JP2018174721A - タンパク質含有飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝集がなく均一な外観を呈し、且つ渋味が抑制されたタンパク質含有飲料の提供。【解決手段】タンパク質含有飲料は、タンパク質を0.2質量%以上、タンニンを1ppm以上、及びセルロースを0.01質量%以上含有し、且つ、損失正接tanδが3以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、タンパク質含有飲料に関する。
従来から、タンパク質含有飲料(以下、「プロテイン飲料」と称する場合がある。)は、栄養成分の一つであるタンパク質を手軽に摂取できるため、年齢や性別を問わず多くの人に好まれてきた。近年では、タンパク質含有量を増やす、又は様々な味を楽しむため、タンパク質源である食品成分が多様化し、さらにその飲料の味付けも多様化している。特に、タンパク質独特の風味や味をマスキングするため、ココアパウダー、コーヒー、紅茶、抹茶等で味付けした飲料が好まれている。
特許文献1には、無菌冷灌装落花生ミルク(ピーナッツミルク)飲料の乳化安定剤及びその製造方法が開示されている。具体的には、微結晶セルロース、キサンタンガム、カルメロースナトリウム、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、及び柑橘類繊維からなる安定剤を含むピーナッツミルク飲料が開示されている。このピーナッツミルク飲料は、品質保証期間内でブリード及び沈殿がなく、品質と口当たりとが良好であることが記載されている。
特許文献2には、小豆及び乳成分を含有するチョコレート飲料及びその製造方法が開示されている。具体的には、特定比率の原材料を配合し、特定の手順で製造された前記飲料は、特別な風味を持ち、栄養が充実し、好ましい安定性をもつことが記載されている。
特許文献3には、ダッタンソバ及び乳成分を含有するコーヒー飲料及びその製造方法が開示されている。具体的には、生乳、コーヒー、ダッタンソバ粉、及びその他の原材料を特定の比率で配合し、特定の方法で製造された前記飲料は、品質保証期間が長く、良好な風味、口当たりと優れた安定性をもつことが記載されている。
中国特許出願公開第104489103号明細書 中国特許出願公開第104430897号明細書 中国特許出願公開第103749685号明細書
特許文献1には、微結晶セルロースを含む安定剤を配合することにより、優れた安定性を持つピーナッツミルク飲料が記載されている。しかしながら、このピーナッツミルク飲料でさまざまな味付けを楽しむために、ココア、コーヒー、紅茶等で味付けをすると、凝集が発生し、外観が悪化する問題があった。
特許文献2及び3には、それぞれチョコレート及びコーヒーで味付けされたプロテイン飲料が優れた食感や安定性を持つことが開示されている。沈殿が少ない等の効果は記載されているが、外観の安定性(凝集がない)については充分に検討されていなかった。特に、これら飲料に、ココア、コーヒー等の含有量を増やすことで濃厚な味わいを付与すると、凝集が悪化する虞があった。
一方、タンニンは、ココアパウダー、コーヒー、紅茶、抹茶、一部の果実(例えば、ブドウ、柿等)に含まれる成分であり、タンパク質と反応して複合体若しくは塩を形成すること、又は凝集を引き起こすことが知られていた。また、タンニンは喫食時には渋味として感じられるため、プロテイン飲料において、ココアパウダー、コーヒー、紅茶、抹茶、果実等を用いて味付けをする場合、濃厚な味わいを付与しつつ、均一な外観を呈する飲料とし、さらに同時に、渋味を抑制することは極めて困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、凝集がなく均一な外観を呈し、且つ渋味が抑制されたタンパク質含有飲料を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、タンパク質含有飲料において、セルロースを配合し、且つ損失正接tanδを小さくすることにより、凝集がなく均一な外観を呈し、且つ渋味を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るタンパク質含有飲料は、タンパク質を0.2質量%以上、タンニンを1ppm以上、及びセルロースを0.01質量%以上含有し、且つ、損失正接tanδが3以下である。
前記タンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25))が0.8以上3.0以下であってもよい。
前記タンニンが、カカオ、コーヒー、茶、及び果実からなる群から選ばれる少なくとも1種から由来してもよい。
上記態様に係るタンパク質含有飲料が、さらに、豆類、種子類、及び穀物類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
上記態様によれば、凝集がなく均一な外観を呈し、且つ渋味が抑制されたタンパク質含有飲料を提供することができる。
<タンパク質含有飲料>
本実施形態に係るタンパク質含有飲料は、タンパク質を0.2質量%以上、タンニンを1ppm以上、及びセルロースを0.01質量%以上含有し、且つ、損失正接tanδが3以下である。
従来のタンパク質含有飲料では、タンニンを含むコーヒー、ココア等で味付けすると、凝集が発生し、沈殿することから、外観が悪化することが問題であった。また、ココア、コーヒー等の含有量を増やすことで濃厚な味わいを付与すると、タンニン由来の渋味が強くなり、飲みにくくなることが課題であった。
これに対し、本実施形態のタンパク質含有飲料は、セルロースを配合し、損失正接tanδを3以下とすることで、凝集及び沈殿がなく均一な外観を呈し、且つ渋味が抑制されている。また、ココア、コーヒー等の含有量を増やすことが可能であり、濃厚な味わいが付与されており、そのため香り立ちも良好である。
なお、本明細書における「凝集」とは、飲料の含有成分が寄り集まって集塊を形成することで、飲料が均一ではなく、色むらやまだら模様ができた状態を意味する。
また、本明細書における「渋味」とは、収斂味とも呼ばれ、舌や口腔内が痺れる、又は刺すような感覚を意味する。これは、タンニンとタンパク質と結合すると複合体又は塩を形成し、さらにこれらの凝集体を形成する。前記複合体若しくは塩、又はこれらの凝集体が口腔内にて舌や口腔粘膜に付着すると、舌や口腔粘膜に存在する受容体が変性する、舌や口腔粘膜との摩擦が大きくなることで、渋味として知覚されることが知られている。
本実施形態のタンパク質含有飲料は、タンニン及びタンパク質を含みながら、損失正接tanδが3以下であることにより、タンニンとタンパク質による複合体若しくは塩、又はこれらの凝集体の平均粒径が比較的小さく留められていると考えられ、渋味を抑制することができる。
[物性]
(損失正接tanδ)
本実施形態のタンパク質含有飲料は、損失正接tanδを3以下、好ましくは2.9以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.5以下であり、特に好ましくは2.0以下である。
損失正接tanδが上記上限値以下であることにより、飲料の凝集を抑制し、均一な外観を提供することができる。
一方、本実施形態のタンパク質含有飲料において、損失正接tanδの下限値は特に限定されないが、例えば、0.5以上(好ましくは、1.0以上)とすることが可能である。
なお、本明細書における「貯蔵剪断弾性率(G’)」とは、タンパク質含有飲料に歪を与えた際の飲料内部に蓄えられた応力を保持する貯蔵剪断弾性断弾性率(G’)を測定したものである。
また、「損失正接tanδ」とは、タンパク質含有飲料に歪を与えた際の飲料内部に蓄えられた応力を保持する貯蔵剪断弾性率(G’)に対する損失剪断弾性率(G’ ’)の比(G’ ’/G’)を表したものである。
損失正接tanδの測定方法としては、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により、貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失剪断弾性率(G’ ’)を測定し、G’ ’/G’を算出することで得られる。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始すればよい。本実施形態における損失正接tanδは、貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失剪断弾性率(G’ ’)を25℃で測定し、歪20%のときの値から算出されたものを意味する。
(25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25))
本実施形態のタンパク質含有飲料において、25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25)は、3.0以下、好ましくは2.7以下、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.8以下である。
本実施形態のタンパク質含有飲料のG’(50)/G’(25)が上記上限値以下であることにより、温度変化にも耐えうる安定性を保持することができる。また、良好な香り立ちを有することができる。
一方、本実施形態のタンパク質含有飲料において、G’(50)/G’(25)の下限値は特に限定されないが、例えば、0.8以上(好ましくは、1.0以上)とすることが可能である。
G’(50)及びG’(25)の測定方法としては、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃又は50℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により測定することができる。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始すればよい。本実施形態におけるG’(50)/G’(25)は、25℃及び50℃での貯蔵剪断弾性率G’を測定し、歪20%のときのそれぞれの値から算出されたものを意味する。
(粘度)
本実施形態のタンパク質含有飲料は流動性を有し、咀嚼せずに飲むことができる。本実施形態のタンパク質含有飲料の粘度は、200mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましく、50mPa・s以下であることがさらに好ましく、30mPa・s以下であることが特に好ましい。一方、本実施形態のタンパク質含有飲料において、粘度の下限値は特に限定されないが、例えば、1mPa・s以上(好ましくは、2.5mPa・s以上)とすることが可能である。
飲料の粘度は、例えば、B形粘度計(東機産業製、BV−10M)等を用いて測定することができる。
次いで、本実施形態のタンパク質含有飲料の含有成分について以下に説明する。
[タンパク質]
本明細書における「タンパク質」とは、L−アミノ酸が鎖状に多数連結(重合)してできた高分子化合物を意味する。タンパク質は、構成するアミノ酸の数や種類、又は結合の順序によって種類が異なり、分子量約4000前後のものから、数千万から億単位になるものまで多種類が存在する。本実施形態におけるタンパク質は、過食できるものであればよく、連結したアミノ酸の個数が少ない「ペプチド」、ペプチドが直線状に連なった「ポリペプチド」も包含される。また、本実施形態におけるタンパク質は、動物由来であってもよく、植物由来であってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。中でも、本実施形態におけるタンパク質は、動物由来又は植物由来の乳成分含有原料であることが好ましい。
(乳成分含有原料)
本明細書における「乳成分含有原料」としては、動物由来及び植物由来いずれの乳成分含有原料も包含する。
前記動物としては、例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ等が挙げられ、これらに限定されない。
前記植物としては、例えば、豆類、種子類、穀物類等が挙げられ、これらに限定されない。
乳成分含有原料としてより具体的には、例えば、牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、練乳、乳脂肪、生クリーム、コンデンスミルク、ヨーグルト、チーズ等の動物由来の乳成分含有原料;豆乳等の豆類由来の乳成分含有原料、ココナッツミルク、アーモンドミルク、ピーナッツミルク等の種子類由来の乳成分含有原料、粥(Rice milk)等の穀物由来の乳成分含有原料等の植物由来の乳成分含有原料等が挙げられ、これらに限定されない。乳成分含有原料は、液体であってもよく、固体であってもよい。
中でも、入手しやすさと取扱いやすさから、本実施形態におけるタンパク質の由来となる乳成分含有原料は、牛乳、前脂粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、豆乳、又はココナッツミルクであることが好ましい。
(豆類、種子類、及び穀物類)
本実施形態のタンパク質含有飲料は、上記乳成分含有原料に加えて、さらに、豆類、種子類、及び穀物類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらを含有することで、本実施形態のタンパク質含有飲料はタンパク質含有量をより高めることができる。
・豆類
本明細書における「豆類」としては、可食のマメ科植物の種子を意味する。豆類は、タンパク質を多く含み、これは、マメ科植物の根に存在する根粒菌が、空気中に多量に存在する窒素を、植物がアミノ酸(タンパク質)合成に直接使うことができる形(例えば、アンモニア等)へ変換(固定化)することによるものである。豆類として具体的には、例えば、ヒヨコマメ、ガルバンゾ、チャナ・ダール、レンズマメ、マスール・ダール、エンドウ、ソラマメ、ルピナス、ハウチワマメ、アルファルナ、大豆、緑豆、ケツルアズキ、ウラド・ダール、アズキ、ツルアズキ、ファン・ドウ、モス・ビーン、キマメ、ラチルス、グラスピー、フジマメ、シカクマメ、ササゲ、バンバラマメ、インゲンマメ、サンドマメ、サヤインゲン、アオイマメ、リママメ、テパリー・ビーン、ベニバナインゲン、ハナマメ、ラッカセイ、ピーナッツ等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらの豆類を1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれる豆類としては、入手と取扱いしやすさから、ヒヨコマメ、レンズマメ、ソラマメ、大豆、緑豆、アズキ、ラッカセイ、又はピーナッツであることが好ましい。
豆類の形状は、乾燥した豆類の元来の形状でもよく、細かく粉砕した状態でもよく、ペースト状でもよく、オイル状でもよく、これらに限定されない。中でも、豆類の形状は、加工しやすい点から、粉砕状、ペースト状、又はオイル状であることが好ましい。
・種子類
本明細書における「種子類」としては、殻に覆われた可食種子であり、植物学的には主旨を1個のみ含む果実を意味する。穀類や豆類と比較して一般的に大きさが大きく、脂肪分を多く含み、ほとんど調理せずに喫食できる(栄養摂取できる)。種子類として具体的には、例えば、アーモンド、ピーナッツ、ブラジルナッツ、カシューナッツ、クリ、ココナッツ(果肉)、アマの種子、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピーカンナッツ、マツの実、ピスタチオ、ケシの実、ゴマ、ヒマワリの種、クルミ、チアシード等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらの種子類を1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれる種子類としては、入手しやすさと取扱いやすさから、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、クリ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ゴマ、ヒマワリの種、又はクルミであることが好ましい。
種子類の形状は、乾燥した種子の元来の形状でもよく、細かく粉砕した状態でもよく、ペースト状でもよく、オイル状でもよく、これらに限定されない。中でも、種子類の形状は、加工しやすい点から、粉砕状、ペースト状、又はオイル状であることが好ましい。
・穀物類
本明細書における「穀物類」としては、穀物植物の可食部で、一般には穀粒(グレイン、カーネル)と呼ばれる部分を意味する。穀物類として具体的には、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、白米、玄米、ワイルド・ライス、トウモロコシ、フォニオ、アワ、キビ、ソルガム、テフ、ライコムギ、アマランス、ソバ、キノア(キヌア)等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらの穀物類を1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれる穀物類としては、入手しやすさと取扱いやすさから、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、白米、玄米、又はトウモロコシであることが好ましい。
穀物類の形状は、乾燥した種子の元来の形状でもよく、細かく粉砕した状態でもよく、ペースト状でもよく、オイル状でもよく、これらに限定されない。中でも、穀物類の形状は、加工しやすい点から、粉砕状であることが好ましい。
(タンパク質の含有量)
本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンパク質の含有量の下限値は、0.2質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは1.5質量%以上である。
従来のタンパク質含有飲料では、タンパク質の含有量が上記下限値以上である場合、明らかな凝集が発生した。これに対し、本実施形態のタンパク質含有飲料はタンパク質の含有量が上記下限値以上であっても、凝集の発生を抑制し、顕著な効果を奏する。
また、本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンパク質の含有量の上限値は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンパク質の含有量が上記上限値以下であることにより、容易に充分量のタンパク質を摂取でき、且つ良好な飲み口とすることができる。
なお、本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンパク質の含有量を測定する方法としては、例えば、配合比から計算する方法、又は公知の方法を用いて定量する方法等が挙げられる。前記公知のタンパク質の定量方法としては、例えば、Bicinchoninic Acid(BCA)法、Bradford法、Lowry法等が挙げられ、これらに限定されない。
より具体的には、例えば、BCA法によるタンパク質の定量方法は、2段階の反応に基づいており、以下の手順で行うことができる。まず、第1段階では、タンパク質含有飲料中のペプチド結合によって、二価銅イオン(Cu2+)が一価銅イオン(Cu)に還元される。還元されるCu2+の量は、溶液に含まれるタンパク質の量に比例する。次いで、第2段階では、2分子のBCAがCuに配位して、562nmに強い吸収を示す青紫色の錯体を形成する。これを分光光度計で測定して比色定量を行うことで、飲料中のタンパク質の含有量を定量できる。さらに具体的には、例えば、宝酒造製のTaKaRaBCAProtain Assay Kitを使用して、飲料中のタンパク質の含有量を定量することができる。
[タンニン]
本明細書における「タンニン」とは、植物に由来し、タンパク質、アルカロイド、又は金属イオンと反応し、強く結合して難溶性の塩を形成する水溶性化合物の総称を意味する。タンニンは、植物界に普遍的に存在している。また、タンニンは、多数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ複雑な芳香族化合物である。タンニンの由来となる食品原料としては、例えば、茶、カカオ、コーヒー、ワイン、果実等が挙げられ、これらに限定されない。
・カカオ
本明細書における「カカオ」とは、アオイ科(クロンキスト体系や新エングラー体系ではアオギリ科)の常緑樹であり、カカオノキ、ココアノキとも呼ばれるものを意味する。本実施形態におけるタンニンの由来となるカカオとしては、食品原料として用いられるものであればよく、具体的には、例えば、カカオマス、ココアバター、ココアパウダー、チョコレート等が挙げられ、これらに限定されない。
・コーヒー
本明細書における「コーヒー」とは、コーヒーノキから採取される種子のことを意味する。コーヒーは、生産されたままの生の状態である生豆であってもよく、加熱加工された焙煎豆であってもよい。また、コーヒーの産地や豆の種類は問わず、ブレンドしたものであってもよい。また、コーヒーの形状は、豆のままでもよく、粉砕した状態であってもよく、コーヒーの抽出液であってもよく、又は加工したもの(例えば、コーヒーの抽出液を造粒して粉末状にしたもの等)であってもよい。
・茶
本明細書における「茶」とは、チャノキの葉、茎、果実、花びら、根等や、真菌類・動物に由来する加工物から作られたものを意味する。本実施形態におけるタンニンの由来となる茶として具体的には、例えば、緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶、ハナ茶等が挙げられる。また、本実施形態における茶としては、茶外茶も含まれる。前記茶外茶としては、例えば、麦茶、甘茶、ゴーヤ茶、コカ茶、ルイボス茶、マタタビ茶、蔓茶、ハトムギ茶、ゆず茶、バニーブッシュ茶、陣皮茶、ドクダミ茶、熊笹茶、竹茶、ハーブ茶、昆布茶、梅昆布茶、マテ茶、そば茶、ハブ茶、甜茶、紫蘇茶、羅漢茶、椎茸茶等が挙げられる。これら茶を1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、茶の形状は、茶葉そのままでもよく、粉砕したものでもよく、抽出液であってもよく、又は加工したもの(例えば、茶の抽出液を造粒して粉末状にしたもの等)であってもよい。
中でも、本実施形態におけるタンニンの由来となる茶としては、香味及びタンパク質含有飲料への馴染みの良さから、緑茶、紅茶、又は黒茶であることが好ましい。
・果実
本実施形態におけるタンニンの由来となる「果実」としては、食用であればよく、特に、未成熟の果実にはタンニンが多く含まれる。果実として具体的には、例えば、カリン、チュウゴクナシ、ナシ、マルメロ、セイヨウカリン、ジューンベリー、シポーバ、リンゴ等の仁果類;アメリカンチェリー、アンズ、ウメ、サクランボ、スミミザクラ、スピノサスモモ、スモモ、モモ等の核果類;アーモンド、イチョウ、クリ、クルミ、ペカン等の殻果類;バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジ、ジャッファ・オレンジ、ベルガモット、キノット、グレープフルーツ、オランジェロ、ユズ、ダイダイ、カボス、スダチ、レモン、シークヮーサー、ライム、シトロン、ブッシュカン、ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツ、ジャバラ、スウィーティー、デコポン、カクテルフルーツ、イヨカン、清見、はるみ、タンカン、マーコット、セミノール、アグリフルーツ、タンジェロ、ブンタン、マンダリンオレンジ、ウンシュウミカン、ポンカン、タチバナ、紀州ミカン、サクラジマミカン、キンカン等の柑橘類;オリーブ、ビワ、ヤマモモ等の常緑性果実;カカオ、クプアス、ドリアン、スターアップル、ミラクルフルーツ、ルクマ、タマリロ、パイナップル、バナナ、キワノ、パパイア、ババコ、マウンテンパパイア、カシューナッツ、マンゴー、ポンドアップル、ボタンマンゴスチン、マメイアップル、マンゴスチン、レモンドロップマンゴスチン、スターフルーツ、コンカーベリー、アセロラ、ナンチェ、グアバ、ジャボチカバ等の熱帯果樹;クランベリー、ビルベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー等のベリー類;アケビ、イチジク、カキ、キイチゴ、キウイフルーツ、グミ、クワ、コケモモ、ザクロ、サルナシ、シーバックソーン、スグリ、ナツメ、ニワウメ、フサスグリ、ブドウ、ポーポー、マツブサ、ユスラウメ等が挙げられ、これらに限定されない。これら果実を1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、果実の形状は、生果をまるごとで使用してもよく、ジャム状、ピューレ状、果汁、まるごと又はカットしたものを半乾燥又は乾燥したもの、又は粉末状(例えば、果汁を造粒して粉末状にしたもの、生果をまるごと凍結乾燥して粉末状にしたもの等)であってもよい。
中でも、本実施形態におけるタンニンの由来となる果実としては、ベリー類、ブドウ、カキ、りんご、桃、バナナ、又はパイナップルであることが好ましい。
(タンニンの含有量)
本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンニンの含有量の下限値は、1ppm以上であり、好ましくは20ppm以上であり、より好ましくは80ppm以上であり、さらに好ましくは125ppm以上である。
本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンニンの含有量が上記下限値以上であることにより、タンパク質含有飲料の味の変化を楽しむことができ、またタンパク質独特の匂いや味わいをマスキングすることができる。また、従来のタンパク質含有飲料では、タンニンとタンパク質との共存下では、これらが複合体や塩等を形成して凝集を引き起こす。これに対し、本実施形態のタンパク質含有飲料はタンニンの含有量が上記下限値以上であっても、凝集の発生を抑制し、顕著な効果を奏する。
一方、本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンニンの含有量の上限値は特に限定されないが、例えば、6000ppm以下とすることが可能である。本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンニンの含有量が上記上限値以下であることにより、タンニン由来の苦味及び渋味を感じにくく飲みやすい味とすることができる。
なお、本実施形態のタンパク質含有飲料におけるタンニンの含有量を測定する方法としては、例えば、光度滴定装置を用いたレーベンタール氏法(過マンガン酸カリウム滴定法)等が挙げられる。レーベンタール氏法の具体的な測定方法は、農芸化学分析書(東京帝国大学農学部農芸化学教室/著)に従って、測定すればよい。
[セルロース]
本明細書における「セルロース」は、当業者に通常受け入れられている定義に基づくセルロース、すなわち、D−グルコピラノースがβ1−4結合で連なった構造を持つ多糖類の総称(以下、「通常のセルロース」と称する場合もある。)に加えて、後述する結晶セルロース複合体、及び微細繊維状セルロース複合体、並びにそれらの混合物を包含する。
また、「セルロース原料」とは、タンパク質含有飲料に含まれる原料のうち、セルロースを含有するものを意味する。セルロース原料は、粉末状、顆粒状等の固形物であってもよく、水系媒体にセルロースを分散させた分散液であってもよい。
(物性)
・平均重合度
本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれるセルロースの平均重合度としては、特別な限定はない。なお、セルロースの平均重合度は、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)の確認試験(3)に記載の銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従って測定することができる。
・粒子形状
本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれるセルロースの粒子形状は、微細な粒子形状であってもよい。
なお、セルロースの水分散体中の粒子形状は、以下に示す方法により測定することができる。まず、0.1質量%のセルロースを含有する純水懸濁液を調製する。次いで、高剪断ホモジナイザー(日本精機製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」、処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させる。次いで、得られた水分散体を、デジタルマイクロスコープ(ハイロックス製、商品名「HIROX KH−1300」)で形状観察した際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)との比(L/D)を粒子形状の指標とし、100〜150個のセルロース粒子の平均値として算出される値を採用すればよい。なお、L/Dの値が大きいほど、セルロースは細長い形状であることを意味する。
本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれるセルロースが微細な粒子形状である場合、セルロースのL/Dは、9以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、5以下であることが特に好ましい。セルロースのL/Dは、1より大きいことが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。セルロースのL/Dが上記範囲内であることにより、タンパク質含有飲料は、喫食した際にざらつきを感じにくく、喉越しが優れる傾向にある。
(セルロース原料)
・通常のセルロース
本実施形態における通常のセルロースは、草木類、微生物、動物等から得られる天然セルロースであってもよく、化学的に合成された合成セルロースであってもよい。前記天然セルロースとしては、例えば、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質が挙げられる。本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれる通常のセルロースは、これらのうち、1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。一般に入手できる通常のセルロースとして具体的には、例えば、セルロースフロック、結晶セルロース等の粉末形態である通常のセルロース(以下、「粉末セルロース」と称する場合がある。)が挙げられる。
・粉末セルロース(粉末形態である通常のセルロース)
本実施形態における「粉末セルロース」とは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを処理した後、精製し、機械的に粉砕したものを意味する。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の「粉末セルロース」に該当するものであり、粉末セルロースの平均重合度は、440より大きいと規定されている。粉末セルロースとして具体的には、例えば、日本製紙製の「KCフロックシリーズ」等が挙げられる。
・結晶セルロース
本実施形態における「結晶セルロース」とは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを酸で部分的に解重合し、精製したものを意味する。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の「結晶セルロース」に該当するものである。結晶セルロースの平均重合度は、350以下であることが好ましく、他の食品素材との馴染みがよいため、300以下であることがより好ましい。
セルロースの平均重合度を制御する方法としては、加水分解処理等が挙げられる。加水分解処理によって、セルロース繊維質内部の非晶質セルロースの解重合が進み、平均重合度が小さくなる。
前記加水分解処理の方法は、例えば、酸加水分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン、マイクロ波分解等が挙げられ、これらに限定されない。これらの方法は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸加水分解の方法では、例えば、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを水系媒体に分散させた状態で、プロトン酸、カルボン酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸等を適量加え、攪拌させながら、加温することにより、容易に平均重合度を制御できる。この際の温度、圧力、時間等の反応条件は、セルロース種、セルロース濃度、酸種、酸濃度により異なるが、目的とする平均重合度が達成されるよう適宜調整すればよい。より具体的には例えば、2質量%以下の鉱酸水溶液を使用し、100℃以上、加圧下で、10分間以上セルロースを処理するという条件が挙げられる。この条件のとき、酸等の触媒成分がセルロース繊維内部まで浸透し、加水分解が促進され、使用する触媒成分量が少なくなり、その後の精製も容易になる。
また、結晶セルロースと粉末セルロースとでは、水に分散させたときの状態が異なる。セルロースを水に分散させ、ホモジナイザーで磨砕して分散液を作製し、その状態を目視観察して比較すると、結晶セルロースの水分散液では、全体が白色不透明なクリーム状を呈し分離が生じない。これに対し、粉末セルロースの水分散液では、分離が生じ上澄み液と沈殿とに分かれる。
水分散液状態の比較する方法としては、例えば、以下に示す方法で行えばよい。まず、セルロース含有量が10質量%となるように、水及びセルロースを量り取る。次いで、25℃雰囲気下にてTKホモミキサー(特殊機化工業(株)製、「MARK II」)を用いて12,000rpm、10分間撹拌して分散液を作製する。次いで、この分散液を高圧ホモジナイザー(APV製、「マントンゴーリンホモジナイザー」、圧力15MPa)処理する。次いで、得られた白色の懸濁液を、25℃で1時間静置後の懸濁安定状態で比較すればよい。
・結晶セルロース粉末
上記結晶セルロースは、粉末状態であってもよい。本明細書において、「結晶セルロース粉末」とは、結晶セルロースが粉末化されているものを意味し、前記「粉末セルロース」とは区別される。
結晶セルロース粉末の原料となる天然セルロースは、植物由来、動物由来、又は微生物由来であればよい。中でも、植物由来であることが好ましい。前記植物としては、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質が挙げられる。上記繊維質物質のうち1種を使用してもよく、2種以上を混合したものを使用してもよい。
また、天然セルロースは、精製パルプの形態で使用することが好ましい。パルプの精製方法に特別な限定はなく、例えば、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等のいずれのパルプを使用してもよい。
結晶セルロース粉末の平均粒子径(乾燥粉体、二次凝集体)は、20μm以上100μm以下であることが好ましい。結晶セルロース粉末の平均粒子径が上記範囲内であることにより、タンパク質含有飲料中に豆類、種子類等の固形分を含む場合、容易に馴染ませることができる。
なお、結晶セルロースの平均粒子径の測定方法は、乾燥粉体で二次凝集体の状態で結晶セルロース粉末を篩上で振とうさせ、分画し、粒径に対する重量頻度を測定する方法等、公知の篩分けによる方法により行うことができる。典型的には、まず、ロータップ式篩振盪機(平工作所製、シーブシェーカーA型)により、JIS標準篩(Z8801−1987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより分画する。次いで、得られた粒度分布における累積重量50%粒径を、結晶セルロースの乾燥粉体の平均粒子径とすればよい。
結晶セルロース粉末の製造方法としては、例えば、加水分解処理された天然セルロースを乾燥することにより得られる。この場合、加水分解処理により得られる反応溶液から、加水分解処理されたセルロースを含む固形分を単離し、これを適当な媒体に分散させて調製した分散液を乾燥してもよく、同加水分解溶液がそのままの状態でセルロース分散液を形成している場合は、この分散液を直接乾燥してもよい。
結晶セルロース粉末の製造方法において、加水分解処理されたセルロースを含む固形分を、その後適当な媒体に分散させる場合に用いられる媒体としては、工業的に使用されるものであれば特別な限定はなく、例えば、水及び有機溶剤のうち少なくともいずれかを使用してもよい。前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等が挙げられる。中でも、媒体として用いる有機溶剤としては、医薬品に使用されるものが好ましく、「医薬品添加剤事典2000」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものがより好ましい。
例えば、加水分解処理されたセルロースを含む固形分を、まず1種の媒体で一旦分散させた後、当該媒体を除去し、次いで異なる媒体に分散させてもよい。
結晶セルロース粉末の製造方法において、媒体に分散させて調製した分散液の乾燥方法としては、特別な限定はない。前記乾燥方法としては、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚段乾燥、気流乾燥、真空乾燥、有機溶剤と共に乾燥する乾燥方法等が挙げられる。
・セルロースの水分散液
本実施形態における「セルロースの水分散液」とは、上記粉末セルロース、上記結晶セルロース、又は上記結晶セルロース粉末等を水に分散させた溶液を意味する。
セルロースの水分散液の平均粒子径(一次粒子径)は、50μmより小さいことが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましく、11μm以下であることが特に好ましい。セルロースの水分散液の平均粒子径が上記上限値以下であることにより、タンパク質含有飲料に配合された際に、均一に分散しやすい。このため、ザラツキを感じにくく、喉越しが良好となり、成型性に優れるタンパク質含有飲料が得られる。また、セルロースの水分散液の平均粒子径が上記上限値を超える場合は、セルロースの水分散液を調整し、予め平均粒径を上記上限値以下にした状態でタンパク質含有飲料に添加する方法が好ましい。
一方、セルロースの水分散液の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、例えば、1μm以上とすることが可能である。
なお、本明細書において、「セルロースの水分散体の平均粒子径」とは、粒子全体の体積に対して、積算体積が50%になるときの粒子の球形換算直径のことを意味し、メジアン径とも呼ばれる。
セルロースの水分散体の平均粒子径の測定方法としては、例えば、以下に示す方法で行えばよい。まず、1質量%のセルロースの水分散液を試料として調製する。次いで、得られた試料に対して、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、商品名「LA−910」、超音波処理1分間、屈折率1.20)を用いたレーザー回折法により測定すればよい。次いで、レーザー回折法により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径を、上述のとおり、「セルロースの水分散液の平均粒子径」とすればよい。
また、測定に試料として用いるセルロースの水分散液は、例えば、以下に示す方法で調製すればよい。まず、固形分濃度が1%、分散液の総量が1,500mLとなるように、サンプルと純水とを2L容のSUSビーカーに量り取る。次いで、汎用撹拌翼かい十字(半径35mm)を取り付けたプロペラ攪拌機(スリーワンモーター、HEIDON製、BL−600)を用いて、25℃、500rpmで20分間分散して調製すればよい。
・結晶セルロース複合体
本明細書における「結晶セルロース複合体」とは、主成分である結晶セルロースに水溶性高分子が複合化されたものを意味する。ここで、「複合化」とは、結晶セルロースの表面が、水素結合等の化学結合により、水溶性高分子で被覆された形態を意味する。従って、結晶セルロース複合体は、結晶セルロース粉末と水溶性高分子とを単に混合した状態ではなく、水溶性高分子が結晶セルロース表面を被覆した状態である。そのため、結晶セルロース複合体を水系媒体中に分散させると、水溶性高分子が結晶セルロース表面から剥離することなく、表面から放射状に広がった構造を形成し、水中でコロイド状となる。このコロイド状で存在する結晶セルロース複合体は、それぞれの静電反発、立体反発、ファンデルワールス力等の相互作用によって、高次のネットワーク構造を形成することができる。
本明細書における「水溶性高分子」とは、親水性高分子物質であって、冷水及び温水のうち少なくともいずれかに溶解又は膨潤する物質のことを意味する。ここで「親水性」とは、常温のイオン交換水に、一部が溶解する特性を有することを意味する。「親水性」を定量的に定義すると、以下のとおりである。まず、水溶性高分子0.05gを、50mLのイオン交換水に、攪拌下(スターラーチップ等による)で平衡まで溶解させる。次いで、目開き1μmのメンブレンフィルターで処理した際に、該メンブレンフィルターを通過する成分が水溶性高分子中に1質量%以上含まれるとき、親水性を有すると判定される。
水溶性高分子は、乾燥時におけるセルロース同士の角質化を防止する作用を有するため、水溶性高分子と複合体化した結晶セルロース複合体は、他の粉末に対して均一に混合しやすく、水系媒体へも容易に分散しやすい。よって、本実施形態のタンパク質含有飲料において、タンパク質含有飲料のその他の原料にセルロースをより簡便に均一に混合できるため、結晶セルロース複合体を含有することが好ましい。
複合体を形成する結晶セルロースとしては、微細繊維状であってもよく、微粒子状であってもよい。中でも、複合体を形成する結晶セルロースとしては、微粒子状であることが好ましく、L/Dが9以下の微粒子であることがより好ましく、L/Dが7以下の微粒子であることがさらに好ましく、L/Dが6以下の微粒子であることがよりさらに好ましく、L/Dが5以下の微粒子であることが特に好ましい。
また、本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれる結晶セルロース複合体としては、結晶セルロースと水溶性多糖類との複合体であることが好ましい。
前記水溶性多糖類としては、例えば、キサンタンガム、カラヤガム、ジェランガム、サイリウムシードガム、ローカストビーンガム、グアーガム、酵素分解グアーガム、タマリンドシードガム、クインスシードガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、カードラン、カラギーナン、ファーセルラン、プルラン、デキストラン、グルコマンナン、寒天、ゼラチン、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、水溶性大豆多糖類、キトサン、アゾトバクター・ビネランジーガム、アルギン酸及びその塩、セルロース誘導体等が挙げられる。
前記ペクチンとしては、HMペクチン及びLMペクチンのいずれであってもよい。
前記アルギン酸塩としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
結晶セルロースと複合体を形成する水溶性多糖類は、これら1種であってもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、結晶セルロースと複合体を形成する水溶性多糖類としては、陰イオン性多糖類であることが好ましい。一般に、「陰イオン性多糖類」とは、それを水中で分散又は溶解した際に、陽イオンが遊離し、それ自身が陰イオンとなるものを意味する。陰イオン性多糖類は、セルロースと複合化しやすく、このため得られた結晶セルロース複合体は、懸濁安定性が高い。よって、前記結晶セルロースは、タンパク質含有飲料中の成分と均一に混合しやすく、喉越しが良好な飲料が得られるため、好適である。
前記陰イオン性多糖類としては、例えば、キサンタンガム、カラヤガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、HMペクチン、LMペクチン等が挙げられる。これらの陰イオン性多糖類は、1種のみを結晶セルロースと複合化してもよく、2種以上を組み合わせて複合化してもよい。
中でも、陰イオン性多糖類としては、キサンタンガム、カラヤガム、ジェランガム、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
結晶セルロース複合体における結晶セルロースの含有量としては、20質量%以上99質量%以下であることが好ましく、30質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以上95質量%以下であることが特に好ましく、60質量%以上90質量%以下であることが最も好ましい。
また、結晶セルロース複合体における水溶性高分子の含有量としては、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、1質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
結晶セルロース及び水溶性高分子の含有量が上記範囲内であることにより、結晶セルロースと水溶性高分子との複合化が促進されやすく、タンパク質含有飲料中で結晶セルロースの凝集及び沈殿を抑制することができる。
結晶セルロース複合体の製造方法としては、例えば、混練工程において結晶セルロースと水溶性高分子とに機械的剪断力を与え、結晶セルロースを微細化させるとともに、結晶セルロース表面に水溶性高分子を複合化させることによって製造できる。結晶セルロースの微細化時には、水溶性高分子以外のその他の添加剤などを添加してもよい。特に親水性物質は、結晶セルロースと水溶性高分子とを複合化する工程において一緒に添加してもよく、複合体形成後に添加してもよい。混練工程で得られた混練物は、必要に応じ、乾燥される。本実施形態のタンパク質含有飲料に配合される結晶セルロース複合体は、上述の機械的剪断を経ていればよく、未乾燥のものであってもよく、乾燥されたものであってもよい。
機械的剪断力を与える方法としては、例えば、混練機等を用いて混練する方法等を適用することができる。前記混練機としては、ニーダー、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ライカイ機等が挙げられ、連続式でもよく、バッチ式でもよい。これらの混練機を単独で使用してもよく、2種以上の機種を組み合わせて使用してもよい。これらの混練機は、種々の用途における粘性要求等により、適宜選択すればよい。
セルロースと水溶性高分子との混練時の温度は、特別な限定はなく、20℃以上100℃以下であることが好ましく、30℃以上100℃以下であることがより好ましく、50℃以上100℃以下であることがさらに好ましい。混練時の温度が上記範囲内であることにより、結晶セルロースの磨砕及び水溶性高分子との複合化を容易に進めることができる。また、熱による水溶性高分子の劣化が抑制され、密度の高いネットワーク構造が形成された結晶セルロース複合体を得ることができる。また、混練の際の複合化反応や摩擦等により発熱する場合には、除熱しながら混練してもよい。温度を制御するために、ジャケット冷却、放熱等の除熱をしてもよい。
混練時の固形分含有量は、20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が特に好ましい。混練時の固形分含有量が上記下限値以上であることにより、混練エネルギーが混練物に伝わりやすくなり、複合化が促進される。
一方、混練時の固形分含有量の上限値は特に限定されないが、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。混練時の固形分含有量が上記上限値以下であることにより、充分に混練することができ、均一な混練状態が得られる。
また、固形分含有量を上記範囲内とするために、水を添加するタイミングとしては、混練工程の前に必要量を加水してもよく、混練工程の途中で加水してもよく、全加水量から一部を振り分けて混練工程の前及び途中の両方において加水してもよい。
また、結晶セルロース複合体の製造方法において、上記混練工程より得られた混練物を乾燥する場合は、例えば、棚段式乾燥、噴霧乾燥、ベルト乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。
混練物を乾燥工程に供する場合には、混練物に水を添加せず、混練工程の固形分濃度を維持して、乾燥工程に供することが好ましい。乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率は、20質量%であることが好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率が上記上限値以下であることにより、べたつき、腐敗等の問題や、運搬又は輸送におけるコストの問題が生じにくくなる。
一方、乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましい。乾燥後の結晶セルロース複合体の含水率が上記下限値以上であることにより、過剰乾燥による分散性の悪化を防ぐことができる。
また、乾燥工程後に得られた結晶セルロース複合体は、粉砕処理して粉体状にすることが好ましい。但し、乾燥方法として噴霧乾燥を用いた場合は、乾燥と粉末化とを同時に行うことができるため、粉砕処理を行う必要はない。
乾燥した結晶セルロース複合体を粉砕する場合、例えば、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の方法を用いることができる。粉砕する程度としては、粉砕処理したものが、好ましくは目開き1mmの篩いを全通する、より好ましくは目開き425μmの篩いを全通し、且つ、平均粒度(重量平均粒子径)が10μm以上250μm以下となるように粉砕すればよい。
・高分子物質ではない親水性物質
本実施形態のタンパク質含有飲料が含有するセルロースとしては、セルロースのみからなるものであってもよく、水系媒体への分散性を高める目的で、セルロースと共に高分子物質ではない親水性物質を含有するものであってもよい。前記親水性物質は、水系媒体中にセルロースを分散させた際の、崩壊剤、又は導水剤として機能する。従って、タンパク質含有飲料の他の原料と混合させる前に、セルロースを予め親水性物質と混合しておき、親水性物質で被覆されたセルロースを配合することにより、セルロースがタンパク質含有飲料中でより分散しやすくなる。
本実施形態のタンパク質含有飲料が含有するセルロースとしては、セルロース及び水溶性多糖類の結晶セルロース複合体と高分子物質ではない親水性物質とを含むものであることが好ましい。
本明細書において、「高分子物質ではない親水性物質」とは、冷水への溶解性が高く、粘性をほとんどもたらさない有機物質を意味する。高分子物質ではない親水性物質として具体的には、例えば、澱粉加水分解物、加工澱粉等の比較的低分子量の多糖類;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキストリン等のオリゴ糖類;ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類;マルチトール、ソルビット、エリスリトール等の糖アルコール類等が挙げられる。
前記澱粉加水分解物としては、デキストリン類が挙げられる。
前記加工澱粉としては、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシアルキル化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リン酸エステルナトリウム等が挙げられる。
また、これらの加工澱粉の原料となる澱粉としては、アルファー化加工したものであってもよく、部分的にアルファー化加工したものであってもよく、アルファー化加工していないものであってもよい。
中でも、本実施形態におけるセルロースが含有する親水性物質としては、澱粉加水分解物及び加工澱粉からなる群より選択される1種以上であることが好ましく、デキストリン及び加工澱粉からなる群より選択される1種以上であることがより好ましく、デキストリン及び加工澱粉の両方であることがさらに好ましい。
また、本実施形態のタンパク質含有飲料が含有するセルロースが水溶性高分子と複合体化していないセルロースである場合には、僅かではあるが、水溶性高分子としての機能を有することから、デキストリンを含有することが特に好ましい。
なお、セルロースに対する親水性物質の含有量は、セルロースの種類、親水性物質の種類等を考慮して、水系媒体中における分散性やその安定性を阻害しない程度に適宜調整することができる。
(セルロースの含有量)
本実施形態のタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量の下限値は、0.01質量%以上であり、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.15質量%以上であり、さらに好ましくは0.20質量%以上である。
本実施形態のタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量が上記下限値以上であることにより、飲料中でセルロースが均一な網目構造を形成することができるため、凝集及び沈殿を抑制して均一な外観とすることができる。さらに、タンニン由来の渋味を感じにくくすることができる。
一方、本実施形態のタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量の上限値は特に限定されないが、例えば、3.00質量%以下とすることが可能である。本実施形態のタンパク質含有飲料におけるセルロースの含有量が上記上限値以下であることにより、良好な喉越し、舌触りの飲料とすることができる。
[その他材料]
本実施形態のタンパク質含有飲料は、その他材料として、以下に挙げるものを含んでいていてもよい。
(ルチン)
本実施形態のタンパク質含有飲料は、さらに、ルチンを含有していてもよい。
ルチンの分子式はC273016で表され、クェルセチンの3位の酸素にβ−ルチノース(6−O−α−L−ラムノシル−β−D−グルコース)が結合したフラボノイド配糖体である。強力な抗酸化作用をもつポリフェノールのフラボノイド化合物の仲間で、ビタミンPとも呼ばれる。ルチンは水溶性である。
本実施形態のタンパク質含有飲料におけるルチンの含有量は、100mLあたり1.8mg以下が好ましい。本実施形態のタンパク質含有飲料におけるルチンの含有量が上記上限値以下であることにより、ルチン由来の苦味が抑制され、良好な味の飲料とすることができる。
ルチンの含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー、一例としてHPLC(島津製作所製LC−6Aポンプ、日本分校工業製870UV型紫外可視分光検出器、レオダイン製7125インジェクター、島津製作所製クロマトパックCR4Aデータ処理装置)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、まず、ルチン標準溶液(ルチン3水塩54.4mgをメタノールに溶解して50mLとしたもの)を、メタノール、水、及び0.5Mシュウ酸の混合溶液(メタノール:水:0.5Mシュウ酸=5:44:1)で希釈し、その40μLをHPLCに注入し、ピークの高さから絶対検量線法により検量線を作成する。次いで、ルチンを含有する試料10gを200mLのナスフラスコに秤量し、メタノール50mLを添加して90℃の水浴内で60分間加熱還流する。次いで、冷却後、100mLのメスフラスコに全量100mLとなるようメタノールを添加し、2500rpmで5分間遠心分離する。次いで、上澄み10mLを100mLのナスフラスコにとり、溶媒を減圧乾固し、残留物をメタノール0.5mLに溶解した後、0.01Mシュウ酸5mL、及びメタノール、水、及び0.5Mシュウ酸の混合溶液(メタノール:水:0.5Mシュウ酸=25:24:1)10mLで溶出する。次いで、溶出液を減圧乾固し、残留物をメタノール0.5mLで溶解した後、0.01Mシュウ酸を加えて全量5.0mLとする。次いで、HPLCで標準液と同様にしてピークの高さを測定し、検量線より含有量を求めることができる。
(安定剤)
本実施形態のタンパク質含有飲料は、さらに、増粘多糖類を含有していてもよい。前記増粘多糖類としては、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、デキストリン、でんぷん等が挙げられる。これら増粘多糖類を、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本実施形態のタンパク質含有飲料に含まれる増粘多糖類としては、飲料との馴染みやすさから、グアーガム、カラヤガム、アラビアガム、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムであることが好ましい。
(その他材料)
本実施形態のタンパク質含有飲料は、上記以外のその他材料を含有してもよい。その他材料としては、喫食可能な成分であればよく、味付け、保存等を目的として添加されるものが挙げられる。その他材料としては、例えば、植物油、動物油等の油脂類、野菜成分、肉成分、きのこ成分、デンプン類、調味料、乳化剤、界面活性剤、増粘多糖類、日持ち向上剤、抗菌剤、崩壊剤、消泡剤、発砲剤、食物繊維、栄養強化剤、pH調整剤、香料、酸化防止剤、酸味料、膨張剤、色素等が挙げられる。前記調味料としては、食塩、ブドウ糖、果糖、砂糖、甘味料、糖アルコール等の糖類、各種エキス、アミノ酸等、オニオン、コンソメ、醤油、塩、香辛料等が挙げられる。
これらの材料の含有量は、本実施形態における効果を損なわない限り、限定されず、香味のバランス等から適宜調整すればよい。
<タンパク質含有飲料の製造方法>
本実施形態のタンパク質含有飲料の製造方法としては、特別な限定はない。例えば、水に原材料を投入し、これを撹拌して製造すればよい。より具体的には例えば、まず、80℃に調温した水に、あらかじめ混合した原料を投入する。次いで、この混合液を、スリーワンモーターを用いて均一に分散させる。次いで、圧力式ホモジナイザー(マントンゴーリンリンホモジナイザー)を用いて、20MPaの圧力で均質化することで、本実施形態のタンパク質含有飲料を製造することができる。さらに、長期保存のために、殺菌してもよく、保存容器に詰めてもよい。
(保存容器)
本実施形態のタンパク質含有飲料を充填する保存容器としては、特別な限定はない。例えば、グラス、マグカップ等の器;蓋を有するポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate:PET)製容器、缶、瓶、紙パック、チルドカップ等が挙げられ、これらに限定されない。中でも、保存容器としては、長い期間保存できることから、蓋を有するPET製容器、缶、又は紙パックであることが好ましく、凝集抑制の効果が明瞭であることから、PET製容器であることがより好ましい。
本発明を、下記の実施例等により説明する。ただし、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
<<評価方法>>
以下に示す実施例1〜9及び比較例1〜4で製造されたタンパク質含有飲料の評価方法を下記に示す。
<タンパク質含有飲料の損失正接tanδ>
タンパク質含有飲料の損失正接tanδは、以下のとおり測定し、求めた。
まず、製造した飲料を25℃で1日保存後に、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により、25℃における貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失剪断弾性率(G’ ’)を測定した。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始した。次いで、得られた25℃における貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失剪断弾性率(G’ ’)から、G’ ’/G’、すなわち、損失正接tanδを算出した。
<タンパク質含有飲料のG’(50)/G’(25)>
タンパク質含有飲料のG’(50)/G’(25)は、以下のとおり測定し、求めた。
まず、製造した飲料を25℃及び50℃で1日保存後に、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARESG2型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25℃又は50℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引。)により、25℃及び50℃での貯蔵剪断弾性率(G’)を測定した。なお、飲料は内部構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりとセル内部に投入し、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始した。次いで、歪20%のときの25℃及び50℃での貯蔵剪断弾性率G’の値をそれぞれG’(25)、G’(50)とし、その比(G’(50)/G’(25))を算出した。
<タンパク質含有飲料の凝集>
タンパク質含有飲料の凝集を、目視検査により以下の4基準に基づきランク付けした。
◎:なし、○:一部に少量発生、△:全体に少量発生、×:全体に多量に発生
<タンパク質含有飲料の沈殿>
タンパク質含有飲料の沈殿を、目視検査により以下の4基準に基づきランク付けした。
◎:なし、○:一部に少量発生、△:全体に少量発生、×:全体に多量に発生
<タンパク質含有飲料の香り立ち>
タンパク質含有飲料の香り立ちを、20代から50代までの男女5名のパネルにより、官能検査を実施した。評価基準は、以下の4基準に基づきランク付けした。なお、5名のパネラーのうち、最も多かった回答を、評価結果とした。
◎:優れる、○:やや優れる、△:やや劣る、×:劣る
<タンパク質含有飲料の渋味>
タンパク質含有飲料の渋味を、20代から50代までの男女5名のパネルにより、官能検査を実施した。評価基準は、以下の4基準に基づきランク付けした。なお、5名のパネラーのうち、最も多かった回答を、評価結果とした。
◎:優れる(渋くない)、○:やや優れる(あまり渋くない)、△:やや劣る(やや渋い)、×:劣る(渋い)
[実施例1]タンパク質含有飲料1の製造
(1)結晶セルロース複合体Aの製造
市販DPパルプを細断後、2.5mol/Lの塩酸中、105℃で15分間加水分解した後、水洗、濾過し、固形分が55%のウェットケーキ状のセルロースを製造した。平均重合度は220であった。次いで、ウェットケーキ状のセルロースと、水溶性カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose;CMC)として市販のCMC−Na(Ashland製、FL−9A、置換度0.93)とを、セルロース/水溶性CMC=85/15、固形分濃度が48%(イオン交換水で調整)となるように、二軸の混練機(DSM Xplore製、Compounder15)に投入して、せん断速度393(1/sec)で12分間混練し、結晶セルロース複合体Aを得た。なお、水溶性CMCは、一回で全量投入した。混練温度は70℃であった。
(2)タンパク質含有飲料1の製造
次いで、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、オーツ麦(日本食品製)2質量%、豆乳(紀文製)1質量%、結晶セルロース複合体Aを0.01質量%、ココアパウダー(バンホーテン)を0.5質量%、砂糖を5質量(第一糖業)%とした。これらの原料のうち豆乳以外の粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、まず80℃に加温したイオン交換水に、スリーワンモーター(HEIDEN製、BL−600)を用いて500rpmで撹拌しながら混合した粉体原料と豆乳とを投入し、5分間撹拌した。これを、圧力式ホモジナイザー(マントンゴーリンホモジナイザー、SMT製)を用いて、一次圧を15MPa、二次圧を5MPaで処理した。さらにUHT殺菌機を用いて、140℃で60秒間殺菌し、タンパク質含有飲料1を製造した。
タンパク質含有飲料1のタンパク含有量は0.5質量%、タンニンは20ppm、損失正接tanδは1.3、G’(50)/G’(25)は0.84であり、凝集は○、沈殿は△、香り立ちは△、渋味は○であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例2]タンパク質含有飲料2の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.08質量%、スキムミルク(雪印製)1質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)3質量%、ココアパウダー(バンホーテン)を0.5質量%、砂糖を5質量%(第一糖業)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、まず80℃に加温したイオン交換水に、スリーワンモーター(HEIDEN製、BL−600)を用いて500rpmで撹拌しながら、予め混合した粉体原材料を投入し、5分間撹拌した。これを、圧力式ホモジナイザー(マントンゴーリンホモジナイザー、SMT製)を用いて、一次圧を15MPa、二次圧を5MPaで処理した。さらにUHT殺菌機を用いて、140℃で60秒間殺菌し、タンパク質含有飲料2を製造した。
タンパク質含有飲料2のタンパク含有量は1.1質量%、タンニンは20ppm、損失正接tanδは2.7、G’(50)/G’(25)は1.9であり、凝集は△、沈殿は○、香り立ちは○、渋味は○であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例3]タンパク質含有飲料3の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.16質量%、スキムミルク(雪印製)4質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)8質量%、ココアパウダー(バンホーテン製)を0.5質量%、砂糖を5質量%(第一糖業)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、実施例2と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料3を製造した。
タンパク質含有飲料3のタンパク含有量は3.5質量%、タンニンは20ppm、損失正接tanδは2.4、G’(50)/G’(25)は1.5であり、凝集は○、沈殿は○、香り立ちは○、渋味は○であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例4]タンパク質含有飲料4の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.16質量%、全脂粉乳(雪印製)10質量%、大豆粉(マルコメ製)6.4質量%、ココアパウダー(バンホーテン製)を0.5質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、実施例2と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料4を製造した。
タンパク質含有飲料4のタンパク含有量は4.8質量%、タンニンは20ppm、損失正接tanδは2.8、G’(50)/G’(25)は1.3であり、凝集は○、沈殿は○、香り立ちは◎、渋味は○であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例5]タンパク質含有飲料5の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.2質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、ココアパウダー(バンホーテン製)を2質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、実施例2と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料5を製造した。
タンパク質含有飲料5のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは81ppm、損失正接tanδは1.4、G’(50)/G’(25)は2.2であり、凝集は◎、沈殿は◎、香り立ちは○、渋味は◎であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例6]タンパク質含有飲料6の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.2質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、コーヒー(AGF製)を1質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、実施例2と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料6を製造した。
タンパク質含有飲料6のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは125ppm、損失正接tanδは1.6、G’(50)/G’(25)は1.8であり、凝集は◎、沈殿は◎、香り立ちは◎、渋味は◎であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例7]タンパク質含有飲料7の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.2質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、紅茶(リプトン製)を茶葉として3質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの原料のうち紅茶以外の粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、まず90℃に加熱させたイオン交換水に、紅茶を茶葉としてトータル3質量%となるよう投入し、抽出を行い、紅茶液を得た。次いで、80℃に加温した紅茶液に、スリーワンモーター(HEIDEN製、BL−600)を用いて500rpmで撹拌しながら混合した粉体原料と豆乳とを投入し、5分間撹拌した。これを、圧力式ホモジナイザー(マントンゴーリンホモジナイザー、SMT製)を用いて、一次圧を15MPa、二次圧を5MPaで処理した。さらにUHT殺菌機を用いて、140℃で60秒間殺菌し、タンパク質含有飲料7を製造した。
タンパク質含有飲料7のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは330ppm、損失正接tanδは1.8、G’(50)/G’(25)は1.5であり、凝集は◎、沈殿は◎、香り立ちは◎、渋味は◎であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例8]タンパク質含有飲料8の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.2質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、コーヒー(AGF製)を5質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、実施例2と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料8を製造した。
タンパク質含有飲料8のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは6,000ppm、損失正接tanδは2.2、G’(50)/G’(25)は1.9であり、凝集は◎、沈殿は○、香り立ちは◎、渋味は△であった。上記結果を表1にも示す。
[実施例9]タンパク質含有飲料9の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を3質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、ココア(バンホーテン製)を3質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、実施例2と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料9を製造した。
タンパク質含有飲料9のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは125ppm、損失正接tanδは0.8、G’(50)/G’(25)は2.7であり、凝集は◎、沈殿は◎、香り立ちは◎、渋味は○であった。上記結果を表1にも示す。
Figure 2018174721
[比較例1]タンパク質含有飲料10の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いずに、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、ココア(バンホーテン製)を3質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、実施例9と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料10を製造した。
タンパク質含有飲料10のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは125ppm、損失正接tanδは0.4、G’(50)/G’(25)は0.5であり、凝集は×、沈殿は×、香り立ちは×、渋味は×であった。上記結果を表2にも示す。
[比較例2]タンパク質含有飲料11の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aの代わりに、ジェランガム(LT−100、三栄源エフ・エフ・アイ製)を0.3質量%用いて、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、ジェランガムを0.3質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、ココア(バンホーテン製)を3質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、比較例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料11を製造した。
タンパク質含有飲料11のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは125ppm、損失正接tanδは4.8、G’(50)/G’(25)は0.6であり、凝集は×、沈殿は△、香り立ちは×、渋味は×であった。上記結果を表2にも示す。
[比較例3]タンパク質含有飲料12の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aと、ジェランガム(LT−100、三栄源エフ・エフ・アイ製)とを併用して、タンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体を0.08質量%、ジェランガムを0.2質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、ココア(バンホーテン製)を3質量%、砂糖を5質量%(第一糖業製)、とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、比較例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料12を製造した。
タンパク質含有飲料12のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは125ppm、損失正接tanδは3.5、G’(50)/G’(25)は0.9であり、凝集は△、沈殿は△、香り立ちは×、渋味は×であった。上記結果を表2にも示す。
[比較例4]タンパク質含有飲料13の製造
実施例1の(1)で得られた結晶セルロース複合体Aを用いて、ココアを配合せずにタンパク質含有飲料を製造した。配合は、結晶セルロース複合体Aを0.2質量%、スキムミルク(雪印製)2質量%、ピーナッツ粉(みの屋製)4質量%、砂糖を5質量%(第一糖業)とした。これらの粉体原料は予め混合した。また、イオン交換水でトータル100質量%となるよう調整した。製造方法としては、比較例1と同様の方法を用いて、タンパク質含有飲料13を製造した。
タンパク質含有飲料13のタンパク含有量は1.7質量%、タンニンは0ppm、損失正接tanδは1.1、G’(50)/G’(25)は1.0であり、凝集は◎、沈殿は△、香り立ちは×、渋味は○であった。タンパク質含有飲料13は、タンニンを含まないため、凝集は発生せず、渋味もそれほど感じなかったが、香り立ちが悪く、沈殿も多かった。
Figure 2018174721
表1及び表2から、タンパク質及びタンニンを含有するタンパク質含有飲料において、セルロースを配合し、且つ損失正接tanδが3.5未満(好ましくは、3.0以下)であることにより、凝集及び沈殿がなく均一な外観を呈し、且つ渋味を抑制でき、さらに、香り立ちも良好であることが明らかとなった。
本実施形態のタンパク質含有飲料は、タンパク質及びタンニンの凝集及び沈殿が抑制された飲料である。また、本実施形態のタンパク質含有飲料は、香り立ちが良好であり、タンニン由来の渋味が抑制されているため、商品価値が高い。

Claims (4)

  1. タンパク質を0.2質量%以上、タンニンを1ppm以上、及びセルロースを0.01質量%以上含有し、且つ、損失正接tanδが3以下であるタンパク質含有飲料。
  2. 前記タンパク質含有飲料の25℃における貯蔵剪断弾性率G’(25)に対する50℃における貯蔵剪断弾性率G’(50)の比(G’(50)/G’(25))が0.8以上3.0以下である請求項1に記載のタンパク質含有飲料。
  3. 前記タンニンが、カカオ、コーヒー、茶、及び果実からなる群から選ばれる少なくとも1種から由来する請求項1又は2に記載のタンパク質含有飲料。
  4. さらに、豆類、種子類、及び穀物類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパク質含有飲料。
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