JP2006191904A - ゲル化剤製剤 - Google Patents

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Abstract

【発明の課題】
不溶性固形分の均一性や内容成分の安定性が問題となるゲル状食品等において、不溶性固形分の均一性やの内容成分の安定性が改善され、製造工程中などの工程で、沈殿もしくは分離(凝集)を生じず、内容成分の均質性に優れた加工食品用組成物又は加工食品を得るためのゲル化剤製剤を提供する
【解決手段】
大麦ベータファイバーとキサンタンガムを組み合わせることでゲル化を起こさせ、この組み合わせによって、不溶性固形分の分散性を向上させ、また、内容成分の分離、凝集、沈降等を有意に防止することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル化剤製剤として、大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有し、かつこの組み合わせでゲル化させて使用すること及びその応用に関する。
詳細には、本発明は、液状成分をゲル化して、内容成分を安定化する効果を奏するゲル化剤製剤であって、大麦ベータファイバーとキサンタンガムを必須の成分とし、特定の割合で配合することを特徴とするゲル化剤製剤に関する。
本発明のゲル化剤製剤は、不溶性固形分の均一性や内容成分の安定性が問題となるゲル状食品等において有用である。
また、本発明は、大麦ベータファイバーに加えてキサンタンガムを含有してなる、多機能的なゲル化剤製剤に関する。
特に大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有し、特定の条件、すなわち、特定の割合で配合するゲル化剤製剤によれば、不溶性固形分及び蛋白質を含有する系であっても増粘、凝集させることなく、均一なゲル化をさせることができ、液状食品に対するゲル化剤製剤として特に有用である。
さらに本発明はこれらのゲル化剤製剤を含有することにより、不溶性固形分の均一性や内容成分の安定性が改善され、製造工程中などで、沈殿もしくは分離(凝集)を生じず、内容成分の均質性に優れた加工食品用組成物又は加工食品に関する。
更にまた本発明は、これらのゲル化剤製剤を用いることによる安定化方法及び安定化食品の製造方法に関する。
従来から、果汁ゼリーや牛乳等を含むプリンなどのゲル化食品の分野で、内容成分の均質安定性を向上させるための方法が種々検討されている。
例えば、特に食品の分野においては、従来から、味、風味のほかに、色、外観での変化が問題になることが多く、一般飲食物では、分離、凝集、沈殿などを発生させた食品の流通は容認されていない。加えて、食品の食味と食感の良さに加え、おいしいことと、衛生面でも安全面でも保証されていることが要求される。
一方、果汁ゼリーなど、果汁そのものが持つ天然物由来の繊維質や、プリンなどの食品で利用する牛乳などの脂肪や蛋白質は元来均質に分散溶解しうるものではなく、また、凝集、沈殿または分離することがある素材を利用しているのが現状である。
しかしながら、このような沈殿や分離を生じている状態では外観も悪く商品価値を大きく損なってしまう。このため、かかる問題は市販の商品を開発するために是非とも解決しなくてはならない問題である。
これを解決するための方法として、従来、キサンタンガムとガラクトマンナン(ローカストビーンガム、グァーガム、タラガムなど)を混合した安定剤の使用(例えば、特許文献1参照)やアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ゼラチンあるいはデンプン、寒天等の1種又は2種以上を混合した安定剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤の使用が挙げられている。
また、キサンタンガムとローカストビーンガムの組み合わせにジェランガムなどのゲル化性の素材を配合し、ゲルの耐熱性を付与して、デザートゼリー、にこごりゼリー、みつ豆寒天中の寒天ゼリーなどの安定性を付与したり、ゼリー中の内容物を均質化することが検討されてきたが、不溶性固形分が分離したり内容物の安定化が図られているとは言いがたい。
用いているジェランガムは発酵ベータグルカンの範囲として位置づけられているように、脱アセチル化したジェランガムを利用し、カルシウムなどの塩類を利用し、補強せざるをえないように、グルカンを用いる開発は十分とはいえない状況であった(例えば、特許文献2参照)。
さらに、大麦由来ベータグルカンを利用し、水と分離する油を組み合わせた、マーガリン、バタークリーム、マヨネーズ、ホワイトソースなどの乳化系の食品では、レシチンなどの乳化剤を用いて安定化が図られるが、これに大麦抽出ベータグルカンを併用した場合であっても、ゲル化特性を利用したものではなく、乳化分散させた内容物であり、このものによって油脂の分離を防止したとはいいがたく、また、そのグルカンの添加量は0.1質量%付近であり、グルカンの機能を発揮したとは言いがたいのが現状である(例えば、特許文献3参照)。
また、キサンタンガムとローカストビーンガムとの相乗効果はゲル化形成を伴い、この組み合わせにより、焼とりのたれや団子のたれなど粘ちょう性の高い素材の付着性改善のために利用することが提案されている。しかしながら、これらの素材を1質量%以上の濃度で使用した場合には、水和しにくく溶解性にも乏しくなることから、高分子多糖類の添加量は限定されており、さらなる研究開発が必要である(例えば、非特許文献1参照)。
上述のように、不溶性固形分の均一性や内容物の安定性が改善され、製造工程中などで、沈殿もしくは分離(凝集)を生じず、内容成分の均質性に優れた加工食品用組成物又は加工食品を得るには不十分であった。
特公平02−018817号公報 特開平01−060338号公報 特開2002−306064号公報 国崎直道、佐野征男:食品多糖類、p203、幸書房、2001
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、不溶性固形分の均一性や内容物の安定性が問題となるゲル状食品等において、不溶性固形分の均一性や内容物の安定性が改善され、製造工程中などの工程で、沈殿もしくは分離(凝集)を生じず、内容成分の均質性に優れた加工食品用組成物又は加工食品を得るためのゲル化剤製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる知見を発端として、更に幅広い研究を重ねることにより、大麦ベータファイバーとキサンタンガムを組み合わせることでゲル化を起こさせ、この組み合わせに固形成分の分散性に加えて、更に分散性・懸濁性をも安定化する作用があることを見出し、また食品の分野だけでなく医薬品分野や工業分野等においてゲル化剤製剤として広く利用できることを確認して、本発明を完成するに至った。
なお、本発明でいうゲルとは、「ふつう固体と液体の中間の状態を意味し、多量の液体を含むが、自重では流れ出さず、形を保っている状態のことという」(西成勝好、食品ハイドロコロイドの科学、西成勝好、矢野俊正編著、p35、朝倉書店、1990)と定義されており、かつゲルに含まれる内容物が均一性があり、内容物が安定化されているもの」(大橋司郎、食品ハイドロコロイドの科学、p152、朝倉書店、1990)をいう。
すなわち、本発明は、下記に掲げるものである:
項1.大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有することを特徴とするゲル化剤製剤。
項2.大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有し、ゲル化させることを特徴とする項1記載のゲル化剤製剤。
項3.大麦ベータファイバー3質量部に対し、キサンタンガム0.01〜2質量部の割合で配合することを特徴とする項1記載のゲル化剤製剤。
項4.大麦ベータファイバーとキサンタンガムとを共存させることを特徴とする食品のゲル化方法。
項5.項1記載のゲル化剤製剤を含有することを特徴とする加工食品用組成物又は加工食品。
項6.大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有するゲル化剤製剤を水系に溶解する工程を有することを特徴とする項4又は5記載の加工食品用組成物又は加工食品の製造方法。
また本発明は、上記ゲル化剤製剤を含有することを特徴とする加工食品用組成物又は加工食品、特に果汁または野菜含有ゼリー、コーヒーゼリー、乳成分含有ゼリーなどのゼリー類、プリン、ババロア、マシュマロ、アスピックゼリー、ゼリー入り飲料、ゼリー化飲料、ドリンクゼリー、ジャム、果汁かん、淡雪かん、牛乳かん、金玉かん、ところてん、にこごりゼリー、魚介や畜産の缶詰など、ゲル化を主体とする食品からなる群から選択される加工食品に関する。
本発明で用る大麦ベータファイバーは、大麦を原料とし、酵素アミラーゼを用いて分画し、煮沸加熱後に耐熱性酵素アミラーゼで精製し分子量を調整し、エタノール抽出と乾燥によって得たものであり、例えば、カーギル社から提供された大麦ベータファイバーを用いることができる。
一般に、大麦ベータファイバーは大麦種子の胚乳細胞壁を構成する成分として穀類種子に分布しており、食物繊維として整腸作用などが期待されている素材である。ベータファイバー(またはベータグルカンという)の構造はβ−1,3−D−グルコピラノース結合およびβ−1,4−D−グルコピラノース結合を主成分とするグルコースの重合体であるが、この重合体を抽出するための用いる方法は多様であり、その製造方法によって性質が異なることが知られている。
従来、大麦ベータファイバーは、これまで増粘剤などの安定剤としても食物繊維としても使用されていないし、当業者においても、たいして特長もなく使用する価値がないものと見られてきた。
また、キサンタンガムとは、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)が菌体外に生産する高分子多糖類である。キサンタンガムは澱粉またはぶどう糖に上記の微生物を与え、30℃前後で4日間培養することで得られることが知られている。(非特許文献 国崎直道、佐野征男、食品多糖類、幸書房、p141、2001;特許公報昭44−31746号公報)
かかる大麦ベータファイバーとキサンタンガムとの組み合わせは、液相を分散媒としもう一方の成分を溶質とする混合系に配合されることにより、もう一方の成分を液相への均質化を高めるとともに、その均質化した系を安定化させる作用を有し、これにより液状組成物中の固形分等の安定化を保持することができる。
大麦ベータファイバー以外の他の多糖類では当該食品等の特性に悪影響を与えることなく同等の効果を実現することはできなかった。例えば、ジェランガムや寒天では、水性媒体に対してココア粉やサラダ油を分散安定化する効果はなく、キサンタンガム単独での利用やカラギナンによって効果を得るためには高粘度にせざるを得ず、食品の特性を損ない、グァーガム,ローカストビーンガム,タラガム及びタマリンドシードガムでは高粘度に調整することができても目的の効果が得られない。
本発明のゲル化剤製剤は、野菜・果実等の果汁分あるいはこれに含まれる繊維分等の固形分や水と分離しやすい油脂分など、水性媒体もしくはこれに水混和性の有機溶媒を混ぜた媒体に速やかに均質化することを助け、かつそれらの分離を防ぐ作用を有するものである。
このように、本発明のゲル化剤製剤が対象とする混合系は、溶媒が液相であり、また溶質が固相もしくは液相であれば特に制限されず、例えば加工食品、加工食品用組成物、医薬品分野、その他工業組成物が挙げられる。
より具体的には、加工食品としては,特に果汁または野菜含有ゼリー、コーヒーゼリー、乳成分含有ゼリーなどゼリー類、プリン、ババロア、マシュマロ、アスピックゼリー、ゼリー入り飲料、ゼリー化飲料、ドリンクゼリー、ジャム、果汁かん、淡雪かん、牛乳かん、金玉かん、ところてん、にこごりゼリー、魚介や畜産の缶詰など、ゲル化を主体とする食品からなる群から選択される加工食品など幅広い食品が例示される。
これらの系に用いられる大麦ベータファイバーの配合量は、特に制限されず、対象となる系の種類及び内容成分に応じて適宜選択することができる。
固形分の分離防止及び液状成分同士の混和性の安定化にはいずれも、全量100質量部に対して大麦ベータファイバーが通常0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜3質量部範囲で用いられる。
なお、本発明のゲル化剤製剤は、必要に応じてその配合割合によってゲル化する溶液系に適度な粘稠性を付与することもできる。
果汁ゼリーを例に挙げると、大麦ベータファイバーを果汁含有ゼリー100質量部当たりに0.1〜3質量部の範囲で配合する場合は、果汁ゼリーとして好ましい食感となり、かつ、果汁、パルプ質の分散安定性を高め沈殿を防止することができるが、3質量部を越えると粘稠性が増加し、更に5質量部を越えると果汁ゼリーが硬くゲル化しすぎてしてしまう。
従って、例えば果汁含有ゼリーの場合は、0.1〜3質量部の範囲で大麦ベータファイバーを配合するのが好ましく、また粘稠性を持たせてゼリーにこくやボディー感を付与する場合には0.5〜3質量部の範囲で大麦ベータファイバーを配合することが好ましい。
かかる場合のゲル化剤製剤としては、大麦ベータファイバー3質量部に対してキサンタンガム(固形分換算として)を、通常0.1〜5質量部配合するものが挙げられ、好ましくは0.1〜2質量部、より好ましくは0.2〜1質量部である。
また、当該ゲル化剤製剤を、水溶液系に適用する場合の大麦ベータファイバー及びキサンタンガムの各配合割合は、対象とする混合系の種類や内容成分等により異なるが、一般的には全量100質量部あたり、通常大麦ベータファイバーが0.8〜5質量部及びキサンタンガムが0.01〜0.6質量部の範囲、好ましくは大麦ベータファイバー1.5〜3質量部及びキサンタンガムが0.05〜0.4質量部の範囲の範囲が挙げられ、この範囲で液相中の内容物の安定化を図ることができる。
本発明のゲル化剤製剤は、キサンタンガムと大麦ベータファイバーを含有するものであればよく、これらの混合物をそのまま用いるか、あるいは、これら以外の成分として希釈剤、担体またはその他の添加物を含有していてもよい。
希釈剤または担体としては、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されず、例えばシュクロース、グルコース、デキストリン、澱粉類、サイクロデキストリン、トレハロース、乳糖、マルトース、水飴、液糖などの糖類;エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等の糖アルコール類;カラギナン、寒天、ゼラチン、ジェランガム、カードラン、ローカストビーンガム、ペクチン等の多糖類;または水を挙げることができる。また添加剤としては、抗酸化剤、キレート剤等の助剤、香料、香辛料抽出物、防腐剤などを挙げることができる。
使用上の利便等から、これらの希釈剤、担体または添加剤を用いてゲル化剤製剤を調製する場合は、グァーガムと大麦ベータファイバーが、増粘組成物用添加剤100質量%中に0.1:99.9〜40:60の割合、好ましくは0.5:99.5〜15:85の割合で含まれるように調製することが望ましい。
本発明のゲル化剤製剤はその形態を特に制限するものではなく、例えば粉末状、顆粒状、錠剤状などの固体状;液状、乳液状等の溶液状;またはペースト状等の半固体状などの、任意の形態に調製することができる。
本発明のゲル化剤製剤は様々な増粘食品等に広く適応することができ、例えば飲食物、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等をあげることができる。
本発明でいう加工食品とは、野菜や果物の繊維成分,砂嚢,果肉等を含む飲料や、スープ、栄養ドリンク、機能性飲料、サプリメント飲料又は液体調味料等に含まれる蛋白成分等のような水不溶性の固形分又は水非混和性の液状成分が、水、牛乳、果汁等の液相に分散してなる形態を有する食品ものであり、具体的には、前述の果汁または野菜含有ゼリー、コーヒーゼリー、乳成分含有ゼリーなどゼリー類、プリン、ババロア、マシュマロ、アスピックゼリー、ゼリー入り飲料、ゼリー化飲料、ドリンクゼリー、ジャム、果汁かん、淡雪かん、牛乳かん、金玉かん、ところてん、にこごりゼリー、魚介や畜産の缶詰など、ゲル化を主体とする食品からなる群から選択される加工食品等が例示される。
本発明に係る加工食品は、大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有することにより、製造工程などで、不溶性固形分の沈殿や、内容物の分離、凝集、沈降することなく均一に分散されており、飲食時もしくは使用時に、均質な成分及び味を呈するものである。
本発明でいう加工食品用組成物とは、加工食品を調製するための組成物、および加工食品の形態にかかわらず、内容物が液相に均質化、または均一に分散してなる形態もしくは非混和の液体同士を含有する形態を有する組成物を広く意味する。
例えば一般に果汁または野菜含有ゼリー、コーヒーゼリーなどゼリー、乳成分含有ゼリー、プリン、ババロア、マシュマロ、アスピックゼリー、ゼリー入り飲料、ゼリー化飲料、ドリンクゼリー、ジャム、果汁かん、淡雪かん、牛乳かん、金玉かん、ところてん、にこごりゼリー、魚介や畜産の缶詰など、ゲル化を主体とする食品が挙げられる。
また、本発明は、上記分散安定化加工食品の製造に際して、大麦ベータファイバーとキサンタンガムを配合する工程を有する加工食品の製造方法に関する。
かかる加工食品としては具体的に前述の食品等が挙げられるが、好ましくはプラスチック容器、紙容器、缶やビンやパック等に充填・密閉されて流通される加工食品である。
本発明に係る方法は、加工食品の調製時、具体的には原料配合もしくは混合時に大麦ベータファイバーとキサンタンガムをゲル化剤製剤として、原料に添加配合することにより達成できる。
これらゲル化剤製剤の添加量は、製造する加工食品の種類によって異なるが、通常大麦ベータファイバーの添加により加工食品がゲル化する範囲から適宜選択することができる。具体的には前述の通りである。
例えば、オレンジ果汁ゼリーの調製方法の場合、大麦ベータファイバーとキサンタンガムのゲル化剤製剤を配合する工程を有する以外は、常法に従って行うことができる。
具体的には、まず20〜100℃の調合水または牛乳や還元乳のような水性媒体に本発明に係る成分、すなわち果汁などを溶解し撹拌する。これに、乳化剤、糖類、甘味料等を混合し、必要に応じて乳成分、油脂を添加する。その後、撹拌保持し、均質化した後120℃前後で2〜3秒間殺菌処理する。ついで容器充填し、冷却することにより常温流通あるいは常温保存できる風味良好なオレンジ果汁ゼリーを製造することができる。また、配合する原材料が粉体であれば、甘味料、分散剤、あるいは粉乳などの出発原料を個々混合してプレミックスを作成し、調合水等の水性媒体に溶解し均質化した後、滅菌または殺菌処理して冷却することにより製造することも可能である。
本発明のゲル化剤製剤は、水系中で通常加熱、加温しながら撹拌することによって容易に溶解させることができる。
たとえば、一定温度以上、例えば75℃以上、好ましくは80〜95℃、より好ましくは85〜95℃の条件下で行われる。かかる方法によって製造される加工食品としては、特に制限されない。
本発明が対象とする化粧品としてはスキン化粧料(ローション、乳液、クリームなど)、口紅、日焼け止め化粧品、メークアップ化粧品等を;医薬品としては各種錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ剤、うがい薬等を;医薬部外品としては歯磨き剤、口中清涼剤、口臭予防剤等を;また飼料としてはキャットフードやドッグフード等の各種ペットフード、観賞魚若しくは養殖魚の餌等を一例として挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
これらの化粧品、医薬品、医薬部外品または飼料などの各種製品は、それら製造の任意の工程で本発明の増粘組成物用添加剤を配合することを除けば、各種製品の慣用方法に従って製造することができる。化粧品、医薬品、医薬部外品または飼料に対するゲル化剤製剤の配合時期も特に制限されない。
本発明によると、液相に対して内容物をゲル化して、安定化する効果を奏するゲル化剤製剤を提供することができる。また、液相中に、溶質として果汁、乳などの不溶性固形分もしくは製品内容成分の均質性が問題となる液状製品や液状食品において有用であるゲル化剤製剤を提供することができる。
さらに、特定の条件、すなわち、特定の割合で配合するゲル化剤製剤によれば、高濃度の分散性の固形分及び蛋白質を含有する系であっても増粘、凝集させることなく、均一な分散系を付与することができ、粘性の低い液状食品に対するゲル化剤製剤を提供することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に記載のない限り「%」とは「質量%」を、「部」とは、「質量部」を意味するものとする。文中の「※」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1
大麦ベータファイバー(カーギル社製)の添加量3%を基本配合に、所定量のキサンタンガム(サンエース※、三栄源エフ・エフ・アイ社製)の添加量0.1〜2%と、の添加範囲で混合し、水にて全量100%とし、85℃で15分間加熱し溶解させた。その後、冷却水槽(5℃)で冷却し、室温(25℃)での溶液のゲルの有無を確認した結果を表1に示す。
Figure 2006191904
キサンタンガム単独(対照区1)、大麦ベータファイバー単独(対照区2)ではゲル化せず、粘度を付与するだけであるが、キサンタンガムと大麦ベータファイバーを併用すること(発明区1〜6)で、ゲル化することを見出した。好適なゲル化物を調製することができることを見出した。とくに大麦ベータファイバーにキサンタンガム0.4質量%を併用した場合(発明区4)では、ゲル強度約450gf/cm2となり、強いゲルが形成されることを見出した。
実施例1 オレンジ果汁ゼリー組成物
果糖ぶどう糖液糖15部、砂糖5部、5倍濃縮オレンジ果汁(えひめ飲料社製)2部、クエン酸(無水)0.18部、香料オレンジフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.2部、香味向上剤STフレーバーNO.9207(三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.05部に、キサンタンガム(サンエース※、三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.2部と大麦ベータファイバー(カーギル社製)3部の混合した組成物を全量水で100部とし、85℃30分加熱溶解し、約65℃で容器に充填し、5℃の冷却水槽で冷却したとき、オレンジ果汁ゼリー(pH3.7)を得た。このものは、オレンジの分離、凝集、沈殿物などは見出されず、清涼なオレンジ風味のゼリーを得ることができた。
本発明によると、大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有することにより、製造工程などで、不溶性固形分の沈殿や、内容成分の分離、凝集、沈降することなく均一に分散された加工食品用組成物又は加工食品を提供することができる。

Claims (6)

  1. 大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有することを特徴とするゲル化剤製剤。
  2. 大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有し、ゲル化させることを特徴とする請求項1記載のゲル化剤製剤。
  3. 大麦ベータファイバー3質量部に対し、キサンタンガム0.01〜2質量部の割合で配合することを特徴とする請求項1記載のゲル化剤製剤。
  4. 大麦ベータファイバーとキサンタンガムとを共存させることを特徴とする食品のゲル化方法。
  5. 請求項1記載のゲル化剤製剤を含有することを特徴とする加工食品用組成物又は加工食品。
  6. 大麦ベータファイバーとキサンタンガムを含有するゲル化剤製剤を水系に溶解する工程を有することを特徴とする請求項4又は5記載の加工食品用組成物又は加工食品の製造方法。
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