JPH0523119A - 粉状可食体およびその水懸濁液 - Google Patents

粉状可食体およびその水懸濁液

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JPH0523119A
JPH0523119A JP3198232A JP19823291A JPH0523119A JP H0523119 A JPH0523119 A JP H0523119A JP 3198232 A JP3198232 A JP 3198232A JP 19823291 A JP19823291 A JP 19823291A JP H0523119 A JPH0523119 A JP H0523119A
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edible
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water
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Ninpei Kuno
忍平 久野
Tsutomu Tamura
務 田村
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 口当たりが滑らかで、かつ、苦味がなく、各
種のゲル状食品やクリーム状食品に広く使用できる粉状
可食体およびその水懸濁液を提供する。 【構成】 アルカリ金属水酸化物水溶液から再生された
セルロースと食用多糖類を含む構造体からなる可食体
で、その構造体中でセルロースと食用多糖類の均質体
が、海成分または連続体として少なくとも10%以上存
在し、かつ、可食体の積算体積50%の粒径が50μ以
下である粉状可食体、および該粉状可食体を少なくとも
0.001〜30重量%含有する水懸濁液である。 【効果】 本発明の粉状可食体および水懸濁液は、口当
たりが滑らかで、苦味が抑制されているため、食品用油
脂代替素材や食物繊維供給素材として極めて有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品中に添加した際
に、特にざらつきの感じやすい食品であるプリン、コン
ニャク等のゲル状食品や、アイスクリーム、練りウニ、
マヨネーズ、ホイップクリーム等のクリーム状食品にお
いても、ざらつきを感じることなく添加することができ
る油脂代替、冷凍冷蔵保存時の離水防止、その他の機能
性を食品に付与することのできるセルロース含有新素材
に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース含有素材(微結晶セルロー
ス、小麦、とうもろこし等穀類のふすまなど)は、ざら
つきが多く、このざらつきをなくすため、種々の研究が
実施されてきた。その結果、セルロース含有素材の食品
中でのざらつきを抑制するためには、そのセルロースの
粒径を5μ以下にすればよいことが判明した。しかしな
がら、そのためには、特殊の粉砕機と大きなエネルギー
を必要とし、結果として莫大なコストが要求され、事実
上工業化は困難であった。
【0003】また、粉砕を容易にし、かつ、凝集をおさ
えるため、湿式粉砕を採用し、粉体を水懸濁液の形で製
品とする試みがなされている。この方法によると、特定
の粉砕機を選定すれば、3μ以下の平均粒径を得ること
ができるが、3μ以下の粒径になると、口当たりはクリ
ーミーであるが、ざらつきとは別種の違和感や苦味を感
じるようになる。
【0004】特開平3−58770号公報には、5μ以
下の粒径を有するセルロース含有粒子の水懸濁液につい
て記載があるが、粒径は5μ以下でないとざらつきを感
じる。本発明者らの実験によれば、3μ以下ではざらつ
きはないが、若干の苦味が発生する。
【0005】また、本出願人の出願に係る特願平2−1
72616号において、0.3〜6μの粒径を有する、
ざらつきを感じられないセルロース微粒子を含有する水
懸濁液について開示している。しかし、この水懸濁液に
おいても、ある種の苦味が存在し、対象となる食品種や
添加量に限度が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、口当たりが
滑らかで、かつ、苦味がなく、前記のゲル状食品やクリ
ーム状食品に広く使用できる粉状可食体およびその水懸
濁液を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、セルロース含有素材について鋭意研究
の結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、アルカリ金属水酸化物水溶液から再生されたセルロ
ースと食用多糖類を含む構造体からなる可食体であっ
て、その構造体中でセルロースと食用多糖類の均質体
が、海成分または連続体として少なくとも10%以上存
在する可食体において、その積算体積50%の粒径が5
0μ以下であることを特徴とする粉状可食体であり、ま
た、本発明は、前記粉状可食体を少なくとも0.001
〜30重量%含有することを特徴とする水懸濁液であ
る。
【0008】本発明の粉状可食体は、実に50μの粒径
であっても、ざらつき感がなく、また、この粉状可食体
は、3μ以下になっても、ざらつき感がないばかりでな
く、苦味も感じることがない。そして、ゲル化食品やク
リーム食品等に添加する場合には、好ましくは20μ以
下がざらつきの点で好ましく、15μ以下がさらに好ま
しい。50μを超えると、食品に添加した場合に、ざら
つきを生ずることになる。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、「可食体」とは、セルロースの紙的食感
が抑制され、食べることができる構造体を指す。上記可
食体は、溶解しているセルロース100重量部に対し5
0重量部以下の未溶解セルロースが膨潤分散しているア
ルカリ溶液中に、食用多糖類の少なくとも一種を直接、
またはアルカリ水溶液に溶解または分散させてから加え
て、ドープ中に食用多糖類の50重量%以上が溶解して
いるドープを調製し、該ドープを押出機を用いて押し出
し、凝固、中和および水洗し、粉状可食体の場合は、乾
燥した後、水懸濁液の場合は、一般的にはそのまま、ま
たは水による濃度調整(一般的には固型分3〜40重量
%が好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%であ
る)を行ってから、粉砕に処せられる。
【0010】本発明において原料として用いるセルロー
スとしては、そのCP/MAS13C−NMR測定から規
定されるC3位とC6位における分子内水素結合の程度
Hb(3+6)が60%以下である天然セルロース、ま
たはC3位における分子内水素結合性の程度Hb(3)
が30%以下である再生セルロースであって、後で、定
義する溶解度が67%以上のものが好ましい。分子内水
素結合の程度Hb(3+6)が0〜48%である天然セ
ルロース、またはC3位における分子内水素結合性の程
度Hb(3)が0〜15%である再生セルロースで溶解
度が100%に近いものはより好ましい。これは、セル
ロースと食用多糖類との本発明に規定される混合を保証
し、得られる可食体のより高い機械強度および食感の向
上の実現を可能にする。勿論、本発明の可食体の中に
は、始めから未溶解のセルロースの存在も許されるた
め、上記以外のセルロースの併用はさしつかえない。し
かし、未溶解セルロース分が、本発明の可食体の製造過
程で調製するドープ中に溶解しているセルロース分の5
0%重量を越すと、該ドープから機械的強度を保持した
可食体は得られない。
【0011】本発明における13C−NMRの測定法、上
記分率Hb(3+6)およびHb(3)の評価法を以下
に述べる。パルス−フーリエ変換型NMRスペクトロメ
ーターを用い、いわゆるCP/MAS(クロス−ポーラ
リゼーションマジック角回転)法による固体高分解能13
C−NMRスペクトルを測定する。試料はテフロン製サ
ンプルチューブに詰込み、コンタクトタイムは2ミリセ
コンド前後、サンプル回転数は3000ヘルツ以上とす
る。サンプルは風乾状態、または湿潤状態で測定する。
各ピークの化学シフトは、上記と同一条件で測定したア
ダマンテンのメチルピークを29.5ppm として定め
た。測定温度は室温から60℃の間で行った。パルス積
算は500回以上とした。
【0012】図1は天然セルロースのC1 〜C6 カーボ
ンピーク領域の固体CP/MAS13C−NMRスペクト
ルを示し、また、図2は再生セルロースのC4カーボン
ピーク領域の固体CP/MAS13C−NMRスペクトル
を示す。先に規定したHb(3+6)およびHb(3)
は、C4カーボンピークとC6カーボンピークおよびC
4カーボンピークの図の斜線を施していない部分(低磁
場側)の分率で、通常、そのスペクトルの積分曲線から
求めることができる。図を参考に説明すると、天然セル
ロースに適用されるHb(3+6)は、図1中の面積分
(a+c)/(a+b+c+d)×100(%)で現さ
れる。図1に示すセルロースのHb(3+6)は45%
であった。再生セルロースに適用されるHb(3)は図
2中の面積分a/(a+b)×100(%)である。図
2において、(i)〜(iv)は、それぞれHb(3)違
いのセルロースで、その値は(i)から順に、44%、
38%、21%、13%であった。a,cは各々C4
6 カーボンピークの図中斜線を施していない部分(低
磁場側)の分率で、通常、そのスペクトルの積分曲線か
ら求めることができる。一方、b,dはおのおのC4
6 カーボンピークの斜線を施した部分(高磁場側)の
分率である。
【0013】C3位とC6位における分子内水素結合の
程度Hb(3+6)が60%以下である天然セルロース
は、木材パルプ、綿、麻等の天然セルロースを酸加水分
解によって重合度を調整するか、天然セルロースを機械
的に粉砕したり、爆砕処理したり、もしくは高温下に押
出機処理するか、酵素溶液で処理することにより得られ
る。C3位における分子内水素結合の程度Hb(3)が
30%以下である再生セルロースは溶媒に溶解後、中和
再生もしくは非溶媒中で凝固するか、または易揮発性溶
媒成分を蒸散凝固し、再生することにより得られる。
【0014】特に、アルカリに対する溶解度が高い、よ
り好ましいセルロース、すなわち、Hb(3+6)が0
〜48%である天然セルロース、またはHb(3)が0
〜15%である再生セルロースは、先に示した製造法の
うち特に、あとに規定する重合度を700以下に調整し
た木材パルプ、綿、麻等の天然セルロースを水素結合解
裂剤の存在下に、高温、高圧状態から爆砕処理もしくは
押出機処理するか、酵素溶液で処理するか、または溶媒
に溶解後、中和再生もしくは非溶媒中で凝固するか、ま
たは易揮発性溶媒成分を蒸散凝固し、再生することによ
り得られる。この種の再生セルロースのうち、極めて高
いアルカリ可溶性を示すという観点からすると、セルロ
ースを銅アンモニア溶液に溶解後、アンモニア成分を蒸
発し、固化したものを酸溶液で中和、再生したものが最
も好ましい。ただし、可食体中に多量の銅が残存すると
毒性を示すので、セルロース中の銅の量が10ppm 以下
になるように洗浄を繰り返す。上述の水素結合解裂剤と
は、水、アルカリ水溶液、酸水溶液、塩水溶液、セルロ
ースの溶媒群等を言う。
【0015】本発明において、溶解度とは、セルロース
を9.1重量%の水酸化ナトリウム水溶液に5℃にて5
重量%の濃度で溶解したときの未溶解分を7,000回
転/分で遠心分離後、中和、再生し秤量した値と、始め
の仕込量から計算して決定したものである。重合度につ
いては、特に、限定的ではないが、Hb(3+6)が0
〜48%である天然セルロースまたはHb(3)が0〜
15%である再生セルロースは、その製造法からみて、
1200以上のものを得るのは難しい。最終成形物に高
い機械的強度を望む場合は、アルカリに溶解するセルロ
ースの重合度が100以上であればよい。100未満で
はセルロースの利用による補強効果は全く期待できな
い。ここで、本発明における重合度は以下の方法で決定
する。
【0016】重合度はカドキセン溶液中の粘度から決定
した粘度平均重合度を用いる。その方法を詳述すると、
試薬特級のエチレンジアミン900gを、蒸留水241
4gに、混合液を0℃に保ちながら徐々に加え、さらに
試薬特級の酸化カドミウム318gを、混合液を0℃に
保ち攪拌しながら、2〜3時間かけて徐々に混合し、−
15℃で一昼夜静置し、この上澄み液950mlにエチレ
ンジアミン60ml、蒸留水155ml、カセイソーダ14
gを加え、カドキセン原液とする。秤量したセルロース
を6℃以下に保ちながら、カドキセン原液に溶解し、カ
ドキセン原液と同体積の蒸留水で希釈し、その濃度をc
(g/dl)とする。水の落下秒数約80〜120秒(2
0℃)のウベローデ型粘度計で測定した、25℃におけ
るセルロース/カドキセン溶液の落下秒数をt、2倍希
釈したカドキセン溶液の落下秒数をt0 とし、下記数1
【0017】
【数1】
【0018】で定義される固有粘度を、ブラウン・ウイ
キストレェームの粘度式( Euro. Polym. j., , (196
6)記載) 〔η〕=3.85×102 Mv0.76 に代入して得た
粘度平均分子量Mvを、162で割って粘度平均重合度
とする。固有粘度の決定に当たって、粘度の濃度依存性
に関する経験則を用いて、濃度一点での落下秒数の値か
ら、以下の二次方程式の解として求めてもよい。 ck〔η〕2 +〔η〕−v=0 ただし、 v=(t/t0 −1)/c k= 0.03361v+ 0.2061
【0019】本発明で使用する食用多糖類としては、ア
ラビヤガム、アラビアガラクタン、アルギン酸、ガティ
ガム、カラギーナン、カラヤガム、ザンタンガム、グア
ーガム、コンニャク粉、タマリンド、タラガム、トラカ
ントガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチン、キチ
ン、ローカストビーンガム、キシラン、マンナン、また
は塩を形成する多糖類にあっては、それらの塩、例え
ば、Na、K、Ca塩が挙げられる。また、馬澱、コー
ンスターチ、小麦デンプン、タピオカデンプン、ワキシ
ーデンプン、ハイマシローマデンプン、米デンプン、甘
しょでんぷん等の天然デンプンのほか、酢酸エステル化
デンプン、リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデ
ンプン、その他の化工デンプンがあげられる。これらの
うち、キチンを除くほとんどすべての食用多糖類は、水
または稀アルカリ水溶液に完全に溶解するため、これら
を用いたセルロースとの混合体成形物の機械的特性は特
に優れている。
【0020】食用多糖類は本発明の可食体中に10重量
%以上、特に40重量%以上含有されることが好まし
い。特に、それ自体違和感なく可食でき、かつ、口中に
残存することのないセルロースと多糖類の混合比(重量
比)は、好ましくは5:95〜90:10、より好まし
くは10:90〜60:40である。一般に、食用多糖
類とセルロース粉末や微細繊維を固体同志混合したもの
では、セルロース分が10%以上になると、とても食せ
るものではなく、口中に残存し、ある種の苦味を与えて
しまうことを考えると、本発明の可食体の卓抜性が理解
できよう。さらに、セルロースによる補強効果を考える
と、混合体中の食用多糖類の混合比率は95重量%以下
であることが好ましい。セルロース分が極度に少量であ
ると、高い重合度のセルロースを用いても可食体の期待
される特殊性が発揮されない。好適には、セルロース分
は5重量%以上である。
【0021】本発明の可食体は、以下のようにして製造
できる。まず、セルロースと食用多糖類との混合ドープ
を作成する。本発明に用いるドープを製造するに当たっ
ては、1)あらかじめ本発明に規定したセルロースを特
定濃度のアルカリ水溶液に完全溶解、または部分溶解
し、これに食用多糖類を粉末状、固体状で供給し、混合
溶解または混合分散したり、2)両者を別途適当なアル
カリ性水溶液に溶解後、混合する手法をとることができ
る。
【0022】前者の場合(第1の方法)、セルロースの
溶解に当たっては、使用するアルカリは、1.5〜2.
5規定(以下、Nと略す)程度の水溶液としてセルロー
スの溶解に使用する。この場合、溶解温度は10℃〜−
10℃の範囲とする。この溶解温度範囲外の場合は、ア
ルカリに溶解したセルロースの溶解が完全ではないか、
または溶解が完全でもすぐにゲル化してしまい、後の混
合工程や紡糸工程に適さない。一度溶解したセルロース
溶液は、セルロースの濃度に応じて水で稀釈することが
可能で、この溶液を食用多糖類の混合溶解または混合分
散に用いることもできる。後者の場合(第2の方法)、
アルカリに溶解したセルロースは、上記の方法で溶解す
る。
【0023】また、食用多糖類もアルカリ金属の水酸化
物の水溶液に溶解させることが望ましい。この際、50
℃位まで加熱して溶解してもよい。アルカリの濃度は
0.5〜3.0Nを用いたが、これはそれほど問題では
ない。ドープを得るために使うアルカリ系溶媒の具体例
としては、ナトリウムのようなアルカリ金属の水酸化物
の水溶液が挙げられる。特に、これらのアルカリ金属の
水酸化物は、最終的に得られる成形品の用途が医薬や食
品分野である場合、安全性の観点からも好ましく、この
点が本発明の大きな利点の一つになっている。
【0024】これらドープから、あとで示す方法で可食
体の成形品を製造すると、溶解しているセルロース分は
再生されて、可食体の機械強度の発現および食感の向上
が行われる。この点においては、前述のドープの製造に
当たって、セルロースは完全に溶解していることが、得
られる成形品の機械的強度の点では好ましい。この場合
は、分子内水素結合の程度 Hb(3+6)が0〜48
%の天然セルロースおよびHb(3)が0〜15%の再
生セルロースで、かつ、そのアルカリに対する溶解度が
ほとんど100%のものを用いる。しかし、場合によっ
ては、もともと溶解していない微細繊維状のセルロース
が混合体中に存在することが好ましいこともある。この
ような場合には、本発明で規定するアルカリに溶解した
セルロース以外のセルロースを、セルロースと食用多糖
類からなるアルカリドープ中に占めるアルカリに溶解し
たセルロース100重量部に対して50重量部を上限と
して膨潤分散せしめることを特徴とするドープも用いる
ことができる。この元から溶解していないセルロース分
が上記の50重量部を越えると、食感がきわめて悪化す
る。このために用いるセルロースとしては、具体的に
は、Hb(3+6)が49〜60%の天然セルロースお
よびHb(3)が15〜30%の再生セルロースで、か
つ、そのアルカリに対する溶解度が67〜90%のもの
を用いる。このセルロースの場合では、未溶解のセルロ
ース分が先に規定した上限内に収まるように混合量を調
整する必要がある。また、かかるドープのもう一つの製
造法の例は、先に記したHb(3+6)が0〜48%の
天然セルロースおよびHb(3)が0〜15%の再生セ
ルロースを用いて調製したアルカリ溶液、またはそれと
食用多糖類を混合溶解したアルカリドープに、2規定未
満のアルカリ水溶液に膨潤分散せしめたセルロース分散
液を混合することによって製造できる。2規定未満、好
ましくは1.5規定未満のアルカリ水溶液は、ほとんど
すべてのセルロースを単に膨潤分散するだけである。
【0025】今まで記したセルロースと食用多糖類から
なるアルカリドープには、必要に応じて第三物質、例え
ば、ジオール、ポリオール、油脂、調味料、色素、香料
等を添加することも可能である。本発明の可食体は、上
述のドープを通常の押出機を用いて、直接、酸性浴また
は塩を含む酸性浴に吐出し、凝固、中和を同時に行いな
がら、成形し、その後、水洗し、必要なら乾燥し、つづ
いて粉砕することによって得られる。
【0026】また、もう一つの方法は、上述のドープを
通常の押出機を用いて、先ず、水中または中性塩水溶液
に吐出し、凝固した後、酸性水溶液中を通過せしめて中
和し、水洗し、必要なら乾燥することによって得られ
る。他方、粉末や粉体を製造する場合には、凝固または
中和工程で吐出されたドープを単に攪拌するだけでも、
目的のものを得る。
【0027】本製造法の凝固、中和工程において用いら
れる酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、酢酸、リン酸等が
あり、これらは水や有機溶媒に溶解して用いる。酸類の
濃度は限定的ではなく、経済的な見地から適宜選択すれ
ばよい。
【0028】本工程で用いられる塩としては、硝酸、硫
酸、塩酸、酢酸、リン酸等のアルカリ金属塩やアルカリ
土類金属塩が好適に用いられる。これらの塩類は、前述
の酸類と混合、併用して用いてもよい。塩類の凝固浴中
の濃度は0〜飽和濃度までである。有機溶媒としては、
アルコール類、ケトン類、アミド類、スルフォキシド類
等が好適に用いられるが、経済的な観点からは、アルコ
ール類が好ましい。アルコール類を用いた場合は、食用
多糖類の凝固浴中への流失を防止できるし、また、得ら
れる混合体中のセルロース部分の分子内水素結合性を著
しく弱めることが可能で、可食体の可食性と湿潤時の加
工性の向上にとってより好ましい。凝固浴の温度は、用
いる浴組成液の氷点以上80℃以下である。80℃以上
では可食体の熱分解が起こる。凝固浴の浴温は限定的で
はないが、低温ほど強力の高い可食体が得られる場合が
多い。得られる可食体は、粉砕された後、最終用途品を
製造する工程に投入することが可能である。可食体は、
その乾燥重量100部に対し水分は3〜1200部含有
するものが一般的である。
【0029】本発明で「海成分」とは、構造物の断面を
透過型電子顕微鏡または光学顕微鏡にて検鏡したとき
に、ある相を包みこんだ形で分布している相を海成分と
いい、また、「連続体」とは、空孔はあっても連続して
分布している相をさす。「海成分または連続体として1
0%以上存在する」という定義は、海および島成分が確
認できる可食体においては、島が5ケ以上視野に確認で
きる倍率で顕微鏡で検鏡したときに、視野全面積のうち
海成分の占める面積が10%以上である状態をいう。ま
た、海、島が確認できない可食体においては、視野全面
積のうち連続体が占める面積が10%以上である状態を
いう。
【0030】本発明の可食体において、セルロースまた
はセルロースと食用多糖類の均質体が海成分または連続
体として少なくとも10%以上存在する。可食体構造体
の断面を透過型電子顕微鏡または光学顕微鏡で検鏡した
ときに、ある相を別の相が、例えば、図3に示すよう
に、島(D)を海(A)が取り囲むように包みこんだ形
で分布するとき、後者を海成分と言う。また、同様に検
鏡したときに、例えば、図4に示すように、空洞(B)
が観察されても、ある相(C)がとぎれず連続した相で
ある場合、この相を連続体という。
【0031】断面の観察には主として透過型電子顕微鏡
写真が用いられるが、海成分が大きな領域にわたって観
察される場合、光学顕微鏡写真も用いることができる。
また、「均質体」とは、顕微鏡写真上、たとえ小さな斑
点が見えても、一つの相とみられる構成体を総称して、
均質体と称する。海成分または連続体が10%以上存在
することが必要な理由は、本発明の可食体が形をとど
め、適切な機械的強度を有するためである。
【0032】なお、検鏡方法は次のとおりである。透過
型電子顕微鏡では次のようにして観察した。すなわち、
湿潤状態の糸をメタノールで脱水し、メタクリレート樹
脂で置換した後に、メタクリレート樹脂で包埋し、LK
B社製、ウルトラトームで0.1μmの超薄切片を作成
した。その切片の樹脂をクロロホルムで溶解除去した
後、日本電子(株)社製、JEM1200EX透過型電
子顕微鏡にて加速電圧80kVで、2000倍から60
00倍にて観察した。また、光学顕微鏡では、同様な方
法で切片を作成(ただし、切片の厚さは、0.3μm程
度)し、クロロホルムで樹脂を溶解した後に、デンプン
系の糸はヨウ素溶液にてデンプン部分を染色して、10
0倍から400倍にて検鏡した。ここで、「断面」と
は、糸またはフィルム等押出成形品の場合は、押し出し
方向に対して垂直な断面を意味し、粉体、球体等の場合
は、任意の断面を意味する。
【0033】粒径表示において、粒径の測定は、本発明
にとっては非常に重要な要素であるが、本発明者らは、
島津レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−110
0)を用いて、測定に供する懸濁液を、水性懸濁液の場
合は蒸留水で、非水性懸濁液の場合はその主たる分散媒
で0.1重量%に稀釈し、装置に内蔵する超音波発信器
で2次凝集を壊した状態で測定する。本発明での積算体
積割合50%の粒径とは、粒子全体の体積に対して積算
体積が50%になる時の粒子の球形換算直径のことであ
る。
【0034】なお、該粒度分布測定装置での測定に当た
っては、測定レンジを0.1〜45μに設定する。これ
により、ミー(Mie)散乱理論式(測定装置中に組み
込まれている)から導き出された散乱光強度と粒子径の
関係を用いて計算されることとなる。また、屈折率は
1.7〜0.2iの標準屈折率用を選択することとし、
粒度分布を求める計算方法は、最小二乗法理論を使った
直接計算法を使うこととする。1つの試料に対する測定
回数は7回に指定し、測定間隔は2秒とする。0.1重
量%に純水で均一に稀釈された試料は、フローセルを利
用して測定されるが、内蔵された超音波発信器は常時オ
ンとし、少なくとも1分以上は超音波をあてて凝集を防
止した後に測定を行う。
【0035】本発明の粉状可食体は、前述のようにして
得られた可食体を、乾燥・乾式粉砕することにより得ら
れる。また、当該粉末可食体を含有する水性懸濁液は、
可食体をそのまま、または水に分散させた状態で湿式粉
砕することにより製造される。乾燥・粉砕および湿式粉
砕方法については後述する。
【0036】本発明において、粉砕前の可食体の乾燥方
法としては、種々の乾燥方法が採用されるが、主として
ドラムドライヤー、熱風乾燥器、スプレードライヤー、
真空乾燥器、凍結乾燥器等、現在知られている乾燥器が
使用できるが、ドラムドライヤーは、乾燥後の食感がや
わらかく最適である。やわらかい食感を持つ乾燥可食体
を得ようと思えば、乾燥工程でなるべく急速に水分を飛
ばすような乾燥手段を選択するとよい。
【0037】本発明の粉状可食体を乾式粉砕により得る
方法を具体的に説明する。乾燥の工程を経た可食体を乾
式粉砕機にかけることにより行われる。その乾式粉砕機
には、主に2つのタイプの粉砕機が挙げられる。タイプ
1としてジェットミルであり、気流吸い込み型、ノ
ズル内通過型、衝突型、複合型の4種が挙げられ
る。この粉砕原理は、気流に被粉砕物を乗せ衝突させる
ことにより、微粉体を得るということである。この方法
を用いると、分級機およびサイクロンとの併用で、目的
とする数ミクロン〜30ミクロン程度の微粉体を得るこ
とが可能である。
【0038】タイプ2としてメディアミルがある。この
粉砕原理は、後記の水懸濁液を得る方法と基本的には同
じである。この方法を用いると、やはり分級機サイクロ
ンとの併用で、ジェットミルと同程度の粒度を持つ微粉
体を得ることが可能である。また、前記に示した2つの
タイプの粉砕機のほか、他のタイプの粉砕機を使用する
ことによっても、あるいはその組合せによっても、粉状
可食体を得ることができる。
【0039】乾燥後乾式粉砕の場合の粉状可食体の粒形
に関して述べると、その最長径と最短径の比(L/D)
は、少なくとも全粒子の50%以上は2以下であること
が好ましい。なぜならば、2以上ということは、十分に
粉砕処理が行われていないため、粒子表面がざらついて
いるか、あるいは角ばっており、この表面の粗さが舌に
違和感を与え、同一粒度の粒子であっても、食感にざら
つきを感じることになるのである。したがって、少なく
とも50%以上の粒子はL/Dが2以下となっているこ
とが好ましい。
【0040】さらに本発明の水懸濁液を得る方法を具体
的に説明する。湿式粉砕は、前記で得られた可食体を湿
式粉砕機にかけることによって行われる。本発明におい
て湿式粉砕機への供給形態については、ドープを押出
し、凝固、中和および水洗を通過した糸または繊維状物
そのままで供給する方法、糸または繊維状物を単位長さ
に切断して供給する方法、または適度に水に浮遊または
うすめて供給する方法が挙げられる。
【0041】湿式粉砕機の例として媒体攪拌湿式粉砕装
置を、図5に基づいて説明する。媒体を密閉容器に入
れ、内蔵する回転翼であるローター3の高速回転による
攪拌によって、この媒体に強制的な運動を与え、ここに
前処理したセルロース系素材を含む懸濁液を強制通過さ
せて粉砕するものである。可食体は媒体と共に押込み口
1から注入し、ローター3で粉砕した後、分離バルブ6
で媒体を分離し、排出口4より可食体を排出する。媒体
には、直径0.3〜6mmのセラミックスまたは金属ビー
ズが好ましい。媒体の径が0.3mmより小さくなると容
器から排出する時の分離が困難となり、6mmより大きく
なると粉砕効果が落ちる。
【0042】特に、硬度の高いアルミナビーズ、単価ケ
イ素ビーズ、チッ化ケイ素ビーズ、ジルコンビーズ、ジ
ルコニアビーズや超硬ステンレスビーズなどが好んで用
いられるが、ガラス製ビーズでもさしつかえない。容器
(ステーター)2は、円筒状のものが一般的であり、内
部に回転翼3が内蔵されている。回転翼3の形状は、ピ
ンタイプのものやディスクタイプのもの等種々の形状が
工夫されているが、円筒部からもピンが出ている型のも
のも用いうる。回転翼3は高速で回転するが、その周速
は5〜18m/秒の範囲が一般的である。
【0043】このような容器の中に、媒体としてのビー
ズを60〜90%の容量に充填するのが一般的である。
回転翼3を回転させることにより、媒体同志が強烈に運
動し、この摩砕作用によってセルロース系素材を粉砕す
る。連続運転の場合には、セルロース系素材の懸濁液
は、ポンプで強制的に容器内に押し込めてもよい。容器
には、押し込み口1と反対の位置には排出口4が設けら
れており、押し込められた量だけ排出口4より排出され
るように構成されている。一方、バッチ運転の場合は、
開放型容器が一般的に使用される。
【0044】懸濁液は、容器内で強烈な摩砕効果を受け
て微粒化されるが、同時に攪拌熱も発生して温度が上昇
する。したがって、この発熱を吸収する目的で、容器の
外側には冷却水ジャケット5が取り付けられてある。ま
た、回転翼3も冷却できるようになっているものも用い
ることができる。1回の通過で微粒化が不充分な場合
は、繰り返し処理を行ってもよい。媒体と一緒に懸濁液
を排出し、容器外部でスクリーンにより媒体を分離し、
目的とする懸濁液のみを得るやり方もある。
【0045】回転翼としては、ステーターの内壁とある
クリアランスを設けられるように設計されたローターを
高速回転することによって、ローターとステーターの比
較的狭い間に存在する媒体に運動を与える方式もある。
媒体同志の接触面積をかせぐために、円柱状の媒体が使
われる場合もある。本発明の水懸濁液を製造するそのほ
かの製造法としては、高圧均質化処理またはコロイドミ
ル処理を行う方法が挙げられる。
【0046】ここで言う高圧均質化処理とは、乳製品業
者などで広く使われているエマルジョンおよび分散体製
造用の処理であって、その作動機構についてはよく知ら
れており、例えば、Chemical Engineering 13(5)
86−92(1974)に記載されている。処理圧力は
20kg/cm2 以上、好ましくは400kg/cm2 以上と
し、該装置に2回以上通過させることが好ましい。ま
た、コロイドミル処理とは、金属製またはセラミック製
のローターを高速回転させ、ローターとわずかな隙間で
間隙を保ったステーターとの間で、高剪断力を発生させ
て摩砕粉砕する処理を言うが、この場合、ローターの最
大速度は300m/分以上とすると効果的である。
【0047】以上、数種の方法を例示したが、これらの
方法にとどまることなく、要は、本発明の可食体の粒度
を50μ以下に微細化すればよいわけで、これらの方法
の組合せ、またはこれらの方法以外の一般に知られてい
る方法も採用することができる。
【0048】湿式粉砕後の可食体に水を添加し、水懸濁
液を作る。本発明の水懸濁液は、水のように流動性のあ
る流体から、糊のようにペースト状、ソフトクリーム状
のものまで含まれる。湿式粉砕後の可食体の粒径が10
μ前後の場合は、固形分が5〜10%となるように若干
水にうすめて投入した方が、生成する水懸濁液の流動性
が良好になる。一般には、そのまままたは切断した後に
供給するとよい。この場合、固形分は約10〜15%で
ある。
【0049】なお、湿式粉砕の場合は、水に膨潤してい
るため、乾式粉砕の場合のように、粉砕後の可食体の粒
径の最長径と最短径の比(L/D)についての制限は特
に必要ない。また、水懸濁液の流通については、冷蔵
(チルド)流通、殺菌後の常温流通、冷凍後の冷凍流通
等の手段がとられるが、冷凍流通の場合は、なるべくコ
ンタクトフリーザー等の急速冷凍による冷凍が好まし
い。本発明の可食体は、主として食品中に添加して使用
されるが、その添加量は、食品中に本発明可食体が固形
分として0.001%から30%、好ましくは0.1%
から7%添加して使用される。この上限以上の場合は、
食感が本来の食感とは異なり、糊状となる。また、下限
以下の場合は、効果がない。
【0050】本発明の粉状可食体または水懸濁液は、表
1〜表7に示すとおりの用途に有効である。なかでも、
油脂代替素材としてマヨネーズ、ドレッシング、ホワイ
トソース、マーガリン、ファットスプレッド、アイスク
リーム、ホイップクリーム等に使用される。また、ダイ
エタリーファイバー(食物繊維)供給素材として、ヨー
グルト、カスタード、プリン、練りウニ等の食品に使用
することで、より本発明品の効果が発揮できる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【発明の効果】本発明の粉状可食体および水懸濁液は、
口当たりがなめらかで、苦味が抑制されているため、食
品用油脂代替素材や食物繊維供給素材として使用され、
かつ、口当たりの平滑さによって、より多量に食品中に
添加できるため、本可食体が本質的に有している特性
(表8〜9に示す)を、より一層引き出すことが可能と
なり、表8〜9に記載した用途分野にさらに浸透するこ
とができる。
【0059】また、上述の可食体は、水練製品へのスワ
リの遅延またはコントロール、透明感の付与のほかに、
米飯、水練製品、焼豚、しゅうまい、おこのみ焼き、伊
達巻、惣菜数の菌(大腸菌、ネト菌、バチルス菌など)
の抑制や、カビの抑制に効果がみられており、水分活性
低下効果がこれらの効果をもたらしていると考えられて
おり、本発明の粉状可食体も同様の効果が認められてい
る。
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例1 アラスカパルプを蒸気圧15kg/cm2 の飽和水蒸気で3
分間スチーム処理し、重合度300のセルロースを得
た。このセルロースを2Nの水酸化ナトリウム溶液に
3.5重量%の濃度に溶解した。次に、コンスターチを
2Nの水酸化ナトリウム水溶液に23重量%の濃度で溶
解した。
【0063】各々の溶液を40:11の割合で混合し、
セルロース:コンスターチ4:6となるドープを作成し
た。このドープをH2 SO4 14g/dl、Na2 SO4
20g/dlを含む凝固浴中に吐出し、凝固、水洗して、
直径0.25mmの糸の束を得た。この糸束を5mmにカッ
トした。このカット糸を石臼型摩砕機であるマイコロイ
ダーでクリアランス150μにて摩砕し、平均粒径85
μの摩砕品を得た。この摩砕品に0.25重量倍の水を
加えて攪拌した後、マントンゴーリンで200kg/cm2
および500kg/cm2 にてホモジナイズした。その結
果、表10に示す物性を有するペースト(水懸濁液)を
得た。
【0064】
【表10】
【0065】実施例2 実施例1における平均粒径85μの摩砕品を10kgのプ
レートにし、急速凍結して冷板を作成し、袋に入れシー
ルした。この冷板を冷凍状態で1週間保存し、その後、
90℃の温水中で袋に入れた状態で解凍し、ペースト状
に湯もどしをした。このペーストをビーズミル(2mmφ
セラミックビーズ)に、流量0.3l/min 、ポンプ圧
0.8kg/cm2 にて供給し、摩砕した。製造されたペー
ストをさらにもう一回ビーズミルに通し、2パス品を得
た。このペーストの物性を表11に示す。
【0066】
【表11】
【0067】実施例3 実施例1における直径0.25mmの糸束で5mmにカット
したものをドラムドライヤーで乾燥し、長さ1〜2mmの
スフ状の乾燥した糸を得た。この糸を、分級機の回転数
を変えてカウンタージェットミル(ホソカワミクロン
製)にて粉砕した。粉砕条件と生成した粉体の粒径を表
12に示す。
【0068】
【表12】
【0069】このようにして得られた粉体の光学顕微鏡
写真(×100)を図6〜10に示した。写真より各粒
子はほぼ球形をしており、各粒子のLとDの比は、ほと
んどの粒子が2以下であった。
【0070】実施例4 実施例1における直径0.25mmの糸束で5mmにカット
したものをドラムドライヤーで乾燥し、長さ1〜2mmの
乾燥スフを得た。この乾燥スフをファインビクトリーミ
ル(ホソカワミクロン製,気流衝撃型)にて粉砕した。
気流のエアー量およびダンバー開度を調整して、31
μ、40μ、62μの粉体を作成した。なお、粒径は島
津レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−110
0)を用いて積算体積割合50%の粒径を測定したもの
である。
【0071】この粉体の食感は、下記のとおりである。 粒径31μ:ざらつきなし 粒径40μ:あまりざらつきなし 粒径62μ:ざらつきあり L/Dについては、上記のものいずれも視野に観察され
る粒子は1.5以下であった。
【0072】実施例5 グァーガム3.43部を8.5%のカセイソーダ水溶液
に溶かし、7.6%のガムドープを得た。実施例1にお
けるセルロースを8.5%のカセイソーダ水溶液に溶か
し、3.5重量%のセルロースドープを得た。セルロー
スドープ:ガムドープ67:33の割合で混合し、セル
ロース:グァーガム5:5となるドープを作成した。こ
のドープをH2 SO4 11%、芒硝濃度20g/dlを含
む凝固浴中に吐出、凝固させた後、よく水洗して直径
0.25mmの糸の束を得た。
【0073】この糸束をドラムドライヤーで乾燥し、長
さ1〜2mmの乾燥スフを得た。これをファインビクトリ
ーミル(ホソカワミクロン製,気流衝撃型)にて粉砕し
た。気流のエアー量およびダンバー開度を調整して、4
8.5μの粉体を作成した。なお、粒径は実施例4と同
様に測定したものである。この粉体の食感は、あまりざ
らつきがない。L/Dについては、視野に観察される粒
子は1.5以下であった。
【0074】次に、本発明の可食体の使用例を挙げて説
明する。 使用例1 実施例2の1パス品、2パス品、処理前のペーストおよ
びコントロールについて、表13に示すレシピーにてマ
ヨネーズを作成し、16人のパネラーにより食感を調べ
た。
【0075】
【表13】
【0076】その結果、コントロールと1パス品、2パ
ス品は有意差がなく、両パス品はざらつきのないことが
判明した。処理前ペーストは、コントロールに比べ有意
差があった。16人中16人がざらつきがあると答え
た。
【0077】使用例2 実施例3、実施例4および実施例5の乾燥粉砕品を4倍
の水でよく練り、均一混合した後、市販の練りウニに1
0%混合して、練りウニの試験品を作った。この試験品
を16人のパネラーによる官能検査を行い、市販練りウ
ニとざらつきについて比較を行った。その結果を表14
に示す。
【0078】
【表14】
【図面の簡単な説明】
【図1】天然セルロースのC1 〜C6 カーボンピーク領
域の固体CP/MAS13C−NMRスペクトルを示す。
【図2】再生セルロースのC4 カーボンピーク領域の固
体CP/MAS13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】本発明の可食体が海成分を示す場合の構造体断
面の透過型電子顕微鏡写真。
【図4】本発明の可食体が連続体を示す場合の構造体断
面の透過型電子顕微鏡写真。
【図5】媒体攪拌湿式粉砕機の側面図。
【図6】実施例3のサンプル No.1の光学顕微鏡写真。
【図7】実施例3のサンプル No.2の光学顕微鏡写真。
【図8】実施例3のサンプル No.3の光学顕微鏡写真。
【図9】実施例3のサンプル No.4の光学顕微鏡写真。
【図10】実施例3のサンプル No.5の光学顕微鏡写
真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23G 3/00 9161−4B 9/02 9161−4B A23L 1/00 D 6844−4B 1/03 6844−4B 1/187 2121−4B 1/19 2121−4B 1/0528 1/24 A 8114−4B 1/325 H 7236−4B 3/37 A 2114−4B C08B 15/00 8615−4C C08L 1/00 LAM 6770−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属水酸化物水溶液から再生さ
    れたセルロースと食用多糖類を含む構造体からなる可食
    体であって、その構造体中でセルロースと食用多糖類の
    均質体が、海成分または連続体として少なくとも10%
    以上存在する可食体において、その積算体積50%の粒
    径が50μ以下であることを特徴とする粉状可食体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粉状可食体が、乾式粉砕
    によって得られたものであって、L/D2以下の平滑表
    面を有する塊状粒子50%以上から構成されることを特
    徴とする粉状可食体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の粉状可食体を少なくとも
    3〜40重量%含有することを特徴とする水懸濁液。
JP3198232A 1991-07-15 1991-07-15 粉状可食体およびその水懸濁液 Withdrawn JPH0523119A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100183793A1 (en) * 2007-06-29 2010-07-22 Olivier Noble Stable fruit preparation wth high acaia gum concentration
WO2012026460A1 (ja) * 2010-08-24 2012-03-01 株式会社明治 ゲル状食品の製造方法
JP2014240497A (ja) * 2007-09-21 2014-12-25 レンツィング アクチェンゲゼルシャフト セルロース懸濁液およびその製造方法
WO2020075488A1 (ja) * 2018-10-10 2020-04-16 ヤンマー株式会社 米ゲル製造システム及び米ゲル製造方法

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