JP3328024B2 - 水に容易に分散する複合体 - Google Patents
水に容易に分散する複合体Info
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Description
成し得る乾燥複合体であって、食品、医薬品、化粧品、
塗料、セラミックス、樹脂、触媒、その他工業用品等広
い分野において、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定
剤、等の安定剤、組織付与剤、クラウディー剤、研磨
剤、食物繊維、油脂代替物等の目的で使用される場合
に、容易に水中に再分散して、セルロースコロイドとし
ての機能を発揮する複合体に関するものである。
ロースを主体とする水分散可能な複合体としては、例え
ば、特公昭56−31094号、特公昭57−1477
1号に微結晶セルロースに分散剤、崩壊剤を組み合わせ
た水分散性複合体の記載がある。しかし、これらの技術
をその基盤として作成されたと言われている市販製品ア
ビセル<登録商標>RC(旭化成工業(株)製)は非コ
ロイド部分をかなり含んでおり、レーザー回折式粒度分
布測定装置で測定される平均粒径は約10μm程度であ
ることが知られている。このため、ある種の食品や化粧
品においてザラツキ感をあたえたり、安定剤としての機
能が必ずしも充分ではないことが問題となっている。
396号に見られるように、微細セルロースと、水溶性
ガム類及び又は親水性物質からなり、10μm以上の粒
子の割合が少なく、コロイド成分の多い、水に分散性の
セルロース複合体が検討されている。また特願平5−7
3528号には、そのセルロース複合体を食品に応用す
ることが検討されている。
ース表面同士で強い水素結合を形成し、水に再分散しに
くい強固な構造体を作るが、その傾向は特に微細化が進
んだものにおいて著しい。特願平4−259396号で
は、この微細化セルロースを再分散させるのに水溶性ガ
ム類及び/又は親水性物質を2〜50重量%配合し、総
重量の75重量%以上の水分の存在下で完全分散させた
のち、乾燥して複合体を得ることが示されているが、こ
の複合体はエースホモジナイザー(日本精機(株)製A
M−T)を使用し、15,000rpmという高速回転
で5分間分散させて平均粒径、コロイド分画を測定して
おり、低速回転の分散条件で再分散するのかは示されて
いない。本発明者が、特願平4ー259396号に記載
される複合体を作成し、2,500rpmという低速回
転で5分間分散したところ、複合体は再分散しないこと
を確認した。また、特願平5−73528号は、特願平
4−259396号の複合体と思われるものを使用した
食品組成物に関するが、明細書中に、好適な再分散粒径
を得るためには、低せん断力のミキサーでは長時間を要
するため、現実的には高速ミキサー以上のせん断力を有
する分散機の使用が好ましい旨の記載がある。
体は、水溶性ガム類及び/又は親水性物質を配合してあ
っても、その製造時の乾燥によりセルロースの角質化と
呼ばれるセルロース粒子間の水素結合による強固な凝集
ができ易くなるため、低せん断力の分散機では、元の微
細セルロースの大きさまで容易に再分散されないため、
ザラツキを感じる、安定性が不十分であるなど、その機
能を十分に発揮することは難しかった。
ース乾燥複合体の水中での再分散性を改良し、より低せ
ん断力の撹拌で再分散可能とすることで、食品、医薬
品、工業用品の広い分野にわたり利用可能な高度の懸濁
・分散・乳化等の安定剤、高度の保形性付与剤、組織付
与剤、クラウディー剤、油脂代替物等としての微細セル
ロース乾燥複合体の機能を十分に発揮できるようにした
ものである。
とした乾燥複合体の水中での再分散性を改良したもので
あって、その分散体は大部分がコロイダル部分から成
り、高度の分散安定性を有し、ザラツキを感じさせない
ものであって、保形性付与剤、組織付与剤、クラウディ
ー剤、及び油脂代替物等として利用可能な、水に容易に
分散する微細セルロース複合体を提供するものである。
ス100重量部に対して、水溶性天然ガム類(a)及び
水溶性合成ガム類(b)の合計(X重量部)が0.5〜
40重量部、かつ、その比率がa:b=1:4〜19:
1であり、親水性物質(Y重量部)が0〜100重量部
からなる組成を持ち、同時にXとYは、2X+Y≧10
を満足する乾燥複合体であって、該複合体を水に再分散
した時の10μm以上の粒子の割合が40%以下であ
り、コロイド分画が65%以上であることを特徴とする
複合体である。
ザラツキの主要因は、粗大粒子の量にある。特に強いザ
ラツキを感じさせるのは10μm以上の粒子であって、
この割合が40%を超えると舌に異物感つまりザラツキ
を感じるようになる。この10μm以上の粒子の割合が
40%以下ということは、平均粒径が約8μm以下とい
うことに相当する。また、舌で感じるなめらかさは、コ
ロイド性セルロースを計測する実用特性であるコロイド
分画と一致することも見出された。
て、なめらかな組織を得るためには乾燥した複合体を水
に分散した時の指標としてコロイド分画が65%以上で
あることが必要であり、またザラツキを解消するために
は、粒度分布における10μm以上の粒子の割合が40
%以下であることが必要である。この際の平均粒径は約
8μm以下である。特に好ましくは、10μm以上の粒
子の割合は5%以下である。この際の平均粒径は約4μ
m以下である。
液に一定の遠心力をかけた時、沈降することなく浮遊、
分散している分散相の固形分の重量割合(%)である。
即ち、水系分散液において沈降することなく安定に分散
し得るコロイダル部分の割合であり、分散性および安定
性の実用上の能力を示す。好ましくは、80%以上であ
る。また、平均粒径はレーザー法による積算体積50%
の粒径であり、10μm以上の粒子の割合は体積分布に
おける割合(%)を示す。これらの測定法については実
施例において詳述する。
分散液と、水溶性の天然ガム類及び水溶性の合成ガム類
と、親水性物質を混合分散し均質なスラリーとなし、こ
れを乾燥することによって得られる。本発明に用いる微
細セルロースは、10μm以上の粒子の割合が40%以
下であり、コロイド分画が50%以上であることが必要
である。この際の平均粒径は約8μm以下である。
ンター等のセルロース系素材を酸加水分解、アルカリ酸
化分解、酵素分解、スチームエクスプロージョン分解等
により解重合処理して平均重合度30〜375のセルロ
ースとし、次いで機械的なシェアをかけ湿式磨砕するこ
とによって得ることができる。又は、湿式磨砕した物を
遠心沈降によりコロイダル部分を分画処理して得ること
ができる。本発明に適した湿式磨砕機械としては媒体ミ
ル類、例えば湿式振動ミル、湿式遊星振動ミル、湿式ボ
ールミル、湿式ロールミル、湿式コボールミル、湿式ビ
ーズミル、湿式ペイントシェーカー等の他、高圧ホモジ
ナイザー等がある。高圧ホモジナイザーとしては約50
0Kg/cm2 以上の高圧で、スラリーを微細オリフィ
スに導き高流速で対面衝突させるタイプが効果的であ
る。
種により異なるが、概ね媒体ミルで5から15%、高圧
ホモジナイザーで5から20%の固形分濃度が適してい
る。セルロースの磨砕を効率よく行うためには媒体ミル
が適している。本発明の目的のためにはこれらの機種を
単独で用いることもできるが、二種以上の機種を組み合
わせて用いることも出来る。これらの機種は種々の用途
における粘性要求等により適宜選択すれば良い。
複合体であって、コロイド分画が50%以上の微細セル
ロースに水溶性の天然ガム類及び水溶性の合成ガム類
と、親水性物質を配合した後、乾燥し、複合体としたも
のである。水溶性の天然ガム類及び水溶性の合成ガム類
と、親水性物質の配合は、乾燥時に微細セルロース粒子
同士が水素結合により再凝集することを防ぐため、つま
り、複合体を水中で撹拌することにより初期のコロイド
分散体に容易に復元することを目的とする。
類としては、水膨潤性が高く、セルロースとの水中にお
ける相溶性が良好な水溶性のガム類が選ばれるが、水溶
性の天然ガム類と水溶性の合成ガム類を組み合わせて用
いることが必要である。一般に例えば食品業界では、水
溶性のガム類としては消費者の嗜好、表示の問題等によ
り、天然物が好まれる。しかし、水溶性の天然ガム類だ
けでは複合体の再分散性に及ぼす効果は充分ではなかっ
た。また、水溶性の合成ガム類についても表示の問題等
で多量に配合することは好まれない。我々は鋭意検討の
結果、水溶性の天然ガム類と水溶性の合成ガム類を組み
合わせることで、複合体の再分散性が飛躍的に向上する
ことを見いだし、本発明に到達した。
ンガム、グアーガム、タマリンドガム、クインスシード
ガム、カラヤガム、アラビアガム、トラガントガム、ガ
ッティーガム、アラビノガラクタン、寒天、カラギーナ
ン、アルギン酸、ファーセレラン、ペクチン、マルメ
ロ、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキスト
ラン、ジェランガム、ゼラチン等の天然から採取または
抽出、あるいは微生物が生産、あるいは酵素で培養する
などして得られる多糖類である。天然ガム類の内、2種
以上を組み合わせてもかまわない。
ルセルロースナトリウム等の水溶性のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウ
ム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デンプングリコー
ル酸ナトリウム等の水溶性デンプン誘導体等の食品添加
物に指定される多糖類である。特に好ましいのは、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムである。合成ガム類
の内、2種以上を組み合わせてもかまわない。水溶性の
天然ガム類と合成ガム類との比は、19:1〜1:4が
好ましい。特に好ましくは、19:1〜1:1程度であ
る。
には、水溶性の天然ガム類および水溶性の合成ガム類
は、ガム類単独で使用する場合多量に添加することが必
要で、またその際著しく系全体の粘度を高めたりするた
め親水性物質と併用することが必要となる。親水性物質
を併用することで、著しく粘度を上げること無く、複合
体の再分散性を改良することができる。ここで言う親水
性物質とは冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさ
ない、25℃で固体状の水酸基を分子構造中に持つ有機
物であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、ブドウ
糖、果糖、キシロース、庶糖、乳糖、麦芽糖、異性化
糖、カップリングシュガー、パラチノース、ネオシュガ
ー、マンニトール、還元澱粉糖化飴、マルトース、ラク
ツロース、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、ガ
ラクトオリゴ糖等の単糖類、オリゴ糖類を含む水溶性糖
類、キシリトール、マルチトール、マンニット、ソルビ
ット等の糖アルコール類、ソルボース等が適している。
親水性物質の内、2種以上を組み合わせてもかまわな
い。
微細化セルロースの水中への分散を迅速に行わせると共
に、セルロースの分散安定性を更に高め、かつ保護コロ
イドとしての機能を果たすことにより、コロイド分画の
向上に寄与する。また、親水性物質は、自身が水中で迅
速に溶解することにより、セルロースの水中への分散を
促進する効果がある。水分散性複合体のコロイド分画を
高め、分散容易性あるいは分散安定性を顕著ならしめる
には、微細化セルロース100重量部に対して、水溶性
の天然ガム類及び水溶性の合成ガム類の合計(X重量
部)が0.5〜40重量部であり、親水性物質(Y重量
部)が0〜100重量部であることが必要である。水溶
性の天然ガム類及び水溶性の合成ガム類の合計が、0.
5重量部未満の場合は、乾燥工程におけるセルロース粒
子同士の水素結合に基づく再凝集を防ぐことが難しく、
40重量部を超えた場合は水溶性ガム類による粘度の上
昇や、これに伴い食感が低下したりするので好ましくな
い。また、親水性物質が100重量部以上では、セルロ
ース含量の低下に伴い安定剤としての性能が低下し好ま
しくない。ガム類の合計は好ましくは2〜20重量部、
特に好ましくは4〜15重量部である。親水性物質は好
ましくは5〜75重量部、特に好ましくは15〜60重
量部である。
なければならない。2X+Yが10未満の場合は、水中
での複合体の再分散性が充分なものとならない。2X+
Yは20以上であることが好ましい。特に好ましくは3
0以上である。微細セルロース、水溶性の天然ガム類、
水溶性の合成ガム類、親水性物質以外の成分の配合につ
いては、複合体の水中での分散を阻害しない程度に配合
することは自由である。
ースをコロイド分画が50%以上となるように処理した
後、これを水溶性の天然ガム類、水溶性の合成ガム類、
親水性物質と混合してスラリーとなし、次いでこれを乾
燥させる方法である。また、解重合処理して得られたセ
ルロースに水溶性の天然ガム類、水溶性の合成ガム類、
親水性物質を混合し、これを湿式媒体ミルあるいは高圧
ホモジナイザー等で磨砕あるいは磨砕と混合、分散を同
時に行いスラリーとなし、次いでこれを乾燥させること
もできる。いずれの場合も、水溶性の天然ガム類、水溶
性の合成ガム類、親水性物質との混合、分散に当たって
は、特に水溶性ガム類を十分溶解し均一混合することに
注意しなければならない。このためには水溶性成分混合
時に全重量の75%以上の水の存在下に充分撹拌し混合
することが必要である。この際予め水溶性成分を少量の
水に分散した後加え混合することが水溶性ガム類の均一
混合の点で有利である。加熱処理は溶解を促進するため
の効果的な方法である。
きな要因である。乾燥によって複合体はその内部に網目
状の無数の微細な亀裂を生成していることが好ましい。
この亀裂が導水性の細孔となることによって、ガム類、
親水性物質の溶解、微細セルロースの分散を促進する。
この亀裂は0.05〜0.5μm程度の間隙であって、
細孔同士の間隔は最大で3μm程度に抑えることが好ま
しい。特公昭56ー31094号、特公昭57ー147
71号に記載のあるバンド乾燥機やロータリー乾燥機を
使ってブロック状に乾燥し、例えば衝撃式の粉砕機にか
けて粉砕するような方法では、この亀裂を保持した構造
は作り得ず、水中で複合体を元の微細セルロース粒子ま
で再分散させることは難しい。この構造を与える乾燥方
法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥等を採用することも出
来るがフィルム状にて乾燥する事が好ましい。凍結乾燥
法は生産効率が悪く、噴霧乾燥法は大きな装置を必要と
する上に製品の品質制御が困難で乾燥製品の再分散性能
がバラツキ易い欠点がある。噴霧乾燥機を使用する場合
はこのバラツキを少なくするため噴霧粒径を小さく保
ち、かつ乾燥速度をできるだけ速やかに行う工夫が必要
である。
は、フィルム状にて乾燥する方法が優れている。フィル
ム状にて乾燥する方法とは即ち、微細化セルロースと水
溶性の天然ガム類、水溶性の合成ガム類、親水性物質と
の均一混合スラリーを、ガラス、ステンレス、アルミニ
ウム、ニッケル・クロムメッキ鋼板等の基材上にキャス
ティングして乾燥する方法である。基材は予め加熱され
ていても良く、またキャスティング後、赤外線、熱風、
高周波等にて加熱しても良い。乾燥温度は200℃以
下、キャスティングの厚みはスラリーの厚みとして10
mm以下が好ましい。スラリー濃度はフィルム状に展開
できる濃度であれば良く、特に制限はないが実用的には
5%から20%程度の固形分濃度の範囲が作業が容易で
良好な乾燥物が得られる。また、工業的にはスチールベ
ルトドライヤー、ドラムドライヤー、ディスクドライヤ
ー等の乾燥機が採用出来る。このフィルム状にて乾燥さ
れた製品は、いわゆるフィルム状のものから箔状、薄片
状、鱗片状、線条状、粉末状のものまで含まれる。
製品はそのまま製品として用いることが可能である。し
かし、配合比率やスラリー濃度、乾燥方式等により嵩高
いフィルム状になるものは粉砕処理をしても良いが、破
砕、整粒程度の穏やかな粉砕が好ましい。衝撃式の粉砕
機であるハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等は使
用可能であるが再分散性能を低下させる傾向にある。従
って好ましい物としてはカッタータイプの比較的低回転
数の物がよい。また、水分率が高すぎるとハンドリング
性不良、べたつき、腐敗の問題があり、更には乾燥、粉
砕、整粒工程等でのシェアにより再分散性能が悪化する
ので、水分率は20%以下、好ましくは15%以下が良
い。
る複合体は、2〜20%の水分を含む乾燥製品であり、
これを水に再分散した時容易に分散し、10μm以上の
粒子の割合が40%以下、コロイド分画が65%以上の
性能を有し、セルロースが均一に分散したなめらかな組
織を持つザラツキの無い安定なコロイド分散体を形成す
る。この際該分散体の平均粒径は約8μm以下である。
品製造工程で通常使用される各種の分散、乳化、磨砕機
等を用いることができる。例えば、プロペラ撹拌機、高
速ミキサー、ホモミキサー、カッター等の各種ミキサ
ー、ボールミル、コロイドミル、ビーズミル、ライカイ
機等のミル類、高圧ホモジナイザー、及びマイクロフル
イダイザー、ナノマイザー等の超高圧ホモジナイザーに
代表される分散、乳化機、プラネタリーミキサー、ニー
ダー、エクストルーダー、タービュライザー等に代表さ
れる混練、磨砕機等が使用できるが、従来の複合体と比
較して水への再分散性がよいため、プロペラ撹拌機のよ
うな低せん断力の機種でも充分な分散状態が得られる。
また、高速ミキサーであってもより低回転で、またより
短時間で分散可能である。
細セルロース50〜98重量%と、水溶性ガム類及び/
又は親水性物質2〜50重量%からなる複合体と比べ
て、本願の水溶性の天然ガム類と水溶性の合成ガム類、
親水性物質を配合したことを特徴とする複合体は、より
低せん断力のミキサーを用いても容易に分散することが
特徴である。よって、低せん断力の分散機しか使用でき
ない場合でも、ザラツキを感じず、懸濁安定剤、乳化安
定剤、増粘安定剤、クラウディー剤等均一な分散性及び
その長期な安定性が求められる用途での安定剤等の機能
を容易に発揮することができる。
示す。 <コロイド分画> (1)サンプルを固形分で0.75gを、蒸留水を入れ
たエースホモジナイザー(日本精機製AM−T)に入れ
全量を300gとする。 (2)2500rpmで5分間分散する。 (3)分散液10mlを正確に秤量瓶にとり重量を精秤
する。 (4)残りの分散液を遠沈管に移し2000rpmで1
5分間遠心分離する。(国産遠心器製H−300型)そ
の上澄み液10mlを正確に秤量瓶にとり重量を精秤す
る。 (5)(3)、(4)の秤量瓶を105℃の乾燥器で1
0時間蒸発乾固する。 (6)(3)の固形分重量を精秤する。Ag (7)(4)の固形分重量を精秤する。Bg (8)水溶性成分(水溶性ガムと親水性物質の合計)の
補正を行う。水溶性成分量:S%とすると、 コロイド分画(%)=(B−A×S/100)/(A×
(1−S/100))×100
エースホモジナイザー(日本精機製AM−T)に入れ全
量を300gとする。 (2)2500rpmで5分間分散する。 (3)堀場レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−5
00)を用いて粒度分布を測定する。平均粒径は積算体
積50%の粒径であり、10μm以上の粒子の割合は体
積分布における割合(%)で表す。
説明する。
105℃20分間加水分解して得られた酸不溶性残渣を
ろ過、洗浄した後、固形分10%のセルロース分散液を
調製した。このセルロース分散液を媒体撹拌湿式粉砕装
置(コトブキ技研工業株式会社製アペックスミル、AM
−1型)で、媒体として直径1mmφのジルコニアビー
ズを用いて、撹拌翼回転数1800rpm、セルロース
分散液の供給量0.4l/minの条件で2回通過で粉
砕処理を行いペースト状の微細セルロースを得た。この
微細セルロースのコロイド分画は73%、積算体積50
%の粒径は3.1μmであった。
ルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉加水分解物
を配合組成がそれぞれ固形分比で100/8/2/50
(2X+Y=70)とした総固形分濃度が8%の分散液
を調整した。この分散液をドラムドライヤー(株式会社
楠木機械製作所製KDD−1型)で、ドラムの表面を食
品用シリコーン離型剤で処理した後、水蒸気圧力1.2
Kg/cm2、回転数1.0rpmで乾燥してフィルム
状の複合体Aを得た。複合体Aの水分は5.2%、エー
スホモジナイザーを用いて2500rpmで5分間分散
させたときの積算体積50%の粒径が3.2μm、10
μm以上の割合は2.5%、コロイド分画は94%であ
った。なお、キサンタンガムはビストップ(三栄化学工
業製)、カルボキシメチルセルロースナトリウムはセロ
ゲン(第一工業製薬製)、澱粉加水分解物はパインデッ
クス(松谷化学工業製)を用いた。
ン、カルボキシメチルセルロースナトリウムを配合組成
がそれぞれ固形分比で100/5/5(2X+Y=2
0)とした総固形分濃度が5.0%の分散液を調整し
た。この分散液を撹拌しながら80℃で30分間の加熱
処理を行った後噴霧乾燥により複合体Bの乾燥粉末を得
た。得られた複合体Bの水分は4.8%で、エースホモ
ジナイザーを用いて2500rpmで5分間分散させた
ときの積算体積50%の粒径が2.9μm、10μm以
上の粒子の割合は1.6%、コロイド分画は90%であ
った。
ム、ポリアクリル酸ナトリウム、ブドウ糖を配合組成が
それぞれ固形分比で100/5/5/30(2X+Y=
50)とした総固形分濃度が8.0%の分散液を調整し
た。この分散液をアプリケーターにより厚さ3mmでア
ルミ板上にキャスティングし、熱風乾燥機で80℃で6
0分間乾燥した。次いでナイフ型エッジを有するカッテ
ィングタイプの粉砕機で1,000μm以下に粉砕して
薄片状の複合体Cを得た。得られた複合体Cの水分は
5.9%で、エースホモジナイザーを用いて2500r
pmで5分間分散させたときの積算体積50%の粒径が
3.6μm、10μm以上の粒子の割合は3.3%、コ
ロイド分画は90%であった。なお、ポリアクリル酸ナ
トリウムは食品添加物グレード(和光純薬製)を用い
た。
105℃20分間加水分解して得られた酸不溶性残渣を
ろ過、洗浄した後、固形分10%のセルロース分散液を
調製した。この加水分解セルロースの平均粒径は17μ
mであった。このセルロース分散液を高圧破砕装置(ナ
ノマイザー株式会社製ナノマイザーLA−31型)で、
1300Kg/cm2 、2回通過で破砕処理を行いペー
スト状のセルロースを得た。このセルロースのコロイド
分画は80%、積算体積50%の粒径は6.5μmであ
った。
ス、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナト
リウム、澱粉加水分解物を配合組成がそれぞれ固形分比
で100/4/2/30(2X+Y=42)とした総固
形分濃度が10%の分散液を調整した。次にこのペース
ト状分散液を実施例1と同様にドラムドライヤーで乾燥
してフィルム状の複合体を得た。次いでこれをナイフ型
エッジを有するカッティングタイプの粉砕機で1000
μm以下に粉砕して薄片状の複合体Dを得た。複合体D
の水分は5.6%で、エースホモジナイザーを用いて2
500rpmで5分間分散させたときの積算体積50%
の粒径が6.8μm、10μm以上の粒子の割合は26
%、コロイド分画は77%であった。
セルロース、キサンタンガム、澱粉加水分解物の配合組
成がそれぞれ固形分比で75/5/20(微細セルロー
スを100とすれば、100/6.7/26.7)であ
る複合体Eを得た。この方法は、特願平4−25939
6号の実施例5の方法と同じである。この複合体Eの水
分は4.5%で、エースホモジナイザーを用いて250
0rpmで5分間分散させたときの積算体積50%の粒
径が14.5μm、10μm以上の粒子の割合は65
%、コロイド分画は42%であった。
安定剤としての機能も充分ではなかった。ただし複合体
Eはエースホモジナイザーを用いて、15,000rp
mという高速回転で5分間分散したときは、積算体積5
0%の粒径が2.8μm、コロイド分画は97%と再分
散性を示した。
ルセルロースナトリウムを配合せずに複合体Fを得た。
複合体Fの水分は5.0%で、エースホモジナイザーを
用いて2500rpmで5分間分散させたときの積算体
積50%の粒径が9.9μm、10μm以上の粒子の割
合は48%、コロイド分画は45%であった。
セルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、澱粉加水分解物の配合組成がそれぞれ
固形分比で100/1/1/2(2X+Y=6)である
複合体Fを得た。この複合体Fの水分は4.0%で、エ
ースホモジナイザーを用いて2500rpmで5分間分
散させたときの積算体積50%の粒径が12.5μm、
10μm以上の粒子の割合は54%、コロイド分画は5
2%であった。
て、低せん断力の分散によって容易に水中へ分散するの
が特徴で、水に分散した時ザラツキを感じさせずに、微
細セルロースのコロイド性により安定剤として機能す
る。即ち、従来の複合体と比較して水への再分散性がよ
いため、プロペラ撹拌機のような低せん断力の機種でも
充分な分散状態が得られ機能を発揮する。また、高速ミ
キサーであってもより低回転で、またより短時間で分散
可能となる。
ド分画が著しく向上したものであり、食品、医薬品、化
粧品、塗料、セラミックス、樹脂、工業品等における懸
濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定剤、クラウディー剤等
均一な分散性及びその長期な安定性が求められる分野に
おいて効果を発揮する。更に、本発明のコロイド分散性
複合体は低せん断力の分散機を用いても元の微細セルロ
ースの粒径に容易に再分散するため、特殊な分散機を用
いることなく多量のコロイド粒子を発生させることが可
能であり、このため安定剤としての性能が著しく向上す
ると共にその使用範囲を拡大することが可能となる。
剤、乳化安定剤、増粘安定剤、泡安定剤、クラウディー
剤、組織付与剤、流動性改善剤、保形剤、離水防止剤、
生地改質剤、粉末化基剤として使用でき、更に食物繊維
基剤、油脂代替等の低カロリー化基剤等の用法がある。
Claims (1)
- 【請求項1】 微細セルロース100重量部に対して、
水溶性天然ガム類(a)及び水溶性合成ガム類(b)の
合計(X重量部)が0.5〜40重量部、かつ、その比
率がa:b=1:4〜19:1であり、親水性物質(Y
重量部)が0〜100重量部からなる組成を持ち、同時
にXとYは、2X+Y≧10を満足する乾燥複合体であ
って、該複合体を水に再分散した時の10μm以上の粒
子の割合が40%以下であり、コロイド分画が65%以
上であることを特徴とする複合体。
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---|---|---|---|
JP24496693A JP3328024B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 水に容易に分散する複合体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24496693A JP3328024B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 水に容易に分散する複合体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07102113A JPH07102113A (ja) | 1995-04-18 |
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ID=17126608
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JP24496693A Expired - Lifetime JP3328024B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 水に容易に分散する複合体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3328024B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-09-30 JP JP24496693A patent/JP3328024B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2005198574A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Nippon Paper Chemicals Co Ltd | 食品用分散安定剤 |
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