JP3841179B2 - 微細セルロース懸濁液 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細セルロース及びキトサンを含有する微細セルロース懸濁液及び該懸濁液を含有する食品組成物に関する。即ち、本発明の微細セルロース懸濁液は、食品、医薬品、化粧品、塗料、セラミックス、樹脂、触媒、その他工業用品等の分野において、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定剤等の安定剤、組織付与剤、クラウディー剤、白度向上、流動性改良、研磨剤、食物繊維、油脂代替物等の目的で利用可能である。また、該微細セルロース懸濁液を含有する食品組成物は、懸濁、乳化等の安定性が著しく高い。
【0002】
【従来の技術】
特公平4−58948号公報、特開平5−68478号公報には、ミクロフィブリル化したセルロース及びキトサンに関する記載がある。しかし、これらにはセルロースとキトサンを複合化すること、及び、安定な分散状態を示すことに関して何も記載がない。
【0003】
また、特開平3−28241号公報、特開平4−57836号公報、特開平7−2701号公報には、セルロースとキトサン(脱アセチル化キチン)複合化物についての記載があるが、複合化物を水中で攪拌しても分散しないため、セルロースがコロイド状の安定な分散状態を示す懸濁液とはならない。したがって、懸濁、乳化、増粘等の安定剤としての機能についても記載はない。
【0004】
また、従来の微細セルロースを含有する複合体は、安定剤としての機能が十分でない場合もあり、特に酸性領域で微細セルロースの凝集が起こりやすいため、安定剤としての機能が十分に発揮されない場合があった。そのため、果汁飲料、乳酸菌飲料等の酸性食品に用いることが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に酸性領域においても微細セルロースの凝集を起こさず、安定に分散することによって、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定剤、組織付与剤、クラウディー剤、白度向上、流動性改良、研磨剤、食物繊維、油脂代替物として優れた機能を有する微細セルロースを含有する懸濁液を提供することを目的とするものである。また、酸性領域においても懸濁安定性、乳化安定性等に優れる食品組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平均粒径20μm以下の微細セルロースと酸性条件下で膨潤または溶解させた脱アセチル化度60%以上のキトサンを含有する微細セルロース懸濁液であり、または、該懸濁液を含有する食品組成物であり、または、解重合処理したセルロースをキトサンとあらかじめ混合して湿式磨砕機械で磨砕するか、または、解重合処理したセルロースを湿式磨砕機械で磨砕し、キトサンを混合してスラリー化するかし、しかるのち滅菌処理したことを特徴とする上記の微細セルロース懸濁液の製造方法である。以下、詳細に本発明を説明する。本発明に用いる微細セルロースは、木材パルプ、精製リンター、再生セルロース、穀物又は果実由来の植物繊維等のセルロース系素材を酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエクスプロージョン分解等、あるいはそれらの組み合わせにより解重合処理して平均重合度30〜375のセルロースとし、次いで、機械的なシェアをかけ湿式磨砕することによって得ることができる。セルロースとキトサン等を予め混合した後、磨砕しても良いし、セルロースを単独で磨砕した後、キトサン等と混合しても良い。
【0007】
湿式磨砕機械は、系に存在する水分量、セルロースの微細化の程度により自由に選択される。例えば、平均粒径が8μm以下の微細セルロースを得るような充分な機械的シェアーをかける場合は、媒体攪拌ミル類、例えば、湿式振動ミル、湿式遊星振動ミル、湿式ボールミル、湿式ロールミル、湿式コボールミル、湿式ビーズミル、湿式ペイントシェーカー等の他、高圧ホモジナイザー等がある。高圧ホモジナイザーとしては、約500kg/cm2 以上の高圧で、スラリーを微細オリフィスに導き高流速で対面衝突させるタイプが効果的である。これらのミルを使用した場合の最適磨砕濃度は機種により異なるが、概ね、媒体攪拌ミルで3〜15%、高圧ホモジナイザーで5〜20%の固形分濃度が適している。また、平均粒径が5〜20μmの微細セルロースを得るような機械的シェアーをかける場合において、スラリー様の系ではコロイドミル、連続式ボールミル、ホモジナイザーなどの磨砕機が使用できるし、それより水分の少ないケーク状のものを磨砕するには、ニーダー、ライカイ機、押出機などが使用できる。
【0008】
本発明の目的のためにはこれらの機種を単独で用いることもできるが、二種以上の機種を組み合わせて用いることも出来る。これらの機種は、種々の用途における粘性要求等により適宜選択すれば良い。
微細化されたセルロースの平均粒径は20μm以下である。好ましくは12μm以下、さらに好ましくは8μm以下、特に好ましくは4μm以下である。平均粒径が小さいほど安定剤としての機能は向上するが、その下限は、磨砕、粉砕の技術および装置により自ずから限度があり、現在のところでは通常0.05μm程度と考えられる。
【0009】
また、粒度分布において、10μm以上の留分が70%以下であることが好ましい。特に好ましくは45%以下、さらに好ましくは10%以下である。10μm以上の留分が少ないほど、食品組成物を喫食した際のザラツキ感が低減するため好ましい。
微細セルロース懸濁液における微細セルロースの濃度は1〜25重量%が好ましい。1重量%より少ないと効果をもたらすために懸濁液を大量に用いる必要があるし、輸送に当たっても無駄が多い。好ましくは3重量%以上である。特に好ましくは5重量%以上である。また、25重量%を超えると懸濁液の流動性がなくなるため扱い難い。好ましくは20重量%以下である。
【0010】
本発明に用いるキトサンは、セルロースの分散、懸濁等の安定性を高める。つまり、一般にセルロースの分散安定性は、セルロース表面が負に帯電することによる電気的な反発力によってもたらされるが、酸性下ではその電荷が打ち消されるため、安定性が低下する。酸性下で正に帯電するアミノ基を有するキトサンがセルロース表面に吸着することによって、特に酸性下での安定性が向上する。本発明の微細セルロース懸濁液は、キトサンを含有することにより、特に酸性領域での安定性が高いのが特徴である。
【0011】
本発明で用いるキトサンは、キチンを脱アセチル化処理したものであって、脱アセチル化度が40%以上のものである。好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは75%以上であり、特に好ましくは85%以上である。キトサンの脱アセチル化度が高いほうが、微細セルロース懸濁液を酸性領域で分散させた時の安定性が向上する。また、0.5%濃度における粘度が1000センチポアズ以下が好ましい。特に好ましくは500センチポアズ以下である。さらに好ましくは100センチポアズ以下である。キトサンの粘度が低いと、飲料等に用いた時、粘度の上昇が小さく、さっぱりした喉越しで食感が良くなるので好ましい。
【0012】
キトサンの配合量は、微細セルロース100重量部に対して1〜200重量部が好ましい。特に好ましくは3〜100重量部である。さらに好ましくは5〜40重量部である。配合量が1重量部より低いと、酸性領域中で微細セルロースが凝集しやすくなる。また、配合量が200重量部より高いと、粘度の上昇による食感の低下とともに、微細セルロース含量の低下に伴い安定剤としての機能が低下し好ましくない。
【0013】
キトサンを懸濁液中で十分分散させるためには、キトサンを膨潤あるいは溶解させるようにすると良い。キトサンは、通常、酸性条件で膨潤溶解するので、酸成分を添加することが好ましい。酸成分としては、塩酸、酢酸、アジピン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、プロピオン酸、ギ酸、クエン酸等が適している。その添加量は、キトサンのアミノ基のモル数に対して、酸の水素イオンのモル数が10%〜500%程度になるよう添加すると良い。アセチル化度をコントロールするなどして、酸成分の添加なしでキトサンが溶解する場合、あるいはセルロースとキトサンを湿式磨砕処理する場合は、必ずしも酸を加える必要はない。
【0014】
微細セルロース、キトサン、酸の他に、水中への微細セルロースの再分散性を改良するために、以下に挙げる水溶性ガム類、親水性物質を配合しても良い。
水溶性ガム類とは、水膨潤性が高く、セルロース及びキトサンとの水中における相溶性が良好な水溶性のガム類であり、ローカストビーンガム、グアーガム、カゼイン及びカゼインナトリウム、タマリンドシードガム、カラヤガム、アラビアガム、寒天、カラギーナン、サイリウムシードガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチン、セルロース誘導体、澱粉誘導体等が挙げられる。これらの水溶性ガム類は2種以上組み合わせてもかまわない。水溶性ガム類を大量に配合すると、キトサンの保護コロイド性を損なうので、その配合量はキトサン配合量の半量以下程度にしたほうが良い。
【0015】
親水性物質とは、冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさない有機物質であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、ブドウ糖、ソルボース、乳糖、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖等の単糖類、オリゴ糖類を含む水溶性糖類、マルチトール、ソルビット等の糖アルコール類等である。これらの親水性物質は2種以上組み合わせてもかまわない。親水性物質を配合しても、キトサンの保護コロイド性にはほとんど影響ないが、親水性物質の配合量が増加するに従い、微細セルロース、キトサンの配合量が相対的に減少するので、その配合量は必要最小限度にとどめた方が良い。
【0016】
その他の成分の配合については、組成物の水中での分散及び安定性を阻害しない程度に配合することは自由である。
本発明の微細セルロース懸濁液の製法は、まず、磨砕して得た微細セルロースを、キトサン、必要により、酸成分、水溶性ガム類、親水性物質等と混合してスラリーとなし、次いで、これを必要により滅菌処理することによって得ることが好ましい。また、解重合処理したセルロースを予めキトサン等と混合し、湿式媒体ミル、高圧ホモジナイザー、ニーダー等で磨砕してから懸濁液とする方法も可能である。いずれの場合も、キトサン等との混合、分散に当たっては、キトサンを十分膨潤乃至溶解させると良い。
【0017】
以上の様にして得られた微細セルロース懸濁液は、平均粒径20μm以下の微細セルロース、キトサンを含有するものであり、微細セルロースが均一に分散した、なめらかな組織を持つザラツキの無い安定なコロイド分散体を形成している。特に、酸性領域で微細セルロースが凝集を起こさないため、安定なコロイド分散体となり、安定剤等として優れた機能を奏する点が特徴である。
【0018】
本発明の食品組成物は、上記の微細セルロース懸濁液、即ち、微細セルロースとキトサンを含有する懸濁液を含有することを特徴とする食品組成物である。具体的には、乳酸菌飲料、ココア飲料、抹茶飲料、しる粉飲料等の嗜好飲料、ミルクココア、ミルクコーヒー、豆乳等の乳性飲料、アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベット等の氷菓類、プリン、ゼリー、ジャム、水羊かん等のゲル状食品、ミルクセーキ、コーヒーホワイトナー、ホイップクリーム、マヨネーズ、ドレッシング類、スプレッド類、タレ、スープ、練りがらし、フラワーペースト、調理缶詰、スプレッド、経管流動食、練りがらし、パン・ケーキ用フィリング・トッピング、あん製品、ホンザント、水産練製品、パン・ケーキ類、和菓子、麺類、パスタ類、冷凍生地等、粉末油脂、粉末香料、粉末スープ、粉末スパイス、クリームパウダー、漬け物等であって、該微細セルロース懸濁液が懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定剤、泡安定剤、クラウディー剤、組織付与剤、流動性改善剤、保形剤、離水防止剤、生地改質剤、粉末化基剤、食物繊維基剤、油脂代替等の低カロリー化基剤等として使用されているものである。特に、乳酸菌飲料等の酸性食品において顕著な効果が発揮される。
【0019】
食品組成物の製法は、常法に従って、主原料あるいは着色料、香料、酸味料、増粘剤等の他の成分と同時に、上記微細セルロース懸濁液を添加して使用すれば良い。微細セルロース懸濁液を予め水に希釈した後、添加してもかまわない。
例えば、乳酸菌飲料の場合、市販のカルピスに微細セルロース懸濁液を混合した後、ホモミキサーで分散することによって、微細セルロースを凝集させることなく安定に分散させると共に、カルピス中の微量物の沈降を防止できる。また、飲食した場合に、微細セルロースであるためざらつきが感じられない。食品組成物への微細セルロース懸濁液の添加量は、懸濁液中の微細セルロース濃度、食品の種類等によって異なるため、それぞれ最適の添加量を選択することが必要である。例えば、飲料の場合は微細セルロース固形分として、0.02〜3重量%程度が好ましい。特に好ましくは、0.1〜1.5重量%である。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
なお、測定は以下のとおり行った。
<平均粒径>
(1)サンプルを固形分で3.0gを、蒸留水を入れたエースホモジナイザー(日本精機製AM−T)に入れ全量を300gとする。
(2)15000rpmで5分間分散する。
(3)堀場レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−500)を用いて粒度分布を測定する。平均粒径は積算体積50%の粒径であり、10μm以上の粒子の割合は体積分布における割合(%)で表す。
【0021】
【実施例1】
市販DPパルプを裁断後、7%塩酸中で105℃で20分間加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗浄した後、固形分10%のセルロース分散液を調製した。この加水分解セルロースの平均粒径は25μmであった。このセルロース分散液を媒体撹拌湿式粉砕装置(コトブキ技研工業株式会社製アペックスミル、AM−1型)で、媒体として直径1mmφのジルコニアビーズを用いて、撹拌翼回転数1800rpm、セルロース分散液の供給量0.4l/minの条件で、2回通過で粉砕処理を行い、微細セルロースAのペースト状物を得た。この微細セルロースAの平均粒径は3.1μm、10μm以上の粒子の割合は2.8%であった。
【0022】
次に、キトサン(脱アセチル化度88%、0.5%粘度5センチポアズ)30重量部、36%塩酸13重量部、水900重量部を混合し、キトサンを溶解させた。次に、微細セルロースAのペースト状物1000重量部(微細セルロース固形分としては100重量部)を添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて混合し、総固形分濃度が6.9%、微細セルロース濃度が5.2%、pHが3.0の微細セルロース懸濁液Aを作成した。
【0023】
【実施例2】
実施例1のキトサン10重量部、クエン酸10重量部、水250重量部を混合し、キトサンを溶解させた。次に、実施例1の微細セルロースAのペースト状物1000重量部(微細セルロース固形分としては100重量部)を混合し、実施例1と同様に操作して微細セルロース懸濁液Bを得た。懸濁液Bの総固形分濃度は9.5%、微細セルロースの濃度は7.9%、pHは3.5であった。
【0024】
【実施例3】
実施例1の加水分解セルロースを13%濃度に分散した後、高圧破砕装置(Microfluidics社製マイクロフルイダイザーM−610型)で1200kg/cm2 、1回通過で、微細セルロースBのペースト状物を得た。この微細セルロースBの平均粒径は9.2μm、10μm以上の粒子の割合は38%であった。
【0025】
実施例1のキトサン15重量部、36%塩酸6重量部、水100重量部を混合し、キトサンを溶解させた。次に、微細セルロースBのペースト状物1000重量部(微細セルロース固形分としては100重量部)を混合し、実施例1と同様に操作して微細セルロース懸濁液Cを得た。懸濁液Cの総固形分濃度は13.2%、微細セルロースの濃度は11.7%、pHは3.4であった。
【0026】
【実施例4】
実施例1の加水分解セルロース分散液1000重量部に、実施例1のキトサン15重量部、36%塩酸6重量部、水500重量部を添加し攪拌した後、高圧破砕装置(Microfluidics社製マイクロフルイダイザーM−610型)で1200kg/cm2、1回通過させた。この混合液を耐熱瓶に入れた後、121℃で30分間加熱し滅菌処理を行い、微細セルロース懸濁液Dを得た。懸濁液中の微細セルロースの平均粒径は9.5μm、10μm以上の粒子の割合は44%であった。懸濁液Dの総固形分濃度は7.8%、微細セルロース濃度は6.6%、pHは3.3であった。
【0027】
【実施例5〜8】
微細セルロース懸濁液A〜Dをそれぞれ30gとり、市販カルピス(カルピス工業社製)60g及び純水210gを、TKホモミキサーを用いて7000rpmで2分間混合し、カルピス飲料を作製した(微細セルロース含量はA、B、C、Dの系で、それぞれ0.5%、0.8%、1.2%、0.7%)。
【0028】
飲料を2日間冷蔵庫中で放置し、観察及び試飲を行った。その結果、いずれも凝集等は見られず、微細セルロースは安定な分散状態を示した。また、ざらつき、糊っぽさは感じられず、喉越しも良かった。
【0029】
【実施例9】
微細セルロース懸濁液Aを25gとり、水245g、ドリンクヨーグルト「ビヒダス」(森永乳業製)30gを添加後、エースホモジナイザーを用いて15000rpmで5分間分散させる。その後、クエン酸溶液でpHを3.8に調製し、ライト感覚の乳酸菌飲料を作製した(微細セルロース濃度は0.4%)。
【0030】
飲料を2日間冷蔵庫中で放置し、観察及び試飲を行った。その結果、凝集等はほとんど見られず、安定な分散状態を示した。また、ざらつき、糊っぽさは感じられず、喉越しも良かった。
【0031】
【比較例1】
実施例1の微細セルロースAのペースト状物15g(固形分換算1.5g)、市販カルピス(カルピス製)60g及び純水225gを、TKホモミキサーを用いて7000rpmで2分間混合し、カルピス飲料を作製した(セルロース含量は0.5%)。
【0032】
飲料を1日間冷蔵庫中で放置した結果、微細セルロース、乳脂肪、乳タンパクによると考えられる凝集、沈降のため離水を起こし、安定な分散液とならなかった。
【0033】
【比較例2】
市販結晶セルロース製剤アビセルCL−611(旭化成工業製)6g、市販カルピス(カルピス工業社製)60g及び純水234gを用い、実施例5〜8と同様に操作し、カルピス飲料を作成した。
飲料を1日間冷蔵庫中で放置した結果、微細セルロース、乳脂肪、乳タンパクによると考えられる凝集、沈降のため離水を起こし、安定な分散液とならなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の微細セルロース懸濁液は、食品、医薬品、化粧品、塗料、セラミックス、工業品等の分野において安定剤として機能する。特に、本発明の微細セルロース懸濁液は、酸性領域においても微細セルロースの凝集を起こさず、安定に分散することによって、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定剤、組織付与剤、クラウディー剤、白度向上、流動性改良、研磨剤、食物繊維、油脂代替物として機能し、食感の面からもざらつき感が無く、滑らかな食感を付与できる。また、該微細セルロース懸濁液を含有する食品組成物は、特に酸性領域においても懸濁安定性、乳化安定性等に優れると同時に食感も優れる。

Claims (3)

  1. 平均粒径20μm以下の微細セルロースと酸性条件下で膨潤または溶解させた脱アセチル化度60%以上のキトサンを含有することを特徴とする微細セルロース懸濁液。
  2. 請求項1に記載の微細セルロース懸濁液を含有することを特徴とする食品組成物。
  3. 解重合処理したセルロースをキトサンとあらかじめ混合し、湿式磨砕機械で磨砕するか、または、解重合処理したセルロースを湿式磨砕機械で磨砕し、その後キトサンを混合してスラリー化するかし、しかるのち滅菌処理することを特徴とする請求項1に記載の微細セルロース懸濁液の製造方法。
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