2018174722A (ja) 2017-04-04 2017-04-04 タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法
CN201711177584.XA CN108684998A (zh) 2017-04-04 2017-11-22 含蛋白质饮料的制造方法以及凝胶化抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017074310A JP2018174722A (ja) 2017-04-04 2017-04-04 タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018174722A true JP2018174722A (ja) 2018-11-15

Family

ID=63843739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017074310A Pending JP2018174722A (ja) 2017-04-04 2017-04-04 タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2018174722A (ja)
CN (1) CN108684998A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110367337A (zh) * 2019-06-18 2019-10-25 杭州娃哈哈科技有限公司 一种藜麦牛奶粥罐头及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008118988A (ja) * 2006-10-16 2008-05-29 Asahi Kasei Chemicals Corp 耐熱性ゲル化剤
WO2013022090A1 (ja) * 2011-08-11 2013-02-14 旭化成ケミカルズ株式会社 高機能セルロース複合体
JP2016084397A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 旭化成ケミカルズ株式会社 セルロース複合体

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101011082A (zh) * 2007-02-14 2007-08-08 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 一种生产含气酸性乳饮料的方法
CN103891897A (zh) * 2012-12-28 2014-07-02 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 一种水解燕麦含乳饮料及其制备方法
CN105410189A (zh) * 2015-11-25 2016-03-23 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 复合蛋白饮料及其制备方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008118988A (ja) * 2006-10-16 2008-05-29 Asahi Kasei Chemicals Corp 耐熱性ゲル化剤
WO2013022090A1 (ja) * 2011-08-11 2013-02-14 旭化成ケミカルズ株式会社 高機能セルロース複合体
JP2016084397A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 旭化成ケミカルズ株式会社 セルロース複合体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110367337A (zh) * 2019-06-18 2019-10-25 杭州娃哈哈科技有限公司 一种藜麦牛奶粥罐头及其制备方法
CN110367337B (zh) * 2019-06-18 2022-07-22 杭州娃哈哈科技有限公司 一种藜麦牛奶粥罐头及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN108684998A (zh) 2018-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU736463B2 (en) Cellulose-containing composite
JP5978418B2 (ja) セルロース組成物
JP6853325B2 (ja) セルロース複合体
JP3874560B2 (ja) 微細セルロース含有複合物
JPH08505170A (ja) 増粘剤及び沈澱防止剤としてのデンプン−天然ガム複合組成物
JP6724104B2 (ja) 大麦粉末を含む食品
JP6434777B2 (ja) セルロース複合体
JP2018174723A (ja) タンパク質含有飲料
JP3830112B2 (ja) セルロース含有複合体
JP2018174722A (ja) タンパク質含有飲料の製造方法及びゲル化抑制方法
JPH09278674A (ja) 微細セルロース懸濁液
JPH11302448A (ja) セルロース複合体
JP3506936B2 (ja) セルロース含有複合体
JP2017153461A (ja) いも含有スナック及びその製造方法
JP6583906B2 (ja) 用事調整食品
JP6596262B2 (ja) 揚げ菓子
JP5888845B2 (ja) 易分散性粒状食品
JP2004024155A (ja) 麺質改良剤及び麺類の製造方法
JP6692668B2 (ja) 肉まん
JP2018174721A (ja) タンパク質含有飲料
JP6703880B2 (ja) とろみを有する半固形食品及び調理食品
JP6132457B2 (ja) コラーゲンを含有する飲料
Zhang et al. The Effects of Tremella fuciformis Polysaccharide on the Physicochemical, Multiscale Structure and Digestive Properties of Cyperus esculentus Starch
JP2021029166A (ja) 粥類ゼリーの素およびその製造方法
JP2017212931A (ja) いも含有スナック及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210622